JP5213266B2 - 偏光板用保護フィルム、その製造方法および偏光板 - Google Patents

偏光板用保護フィルム、その製造方法および偏光板 Download PDF

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Description

本発明は導電性高分子を表面に付着させた高分子フィルムに関し、詳しくは、その導電性高分子が、ポリチオフェンもしくはその誘導体であり、高分子フィルムがアセチルセルロース系もしくはノルボルネン系材料からなり、導電性高分子層の厚みが3μm以下、可視光線の透過率が78%以上、かつ表面固有抵抗値が10〜1012Ω/口である高分子フィルムに関するものであり、液晶ディスプレー(LCD)等のディスプレーに使用される静電防止や電磁波遮断機能を有する高透明性の導電処理された高分子フィルムに関するものであり、特に偏光板の保護フィルムに有益に使用される。
偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを延伸し、これにヨウ素や染料などを付着固定させた偏光フィルムの両面に、トリアセチルセルロース(TAC)からなるフィルムをPVAの両面に接着し、PVAの強度面の補強や吸水による特性変化を防ぐ構造となっている。TACは、透明性に優れ、かつ複屈折が小さく、PVAへの接着が容易であるために、このような偏光フィルムの保護フィルムとして用いられていた。近年、液晶ディスプレーの大型化に伴い、TACフィルムにおいても吸水性による寸法変化の大きさが問題となる場合があり、そのために透明性に優れ、複屈折が小さい上に、吸水率も小さなノルボルネン系材料からなるフィルムがTAC代替材料として検討されている。
一方、LCDを初めとして、CRTやEL、PDP等のディスプレーでは、そのものから発生する電磁波が人体に悪影響を及ぼすために、この電磁波を遮断する必要があった。また、ディスプレーの内部や外部にこの様な電磁波遮断の機能を有するフィルムを設置する場合には、透明性に優れ、複屈折が小さく、高強度で高耐熱性、低吸水性である必要があり、この様な特性を満足した上に、電磁波遮断機能を有するフィルムが見出される必要があった。
電磁波を遮断するためには、導電性を付与されたものをディスプレーの前面に配置すればよいが、一般的に、高透明の導電性材料としては、ITO等をスパッタリングや蒸着等の方法で高分子フィルムに付着させたものが用いられるが、これらの方法ではそのものの生産性が悪く、材料そのものも高価であるために、導電性を付与したフィルムが非常に高価になってしまう問題があった。また、ITOは黄色に着色する傾向があり、LCDのカラー化に伴い、この着色も問題となっている。
また、LCD、EL、PDP等のディスプレーに配置される場合には、静電気によるごみの付着も大きな問題であり、静電防止機能を有することも望まれていた。
導電性を有する高分子材料としては、ポリアニリン系の誘導体、ポリピロール系の誘導体及びポリチオフェン系の誘導体がよく知られているが、高抵抗値を得ようとすると、ポリアニリンは緑色に着色し、ポリピロールはグレーに着色する問題があった。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題を解消し、LCD等のディスプレーに配置されても、問題のない透明性を有し、静電防止や電磁波遮断機能を有する導電性の偏光板用保護フィルムでかつ安価な偏光板用保護フィルムを提供することである。
すなわち、本発明の偏光板用保護フィルムは、導電性高分子を表面に付着させた高分子フィルムにおいて、可視光透過率が78%以上、表面固有抵抗値が、10〜1012Ω/口である導電性の高分子フィルムであり、導電性高分子としてポリチオフェン系材料を用い、この導電性高分子層の厚みを3μm以下に制御し、高分子フィルム材料として、アセチルセルロース系材料もしくはノルボルネン系材料を用いることで容易に達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる導電性高分子は、チオフェン及び/又はチオフェン誘導体を重合して得られる単独重合体又は共重合体である。この導電性高分子は、重合単位として下記式(I)、式(II)、式(III)及び/又は式(IV)で示される単位を主成分とする単独重合体又は共重合体であり、この他の重合単位を共重合成分として少量含む共重合体であってもよい。
上記式(I)及び式(II)で、R,Rはそれぞれ水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基、水酸基、末端に水酸基を有する基、アルコキシ基、末端にアルコキシ基を有する基、カルボキシ基、カルボキシル塩基、末端にカルボキシル基を有する基、末端にカルボキシル塩基を有する基、エステル基、末端にエステル基を有する基、スルホン酸基、末端にスルホン酸基を有する基、スルホニル基、末端にスルホニル基を有する基、スルフィニル基、末端にスルフィニル基を有する基、アシル基、末端にアシル基を有する基、アミノ基、末端にアミノ基を有する基、アミノ基の水素原子の一部又は全部が置換された基、アミノ基の水素原子の一部または全部が置換された基を末端に有する基、末端にカルバモイル基を有する基、カルバモイル基の水素原子の一部又は全部が置換された基、カルバモイル基の水素原子の一部又は全部が置換された基を末端に有する基、ハロゲン基、リン酸塩基、末端にリン酸塩基を有する基、オキシラン基または末端にオキシラン基を有する基である。
また、上記式(II)及び式(IV)でY−は陰イオンを有する元素又は化合物であり、ハロゲンイオン、スルホン酸イオン、カルボン酸イオン等が例示され、これらの陰イオンを有する重合体を示す。
このようなチオフェン類の導電性高分子には、導電性を更に高めるためにドーピング剤を、例えば導電性高分子100重量部に対し、0.1〜500重量部添加することができる。このドーピング剤としては、LiCl、RCOOLi(R:炭素数1〜30の飽和炭化水素基)、RSOLi、RCOONa、RSONa、RCOOK、RSOK、テトラエチルアンモニウム、I、BFNa、BFNa、HClO、CFSOH、FeCl、テトラシアノキノリン、Na10Cl10、フタロシアニン、ポルフィリン、グルタミン酸、アルキルスルフォン酸塩、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ塩共重合体、ポリスチレンスルフォン酸アニオン、スチレンスルフォン酸とスチレンスルフォン酸アニオン共重合体等を挙げることができ、これらを2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、高分子フィルムと導電性高分子との接着性をより良好なものとするために、バインダー樹脂を配合することができる。このバインダー樹脂は、高分子フィルムの種類に対し、接着性が優れたものを適宜選定すれば良く、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ポリビニルアルコールやポリエチレンビニルアセテート、有機シリケート等から選定することができる。もちろん、2種類以上のバインダーを混合して用いることもできる。
本発明における導電高分子層は、チオフェン及び/又はチオフェン誘導体を重合して得られる導電性高分子を含む水性塗液を高分子フィルム上に塗布し、乾燥、硬化してつくられる表面固有抵抗率が10〜1012Ω/口の塗膜である。特に好ましくは、10〜10Ω/口である。この表面抵抗率が10Ω/口未満であると、塗膜層を厚くする必要が生じたり、後述するバインダー量が不足するために塗膜がもろくなり、1012Ω/口を超えると静電防止効果や電磁波遮蔽効果が不足する。
塗布法による形成される導電高分子層は、導電性高分子を1〜95重量%好ましくは2〜70重量%と前記のバインダー樹脂を5〜99重量%好ましくは30〜98重量%との組成物を含む水性塗液を高分子フィルムに塗布し、乾燥、硬化してつくられたものであることが好ましい。
導電性高分子とバインダー樹脂の割合が上記の範囲であると、高分子フィルムと導電性高分子との接着性が良好となり、静電防止効果が優れ、接着性や耐削れ性が良好となるために好ましい。
導電性高分子とバインダー樹脂との組成物は、通常用いられる混合方法で得ることができるが、微粒子状のバインダー樹脂の表面に導電性高分子を被覆する方法や導電性高分子にある官能基とバインダー樹脂にある官能基とを化学的に結合させる方法なども応用できる。
導電高分子層の成分としては、接着性、耐溶剤性、耐水性等を調整する目的でエポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリエーテル樹脂、水溶性の樹脂等を任意に配合できる。また、この他に塗膜の滑り性や耐ブロッキング性をよくするために、平均粒径が0.01〜20μm程度の無機や有機の微粒子を、滑剤として0.001〜5重量%の割合で含有させることができる。
かかる微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、カオリン、炭酸カルシウム等の無機微粒子、ポリスチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、フッソ樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子等を例示することができる。この有機微粒子は塗膜内で微粒子の状態をある程度保持できる樹脂であれば熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であっても良い。また、導電性を高めるために、導電性フィラー、例えば、酸化錫系微粒子、酸化インジューム系微粒子などを混合することもできる。
前記微粒子以外にも界面活性剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋材、有機滑り剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明において、前記組成物を含む水性塗液を用いて、導電高分子層を形成するが、水性塗液の固形分濃度は、0.1%〜30重量%が通常用いられ、1〜20重量%が好ましい。固形分濃度が、このような範囲にあると、水性塗液の粘度が塗布に適したものとなる。水性塗液は、水溶液、水分散液、乳化液等任意の形態で用いることができ、水性塗液の中に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などの水に可溶の溶剤を添加することで、溶剤の蒸発速度を高めることもできる。特にアルコール類は水との混和性が高い点と平滑性を良くする点で好ましく使用される。また、この他の溶剤が不都合にならない範囲で少量含まれていてもよい。
本発明において、導電高分子層は、上記塗液を透明の高分子フィルムに塗布することで形成される。導電性高分子層が塗布された高分子フィルムは、光学フィルムとして使用されるために、特に偏光板の保護フィルムとして使用されるので、用いられる高分子フィルムにおいては、可視光線の透過率と複屈折が重要な特性として挙げられる。可視光線の透過率は、高ければ高い程よく、78%以上、好ましくは82%以上、特に好ましくは85%以上である。複屈折は小さければ小さいほど良く、100nm以下、好ましくは50nm以下が好ましく、これらの特性を同時に持ち合わせた高分子フィルムが好適に用いられる。
かかる高分子フィルムとしては、可視光線の透過率や複屈折、及び黄色の着色性等の特性からアセチルセルロース系フィルムとノルボルネン系フィルムが、使用される。
アセチルセルロース系フィルムとしては、セルロース繊維を原料とした三酢酸セルロースフィルム(TACフィルム)や二酢酸セルロースフィルムやこれらの変性フィルム等が挙げられる。このフィルムは通常、セルロース繊維を塩化メチレン等の適当な溶媒に溶解した溶液を、例えば、ステンレスベルトや適当な高分子フィルム上に塗布した後、溶媒を除去乾燥して得られる。
本発明に好適に用いられるノルボルネン系フィルムとしては、ノルボルネン構造を有する重合性モノマー1種もしくは複数のモノマーから得られた重合体であれば特に限定されるものではない。例えば、ノルボルネン構造を含有するモノマー類を、開環重合し、その後水素化触媒により残存した2重結合の一部もしくは全部を水素添加する方法で重合体を得ることができる。具体的に例示すると、特開昭63−218726、特開平5−25220、特開平9−183832等に示される方法で製造される商品名として日本ゼオン株式会社のゼオネックスやゼオノア、特開平5−97978や特開平1−240517等で例示される方法で製造されるJSR株式会社のアートン等が含まれる。
また、ノルボルネン構造を有するモノマーと他の2重結合を有するモノマー数種を組合わせたモノマー群を公知の方法で付加重合させた重合体もあり、例えば特開平6−107735、特開昭62−252406や特開平8−259629等で示される方法で製造される三井化学株式会社の商品名アペルやヘキスト社が商品化したトパス等が含まれる。
このようにして得られた重合体からフィルムを製造する方法は、公知の方法が適用できる。例えば、重合体をよく溶解することができる溶媒、具体的には塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒や芳香族や脂環族の有機溶媒に重合体を溶解し、ステンレス等の金属製ベルトやポリエステル等の高分子フィルム上に重合体溶液を塗布し、溶剤を除去乾燥して得るいわゆるキャスティング法で製造することができる。また、重合体を熱で溶融し、金属製のベルト上に吐出後冷却して得るいわゆる押し出し法でも製造できる。
また、アセチルセルロース系フィルムやノルボルネン系フィルムを製造する際に、必要に応じてこれらの重合体の中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、各種顔料や染料、繊維類、分散剤等の各種添加剤を添加してフィルムを製造することができる。偏光板の保護フィルムとして使用する場合には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤をむしろ含有させたフィルムが好適に使用される。
このようにして得られたフィルムは、表面に種々の目的でコートされる場合がある。例えば、表面の傷つきを防止するために、アクリル系、ウレタン系、ウレタンアクリル系のUV硬化性や熱硬化性のハードコート剤、エポキシ系のハードコート剤、シリコン系のハードコート剤等が塗布されたものを用いることもできる。また、このハードコート剤の中に、SiOやアルミナ等の微粒子を含有させて塗布し、光沢を低減させたいわゆるアンチグレアードハードコートされたものも用いることができる。かかる本発明の偏光板用保護フィルムは、上記ハードコートやアンチグレアードハードコート剤を塗布したものがより好適に使用される。
上記高分子フィルムへの塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗布方法が適用できる。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含侵法及びカーテンコート法などを単独または組合わせて適用することができる。
本発明において、導電高分子層の厚みは、0.005〜3μm、好ましくは0.01〜1μm、更に好ましくは0.02〜0.5μmである。厚みが薄すぎると十分な静電防止効果が得られないことがあり、厚すぎると塗膜にひび割れが生じたり耐ブロッキング性が低下することがある。導電高分子層は、高分子フィルムの両面に塗布しても、片面に塗布しても良いのは言うまでも無いことである。
このようにして導電高分子層を形成された高分子フィルム上に、既に記述したハードコート剤、アンチグレアードハードコートを行うこともできる。また、公知の種々のコート、例えば、反射防止コートや汚れ防止コート、粘着剤層のコート等目的に応じたコートを行うこともできる。また、導電高分子層を片面に形成した場合には、反対側の面に、目的に応じてハードコート、アンチグレアードハードコート、反射防止コート、汚れ防止コート、粘着剤層のコート等を行うことができる。また、これらのコートを目的に応じて種々組合わせることも可能である。
偏光板は、通常、LCDの液晶の前後に2枚が配置されるが、本発明のフィルムは、2枚の偏光板の4枚すべての保護フィルムとして用いることもできるが、目的に応じて3枚にすることもでき、更に2枚や1枚に使用することもできる。複数使用する場合には、それぞれの抵抗値は同じである必要はなく、かつ高分子フィルムの種類も適宜目的に応じて選定できる。電磁波遮断機能の観点からみると、最外層の保護フィルムに使用するのが、効果やコストの観点で好ましい。
以下、実施例で本発明を更に説明する。
ジオキシエチレンポリチオフェン(BAYER社のBaytronPH)16重量部にポリスチレンスルフォン酸イオンとポリスチレンスルフォン酸を1:1のモル比で共重合したものを30重量部ドーピングした導電性高分子20gとバインダーとしてアクリル樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルアルコールを1:1:1の重量比で混合したもの100g、ならびにノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを5gをイソプロピルアルコールを20重量%含有する水1kgに溶解させた水性コート液1を得た。これを、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)にグラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥した。導電高分子層の厚みは、0.11μmであった。このフィルムの特性を表1に示した。後述の導電性高分子を塗布していないだけの違いを示した比較例1と比較して、表面固有抵抗値は1014Ω/口以上の抵抗値が、塗布によって8x10Ω/口にまで低下し導電率が高まっているにも拘わらず、全光線透過率と複屈折はほとんど悪化せず、黄色度は、逆に小さくなっていることが判る。LCDの内部に配置されても、特に偏光板の保護フィルムとして使用されても、光学特性的に悪影響することなく、むしろ色度的には黄色度は改善され、電磁波遮断機能や静電防止機能を付加することができることを示している。
比較例1
実施例1において、導電性高分子の塗布を行っていないTACフィルムの特性値を測定し、表1に示した。
実施例1に用いた水性コート液1を用い、これを80μm厚のTACフィルムにあらかじめ紫外線硬化型のアクリル系ハードコート剤に微小シリカを分散させたものを塗布後硬化させることによりヘイズ値が27.1%に、60度角度の光沢が34.3%になるようにアンチグレアード処理されたフィルムを用いて、その表面に実施例1と同様に導電性高分子を塗布した。導電性高分子層の厚みは、0.12μmであった。このフィルムの特性を表2に示した。後述の比較例2は、導電性高分子の塗布を行っていない場合の特性値を示しており、これに比べ、抵抗値は1014Ω/口以上から7x10Ω/口まで低下し導電性が高まっているにも拘わらず、全光線透過率及び複屈折はほとんど変化は認められず、一方黄色度はむしろ改善されていることがわかる。また、アンチグレアード処理層上に塗布しても、ヘイズ値及び光沢度はほとんど変化していないこともわかる。この結果から、本発明の導電性高分子が塗布されたアンチグレアード処理されたTACフィルムがLCDの内部に配置されても、アンチグレアード処理効果は維持でき、光学特性的には何ら悪影響を与えることなく、電磁波遮断かつ静電防止機能を付与でき、また、黄色度は逆に改善されることがわかる。
比較例2
実施例2において、導電性高分子の塗布のみを行っていないアンチグレアード処理されたTACフィルムの特性値を表2に示した。
実施例1において、導電性高分子を10gとした以外は、まったく同様にして塗布フィルムを得た。導電性高分子層の厚みは、0.12μmであった。このフィルムの特性を表1に示した。
導電性高分子層の厚みを1.2μmにした以外は、実施例1とまったく同様にして塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示した。
JSR株式会社のノルボルネン材料からなる厚さ100μmのフィルム(商品名アートン)に、実施例1と同様の水性コート液1を塗布した。導電性高分子層の厚みは、0.10μmであった。このフィルムの特性を表1に示した。
比較例3
実施例5において、水性コート液の塗布していないフィルムの特性値を表1に示した。
実施例2と同様にして、フィルムがアンチグレアード処理されている100μm厚のアートンフィルムを用いた以外は、実施例5とまったく同様にして、塗布した。導電性高分子層の厚みは、0.11μmであった。このフィルムの特性を表2に示した。
比較例4
実施例6において、導電性高分子を塗布していないフィルムの特性値を表2に示した。
フィルムが日本ゼオン株式会社のノルボルネン材料からなる厚さ100μm厚のフィルム(商品名ゼオノア)で実施例6と同様にアンチグレアード処理されているものを用いた以外は実施例6とまったく同様に塗布フィルムを得た。導電性高分子層の厚みは、0.12μmであり、このフィルムの特性を表2に示した。
比較例5
実施例7において、導電高分子を塗布していないフィルムの特性値を表2に示した。

Claims (9)

  1. 高分子フィルムの表面に導電性高分子を付着させた導電性高分子層を有する導電処理された高分子フィルムであって、
    導電性高分子がポリチオフェンもしくはその誘導体であり、
    高分子フィルムがアセチルセルロース系フィルムまたはノルボルネン系フィルムであり、
    導電性高分子層は、導電性高分子を1〜95重量%と、バインダー樹脂としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルアルコールを1:1:1の重量比で混合したものを5〜99重量%含み、
    導電性高分子層の厚みが3μm以下、可視光線の透過率が78%以上、かつ表面固有抵抗値が、10〜1012Ω/口である導電処理された高分子フィルムを有することを特徴とする偏光板用保護フィルム。
  2. 導電性高分子層は、導電性高分子である、ポリチオフェンもしくはその誘導体100重量部に対し、さらにドーピング剤を、0.1〜500重量部添加したものであることを特徴とする請求項1記載の偏光板用保護フィルム。
  3. 導電処理された高分子フィルムは、ハードコートまたはアンチグレアハードコートされていることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板用保護フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法であって、
    アセチルセルロース系フィルムまたはノルボルネン系フィルムの表面に、
    ポリチオフェンもしくはその誘導体からなる導電性高分子1〜95重量%と、バインダー樹脂としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルアルコールを1:1:1の重量比で混合したものを5〜99重量%含む水性塗液により、導電性高分子層を形成する工程を有することを特徴とする偏光板用保護フィルムの製造方法。
  5. 水性塗液は、導電性高分子として、ポリチオフェンもしくはその誘導体100重量部に対し、さらにドーピング剤を0.1〜500重量部添加したものであることを特徴とする請求項4記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  6. 水性塗液は、固形分濃度が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項4または5記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  7. 水性塗液は、水に可溶の溶剤を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  8. 導電性高分子層を形成することにより、
    アセチルセルロース系フィルムまたはノルボルネン系フィルムの黄色度よりも、
    導電処理された高分子フィルムの黄色度を小さくすることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板用保護フィルムが、偏光フィルムの少なくとも一方の保護フィルムとして使用された偏光板。
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