JP5213362B2 - 固有複屈折を制御した繊維強化複合材料 - Google Patents
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Description
しかしながら、ガラス板は、薄肉化が困難であることや、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替としてプラスチック素材が広く検討されている。
また、特許文献3には、特定のビス(メタ)アクリレートを含む組成物を活性エネルギー線等により硬化成形した透明基板を用いた液晶表示素子が記載されている。また、ディスプレイ前面板に使用されているガラス板もプラスチック板への変更が検討されている。例えば、特許文献4、5、6には、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等を用いたディスプレイ用前面フィルタが示されている。
しかしながら、例えば矢野らの報告によると、静置培養で得られたBC膜は非常に緻密な構造をもつ膜であるため、65%のセルロース繊維を含有する複合体作成の際に樹脂モノマーを含浸させるのに極めて長時間および減圧下での浸漬が必要(減圧下で12時間浸漬後、常圧20℃下で4日間浸漬)であり、工業的生産という観点では極めて不利であった。また、該技術において、低線膨張率発現の主体をなすセルロースは、元来、吸湿性の材料であって、吸湿に伴い、物性変動が起こり易いという特徴を有する。したがって、ハイブリッドフィルムにおいてはBCまたはセルロースの分率はできるだけ低減したいという要望もあった。
さらに、該ハイブリッドフィルムの原材料となり得るBCまたは微細なセルロースから成る膜はバッチ式の静置培養法ではなく工業的生産可能な連続生産プロセスによって供給されることが望ましい。その場合、セルロースをいったん水などの分散媒体中に分散させた後に抄紙法やキャスト製膜法により製膜することが容易に考えられるものの、静置培養膜に匹敵する膜質均一性を得るためには、分散の方法や製膜の条件等に種々の工夫が必要となる。膜質均一性を著しく高めたセルロース膜を使用してハイブリッド膜を製膜することにより初めて、光学フィルムのような精密材料として適用できるようになる。
なため、外力による無機微粒子の配向が元々困難であった。そのため従来の結晶ドープ法は適応できなかった。
即ち、セルロースのナノファイバーから成る膜とポリマー樹脂をハイブリッド化することによる低線膨張率で光学異方性が制御された透明フィルムの提供において、該技術を工業的に提供可能とするためには、上述したいくつかの問題を解決する必要があった。
1.少なくとも、固有複屈折を有する金属炭酸塩と、繊維径10nm以上、100nm以下である繊維を数分率で0.7以上有し、固有複屈折を有するセルロース不織布と、透明樹脂とを含有することを特徴とする繊維強化複合材料。
2.該固有複屈折を有する金属炭酸塩が、セルロース不織布に対し、1質量%以上、200質量%以下の組成であることを特徴とする上記1.に記載の繊維強化複合材料。
3.水もしくは水と有機溶剤の混合液、またはイオン性化合物を溶解させた前記混合液からなる分散溶媒に、微細セルロース繊維を分散させ、更に、長径の平均値が10nm以上、500nm以下である固有複屈折を有する金属炭酸塩を添加し、分散混合して抄紙用分散液を製造する工程と、引き続き上記抄紙用分散液を抄紙法を用いて分散溶媒を含む湿紙とし、さらに、湿紙の固形分率が6質量%以上、30質量%以下の範囲の下で湿紙内に残留した分散溶媒を有機溶媒で置換する湿紙中の溶媒を置換する工程と、更に、上記工程で得られた溶媒で置換された湿紙を乾燥する湿紙の乾燥工程とを経て固有複屈折を有するセルロース不織布を得る工程、そして、得られたセルロース不織布に透明樹脂を含浸する工程とを、上記記載の順を経て製造されることを特徴とする上記1.に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
を生かした各種ディスプレイ用透明基板材料として有用である。
本発明の繊維強化複合材料は、固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩と、固有複屈折を制御されたセルロース不織布と、セルロース以外の樹脂とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなるものである。
本発明における固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩としては、結晶の軸方向で異なる屈折率の値(異方性)を有する観点から、炭酸塩粒子(以下、「炭酸塩結晶」若しくは「炭酸塩結晶粒子」ともいう。)であることが好ましい。前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属イオンとしては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、及びPb2+イオンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、アルカリ土類金属イオンであるSr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオンが特に好ましい。前記炭酸源と反応して、カラサイト、アラゴナイト、バテライト、及びアモルファスのいずれかの形態を有する炭酸塩を形成するものが好ましく、アラゴナイト型の結晶構造を有する炭酸塩を形成するものが特に好ましい。
前記金属イオン源としては、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、及びPb2+イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む限り、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sr、Ca、Ba、Zn、及びPbから選択される少なくとも1種の硝酸塩、塩素化物、水酸化物などが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸化物、塩素化物が特に好ましい。
前記炭酸源としては、CO3 2- イオンを生ずるものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム[Na2CO3 ]、炭酸アンモニウム[(NH4 )2 CO3 ]、炭酸水素ナトリウム[Na HCO3 ]、炭酸ガス、尿素[(NH2 )2 CO]、炭酸カリウム[K2 CO3 ]、炭酸水素カリウム[KHCO3 ]、炭酸リチウム[Li2CO3 ]などが好適に挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸ガスが特に好ましい。
前記全光線透過率は、前記繊維強化複合材料において、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。前記全光透過率が60%以上であれば、本発明の繊維強化複合材料の使用用途であるディスプレー材料において必要十分な透明度であると認められる。
本発明における固有複屈折を制御されたセルロース不織布は、前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩によってセルロースの固有複屈折が制御されていることが好ましく、前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩がセルロース不織布製造時に添加され、セルロース不織布の固有複屈折が制御されていることがより好ましい(製造方法については後述する)。前記固有複屈折を制御されたセルロース不織布は、繊維径分布、平均繊維径、前記固有複屈折を有する金属炭酸塩の添加量が所定範囲にあることが好ましい。
本発明において、「数分率」とは、10nm以上、100nm以下の繊維径の繊維が全体の繊維に占める割合であって、重量割合をいう。
100nm以下の繊維径の繊維が全体の繊維に占める数分率として、より好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上である。100nm以下の繊維径の繊維の占める数分率が0.7以上であれば、本発明で必要とする線膨張率を確保できるようになり、本発明の効果が十分に得られる。また該数分率が最大値である1.0の場合にも、当然好適に本発明のセルロース不織布となる。
本発明の不織布は上述したように極めて微細な繊維径の繊維から構成されるため、大きな表面積を有する。窒素吸着によるBET法での比表面積として、好ましくは80m2 /g以上、より好ましくは100m2 /g以上、さらに好適な場合には140m2 /gの値を保有している。
上述した特徴を有するセルロース不織布は、後述するように、置換溶媒である有機溶剤の組成やカレンダー処理の条件を選ぶことにより、広範囲の厚み、好ましくは3μm以上50μm以下の厚み、に設計することが可能である。また、不織布が極めて微細な繊維から構成されているため、極めて大きな比表面積を有する。
本発明のセルロース不織布は、水もしくは水と有機溶剤の混合液、またはイオン性化合物を溶解させた前記混合液からなる分散溶媒に、10nm以上、100nm以下の繊維径を有する繊維が全繊維に占める数分率が0.7以上であるセルロース繊維を、0.05質量%以上0.5質量%以下の濃度で分散させ、更に前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩を前記微細セルロース繊維に対し、1質量%以上、200質量%以下の濃度で添加、十分に分散混合することで得られた抄紙原液を使用し、抄紙法にて製膜することが好ましい。該分散液を用いてキャスト法により製膜することは本質的に可能であるが、キャスト法で製膜するためには該分散液の溶媒中に疎水性の有機溶媒を含有させる必要があり、その組成が大き過ぎると溶媒が乾燥する際に形成される繊維間の接触点(交絡点)の強度が十分でなくなるため、結果として本発明で規定する強度の不織布が得られ難くなり、製膜条件を絞り込むことが難しい。
ここで、湿紙の固形分率が6質量%以上30質量%以下の範囲に制御するには、例えば、抄紙の際のウェットサクションやドライサクション等のサクション圧力を適度にコントロールし、さらに抄紙後に湿紙に対し、プレスロール処理(プレス圧力で絞りの程度をコントロール)を行えばよい。
は、安全性の観点から水であることがより好ましいがエチレングリコールやグリセリンのようなセルロースへの親和性の高い多価アルコール系の有機溶媒か、場合によってはより疎水性の水に可溶な有機溶媒(例えば、エタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、アセトン、シクロヘキサノン等)を用いても構わない。叩解処理によりフィブリル化が進行すると同時に、均一なスラリーとなり、以下に記載する微細化処理において詰まりを発生しない状態となる。
グラインダー型微細化装置としては、(株)栗田機械製作所製のピュアファインミル、増幸産業(株)製のスーパーマスコロイダーに代表される石臼式摩砕型を挙げることができるが、これらの装置とほぼ同様の機構で微細化を実施する装置であれば、これら以外の装置であっても構わない。いずれの場合でもスラリーを複数回数パスさせた条件で処理するのが好ましい。また、上述した微細化装置による微細化処理は複数の異なる装置での処理を組み合わせても構わない。
上述した微細化処理においては、原料繊維は天然系セルロース繊維、再生セルロース繊維のいずれかを用いるが、天然系セルロース繊維を用いた方が容易に微細化が進行する点で好ましい。天然系セルロース繊維とは、セルロースを含む天然原料を蒸解等の精製工程により処理して得られる精製セルロースを意味し、パルプシートとして加工されたものが使い易さの点で好ましい。
竹由来パルプ、コットンリンターやコットンリントなどのコットン由来のセルロース、バロニアやシオグサなどの海草由来のセルロース、ホヤに含有されるセルロース、バクテリアの産生するセルロース等を挙げることができる。これらの中で、特に、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプのうちの少なくとも一種を選択すると、極めて微細化が進行し易く、好適に本発明の微細セルロース繊維を生産することができる。麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプのうちの少なくとも一種を原料として極めて高度に叩解処理を行った場合には、上述した微細化処理を施さなくとも本発明で使用する微細セルロース繊維として使用できる場合もある。
より具体的に、本発明で使用できるイオン性化合物を挙げると、水溶性の無機塩類、水溶性の有機系イオン性化合物、イオン性界面活性剤の3つのグループに分けることができる。
トリウム、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩素のような塩素系化合物、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムのような水酸化化合物、炭酸水および炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムのような炭酸塩類、硫酸および硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム
、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸銅、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硫酸アンモニウ
ムのような硫酸塩類、硝酸および硝酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸銅(II)、硝酸銅(III)、硝酸アンモニウムのような硝酸塩類、リン酸、無水リン酸およ
びポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、かんすい、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三マグネシウム、リン酸アンモニウムのようなリン酸塩類、ホウ酸およびホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、ホウ酸リチウム、ホウ酸アンモニウムのようなホウ酸塩類、さらにはチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩類、生石灰、アンモニア等を挙げることができる。
SM8704等)、メチルハイドロジェンポリシロキサン(東レ・ダウコーニング社のSM8707EX等)、部分ケン化ポバール、アクリルエステル・マレイン酸共重合物、スチレン・メタクリル酸共重合物、スチレン・マレイン酸共重合物、カチオン化でんぷん、カゼイン、イオン性基を有する天然多糖類(グアガム等)、ポリアミドポリアミン/エピクロロヒドリン組成物(荒川化学工業社のアラフィックスAF−100)等。
V126)によると、麻(hemp)の繊維軸方向の屈折率が1.585から1.591に対し、繊維径方向は1.526から1.530となっており、0.055から0.065の固有複屈折を持っている。このため、セルロースのナノファイバーから成る不織布とセルロース以外の透明物質をハイブリッド化した繊維強化複合材料を液晶パネルの基板に使用した場合、偏光板により直線偏光とされた入射光が繊維強化複合材料の光学異方性により楕円偏光になるため、コントラストの低下や表示ムラさらには色ズレ等の不具合を発生する。セルロースの分散溶媒中に前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩を添加して、抄紙すると、セルロースの配向面に平行に前記固有複屈折を有する金属炭酸塩が自然に並ぶため、固有複屈折を有するセルロース不織布の固有複屈折を制御することが可能となる。
前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩は、上述した条件で製造した抄紙用分散液中に添加させるが、添加のタイミングは、ワイヤーや濾布上で濾水が起こる直前までに分散
液中に溶解、混合されるのが好ましい。より具体的には、パルプ原料を叩解する直前または叩解処理の最中、叩解後微細化処理を行う直前または微細化処理の最中、希釈・分散し抄紙用分散液を調製する直前またはその最中、あるいは抄紙用分散液がワイヤーあるいは濾布上に投入される直前または送液の途中で添加する。また、前記金属イオン源を抄紙用分散液中に添加し、炭酸源と反応させて、前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩を生成させても良い。また、前記金属イオン源を抄紙用分散液中に添加して抄紙し、抄紙した後の湿紙に炭酸源を反応させて、前記固有複屈折を有する微細な金属炭酸塩を生成させても良い。
バッチ式抄紙機(例えば、熊谷理機工業社製の自動角型シートマシーン)に評価対象となるワイヤーまたは濾布を設置するにおいて、ワイヤーの場合はそのまま、濾布の場合は、80から120メッシュの金属メッシュ(濾水抵抗がほとんど無いものとして)上に濾布を設置し、抄紙面積がxm2 の抄紙機内に十分な量(ymlとする)の水を注入し、大気圧下で濾水時間を測定する。濾水時間がzs(秒)であった場合の水透過量を、「y/(xz)(mL/m2 ・s)」と定義する。
特に叩解後に微細化処理を施して得られる微細セルロース繊維では、上記の条件を満たすワイヤーや濾布は限定されるが、極めて微細なセルロース繊維に対しても使用できるワイヤーとして、SEFAR社(スイス)製のTETEXMONODLW07−8435−SK010(PET製)、濾布として敷島カンバス社製のNT20(PET/ナイロン混紡)を挙げることができる。
該有機溶媒としては、アルコール、ケトン、エーテル、芳香族化合物、炭化水素、環状炭化水素、環状炭化水素誘導体から選ばれる少なくともいずれか一つであることが好ましい。本発明では、湿紙中で形成されている極めて微細なネットワーク構造から乾燥により水または水を含む媒体が蒸発し、排除されていくが、この際にセルロースに対する表面張力の低い水または水を含む媒体では、水が蒸発する際に、水が満たされている微細セルロースで囲まれた領域で水は一体化されて周囲の繊維全体を引っ張りながら抜けていく。その結果、繊維間距離が縮まることになり、仮に平面方向に膜サイズを保ちつつ乾燥(定長乾燥)としても乾燥後の膜は膜厚方向に収縮し、不織布の空孔率が前記所定の範囲以下となり、本発明においてセルロース以外の樹脂を含浸することができにくくなるため好ましくない。
レスワイヤーまたはエンドレスのフェルト布等にピックアップして渡すことも、あるいはエンドレスのフェルト布等に転写させて渡すことも可能である。即ち、製膜の全工程または一部の工程として、濾布を使用する一般的なロールからロールへの工程を用いることが可能である。本発明におけるセルロース不織布を製造する連続製膜のプロセスイメージの一例を図1に示す。図1では、傾斜ワイヤー抄紙機で抄紙してワイヤー上で運ばれてくる湿紙を、プレス部1において次のワイヤー(ワイヤー2)上へプレス転写してさらに排気下である防爆エリア内へ運びプレス部2右でプレス処理を施し湿紙の固形分濃度を高める。その後に、ワイヤー上に乗った湿紙の上部から湿紙の性状を壊さない程度に有機溶媒をシャワーで散布し、ワイヤー2の下部で若干の減圧で吸引することにより、湿紙中へ有機溶媒を透過(置換)させつつ、水分を含んだ有機溶媒を回収系へ運ぶ。同時に、プレス部2左でプレス処理を行うことにより、有機溶媒含浸湿紙の固形分率を高めた後、ワイヤー上から有機溶媒含浸湿紙を剥がし、ドラムドライヤーによる定長乾燥工程へ送り出し、乾燥後、ロール状にセルロース不織布を巻き取る。当然のことながら、製膜プロセスはこのものに限定されるものではない。
本発明におけるセルロース以外の樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および光硬化性樹脂より選択される少なくとも1種の樹脂である。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられる。
4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類、等を挙げることができる。これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂とは、ノボルネンやシクロヘキサジエン等、ポリマー鎖中に環状オレフィン骨格を含む重合体もしくはこれらを含む共重合体であり、その製造方法については特に限定されるものではない。環状オレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネン骨格の繰返し単位、またはノルボルネン骨格とメチレン骨格の共重合体よりなるノルボルネン系樹脂が挙げられ、JSR製の「アートン」、日本ゼオン製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学製の「アペル」、チコナ製の「トーパス」等が挙げられる。具体例としては、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。
チレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、ポリドデカンテレフタルアミド(ナイロン12T)、およびこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合物などである。
エポキシ樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1個以上7個以下であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで、1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。上記エポキシ樹脂としては、特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらエポキシ樹脂は熱硬化性樹脂先駆体のエポキシ化合物であり、硬化剤を用いることにより、エポキシ樹脂の硬化物である硬化エポキシ樹脂が得られる。
は、例えば、上記エポキシ樹脂にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、エポキシ樹脂以外に、少なくとも1つのオキシラン環を有する樹脂又はオリゴマーが添加されてもよい。
また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および樹脂硬化物を2種以上混合して得られる樹脂も使用し得る。
の質量からも求めることができる。その他の方法としては、樹脂の比重とセルロースの比重から求める方法や、NMRやIRを用いて樹脂やセルロースの官能基を定量し、求める方法が挙げられる。
本発明においては、セルロース以外の樹脂は、100μm厚みの成形体とした場合の全光線透過率が60%以上あることが好ましい。70%以上であると複合体の透明性が向上し、好ましい。さらに好ましくは80%以上、とりわけ好ましくは85%である。
本発明においては、繊維強化複合材料を複数枚重ねて複合体の積層体を得ることができる。該積層体に加熱プレス処理を施すことにより厚膜化することができ、厚みが10μm
以上5000μm以下である本発明の複合体を得ることができる。そのようにして得られる積層体は、強度が高く好ましく、同じ厚みの単層体と比較し、樹脂が浸透しやすいため、透明性、耐熱性、吸水性、線膨張性に優れ、好ましい。好ましい積層の枚数としては、2枚以上30枚以下であり、さらに好ましくは2枚以上20枚以下である。とりわけ好ましくは2枚以上10枚以下である。30枚以下であると、柔軟性のある複合体を得ることができる。
具体的には、
(1)モノマーを含浸させて重合させる方法、
(2)熱硬化性樹脂先駆体または光硬化性樹脂先駆体を含浸させて硬化させる方法、
(3)熱硬化性樹脂先駆体または光硬化性樹脂先駆体を溶媒に溶解させた溶液を含浸後、乾燥させ、硬化させる方法、
(4)熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ脱泡後冷却する方法、
のいずれか一つの方法により繊維強化複合材料を製造する方法を用いることができる。
また、(4)セルロース以外の樹脂である熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ脱泡後冷却する方法とは、セルロース以外の樹脂である熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上または融点以上で熱処理することにより融解させ、セルロース不織布に含浸させ、脱泡後冷却することにより、セルロース不織布とセルロース以外の樹脂からなる繊維強化複合材料を得る製造方法である。熱処理は加圧下で行うことが望ましく、真空加熱プレス機能を有する設備の使用が有効である。
本発明においては、上記連続不織布を用いて、さらに連続的にモノマーまたは熱硬化性樹脂先駆体または光硬化性樹脂先駆体、熱可塑性溶融樹脂または樹脂溶液を含浸後、重合、乾燥、硬化、乾燥および硬化させることにより、通常ロール状製品と呼ばれる連続成形体としても製造することができる。
本発明における繊維強化複合材料は、低線膨張率、耐熱性、透明性、低ヘイズ値、低リタデーション等の光学特性に優れ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイおよびタッチパネルや太陽電池の基板や前面板、カラーフィルター基板等に用いることができる。特に、これらディスプレイおよび太陽電池に用いられるガラス用途への本発明の繊維強化複合材料の代替が可能になり、軽量化、柔軟性、割れにくいなどの効果が得られる。本発明の繊維強化複合材料は、例えば、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理、防汚処理等の表面機能化処理、反射防止処理をすることもできる。
ディスプレイ前面電磁波シールドとして用いることができ、シリカを蒸着やスパッタリングやポリシラザンやポリシランの酸化により積層し、ガスバリア処理を施したものは各種ディスプレイ基板に用いることができる。また蒸着やスパッタリングなどの手法により、ITOや導電性酸化亜鉛などの導電性金属酸化物を積層することにより、透明な導電膜が得られ、タッチパネルや各種ディスプレイ基板、太陽電池基板に用いることができる。このような繊維強化複合材料の表面処理の方法として、非特許文献4(A.Asano, T.Kinoshita, SID Digest2002,1196(2002) )記載の方法を用いることができる。この方法によっても本発明の繊維強化複合材料をTFT液晶基板として用いることができる。
[繊維径100nm以下の繊維が全繊維に占める数分率]
不織布の表面に関して、走査型電子顕微鏡(SEM)により、構成する繊維の繊維径がはっきりと判別できる程度の同じ倍率の画像として、表面の異なる部分につき少なくとも2枚撮影する。次に、撮影した各々の画像の全体に対し、まず縦横方向に直交に交差する2本の直線を無作為に定め、2本の直線に交差する繊維の交差点における繊維径をすべて測定したとき、交差している繊維の数nのうち繊維径が100nm以下である繊維の数n’の割合、n’/nを算出する。同一サンプルの異なる場所について撮影したSEM画像のうち、2枚について算出したn’/nの平均値を、繊維径100nm以下の繊維が全繊維に占める数分率とする。
不織布の表面に関して、無作為に少なくとも2箇所、走査型電子顕微鏡(SEM)により、繊維径がはっきりと認識できる倍率で行う。n’/nの測定の際と同様に、得られたSEM画像(例えば、図2と図3)に対し、画面に対し水平方向と垂直方向にラインを引き(例えば図2と図3の白線)、ラインに交差する繊維の個数と各繊維の繊維径を拡大画像から実測する。こうして2つのラインに交差するすべての繊維について繊維径の測定結
果を用いて平均繊維径を算出する。さらに同じサンプルについて観察した別の同じ倍率のSEM画像についても同じように平均繊維径を算出し、合計2画像分の結果の平均値を対象とする試料の平均繊維径とする。
膜厚計(Mitutoyo社製、面接触型膜厚計;Code.No.547−401)を用いて、本発明に用いる不織布の厚み、および本発明の繊維強化複合材料の厚みを測定した。異なる5点以上の箇所で計測した測定値の平均値を膜厚とした。
[全光線透過率]
複合材料から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH;2000)を用いて、JIS−K−7361に準拠して繊維強化複合材料の全光線透過率を測定した。
繊維強化複合材料から任意に幅3mm、長さ18mmに裁断したフィルムを評価資料とし、(株)島津製作所製、TMA60型熱機械分析装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に50℃の割合で温度を30℃から200℃まで上昇させて5分間保持した後、1分間に15℃の割合で温度を30℃まで下降させて、15分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を200℃まで上昇させた時の、40〜200℃の時の値を測定して線膨張係数を求めた。荷重を4gにし、引張モードで測定を行った。
[正面レターデーション値(Re(0°))]
繊維強化複合材料から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、位相差複屈折測定装置(王子計測機器社製、KOBRA−WR)を用いて、繊維強化複合材料の正面レターデーション値(Re(0°))を測定した。具体的には、KOBRA−WRにおいて、波長589.2nmの光を該評価試料の法線方向に入射して測定した。
繊維強化複合材料から任意に30mm四方に裁断したフィルムを評価試料とし、位相差複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、KOBRA−WR)を用いて、繊維強化複合材料の膜厚方向のレターデーション値(Rth)を測定した。具体的には、KOBRA−WRにより判断される遅相軸を傾斜回転軸として、該評価試料の法線方向に対して+40°の傾斜方向から波長589.2nmの光を入射してレターデーション値(Re(40°))を測定し、さらに遅相軸を傾斜回転軸として、該評価試料の法線方向に対して−40°の傾斜方向から波長589.2nmの光を入射してレターデーション値(Re(−40°))を測定する。これらRe(40°)、Re(−40°)、および前述のRe(0°)、前述の複合材料の屈折率、さらに前述の膜厚の測定値をKOBRA−WRの解析ソフトに入力し、Rthを算出した。
[実施例1]
セルロース原料としてアバカA’パルプ(東邦特殊パルプ株式会社製)を使用し、該パルプを固形分1.5質量%の水分散体(400l)とし、ディスクリファイナー装置としてラボリファイナー(相川鉄工株式会社製、SDR14型.加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmとして400lのスラリーに対して、10分間叩解処理を進めた後、引き続いてクリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で叩解処理を続け、経時的にサンプリングを行い、サンプリングスラリーに対して、JIS−P−8121で定義されるパルプのカナダ標準濾水度試験方法(以下、CSF法)のCSF値を評価したところ、CSF値は経時的に減少していき、一旦、ゼロ近くとな
った後、さらに叩解処理を続けると、増大していく傾向が確認された。
実施例1において、M1に50質量%相当量のアスペクト比1.6、長径の平均値が53nmの炭酸ストロンチウムを添加する以外は、実施例1と同じ原料と機器を用いること
により不織布S2を得た。なお、セルロース不織布S2の数分率は0.90、繊維径は54.1nmであった。
さらに実施例1と同じ原料と機器を用いて繊維強化複合材料A2を得た。A2の各種測定結果をA2の作製条件とともに表1に示した。
実施例1において、炭酸ストロンチウムを添加しない以外は、実施例1と同じ原料と機器を用いることにより不織布T1を得た。さらに実施例1と同じ原料と機器を用いて繊維強化複合材料B1を得た。B1の各種測定結果をB1の作製条件とともに表1に示した。T1の表面の10000倍のSEM画像を図2に示した。図2を含めたT1の表面に関する2枚のSEM画像の写真の解析により、T1の表面における100nm以下の繊維の占める数分率は、0.92であり、平均繊維径は44.1nmであった。
実施例1において、M1に140質量%相当量のアスペクト比2.3、長径の平均値が56nmの炭酸ストロンチウムを添加する以外は、実施例1と同じ原料と機器を用いることにより不織布S3を得た。なお、セルロース不織布S3の数分率は0.91、繊維径は51.9nmであった。
S3に以下のようにして高分子樹脂を含浸した。ビスフェノールA型エポキシ(旭化成エポキシ株式会社製、AER−250)100質量%を70℃で融解させ、硬化剤(m−キシリレンジアミン)18質量%を混合して含浸液を調製した。該含浸液を離型処理済PETフィルムの上に置いた不織布S3上に展開し、減圧下で気泡を除去しながら充分含浸させた。含浸処理後の不織布S1の上にもう1枚の離型処理済PETフィルムを載せ、圧縮板(鉄製30cm四方、質量8kg)に挟んで130℃の圧縮成型機(東邦マシナリー株式会社製、油圧成形機;TD−37)に導入し、ほとんど圧力を掛けずに10分間保持した。次いで418Paの圧力を掛けて55分間保持し、熱硬化させて繊維強化複合材料A3を得た。A3の各種測定結果をA3の作製条件とともに表1に示した。
[比較例2]
実施例3において、不織布T1に実施例3と同じ原料と機器を用いて繊維強化複合材料B2を得た。B2の各種測定結果をB2の作製条件とともに表1に示した。
Claims (3)
- 少なくとも、固有複屈折を有する金属炭酸塩と、繊維径10nm以上、100nm以下である繊維を数分率で0.7以上有し、固有複屈折を有するセルロース不織布と、透明樹脂とを含有することを特徴とする繊維強化複合材料。
- 該固有複屈折を有する金属炭酸塩が、セルロース不織布に対し、1質量%以上、200質量%以下の組成であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料。
- 水もしくは水と有機溶剤の混合液、またはイオン性化合物を溶解させた前記混合液からなる分散溶媒に、微細セルロース繊維を分散させ、更に、長径の平均値が10nm以上、500nm以下である固有複屈折を有する金属炭酸塩を添加し、分散混合して抄紙用分散液を製造する工程と、引き続き上記抄紙用分散液を抄紙法を用いて分散溶媒を含む湿紙とし、さらに、湿紙の固形分率が6質量%以上、30質量%以下の範囲の下で湿紙内に残留した分散溶媒を有機溶媒で置換する湿紙中の溶媒を置換する工程と、更に、上記工程で得られた溶媒で置換された湿紙を乾燥する湿紙の乾燥工程とを経て固有複屈折を有するセルロース不織布を得る工程、そして、得られたセルロース不織布に透明樹脂を含浸する工程とを、上記記載の順を経て製造されることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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