JP2008218344A - 色変換層のパターニング方法および有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

色変換層のパターニング方法および有機elディスプレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】150ppiを超える高精細度のパターン形成を実現することができる、色変換層のパターニング方法を提供すること、および、当該パターニング方法を用いた有機ELディスプレイの製造方法を提供すること。
【解決手段】ある波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層をパターニングするにあたり、(1)下地層上に凹凸層を形成する工程、(2)上記凹凸層上に蒸着法によって色変換層を形成する工程、(3)上記色変換層上にバリア層を形成する工程、および(4)上記凹凸層の表面と上記バリア層の表面とを平坦化する工程を含み、上記色変換層の上部に位置するバリア層の厚みを、1μmを超えるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、色変換層のパターニング方法に関し、特に、高精度なパターンを得ることができる色変換層のパターニング方法に関する。本発明は、このようなパターニング方法により得られた色変換層を含み、三原色のうちの少なくとも一色を発光する有機ELディスプレイの製造方法に関する。
有機ELディスプレイは、一般に、有機EL素子から発せられた光を色変換層およびカラーフィルタ層に順次通して、所望の波長を有する光を外部に放出するものである。ここで、色変換層は、有機EL素子(光源)から発せられた近紫外領域ないし可視領域の光を吸収して波長分布変換を行い、異なる波長の光を含む可視光を放射する機能を有する。また、カラーフィルタ層は、色変換層を通った可視光の色純度の向上を、特定波長の遮断によって行なう機能を有する。
近年、有機ELディスプレイにおいては、マルチカラー表示またはフルカラー表示が可能な、多色発光型ディスプレイの開発が行なわれている。特に、低電圧の印加によっても高い電流密度、ひいては高い発光輝度および発光効率を実現可能な、有機EL素子の特性を有効に利用し得る、高精細なカラー表示の有機ELディスプレイの開発が盛んに行なわれている。
色変換層およびカラーフィルタ層を備える有機ELディスプレイに関し、多色発光を実現する例としては、以下の技術が開示されている。
即ち、特許文献1には、基板を備えるとともに、少なくとも一方が透明な2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を含み、さらに、顔料および/または有機染料を蒸着して形成したカラーフィルタ層を含み、独立して、制御が可能な複数の有機EL素子に分割され、さらに、上記カラーフィルタ層の上記2つの電極側に、上記少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層(上記色変換層に相当)を備えた有機ELディスプレイパネルが開示されている。この技術において、蛍光変換層(色変換層)は、短波長の光を吸収して長波長の光に変換する、少なくとも1種の色変換物質を含む層である。また、特許文献1には、蛍光変換層(色変換層)の形成方法として、樹脂に色変換物質を分散させた液を塗布する方法、および色変換物質を蒸着もしくはスパッタ等のドライプロセスにより堆積する方法が開示されている。
このような有機ELディスプレイを用いて高精細なカラー表示を実現するに際し、ディスプレイの構成要素である色変換層に着目した場合、光の吸光度を増加させ、高い変換光強度を得るには、一般に、色変換層中の色変換物質の濃度を高くすることが有利である。
しかしながら、色変換物質の濃度を高くすると、有機EL素子から発せられた光による吸収エネルギーが、色変換物質内の同一分子間において移動を繰り返すうちに発光を伴わずに失活する。この現象は濃度消光と呼ばれ、その抑制には何らかの媒体中に色変換物質を溶解または分散させてその濃度を低下させることが肝要である。
このような、相反する性質を考慮し、濃度消光の発生を抑制しつつ、高い変換光強度を得る技術として、色変換層の膜厚を10μm程度と比較的大きくし、優れた色変換効率を実現する技術が知られている。
しかしながら、色変換層の厚さを大きくした場合には、色変換層の段差部における電極パターン断線の問題、および厚膜のフォトプロセスの困難さによる高精細化の困難性の問題がある。また、色変換層の厚さが大きい場合には、膜中の水分または溶媒の残留により、発光層中への水分または溶媒の侵入による発光層の変質の問題、および視野角依存性の増大の問題もある。
従って、特許文献1には、厚さを大きくせずに十分な変換光強度が得られる色変換層を提供する技術として、2000nm以下の膜厚を有するホスト−ゲスト系色変換層を蒸着法によって形成する技術が開示されている。
このような蒸着法により色変換層を形成する場合には、下地層の全面に色変換層を形成するため、3原色(赤色、緑色、および青色)を分けて発光できない。このため、何らかの手段によって、特定の画素に対応した微細パターンの形成が必要となる。特許文献1には、蒸着材料からなる薄膜をパターン形成する方法として、メタルマスクによる塗分け法が開示されている。
しかしながら、メタルマスクはその性質上、貫通した開口部を必須とすることから、マスクの強度を確保するためには開口部間の間隔を確保する必要があり、高精細化に限界が生ずる欠点を有する。また、基板が大きくなるにつれ、メタルマスクも大きくなり、マスクがたわんでしまうという問題もある。さらには、メタルマスクの背後への蒸着物質の回り込みが生じることから、パターンの微細化には限界がある。150ppiの精細度レベルが限界であり、それを超える高精細なパターンの形成は困難である。さらに、上記問題のため、基板の大面積化に問題があり、パターンずれ等の歩留りの低下・低コスト化が困難になるという問題もある。
また、特許文献2には、発光体からの発光を、より長波長の光に変換する色変換基板を製造するにあたり、支持基板の一部に複数の隆起部を形成してなる凹凸パターン部を形成する工程(A)と、上記凹凸パターン部に色変換材料を塗布して、凹部に色変換材料を埋め込み、色変換材料層を形成する工程(B)と、上記工程(B)で形成した色変換材料層を、少なくとも上記隆起部の表面まで研磨し、上記凹凸パターン部の表面を平坦化して、凹部に色変換膜を形成する工程(C)とを含む、色変換基板の製造方法が開示されている。
特許文献2に記載の方法は、蒸着法によってではなく、塗布によって色変換層を形成する方法である。従って、膜中の水分または溶媒の残留により、発光層中への水分または溶媒の侵入による発光層の変質の問題、および視野角依存性の増大の問題が残ったままである。
特開2002−75643号公報 特開2006−32021号公報
本発明の第1の目的は、特に、150ppiを超える高精細度のパターンを得ることができる、色変換層のパターニング方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、このようなパターニング方法を用いた有機ELディスプレイの製造方法を提供することにある。
本発明は、ある波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層をパターニングするにあたり、(1)下地層上に凹凸層を形成する工程、(2)上記凹凸層上に蒸着法によって色変換層を形成する工程、(3)上記色変換層上にバリア層を形成する工程、および(4)上記凹凸層の表面と上記バリア層の表面とを平坦化する工程を含み、上記色変換層の上部に位置するバリア層の厚みを、1μmを超えるものとする色変換層のパターニング方法(タイプA)に関する。このパターニング方法は、各種有機ELディスプレイの製造に用いられる。このような色変換層のパターニング方法においては、上記凹凸層の深さを、上記色変換層の厚みよりも大きくすること、および/または、上記凹凸層の表面と上記バリア層の表面との平坦化を、研磨により行なうことが望ましい。
また、本発明は、ある波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層をパターニングするにあたり、(1)下地層上に凹凸層を形成する工程、(2)上記下地層および上記凹凸層上に、凹凸補助層を形成する工程、(3)上記凹凸補助層上に蒸着法によって色変換層を形成する工程、(4)上記色変換層上にバリア層を形成する工程、および(5)上記凹凸補助層の表面と上記バリア層の表面とを平坦化する工程を含み、上記色変換層の上部に位置するバリア層の厚みを、1μmを超えるものとする色変換層のパターニング方法(タイプB)に関する。このパターニング方法も、各種有機ELディスプレイの製造に用いられる。この色変換層のパターニング方法においては、上記凹凸層の深さを、上記色変換層の厚みよりも大きくし、および/または、上記凹凸層の上面を、上記色変換層の上面よりも上方に位置させることが望ましい。また、上記凹凸補助層の表面と上記バリア層の表面との平坦化を、研磨により行なうことが望ましい。
上記タイプAおよびタイプBのいずれの方法においても、上記平坦化層と上記凹凸層との間に、保護層を形成することが望ましい。
さらに、本発明は、(i)基板上にそれぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種類のカラーフィルタ層を独立して形成する工程、(ii)上記カラーフィルタ層の上面に平坦化層を形成する工程、(iii)上記平坦化層上に、上述したいずれかの色変換層のパターニング方法により、色変換層を形成する工程、および(iv)上記色変換層の上方に、有機EL素子を形成する工程を含む有機ELディスプレイの製造方法を包含する。
本発明の色変換層のパターニング方法は、パターニングに先立ち、メタルマスクを用いずに、下地層に直接色変換層を蒸着する。このため、当該方法によれば、メタルマスク使用時に生ずる問題、即ち、マスク自体の精細度の限界、蒸着物質の回り込みによるパターニング精度の低下に関する問題を克服し、結果的に150ppi以上の精細度レベルを実現することができる。また、当該方法によれば、この高精細度レベルを、凹凸層を高精度に形成することにより、基板の大面積化に適用することができ、パターンずれ等の問題もなく歩留まり良く実現することができる。
さらに、このようなパターニング方法によれば、色変換層を水分、酸素等から保護するバリア層を形成することができる。このため、この方法により形成された色変換層を有する有機ELディスプレイにおいては、色変換層への水分、酸素等の浸入を十分に防止でき、所望の色変換性能を長期間にわたって実現することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
<色変換層のパターニング方法1>
図1(a)〜(f)は、本発明の色変換層のパターニング方法の一例における各工程を順次示す、積層体の断面模式図である。
(色変換層24を形成する下地層群の準備工程1)
図1(a)は、後述する色変換層24を形成するための下地層群(基板12、ブラックマトリクス14、カラーフィルタ層16(R(赤),G(緑),B(青)、および平坦化層18を含む)の準備工程を示す積層体の断面模式図である。同図に示すように、支持体として用意した透明基板12上に、有機層であるブラックマトリクス14およびカラーフィルタ層16(R,G,B)を形成し、さらにこれらの層14,16を覆うように平坦化層18を形成する。
透明基板12は、その上に順次形成される各構成要素を支持するための層である。透明基板12は、光透過性に富み、かつ、ブラックマトリクス14、カラーフィルタ層16(R,G,B)、および後述する色変換層24の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐え得るものを用いる。また、透明基板12は、図1(f)において得られた色変換フィルタ28上には事後的に有機EL素子を形成するため、当該素子の各構成要素の形成に用いられる諸条件にも耐え得るものを用いる。さらに、透明基板12は、後続の各形成工程において、度重なる各層の形成条件に曝されるため、寸法安定性に優れていることが好ましい。加えて、透明基板12としては、多色発光ディスプレイの発光性能の低下を引き起こさないものを用いることが肝要であり、例えば、ガラス、各種プラスチック、および各種フィルム等が挙げられる。
カラーフィルタ層16は、後述する色変換層24を通り、一定領域の波長を有することとなった光の色純度を、特定波長の遮断により向上させるための層である。カラーフィルタ層16(R,G,B)は、透明基板12上に、フラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成することができ、例えば、フォトレジストに顔料を分散させた、顔料分散型材料を使用することができる。カラーフィルタ層16は、400〜550nmの波長の光を透過する青色カラーフィルタ層、500〜600nmの波長の光を透過する緑色カラーフィルタ層、および600nm以上の波長の光を透過する赤色カラーフィルタ層を配列した構造とすることが一般的である。カラーフィルタ層16の形成方法としては、塗布法を用いることができ、特に、フォトプロセスを用いることが好ましい。
また、任意選択的に、各カラーフィルタ層16(R,G,B)のサブピクセル間に可視域を透過しないブラックマトリクス14を形成し、コントラストの向上を図ることができる。ブラックマトリクス14は、通常のフラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成する。ブラックマトリックス14の形成方法としては、塗布法を用いることができ、特に、フォトプロセスを用いることが好ましい。
平坦化層18は、カラーフィルタ層16(R,G,B)を保護する目的で形成される層である。また、平坦化層18は、カラーフィルタ層16およびブラックマトリクス14により生じた段差が、これらの層14,16より上方に形成される各層の寸法精度に悪影響を与えないようにするために形成される層である。このため、平坦化層18は、光透過性に富み、かつ、カラーフィルタ層16(R,G,B)を劣化させることのない材料およびプロセスを選択して形成する必要がある。
平坦化層18に適用可能な材料としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種、イオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものが一般的である。また、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、パターニングを行うために、硬化をする前は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが好ましい。
具体的に、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂としては、
(1)アクロイル基、メタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーまたはオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を、光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、
(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を、光または熱処理により二量化させて架橋したもの、
(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を、光または熱処理によりナイトレンを発生させて、オレフィンと架橋させたもの、ならびに
(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜とを、光または熱処理により酸(カチオン)を発生させて重合させたもの
などが挙げられる。
特に上記(1)の光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を用いた場合には、フォトプロセスのため、パターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
その他の、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート等と3官能性もしくは4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等が挙げられる。
平坦化層18の形成方法としては、塗布法を用いることができ、特に、フォトプロセスを用いることが好ましい。
(色変換層24を形成する下地層群の準備工程2)
図1(b)は、図1(a)で示す積層体の最上層である平坦化層18上に、凹凸層20をさらに形成する工程を示す積層体の断面模式図である。
凹凸層20は、後述する色変換層24のパターニングに際し、色変換層24の所定箇所への埋設を容易ならしめるために形成される層である。凹凸層20は、光透過性に富み、その直下に位置する平坦化層18を劣化させることのない材料およびプロセスを選択して形成する必要がある。
凹凸層20の深さを色変換層24の厚みよりも大きくすることにより、色変換層用の材料の成膜を全面に行いながら、凹凸層20の凹部に色変換層24を形成するパターニングを容易に行うことが可能となる。これに対し、色変換層24の厚みを凹凸層20の深さより厚くした場合は、凹凸層20の凸部と凹部で色変換層用の材料が一部連結する。従って、後続する研摩等の工程において凹凸層20の凸部の色変換層用の材料を除去する際に、凹部の色変換層用の材料に損傷を及ぼすこととなる。
凹凸層20と色変換層24の間に他の層(例えば、図1に示す凹凸補助層)を挿入する場合には、色変換層を形成する直前の層に形成される凹凸の深さを色変換層の厚みより大きくすればよい。この場合には、挿入する層による凹凸の変化を考慮した上で、凹凸層20の深さを設定する。ここで、他の層を挿入する場合とは、挿入される層の下方に凹凸層20の存在を必ずしも要せず、挿入した層の下方で凹凸層20が除去されている場合もしくは凹凸層20が始めから形成されずに存在しない場合も含む。
挿入する層は、ドライプロセスで形成することが好ましい。即ち、挿入する層を真空蒸着法、スパッタ法あるいはCVD法等の各種蒸着法を用いたドライプロセスで形成する場合は、挿入する層は概ね凹凸層20の形状に沿って形成される。従って、凹凸層20の深さを色変換層24の厚みより大きくすることにより、凹凸層20の凸部と凹部の上方に形成される色変換層用の材料を分離することができる。
挿入する層を塗布法等のウェットプロセスで形成する場合には、塗布液の性状により凹凸の深さの変化の程度が異なるため、変化の程度を予め考慮して凹凸層20の深さを設定する。しかしながら、凹部の深さの変化が大きい場合には、挿入する層のパターニングを再度行う必要が生じる場合も有り、工程が複雑となる。
凹凸層20を過度に厚くすると厚膜のパターニングが必要となってしまう。このため、凹凸層20の膜厚は、3〜10μmとすることが好ましく、3〜6μmとすることがさらに好ましい。
凹凸層20に適用可能な材料としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種、イオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものが一般的である。また、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、パターニングを行うために、硬化をする前は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが好ましい。具体的に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂としては、上記、平坦化層18の欄で述べた各種材料と同様の材料が挙げられる。
このような凹凸層20に適用可能な材料の中でも、特に、後述する凹凸補助層22およびバリア層26に用いる材料と同じ材料を用いることが好ましい。これは、色変換層のパターニングの最終段階において、凹凸補助層22とバリア層26、あるいはこれらの層22,26に加えて凹凸層20を同時に研磨して平坦化するためである。層20,22,26が同一材料からなれば、これらの層20,22,26間における研磨速度にばらつきが出ず、ひいては高精度の平坦化を実現することができる。
このような条件を満たす材料としては、電気絶縁性を有し、かつ、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有する、可視域における透明性が高い材料(400〜700nmの範囲で透過率が50%以上)を用いることができる。また、凹凸層20上に形成される、色変換層24の形成に耐え得る硬度である、2H以上の膜硬度(鉛筆硬度)を有する材料を用いることが好ましい。この膜硬度(鉛筆硬度)は、JIS K5600−5−4に準拠したものである。具体的な凹凸層20としては、例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、または無機窒化物等を使用することができる。
凹凸層20の形成方法としては、特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、または真空蒸着法等の手法を使用することができる。また、凹凸層20の形成には、材料が回り込みにくいCVD法を使用することが好ましい。
凹凸層20のパターニングは、ドライエッチ法等のドライプロセスで色変換層24を事後的に埋め込む部分に相当する部分のみを凹部にする。また、凹凸層20は、ドライエッチによるパターニングおよび/または透明性等について問題なければ、単層とすることは勿論、複数の層からなる積層体とすることもできる。
さらに、凹凸層20は、必要に応じ、凸部に逆テーパーを付した形状としてもよい。図2は、平坦化層18上に、凸部に逆テーパーを付した形状の凹凸層20を形成した例を示す、積層体の断面模式図である。なお、この図においては、図1に示す後述の凹凸補助層22は簡略化のため省略している。このような例においては、色変換層24の形成時に、凹部の下部と上部とにおいて、色変換層用の材料を不連続に分離して配置することがより確実にできる。この結果、研摩等により凹部の上部に位置する色変換層材料を除去する際に、凹部の下部に形成する色変換層24の損傷を避けることが容易となるという利点がある。
(色変換層24を形成する下地層群の準備工程3)
図1(c)は、図1(b)で示す積層体の最上層である平坦化層18および凹凸層20上に、凹凸補助層22をさらに形成する工程を示す積層体の断面模式図である。
凹凸補助層22は、凹凸層20の欄で既に述べた他の層の一種であり、図1(c)において平坦化層18よりも下方に位置する有機層(ブラックマトリクス14およびカラーフィルタ層16)からの水分等の色変換層24への侵入を防ぐために、任意選択的に形成される層である。凹凸補助層22を形成する場合には、後述する研磨時に凹凸補助層22がバリア層26と同時に研磨されることとなる。このため、凹凸補助層22はバリア層26と同一材料とすることが好ましい。
凹凸補助層22の膜厚は、凹凸層20の形状がトレースできればよい。凹凸補助層22が過度に薄い場合は、異なる材料の研磨を同一研磨条件で行わなくてはならない場合が生じる。また、凹凸補助層22が過度に厚い場合には、下地である凹凸層20の形状を好適にトレースできない。このため、凹凸補助層22の厚さは、ミクロンオーダとすることが好ましく、1〜3μmとすることがさらに好ましい。
凹凸補助層22に適用可能な材料としては、電気絶縁性を有し、かつ、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有する、可視域における透明性が高い材料(400〜700nmの範囲で透過率が50%以上)を用いることができる。また、凹凸層20上に形成される、色変換層24の形成に耐え得る硬度である、2H以上の膜硬度(鉛筆硬度)を有する材料を用いることが好ましい。この膜硬度(鉛筆硬度)は、JIS K5600−5−4に準拠したものである。具体的な凹凸補助層22としては、例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、または無機窒化物等を使用することができる。
凹凸補助層22の形成方法としては、特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、または真空蒸着法等の手法を使用することができる。また、凹凸補助層22の形成には、材料が回り込みにくいCVD法を使用することが好ましい。
凹凸補助層22のパターニングは、ドライエッチ法等のドライプロセスで色変換層24を事後的に埋め込む部分に相当する部分を確保する。また、凹凸補助層22は、ドライエッチによるパターニングおよび/または透明性等について問題なければ、単層とすることは勿論、複数の層からなる積層体とすることもできる。
(色変換層24の形成工程)
図1(d)は、図1(c)で示す積層体の最上層である凹凸補助層22上に、色変換層24を形成する工程を示す積層体の断面模式図である。上述したように、凹凸補助層22は任意選択的に形成するため、凹凸補助層22が形成されない場合には、平坦化層18および凹凸層20上に色変換層24を直接形成する。なお、ここでは、色変換層24(R,G,B)のうち、赤色変換層24Rのみのパターニングについて説明する。
色変換層24は、光源である有機EL素子から発せられた近紫外領域ないし可視領域の光を吸収して波長分布変換を行い、吸収した波長と異なる波長の光を含む可視光を放射するための層であり、少なくとも1種の色変換色素を含む。色変換層24は、例えば、白色光から青色ないし青緑色領域の光を吸収して、他色の領域の光に変換することができる。また、色変換層の発光波長は、緑色変換層を使用した場合は500〜550nmであり、赤色変換層を使用した場合には600〜700nmである。
色変換層24を形成するための色変換色素としては、Alq(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)などのアルミキレート系色素;3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1(下記化1中のI))、DCM−2(下記化1中のII)、およびDCJTB(下記化1中のIII)などのシアニン色素;ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素;ピリジン1などのピリジン系色素;4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(下記化1中のIV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(下記化1中のV)などを用いることができる。また、公知である各種ELの発光層に用いられているホスト−ゲスト材料を色変換色素として使用することもできる。
以下に、上述した色変換色素の具体例の構造式を示す。
Figure 2008218344
色変換層24は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等の各種蒸着法によって形成することができ、特に真空蒸着法によって形成することが有機材料を分散させずに形成できるため好ましい。真空蒸着法の加熱方式としては、直接加熱法または間接加熱法のいずれを用いることもでき、具体的には、抵抗加熱、電子ビーム加熱、または赤外線加熱等を用いることができる。複数種の色変換色素を用いて色変換層24を形成する場合には、複数種の色変換色素を所定の比率で混合した予備混合物を予め作製し、この予備混合物を用いて共蒸着を行うことができる。また、複数種の色変換色素を別個の加熱部位に配置し、各色変換色素を別個に加熱して共蒸着を行うこともできる。特に、複数種の色変換色素において、蒸着速度および/または蒸気圧などの特性が大きく異なる場合には、後者の方法を用いることが有利である。
色変換層24の膜厚は、1μm以下とすることが好ましく、200nm〜1μmとすることがより好ましい。
(バリア層26の形成工程)
図1(e)は、図1(d)で示す積層体の最上層である色変換層24上にバリア層26を形成し、色変換層24および凹凸補助層22の露出部を覆う工程を示す積層体の断面模式図である。
バリア層26は、外部から色変換層(同図に示す場合においては、赤色変換層24R)に、水分および/または酸素が侵入することを防止するために形成される層である。これは、色変換色素は有機物であり、水分・酸素に弱いためである。
ここで、バリア層26の形成目的は、上述のように、水分等からの赤色変換層24Rの保護であるが、図1(e)に示す例では、赤色変換層24Rのみならず、平坦化層18をも保護することとなる。この構造は、カラーフィルタ基板からの水分を外部に出さないためにも必要なため、後述する有機EL層36の保護にも有効である。
バリア層26に適用可能な材料としては、電気絶縁性を有し、かつ、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有する、可視域での透明性が高い材料(400〜700nmの範囲での透過率が50%以上)を用いることができる。また、バリア層26上に形成される、後述の透明電極34等の形成に耐え得る硬度である、2H以上の膜硬度(鉛筆硬度)を有する材料を用いることが好ましい。なお、この膜硬度(鉛筆硬度)は、凹凸層20の欄で記載したものと同様に、JIS K5600−5−4に準拠したものである。具体的なバリア層26としては、例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、または無機窒化物等を使用することができる。
バリア層26の形成方法としては、特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、または真空蒸着法等を使用することができる。また、バリア層26は、単層とすることは勿論、複数の層からなる積層体とすることもできる。バリア層26は、後述の研磨工程において色変換層24を研磨剤から保護するため、また、透明電極形成工程において色変換層24を負荷等から保護するため、色変換層24の上部に1μmを超えて形成する。
(バリア層26等の研磨工程)
図1(f)は、図1(e)で示す積層体をその上層から研磨し、平坦化を図る工程を示す積層体の断面模式図である。
研磨の方法については、特に制限はなく、一般に、カラーフィルタ層または透明電極基板などの表面研磨に用いられている方法を用いることができる。例えば、公知である湿式法のケミカルメカニカルポリッシング(CMP)を用いることができる。研磨に際しては、凹凸層20の凹部に形成する色変換層24の上面に達しない位置で平坦化を完了させる。また、研摩レベルは、凹凸層20の凸部上方に形成した色変換層用の材料が全てなくなるまで行う。このため、平坦化においては、凹凸補助層22とバリア層26とを研磨し、必要に応じて、凹凸層20をも研磨することとなる。この際、凹凸層20の凹部に形成する色変換層24の上部に位置するバリア層26の厚みを、1μmを超えるものとする。これにより、研磨時に色変換層24に不所望な圧力がかかって色変換層24を損傷すること、および/または、研磨剤が色変換層24に浸透することを防止でき、結果的に好適な色変換層24の形成が可能となる。
研磨終了後は、図1(f)に示す積層体を洗浄することが好ましい。洗浄は、適当な洗剤または純水を用いて行うことができる。また、超音波洗浄を施すことが、積層体に付着した研磨剤および/または研磨屑を効率的に除去する点で好ましい。さらに、UV洗浄を任意選択的に用い、洗剤による洗浄および超音波洗浄と組み合わせることもできる。UV洗浄によれば、有機汚染膜の洗浄効果がさらに得られる。このようにして、図1(f)に示す色変換フィルタ28が得られる。
<色変換層のパターニング方法2>
図3(a)〜(f)は、本発明の色変換層のパターニング方法であって、図1に示す例とは異なる例における各工程を順次示す、積層体の断面模式図である。
図3に示す例は、工程(b)において平坦化層18上に保護層30を形成したこと、および、工程(e)において凹凸補助層を形成せずに凹凸層20上および保護層30上に色変換層24を直接形成したことを除いて、図1に示す例と同じである。
即ち、図3に示す例においては、工程(a)において基板12にブラックマトリクス14、カラーフィルタ層16および平坦化層18を形成し、工程(b)において保護層30を形成する。次いで、工程(c)(d)において凹凸層20の形成およびパターニングを順次行い、工程(e)において色変換層24を形成する。さらに、工程(f)においてバリア層26を形成し、最後に工程(g)において研磨を行ない、色変換フィルタ32を得る。
ここで、図3に示す例において、図1に示す例と異なる点を説明する。
まず、図3に示す例では、工程(b)において保護層30を形成している。保護層30は、平坦化層18と色変換層24との間に任意選択的に形成される層であって、色変換層24のパターニング時に、平坦化層18が同時にパターニングされてしまうことを防止するための層である。図3に示す例においては、色変換層24のパターニングによって赤色変換層24Rの形成をする際に、平坦化層18が同時にパターニングされてしまうおそれがあるため、保護層30を形成することが好ましい。なお、保護層30は、図1に示す例における凹凸補助層22と同様に、平坦化層18よりも下方に位置する有機層(ブラックマトリクス14およびカラーフィルタ層16)からの水分等の色変換層24への侵入を防ぐ役割も果たす。また、保護層30に適用可能な材料としては、図1に示す例における凹凸層20と同じ材料を用い、かつ、同じ形成方法によって得ることができる。
次に、図3に示す例では、工程(e)において凹凸補助層を形成せずに凹凸層20上および保護層30上に色変換層24を直接形成している。この場合の色変換層24の形成方法も、図1に示す例における色変換層24の形成方法をそのまま援用することができる。
さらに、図3に示す例では、工程(c)において保護層30上に凹凸層20を一旦全面形成した後、工程(d)において凹凸層20のパターニングを行なっている。この場合、工程(c)における全面形成は、特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、または真空蒸着法等の手法を使用することができる。また、工程(d)におけるパターニングとしては、ドライエッチ法を用いることができる。
色変換層24の研磨レベルは、凹凸層20の凸部上に位置する色変換層24用の材料が全てなくなるまで行なう。この際、凹凸層20の凹部に形成する色変換層24の上部に位置するバリア層26の厚みを、1μmを超えるものとする。これにより、研磨時に色変換層24に不所望な圧力がかかって色変換層24を損傷すること、および/または、研磨剤が色変換層24に浸透することを防止でき、結果的に好適な色変換層24の形成が可能となる。さらに、図3に示す例においては、凹凸層20の上面を、色変換層24の上面よりも上方に位置させることで、色変換層用の材料を、凹凸層20の凹部と凸部で不連続に分離して形成できるという効果が得られる。
以上のような図1,3に示す色変換層のパターニング方法1,2により形成された色変換フィルタ28,32は、パターニングに先立ち、メタルマスクを用いずに、下地層である凹凸補助層22または保護層30に色変換層24を直接蒸着する。このため、当該方法によれば、メタルマスク使用時に生ずる問題、即ち、マスク自体の精細度の限界、蒸着物質の回り込みによるパターニング精度の低下に関する問題を克服し、結果的に150ppi以上の精細度レベルを実現することができる。また、当該方法によれば、この高精細度レベルを、凹凸層を高精度に形成することにより、基板の大面積化に適用することができ、パターンずれ等の問題もなく歩留まり良く実現することができる。
次に、本発明の有機ELディスプレイの製造方法について説明する。
<有機ELディスプレイの製造方法1>
図4は、上述した色変換層のパターニング方法1により得られた色変換層フィルタ28上に、有機EL素子(透明電極34、有機EL層36、および反射電極38を含む)を形成して得られた有機ELディスプレイを示す積層体の断面模式図である。以下、図4に示す有機ELディスプレイの形成工程を順次説明する。
(透明電極34の形成工程)
第1に、凹凸補助層22およびバリア層26の上面に透明電極34を形成する。透明電極34に適用可能な材料としては、ITO、酸化スズ、酸化インジウム、IZO、酸化亜鉛、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−ガリウム酸化物、またはこれらの酸化物にFもしくはSbなどのドーパントを添加した導電性透明金属酸化物を用いることができる。また、透明電極34は、真空蒸着法、スパッタ法または化学気相堆積(CVD)法を用いて形成した後に、フォトリソグラフ法等を用いてパターニングすることにより得ることができる。このような形成法の中でも、特にスパッタ法を用いることが、一般的であり好ましい。
透明電極34は、陽極、陰極のいずれとすることもできる。透明電極34を陰極として使用する場合には、透明電極34と有機EL層36との間に図示しない陰極バッファ層を形成し、有機EL層36に対する電子注入効率を向上させることが好ましい。陰極バッファ層に適用可能な材料としては、Li、Na、KもしくはCsなどのアルカリ金属、BaもしくはSrなどのアルカリ土類金属、これらを含む合金、希土類金属、またはこれら金属のフッ化物などを用いることができる。陰極バッファ層の膜厚は、透明性を確保する観点から、10nm以下とすることが好ましい。これに対し、透明電極34を陽極として使用する場合には、透明電極34と有機EL層36との間に、導電性透明金属酸化物の層を設けて有機EL層36に対する正孔注入効率を向上させることが好ましい。導電性透明金属酸化物として適用可能な材料としては、ITO、酸化スズ、酸化インジウム、IZO、酸化亜鉛、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−ガリウム酸化物、またはこれらの酸化物にFもしくはSbなどのドーパントを添加した材料を用いることができる。
(有機EL層36の形成工程)
第2に、透明電極34の上面に有機EL層36を形成する。有機EL層36は、少なくとも有機発光層を含み、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的な有機EL素子の層構造としては、下記の構造を採用することができる。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
なお、上記(1)〜(7)の層構造中、陽極および陰極は、透明電極34および反射電極38のいずれかである。
有機EL層36を構成する各層の材料としては、公知のものを使用することができる。また、有機EL層36を構成する各層は、蒸着法などの当該技術において公知の任意の方法を用いて形成することができる。
図4に示すような赤色変換層24Rを用いる場合には、有機EL層36が青色から青緑色の発光を実現することが肝要である。青色から青緑色の発光を得るための有機発光層に適用可能な材料としては、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、もしくはベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、または芳香族ジメチリディン系化合物などを用いることが好ましい。また、図4に示す例においては、有機発光層の発光は、必要に応じて白色光とすることもできるが、この場合には、公知の赤色ドーパントを使用することが肝要である。
これに対し、図4には示していないが、色変換層として緑色変換層を使用する場合には、有機発光層の発光を青色から赤色の発光とすることが肝要である。
(反射電極38の形成工程)
第3に、有機EL層36の上面に反射電極38を形成し、パッシブマトリクス駆動のボトムエミッション型の有機ELディスプレイ40を得る。
反射電極38に適用可能な材料としては、高反射率の金属、高反射率のアモルファス合金、または高反射率の微結晶性合金を用いることが好ましい。高反射率の金属としては、例えば、Al、Ag、Mo、W、Ni、またはCrが挙げられる。高反射率のアモルファス合金としては、例えば、NiP、NiB、CrPまたはCrBが挙げられる。高反射率の微結晶性合金としては、例えば、NiAlが挙げられる。
反射電極38は、陰極、陽極のいずれとすることもできる。反射電極38を陰極として使用する場合には、反射電極38と有機EL層36との間に図示しない陰極バッファ層を形成し、有機EL層36に対する電子注入効率を向上させることが好ましい。あるいはまた、上述の高反射率特性を有する、金属、アモルファス合金または微結晶性合金に対して仕事関数が小さい材料、即ちリチウム、ナトリウムもしくはカリウム等のアルカリ金属、またはカルシウム、マグネシウムもしくはストロンチウムなどのアルカリ土類金属を添加して合金化し、電子注入効率を向上させることも好ましい。これに対し、反射電極38を陽極として使用する場合には、反射電極38と有機EL層36との間に、導電性透明金属酸化物の層を設けて有機EL層36に対する正孔注入効率を向上させることが好ましい。導電性透明金属酸化物として適用可能な材料としては、ITO、酸化スズ、酸化インジウム、IZO、酸化亜鉛、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−ガリウム酸化物、またはこれらの酸化物にFもしくはSbなどのドーパントを添加した材料を用いることができる。
反射電極38の形成方法としては、用いる材料に依存して、真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、またはレーザーアブレーションなどの当該技術分野において公知の任意の手段を用いることができる。なお、図4に示す例とは異なり、複数の部分電極からなる反射電極38が必要となる場合には、所望の形状を付与するマスクを用いて複数の部分電極からなる反射電極38を形成することもできる。
図4に示す例において用いられる有機EL素子は、透明電極34、有機EL層36および反射電極38によって構成されるが、この構成における有機EL素子は、独立して制御される複数の発光部を有してもよい。例えば、透明電極34および反射電極38の両方を、複数のストライプ状の部分電極として形成し、反射電極38の構成要素である部分電極の延在方向と透明電極34の構成要素である部分電極の延在方向とを交差させてもよい。このような構造の素子は、独立した複数の発光部を有する、パッシブマトリクス駆動の有機EL素子である。パッシブマトリクス駆動の有機EL素子における、両電極の上記交差態様は、直交させることが好ましい。
<有機ELディスプレイの製造方法2>
図5は、上述した色変換層のパターニング方法2により得られた色変換層フィルタ32上に、有機EL素子(透明電極34、有機EL層36、および反射電極38を含む)を形成して得られた有機ELディスプレイを示す積層体の断面模式図である。
図5に示す有機ELディスプレイ42は、透明電極34を凹凸層20およびバリア層26上に形成すること以外は、図4に示す有機ELディスプレイと同じ形成工程を経て得られる。透明電極34の凹凸層20上への形成は、図4に示し例における、透明電極34を凹凸補助層22上への形成と同じ条件で行なうことができる。
以上のような図4,5に示す有機ELディスプレイの製造方法1,2により形成されたディスプレイ40,42は、色変換層24を水分、酸素等から保護するバリア層26を有する。このため、色変換層24への水分、酸素等の浸入を十分に防止でき、所望の色変換性能を長期間にわたって実現することができる。
なお、図4,5は、パッシブマトリクス駆動のボトムエミッション型の有機ELディスプレイの製造方法である。本発明は、このように、ボトムエミッション型の有機ELディスプレイおよびこれに使用する色変換層24のパターニング方法に限定されない。即ち、本発明はトップエミッション型の有機ELディスプレイを作製する際にも適用可能である。図6,7に、図4,5に対応するトップエミッション型の有機ELディスプレイの構成例を示す。
図6,7に示す、本発明の有機ELディスプレイの製造方法により得られた、パッシブマトリクス駆動のトップエミッション型の有機ELディスプレイは、以下の製造工程を順次行なうことで得られる。
第1に、図1または図3に示す工程に従い、基板12に、ブラックマトリクス14、カラーフィルタ層16(R,G,B)、平坦化層18、(保護層30)、凹凸層20、(凹凸補助層22)、赤色変換層24Rおよびバリア層26が形成された色変換フィルタ28,32を作製する。
第2に、基板12とは別個に用意したデバイス基板44上に、反射電極38、有機EL層36および透明電極34をこの順に形成したトップエミッション型有機EL素子を作製する。デバイス基板44は、透明基板12と同様の材料に加えて、トップエミッション型であるため、シリコンおよびセラミックなどの不透明な材料とすることができる。この有機EL素子においては、図6,7に図示しないが、透明電極34上にバリア層を形成することもできる。なお、このバリア層の材料および形成方法は、バリア層26と同じものを用いることができる。また、このバリア層は、単層であっても複層であってもよい。
第3に、バリア層26と透明電極34(存在する場合には上記バリア層)とが対向するように、色変換フィルタ28,32とトップエミッション型有機EL素子とを貼り合わせることによって、図6,7に示すようなトップエミッション型有機ELディスプレイを得る。反射電極38、有機EL層36、および透明電極34は、ボトムエミッション型の有機ELディスプレイの製造方法の欄で説明した方法を用いて形成することができる。色変換フィルタ28,32とトップエミッション型有機EL素子との接着は、基板12,44の周縁部に設けた接着層46を用いて行なうことができる。接着層46は、例えば、UV硬化接着剤とすることができる。
以上は、パッシブマトリクス駆動の、ボトムエミッション型およびトップエミッション型の有機ELディディスプレイの製造方法であるが、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、パッシブマトリクス駆動ディスプレイに関する方法に限定されない。即ち、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、アクティブマトリクス駆動のディスプレイに関する方法も含む。
アクティブマトリクス駆動の有機ELディスプレイ(トップエミッション型)を形成する手順は、以下のとおりである。即ち、図6,7において、まず、デバイス基板44上に複数のスイッチング素子を形成するとともに、反射電極38を発光部の画素またはサブピクセルに対応する複数の部分電極として形成し、対応するスイッチング素子と部分電極とを1対1に接続する。次いで、反射電極38上に有機EL層36を形成し、さらに透明電極34を一体型の共通電極として形成して、有機EL素子を得る。最後に、この有機EL素子と、事前に作製しておいた色変換フィルタ28,32とを接着剤によって貼り合わせることにより、アクティブマトリクス駆動の有機ELディスプレイを得る。
以下に、本発明の実施例を説明し、本発明の効果を実証する。
<有機ELディスプレイの形成1>
(実施例1)
図1,4に示す各工程に従い、実施例1の多色発光有機ELディスプレイを作製した。なお、以下に示す各層の符号は、図1,4に示す符号である。
(1)カラーフィルタ層16、ブラックマトリクス14の形成
透明基板12(1737ガラス(コーニング社製))上に、ブラックマトリクス用材料(CK−7001:富士フィルムARCH製)、赤色カラーフィルタ層用材料(CR−7001:富士フィルムARCH製)、緑色カラーフィルタ層用材料(CG−7001:富士フィルムARCH製)、および青色カラーフィルタ層用材料(CB−7001:富士フィルムARCH製)を用いて、フォトリソグラフ法にてブラックマトリクス14およびカラーフィルタ層16(R,G,B)を形成した。各層の膜厚はそれぞれ1μmとした。
作製したカラーフィルタ層16(R,G,B)のサブピクセル寸法は、縦×横が100μm×30μmとし、サブピクセル間のギャップは縦方向10μm、横方向5μmとした。サブピクセル3個(R,G,B)で1画素であり、縦方向に50画素、横方向に50画素を配列させた。ここで、横方向とは、図1の紙面左右方向であり、縦方向とは、紙面垂直方向である。
(2)平坦化層18の形成
カラーフィルタ層16(R,G,B)を覆うように、新日鐵化学製V259PAP5を塗布後、硬化させて、平坦化層18を形成した。平坦化層18の膜厚は2μmとした。
(3)凹凸層20の形成
平坦化層18上に、新日鐵化学製V259PAP5を塗布し、凹部の寸法が100μm×30μmであって、サブピクセル間のギャップが縦10μm、横75μmとなるように、フォトリソグラフ法にてパターニングを行い、凹凸層20を形成した。凹凸層20の深さは3μmとした。
(4)凹凸補助層22の形成
基板12の温度を100℃以下とした状態で、平坦化層18および凹凸層20上に、原料ガスとしてモノシラン(SiH)、アンモニア(NH)、および窒素(N)を用いるプラズマCVD法にて、窒化シリコンを形成し、凹凸補助層22を形成した。凹凸補助層22の膜厚は1μmとした。
(5)色変換層24の形成
凹凸補助層22上に、抵抗加熱蒸着装置で、Alq(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)およびDCM−2からなる色変換層24を作製した。具体的には、AlqおよびDCM−2を蒸着装置内の別個の坩堝にて加熱する共蒸着によって、膜厚400nmの色変換層24を作製した。この際に、Alqの蒸着速度を0.3nm/s、DCM−2の蒸着速度を0.005nm/sとなるように、それぞれの坩堝の加熱温度を制御した。実施例1の色変換層24は、その総構成分子数を基準として、2モル%のDCM−2を含む層であり、即ちAlqとDCM−2とのモル比は49:1であった。
(6)バリア層26の形成
真空を破ることなく、赤色変換層24Rをパターン形成した積層体を、プラズマCVD装置に移動させた。次いで、原料ガスとしてモノシラン(SiH)、アンモニア(NH)および窒素(N)を用い、プラズマCVD法を使用して赤色変換層24R以下の層を覆うように厚さ3μmの窒化シリコン(SiN)を形成し、バリア層26を得た。ここで、SiN形成時の基板12の温度は100℃以下とした。
(7)バリア層26、凹凸補助層22、および凹凸層20の研磨
研磨機の支持定板に研磨パッドを施した上に、発泡ウレタン布を貼り、研磨剤として平均粒径200nmのアルミナ研磨粒子を分散させたスラリーを用い、研磨パッド上に本研磨剤を50cc/分で滴下した。上部の回転板の回転速度を60rppmとして4分間研磨した。得られた色変換フィルタ28においては、バリア層26は、色変換層24の上部に、かつ凹凸層20の凹部内に2μmの厚さで存在した。
(8)有機ELディスプレイの形成
凹凸補助層22およびバリア層26の上面に、透明電極34/有機EL層36(正孔輸送層/有機発光層/電子注入輸送層)/反射電極38を順次形成し、有機EL素子を形成した。
具体的には、まず、凹凸補助層22およびバリア層26の上面に、スパッタ法にてITOを全面形成した。次いで、ITO上にレジスト剤(OFRP−800:東京応化工業株式会社製)を塗布した後、フォトリソグラフ法にてパターニングを行った。これにより、それぞれの色の発光部(赤色、緑色、および青色)に位置する、幅30μm、ピッチ35μm、膜厚200nmの縦方向に延在する複数のストライプパターンを配列した透明電極34を得た。
次に、透明電極34を形成した積層体を抵抗加熱蒸着装置内に移し、正孔輸送層、有機発光層、および電子注入輸送層を、真空を破らずに順次形成した。これらの層の形成に際して、抵抗加熱蒸着装置の真空槽内圧を1×10−4Paまで減圧した。正孔輸送層として、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を50nm形成した。有機発光層として、Alq(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体):DCJTB(0.5%)を30nm形成した。電子注入輸送層として、Alq(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)を20nm形成した。
さらに、真空を破ることなしに、透明電極34のラインと直交し、10μmのギャップで配列された100μmのストライプパターンが得られるマスクを用いて、厚さ200nmのMg/Ag(10:1の重量比率)層を反射電極38として形成し、有機ELディスプレイを得た。
(9)有機ELディスプレイの封止
グローブボックス内の乾燥窒素雰囲気(O濃度およびHO濃度がともに10ppm以下の雰囲気)下において、上記有機ELディスプレイを、図示しない封止ガラスとUV硬化接着剤からなる接着層とを用いて封止した。
(実施例2)
凹凸層20の深さを2.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
(比較例1)
凹凸層20の深さを1μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
(比較例2)
凹凸層20の深さを2μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
<色変換層24の形成についての評価1>
色変換層24が有効に形成されているか否かを、研磨工程後の顕微鏡観察により、色変換層がパターン形成できているかによって評価した。このような方法による、実施例1,2および比較例1,2の評価結果を表1に示す。
Figure 2008218344
表1よれば、本発明の範囲に属する実施例1(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きく、かつ、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが2μmである)、実施例2(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きく、かつ、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが1.5μmである)においては、好適な色変換層の形成が可能であることが実証された。ちなみに、実施例1、2によれば、40μm以下の幅(即ち、ピクセル密度が200ppi以上)のパターンを形成することができた。
これに対し、本発明の範囲を逸脱している、比較例1(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きいが、色変換層の上部に位置するバリア層が全くない)においては、好適な色変換層の形成が不可能であることが実証された。また、本発明の範囲を逸脱している、比較例2(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きいが、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが1μmである)においては、好適な色変換層の形成が不可能であることが実証された。各例を具体的にみると、比較例1については、色変換層24の上面が、凹凸層20の上面よりも上方にあるため、凹凸補助層22上の色変換層を研磨し、さらに凹凸補助層22を研磨する際に、凹凸層20からせり出した色変換層24の存在自身により、色変換層24に不所望な圧力がかかり、色変換層24が損傷したことが原因であると考えられる。比較例2については、色変換層24の上面が、凹凸層20の上面よりも下方にあるものの、色変換層24の上方に十分な厚み(1μmを超える)のバリア層26が形成されていないため、研磨時に研磨剤が色変換層24に浸透したことが原因であると考えられる。
<有機ELディスプレイの形成2>
(実施例3)
図3,5に示す各工程に従い、実施例3の多色発光有機ELディスプレイを作製した。なお、以下に示す各層の符号は、図3,5に示す符号である。また、実施例3においては、保護層30を形成した点、実施例1における凹凸補助層22を形成しなかった点、および凹凸層20とバリア層26とをともに同一材料から形成した点以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
本例における保護層30の形成は、以下のようにして行なった。即ち、まず、平坦化層18上に、スパッタ法にて、ITOを全面形成した。次いで、ITO上にレジスト剤(OFRP−800:東京応化工業株式会社製)を塗布した後、フォトリソグラフ法にてパターニングを行い、(図3,5では保護層30は平坦化層18全面に形成されているが)画素部のみに保護層30を形成した。
また、本例においては、凹凸補助層22を形成しなかったことから、色変換層24は、保護層30および凹凸層20上に形成した。この形成態様は、実施例1における態様と同じでとした。
さらに、本例においては、凹凸層20をバリア層26と同じ窒化シリコン(SiN)から形成した。本例における凹凸層20形成寸法は、実施例1の凹凸層20の形成寸法と同じであり、それ以外の形成態様は、実施例1のバリア層26の形成態様と同じである。
このようにして形成した実施例3の有機ELディスプレイにおいては、バリア層26は、色変換層24の上部に、かつ凹凸層20の凹部内に2μmの厚さで存在した。
(実施例4)
凹凸層20の深さを2.5μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
(比較例3)
凹凸層20の深さを1μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
(比較例4)
凹凸層20の深さを2μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして有機ELディスプレイを得、さらにこれを封止した。
<色変換層24の形成についての評価2>
色変換層24が有効に形成されているか否かを、実施例1の欄で述べた方法と同様にして評価した。このような方法による、実施例3、4および比較例3、4の評価結果を表2に示す。
Figure 2008218344
表2によれば、本発明の範囲に属する実施例3(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きくし、かつ、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが2μmである)、実施例4(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きく、かつ、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが1.5μmである)においては、好適な色変換層の形成が可能であることが実証された。ちなみに、実施例3、4によれば、40μm以下の幅(即ち、ピクセル密度が200ppi以上)のパターンを形成することができた。
これに対し、本発明の範囲を逸脱している、比較例3(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きいが、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが0μmである)においては、好適な色変換層の形成が不可能であることが実証された。比較例4(凹凸層の深さが色変換層の厚みよりも大きいが、色変換層の上部に位置するバリア層の厚みが1μmである)においては、好適な色変換層の形成が不可能であることが実証された。具体的にみると、比較例3、4については、色変換層24の上面が、凹凸層20の上面よりも下方にあるものの、色変換層24の上方に十分な厚み(1μmを超える)のバリア層26が形成されていないため、研磨時に研磨剤が色変換層24に浸透したことが原因であると考えられる。
本発明によれば、色変換層の製造方法に着眼し、特に、150ppiを超える高精細度のパターン形成が可能な、色変換層のパターニング方法を提供することができる。従って、本発明は、近年、益々高精細度な表示装置の開発が要請されている各種ディスプレイの製造に適用可能な点で有望である。
本発明の色変換層のパターニング方法の一例における各工程を順次示す、積層体の断面模式図であり、(a)は色変換層を形成するための下地層群の準備工程を示し、(b)は平坦化層上に凹凸層を形成する工程を示し、(c)は平坦化層および凹凸層上に凹凸補助層を形成する工程を示し、(d)は凹凸補助層上に色変換層を形成する工程を示し、(e)は色変換層上にバリア層を形成し、色変換層および凹凸補助層の露出部を覆う工程を示し、(f)は(e)で示す積層体をその上層から研磨し、平坦化を図る工程を示す。 平坦化層上に、凸部に逆テーパーを付した形状の凹凸層を形成した例を示す、積層体の断面模式図である。 本発明の色変換層のパターニング方法の一例における各工程を順次示す、積層体の断面模式図であり、(a)は基板にブラックマトリクス、カラーフィルタ層および平坦化層を形成する工程を示し、(b)は保護層を形成する工程を示し、(c)および(d)は凹凸層の形成およびパターニングを順次行う工程を示し、(e)は色変換層を形成する工程を示し、(f)はバリア層を形成する工程を示し、(g)は(f)で得られた得た積層体に研磨を施す工程を示す。 図1に示す色変換層のパターニング方法により得られた色変換層フィルタ上に、有機EL素子を形成して得られた有機ELディスプレイを示す積層体の断面模式図である。 図3に示す色変換層のパターニング方法により得られた色変換層フィルタ上に、有機EL素子を形成して得られた有機ELディスプレイを示す積層体の断面模式図である。 図4に対応するトップエミッション型の有機ELディスプレイの構成例を示す積層体の断面模式図である。 図5に対応するトップエミッション型の有機ELディスプレイの構成例を示す積層体の断面模式図である。
符号の説明
12 基板
14 ブラックマトリクス
16 カラーフィルタ
18 平坦化層
20 凹凸層
22 凹凸補助層
24 色変換層
26 バリア層
28,32 色変換フィルタ
30 保護層
34 透明電極
36 有機EL層
38 反射電極
40,42 有機ELディスプレイ
44 デバイス基板
46 接着層

Claims (9)

  1. ある波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層をパターニングする方法であって、
    (1)下地層上に凹凸層を形成する工程、
    (2)前記凹凸層上に蒸着法によって色変換層を形成する工程、
    (3)前記色変換層上にバリア層を形成する工程、および
    (4)前記凹凸層の表面と前記バリア層の表面とを平坦化する工程
    を含み、
    前記色変換層の上部に位置するバリア層の厚みを、1μmを超えるものとすることを特徴とする色変換層のパターニング方法。
  2. 前記凹凸層の深さを、前記色変換層の厚みよりも大きくすることを特徴とする、請求項1に記載の色変換層のパターニング方法。
  3. 前記凹凸層の表面と前記バリア層の表面との平坦化を、研磨により行なうことを特徴とする、請求項1または2に記載の色変換層のパターニング方法。
  4. ある波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層をパターニングする方法であって、
    (1)下地層上に凹凸層を形成する工程、
    (2)前記下地層および前記凹凸層上に、凹凸補助層を形成する工程、
    (3)前記凹凸補助層上に蒸着法によって色変換層を形成する工程、
    (4)前記色変換層上にバリア層を形成する工程、および
    (5)前記凹凸補助層の表面と前記バリア層の表面とを平坦化する工程
    を含み、
    前記色変換層の上部に位置するバリア層の厚みを、1μmを超えるものとすることを特徴とする色変換層のパターニング方法。
  5. 前記凹凸層の深さを、前記色変換層の厚みよりも大きくすることを特徴とする、請求項4に記載の色変換層のパターニング方法。
  6. 前記凹凸層の上面を、前記色変換層の上面よりも上方に位置させることを特徴とする、請求項4または5に記載の色変換層のパターニング方法。
  7. 前記凹凸補助層の表面と前記バリア層の表面との平坦化を、研磨により行なうことを特徴とする、請求項は4〜6のいずれかに記載の色変換層のパターニング方法。
  8. 前記平坦化層と前記凹凸層との間に、保護層を形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の色変換層のパターニング方法。
  9. (i)基板上にそれぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種類のカラーフィルタ層を独立して形成する工程、
    (ii)前記カラーフィルタ層の上面に平坦化層を形成する工程、
    (iii)前記平坦化層上に、請求項1〜8のいずれかに記載の色変換層のパターニング方法により、色変換層を形成する工程、および
    (iv)前記色変換層の上方に、有機EL素子を形成する工程
    を含むことを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010204352A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fuji Electric Holdings Co Ltd 色変換フィルタ基板の製造方法
TWI814288B (zh) * 2021-05-11 2023-09-01 群創光電股份有限公司 光學基板及其製作方法

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