以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のラベル作成装置の全体概略構成を示す斜視図である。
図1において、ラベル作成装置1(印字ラベル作成装置)は、装置本体2と、この装置本体2の外郭を構成する筐体200と、外部アンテナ32(外部通信用アンテナ、装置アンテナ手段)とを有している。
装置本体2の筐体200は、キーボード3(操作手段)と、各種表示を行う液晶ディスプレイ5と、ラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源スイッチ3dと、カッタ駆動ボタン7と、開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋8と、ACアダプター電源の出力プラグを接続するためのDCジャック6とを有している。
キーボード3は、操作者が各種入力操作や後述するラベル作成装置1のモードの切替え操作を行うためのものであり、決定キー3a、カーソル移動キー3b、及び文字や記号等の入力を行う文字キー3c等を有している。上記液晶ディスプレイ5に表示される各表示画面の表示内容に基づき、キーボード3により、後述のモード設定等を含む各種操作を行うことができる。
カッタ駆動ボタン7は、筐体200内の所定の位置に配設されたカッタ31(後述の図3参照)を操作者の手動操作で駆動するためのものである。このカッタ駆動ボタン7が押されることで、テープ排出口(図示せず)より図中矢印Hで示す方向に排出された印字済みタグラベル用テープ23及び印字済み通常ラベル用テープ23′を所望の長さにカットし、印字付きのタグラベルT、及び、印字付きの通常ラベルL(いずれも詳細は後述。以下適宜、これら2つを「印字付きラベルT,L」と総称する)を生成可能である。
外部アンテナ32は、この例では、上記筐体200の外部に設けられており、上記筐体200の外部に位置する無線タグ回路素子To(この例では、タグラベルTに備えられた無線タグ回路素子To)に対し無線通信を行う。
そして、上記装置本体2及び外部アンテナ32は、接続コード30(例えばUSBケーブル等。無線接続でもよい)を介して互いに情報送受信可能に接続されている。
また、タグラベルT(無線タグラベル、印字ラベル)は、この例では、当該ラベル作成装置1により作成されたものであり、所定の印字領域に印字(図示の例では「AA」)が形成されている。また、タグラベルTには、情報を記憶するIC回路部150と情報を送受信するタグアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toが設けられており、上記外部アンテナ32と無線通信により情報の送受信を行うことができる。なお、上記タグラベルTは、当該ラベル作成装置1により作成されたものに限られず、別のラベル作成装置により作成されたものであってもよい。また、後述するように、通常ラベルLは、上記無線タグ回路素子Toが備えられていない点が大きく異なる。
図2は、ラベル作成装置1の開閉蓋8を開けた状態の全体概略構成を示す斜視図である。
図2において、ラベル作成装置1の筐体200内部には、カートリッジホルダ9と、印字手段としての印字ヘッド19(サーマルヘッド)及び搬送手段としてのテープ圧着ローラ駆動軸26等を備えたサーマル印刷機構4(印字ラベル作成部)とが設けられている。
カートリッジホルダ9は、装置本体2に着脱可能に装着されるタグラベル用カートリッジ10を収納し装着することができる。また、このカートリッジホルダ9には、リボン巻取り駆動軸25と、上記テープ圧着ローラ駆動軸26と、上記カートリッジ10,10′を収納した際に開口部27に位置するように放熱を兼ねたサブフレーム28とが設けられている。なお、このカートリッジホルダ9には、タグラベル用カートリッジ10と同一外形形状の後述する通常ラベル用カートリッジ10′(図15参照)も装着可能となっている。すなわち、無線タグ回路素子Toを備えたタグラベルTを作成するときにタグラベル用カートリッジ10が、無線タグ回路素子Toを備えない通常ラベルLを作成するときには通常ラベル用カートリッジ10′が、選択的にカートリッジホルダ9に装着される。
上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ圧着ローラ駆動軸26は、使用済みインクリボン13(後述の図3参照)及び上記印字済みタグラベル用テープ23(又は上記印字済み通常ラベル用テープ23′)の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
図3は、無線タグ回路素子Toが形成された基材テープを備えるタグラベル用カートリッジ10を装着した状態のカートリッジホルダ9の周辺部分を、タグラベル用カートリッジ10とともに示す(一部透視)上面図である。
図3において、タグラベル用カートリッジ10は、筐体200内の凹所である上記カートリッジホルダ9に着脱可能に収納されている。また、タグラベル用カートリッジ10は、タグ基材テープ16(タグ媒体)が巻回された第1ロール17と、上記タグ基材テープ16と略同じ幅である透明なカバーフィルム11(被印字媒体)が巻回された第2ロール12と、印字用のインクリボン13(但し被印字媒体が感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール14と、印字後のインクリボン13を巻取るリボン巻取りローラ15と、テープ圧着ローラ18とを有している。
第1ロール17は、リール部材17aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが順次形成された上記タグ基材テープ16(タグテープ)を巻回している。
上記タグ基材テープ16は、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり上記カバーフィルム11を貼り合わせるための粘着剤層16ha、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等からなるテープ基材層16hb、適宜の粘着剤からなる粘着剤層16hc、剥離紙(剥離材層)16hdの順序で積層され構成されている。
剥離紙16hdは、最終的に完成したタグラベルTが所定の物品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層16hcにより当該物品等に接着できるようにしたものである。また、上記タグ基材テープ16においては、この例では、テープ基材層16hbの裏側(図3中左側)には、情報を記憶するIC回路部150が形成されており、テープ基材層16hbの裏面には、情報を送受信するタグアンテナ151が設けられている。そして、これらIC回路部150及びタグアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
第2ロール12は、リール部材12aの周りに、上記カバーフィルム11を巻回している。リボン巻取りローラ15及びテープ圧着ローラ18は、それぞれタグラベル用カートリッジ10外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ118(後述の図3参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ圧着ローラ駆動軸26に伝達されることによって連動して回転駆動される。
テープ圧着ローラ18は、上記タグ基材テープ16と上記カバーフィルム11とを押圧し接着させ上記印字済みタグラベル用テープ23としつつ、図3中矢印Hで示す方向(図1も参照)にテープ送りを行う(=テープ送りローラとしても機能する)。
また、カートリッジホルダ9は、上記印字ヘッド19と、上記リボン巻取りローラ15を駆動する上記リボン巻取りローラ駆動軸25と、上記テープ圧着ローラ18を駆動する上記テープ圧着ローラ駆動軸26と、ローラホルダ22とを有している。
印字ヘッド19は、多数の発熱素子を備えており、上記第2ロールから繰り出されたカバーフィルム11の所定の印字領域に印字を行う。なお、この印字ヘッド19は、テープ圧着ローラ18よりカバーフィルム11の搬送方向上流側に配置されている。
ローラホルダ22は、支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能とされている。このローラホルダ22には、プラテンローラ20及びテープ送りローラ21が回転可能に配設されており、ローラホルダ22が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ20及びテープ送りローラ21が上記印字ヘッド19及びテープ圧着ローラ18に対し圧着されるようになっている。
上記構成において、上記第1ロール17より繰り出されたタグ基材テープ16は、テープ圧着ローラ18へと供給される。一方、第2ロール12より繰り出されたカバーフィルム11は、その裏面側(=タグ基材テープ16と接着される側)に配置されリボン供給側ロール14とリボン巻取りローラ15とにより駆動されるインクリボン13が、上記印字ヘッド19に押圧されて当該カバーフィルム11の裏面に接触させられる。
また、タグラベル用カートリッジ10が上記カートリッジホルダ9に装着されることにより、ロールホルダ22が上記リリース位置から上記印字位置に移動する。これにより、カバーフィルム11及びインクリボン13が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されるとともに、タグテープ17及びカバーフィルム11がテープ圧着ローラ18とテープ送りローラ21との間に狭持される。
その後、上記テープ送りモータ118の駆動力によってリボン巻取りローラ15及びテープ圧着ローラ18が図3中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ圧着ローラ駆動軸26と上記テープ送りローラ21及びプラテンローラ20はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ圧着ローラ駆動軸26の駆動に伴いテープ圧着ローラ18、プラテンローラ20、及びテープ送りローラ21が回転し、第1ロール17からタグ基材テープ16が繰り出され、上述のようにテープ圧着ローラ18へ供給される。
一方、第2ロール12からはカバーフィルム11が繰り出されるとともに、印刷駆動回路119(後述の図4参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に、操作者がキーボード3を介して入力したデータに対応する印字(鏡像印字)がされる。
そして、上記タグ基材テープ16と上記印字が終了したカバーフィルム11とが上記テープ圧着ローラ18及びテープ送りローラ21により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ23として形成され、テープ排出部(図示せず)よりタグラベル用カートリッジ10外へと搬出される。また、上記カバーフィルム11への印字が終了したインクリボン13は、リボン巻取りローラ駆動軸25の駆動によりリボン巻取りローラ15に巻取られる。
そして、上記カッタ駆動ボタン7(図1参照)が操作されることにより、カッタ31によって印字済みタグラベル用テープ23が切断され、上記操作者がキーボード3を介して入力した所望のデータに対応する印字がされたタグラベルTが生成される。
図4は、本実施形態のラベル作成装置1の制御系を示す図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、この図4では、ラベル作成装置1の装置本体2(筐体200)及び外部アンテナ32との間の接続コード30については図示省略している。
図4において、ラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路46が配置されている。この制御回路46には、各機器を制御するCPU40と、このCPU40にデータバス45を介して接続された入出力インターフェース44と、表示用キャラクタジェネレータROM(表示用CGROM)41と、印刷用キャラクタジェネレータROM(印刷用CGROM)42と、ROM43と、RAM50とが設けられている。
表示用CGROM41には、文字や記号等の多数のキャラクタそれぞれに関する所定サイズの表示用ドットパターンデータが格納されている。印刷用CGROM42には、文字や記号等の多数のキャラクタそれぞれに関する印刷用ドットパターンデータが各書体(フォント、テキストスタイル、テキストサイズ等)ごとにコードデータに対応付けて格納されている。
ROM43には、表示制御プログラム47と、印字駆動制御プログラム48と、書体を選択するときに使用される書体データ56と、その他ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラム及びデータとが格納されている。
表示制御プログラム47は、キーボード3からの操作入力信号に対応して液晶ディスプレイ5の制御を行う。印字駆動制御プログラム48は、印字に供する1ドット列ごとのドットパターンデータを順次、印刷駆動回路(図4で後述)に転送して、図示しない搬送用モータを駆動させて印字を行う。CPU40は、上記したようなROM43に記憶されている各種プログラム及びデータに基づいて各種の演算を行う。
RAM50には、キーボード3から入力されたテキストデータ等を格納するテキストメモリ51と、CPU40で演算した演算結果を一時的に格納するワークメモリ52と、印字バッファ53と、印刷用メモリ54とが設けられている。
印字バッファ53は、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンが格納され、上記印字ヘッド23はこの印字バッファ54に記憶されているドットパターンデータに従って印字を行う。
印刷用メモリ54は、サーマル印刷機構4により直前に作成したタグラベルTの作成時における印字ヘッド19による印字内容に対応する情報(例えば、操作者がキーボード3を介して入力したテキストデータ等)を、ラベル印字情報として記憶する。このラベル印字情報は、次回、印字付きラベルT,Lを作成するときに、これを利用して上記印字ヘッド19で印字を行うためのものである(詳細は後述)。
入出力インターフェース44には、上記キーボード3と、上記液晶ディスプレイ5と、上記印字ヘッド19を駆動させる印刷駆動回路119と、テープ送りモータ駆動回路117と、ソレノイド駆動回路131と、上記カッタ駆動ボタン7と、RF通信制御部55とが接続されている。
テープ送りモータ駆動回路117は、テープ送りモータ118を駆動することにより、上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ圧着ローラ駆動軸26を駆動し、タグ基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みタグラベル用テープ23の搬送を行う。
ソレノイド駆動回路131は、上記カッタ31を駆動して切断動作を行わせるソレノイド132を駆動する。
RF通信制御部55は、上記外部アンテナ32を介して、タグラベルTの内部に備えられた無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスする(詳細は後述する)。
また、上記印刷駆動回路119、印字ヘッド19、テープ送りモータ駆動回路117、テープ送りモータ118、リボン巻取りローラ駆動軸25、及びテープ圧着ローラ駆動軸26等により、印字付きラベルT,Lの作成を行う上記サーマル印刷機構4が構成されている。
図5は、ラベル作成装置1のRF通信制御部55の詳細構造を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、この図5では、ラベル作成装置1の入出力インターフェース44及び接続コード30については図示省略している。
図5において、CPU40は、上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。RF通信制御部55は、外部アンテナ32を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、外部アンテナ32により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、ラベル作成装置1のCPU40の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記CPU40から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU40からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例ではCPU40からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介しアンテナ203に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部143は、外部アンテナ32で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記外部アンテナ32で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU40に入力されて処理される。
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU40に入力される。これにより、ラベル作成装置1では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
図6は、上記タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
図6において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにラベル作成装置1の外部アンテナ32と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記ラベル作成装置1の外部アンテナ32からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグ識別情報であるタグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は、受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
メモリ部155は、ラベル作成装置1の外部アンテナ32を介し書き込まれた上記ラベル印字情報を記憶(保持)する。
以上において、本実施形態の最大の特徴は、コピー元となる印字付きタグラベルTを1つ作成しておき、操作者がそのタグラベルTに対し情報読み取りを行わせるだけで、同一印字内容をコピーした印字付き通常ラベルLを次々に容易に作成できる点にある。すなわち、その要部は、印字付きのタグラベルTの生成;タグラベルTの印字内容を当該タグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toへ書き込み;タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込まれた印字内容の読み取り;読み取った印字内容を用いた印字付き通常ラベルLの生成;の4つの工程を実行することにある。以下、それらの工程を順を追って詳細に説明する。
(A)印字付きタグラベルTの生成
まず、印字つき通常ラベルLの印字内容(ラベル印字情報)のコピー元となる、印字付きタグラベルTの作成方法を説明する。このタグラベルTの作成時には、従来通り、ラベル作成装置1に備えられた対応するモードにおいて操作者が適宜の手入力での操作を行うことにより、印字内容を決定する。
ラベル作成装置1に設けられているモードとしては、この例では、「タグラベル印刷モード」、「書き込みモード」、及び「読み取りモード」の3つのモードが備えられている。
「タグラベル印刷モード」は、上記タグラベルTの作成を行うモードである。操作者は、このタグラベル印刷モードにおいて、キーボード3により、上記ラベル印字情報としてのテキストデータと、当該テキストデータの書体情報(例えば、明朝体やゴシック体等のフォント、太字・斜体等のテキストスタイル、テキストサイズ等)と、当該テキストデータの装飾情報(例えば、下線、枠、背景の模様・網掛け等の地紋、その他の文字飾り等)との入力を行う。これにより、サーマル印刷機構4が、上記入力されたラベル印字情報に対応する印字を行い、タグラベルTの作成を行う。またそのときのラベル印字情報を、印刷用メモリ54に記憶する。
「書き込みモード」は、外部アンテナ32(但し後述の(1)の変形例では内部アンテナ。詳細は後述)を介し無線タグ回路素子Toに情報書き込みを行うためのモードである。「読み取りモード」では、外部アンテナ32を介し、無線タグ回路素子Toから情報読み取りを行うモードである。これら「書き込みモード」「読み取りモード」の詳細については後述する。
上記「タグラベル印刷モード」、「書き込みモード」、及び「読み取りモード」のモード設定(モード切替)は、操作者がキーボード3を操作することにより、行うことができる。図7は、このモードの設定時に液晶ディスプレイ5に表示される表示画面の一例を表す図である。
図7において、液晶ディスプレイ5の表示画面60には、操作者に上記モードの切替を促す表示(図示の例では、「モードを設定して下さい。」)と、操作者が設定可能なモードを示す表示(図示の例では、「タグラベル印刷モード」「書き込みモード」「読み取りモード」)とが表示されている。この表示画面60が表示された状態で、操作者が、例えばキーボード3のカーソル移動キー3b(図1参照)を操作して表示画面60のカーソルBK1を移動させ、所望のモードにカーソルBK1を合わせ決定キー3a(図1参照)を押下すと、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、ラベル作成装置1が実行するモードが設定される。
そして、上記表示画面60において上記「タグラベル印刷モード」が選択された場合、上記ラベル印字情報の入力を行う表示画面が液晶ディスプレイ5に表示される。以下、図8〜図12を用いて、この「タグラベル印刷モード」において上記ラベル印字情報の入力を行う表示画面例を順次説明する。
図8はフォントの設定を行う表示画面61を表す図である。図8において、表示画面61には、操作者にフォントの設定を促す表示(図示の例では、「フォントを設定して下さい。」)と、操作者が設定可能なフォントを示す表示(図示の例では、「明朝体」「ゴシック体」)と、上記設定可能なフォントが下方にもあることを示す下矢印Y1とが表示されている。また、図示の例では、カーソルBK1が「ゴシック体」に位置し、フォントとしてゴシック体が選択されている状態を表している。このような表示画面61が表示された状態で、操作者が、上記と同様の操作を行うことにより、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、印字ヘッド19が印字する上記テキストデータのフォントが設定される。
図9はテキストスタイルの設定を行う表示画面62を表す図である。図9において、表示画面62には、操作者にテキストスタイルの設定を促す表示(図示の例では、「テキストスタイルを設定して下さい。」)と、操作者が設定可能なテキストスタイルを示す表示(図示の例では、「標準」「太字」「斜体」)と、上記設定可能なテキストスタイルが右方にもあることを示す右矢印Y2とが表示されている。また、図示の例では、カーソルBK1が「標準」に位置し、標準的なテキストスタイルが選択されている状態を表している。このような表示画面62が表示された状態で、操作者が、上記と同様の操作を行うことにより、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、印字ヘッド19が印字する上記テキストデータのテキストスタイルが設定される。
図10はテキストサイズの設定を行う表示画面63を表す図である。図10において、表示画面63には、操作者にテキストサイズの設定を促す表示(図示の例では、「テキストサイズを設定して下さい。」)と、操作者が設定可能なテキストサイズを示す表示(図示の例では、「6」「8」「9」「10」(pt))とが表示されている。また、図示の例では、カーソルBK1が「10」に位置し、10ポイントのテキストサイズが選択されている状態を表している。この表示画面63が表示された状態で、操作者が、上記と同様の操作を行うことにより、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、印字ヘッド19が印字する上記テキストデータのテキストサイズが設定される。
図11はテキストデータの装飾の設定を行う表示画面64を表す図である。図11において、表示画面64には、操作者にテキストデータの装飾の設定を促す表示(図示の例では、「テキスト飾りを設定して下さい。」)と、操作者が設定可能なテキストの装飾を示す表示(図示の例では、「なし」「下線」「枠」)と、上記設定可能なテキスト装飾が右方にもあることを示す右矢印Y2とが表示されている。また、図示の例では、カーソルBK1が「なし」に位置し、テキスト装飾を行わない旨が選択されている状態を表している。この表示画面64が表示された状態で、操作者が、上記と同様の操作を行うことにより、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、印字ヘッド19が印字する上記テキストデータの飾りが設定される。
図12は、テキストデータの入力を行う表示画面65を表す図である。図12において、表示画面65には、操作者にテキストデータの入力を促す表示(図示の例では、「テキストを入力して下さい。」)と、テキストの挿入位置を示すカーソルBK2と、操作者によりキーボード3の文字キー3c等を介して入力されたテキストの表示(図示の例では、「RF−ID」)とが表示されている。この表示画面65が表示された状態で、操作者が、上記文字キー3c等を操作してテキストを入力し、決定キー3aを押下すと、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、印字ヘッド19が印字するテキストデータが設定される。
上記のようにして、図8〜図12に示した各画面61〜65における入力が終了し対応するラベル印字情報が決定すると、ラベル印字情報が印刷用メモリ54に入力されて記憶される。そして、キーボード3を介した適宜の操作によりタグラベルTの作成(印刷)が開始され、所望の印字がされた印字済みタグラベル用テープ23が作成され、上記カッタ31により印字済みタグラベル用テープ23が切断されてタグラベルTが作成される。作成されたタグラベルTは、テープ排出口からラベル作成装置1外へ排出される。
図13(a)及び図13(b)は、上述のような操作を行うことにより作成されたタグラベルTの外観の一例を表す上面図及び下面図であり、図14は、図13(a)中XIV−XIV′断面による横断面図を90°回転させて示す図である。
これら図13(a)、図13(b)、及び図14において、タグラベルTは、前述の図3に示したタグ基材テープ16にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面(図14中上側)よりその反対側(図14中下側)へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16ha、テープ基材層16hb、粘着剤層16hc、剥離紙(剥離材層)16hdの順序で積層され構成されている。
また、前述したようにテープ基材層16hbの裏側(図14中下側)には、IC回路部150が形成され、テープ基材層16hbの裏面には、タグアンテナ151が設けられている。そして、これらIC回路部150及びタグアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。また、カバーフィルム11の裏面には、印字R(この例では「RF−ID」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
(B)印字内容を無線タグ回路素子Toに書き込み
上記のようにして(A)の工程でタグラベルTが作成されたとき、前述したように、ラベル作成装置1の印刷用メモリ54は、タグラベルTの印字内容に対応したラベル印字情報を記憶している。操作者は、上記(A)の工程で実行したタグラベルTの作成後に、上記ラベル作成装置1のモードを、前述の手法により「書き込みモード」に切り替える。これにより、印刷用メモリ54に記憶されている上記ラベル印字情報を、外部アンテナ32を介しタグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toに書き込むことができる。この結果、上記ラベル印字情報を無線タグ回路素子Toに保持したタグラベルTが完成する。
(C)無線タグ回路素子Toから印字内容を読み取り→印字付き通常ラベルLの生成
上記(B)の工程で情報書き込みを行った後、操作者は、上記ラベル作成装置1のモードを、前述した手法により「読み取りモード」に切り替える。そして、上述したようにして既に上記「書き込みモード」によってラベル印字情報が書き込まれている無線タグ回路素子Toから、外部アンテナ32を介し、当該ラベル印字情報の読み取りを行う。また、この「読み取りモード」ではさらに、サーマル印刷機構4により上記読み取ったラベル印字情報に対応する印字を行い、上記通常ラベルLの作成までが連続して(すなわち、ラベル印字情報の読み取りと通常ラベルLの作成とが一連の手順として)行われる。
すなわち、上記のようにして作成され、ラベル作成装置1外へ排出されたタグラベルTを、装置本体2外に位置させた状態で、無線タグ回路素子Toに対し外部アンテナ32を介し情報読み取りを行わせ、無線タグ回路素子Toの保持した上記ラベル印字情報を取得する。これにより、サーマル印刷機構4は、印字ヘッド19により上記取得したラベル印字情報に対応した内容(-=ラベル印字情報を読み取ったタグラベルTの印字内容と同等)の印字を行い、通常ラベルLを作成する(なお、後述の変形例(2)では、この「読み取りモード」において上記通常ラベルLに代えてタグラベルTを作成する)。
なお、上記「タグラベル作成モード」において通常ラベルLも作成可能(言い換えれば「ラベル作成モード」可)としておき、上記「読み取りモード」ではラベル印字情報の読み取りのみを行い、読み取り終了後、「ラベル作成モード」に切り替えて通常ラベルLを作成するようにしてもよい。
図15は、上記通常ラベルLの作成時に使用される、無線タグ回路素子Toを配置しない基材テープを備える通常ラベル用カートリッジ10′を装着した状態のカートリッジホルダ9の周辺部分を、通常ラベル用カートリッジ10′とともに示す(一部透視)上面図である。なお、この図15は、前述の図3に対応する図であり、図3と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図15において、通常ラベル用カートリッジ10′は、第1ロール17に、無線タグ回路素子Toを配置しない通常基材テープ16′が巻回されている点が前述の図3のタグラベル用カートリッジ10とは異なる。
また、上記通常基材テープ16′は、前述の図3のタグ基材テープ16と同様、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図15中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図15中右側)よりその反対側(図15中左側)へ向かって、粘着剤層16ha、テープ基材層16hb、粘着剤層16hc、剥離紙(剥離材層)16hdの順序で積層され構成されている。なお、上記したように、この通常基材テープ16′は、その内部に無線タグ回路素子Toを内包していない点が前述の図3で示したタグ基材テープ16とは異なる。
上記以外の構成は前述の図3で示したタグラベル用カートリッジ10と同様であるので説明を省略する。
上記構成において、上記第1ロール17より繰り出された通常基材テープ16′は、テープ圧着ローラ18へ供給され、第2ロール12からはカバーフィルム11が繰り出され、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に対し、外部アンテナ32を介して読み取った上記ラベル印字情報に対応する印字(鏡像印字)が印字ヘッド19により行われる。
その後、上記通常基材テープ16′と上記印字が終了したカバーフィルム11とがテープ圧着ローラ18及びテープ送りローラ21により接着されて一体化されて印字済み通常ラベル用テープ23′として形成される。そして、テープ排出部(図示せず)より通常ラベル用カートリッジ10′外へと搬出され、上記印字済み通常ラベル用テープ23′をカッタ31で切断して、通常ラベルLが生成される。
図16(a)及び図16(b)は、上述のような操作を行うことにより作成された通常ラベルLの外観の一例を表す上面図及び下面図であり、図17は、図16(a)中XVII−XVII′断面による横断面図を90°回転させて示す図である。なお、これら図16(a)、図16(b)、及び図17は、前述の図13(a)、図13(b)、及び図14に対応する図である。
これら図16(a)、図16(b)、及び図17において、通常ラベルLは、上記図15に示した通常基材テープ16′にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面(図17中上側)よりその反対側(図17中下側)へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16ha、テープ基材層16hb、粘着剤層16hc、剥離紙(剥離材層)16hdの順序で積層され構成されている。そして、カバーフィルム103の裏面には、印字R(この例では「RF−ID」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
すなわち、上記通常ラベルLは、その内部に無線タグ回路素子Toを内包していない点が前述の図13(a)、図13(b)、及び図14で示したタグラベルTとは異なる。
次に、以上の(A)〜(C)の工程を実行するための制御手順を図18〜図21により説明する。
図18は、ラベル作成装置1の制御回路46によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
図18において、例えば操作者により電源スイッチ3dが操作されてラベル作成装置1の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まずステップS20で、入出力インターフェース44を介して入力した、操作者によるキーボード3での操作入力信号に基づき、ラベル作成装置1が実行するモードの設定(この例では、「タグラベル印刷モード」、「書き込みモード」、「読み取りモード」)を行う(設定操作については、前述の図7参照)。
その後、ステップS40で、上記ステップS20において操作者によりラベル作成装置1が実行するモードが「タグラベル印刷モード」に設定されたか否かを判定する。上記モードが「タグラベル印刷モード」に設定されていた場合には、判定が満たされてステップS100に移る。このとき、例えば液晶ディスプレイ5に上記タグ基材テープ16を備えたタグラベル用カートリッジ10の装着を操作者に促す表示を行うようにしてもよい(あるいは、図示しないカートリッジセンサによりカートリッジの種類を検出し、その後、上記表示を行うようにしてもよい)。そして、ステップS100において、タグラベル印刷処理(詳細は後述の図19参照)を実行して、ステップS400に移る。
一方、上記ステップS40において、操作者によりラベル作成装置1が実行するモードが「タグラベル印刷モード」に設定されていなかった場合(すなわち、上記「書き込みモード」又は「読み取りモード」に設定されていた場合)には、ステップS40の判定が満たされずステップS60に移る。
ステップS60では、上記ステップS20において操作者によりラベル作成装置1が実行するモードが「書き込みモード」に設定されたか否かを判定する。上記モードが「書き込みモード」に設定されていた場合には、判定が満たされてステップS200に移る。このとき、例えば液晶ディスプレイ5にタグラベルTを外部アンテナ32の近傍にかざすよう操作者に促す表示を行うようにしてもよい。そして、ステップS200において、書き込み処理(詳細は後述の図20参照)を実行して、ステップS400に移る。
一方、上記ステップS60において、操作者によりラベル作成装置1が実行するモードが「書き込みモード」に設定されていなかった場合(すなわち、上記「読み取りモード」に設定されていた場合)には、ステップS60の判定が満たされずステップS300に移る。このとき、例えば液晶ディスプレイ5に上記通常基材テープ16′を備えたタグラベル用カートリッジ10′の装着を操作者に促す表示、及び、タグラベルTを外部アンテナ32の近傍にかざすよう操作者に促す表示を行うようにしてもよい。そして、ステップS300において、読み取り処理(詳細は後述の図21参照)を実行して、ステップS400に移る。
ステップS400では、操作者により電源スイッチ3dが押されてラベル作成装置1の電源がオフにされたか否かを判定する。操作者により電源がオフにされていなければ判定が満たされず、ステップS20に戻り同様の手順を繰り返す。操作者により電源がオフにされた場合には、判定が満たされて、このフローを終了する。
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
図19は、上記図18のステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
図19において、まずステップS120で、入出力インターフェース44を介して入力した、操作者によるキーボード3での操作入力信号に基づき、印刷設定(この例では、上記テキストデータの書体情報及びテキストデータの装飾情報の設定)を行う(各設定操作については、前述の図8〜図11参照)。
その後、ステップS140では、入出力インターフェース44を介して入力した、操作者によるキーボード3での操作入力信号に基づき、上記テキストデータの設定を行う(テキストデータの入力操作については、前述の図12参照)。
そして、ステップS160では、上記ステップS120及びステップS140で設定したテキストデータの書体情報、テキストデータの装飾情報、及びテキストデータ(すなわち、ラベル印字情報)を、上記印字バッファ53にドットパターンデータとして展開し記憶する。そして、入出力インターフェース44を介して、上記サーマル印刷機構4等に制御信号を出力して、テープ圧着ローラ駆動軸26の駆動力により印字済みタグラベル用テープ23及びタグ基材テープ16を搬送し、印字ヘッド19によりカバーフィルム11の所定の印字領域に対し上記印字バッファ53に記憶したドットパターンデータに基づき印字を行い、さらにカッタ31により印字済みタグラベル用テープ23を切断して、さらにカッタ31により印字済みタグラベル用テープ23を切断して、タグラベルTを作成する。
その後、ステップS180では、上記ステップS160においてタグラベルTを作成したときの印字ヘッド19による印字内容に対応したラベル印字情報(この例では、テキストデータ、当該テキストデータの書体情報、及び当該テキストデータの装飾情報)を、印刷用メモリ54に記憶する。そして、このルーチンを終了する。
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
図20は、上記図18のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
図20において、まずステップS220で、上記印刷用メモリ54にアクセスし、ラベル印字情報が記憶されているか否かを判定する。印刷用メモリ54にラベル印字情報が記憶されていた場合には、判定が満たされて、印刷用メモリ54よりラベル印字情報を取得し、ステップS240に移る。
ステップS240では、入出力インターフェース44、接続コード30、RF通信制御部55、及び外部アンテナ32を介し、上記ラベル印字情報を書き込むための書き込み信号を、タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toに送信し、上記ラベル印字情報の書き込みを行う。
その後、ステップS280では、上記タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toへ上記ラベル印字情報の書き込みが成功したか否かを判定する。この判定は、例えばCRC符号などの誤り検出符号を用いた公知の手法を用いれば足りる。書き込みが成功しなかった場合には、判定が満たされず上記ステップS240に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、書き込みが成功した場合には、ステップS280の判定が満たされて、このルーチンを終了する。
一方、上記ステップS220において、印刷用メモリ54にラベル印字情報が記憶されていなかった場合には、ステップS220の判定が満たされずステップS260に移る。そして、ステップS260で、例えば液晶ディスプレイ5での表示や図示しない音声発生部での発音等により、印刷用メモリ54にラベル印字情報が記憶されていないことを報知させて、このルーチンを終了する。
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
以上において、上記図20のステップS240が、特許請求の範囲各項記載の印字情報書き込み手段として機能する。
図21は、上記図18のステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
図21において、まずステップS310では、入出力インターフェース44、接続コード30、RF通信制御部55、及び外部アンテナ32を介し、タグラベルTの無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み取るための読み取り信号を、タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toに送信し、情報の読み取りを行う。
その後、ステップS320では、上記タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toから上記ステップS310で送信した読み取り信号に対応する応答(リプライ)信号を外部アンテナ32、RF通信制御部55、接続コード30、及び入出力インターフェース44を介して受信したか否かを判定する。当該無線タグ回路素子Toから上記応答信号を受信していない場合には、判定が満たされずステップS310に戻り、再び上記読み取り信号の送信を繰り返す。一方、当該無線タグ回路素子Toから上記応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS340に移る。
ステップS340では、上記ステップS320においてタグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toからラベル印字情報を取得できたか否か(=上記応答信号の中にラベル印字情報が含まれていた否か)を判定する。当該無線タグ回路素子Toからラベル印字情報を取得できた場合には、判定が満たされてステップS360に移る。
ステップS360では、上記ステップS320においてタグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toから取得したラベル印字情報を、上記印字バッファ53にドットパターンデータとして展開し記憶する。そして、入出力インターフェース44を介して、上記サーマル印刷機構4等に制御信号を出力して、テープ圧着ローラ駆動軸26の駆動力により通常基材テープ16′及び通常ラベル用テープ23′を搬送し、印字ヘッド19によりカバーフィルム11の所定の印字領域に対し、上記印字バッファ54に記憶した(=上記取得したラベル印字情報に対応した)ドットパターンデータに基づき印字を行い、さらにカッタ31により通常ラベル用テープ23′を切断して、最終的に通常ラベルLを作成させる。
一方、上記ステップS340においてタグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toからラベル印字情報を取得できなかった場合には、判定が満たされずステップS380に移る。そして、ステップS380で、例えば液晶ディスプレイ5での表示や図示しない音声発生部での発音等により、タグラベルTからラベル印字情報を取得できなかったことを報知させて、このルーチンを終了する。
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
以上において、上記図21のステップS310及びステップS320が、特許請求の範囲各項記載の印字情報読み取り手段として機能する。
以上のように構成した本実施形態においては、まず最初に、タグラベル印刷モードで、ラベル作成装置1のサーマル印刷機構4により、所定の印字領域に印字を形成したタグラベルTを作成する(ステップS160)。その後、書き込みモードで、上記タグラベルT作成時に上記印刷用メモリ54に記憶したラベル印字情報を、外部アンテナ32を介して、装置本体2の外部に位置するタグラベルT(前述の例では、当該ラベル作成装置1で直前に作成したタグラベルT)に備えられた無線タグ回路素子Toに書き込む(ステップS240及びステップS280)。
そして、これ以降、上記タグラベルTをコピー元としてそれと同じ印字内容をコピーした通常ラベルLを作成したい場合には、読み取りモードにして、上記タグラベルTの無線タグ回路素子Toに対し、外部アンテナ32を介して読み取りを行う。これにより、当該ラベル印字情報が取得される(ステップS310及びステップS320)とともに、サーマル印刷機構4により、当該ラベル印字情報に対応した内容の印字(すなわちタグラベルTと同様の印字)がされた通常ラベルLが作成される(ステップS360)。
以上のようにして、本実施形態では、タグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toを、印字内容を記憶させる外部メモリとして用いることができるので、容易に所望の通常ラベルLを作成できる。この結果、タグラベルTの無線タグ回路素子Toに、予め作成したい通常ラベルLの印字内容を記憶させておくだけで、ラベル作成装置1のキーボード3を介してのキー操作や、あるいはラベル作成装置1に接続した端末でのキー操作を、必要最小限としつつ、容易に所望の通常ラベルLを作成することができる。したがって、操作者の操作労力を低減し、利便性を向上することができる。
この結果、例えば図22に示すように、コピー元のタグラベルTを貼ったラベル収納容器BXに、互いに同一印字内容(この例では「ソフトG」)の通常ラベルLを大量に入れておき、適宜取り出して使用する、といった利用が可能である。この場合、通常ラベルLがなくなったら(又は少なくなったら)、その都度ラベル作成装置1の外部アンテナ32によりタグラベルTの無線タグ回路素子Toに対しラベル印字情報の読み取りを行い、タグラベルTと同一印字内容の通常ラベルLを作成して、ラベル収納容器BXに補充すればよい。このようにすることで、複数の通常ラベルLを手軽に作成、補充することができ、非常に便利である。また、このような通常ラベルLが複数種類あり、各種類毎にそれぞれのラベル収納容器BXに収納されている場合も、共通のラベル作成装置1を1つ用意し、ラベル残り枚数がなくなった(あるいは少なくなった)ラベル収納容器BXのタグラベルTに対し随時読み取りを行うことで、通常ラベルLを確実に補充することができる。
なお、ラベル作成装置1での前述のモード選択において適宜の手法でモードを自動切り替えする(手順を追って自動切り替え、経時的に自動切り替え、無線タグ回路素子Toの読み取りに応じて自動切り替え、等)ようにし、モード切替・モード設定操作等をなくすようにすれば、キー操作を全くなくすことも可能となる。この場合はさらに操作労力を低減することができる。
また、本実施形態では特に、上記ラベル印字情報として、上記印字ヘッド19がカバーフィルム11の所定の印字領域に印字するテキストデータと、当該テキストデータの書体情報(明朝体やゴシック体等のフォント、太字や斜体等のテキストスタイル、テキストサイズ等)と、テキストデータの装飾情報(下線、枠、背景の模様、網掛け等の地紋、その他の文字飾り等)とを、外部アンテナ32を介して、タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toに書き込む。これにより、キーボード3の各種キー操作による設定等を行わなくても、タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toから読み取った上記ラベル印字情報に基づき、所望のテキストデータを所望の書体で、さらには所望の装飾を付して印字した通常ラベルLを、容易に作成することができる。
また、本実施形態では特に、タグラベルTを作成した後に装置本体2の外部に排出し、その直後に、当該作成したタグラベルTの印字内容に対応したラベル印字情報を、当該作成したタグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toに書き込む。このように、タグラベルTを作成する都度、その印字内容をタグラベルTに備えられた無線タグ回路素子Toに書き込むことにより、タグラベルTの排出後にそのまま外部メモリとして用いることができる。この結果、1つのタグラベルTの印字内容に対し1つの無線タグ回路素子Toを容易かつ確実に関連付けることができ、ラベル作成装置1内のテキストメモリ51等に記憶された複数の印字内容(ファイル)からキーボード3を介してのキー操作により選択する等の煩雑な操作が必要なくなり、さらに利便性が向上する。
また、本実施形態では特に、前述の図7に例示したように、上記キーボード3の操作により、タグラベルTの無線タグ回路素子Toにラベル印字情報を書き込むための「書き込みモード」と、既に上記「書き込みモード」によってラベル印字情報が書き込まれた無線タグ回路素子Toから当該ラベル印字情報を読み取るための「読み取りモード」とのモード切り替えを行う。これにより、1つのラベル作成装置1において、上記モード切り替えを行うだけで、上記ラベル印字情報の書き込み動作又は読み取り動作を、操作の混同が生じることなく容易かつ確実に行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)タグラベルT作成時にラベル印字情報を無線タグ回路素子Toに書き込む場合
上記実施形態においては、カバーフィルム11への印字のみを行い(装置内では無線タグ回路素子Toへの情報書き込みを行わず)タグラベルTを作成し、その情報未書き込みのタグラベルTを装置外に排出した後、外部アンテナ32を介してタグラベルTの無線タグ回路素子Toにラベル印字情報の書き込みを行っていたが、これに限られない。すなわち、ラベル作成装置1の筐体200の内部に内部アンテナ132(内部通信用アンテナ、装置アンテナ手段)を設け、タグラベルTの作成時に、カバーフィルム11への印字のみならず、無線タグ回路素子Toへのラベル印字情報の書き込みも併せて行うようにしてもよい。
図23は、本変形例において、上記タグ基材テープ16を備えるタグラベル用カートリッジ10を装着した状態のカートリッジホルダ9の周辺部分を、タグラベル用カートリッジ10とともに示す(一部透視)上面図である。なお、この図23は、前述の図3に対応する図であり、図3と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図23において、本変形例のラベル作成装置1は、前述の図3で示した構成に加え、装置本体2の筐体200の内部に、タグ基材テープ16に備えられる無線タグ回路素子Toと無線通信を行う内部アンテナ132を新たに備えている。
すなわち、前述と同様、第1ロール17より繰り出され無線タグ回路素子Toを備えたタグ基材テープ16と、第2ロール12より繰り出され印字ヘッド19により印字が完了したカバーフィルム11とが、テープ圧着ローラ18及びテープ送りローラ21により接着され一体化され、印字済みタグラベル用テープ23が形成される。そして、上記内部アンテナ132は、上記印字済みタグラベル用テープ23の無線タグ回路素子Toに対し、上記ラベル印字情報の書き込みを行う。
その後、自動的に、あるいは、上記カッタ駆動ボタン7(図2参照)を操作することにより、カッタ31によって上記印字済みタグラベル用テープ23が切断され、(ラベル印字情報書き込み済みの)タグラベルTが生成される。
このようにして生成されたタグラベルTは、カバーフィルム11の所定の印字領域に、操作者がキーボード3を介して入力したデータ(すなわち、ラベル印字情報)に対応する印字がされているとともに、この印字内容に対応したラベル印字情報を無線タグ回路素子Toに記憶していることになる。
なお、無線タグ回路素子Toを配置しない通常基材テープ16′を備えるタグなしカートリッジ10′を用いた場合には、上記内部アンテナ132を介した無線タグ回路素子Toへの書き込みは行われない。
図24は、本変形例におけるラベル作成装置1の制御系を示す図であり、前述の図4に対応する図である。図4と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、この図24では、前述の図4と同様に、接続コード30については図示省略している。
図24において、本変形例のラベル作成装置1は、前述の図4で示した構成に加え、RF通信制御部155と、上記内部アンテナ132とを新たに備えている。
RF通信制御部155は、上記内部アンテナ132を介して、上記タグ基材テープ16に備えられた無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。詳細構造は、前述の図5で示したRF通信制御部55と同様のもので足りるので、説明を省略する。
本変形例によれば、タグラベルTの作成時に、上記ラベル印字情報を、上記内部アンテナ132を介しタグ基材テープ16に備えられた無線タグ回路素子Toに書き込むことで、上記ラベル印字情報を記憶(保持)した無線タグ回路素子Toを備えるタグラベルTを作成する。これにより、作成されラベル作成装置1の外に排出されたタグラベルTに対し、上記外部アンテナ32を介して読み取りを行うことで、上記ラベル印字情報に対応した内容の印字がされた通常ラベルLを作成することができる。
(2)通常ラベルLの代わりにタグラベルTを作成する場合
上記実施形態及び(1)の変形例においては、無線タグ回路素子Toにラベル印字情報が書き込まれたタグラベルTに対し当該ラベル印字情報の読み取りを行うとき、カートリッジホルダ9に通常ラベル用カートリッジ10′を装着し、対応する印字内容の通常ラベルLを作成したが、これに限られない。すなわち、タグラベルTからラベル印字情報の読み取りを行うときに、カートリッジホルダ9にタグラベル用カートリッジ10を装着し、上記ラベル印字情報に対応する印字内容のタグラベルTを作成するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
(3)その他
以上においては、印字が終了した、若しくは、印字及び無線タグ回路素子Toへの書き込みが終了した、印字済みタグラベル用テープ23(又は印字済み通常ラベル用テープ23′)をカッタ31で切断し、印字付きラベルT,Lを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ31で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして印字付きラベルT,Lを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えたタグ基材テープ16とは別のカバーフィルム11に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、例えば感熱テープ等を用いたタグ基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、タグ基材テープが被印字媒体を構成する。
さらに、以上は、タグ基材テープ16等がリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ10,10′内にそのロールが配置されてタグ基材テープ16等が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行い印字付きラベルT,Lを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接ラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ10,10′のようなラベル作成装置1の装置本体2側に着脱可能なものにも限られず、装置本体2側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてロールを設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。