JP5214061B2 - 乾式摩擦材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乾式の摩擦材、例えば、自動車等に用いられるトルクリミッタークラッチ、スリップクラッチ、スラストダンパー等を構成する乾式摩擦材及びその製造方法に関するものである。
クラッチフェーシング、ダンパー、トルクリミッター等を始めとする乾式摩擦材を含むシステムにおいて、乾式摩擦材の製造方法としては、特許文献1に示されるように、基材となるガラス長繊維を束ねた繊維束(ガラスロービング)に熱硬化性樹脂を含む含浸液を含浸させて樹脂含浸紐を形成する樹脂含浸工程と、樹脂含浸紐に配合ゴムを付着させるゴム付着工程とを有する方法が知られている。ここで、前記含浸液の媒体は水であり、熱硬化性樹脂はメラミン配合率が30%以上、80%以下の水性メラミン変性フェノール樹脂であることが知られている。この特許文献1の技術によれば、樹脂含浸工程でもゴム付着工程でも有機溶媒を使用することなしに、最終製品の乾式摩擦材(クラッチフェーシング等)の性能が低下しない摩擦材用素材を製造することができる。
しかし、上記特許文献1に記載の技術においては、乾式摩擦材を収容しているケースの密閉が不充分であると、隙間から外部の泥水・雨水等が浸入して、表面研摩によって摩擦面に露出したガラス繊維に吸収される。そして、この状態のまま長期間摩擦相手材との摺動がなされないと吸収された水分が摩擦相手材としての鋼板に錆を生じさせて、摩擦相手材との間に錆付きが生ずる場合がある。その場合、乾式摩擦材の製造時にガラス繊維の含有率を低下させることがある。
特開2000−037797号公報
上述の如くガラス繊維の含有率を低下させることによって、クラッチフェーシング等の乾式摩擦材の強度及び剛性が低下するため、カシメ組付け用の孔明け時に割れ、欠けが生じやすく、その対策、処理に新たな費用が発生し、製造コストが増大してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであって、ガラス繊維の含有率と配合ゴムの含有率を乾式摩擦材の所望の位置に任意の含有率に設定可能な乾式摩擦材及びその製造方法の提供を目的とするものである。
請求項1の発明に係る乾式摩擦材は、ガラス繊維とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴムとを含有する平板リング形状の乾式摩擦材において、前記乾式摩擦材の芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率と配合ゴム含有率が、前記芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置でガラス繊維含有率と配合ゴム含有率の何れか1つまたは2つを異にしたものである。
ここで、上記固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率の何れか1つまたは2つとは、前記固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率、ガラス繊維含有率及び配合ゴム含有率を変えたものである。
また、上記固定部とは、乾式摩擦材が芯材に固定される部位であり、鋲等のカシメで取付けて固定する場合、凹凸等の嵌合によって取付けて固定する場合、摩擦抵抗によって取付けて固定する場合、接着剤によって取付けて固定する場合等があり、実施例によって決定される。そして、上記乾式摩擦材とは、芯材に取付ける摩擦材または取付けられた摩擦材である。
ここで、ガラス繊維含浸用合成樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂を始めとする熱硬化性樹脂等を用いることができ、特に、メラミン変性フェノール樹脂を始めとする変性フェノール樹脂を用いることができる。
また、配合ゴムとは、乾式摩擦材を構成する材料であって、合成ゴム・天然ゴム等のゴム、カーボンブラック等の顔料、硫黄、加硫促進剤、レジンダスト・炭酸カルシウム等の充填材を含有する、ゴムを主体とする混合物である。
更に、合成ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR,二トリルゴムとも言う)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を単独で、または混合して用いることができる。
請求項2の発明に係る乾式摩擦材の前記ガラス繊維と前記配合ゴムは、前記乾式摩擦材の成形時に移動させ、偏在させることで、前記乾式摩擦材の前記芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にしたものである。
ここで、前記異にしたガラス繊維含有率、配合ゴム含有率は、前記ガラス繊維と前記配合ゴムを前記乾式摩擦材の成形時に移動させて、成型金型に従って偏りを与えたものである。
請求項3の発明に係る乾式摩擦材の前記固定部は、前記乾式摩擦材の一面に形成され、前記芯材と係合する凸部であり、かつ、前記固定部の配合ゴム含有率が前記固定部以外の配合ゴム含有率より大きいものである。
ここで、前記固定部が前記乾式摩擦材の一面に形成された凸部であることは、前記凸部の接触によって、または接合によって芯材との一体化を行うものである。
請求項4の発明に係る乾式摩擦材の前記固定部は、前記芯材との接触面の静摩擦係数が前記乾式摩擦材の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいものである。
ここで、前記芯材との接触面の静摩擦係数が前記乾式摩擦材の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいとは、乾式摩擦材としての摩擦面となる表面の静摩擦係数よりも前記芯材と接触する裏面の静摩擦係数を大きくすることにより、前記芯材と乾式摩擦材との固定の安定化を良くするものである。
請求項5の発明に係る乾式摩擦材の前記固定部は、前記固定部間に溝が形成されているものである。
ここで、前記固定部間の溝は、その形状としては乾式摩擦材の内周から外周に繋がっておればよく、その形状としては放射状または弧状とすることができる。
請求項6の発明に係る乾式摩擦材における前記芯材との固定部のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きく、かつ、前記固定部以外の配合ゴム含有率が前記固定部の配合ゴム含有率よりも大きいものとすることができる。
ここで、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きくとは、前記固定部のガラス繊維含有率を大きくすることであり、また、前記固定部以外の配合ゴム含有率を前記固定部の配合ゴム含有率よりも大きいものとすることは、前記固定部以外の配合ゴム含有率を大きくすることを意味する。
請求項7の発明に係る乾式摩擦材の前記乾式摩擦材と芯材との前記固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きく、かつ、このガラス繊維含有率の大きい前記固定部に孔明け加工された穿設部を有している。
ここで、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きく、かつ、前記固定部に孔明け加工された穿設部分を有しているとは、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部のガラス繊維含有率が大きく、かつ、穿設部分のガラス繊維含有率が大きいことを意味し、また、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部が穿設孔の穿設部分であり、その固定部のガラス繊維含有率が大きいことを意味する。
請求項8の発明に係る乾式摩擦材のガラス繊維含有率の大きい固定部のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍の範囲内である。
ここで、前記固定部のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍では、孔明け加工される固定部のガラス繊維含有率は、孔明け加工されない部分のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍の範囲内であれば、摩擦特性を損なわず、かつ、カシメ組付け用の孔明け時に割れ、欠けが生じず、簡便なカシメ組付けを行うことができる条件である。
請求項9の発明に係る乾式摩擦材は、前記孔明け加工される固定部のガラス繊維含有率が、22重量%〜40重量%の範囲内である。
ここで、前記孔明け加工される部分のガラス繊維含有率は、22重量%〜40重量%の範囲内、より好ましくは24重量%〜36重量%の範囲内であるものである。
請求項10の発明に係る乾式摩擦材の製造方法は、熱硬化性樹脂を含む含浸液にガラス繊維を含浸させて樹脂含浸ガラス繊維を形成する樹脂含浸工程と、前記樹脂含浸ガラス繊維に配合ゴムを付着させて配合材料とするゴム付着工程と、前記配合材料を円形の予備成形品に形成する予備成形工程と、前記予備成形品を成形する成形工程とを具備し、前記成形工程において、成形と同時に固定部または固定部以外の前記ガラス繊維を一方向に移動させて前記固定部のガラス繊維含有率または前記配合ゴム含有率を上げるものである。
請求項11の発明に係る乾式摩擦材の製造方法の前記成形工程は、前記予備成形品をプレス金型によって、前記固定部または前記固定部以外を、前記固定部以外または前記固定部よりも高圧力でプレス成形するプレス成形工程としたものである。
ここで、前記プレス成形工程の前記固定部または前記固定部以外と、前記固定部以外または前記固定部との圧力の違いは、部分的にみると、論理的には圧縮変形する圧縮率の大きいものを意味している。
請求項12の発明に係る乾式摩擦材の製造方法は、前記プレス成形工程において前記固定部または前記固定部以外を、前記固定部以外または前記固定部よりも高圧力でプレスする手段として、前記プレス金型の成形体側に前記固定部または前記固定部以外に対応して突出する突出部を設けたものである。
ここで、前記プレス成形工程において前記固定部または前記固定部以外に対応する前記プレス金型の部分に成形体側に突出する突出部を設けたものであるから、その突出部によって容易に前記乾式摩擦材の成形時にガラス繊維及び配合ゴムが移動し、偏在させることができる。
請求項13の発明に係る乾式摩擦材の製造方法の前記突出部の突出高さは、前記プレス工程においてプレス成形される成形体の厚さの15%〜35%の範囲内である。
ここで、前記プレス工程においてプレス成形される成形体の厚さの15%〜35%の範囲内とは、発明者等の実験値であり、確実に、孔明け加工される固定部のガラス繊維含有率に不良が発生しない値としたものである。
請求項14の発明に係る乾式摩擦材の前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔としたものである。
ここで、前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材と前記乾式摩擦材と凹凸によって係合するものであればよい。
請求項15の発明に係る乾式摩擦材の前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔とし、前記固定部に代えたものである。
ここで、前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材と前記乾式摩擦材と凹凸によって係合するものであればよく、前記芯材と前記乾式摩擦材との一体感が得やすくなるばかりか、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置の機能によって前記固定部を廃止できるものである。
請求項1の乾式摩擦材は、ガラス繊維とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴムとを含有する平板リング状の乾式摩擦材において、前記乾式摩擦材の芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率と配合ゴム含有率が、前記ガラス繊維含有率と配合ゴム含有率の何れか1つまたは2つを異にしたものである。
したがって、ガラス繊維含有率の大きい部分または配合ゴム含有率の大きい部分を芯材との前記固定部とし、ガラス繊維含有率の大きい部分を前記固定部としたときには、強度や剛性が前記固定部以外より高くなることから孔明け加工等の加工が容易になり、配合ゴム含有率の大きい部分を前記固定部にしたときは、前記固定部の摩擦力が前記固定部以外より大きくなることから、直接芯材に取付けて固定することが可能となる。
請求項2の乾式摩擦材の前記ガラス繊維と前記配合ゴムは、前記乾式摩擦材の成形時に移動させて偏在させることで、前記乾式摩擦材の前記芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にしたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、成形加工を行うことによって前記芯材との前記固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にできるので、予め、乾式摩擦材全体のガラス繊維含有率と配合ゴム含有率が特定されていても、芯材との固定方法によって芯材に固定する部位の機械的特性、特に、摩擦力を任意に設定でき、生産性のよい加工処理が可能となる。
請求項3の乾式摩擦材の前記固定部は、前記乾式摩擦材の一面に形成された凸部としたものであり、かつ、前記固定部の配合ゴム含有率が前記固定部以外の配合ゴム含有率より大きくしたものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記固定部の配合ゴム含有率が大きいことから静摩擦係数が大きくでき、安定した乾式摩擦材の取付けが可能となる。
請求項4の乾式摩擦材の前記固定部は、前記芯材との接触面の静摩擦係数が前記乾式摩擦材の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記芯材との接触面の静摩擦係数が前記乾式摩擦材の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいから、乾式摩擦材の摩擦面が相手材に対し摺動し、また摺動している時にも芯材との固定が安定的に保たれる。
請求項5の乾式摩擦材の前記固定部は、前記固定部間に溝が形成されていることから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、前記固定部間に形成された溝に芯材が係合することで乾式摩擦材と芯材がより確実に固定される。
請求項6の乾式摩擦材の前記芯材との前記固定部のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きいことから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、芯材に固定する際の加工が容易になり、製造コストを低減することができる。
請求項7の乾式摩擦材の前記芯材との前記固定部に孔明け加工された穿設部分を有しているため、請求項6に記載の効果に加えて、前記穿設部分によって芯材とカシメ組付けを行うことができ、簡便で、かつ、より確実な芯材との固定ができる。
請求項8の乾式摩擦材の前記孔明け加工される前記固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍の範囲内であることから、請求項7に記載の効果に加えて、乾式摩擦材全体のガラス繊維含有率が低く設定された場合に、孔明け加工される前記固定部の強度及び剛性を、より確実に大幅に向上させることができる。
請求項9の乾式摩擦材の前記孔明け加工される前記固定部のガラス繊維含有率が、22重量%〜40重量%の範囲内であることから、請求項7または請求項8に記載の効果に加えて、孔明け加工する穿設部分の割れ、欠け等の孔明け不良が生ずる事態をより確実に防止することができる。特に、孔明け加工される穿設部分のガラス繊維含有率が24重量%〜36重量%の範囲内であれば、更に確実に割れ、欠け等の孔明け不良が生ずる事態を防止できるため、より好ましい。
請求項10の乾式摩擦材の製造方法は、熱硬化性樹脂を含む含浸液にガラス繊維を含浸させて樹脂含浸ガラス繊維を形成する樹脂含浸工程と、前記樹脂含浸ガラス繊維に配合ゴムを付着させて配合材料とするゴム付着工程と、前記配合材料を円形の予備成形品に形成する予備成形工程と、前記予備成形品を成形する成形工程とを具備し、前記成形工程において、成形と同時に固定部または固定部以外の前記ガラス繊維を一方向に移動させて前記固定部のガラス繊維含有率または前記配合ゴム含有率を上げるものである。
これによって、固定部のガラス繊維含有率を上げた場合は、孔明け加工される固定部(穿設部分)のガラス繊維含有率が増大し、強度及び剛性が向上し、従来の乾式摩擦材のように孔明け加工によって割れ、欠け等の孔明け不良が生ずることなく、孔明けを行うことができ、簡便なカシメ組付けを行うことができ、製造コストを低減することができる。
したがって、乾式摩擦材の全体としてのガラス繊維の含有率を低く保持して、前記穿設部分が高強度・高剛性で、カシメ組付け用の孔明け加工が可能となる。
また、固定部の配合ゴム含有率を上げた場合は、固定部の静摩擦係数が摩擦面より増大するため摩擦面が相手材に対し摺動し、摺動している時にも芯材との固定が安定的に保たれる。したがって、簡便に芯材への固定ができる。
請求項11の乾式摩擦材の製造方法における前記成形工程は、前記予備成形品をプレス金型によって、前記固定部または固定部以外を、前記固定部以外または固定部よりも高圧力でプレス成形するプレス成形工程であるから、請求項10に記載の効果に加えて、高圧力でプレス成形されることによって固定部または固定部以外から、配合材料中の配合ゴムが固定部以外または固定部に押し出されて、固定部のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率が増大したガラスリッチ部またはゴムリッチ部になる。したがって、ガラスリッチ部では強度及び剛性が向上し、割れ、欠け等の孔明け不良が生ずるのが防止でき、ゴムリッチ部では静摩擦係数が大きくなり、摩擦力によって芯材との安定的な固定が可能となる。
請求項12の乾式摩擦材の製造方法における前記成形工程において、前記固定部または固定部以外を前記固定部以外または固定部よりも高圧力でプレスする手段として、前記プレス金型の成形体側に固定部または固定部以外に対応して突出する突出部を設けたものであるから、請求項11に記載の効果に加えて、前記固定部がより容易にガラス繊維含有率または配合ゴム含有率を増大させることができる。
請求項13の乾式摩擦材の製造方法における前記突出部の突出高さは、前記プレス工程においてプレス成形される成形体の厚さの15%〜35%の範囲内であることから、請求項12に記載の効果に加えて、芯材との固定をカシメ組付け等によって行う場合には、より確実に、固定部である孔明け加工される穿設部分のガラス繊維含有率を、割れ、欠け等の孔明け不良が発生しないガラス繊維含有率にまで増大させることができる。また、カシメ組付け等に因らない場合には、固定部の配合ゴム含有率を芯材に対し、より確実に固定できる摩擦力を発現させる配合ゴム含有率まで増大させることができる。
請求項14の乾式摩擦材の前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔としたものであるから、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、位置合わせができることで前記芯材と前記乾式摩擦材との一体感が得やすくなる。
請求項15の乾式摩擦材の前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔とし、前記固定部に代えたものであるから、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、位置合わせができることで前記芯材と前記乾式摩擦材との一体感が得やすくなるばかりか、前記固定部を廃止することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材の製造工程を示すフローチャートである。 図2(a)は本発明の実施の形態1に係る乾式摩擦材の巻取り品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図2(b)はプレス成形品及びプレス金型の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図2(c)は研摩品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図2(d)は孔明け加工品の縦断面の一部を示す部分縦断面図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る乾式摩擦材のガラス繊維含有率と孔明け不良率との関係を示すグラフである。 図4(a)は従来の成形法によるプレス成形品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図4(b)は本発明の実施の形態1に係るプレス成形品及びプレス金型の縦断面の一部を示す部分縦断面図である。 図5(a)は本発明の実施の形態2に係る乾式摩擦材の巻取り品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図5(b)は本発明の実施の形態2に係るプレス成形品及びプレス金型の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図5(c)は研摩品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図5(d)は孔明け加工品の縦断面の一部を示す部分縦断面図である。 図6(a)は本発明の実施の形態3に係る乾式摩擦材の巻取り品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図6(b)はプレス成形品及びプレス金型の縦断面の一部を示す部分縦断面図、図6(c)は研摩品の縦断面の一部を示す部分縦断面図である。 図7は本発明の実施の形態3に係る乾式摩擦材と芯材の構造を示す説明図で、図7(a)は乾式摩擦材との接合状態を示す図7(b)の切断線A−Aにおける位置の断面図、図7(b)は芯材の平面図、図7(c)は芯材の他例の平面図である。 図8は本発明の実施の形態3に係る乾式摩擦材の静摩擦係数のグラフである。 図9(a)は本発明の実施の形態4に係る芯材の正面図、図9(b)は本発明の実施の形態4に係る乾式摩擦材の部分的な正面図、図9(c)は切断線B−Bによる部分要部断面図である。 図10(a)は本発明の実施の形態5に係る芯材の正面図、図10(b)は本発明の実施の形態5に係る乾式摩擦材の部分的な正面図、図10(c)は切断線C−Cによる部分要部断面図である。
1 乾式摩擦材
2 穿設孔
3 ガラス繊維
4 配合ゴム
5 芯材
30 ガラスリッチ部
31 ゴムリッチ部
40 ガラスリッチ部
41 ゴムリッチ部
45 係合孔
55 係合凸部
次に、本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材について、図1乃至図4を参照して説明する。まず、本実施の形態1及び2に係る乾式摩擦材の製造方法について、図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材の製造工程を示すフローチャートである。
最初に、樹脂含浸工程において、ガラス繊維にガラス繊維含浸用合成樹脂としてのフェノール樹脂(より詳しくはメラミン変性フェノール樹脂)を含む含浸液を含浸させて樹脂含浸ガラス繊維が形成される(ステップS10)。本発明の実施の形態では、ガラス繊維にガラス繊維を束ねたガラスロービングを用いているため樹脂含浸紐となる。続いて、ゴム付着工程において、この樹脂含浸ガラス繊維である樹脂含浸紐に配合ゴムを付着させ(ステップS11)、巻取り工程において、配合ゴムが付着した樹脂含浸紐が所定の大きさに巻取られる(ステップS12)。この巻取りによって樹脂含浸ガラス繊維である樹脂含浸紐が円形に形成される。したがって、この巻取り工程が予備成形工程であり、巻取り品が予備成形品である。
なお、本発明の実施の形態ではガラスロービングを用いているが、ガラスクロス、ガラス長繊維等を用いることもできる。
ここで、配合ゴムとしては、合成ゴム、カーボンブラック等の顔料、硫黄、加硫促進剤、レジンダスト・炭酸カルシウム等の充填材を含有するゴムを主体とする混合物を用いており、合成ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を混合して用いている。
そして、成形工程において、巻取り品が成形金型に押し込まれて加熱加圧成形されるが(ステップS13)、成形工程においては、面圧15MPa、温度165℃で、数回のガス抜きを行って、2分間加熱加圧成形して、固定部または固定部以外となる部分の摩擦面側と反対側の面(裏面)に、図2で後述するように、凹部を同時に形成する。
この成形体を成形金型から取り出して、240℃で10時間熱処理を行い(ステップS14)、その後常温まで放冷してから、表裏両面を研摩して(ステップS15)、所定の厚さに加工した後に、必要に応じて孔明け加工を実施して(ステップS16)、本実施の形態に係る乾式摩擦材1が完成する。なお、必要に応じて孔明け加工を実施するステップS16は、孔明け加工を必要としないものでは省略できる。この際、芯材と固定するために孔明け加工が必要とするものは凹部が固定部となり、孔明け加工を必要としないものでは固定部以外の部分に凹部が形成されることになる。なお、位置決めのための孔加工は設けなくても良く、設けるときは固定部、固定部以外のどちらに設けてもよい。
[実施の形態1]
次に、本発明の実施の形態1に係る乾式摩擦材のより具体的な製造工程について、図2を参照して説明する。
図2(a)に示されるように、本実施の形態1に係る乾式摩擦材1の製造工程のうち、予備成形工程としての巻取り工程(図1のステップS12)で製造される予備成形品としての巻取り品1aは、t1の厚さを有している。一般に、t1は5mm〜15mm程度の範囲内である。この巻取り品1aが、図2(b)に示されるように、プレス成形工程(図1のステップS13)において、成形金型、更に言えば、プレス金型20の下型20A、上型20B内に押し込まれてプレス成形されて、厚さt2(t1>t2)の成形体1bとなる。
このとき、プレス金型20の固定部となる孔明け加工される穿設部分の摩擦面側に対し反対側の面(裏面)には、プレス金型の上型20Bのリブ21が成形体側(摩擦面側)へ突出して設けられているから、リブ21は乾式摩擦材1の径方向の中心(内外径の中央)に位置する幅が幅Wとなるように径の中心に対し所定の角度をもち、高さがhの形状に設計されており、扇形の略直方体形状を成している。これによって、孔明け加工される穿設部分がより高圧力でプレスされて、図2(b)に白抜き矢印で示されるように、流動性を有する配合ゴム4が孔明け加工されない部分へ押し出されて、ガラス繊維3は配合ゴム4の抜け出た部分に入り込み、リブ21の突き出し方向(摩擦面側)に移動し、密度を高くして、裏面に凹部が形成される。この結果、成形体1bの孔明け加工される穿設部分のガラス繊維3の含有率が増大する。このリブ21が突出部である。
ここで、プレス金型20の上型20Bのリブ21が成形体側(摩擦面側)へ突出して設けられているガラス繊維3の密度の高い部位をガラスリッチ部30といい、この部分に穿設孔2が明けられて芯材5と接合される。したがって、ガラスリッチ部30が芯材5(図7参照)との固定部である。また、ガラスリッチ部30内の配合ゴム4が孔明け加工されない部分である固定部以外の部分へ押し出されてなる部位をゴムリッチ部31という。
プレス金型20に突出部として設けたリブ21の突出高さhは、成形体1bの厚さt2の15%〜35%の範囲内であることが好ましい。15%未満であると配合ゴム4の移動が不充分となりガラス繊維含有率が不足し、一方、35%を超えると成形に不具合が起きやすくなる。また、その幅(周方向の内外径中心幅)Wは、カシメ組付け用に使用する穿設孔2の直径の1.5〜5倍の範囲内であることが好ましい。1.5倍未満であるとガラスリッチ部30に位置する穿設孔2の孔明け加工時の位置ずれによって割れ、欠けが発生する可能性が高くなり、一方、5倍を超えると使用時に乾式摩擦材1にかかる面圧の分布状態に偏在が生じ不具合が起きやすくなる。なお、本実施の形態では裏面に凹部を形成しているが、摩擦特性に影響を与えない限り摩擦面側に凹部を形成しても、形成しなくてもよい。
かかる成形体1bが、図2(c)に示されるように、研磨工程(図1のステップS15)において表裏とも、表の研磨領域を決定する研磨加工線X−X及び裏のリブ21の突出高さhより上に研磨領域を決定する研磨加工線Y−Yまで研摩加工されて、全体が平板リング形状の研摩加工体1cとなる。ここで、上述したように、孔明け加工される穿設部分のガラス繊維3の含有率(含有密度)は高くなっており、強度及び剛性が増大している。したがって、図2(d)に示されるように、ガラスリッチ部30に位置する穿設孔2の孔明け加工工程(図1のステップS16)において、割れ、欠け等を生ずることなく孔明け加工されて、複数の穿設孔2を有する乾式摩擦材1が完成する。なお、本実施の形態では両面とも研摩しているが、厚みまたはその乾式摩擦材の取付形態によっては、一面のみの研摩も有り得る。
ここで、発明者等はガラス繊維含有率とガラスリッチ部30に位置する穿設孔2の孔明け不良率との関係について実験を行った。
具体的には、ガラス繊維含有率が11重量%〜28重量%の範囲内で異なる複数の試験体を、図1のフローチャートに従って製造して、各試験体についてガラスリッチ部30に位置する複数の穿設孔2の孔明け加工を実施して、割れ、欠け等の孔明け不良の発生率を確認した。その結果を、図3に示す。図3はガラス繊維含有率と孔明け不良率との関係を示すグラフである。
図3に示されるように、ガラス繊維含有率が11重量%〜22重量%の範囲では、孔明け不良が発生しているが、ガラス繊維含有率が22重量%以上では孔明け不良の発生率が0%となっている。
一方、図4(a)は従来の成形法によるプレス成形品の縦断面の一部を示す部分縦断面図、(b)は本発明の実施の形態1に係るプレス成形品及びプレス金型の縦断面の一部を示す部分縦断面図である。
図1のフローチャートに示される製造方法に従って、図4(a)に示されるように従来のプレス成形を行って製造した乾式摩擦材と、図4(b)に示されるように、本実施の形態に係るプレス成形、言い換えれば、ガラスリッチ成形というべくガラスリッチ部30及びその間のゴムリッチ部31を全周に形成した乾式摩擦材1について、各部分のガラス繊維含有率を測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 0005214061
表1に示されるように、従来のプレス成形を行った場合には、ガラス繊維含有率は15重量%〜25重量%の範囲内であり、ガラスリッチ部30としてガラスリッチ成形を行った場合には、ガラスリッチ部30以外の部分、即ち、ゴムリッチ部31のガラス繊維含有率が11重量%〜19重量%の範囲内であるのに対し、ガラスリッチ部30のガラス繊維含有率は24重量%〜36重量%の範囲内に増加している。このときの増加率を計算すると、1.2倍〜4倍の範囲であり、平均すると2倍以上となっている。
この結果を図3のグラフに当てはめると、図3に示されるように、従来のプレス成形を行った場合には孔明け不良が発生する可能性があるが、ガラスリッチ成形を行った場合には孔明け加工を行うガラスリッチ部30には孔明け不良が発生しないことが分かる。
このようにして、本実施の形態1に係る乾式摩擦材1及びその製造方法においては、乾式摩擦材1全体としてのガラス繊維の含有率を高くできないとき、孔明け加工が行われるガラスリッチ部30のガラス繊維含有率を高く成形することができ、ガラスリッチ部30が高強度・高剛性で、カシメ組付け用の孔明け加工が可能な乾式摩擦材及びその製造方法となる。
[実施の形態2]
図5(a)に示されるように、本実施の形態2に係る乾式摩擦材1の製造工程のうち、図1のステップS12に相当する巻取り工程で製造される巻取り品1aは、実施の形態1と同様に、t1の厚さを有している。この巻取り品1aが、図5(b)に示されるように、図1のステップS13に相当するプレス成形工程において、プレス金型20の下型20A内に、上型20Bが押し込まれてプレス成形されて、厚さt2(t1>t2)の成形体1bとなる。
このとき、プレス金型20の孔明け加工される穿設部分であるガラスリッチ部30の摩擦面側に対する反対側の面(裏面)には、プレス金型20の上型20Bのリブ21が成形体側(摩擦面側)へ突出して設けられている。リブ21は乾式摩擦材1の径方向の中心(内外径の中心)に位置する幅がWとなるように径の中心に対し所定の角度で、高さがhの形状とした扇形の略直方体形状を成している。これによって、孔明け加工されるガラスリッチ部30の穿設孔2がより高圧力でプレスされて、図5(b)に白抜き矢印で示されるように、流動性を有する配合ゴム4が孔明け加工されないゴムリッチ部31へ押し出されて、ガラス繊維3は配合ゴム4の抜け出た部分に入り込み、リブ21の突き出し方向(摩擦面側)に移動し、密度を高くして、裏面に凹部が形成される。この結果、成形体1bの孔明け加工が実施されるガラスリッチ部30のガラス繊維3の含有率が増大する。
ここで、プレス金型20の上型20Bに突出部として設けたリブ21の突出高さhは、成形体1bの厚さt2の15%〜35%の範囲内であることが好ましい。15%未満であると配合ゴム4の移動が不充分となりガラス繊維含有率が不足し、一方、35%を超えると成形に不具合が起きやすくなる。また、その幅(周方向の中心幅)Wは、カシメ組付け用の穿設孔2の直径の1.5〜5倍の範囲内であることが好ましい。1.5倍未満であるとガラスリッチ部30の孔明け加工時の位置ずれによって割れ、欠けが発生する可能性が高くなり、一方、5倍を超えると使用時に乾式摩擦材1にかかる面圧の分布状態に偏在が生じ不具合が起きやすくなる。例えば、リブ21の突出高さhが3〜5mmのとき、Wが1.5〜3.0mmである。
本実施の形態の成形体1bが、図5(b)に示されるように、図1のステップS15に相当する研磨工程において表裏とも、表の研磨領域を決定する研磨加工線N−N及び裏のプレス金型20のリブ21の突出高さhによって決定される領域内の研磨加工線M−Mまで研摩加工されて、平板リング形状の研摩加工体1cとなる。ここで、上述したように、孔明け加工されるガラスリッチ部30のガラス繊維3の含有率(含有密度)は高くなっており、強度及び剛性が増大している。また、ガラスリッチ部30相互間にあるゴムリッチ部31の乾式摩擦材1には、ガラスリッチ部30を形成する際に配合ゴム4がガラスリッチ部30側からゴムリッチ部31側に移動し、そのまま偏在するので、孔明け加工される穿設部分間のゴムリッチ部31側は配合ゴム4の含有率(含有密度)が高くなっている。
したがって、図5(d)に示されるように、図1のステップS16に相当するガラスリッチ部30の孔明け加工工程において、割れ、欠け等を生ずることなく孔明け加工され、周囲に複数の穿設孔2を有する乾式摩擦材1が完成する。なお、本実施の形態では両面とも研摩しているが、一面のみの研摩も有り得る。
ここで、ガラス繊維含有率と穿設部30の孔明け不良率との関係については、図3に示すガラス繊維含有率と孔明け不良率との関係を示すグラフと同一である。
また、従来のプレス成形を行って製造した乾式摩擦材と、本実施の形態の場合、図4に示すように、ガラスリッチ部30の穿設孔2のガラス繊維含有率は24重量%〜36重量%の範囲内となっているが、ガラスリッチ部30以外の部分、即ち、ゴムリッチ部31のガラス繊維含有率が11重量%〜19重量%の範囲内であるのに対し、このときの増加率を計算すると、1.2倍〜4倍の範囲であり、平均すると2倍となっている。従来のプレス成形を行った場合には、ガラス繊維含有率は15重量%〜25重量%の範囲内であった。即ち、図3に示されるように、従来のプレス成形を行った場合には孔明け不良が発生する可能性があるが、ガラスリッチ成形を行った場合には孔明け加工を行うガラスリッチ部30の穿設孔2には孔明け不良が発生しないことが分かる。
このようにして、本実施の形態2に係る乾式摩擦材1及びその製造方法においては、乾式摩擦材全体としてのガラス繊維の含有率を高くできないとき、孔明け加工が行われるガラスリッチ部30のガラス繊維含有率を高く成形することができ、ガラスリッチ部30、特に、穿設孔2が高強度、高剛性で、カシメ組付け用の孔明け加工が可能な乾式摩擦材及びその製造方法となる。また、ゴムリッチ部31は静摩擦抵抗が大きく、乾式摩擦材1の摩擦面がクラッチディスク等に全面が均等に接触した場合、乾式摩擦材1にクラッチディスク等の回転力が加わるが、ゴムリッチ部31は芯材5(図7参照)との摩擦抵抗が大きいので、ゴムリッチ部31がガラスリッチ部30にストレスを与え難くするから、使用中に孔明け加工が行われる穿設部分にストレスが集中するのを防止し、乾式摩擦材1の全面に均一な接触が得られる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1及び実施の形態2では、ガラスリッチ部30に穿設孔2を設ける前提で説明した。しかし、本発明を実施する場合には、実施の形態2で説明したように、ゴムリッチ部31は芯材5との摩擦抵抗が大きく、ゴムリッチ部31がガラスリッチ部30にストレスを与え難くすることから、ガラスリッチ部30に穿設孔2を設けて芯材5に固着するのを省略することもできる。
図6がその実施の形態3で、基本的構成は、実施の形態2と同一である。特に、本実施の形態の図6(a)及び図6(b)は、実施の形態2の図5(a)及び図5(b)と基本的に相違するものではない。
本実施の形態の成形体1cは、図6(c)に示されるように、図1のステップS15に相当する研磨工程において表裏とも、表の研磨領域を決定する研磨加工線R−R及び裏のプレス金型20のリブ21の突出高さhによって決定される領域内の研磨加工線S−Sまで研摩加工されて、平板リング形状の研摩加工体1cつまり乾式摩擦材1となる。
ここで、上述したように、ガラスリッチ部30のガラス繊維3の含有率(含有密度)は高くなっており、強度及び剛性が増大している。また、ゴムリッチ部31がガラスリッチ部30相互間にある乾式摩擦材1には、ガラスリッチ部30を形成する際に配合ゴム4がガラスリッチ部30側からゴムリッチ部31側に移動し、そのまま偏在するので、ゴムリッチ部31側は配合ゴム4の含有率(含有密度)が高くなっている。
ここで、リブ21の突出高さh以下の深さの凹部52を有する芯材5に本実施の形態3の成形体1cの凸部となるゴムリッチ部31が嵌め込まれることにより、固着手段を使用しなくとも、凹凸嵌合によって乾式摩擦材1と芯材5が固定される。したがって、ゴムリッチ部31が乾式摩擦材1の固定部である。また本実施の形態3は別の見方をすると、固定部であるゴムリッチ部31の間にガラスリッチ部30となる凹部つまり溝が形成され、この凹部の溝と芯材5の設けられた凸部51の凹凸嵌合によって乾式摩擦材1と芯材5が固定されると見ることもできる。この際、乾式摩擦材の凹部つまり溝と芯材5の凸部51は図7(b)に示すような芯材5および乾式摩擦材1の中心からの放射状や、図7(c)に示すような弧状形状に芯材5および乾式摩擦材1に配置することができる。このように配置することで回転に対して安定した固定が可能となる。
ここでゴムリッチ部31は摩擦抵抗が大きく、乾式摩擦材1の摩擦面がクラッチディスク等に全面が均等に接触した場合、乾式摩擦材1にクラッチディスク等の回転力が加わるが、ゴムリッチ部31は図7(a)に示す芯材5の凹部52との摩擦抵抗が大きいので、乾式摩擦材1と芯材5が相対的に移動することなく安定した接合が得られる。加えて、図6(c)で示されているように、ガラスリッチ部30とゴムリッチ部31との境界は、ガラス繊維含有率が高くなっているから、芯材5の凸部51とガラスリッチ部30とを嵌合するだけで、十分な機械的強度を持たせることができる。このように、ゴムリッチ部31が固定部であるとき、この固定部となるゴムリッチ部31は、固定部以外のガラスリッチ部30に位置する部分をプレス成形時に加圧することで容易に形成できる。
本実施の形態3の乾式摩擦材1の摩擦係数を測定したところ、図8に示すように、乾式摩擦材1のクラッチディスク等側の摩擦面の静摩擦係数μsが0.3〜4.5の範囲であり、ゴムリッチ部31と芯材5との接触面側、即ち、裏面側の静摩擦係数μsは0.55〜0.7の範囲であった。
本実施の形態3の乾式摩擦材1は、クラッチディスク等側の摩擦面の静摩擦係数μsが0.3〜4.5で裏面側の静摩擦係数μsが0.55〜0.7よりも小さいから、乾式摩擦材1がトルクリミッタークラッチ、スリップクラッチ、スラストダンパー等として機能する場合でも、接触圧が変化し、目的を達することができる。
したがって、乾式摩擦材1のガラスリッチ部30に穿設孔2を穿設する必要がなくなり、作業性が向上する。また、芯材5にプレス金型20の上型20Bに突出部として設けたリブ21の突出高さh以下の高さの突起が形成されているので、クラッチディスク等の相対移動がh未満の距離の移動であればクラッチ動作が可能であり、芯材5と乾式摩擦材1とが分離されることがない。
なお、ガラスリッチ部30とゴムリッチ部31の幅は、リブ21の突出高さhが3〜5mmのとき、1.5〜3.0mmと2.0〜5.5mmの範囲が好適である。また、ガラスリッチ部30とゴムリッチ部31の幅は、2.0〜2.5mmと3.0〜4.5mmの範囲が摩擦係数の関係から、より望ましい。
[実施の形態4]
上記実施の形態1及び実施の形態2では、ガラスリッチ部30に穿設孔2を設ける前提で説明した。しかし、本発明を実施する場合には、実施の形態2でも説明したように、ゴムリッチ部31は芯材5との摩擦抵抗が大きく、かつ、ゴムリッチ部31がガラスリッチ部30にストレスを与え難くすることから、図9に示すようにゴムリッチ部41の一部に穿設孔を設けて、これを位置決めの係合孔45とし、芯材5の固着手段を省略することができる。それが実施の形態4である。本実施の形態では、ゴムリッチ部41の係合孔45に芯材5の係合凸部55を弾性結合すればよいから、組み付けが容易である。
本実施の形態の乾式摩擦材1は、図6(c)に示されるように、図1のステップS15に相当する研磨工程において表裏とも、表の研磨領域を決定する研磨加工線R−R及び裏のプレス金型20のリブ21の突出高さhによって決定される領域内の研磨加工線S−Sまで研摩加工されて、平板リング形状の研摩加工体1cつまり乾式摩擦材1としている。上述したように、ガラスリッチ部40のガラス繊維3の含有率(含有密度)は高くなっており(図3参照)、強度及び剛性が増大している。また、ゴムリッチ部41がガラスリッチ部40相互間にある乾式摩擦材1には、ガラスリッチ部40を形成する際に配合ゴム4がガラスリッチ部40側からゴムリッチ部41側に移動し、そのまま偏在するので、ゴムリッチ部41側は配合ゴム4の含有率(含有密度)が高くなっている。このように固定部となるゴムリッチ部41の配合ゴム含有率は、固定部以外のガラスリッチ部40となる部分を、プレス成形時にプレス金型に設けたリブ21がガラス繊維を摩擦面側に押し付けて移動させることによって高く設定することが可能となる。
この実施の形態4においては、環状の芯材5には係合凸部55が等間隔に6個形成されている。本発明を実施する場合には、6個に限定されるものではないが、摩擦抵抗の均等分担からして等間隔に係合凸部55を3個以上設けるのが望ましい。
本実施の形態4の環状の芯材5には、係合凸部55がゴムリッチ部41の位置決め手段である係合孔45に嵌め込まれる。この際、係合孔45は配合ゴムの含有率が高く摩擦係数が高くなっている部位に設けられている。これにより、堅固な固着手段を使用しなくとも、係合凸部55と係合孔45との位置決め係合によって乾式摩擦材1と芯材5の位置が固定され、また、乾式摩擦材1の芯材5と係合する裏面が配合ゴムの含有率が高くなることで静摩擦係数が高くなっており、環状の芯材5は係合凸部55以外の部分で所定の押圧力で乾式摩擦材1を押圧するため、環状の芯材5と乾式摩擦材1との摩擦抵抗が大きくなり、乾式摩擦材1と環状の芯材5との係合が完全となる。
したがって、ガラスリッチ部40で固着しなくとも、ゴムリッチ部41が乾式摩擦材1の弾性位置決めとなり、ここでゴムリッチ部41は摩擦抵抗が大きく、乾式摩擦材1の摩擦面がクラッチディスク等に全面が均等に接触し、乾式摩擦材1にクラッチディスク等の回転力が加わる。ゴムリッチ部41は芯材5との摩擦抵抗が大きいので、乾式摩擦材1と芯材5が相対的に移動することなく安定した接合が得られる。加えて、ガラスリッチ部40とゴムリッチ部41との境界は、ガラス繊維含有率が高くなっているから、芯材5の係合凸部55とゴムリッチ部41とを嵌合するだけで、十分な機械的強度を持たせることができる。なお、ガラスリッチ部40と芯材5との空間は、放熱の空気流路となり、冷却機能を持たせることができる。
[実施の形態5]
上記実施の形態4のゴムリッチ部41は芯材5との摩擦抵抗が大きく、ゴムリッチ部41がガラスリッチ部40にストレスを与え難くなることから、ゴムリッチ部41の一部を係合孔45として用いている。しかし、芯材5と乾式摩擦材1との位置決めを堅固にするために、ゴムリッチ部41の係合孔45を図10に示したようにガラスリッチ部40に設けてもよい。
本実施の形態5の乾式摩擦材1は、図6(c)に示されるように、図1のステップS15に相当する研磨工程において表裏とも、表の研磨領域を決定する研磨加工線R−R及び裏のプレス金型20のリブ21の突出高さhによって決定される領域内の研磨加工線S−Sまで研摩加工されて、平板リング形状の研摩加工体1cつまり乾式摩擦材1としている。上述したように、ガラスリッチ部40のガラス繊維3(図3参照)の含有率(含有密度)は高くなっており、強度及び剛性が増大している。また、ゴムリッチ部41がガラスリッチ部40相互間にある乾式摩擦材1には、ガラスリッチ部40を形成する際に配合ゴム4がガラスリッチ部40側からゴムリッチ部41側に移動し、そのまま偏在するので、ゴムリッチ部41側は配合ゴム4の含有率(含有密度)が高くなっている。
この実施の形態において、環状の芯材5には係合凸部55が等間隔に6個形成されている。本発明を実施する場合には、6個に限定されるものではないが、等間隔に係合凸部55を3個以上設けるのが望ましい。
本実施の形態5の環状の芯材5には、図10に示すように、係合凸部55がガラスリッチ部40の一部に設けた位置決め手段である係合孔45に嵌め込まれる。これにより、堅固な固着手段を使用しなくとも、接合が強靭となり、恰も固着手段の如く作用し、係合凸部55と係合孔45との係合によって乾式摩擦材1と芯材5の位置が固定され、また、環状の芯材5は所定の押圧力で乾式摩擦材1を押圧するから離れ難くなり、乾式摩擦材1のゴムリッチ部41と環状の芯材5との摩擦抵抗が大きくなる。
ここでゴムリッチ部41は摩擦抵抗が大きいため、乾式摩擦材1の摩擦面がクラッチディスク等に全面が均等に接触し、乾式摩擦材1にクラッチディスク等の回転力が加わったときゴムリッチ部41は芯材5との摩擦抵抗が摩擦面より大きいので、乾式摩擦材1と芯材5が相対的に移動することなく安定した接合が得られる。加えて、ガラスリッチ部40とゴムリッチ部41との境界は、ガラス繊維含有率が高くなっているから、芯材5の係合凸部55とゴムリッチ部41とを嵌合するだけで、十分な機械的強度を持たせることができる。
即ち、芯材5と乾式摩擦材1との位置合わせは、芯材5に形成した係合凸部55と乾式摩擦材1に形成した係合孔45としたことによって、実施の形態1乃至実施の形態4の固定部の機能とすることができる。なお、ガラスリッチ部40と芯材5との空間は、放熱の空気流路となり、冷却機能を持たせることができる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材は、円周方向に沿ったガラス繊維3(更にいえば、ガラス繊維3を束ねたガラスロービング)とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴム4とを含有する平板リング状の乾式摩擦材1において、乾式摩擦材1の芯材5との固定部、即ち、芯材5とカシメ組付け等によって固着するために穿設孔が設けられる穿設部分となるガラスリッチ部30、芯材5に形成した凸部51との嵌合部分となるガラスリッチ部30、芯材5に形成した係合凸部55との嵌合部分となるガラスリッチ部40、または芯材5の凹部52との嵌合部分となるゴムリッチ部31、芯材5に形成した係合凸部55以外の芯材5の平面と接合するゴムリッチ部41が該当する位置と、これら固定部以外の位置のガラス繊維含有率と配合ゴム含有率が、前記ガラス繊維含有率と配合ゴム含有率の何れか1つまたは2つを異にしたものである。ここで、芯材5に形成した凸部51との嵌合部分となるガラスリッチ部30と芯材5の凹部52との嵌合部分となるゴムリッチ部31は、同時に形成されることがあるが、この場合は形成した部分の多い方が固定部となる。
したがって、ガラス繊維含有率の大きいガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40を芯材5との固定部とし、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40以外の部分の配合ゴム含有率を大きくすれば、固定部の強度及び剛性が大幅に向上し、かつ、固定部以外の静摩擦係数が大きくなることで固定部以外が芯材5との固定部と同様に作用し、固定部に加わる回転力に対する負担割合が分担されて芯材5との一体性がより確実なものとなる。このように固定部の強度及び剛性を大きく向上させたことで、例えば、芯材5とカシメ組付けを行うための穿設孔2を固定部に加工する際、穿設部分に割れや欠け等が生ずることなく孔加工を行うことができる。なお,芯材5の乾式摩擦材1との接触面は図7に示したように凹凸形状ではなく平面であってもよい。
また、配合ゴム含有率の大きいゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41を芯材5との固定部とした場合は、配合ゴム含有率の大きい固定部の静摩擦係数がゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41を設けない場合に比べて大きくなる。このように摩擦力を上げた固定部を芯材5に係合させることで乾式摩擦材1と芯材5とがしっかりと固着し一体化する。なお、芯材5の乾式摩擦材1との接触面は、位置決めやより確実な一体化から図7に示したような凹凸形状や、図9や図10に示したように、芯材5に係合凸部55を設け、乾式摩擦材1には、この係合凸部55に係合する係合孔45を設けることが好ましい。
このようにして、乾式摩擦材1の全体としてのガラス繊維含有率と、配合ゴム含有率が特定されていても、芯材5と対抗する部位によってガラス繊維及び/または配合ゴムの含有率を変えることによって、特性に応じた機械的強度または静摩擦係数(摩擦力)を任意に設定できる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材のガラス繊維3と配合ゴム4は、乾式摩擦材1の成形時に移動させて偏在させることで、乾式摩擦材1と芯材5との固定部、例えば、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の位置のガラス繊維含有率と、前記固定部以外、例えば、ゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41の位置の配合ゴム含有率を異にしたものであるから、プレス加工を行うことによって芯材5との前記固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にできるので、生産性のよい加工処理が可能となる。また、固定部の位置をゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41とし、固定部以外をガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の位置としてもガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にできるので、生産性のよい加工処理が可能となり、同様の効果が得られる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の固定部は、乾式摩擦材1の一面に形成されたゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41からなる凸部としたものであり、かつ、前記固定部の配合ゴム含有率が前記ゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41以外の配合ゴム含有率より大きくしたものであるから、前記固定部の配合ゴム含有率が大きいから静摩擦係数が大きくでき、凸部外の、例えば、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40と共に安定して芯材5への乾式摩擦材1の固定が可能となる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の前記固定部は、芯材5との接触面の静摩擦係数が乾式摩擦材1の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいものであるから、芯材5との接触面の摩擦力が乾式摩擦材1の摩擦面の摩擦力よりも大きいから、乾式摩擦材1の摩擦面側に接触したクラッチディスク等の相手材が回転しても、それにともなって固定部側は回転せず芯材5との一体化が保たれる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の前記固定部は、前記固定部(ゴムリッチ部31)間に溝(ガラスリッチ部30)が形成されている。この溝(ガラスリッチ部30)に芯材5の凸部51が嵌合することで芯材5の所定の位置に乾式摩擦材1がしっかりと固定される。また、溝の形状は芯材5に対し乾式摩擦材1の回転を防止する形状が適し、放射状または弧状とすることができる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の乾式摩擦材1と芯材5との前記固定部、例えば、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41のガラス繊維含有率より大きく、かつ、前記固定部以外のゴムリッチ部31の配合ゴム含有率がガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40等の固定部の配合ゴム含有率よりも大きいことから、例えば、孔明け加工されるガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の強度及び剛性を大幅に向上させることができ、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の孔明け加工の際に割れたり、欠けたりすることなく、簡便なカシメ組付けを行うことができるから、製造コストを低減することができる。また、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40等の前記固定部以外の配合ゴム含有率がゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41等の前記固定部の配合ゴム含有率よりも大きいことから、前記固定部以外の位置においても前記固定部と同様に作用し、安定した乾式摩擦材1の取付け状態が可能となる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の乾式摩擦材1と芯材5とのガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40等の前記固定部のガラス繊維含有率が、ゴムリッチ部31またはゴムリッチ部41等の前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きく、かつ、孔明け加工される穿設部分のガラス繊維含有率が前記穿設部分以外のガラス繊維含有率よりも大きいものであるから、穿設孔2の穿設部分のガラス繊維含有率が前記穿設部以外のガラス繊維含有率よりも大きいから、穿設孔2の孔明け加工によって割れ、欠け等が生ずることなく、簡便なカシメ組付けを行うことができ、製造コストを低減することができる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の前記孔明け加工されるガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40のガラス繊維含有率が、ガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40以外のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍の範囲内であることから、乾式摩擦材1全体のガラス繊維含有率が低く設定された場合に、孔明け加工されるガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の強度及び剛性を、より確実に大幅に向上させることができる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の前記孔明け加工されるガラスリッチ部30またはガラスリッチ部40の穿設孔2のガラス繊維含有率が、22重量%〜40重量%の範囲内であることから、孔明け加工する穿設部分の割れ、欠け等の孔明け不良が生ずる事態をより確実に防止することができる。特に、孔明け加工される穿設部分のガラス繊維含有率が24重量%〜36重量%の範囲内であれば、更に確実に割れ、欠け等の孔明け不良が生ずる事態を防止できるため、より好ましい。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の製造方法は、ガラス繊維3を束ねたガラスロービングに熱硬化性樹脂を含む含浸液を含浸させて樹脂含浸紐を形成する樹脂含浸工程と、前記樹脂含浸紐に配合ゴム4を付着させて配合材料とするゴム付着工程と、前記配合材料を円形に巻きながら巻取り品(予備成形品)とする巻取り工程(予備成形工程)と、前記巻取り品を成形する成形工程とを具備し、前記成形工程において、成形と同時に固定部または固定部以外の部分のガラス繊維3を一方向に移動させて固定部のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率を上げるものである。
これによって、例えばカシメ組付けによって芯材5に固定される場合、孔明け加工される穿設部分のガラス繊維含有率が大幅に増大し、強度及び剛性が向上し、従来の乾式摩擦材のように孔明け加工によって割れ、欠け等の孔明け不良が生ずることなく、孔明けを行うことができ、簡便なカシメ組付けを行うことができ、製造コストを低減することができる。
したがって、乾式摩擦材1の全体としてのガラス繊維3の含有率を低く保持して、前記穿設部分が高強度・高剛性で、カシメ組付け用の孔明け加工が可能となる。また、カシメ組付けを行わない場合、固定部の配合ゴム含有率を上げることで芯材5との摩擦が大きくなり芯材5への固着が容易となり、固定のための加工が不要となる。
なお、本発明の実施の形態ではガラス繊維3を束ねたガラスロービングを使用し、巻取りによって円形に予備成形しているが、ガラス繊維3はガラスロービングに限るものではない。例えば、ガラスクロス等を含浸液に含浸させて使用することも有り得る。この場合は、含浸させたガラスクロス等に配合ゴムを付着させて配合材料とし、この配合材料を予備成形によって円形に形成させた後に上記成形工程を実施することとなる。
上記各実施の形態における乾式摩擦材の製造方法の成形工程は、巻取り品をプレス金型20によって、固定部または固定部以外の部分を、固定部以外の部分または固定部よりも高圧力でプレス成形するプレス成形工程であるから、高圧力でプレス成形されることによって固定部または固定部以外の部分から、配合材料中の配合ゴム4が固定部以外の部分または固定部に押し出されて、固定部のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率が増大する。したがって、ガラス繊維含有率が増大することで強度及び剛性が向上し、割れ、欠け等の孔明け不良が生ずるのが防止でき、配合ゴム含有率が増大することで摩擦力が増加し、芯材5との固着が容易になる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の製造方法のプレス成形工程において、固定部または固定部以外の部分を、固定部以外の部分または固定部よりも高圧力でプレスする手段として、プレス金型20の上型20Bに固定部または固定部以外の部分に対応して成形体側に突出するリブ21からなる突出部を設けたものであるから、固定部のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率を容易に増大させることができる。
上記各実施の形態の乾式摩擦材の製造方法のリブ21からなる突出部の突出高さhは、プレス工程においてプレス成形される成形体の厚さの15%〜35%の範囲内であることから、より確実に、固定部のガラス繊維含有率または配合ゴム含有率を要求性能にあった含有率にまで増大させることができる。
本実施の形態においては、ガラス繊維含浸用合成樹脂としてメラミン変性フェノール樹脂を用いた場合について説明したが、その他の変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂を始めとするその他の熱硬化性樹脂等を用いることもできる。特に、メラミン変性フェノール樹脂は容易に入手できるとともに耐熱性に優れているため、乾式摩擦材1の材料としてのガラス繊維含浸用合成樹脂として好ましい。
また、突出部としてのプレス金型20のリブ21の高さhとしては、ガラス繊維、ガラス繊維含浸用合成樹脂、配合ゴムの材料の種類や配合率等に応じて適切な突出高さを選択することができる。特に、突出部の突出高さhが、プレス成形工程においてプレス成形される成形体1bの厚さt2の15%〜35%の範囲内であることが好ましい。
本発明を実施するに際しては、乾式摩擦材のその他の部分の組成、成分、配合量、材質、大きさ、製造方法等についても、また、乾式摩擦材の製造方法のその他の工程についても、本実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な適正値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。

Claims (15)

  1. ガラス繊維とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴムとを含有する平板リング状の乾式摩擦材であって、
    前記乾式摩擦材の芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率と配合ゴム含有率が、前記ガラス繊維含有率と前記配合ゴム含有率の何れか1つまたは2つを異にしたことを特徴とする乾式摩擦材。
  2. 前記ガラス繊維と前記配合ゴムは、前記乾式摩擦材の成形時に移動して偏在することで、前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部の位置と前記固定部以外の位置のガラス繊維含有率、配合ゴム含有率を異にしたことを特徴とする請求項1に記載の乾式摩擦材。
  3. 前記固定部は、前記乾式摩擦材の一面に形成された凸部であり、かつ、前記固定部の配合ゴム含有率が前記固定部以外の配合ゴム含有率より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式摩擦材。
  4. 前記固定部は、前記芯材との接触面の静摩擦係数が前記乾式摩擦材の摩擦面の静摩擦係数よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の乾式摩擦材。
  5. 前記固定部は、前記固定部間に溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の乾式摩擦材。
  6. 前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部のガラス繊維含有率は、前記固定部以外のガラス繊維含有率よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式摩擦材。
  7. 前記乾式摩擦材と前記芯材との固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率より大きく、かつ、前記固定部に孔明け加工された穿設部分を有していることを特徴とする請求項6に記載の乾式摩擦材。
  8. 前記固定部のガラス繊維含有率が、前記固定部以外のガラス繊維含有率の1.2倍〜4倍の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の乾式摩擦材。
  9. 前記固定部のガラス繊維含有率が、22重量%〜40重量%の範囲内であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の乾式摩擦材。
  10. 熱硬化性樹脂を含む含浸液にガラス繊維を含浸させて樹脂含浸ガラス繊維を形成する樹脂含浸工程と、
    前記樹脂含浸ガラス繊維に配合ゴムを付着させて配合材料とするゴム付着工程と、
    前記配合材料を円形の予備成形品に形成する予備成形工程と、
    前記予備成形品を成形する成形工程とを具備し、
    前記成形工程において、成形と同時に固定部または固定部以外の前記ガラス繊維を一方向に移動させて前記固定部のガラス繊維含有率または前記配合ゴム含有率を上げることを特徴とする乾式摩擦材の製造方法。
  11. 前記成形工程は、前記予備成形品をプレス金型によって、前記固定部または固定部以外を前記固定部以外または前記固定部よりも高圧力でプレス成形することで、前記固定部のガラス繊維含有率または前記配合ゴム含有率を大きくするプレス成形工程であることを特徴とする請求項10に記載の乾式摩擦材の製造方法。
  12. 前記プレス成形工程において、前記固定部または固定部以外を前記固定部以外または固定部よりも高圧力でプレスする手段として、前記プレス金型の成形体側に前記固定部または固定部以外に対応して突出する突出部を設けたことを特徴とする請求項11に記載の乾式摩擦材の製造方法。
  13. 前記突出部の突出高さは、前記プレス工程においてプレス成形される成形体の厚さの15%〜35%の範囲内であることを特徴とする請求項12に記載の乾式摩擦材の製造方法。
  14. 前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔としたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の乾式摩擦材。
  15. 前記芯材と前記乾式摩擦材との位置合わせは、前記芯材に形成した係合凸部と前記乾式摩擦材に形成した係合孔とし、前記固定部に代えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の乾式摩擦材。
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