JP5213257B2 - 色変換フィルタ基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、色変換フィルタ基板の製造方法に関し、特に、高精度なパターンを低コストで得ることができる色変換フィルタ基板の製造方法に関する。
有機EL素子を用いて多色発光を実現する方法の一つとして色変換法がある。色変換法は有機EL素子の発光を吸収し、吸収波長と異なる波長分布の発光を行う色変換層を有機EL素子の前面に配設して多色を表現する方法である。この色変換層としては高分子樹脂に蛍光色素を分散させた材料を用いたものが知られている(特許文献1)。この色変換法は有機EL素子が単色でよく、その分、製造が簡単になるので、大画面のディスプレイへの展開が積極的に検討されている。また、この色変換層はカラーフィルタ層と組み合わせることによって良好な色再現性を有する多色発光が得られる等の特徴を有している。カラーフィルタ層は色変換層で変換された光の色補正のためのものであり、一般的には、青色、緑色、および赤色の三原色で構成されるものである。
有機ELディスプレイは、有機EL素子を搭載する有機EL素子基板と、前記色変換層およびカラーフィルタ層を組み合わせてなる色変換フィルタ基板とを、貼り合せてなる構造を有する。しかし、公知の材料からなる色変換層で十分な色変換効率を得るためにはその膜厚を10μm程度まで厚くする必要がある。ところが、このように色変換層の膜厚を厚くすると、表面に凹凸が発生し易くなる。その凹凸表面を有する色変換層上に有機EL素子を適正に形成するためには色変換層の表面凹凸を平滑にする技術や、色変換層から生じる水分を遮断する技術等、特殊な技術を要するので、有機ELディスプレイパネルのコストアップにつながる。
このような問題点を解決する方策として、水分発生を防ぐ目的で、ドライプロセスにより色変換層を有機EL素子の電極間に形成するとよいことが既に知られている(特許文献2)。最適な色変換材料を選択できれば、これらの特許文献1、2に開示された積層構造によれば、水分発生の問題が無く高い色変換効率であって、かつ薄膜(1μm以下)の色変換素子が実現できる。
前述の解決策を更に発展させた方法として、構成材料をインク化し、インクジェット法で色変換層をパターニングする方法が提案されている。このインクジェット法により精密パターニングを行う際の問題点は、微量液滴を精密塗出させる必要性があることから、増粘原因となるインク固形分比をあまり上げられないことである。その結果、必要膜厚に対して液滴の体積は必然的に大きなものとなるため、その際、問題となるパターン精度の問題を解決する方法として、基板側に液滴の広がりを抑制するバンク層を形成してパターン精度を維持する方法が提案されている。また、前記バンク層の形成により新たに発生する問題点として、インクのバンク層への濡れ性が良好な場合にインクがバンク層を超えて溢れ易くなることがある。このようなバンク層に対するインクの濡れ性を制御する方法としては、プラズマ処理等によりバンク層の表面を撥インク性にする処理を行う方法が知られている(特許文献3)。
特開2003−64135号公報 特開平2−216790号公報 特開2003−229260号公報
特に、前記特許文献3に記載のインクジェット法による色変換層のパターン形成は、フォトリソグラフィ法を利用したパターン形成に比べて、インクの利用効率が非常に高く、色変換層の材料コスト、製造コストを抑えられる点が優れている。しかしながら、インクジェット法では、前述のように、インクに対するバンク層表面の濡れ性を制御する必要があるため、バンク層形成後に濡れ性を制御する膜を新たに形成し、さらにプラズマ処理して撥インク性を付与する等の追加工程が必要になるので、その分、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、バンク層形成後の濡れ性を制御するために要する追加工程を簡略にし、低コストで色変換層が形成ができる色変換フィルタ基板の製造方法を提供することにある。
本発明は、透明支持基板上に面状に拡がり、それぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種類のカラーフィルタ層と、異なる前記カラーフィルタ層の境界上に、前記カラーフィルタ層表面を底面とする受容領域を挟むバンク層とを形成し、該受容領域に色変換材料を含むインクを塗布した後、乾燥させて前記色変換層とする色変換フィルタ基板の製造方法において、前記インクの塗布前に、前記バンク層と前記カラーフィルタ層表面とに撥インク性の無機化合物膜を被着させる色変換フィルタ基板の製造方法とすることにより、前記発明の目的が達成できる。
さらに前記無機化合物膜が窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜のいずれかを少なくとも含む膜とすることが好ましい。また、前記バンク層の形状がストライプ状平面パターンと逆テーパ断面形状を有することも好ましい。また、前記無機化合物膜の被着方法をCVD法もしくはスパッタ法とすることも好ましい。さらに、前記色変換材料を含むインクの塗布方法をインクジェット法とすることも望ましい。さらにまた、前記無機化合物膜の膜厚を500nm以下とすることも望ましい。
本発明によれば、バンク層形成後の濡れ性を制御するために要する追加工程を簡略にし、低コストで色変換層のパターニングが行える色変換フィルタ基板の製造方法を提供することができる。
本発明にかかる色変換フィルタ基板の断面概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、本発明は、この実施形態に限られるものではない。
以下、本発明の色変換フィルタ基板の製造方法について、図1に示す本発明の色変換フィルタ基板の概略断面図を参照して詳細に説明する。図1に示すように、支持体でもある透明基板10上に、有機層としてブラックマトリクス層(遮光層)40およびカラーフィルタ層30(R,G,B)を所要のサブピクセルパターンで配設する。ここで、本発明の色変換フィルタ基板で用いる透明基板10は、光透過性に富み、かつ、ブラックマトリクス層(遮光層)40、カラーフィルタ層30(R,G,B)、および後述する色変換層20および図示しない有機EL素子(電極、有機発光層等)の形成に必要なプロセス条件(溶媒、温度等)に耐えるものを用いることが望ましい。さらに寸法安定性に優れていることも好ましい。また、多色発光ディスプレイの性能低下を引き起こさないものであれば良く、例としては、透明無機ガラス、各種透明プラスチック、各種透明樹脂フィルム等が挙げられる。
各カラーフィルタ層のサブピクセル間の境界に設けられる、可視域を透過しない前記ブラックマトリクス層(遮光層)40はコントラストの向上を図るためのものである。ブラックマトリクス層(遮光層)40は、よく知られた通常の液晶用のフラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成することができる。また、本発明の色変換フィルタ基板で用いるカラーフィルタ層30(R,G,B)は、前記透明基板10上に作成される。また、このカラーフィルタ層30(R,G,B)は液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられる材料を利用して形成することもできる。このようなカラーフィルタ層30(R,G,B)として近年はフォトレジストに顔料を分散させた、顔料分散型のフィルタ層材料がよく用いられる。前記フラットパネルディスプレイ用のカラーフィルタ層は、400nm〜550nmの波長を透過する青色カラーフィルタ層、500nm〜600nmの波長を透過する緑色カラーフィルタ層、600nm以上の波長を透過する赤色カラーフィルタ層のそれぞれを配列したものが一般的である。
続いて、バンク層5を形成する。バンク層5はカラーフィルタ層30(R,G,B)を劣化させることのない材料およびプロセスを選択して形成する必要がある。そのようなバンク層5の被着方法としては塗布法を用いることができ、特に、フォトプロセスを用いてパターン形成することが好ましい。
バンク層5に適用可能な材料としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種、イオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させて層としたものが一般的である。また、フォトプロセスによりパターニングを行うので、硬化させる前の前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが好ましい。
そのような光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂として、具体的には、
(1)アクロイル基、メタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーまたはオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を、光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、
(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を、光または熱処理により二量化させて架橋したもの、
(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を、光または熱処理によりナイトレンを発生させて、オレフィンと架橋させたもの、ならびに
(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜とを、光または熱処理により酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。
特に上記(1)の光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、フォトプロセスによるパターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
その他の、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂あるいは、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート等と3官能性もしくは4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等が適用可能である。
バンク層5の側面形状(または断面形状)としては、ストレート型、順テーパ断面形状、逆テーパ断面形状等が適用できるが、インクの、バンク層5の表面に対する漏れにくさを求めると、ストレート型、順テーパ断面形状よりも、逆テーパ断面形状のバンク層5が好ましい。逆テーパ断面形状とは図1のバンク層5の断面で示すように、下部より上部の層幅が広い形状をいう。この逆が順テーパ断面形状、下部から上部にかけての幅が同じ形状をストレート型という。また、バンク層5の表面に被着される、後述の撥インク調整層の機能をより発現するためには逆テーパ断面形状の方がより好ましい。逆テーパ断面形状などのバンク層5の側面形状は露光を調節することによりその形を制御することができる。バンク層5の膜厚は、後述する色変換材料をインクジェット法で塗布して色変換層を形成する際に、バンク層5の膜厚が色変換層の膜厚より薄いとインク液滴がバンク層5で挟まれる画素領域の外にあふれてしまうため好ましくは3μm以上が良い。
バンク層5の形成前に、カラーフィルタ層30(R,G,B)を保護する目的で、前記平坦化層を形成してもよい。平坦化層は、カラーフィルタ層30とブラックマトリクス層(遮光層)40とを積層する際に生じる段差が、これらの層30、40より上方に形成される各層の寸法精度に悪影響を与えないように、段差を解消して平坦にするために形成される層である。このため、平坦化層は、光透過性に富み、かつ、カラーフィルタ層30(R,G,B)を劣化させることのない材料およびプロセスを選択して形成する必要がある。平坦化層の形成材料は前述のバンク層5で用いた材料を適用することができる。平坦化層の膜厚は、前述の段差を平坦にすることを考慮し、2μm以上が好ましい。
続いて、本発明の特徴とする撥インク調整層8を形成する。形成材料は無機化合物を適用できる。たとえば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx、MoO3、V25、WO3等の無機酸化物、無機窒化物等で形成される膜を使用することができる。撥インク調整層8の形成方法としては、スパッタ法、CVD法等により形成でき、前述の従来の撥インク性を付与するための工程のように、プラズマ処理を施す必要がなく、その分、簡単な工程とすることができる。さらに、スパッタ法、CVD法では粒子が逆テーパ断面形状であっても回りこみ、バンク層5の側面に撥インク調整層8を形成することができるので、好ましい。さらには、回り込み易いバンク層5の側面の上方では厚く、回り込み難いバンク層5の側面の下方では膜厚が薄くなるので、側面の下方より上方で撥インク性を高めることができるので、バンク層5で挟まれる画素内のインクがバンク層5の上端へ濡れ上がることを防止することができる。好ましくは、前述のスパッタ法、CVD方法で形成しやすいSiOx、SiNx、SiNxOyが良い。膜厚は、厚すぎるとプロセス時間がかかること、また、膜厚が厚いと、前述のバンク層5の側面上方と下方の撥インク性の違いを発現できなくなること、さらには、バンク層5により挟まれて形成される受容領域(画素領域)が狭くなることなどを防ぐために、好ましくは500nm以下の範囲が良い。膜厚の下限については撥インク性を発現できる厚さならば、特に制限はなく、島状、もしくは膜状に形成されていればよい。
特に本発明にかかる色変換フィルタ基板に搭載される色変換層20は、前記色変換フィルタ基板上に精密なパターンでインクを塗布できる湿式法、たとえばインクジェット法、ノズルコート法等にて作製されることが好ましい。前述のように、本発明にかかる色変換フィルタ基板では、前記バンク層5形成後、バンク層5の表面に無機化合物から成る撥インク調整層8を簡単なプロセスで被着させる工程を有するため、インクがバンク層5で挟まれた画素領域以外には広がらない。その結果、所定の色変換層パターンを精密に形成することができる点が優れている。
色変換層は光源からの光を吸収し、異なる波長分布の蛍光を発する機能を有する。このような機能を発現できる材料としては、Alq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)などのアルミキレート系色素、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素などがある。あるいはまた、ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素、ジエチルキナクリドン(DEQ)などのキナクリドン誘導第;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1、(I))、DCM−2(II)、およびDCJTB(III)などのシアニン色素;4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(IV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(V)なども好ましい。あるいはまた、ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素、またはピリジン1などのピリジン系色素のような低分子系の有機蛍光色素や、ジメチルフェニルで終端したポリ[(9、9−ジオクチル−2、7−ジビニレン−フルオレニル)−アルト−コ−{2−メトキシ−5−(2−エチル−へキロキシ)−1、4−フェニレン}]、ジメチルフェニルで終端したポリ[(9、9−ジオクチルフルオレニル−2、7−ジイル)−コ−1、4−ベンゾ−{2−1‘−3}−チアジアゾール]、 ジメチルフェニルで終端したポリ[(9、9−ジオクチルフルオレニル−2、7−ジイル)−コ−(1、4−フェニレンビニレン)]、などのフルオレンコポリマー色素等あるいはジメチルフェニルで終端したポリ[2−メトキシ−5−(3、7−ジメチル−オクチロキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]、籠状オリゴシルセスキオキサンで終端したポリ[2−メトキシ−5−(3、7−ジメチル−オクチロキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]、ジメチルフェニルで終端したポリ[2−5−ビス(3、7−ジメチル−オクチロキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]、ジメチルフェニルで終端したポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシル−オキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]、籠状オリゴシルセスキオキサンで終端したポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシル−オキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]などのフェニレンビニレンコポリマー色素等の高分子蛍光材料を使用できる。また、必要に応じてこれらの色素を複数混合して使用することもできる。青色から緑色、赤色への変換時など、波長シフト巾が広い際には有効な手段である。
インクを形成する際に使用される溶媒としては、前記色素を溶解すれば良く、トルエン等のベンゼン系の非極性溶媒、クロロホルム、アルコール、ケトン系などの極性溶媒を用いることができ、これらの溶媒を単体もしくは混合溶媒として使用してもよい。また、色変換層20の屈折率をカラーフィルタ層と同じにするために、熱硬化型樹脂組成物に前記色素を分散させても良い。
色変換層20の塗布環境については、特に制限はないが、水分・酸素の影響を排除の必要がある場合は不活性ガス中(たとえば、窒素やアルゴンガス中)で形成することが好ましい。インクの乾燥は、溶媒が蒸発する温度もしくは、熱硬化型樹脂組成物が硬化する温度で乾燥すればよく、水分・酸素の影響を排除の必要がある場合は前記不活性ガス中もしくは真空中で乾燥することが好ましい。本発明にかかる色変換フィルタ基板に搭載される色変換層20の膜厚は、2000nm(2μm)以下、好ましくは100〜2000nm、より好ましくは200〜1000nmとすることができる。
色変換層20が水や酸素の介在により劣化するような物質を使用する際には、色変換層20の形成後にバリア層4を形成して覆うことで安定な性能を持続させることができる。バリア層4の材料としては、前記色変換層20の形成に用いられる材料ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有し、可視域における透明性が高い材料(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)を使用することができる。たとえば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、無機窒化物等を使用することができる。バリア層4の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等の手法により形成できるが、色変換層20へのダメージを回避するためには100℃以下の低温で形成でき、かつ粒子が有するエネルギーが弱いCVD法が好ましい。
(実施例1)
「カラーフィルタ層30の形成」
200mm×200mm×0.7mm厚の1737ガラス(コーニング社製)上に、ブラックマトリクス層(遮光層)(CK−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、赤色カラーフィルタ層(CR−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、緑色カラーフィルタ層(CG−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、青色カラーフィルタ層(CB−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を用い、フォトリソグラフィ法にてカラーフィルタ層30を形成する。各層の膜厚はそれぞれ1μmとする。作製したブラックマトリクス層(遮光層)40の矩形状開口部のそれぞれ(サブピクセルに相当する)は、長さ方向131μm×幅方向37μmを有し、隣接する矩形状開口部間の間隔は長さ方向および幅方向のいずれも10μmである。カラーフィルタ層は長さ方向に延びる複数のストライプ形状部分になるように形成する。また、複数のストライプ形状部分のそれぞれは、47μmの幅を有し、84μmの間隔で配置する。
「バンク層5の形成」
ブラックマトリクス層(遮光層)40上に、新日鐵化学製ポリビニルアルコール(VPA100P5.0)を用いフォトリソグラフィ法(露光量140mJ/cm2)でブラックマトリクス層(遮光層)と同じストライプ状の平面パターンで同じ矩形状開口部を有する逆テーパ断面形状のバンク層5を形成する。膜厚は3μmとする。
「撥インク調整層8の被着」
バンク層5の形成後、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。プロセス条件は、モノシランの流量が100sccm、窒素の流量を2000sccm、アンモニアの流量を80sccmである。このとき、混合ガスの圧力は100Paである。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚100nmのSiN膜を形成した。
「緑色色変換層20Gの形成」
テトラリン1000重量部、ジメチルフェニルで終端したポリ[(9、9−ジオクチル−2、7−ジビニレン−フルオレニル)−アルト−コ−{2−メトキシ−5−(2−エチル−へキロキシ)−1、4−フェニレン}]50重量部のインクを調整する。インクジェット装置(UniJet製UJ200)を用い、バンク層5で挟まれた受容領域(画素領域)にマルチノズルにより1画素につき3滴(1滴:約14pl)滴下し、窒素雰囲気中で膜厚500nmの緑色色変換層20Gを作成する。インクの乾燥は、窒素雰囲気を破ることなく、温度100℃で行った。
「赤色色変換層20Rの形成」
テトラリン1000重量部、ジメチルフェニルで終端したポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシル−オキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]50重量部のインクを調整する。インクジェット装置(UniJet製UJ200)を用い、前述と同様にして、異なる画素領域にマルチノズルにより1画素につき3滴(1滴:約14pl)滴下し、窒素雰囲気中で膜厚500nmの緑色色変換層を作成する。インクの乾燥は、窒素雰囲気を破ることなく、温度100℃で行った。
「バリア層4の形成」
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)及び窒素(N2)を用いるプラズマCVD法を用いて、膜厚1μmの窒化シリコン(SiN)膜を堆積させバリア層4を形成する。ここで、SiN膜を堆積する際に基板温度は50℃とした。このようにして、本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
(実施例2)
「撥インク調整層8の材料の変更」
バンク層5の形成後、プラズマCVD装置に移動させ、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccm、亜酸化窒素を10sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとする。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚100nmのSiON膜を形成する。SiN膜をSiON膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
(実施例3)
「撥インク調整層8の材料の変更」
バンク層5の形成後、スパッタリング装置を用い、SiO2膜を100nm形成する。その際のプロセス条件は、単結晶シリコンをターゲットとし、スパッタガスとしてアルゴンと酸素の分圧比を1対1とするスパッタガスを用いてパワー2.5kW、ガス圧0.5Paでおこなった。SiN膜をSiO2膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
(実施例4)
「撥インク調整層8の膜厚の変更」
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとする。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚10nmの島状SiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚10nmの島状SiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
(実施例5)
「撥インク調整層8の膜厚の変更」
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとした。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚500nmのSiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚500nmのSiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
(比較例1)
「撥インク調整層8の省略」
撥インク調整層8を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
(比較例2)
「バンク層5のテーパ形状の変更」
ブラックマトリクス層(遮光層)40上に、新日鐵化学製VPA100P5.0を用いフォトリソグラフィ法(露光量300mJ/cm2)でブラックマトリクス層(遮光層)と同じストライプ状のパターンで順テーパ断面形状のバンク層5を形成した。膜厚は3μmとした。逆テーパ断面形状のバンク層5を順テーパ断面形状のバンク層に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
(比較例3)
「バンク層5の膜厚の変更」
プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとした。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚550nmのSiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚550nmのSiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
「実施例、比較例記載の色変換フィルタ基板の評価」
前述の実施例1〜5と比較例1〜3で各色変換フィルタ基板を作製する際に、各色変換フィルタ基板のそれぞれの100個のピクセル(バンク層で挟まれる画素領域)にインクジェットを用いて緑色変換インクを吐出させ、顕微鏡で観察を行い、色変換層がピクセル外に漏れていないかどうかを評価した。続いて、赤色変換インクを用いて同様の評価を行った。
Figure 0005213257
実施例1〜5では緑色変換インク、赤色変換インクとも、100個中バンク層を超えてピクセル外にインクが漏れたものの数は、最大で3個ですぎないが、比較例では100個中、13〜33個で中ピクセル外にインクが漏れたものがあるので、比較例に比べて本発明の色変換フィルタ基板の製造方法が優れていることが分かる。
以上説明した実施例に記載の色変換フィルタ基板の製造方法によれば、インクジェット法にて色変換層の不良を少なくすることができ、また、順テーパ断面形状のバンク層より逆テーパ断面形状のバンク層5の方がバンク層からのインク漏れ防止により大きな効果があることが分かる。また、バンク層に被着されるSiN膜、SiO2膜にはプラズマ処理を加えることなく、撥インク機能を付与することができるので、その分、製造コストが低減できる。また、SiN膜の膜厚も500nm以下であれば、バンク層からのインク漏れもなく、高精細度に色変換層のパターン形成が可能になる。
4 バリア層
5 バンク層
8 撥インク調整層
10 透明基板
20 色変換層
20R 赤色色変換層
20G 緑色色変換層
30 カラーフィルタ層
30R 赤色カラーフィルタ層
30G 緑色カラーフィルタ層
30B 青色カラーフィルタ層
40 ブラックマトリクス層(遮光層)。

Claims (5)

  1. 透明支持基板上に面状に拡がり、それぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種類のカラーフィルタ層と、異なる前記カラーフィルタ層の境界上に、前記カラーフィルタ層表面を底面とする受容領域を挟むバンク層とを形成し、該受容領域に色変換材料と非極性溶媒とを含むインクを塗布した後、乾燥させて前記色変換層とする色変換フィルタ基板の製造方法において、
    前記バンク層が逆テーパ断面形状を有し、
    前記インクの塗布前に、前記バンク層と前記カラーフィルタ層表面とに撥インク性の無機化合物膜を500nm以下の膜厚で被着させることを特徴とする色変換フィルタ基板の製造方法。
  2. 前記無機化合物膜が窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜のいずれかを少なくとも含む膜であることを特徴とする請求項1に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
  3. 前記バンク層の形状がストライプ状平面パターンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
  4. 前記無機化合物膜の被着方法がCVD法もしくはスパッタ法であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
  5. 前記色変換材料を含むインクの塗布方法がインクジェット法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
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