JP5664245B2 - 微細繊維状セルロースシートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細繊維状セルロースを効率よく多孔性のシートにする微細繊維状セルロースシートの製造方法および前記製造方法で得られた微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸することにより得られる複合体を提供することを目的とする。
本願は、2008年12月26日に、日本に出願された特願2008−332038号、2009年5月13日に、日本に出願された特願2009−116045号、2009年8月27日に、日本に出願された特願2009−197050号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、物質をナノメートルサイズの大きさにすることによりバルクや分子レベルとは異なる物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。 一方で、石油資源の代替および環境意識の高まりから再生産可能な天然繊維の応用にも注目が集まっている。
天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。このようなセルロース繊維から得られる紙(シート)は不透明であり、不透明であるが故に印刷用紙として幅広く利用されている。一方、セルロース繊維をレファイナーやニーダー、サンドグラインダーなどで処理(叩解、粉砕)し、セルロース繊維を微細化(ミクロフィブリル化)すると透明紙(グラシン紙)が得られる。しかし、この透明紙の透明性は半透明レベルであり、光の透過性は高分子フィルムに比べると低く、曇り度合い(ヘーズ値)も大きい。
また、セルロース繊維は弾性率が高く、熱膨張率の低いセルロース結晶の集合体であり、セルロース繊維を樹脂と複合化することによって耐熱寸法安定性が向上するため、積層板などに利用されている。ただし、通常のセルロース繊維は結晶の集合体であり、筒状の空隙のある繊維のため寸法安定性には限界がある。
セルロース繊維を機械的に粉砕し、その繊維幅を50nm以下とした微細繊維状セルロースの水分散液は透明である。他方、微細繊維状セルロースシートは空隙を含むため白く乱反射し、不透明性が高くなるが、微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸すると空隙が埋まるため、透明なシートが得られる。さらに、微細繊維状セルロースシートの繊維はセルロース結晶の集合体で、非常に剛直であり、また、繊維幅が小さいため、通常のセルロースシート(紙)に比べると同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなる。そのため、樹脂と複合化すると樹脂中で細い繊維がより均一かつ緻密に分散し、耐熱寸法安定性が飛躍的に向上する。また、繊維が細いため透明性が高い。このような特性を有する微細繊維状セルロースは、樹脂と複合化することにより有機ELや液晶ディスプレイ用のフレキシブル透明基板(曲げたり折ったりすることのできる透明基板)として非常に大きな期待が寄せられている。
しかし、微細繊維状セルロースの水性分散液は濃度1質量%で粘度が500〜10000mPa・秒程度であり、前記分散液を脱水してシート化しようとすると、前記分散液の濾水性が極めて悪いため、抄紙スピードが極めて遅くなり、巻取り(連続シート)での工業的な生産は困難である。抄紙時の生産スピードが極めて遅い理由は、微細繊維状セルロースの濾水性(脱水速度)が極めて低いためである。
微細繊維状セルロースに関する微細化技術、樹脂との複合化技術については数多く開示されているが、工業的な生産性を維持しつつ、微細繊維状セルロースを多孔性のシートにする技術についてはほとんど開示されていないのが現状である。
具体的には特許文献1〜3に、セルロース繊維を微細繊維化する技術が開示されているが、微細繊維化されたセルロースをシート化する際の濾水性を向上させる技術については開示も示唆もない。
特許文献4〜10には、高分子樹脂に微細繊維状セルロースを複合化させることによって力学強度等の物性を向上させる技術等が開示されているが、複合化を易化させる技術(例えば、セルロースに樹脂が含浸しやすくする技術)についてはほとんど開示されていない。
また、特許文献11〜20には、微細繊維状セルロースをシート化する技術が開示されているが、工業的なレベルの生産性を確保するまでには至っておらず、微細繊維状セルロースを多孔性のシートにする簡便な方法の提供が望まれている。
特開昭56−100801号公報 特開2008−169497号公報 特許第3036354号公報 特許第3641690号公報 特表平9−509694号公報 特開2006−316253号公報 特開平9−216952号公報 特開平11−209401号公報 特開2008−106152号公報 特開2005−060680号公報 特開平8−188981号公報 特開2006−193858号公報 特開2008−127693号公報 特開平5−148387号公報 特開2001−279016号公報 特開2004−270064号公報 特開平8−188980号公報 特開2007−23218号公報 特開2007−23219号公報 特開平10−248872号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、微細繊維状セルロースを効率よく多孔性のシートにする微細繊維状セルロースシートの製造方法および前記製造方法で得られた微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸することにより得られる複合体を提供するものである。
本発明者らは、微細繊維状セルロースを水および水と相溶性のある有機溶媒からなる混合溶媒に分散させる分散工程において、前記工程で用いる有機溶媒を特定の沸点、表面張力、分子量を有するものとし、前記混合溶媒を乾燥することによって、得られた微細繊維状セルロースシートに微細な空隙が発生し、樹脂が含浸しやすくなることを見出し、また、微細繊維状セルロースと有機溶媒、水、界面活性剤からなる有機溶媒のエマルションを分散/混合し、前記微細繊維状セルロース水系分散液をシート化することによって、工程の安全性を確保しつつ、得られた微細繊維状セルロースシートに微細な空隙が発生し、樹脂が含浸しやすくなることを見出し、さらに、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成し、前記水分を含んだシートを加熱蒸発させることにより得られる微細繊維状セルロースシートの製造方法において、前記微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液にセルロース凝結剤を配合する微細繊維状セルロースシートの製造方法を見出し本発明を完成させた。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースを水および水と相溶性のある有機溶媒からなる混合溶媒に分散させる分散工程、前記分散工程で得られた分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備え、分散工程で用いる有機溶媒が沸点120〜260℃、表面張力20〜45N/m、分子量100〜200であり、かつ水溶性であることを特徴とする微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(2)前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:10〜100:500であることを特徴とする(1)に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(3)前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:10〜100:200であることを特徴とする(2)に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(4)前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:50〜100:200であることを特徴とする(3)に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(5)微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースと有機溶媒を含むエマルションを水に分散させる分散工程、前記分散工程で得られた微細繊維状セルロースの水系分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備え、前記乾燥工程は、第一乾燥工程において水を蒸発させ、次いで第二乾燥工程において有機溶媒を蒸発させる二段階の乾燥工程を備えることを特徴とする微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(6)前記微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースの水分散液と有機溶媒、水、界面活性剤からなるエマルションを混合させる混合工程、前記微細繊維状セルロースの水分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備えることを特徴とする(5)に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(7)前記エマルションに含まれる有機溶媒が沸点120〜260℃であることを特徴とする(5)または(6)に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(8)前記エマルションに含まれる有機溶媒が親水性の官能基を有することを特徴とする(5)〜(7)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(9)前記有機溶媒が、グライム類であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(10)前記有機溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテルであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(11)前記微細繊維状セルロースの繊維幅が2〜1000nmであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
(12)微細繊維状セルロースの分散液中の濃度が0.1〜1質量%であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
本発明によって、微細繊維状セルロースの多孔性シートを非常に効率よく生産できる製造方法および前記製造方法で得られた微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸することにより得られる優れた物性を有する複合体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは微細繊維状セルロースの多孔性シートを得るための製造方法を検討した。従来、多孔性シートを製造するには湿紙にイソプロピルアルコールやイソブチルアルコールなどの親水性有機溶媒に含浸し、水と親水性有機溶媒を置換させ、その後親水性有機溶媒を蒸発・乾燥させて多孔性シートを得ていた。しかし、この方法は親水性有機溶媒が大量に必要であり、水を親水性有機溶媒に置換するのに多大な時間がかかり、工業的生産が困難である。
そこで本発明者らは、微細繊維状セルロースを水および水と相溶性のある有機溶媒からなる混合溶媒に分散させる分散工程において、前記工程で用いる有機溶媒を特定の沸点、表面張力、分子量を有するものとし、前記混合溶媒を乾燥することによって、得られた微細繊維状セルロースシートに微細な空隙が発生し、樹脂が含浸しやすくなることを見出した。また、有機溶媒を水中でエマルション化し、微細繊維表面にエマルションを吸着させシートを形成し、最初に水を蒸発させ、その後、エマルション化された有機溶媒を蒸発させることで多孔性シートを非常に効率よく製造できることを見出した。さらに、本発明者らは、微細繊維状セルロースの水系懸濁液にセルロース凝結剤を添加しゲル状になったものを多孔性の基材上に展開し、吸引ろ過することで、全く予想に反して容易に脱水することを見出した。
本発明により有機溶媒の選択の幅が広がるため生産性が向上したり、多孔性の制御が容易になる。また、有機溶媒の使用量も低減できるため、生産性の向上と安全性の向上につながる。
本発明における微細繊維状セルロースは通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに幅の狭いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維状セルロースは結晶状態のセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維状セルロースの幅は走査型または透過型電子顕微鏡で観察して2nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは4nm〜100nmである。繊維の幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。1000nmを超えると微細繊維とは言えず、通常のパルプに含まれる繊維にすぎないため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が得られない。また、微細繊維状セルロースの複合体に透明性が求められる用途であると、微細繊維の幅は50nm以下が好ましい。
ここで、微細繊維状セルロースがI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
本発明における微細繊維状セルロースの繊維長(JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52:2000に準じて測定した長さ加重平均繊維長)は、1〜1000μmが好ましく、10〜600μmがさらに好ましく、50〜300μmが特に好ましい。
繊維長を繊維の幅で除した値であるアスペクト比は100〜30000が好ましく、500〜15000がさらに好ましく、1000〜10000が特に好ましい。
繊維長が1μm未満であるとシートを形成するための強度が著しく低く、シート化ができなくなるため好ましくない。
繊維長が10μm以上であると確実にシート形成できるようになり、50μm以上であるとシートがさらに形成しやすくなる上、得られるシートの強度も向上する。
繊維長が1000μmを超えて繊維径が1μm以下のものを作成しようとすると、なるべく繊維を切らないように(繊維長が短くならないように)繊維径を小さくする必要があるが、そのような処理は弱い剪断力で長時間機械処理する必要があり、工業的生産が困難である。
アスペクト比が100未満であると、繊維長が50μm以上の場合、通常のパルプ繊維(アスペクト比が50程度)に比べ得られるシートの物性に大きな違いがなく、また、繊維径を10nmオーダーまで細くすると繊維長が短くなり、シート形成が困難になったり、強度が著しく低くなってしまう。
微細繊維状セルロースの製造方法には特に制限はないが、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナーなどの機械的作用を利用する湿式粉砕でセルロース系繊維を細くする方法が好ましい。また、TEMPO酸化、酵素処理、オゾン処理などの化学処理を施してから微細化してもかまわない。微細化するセルロース系繊維としては、植物由来のセルロース、動物由来のセルロース、バクテリア由来のセルロースなどが挙げられる。より具体的には、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材系製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻や麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも木材系製紙用パルプや非木材系パルプが入手のし易さという点で好ましい。
本発明においては、上記微細繊維状セルロースを水および水と相溶性のある有機溶媒からなる混合溶媒に分散して使用される。 そこで、水と相溶性のある有機溶媒であり、かつ、沸点120〜260℃、表面張力20〜45N/m、分子量100〜200であることが必要である。
有機溶媒の沸点が120℃より低いと、水を蒸発させる時に有機溶媒が一緒に蒸発する量が増えてしまい、多孔性のシートが得られないという問題が発生する。逆に、沸点が260℃を超えると、有機溶媒を蒸発させるために高温が必要となり微細繊維が黄変したり繊維強度が低下したりという問題が発生する。
有機溶媒の表面張力が20N/mより低いと、親水性が低下して水との相溶性が悪いという問題が発生する。逆に、表面張力が45N/mを超えると、有機溶剤の蒸発時に微細繊維が収縮して多孔性が低下するという問題が発生する。
さらに、有機溶媒の分子量が100より低いと、多孔性が低下するという問題が発生する。逆に、分子量が200を超えると、水との相溶性が低下し多孔性が低下するという問題が発生する。
水に対する相溶性は20℃において10%以上の溶解性が好ましくより好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
このような有機溶媒としては、例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類、1,2−ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールなどの2価アルコール類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらの有機溶媒は2種以上併用してもかまわない。
なかでも、これらの有機溶媒は、水への相溶性に優れ、沸点と表面張力と分子量のバランスが良いジエチレングリコールジメチルエーテルとジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルが特に好ましい。
本発明において用いる混合溶媒の水と有機溶媒との混合割合は、100:10〜100:500が好ましく、100:10〜100:200がより好ましく、100:50〜100:200がさらに好ましく、100:20〜100:150が特に好ましく、100:25〜100:100が最も好ましい。
有機溶媒の割合が10未満であると、シートの多孔性が低下するおそれがある。
また、有機溶媒の割合が500を超えると、パルプ濃度が低下しすぎて抄紙効率が低下するし、パルプ濃度を一定のまま有機溶媒の割合が500を超えると粘度が高すぎたり微細繊維が凝集を起こしたりするおそれがある。
本発明においては、上記微細繊維状セルロースと有機溶媒、水、界面活性剤からなるエマルションを水に分散して使用される。
前記有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、などのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類、1,6ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールなどの2価アルコール類、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、フェノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酪酸イソペンチル、イソ吉草酸エチル、オクタン酸エチル、マロン酸ジエチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族化合物類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の鎖状炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状炭化水素類、シクロペンタノール、シクロペンタノン、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノンジメチルアセタール等の環状炭化水素誘導体類、リモネン、ミルセン、オシメン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、酢酸リナリル、シトロネロール、シトロネラール、シトラール、メンテン、テルピノレン、テルピネオン、シネオール、ピノール、アスカリドール、テルピネオール、ピネン、ボルネオールなどのテルペン類を挙げることができる。これらの有機溶媒は2種以上併用してもかまわない。
なかでも、エマルションに含まれる有機溶媒が沸点120〜260℃であることが好ましい。有機溶媒の沸点が120℃より低いと、水を蒸発させる際に有機溶媒が一緒に蒸発する量が増えてしまい、多孔性のシートが得られないという問題が発生するおそれがある。逆に、沸点が260℃を超えると、有機溶媒を蒸発させるために高温が必要となり微細繊維が黄変したり繊維強度が低下したりするという問題が発生するおそれがある。
さらに、エマルションに含まれる有機溶媒が親水性の官能基を有することが安全性の面から好ましい。このような有機溶媒としては、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなどのグライム類、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1,6ヘキサンジオールなどのアルコール類、酢酸ペンチル、オクタン酸エチル、安息香酸メチルなどのエステル類、テルピネオールなどのテルペン類等である。
本発明において使用される界面活性剤としては、以下に記載するようなアニオン(陰イオン)、カチオン(陽イオン)、両性、ノニオン(非イオン)等からなる界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩類;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩などのスルホン酸塩類;硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩類;アルキル硫酸塩などの硫酸塩類;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩などのリン酸エステル類;ポリ及びオリゴ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、スチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、エチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの部分加水分解開環物(開環率は30〜80%が好ましい)、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合ポリマー及びオリゴマーの完全加水分解開環物、ポリ及びオリゴ酢酸ビニル、ポリ及びオリゴビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース由来のオリゴマー、メチルセルロース由来のオリゴマー、カルボキシメチルセルロース由来のオリゴマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、四級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体等が挙げられる。中でも、臭化アルキルアンモニウム(アルキル基の炭素数は10〜14)等の脂肪族四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体などの高分子系四級アンモニウム塩等が好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン二級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル類;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエステルエーテル類;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル類;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素化合物等が挙げられる。
なお、必要に応じて上記した2種類以上の界面活性剤を併用することもできる。さらには、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の少なくとも何れか一方と、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の少なくとも何れか一方を併用してもよい。
本発明において用いる微細繊維状セルロースとエマルションに含まれる有機溶媒との混合割合(質量部)は、100:50〜100:500が好ましく、100:50〜100:350がより好ましく、100:60〜100:300がさらに好ましい。有機溶媒の割合が50未満であると、シートの多孔性が低下するおそれがある。また、有機溶媒の割合が500を超えると、セルロース濃度が低下しすぎて抄紙効率が低下するし、セルロース濃度を一定のまま有機溶媒の割合が500を超えると粘度が高すぎたり、微細繊維が凝集を起こしたりするおそれがある。
本発明において用いる有機溶媒と界面活性剤との混合割合(質量部)は100:0.1〜100:30が好ましく、100:0.5〜100:20がより好ましく、100:1〜100:10がさらに好ましい。界面活性剤の割合が0.1未満であるとエマルションが不安定になりやすい。また、界面活性剤の割合が30を超えるとエマルション安定化の効果が頭打ちとなり、不経済である。
乳化方法としては、一般に、水に界面活性剤を添加しておき、これに有機溶媒を加えて分散機等で攪拌する方法(以降、直接乳化法と呼ぶ)、有機溶媒に界面活性剤を添加しておき、これを多量の水中に投入する方法(以降、自然乳化法と呼ぶ)、および転送乳化法が挙げられる。また、水に攪拌しながら有機溶媒を加え、続いて界面活性剤を加える方法もある。
直接乳化法は、分散機を用いて強力な剪断力をかけることで、エマルション粒子を粉砕させ乳化させる方法であり、比較的容易に乳化物を得ることができる。しかしながら、エマルション粒子に均等に剪断力がかからなかった場合は粒子径分布が広くなってしまう。また、小粒径の粒子を得るために強力な剪断力をかけるほど経時安定性が損なわれてしまうことが知られている。自然乳化法は水に投入しただけで乳化するものであるが、界面活性剤の選択に高度の専門知識が必要であり、あらゆる物質への応用ができるとは限らない。
これらに対して、転相乳化法は界面活性剤を加えた有機溶媒に攪拌しながら少しずつ水を加えていく方法である。油滴に水を加えていくと最初はW/O型エマルションが作成され、水の量が増すにつれて増粘し、やがてO/W型エマルションに転相する。転相乳化法の特徴は、この転相点を通過することにある。すなわち、粒子とそれを分散していた連続相が入れ替わる転相点で十分に剪断力をかけて攪拌することで、非常に粒径分布が狭い均一な小粒径のエマルションを得ることができる。また、転相乳化法で得られたエマルションは、安定性に特に優れていることが知られている。転相乳化法は、ビーカーと攪拌棒とを用いて手作業で行われるのが一般的であるが、より均一で小粒径のエマルションを得るために各種攪拌機を用いることもできる。
ここで、乳化の際に用いる攪拌機としては特に制限はないが、プライミクス(株)製のT.K.ロボミックス、T.K.オートミクサー、T.K.ホモミクサーなどの攪拌式乳化機やT.K.フィルミクスのような高速攪拌機、あるいは各種超音波処理装置などが使用できる。
水と有機溶媒の比率(質量%)は30:70〜95:5が好ましく、40:60〜90:10がより好ましく、50:50〜85:15がさらに好ましい。水の比率が30未満であるとエマルションの安定性が低下する。水の比率が95%以上であると微細繊維状セルロースの分散濃度が低下してしまい、効率が低下する。
本発明において使用する微細繊維状セルロース水系分散液は、微細繊維状セルロース水分散液に上記有機溶媒のエマルションを攪拌しながら投入するのが好ましい。攪拌装置としてアジテーター、ホモミキサー、パイプラインミキサーなどの装置を用いて均一に混合分散する。この場合の微細繊維状セルロースの分散液の濃度としては、0.1〜1質量%であることが好ましく、0.2〜0.8質量%であることがより好ましい。分散液の濃度が0.1質量%未満であると、抄紙効率が低下するおそれがあり、1質量%を超えると粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。前記分散液の粘度は、25℃におけるB型粘度で100〜5000mPa・秒程度が好適である。
本発明で使用できるセルロース凝結剤としては、水溶性無機塩やカチオン性官能基を含む水溶性有機化合物が挙げられる。
水溶性無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなどが挙げられる。
カチオン性官能基を含む水溶性有機化合物としてはポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、尿素樹脂、メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、第四級アンモニウム塩を含有するモノマーを重合あるいは共重合したポリマーなどが挙げられる。
また、透明性が求められる用途にはカチオン性が弱い化合物(微カチオン性化合物)をセルロース凝結剤として使用することが好ましい。カチオン性が弱い化合物として炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどの炭酸アンモニウム系化合物やギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウムなどの有機カルボン酸アンモニウム系化合物が挙げられる。これらの中でも加熱後、分解、気化してシート中から放出される炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウムが好ましい。
さらに、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物、などのポリアミド系微カチオン性の有機高分子も使用できる。
セルロース凝結剤の添加量は水系懸濁液がゲル化する量以上に添加する必要がある。
具体的には、微細繊維状セルロース100質量部に対して、セルロース凝結剤を0.5〜10質量部添加するのが好ましい。
因みに、セルロース凝結剤の添加量が0.5質量部未満であると、水系懸濁液のゲル化が不充分となり、濾水性向上効果が乏しくなるおそれがある。
添加量が10質量部を超えると、ゲル化が進み過ぎ、水系懸濁液の取扱が困難となるおそれがある。より好ましくは1〜8質量部の範囲である。
ここで、本発明によるゲル化とは水系懸濁液の粘度が急激かつ大幅に上昇し、流動性を失う状態変化である。ただし、ここで得られるゲルはゼリー状であり、攪拌によって容易に破壊される。
ゲル化の判断は急激に流動性を失う状態であるので目視で判断可能であるが、本発明の微細繊維状セルロースの分散液にセルロース凝結剤を配合し、濃度0.5質量%、温度25℃でのB型粘度(ロータNo.4、回転数60rpm)で判断する。前記粘度が1000mPa・秒以上であることが好ましく、2000mPa・秒以上であることがより好ましく、3000mPa・秒以上であることが特に好ましい。
因みに、B型粘度が1000mPa・秒未満であると水系懸濁液のゲル化が不充分となり、濾水性向上効果が乏しくなるおそれがある。
また、カチオン性が弱い化合物については、セルロース凝結剤の添加量は、微細繊維状セルロース100質量部に対して、セルロース凝結剤を10〜200質量部添加するのが好ましく、より好ましくは20〜150質量部、さらに好ましくは30〜100質量部の範囲である。カチオン性の弱いセルロース凝結剤の添加量が10質量部未満であると、濾水性が悪化するおそれがある。逆に添加量が200質量部を超えると透明性が悪化するおそれがある。
本発明において、微細繊維状セルロースを含む水系懸濁液をシート化する方法としては特に限定されず、抄紙で通常使用している方法である長網、円網、傾斜ワイヤーなどで脱水した後、ロールプレスで脱水する方法が好ましい。なかでも、例えば特願2009−173136に記載の微細繊維を含む分散液を無端ベルトの上面に吐出し、吐出された前記分散液から分散媒を搾水してウェブを生成する搾水セクションと、前記ウェブを乾燥させて繊維シートを生成する乾燥セクションとを備え、前記搾水セクションから前記乾燥セクションにかけて前記無端ベルトが配設され、前記搾水セクションで生成された前記ウェブが前記無端ベルトに載置されたまま前記乾燥セクションに搬送される製造装置を用いる方法等が好ましい。
また、乾燥方法としては紙の製造で通常用いられている方法が好ましく、例えば、シリンダードライヤーやヤンキードライヤー、熱風乾燥、赤外線ヒーターなどの方法が挙げられる。
上記乾燥工程において、二段階の乾燥とするのが好ましい実施態様である。すなわち、第一乾燥工程において水を蒸発させ、次いで第二乾燥工程において水よりも高沸点の有機溶媒を蒸発させるものである。この方法によって得られた微細繊維状セルロースシートには微細な空隙が多数形成され、樹脂を含浸させるのが極めて容易となる。前記シートの多孔性の目安としては、JIS P 8117:1998に準じて測定した透気度が50〜3000秒/100cc程度である。
なお、脱水時のワイヤーとして使用できる多孔性の基材としては、一般の抄紙に使用するワイヤーが挙げられる。例えば、ステンレス、ブロンズなどの金属製ワイヤーやポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンなどのプラスチック製ワイヤーが挙げられる。また、セルロースアセテート基材などのメンブレンフィルターをワイヤーとして使用してもかまわない。ワイヤーの目開きとしては0.2〜200μmが好ましく、0.4〜100μmがさらに好ましい。目開きが0.2μm未満であると脱水速度が極端に遅くなり好ましくない。200μmを超えて大きいと微細繊維状セルロースの歩留りが低下して好ましくない。
本発明で得られる微細繊維状セルロースシートの坪量は0.1〜1000g/mが好ましく、1〜500g/mがさらに好ましく、5〜100g/mが特に好ましい。坪量が0.1g/m未満になるとシート強度が極端に弱くなり、連続生産ができない。1000g/mより超えると脱水に非常に時間がかかり、生産性が極端に低下して好ましくない。
本発明で得られる微細繊維状セルロースシートの厚さは0.1〜1000μmが好ましく、1〜500μmがさらに好ましく、5〜100μmが特に好ましい。厚さが0.1μm未満になるとシート強度が極端に弱くなり、連続生産ができない。1000μmより超えると脱水に非常に時間がかかり、生産性が極端に低下して好ましくない。
本発明で得られる微細繊維状セルロースシートの密度は0.10〜1.5g/cmが好ましく、0.30〜1.20g/cmがさらに好ましく、0.40〜0.80g/cmが特に好ましい。密度が0.10g/cm未満になるとシート強度が弱くなり好ましくない。1.5g/cmを超えると空隙がほとんどない状態になり、樹脂等との複合化の際には好ましくない。ここで、抄紙時の脱水圧力やプレス圧力、シート形成後のカレンダー処理などによって密度の制御が可能である。なお、本発明の密度は坪量を厚さで除した値である。
本発明で微細繊維状セルロースに複合化できる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、樹脂硬化物から選択される少なくとも1種の樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂などが挙げられる。
スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族単量体の単独重合体または他の単量体との共重合体を言い、ビニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレンなどが挙げられ、中でもスチレンの単独重合体または他の単量体との共重合体が好ましい。単独重合体の場合には、連鎖に立体規則性のあるもの(アイソタクティック、シンジオタクティック)でも、立体規則性のないもの(アタクティック)でも構わない。共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニルなどが挙げられ、アクリル系単量体とスチレン系単量体とを共重合させることによって得られる樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体などは、その共重合比によって樹脂の屈折率を調整することが可能であるので好ましい。例えば、ポリスチレン(屈折率:約1.59)の単量体とポリアクリロニトリル(屈折率:約1.52)の単量体を71:21で共重合すると、屈折率が約1.57の樹脂が得られる。共重合体の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体がある。
アクリル系樹脂とは、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステルより選択される1種以上の単量体を重合したものである。なかでも、メタクリル酸メチルの単独重合体または他の単量体との共重合体が好ましい。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、他のメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド類、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸無水物類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和酸類が挙げられる。また、トリシクロデシルメタクリレートなど、脂環式アクリル樹脂も挙げられる。
芳香族ポリカーボネート系樹脂とは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルフェニルスルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルフェニルスルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類等を挙げることができる。これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ポリエステル系樹脂とは、特に限定されるものではないが、具体例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等である。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリオレフィン系樹脂とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂(エチレン−アクリル酸系ポリマー塩や、スチレン−スルホン酸塩など)、およびそれらの共重合体や、マレイン酸などによる変性体などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂とは、ノルボルネンやシクロヘキサジエンなど、ポリマー鎖中に環状オレフィン骨格を含む重合体もしくはこれらを含む共重合体であり、その製造方法については特に限定されるものではない。環状オレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネン骨格の繰返し単位、またはノルボルネン骨格とメチレン骨格の共重合体よりなるノルボルネン系樹脂が挙げられ、JSR社製の「アートン」、日本ゼオン社製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学社製の「アペル」、チコナ社製の「トーパス」などが挙げられる。
ポリアミド系樹脂とは、公知のポリアミド樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン1,16)、ポリウンデカラクタム(ナイロン11)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、ポリドデカンテレフタルアミド(ナイロン12T)、およびこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合物などである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されているような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。また、本発明で使用できるポリフェニレンエーテル系樹脂は、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。ポリフェニレンエーテル系樹脂は耐熱性が高く、電気特性に優れているため、高耐熱用途、また電子部品として好適に使用することができる。
本発明における単量体とは、これら熱可塑性樹脂を構成する単量体のことを言う。これらの熱可塑性樹脂の数平均分子量は一般に1000以上、好ましくは5000以上500万以下、さらに好ましくは1万以上100万以下である。特に前記単量体を含浸させ、重合することにより複合化させる場合には、ジビニルベンゼンのように他の単量体との間に架橋構造を形成する単量体の配合も高温時の可塑性を抑制する観点で極めて有効である。
これらの熱可塑性樹脂は、単独ないし2種以上を混合して用いることができる。2種以上の熱可塑性樹脂を混合して用いる場合、その混合比によって樹脂の屈折率を調整することが可能であるので好ましい。アクリル系樹脂とスチレン系樹脂をブレンドすることにより得られる樹脂が好ましく、例えば、ポリメタクリル酸メチル(屈折率約1.49)とアクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含量約21%、屈折率約1.57)を50:50で混合すると、屈折率約1.53の樹脂が得られる。
また、本発明において用いられる熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂とは、常温では液状、半固形状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質を意味する。これらは硬化剤、触媒、熱又は光の作用によって硬化反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融性の樹脂となり得る。また、本発明における樹脂硬化物とは、上記熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が硬化してなる樹脂を意味する。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、具体例を示すと、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等、その他工業的に供されている樹脂及びこれら樹脂を2種以上混合して得られる樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂、アリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂などは透明性を有するため、光学材料として使用する場合に好適である。
上記エポキシ樹脂とは、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1〜7個であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで、1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示したエポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらエポキシ樹脂は熱硬化性樹脂先駆体のエポキシ化合物であり、硬化剤を用いることにより、エポキシ樹脂の硬化物である硬化エポキシ樹脂が得られる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテルなどの芳香族エポキシ樹脂及びこれらの水素添加物や臭素化物などが挙げられる。また、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシシクロヘキサノン−メタジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルなどの脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。また、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル型エポキシ樹脂及びこれらの水素添化物などが挙げられる。また、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N´−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらの水素添化物などが挙げられる。また、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのラジカル重合性単量体との共重合体などが挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、エポキシ化ポリブタジエンなどの共役ジエン化合物を主体とする重合体又はその部分水素添化物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したものなどが挙げられる。また、エポキシ化SBSなどのようなビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水素添化物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体における、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したものなどが挙げられる。また、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂などが挙げられる。また、上記エポキシ樹脂の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂などが挙げられる。上記変成エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシ樹脂にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴムなどのゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂などが挙げられる。なお、エポキシ樹脂以外に、少なくとも1つのオキシラン環を有する樹脂又はオリゴマーが添加されてもよい。
また、フルオレン含有エポキシ樹脂、フルオレン含有アクリレート樹脂、フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂など、フルオレン基を含有する熱硬化性樹脂および組成物、またはその硬化物も挙げられる。これらフルオレン含有エポキシ樹脂は、フルオレン基を分子内に含有することにより、屈折率が高く、また高耐熱であるため好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂の硬化反応に用いる硬化剤としては特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物などの化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びその誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明において用いられる光硬化性樹脂としては、例えば、光潜在性カチオン重合開始剤を含むエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記光硬化性樹脂を硬化させる場合には、光照射と同時に熱を加えてもよい。また、本発明において熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂と併用して用いる硬化剤、硬化触媒は、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂の硬化に用いられるものであれば特に限定されない。硬化剤の具体例としては多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂が挙げられ、硬化触媒の具体例としてはイミダゾールなどが挙げられ、これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
本発明におけるポリイミド系樹脂とは、特に限定されるものではないが、その主鎖骨格中にイミド基を含有する樹脂であり、熱可塑性および熱硬化性のポリイミド系樹脂のいずれも使用できる。具体的には、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド等が挙げられる。
硬化樹脂としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ノボラック系樹脂、尿素系樹脂、グアナミン系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、フラン系樹脂、ケトン系樹脂、キシレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチリルピリジン系樹脂、トリアジン系樹脂などが挙げられる。透明性の点でアクリル系樹脂やメタクリル系樹脂が好ましい。これら硬化性樹脂は1種類でも2種類以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および樹脂硬化物を2種以上混合して得られる樹脂も使用し得る。
本発明においては、微細繊維状セルロースシートに対し、上記樹脂を複合化させる方法として、
(1)単量体を含浸させて重合させる方法、
(2)熱硬化性樹脂前駆体または光硬化性樹脂前駆体を含浸させて硬化させる方法、
(3)上記樹脂の溶液を含浸後乾燥させる方法、
(4)上記樹脂のうち熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ脱泡後冷却する方法、のいずれか一つの方法により複合体を製造する方法を用いることができる。
単量体を含浸させ重合させる方法とは、熱可塑性樹脂を構成する単量体であるメタクリル酸メチルなどの単量体を、微細繊維状セルロースシートに含浸させ、熱処理などにより上記単量体を重合させることにより、微細繊維状セルロースシートと前記樹脂からなる複合体を得る製造方法であり、パーオキサイドなどの有機過酸化物、または一般的に単量体の重合に用いられる重合触媒を重合開始剤として用いることができる。重合触媒が不純物として複合体の性能を損なうことが想定される場合には、キノン類のような重合禁止剤を一切含まない高純度の単量体を含浸させ、重合開始剤を用いないで熱重合させることも有効である。
熱硬化性樹脂前駆体または光硬化性樹脂前駆体を含浸させ硬化させる方法とは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂前駆体または光硬化性樹脂前駆体と硬化剤の混合物を、微細繊維状セルロースシートに含浸させ、熱処理または光照射等により上記熱硬化性樹脂前駆体または光硬化性樹脂前駆体を硬化させることにより、微細繊維状セルロースシートと前記樹脂である硬化エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化物、光硬化性樹脂の硬化物からなる複合体を得る製造方法である。
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂前駆体または光硬化性樹脂前駆体が室温で固体であり、微細繊維状セルロースシートに含浸させることが困難な場合は、前記前駆体を前もって熱処理し融解させておくことや、前記前駆体を可溶な溶媒に溶解させた溶液を含浸させることも可能である。
表面の平滑性を高める意味で、ある程度硬化反応が進行した段階で加熱プレス処理を施すことによりさらに反応を進行させることも有効である。前記加熱処理時にはある程度硬化反応が進行した複合体を数枚積層させて処理することも厚膜化時には有効である。
上記樹脂の溶液を含浸後乾燥させる方法とは、前記熱可塑性樹脂を溶解可能な溶媒に溶解し、微細繊維状セルロースシートに含浸させ、乾燥させることにより、微細繊維状セルロースシートに熱可塑性樹脂を複合化させる製造方法である。
上記樹脂である熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ脱泡後冷却する方法とは、熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上または融点以上で熱処理することにより融解させ、微細繊維状セルロースシートに含浸させ、脱泡後冷却することにより、微細繊維状セルロースシートと熱可塑性樹脂からなる複合体を得る製造方法である。熱処理は加圧下で行うことが望ましく、真空加熱プレス機能を有する設備の使用が有効である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<調整例1:微細繊維状セルロースのスラリーA>
NBKPパルプ(王子製紙社製 水分50% フリーネス600mLcsf)100質量部に水1150質量部を加えてディスインテグレーターで解繊した後、パルプ濃度を2〜3%に調製してリファイナーで処理した。リファイナーで処理したパルプのフリーネスは300mLcsfであった。リファイナーで処理したパルプにパルプ濃度が0.5〜0.7%の間になるように水を加えて、石臼型分散機(増幸産業社製「スーパーマスコロイダー」、石臼タイプG)を用いて5回処理を行って微細繊維状セルロースのスラリーAを得た。スラリーのパルプ濃度を0.5%に調整した。前記微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は200〜800nmの範囲であった。
<調整例2:微細繊維状セルロースのスラリーB>
微細繊維状セルロースAを高圧衝突型分散機(スギノマシン社製「アルティマイザー」)で10回処理して微細繊維状セルロースのスラリーBを得た。前記微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は100〜300nmの範囲であった。
<調整例3:微細繊維状セルロースのスラリーC>
微細繊維状セルロースAを高圧衝突型分散機(スギノマシン社製「アルティマイザー」)で20回処理して微細繊維状セルロースのスラリーCを得た。前記微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は50〜200nmの範囲であった。
<調整例4:微細繊維状セルロースのスラリーD>
水150質量部にNBKPパルプ(王子製紙社製 水分50% フリーネス600mLcsf)4質量部と2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)0.025質量部と臭化ナトリウム0.25質量部を順次攪拌しながら添加して作成した水分散液に、次亜塩素酸ナトリウムの13質量%水溶液を、絶乾パルプ1gに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が2.5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保った。反応物をろ別して水洗し得られたパルプを濃度1.5%となるように水を加えてパルプ分散液を得た。得られたパルプ分散液をディスインテグレーターで約5分間解繊して微細繊維状セルロースのスラリーDを得た。スラリーの濃度を0.5%に調製した。前記微細繊維状セルロースの幅を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は3〜20nmの範囲であった。
<調製例5:エマルションA>
水67質量部に、界面活性剤としてカチオン性のドデシルアンモニウムクロライド(商品名:「カチオーゲンDDM」、第一製薬工業社製)3質量部を攪拌しながら加え、続いて、有機溶媒として安息香酸メチル(沸点199.6℃、和光純薬製)30質量部を加えてエマルションAを調製した。エマルションの平均粒子系は2.8μmであった。なお、攪拌機はプライミクス社製のT.KホモミクサーマークII2.5型を使用した。回転数は6000rpm、攪拌時間は有機溶媒を加えてから15分間とした。
<調製例6:エマルションB>
有機溶媒として1−ヘキサノール(沸点157℃、和光純薬製)を用いたこと以外は調製例5と同様にエマルションBを調製した。
<調製例7:エマルションC>
有機溶媒としてジイソアミルエーテル(沸点173℃、和光純薬製)を用いたこと以外は調製例5と同様にエマルションCを調製した。
<調製例8:エマルションD>
有機溶媒としてウンデカン(沸点196℃、和光純薬)を用いたこと以外は調製例5と同様にエマルションDを調製した。
<調製例9:エマルションE>
有機溶媒として酢酸ブチル(沸点125℃、和光純薬)を用いたこと以外は調製例5と同様にエマルションEを調製した。
<調製例10:エマルションF>
有機溶媒としてテルピネオール(異性体混合物、沸点214〜224℃、和光純薬)を用いたこと以外は調製例5として同様にエマルションFを調製した。
<調製例11:エマルションG>
有機溶媒として(R)−(+)−リモネン(沸点176℃、和光純薬)を用いたこと以外は調製例5として同様にエマルションGを調製した。
<調整例12:微細繊維状セルロースのスラリーE>
NBKPパルプ(王子製紙社製 水分50% フリーネス600mLcsf)100質量部に水1150質量部を加えてディスインテグレーターで解繊した後、パルプ濃度を2〜3%に調製してリファイナーで処理した。リファイナーで処理したパルプのフリーネスは300mLcsfであった。リファイナーで処理したパルプにパルプ濃度が0.5〜0.7%の間になるように水を加えて、石臼型分散機(増幸産業社製「スーパーマスコロイダー」、石臼タイプG)を用いて5回処理を行って微細繊維状セルロースのスラリーEを得た。スラリーのパルプ濃度を0.5%に調整した。該微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は200〜800nmの範囲であった。
<調整例13:微細繊維状セルロースのスラリーF>
微細繊維状セルロースEを高圧衝突型分散機(スギノマシン社製「アルティマイザー」)で10回処理して微細繊維状セルロースのスラリーFを得た。該微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は100〜300nmの範囲であった。
<調整例14:微細繊維状セルロースのスラリーG>
微細繊維状セルロースEを高圧衝突型分散機(スギノマシン社製「アルティマイザー」)で20回処理して微細繊維状セルロースのスラリーGを得た。該微細繊維状セルロースの幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は50〜200nmの範囲であった。
<調整例15:微細繊維状セルロースのスラリーH>
水150質量部にNBKPパルプ(王子製紙社製 水分50% フリーネス600mLcsf)4質量部と2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)0.025質量部と臭化ナトリウム0.25質量部を順次攪拌しながら添加して作成した水分散液に、次亜塩素酸ナトリウムの13質量%水溶液を、絶乾パルプ1gに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が2.5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保った。反応物をろ別して水洗し得られたパルプを濃度1.5%となるように水を加えてパルプ分散液を得た。得られたパルプ分散液をディスインテグレーターで約5分間解繊して微細繊維状セルロースのスラリーHを得た。スラリーの濃度を0.5%に調製した。該微細繊維状セルロースの幅を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して測定したところ、繊維の幅は3〜20nmの範囲であった。
<実施例1>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーE100部に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブMDM、分子量134、沸点162℃、表面張力28N/m)10部を添加しながら攪拌し、有機溶剤を含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。
前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、湿った状態であった。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、35g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例2>
ジエチレングリコールジメチルエーテルを20部添加したこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例3>
ジエチレングリコールジメチルエーテルを30部添加したこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例4>
ジエチレングリコールジメチルエーテルを50部添加したこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例5>
ジエチレングリコールジメチルエーテルを100部添加したこと以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例6>
調製例13の微細繊維状セルロースのスラリーFを用いたこと以外は実施例4と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例7>
調製例14の微細繊維状セルロースのスラリーGを用いたこと以外は実施例4と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例8>
調製例15の微細繊維状セルロースのスラリーHを用いたこと以外は実施例4と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例9>
有機溶媒としてジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル(DEGIPME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブIPDM、分子量162、沸点179℃、表面張力24N/m)を用いたこと以外は実施例4と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例10>
有機溶媒としてトリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGMME)(東邦化学社製、商品名:ハイモールTM、分子量164、沸点249℃、表面張力36N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例11>
有機溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGMME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブDM、分子量120、沸点194℃、表面張力34N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た
<実施例12>
有機溶媒としてジエチレングリコール(DEG)(和光純薬社製、分子量106、沸点245℃、表面張力45N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例13>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーE100部に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブMDM、分子量134、沸点162℃、表面張力28N/m)200部を添加しながら攪拌し、有機溶剤を含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。
前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに130℃で5分間乾燥し、シートをポリエステルメッシュから剥がし、35g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。
実施例1〜13で得た微細繊維状セルロースシートを、熱硬化性エポキシ樹脂に含浸し、130℃で3分間処理して硬化させた。
含浸前のセルロースシートは白色のシートであったが、含浸後のシートは透明になり樹脂と熱硬化性エポキシ樹脂が複合化できた。
<比較例1>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーEを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例2>
調製例13の微細繊維状セルロースのスラリーFを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例3>
調製例14の微細繊維状セルロースのスラリーGを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例4>
調製例15の微細繊維状セルロースのスラリーHを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例5>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーE100部に、エタノール(和光純薬社製、分子量46、沸点78℃、表面張力22N/m)100部を添加しながら攪拌し、有機溶剤を含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。
前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例6>
有機溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)(和光純薬社製、分子量60、沸点82℃、表面張力21N/m)を用いたこと以外は比較例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<比較例7>
有機溶剤としてエチレングリコール(EG)(和光純薬社製、分子量62、沸点196〜198℃、表面張力48N/m)を用いたこと以外は比較例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<比較例8>
有機溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル(EGMME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブMC、分子量76、沸点124℃、表面張力31N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<比較例9>
有機溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブMMM、分子量90、沸点84〜86℃、表面張力23N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<比較例10>
有機溶媒としてエチレングリコールジエチルエーテル(EGDEE)(和光純薬社製、分子量90、沸点136℃、表面張力28N/m)を用いたこと以外は実施例5と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
比較例1〜10で得られた微細繊維状セルロースシートを熱硬化性樹脂に含浸しようとしたが、熱硬化性樹脂が微細繊維状セルロースシートに含浸されず、複合化シートは得られなかった。
[評価方法]
1.透気度
微細繊維状セルロースシートの透気度をJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(王研式)に準じて測定した。透気度が低いほど樹脂の含浸性が良好である。
2.細孔体積、細孔径、細孔表面積
微細繊維状セルロースの細孔体積、細孔径、細孔表面積を水銀ポロシメーターで測定した。
Figure 0005664245
表1から明らかなように本発明の微細繊維状セルロースシートの製造方法により得たシートは、透気度が低く、多孔性のシートであり、樹脂を含浸することにより透明性に優れた樹脂複合体が得られる。
<実施例14>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーE100部に、調製例5のエマルションAを0.83部添加して攪拌し、有機溶剤のエマルションを含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。
前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、湿った状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、35g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例15>
調製例5のエマルションAを1.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例16>
調製例5のエマルションAを3.4部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例17>
調製例5のエマルションAを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例18>
調製例6のエマルションBを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例19>
調製例7のエマルションCを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例20>
調製例8のエマルションDを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例21>
調製例9のエマルションEを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例22>
調製例10のエマルションFを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例23>
調製例11のエマルションGを6.7部添加したこと以外は実施例14と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例24>
調製例13の微細繊維状セルロースのスラリーFを用いたこと以外は実施例17と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例25>
調製例14の微細繊維状セルロースのスラリーGを用いたこと以外は実施例417と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例26>
調製例15の微細繊維状セルロースのスラリーHを用いたこと以外は実施例17と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。
実施例14〜26で得た微細繊維状セルロースシートを、熱硬化性エポキシ樹脂に含浸し、130℃で3分間処理して硬化させた。含浸前は白色のシートであったが、含浸後シートは透明になり、樹脂と熱硬化性エポキシ樹脂が複合化できた。
<比較例11>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーEを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例12>
調製例13の微細繊維状セルロースのスラリーFを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例13>
調製例14の微細繊維状セルロースのスラリーGを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例14>
調製例15の微細繊維状セルロースのスラリーHを500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。シートは半透明のままであった。
<比較例15>
調製例12の微細繊維状セルロースのスラリーE100部に、安息香酸メチル2部を添加しながら攪拌し、有機溶剤を含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た(一部凝集やオイル状の浮遊物あり)。
前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。
ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、乾いた状態であった。
第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例16>
1−ヘキサノールを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例17>
ジイソアミノエーテルを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例18>
ウンデカンを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例19>
酢酸ブチルを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例20>
テルピネオールを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
<比較例21>
(R)−(+)−リモネンを用いたこと以外は比較例15と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは半透明で凝集物が混ざっており表面が凸凹していた。
比較例11〜20で得られた微細繊維状セルロースシートを熱硬化性樹脂に含浸しようとしたが、熱硬化性樹脂が微細繊維状セルロースシートに含浸されず、複合化シートは得られなかった。
[評価方法]
1.透気度
微細繊維状セルロースシートの透気度をJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(王研式)に準じて測定した。透気度が低いほど樹脂の含浸性が良好である。
2.細孔体積
微細繊維状セルロースシートの1μm径以下の細孔体積を水銀ポロシメーターで測定した。細孔体積が大きいほど樹脂の含浸性が良好である。
Figure 0005664245
表2から明らかなように本発明の微細繊維状セルロースシートの製造方法により得たシートは、透気度が低く、多孔性のシートであり、樹脂を含浸することにより透明性に優れた樹脂複合体が得られる。
<実施例27>
微細繊維状セルロースのスラリーAをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整した水系懸濁液100部に、セルロース凝結剤として硫酸アルミニウム(化学式:Al(SO、固形分:0.3質量%)1.67質量部を攪拌しながら添加した。
得られた水系懸濁液(A)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は600mPa・秒であった。
一方、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック社製「メンブレンフィルター」)の上に上記水系懸濁液を96.6g注ぎ込み、吸引ろ過を行った。ろ過は1分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は30.0g/mであり、厚さは36μmであり、密度は0.83g/cmであった。
<実施例28>
微細繊維状セルロースのスラリーBを用いたこと以外は実施例27と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
ここで、得られた水系懸濁液(B)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は800mPa・秒であった。 ろ過は1分で脱水が終了した。シートの坪量は29.7g/mであり、厚さは30μmであり、密度は0.99g/cmであった。
<実施例29>
微細繊維状セルロースのスラリーCを用いたこと以外は実施例27と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
ここで、得られた水系懸濁液(C)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1200mPa・秒であった。ろ過は2分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は29.7g/mであり、厚さは30μmであり、密度は0.99g/cmであった。
<実施例30>
微細繊維状セルロースのスラリーDを用いたこと以外は実施例27と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1900mPa・秒であった。ろ過は2分30秒で脱水が終了した。シートの坪量は29.7g/mであり、厚さは30μmであり、密度は0.99g/cmであった。
<実施例31>
微細繊維状セルロースのスラリーCをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整した水系懸濁液100部に、セルロース凝結剤として0.1質量%に水で希釈したカチオンポリマーPCA−02(東邦化学工業株式会社)水溶液15部を攪拌しながら添加した。
一方、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック、メンブレンフィルター)の上に上記水系懸濁液109gを注ぎ込み吸引ろ過し、微細繊維状セルロースシートを得た。
得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1200mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.2g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.01g/cmであった。
<実施例32>
セルロース凝結剤として0.1質量%に水で希釈したカチオンポリマーユニセンスKHE1000L(センカ株式会社)水溶液を15部添加したこと以外は実施例31と同様に微細繊維状セルロースのシートを得た。
得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は450mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.1g/mであり、厚さは29μmであり、密度は1.04g/cmであった。
<実施例33>
セルロース凝結剤として0.1質量%に水で希釈したカチオンポリマーフィクサージュ−621(栗田工業株式会社)水溶液を15部添加したこと以外は実施例31と同様に微細繊維状セルロースシートを得た。
得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1350mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.4g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.01g/cmであった。
<実施例34>
セルロース凝結剤として0.1質量%に水で希釈したカチオンポリマーユニセンスCP104センカ株式会社)水溶液を15部添加したこと以外は実施例31と同様に微細繊維状セルロースシートを得た。
得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は450mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は29.5g/mであり、厚さは28μmであり、密度は1.05g/cmであった。
<実施例35>
微細繊維状セルロースのスラリーAをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整したスラリー100部に、セルロース凝結剤として硫酸アルミニウム(化学式:Al(SO、固形分:0.3質量%)1.67質量部を攪拌しながら添加した。
得られた水系懸濁液(A)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は600mPa・秒であった。
一方、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック社製「メンブレンフィルター」)の上に上記水系懸濁液を96.6g注ぎ込み、吸引ろ過を行った。ろ過は1分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをイソブチル溶液の中に30分間漬けて後、イソブチルアルコールで置換されたウェットシートを取り出しシリンダー乾燥機を用いて130℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は30.0g/mであり、厚さは60μmであり、密度は0.50g/cmであった。
得られたシートをフェノール樹脂(群栄化学社製:商品名「PL4414」、熱硬化タイプ、固形分40%、メタノール溶液)に減圧下(0.08MPa)で12時間浸漬処理した後、シートを取り出し数時間風乾後、150℃、50MPaで10分間熱プレスして硬化し、フェノール樹脂複合化微細繊維状シートを得た。得られた樹脂複合化微細繊維状シートは複合化前に比し、透明性が大幅に向上し、手で曲がるほどの柔軟性を示した。
<実施例36>
微細繊維状セルロースCをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整した水系懸濁液100部に、セルロース凝結剤として炭酸水素アンモニウム(和光純薬)の水溶液(濃度10質量%)2.5部を攪拌しながら添加した。一方、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック、メンブレンフィルター)の上に上記水系懸濁液109gを注ぎ込み吸引ろ過し、微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は850mPa・秒、ろ過は3分で脱水が終了した。シートの坪量は31.0g/mであり、厚さは31μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<実施例37>
セルロース凝結剤として炭酸水素アンモニウム(和光純薬)の水溶液(濃度10質量%)5部を攪拌しながら添加したこと以外は、実施例36と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1000mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.5g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.02g/cmであった。
<実施例38>
セルロース凝結剤として炭酸水素アンモニウム(和光純薬)の水溶液(濃度10質量%)10部を攪拌しながら添加したこと以外は、実施例36と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1050mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.0g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<実施例39>
微細繊維状セルロースのスラリーCをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整した水系懸濁液100部に、セルロース凝結剤として微カチオン性樹脂(住友化学製、商標:SPI203、固形分50%、ポリアミンポリアミド樹脂)を10%に希釈した水溶液1部を攪拌しながら添加した。一方、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック、メンブレンフィルター)の上に上記水系懸濁液109gを注ぎ込み吸引ろ過し、微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は650mPa・秒、ろ過は3分で脱水が終了した。シートの坪量は30.9g/mであり、厚さは31μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<実施例40>
セルロース凝結剤として微カチオン性樹脂(住友化学製、商標:SPI203、固形分50%、ポリアミンポリアミド樹脂)を10%に希釈した水溶液2.5部を攪拌しながら添加したこと以外は実施例39と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は900mPa・秒、ろ過は2分で脱水が終了した。シートの坪量は30.6g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.02g/cmであった。
<実施例41>
セルロース凝結剤として微カチオン性樹脂(住友化学製、商標:SPI203、固形分50%、ポリアミンポリアミド樹脂)を10%に希釈した水溶液5部を攪拌しながら添加したこと以外は実施例39と同様にして微細繊維状セルロースシートを得た。得られた水系懸濁液のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1050mPa・秒、ろ過は1分で脱水が終了した。シートの坪量は30.1g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<比較例22>
微細繊維状セルロースのスラリーAをパルプ濃度が0.5質量%になるように調整した水系懸濁液95gを直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック社製「メンブレンフィルター」)の上に注ぎ込み吸引ろ過を行った。
得られた水系懸濁液(A)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は80mPa・秒であった。ろ過は8分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は30.2g/mであり、厚さは29μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<比較例23>
微細繊維状セルロースのスラリーBを用いたこと以外は比較例22と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
得られた水系懸濁液(B)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は150mPa・秒であった。ろ過は9分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は30.3g/mであり、厚さは30μmであり、密度は1.0g/cmであった。
<比較例24>
微細繊維状セルロースのスラリーCを用いたこと以外は比較例22と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
得られた水系懸濁液(C)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は220mPa・秒であった。ろ過は10分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は29.3g/mであり、厚さは25μmであり、密度は1.17g/cmであった。
<比較例25>
微細繊維状セルロースのスラリーDを用いたこと以外は比較例22と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。
得られた水系懸濁液(D)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は430mPa・秒であった。ろ過は11分で脱水が終了した。
得られた微細繊維のウェットシートをシリンダー乾燥機を用いて105℃で乾燥して微細繊維状セルロースのシートを得た。シートの坪量は29.5g/mであり、厚さは19μmであり、密度は1.55g/cmでであった。
[評価方法]濾水時間が8分以上であると連続抄紙が困難と判断した。
1.濾水時間 微細繊維状セルロースの水系懸濁液をブフナロートの上に注ぎ終わった瞬間をスタートとした。注ぎ込む時間は5秒で統一した。注ぎ込んでから減圧状態にして、目視で判断して終了として濾水時間を測定した。
2.シートの引張破断強度
得られたシートを15mm幅に切断し、スパン100mm、引張り速度10mm/分でテンシロンを用いて引張破断強度を測定した。
Figure 0005664245
表3から明らかなように本発明による微細繊維状セルロースシートの製造方法によれば濾水時間が短縮され、しかもシートの破断強度の強いものが得られる。
<実施例42>
調製例1の微細繊維状セルロースのスラリーA100部に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)(東邦化学社製、商品名:ハイソルブMDM、分子量134、沸点162℃、表面張力28N/m)50部を添加しながら攪拌し、有機溶剤を含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。前記分散液100部に、セルロース凝結剤として硫酸アルミニウム(化学式:Al(SO、固形分:0.3質量%)1.67質量部を攪拌しながら添加した。得られた水系懸濁液(A)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は530mPa・秒であった。得られた水系懸濁液(A)150gを、直径142mmのブフナーロートにひいた孔径0.45μmのセルロースアセテートメンブレンフィルター(アドバンテック社製「メンブレンフィルター」)の上に、注ぎ込み、吸引ろ過を行った。ろ過は1分で脱水が終了した。得られた微細繊維のウェットシートを80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、湿った状態であった。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)坪量30g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。得られたシートは多孔性であり不透明であった。厚さは58μmであった。
<実施例43>
微細繊維状セルロースのスラリーCを用いたこと以外は実施例42と同様にして微細繊維状セルロースのシートを得た。ここで、得られた水系懸濁液(C)のB型粘度(25℃、60rpm、ロータNo.4)は1100mPa・秒であった。ろ過は2分で脱水が終了した。得られた微細繊維のウェットシートを80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、湿った状態であった。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)坪量30g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。
<実施例44>
調製例1の微細繊維状セルロースのスラリーA100部に、調製例5のエマルションAを0.83部、セルロース凝結剤として炭酸水素アンモニウム(和光純薬)の水溶液(濃度10質量%)2.5部添加して攪拌し、有機溶剤のエマルションを含む微細繊維状セルロース水系分散液を得た。前記分散液を500メッシュのポリエステルメッシュ上で減圧しながらウェットシートを作成した。ウェットシートを500メッシュのポリエステルメッシュとともに80℃で3分間乾燥し、第一乾燥後のシートを得た。得られた第一乾燥後のシートは半透明であり、湿った状態であった。第一乾燥後のシートを130℃で3分間乾燥して(第二乾燥工程)シートをポリエステルメッシュから剥がし、35g/mの微細繊維状セルロースシートを得た。
Figure 0005664245
表4から明らかなように、本発明の微細繊維状セルロースシートの製造方法により得たシートは、透気度が低く、多孔性のシートであり、樹脂を含浸することにより透明性に優れた樹脂複合体が得られる。
本発明の製造方法によれば、微細繊維状セルロースの多孔性シートを簡便に、効率よく製造することができるものである。また、得られた微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸することによりフレキシブル透明基板等に有用な複合基材を得ることができる。

Claims (12)

  1. 微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースを水および水と相溶性のある有機溶媒からなる混合溶媒に分散させる分散工程、前記分散工程で得られた分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備え、分散工程で用いる有機溶媒が沸点120〜260℃、表面張力20〜45N/m、分子量100〜200であり、かつ水溶性であることを特徴とする微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  2. 前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:10〜100:500であることを特徴とする請求項1に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  3. 前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:10〜100:200であることを特徴とする請求項2に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  4. 前記混合溶媒中の水と有機溶媒の混合割合が100:50〜100:200であることを特徴とする請求項3に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  5. 微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースと有機溶媒を含むエマルションを水に分散させる分散工程、前記分散工程で得られた微細繊維状セルロースの水系分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備え、
    前記乾燥工程は、第一乾燥工程において水を蒸発させ、次いで第二乾燥工程において有機溶媒を蒸発させる二段階の乾燥工程を備えることを特徴とする微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  6. 前記微細繊維状セルロースシートの製造方法において、微細繊維状セルロースの水分散液と有機溶媒、水、界面活性剤からなるエマルションを混合させる混合工程、前記微細繊維状セルロースの水分散液を多孔性の基材上でろ過により脱水し、水分を含んだシートを形成する抄紙工程、前記水分を含んだシートを加熱乾燥する乾燥工程を備えることを特徴とする請求項5に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  7. 前記エマルションに含まれる有機溶媒が沸点120〜260℃であることを特徴とする請求項5または6に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  8. 前記エマルションに含まれる有機溶媒が親水性の官能基を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  9. 前記有機溶媒が、グライム類であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  10. 前記有機溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  11. 前記微細繊維状セルロースの繊維幅が2〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
  12. 微細繊維状セルロースの分散液中の濃度が0.1〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースシートの製造方法。
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