以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1実施形態及びその変形例を図1〜図17により説明する。本実施形態は、本発明を印字ラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
<印字ラベル作成システム>
本実施形態における印字ラベル作成装置と、上記印字ラベル作成装置に接続された端末と、を備えた印字ラベル生成システムを図1に示す。この印字ラベル生成システムTSにおいて、印字ラベル作成装置1(印刷物作成装置に相当)は、有線あるいは無線による通信回線NWを介して、例えば汎用コンピュータからなる端末118に接続されている。
端末118は、キーボード又はマウス等からなる操作部118aと、液晶ディスプレイ等からなる表示部118bと、CPU、RAM、ROM、及びHDD(いずれも図示省略)等を備えている。上記CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、HDDに予め記憶された各種プログラムを実行する。なお、図1には複数の端末118と複数の印字ラベル作成装置1とがネットワーク接続されている例を示しているが、これに限られず、1つの端末118と1つの印字ラベル作成装置1とが接続されているのみでもよい(ネットワーク接続にも限られない)。
<印字ラベル作成装置の外観>
図2に示すように、印字ラベル作成装置1は、上記端末118からの操作に基づき、印字ラベルL(印刷物に相当。上記図1参照)の作成を行う。印字ラベル作成装置1は、外郭に略六面体(略立方体)形状の筐体200を有する装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に(又は着脱可能としてもよい)設けられた開閉蓋3とを有している。
装置本体2の筐体200は、装置前方側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された印字ラベルLを外部に排出するラベル排出口11を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10のうち上記開閉ボタン4の下方には、印字ラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15を使用者の手動操作でも駆動可能とするカッター駆動ボタン16が設けられている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
<内部ユニットの構造>
図3に示すように、印字ラベル作成装置1の内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7を収納するカートリッジホルダ6と、サーマルヘッド(印字手段に相当)23を備えた印字機構21と、固定刃40及び可動刃41を備えた切断機構(切断手段に相当)15と、固定刃40及び可動刃41のテープ搬送方向下流側に位置し、ハーフカッタ34を備えた半切断機構35とが設けられている。
カートリッジ7の上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている基材テープ101(後述の図5等参照)のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。また、カートリッジホルダ6には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(接触位置、後述の図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記サーマルヘッド23及びテープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
サーマルヘッド23は複数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられている。
切断機構15は、カッターモータ43(後述の図6参照)の駆動力が、カッターハスバギヤ42、ボス50、長孔49を介して可動刃41の柄部46に伝達されて可動刃が回転し、固定刃40とともにカット動作を行う。この切断状態は、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用により切り替わるマイクロスイッチ126により検出される。
半切断機構35は、受け台38と上記ハーフカッタ34とが対向して配置され、さらにガイド固定部36Aにより第1ガイド部36と第2ガイド部37とが側板44(後述の図4参照)に取り付けられている。ハーフカッタ34は、所定の回動支点(図示せず)を中心として、ハーフカッタモータ129(後述の図6参照)の駆動力によって回動する。受け台38の端部には受け面38Bが形成されている。
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図である。図4において、上記カートリッジホルダ6は、カートリッジ7のテープ排出部30より排出されさらに上記ラベル排出口11から排出される印字済みラベル用テープ109の幅方向の向きが、鉛直上下方向となるようにカートリッジ7を収納する。
また、内部ユニット20には、ラベル排出機構22が設けられている。ラベル排出機構22は、切断機構15において切断された後の印字済みラベル用テープ109(言い換えれば上記印字ラベルL、以下同様)をラベル排出口11(図2も参照)より排出する。すなわちラベル排出機構22は、テープ排出モータ65(後述の図6参照)の駆動力により回転する駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52とを有している。このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている。
<カートリッジの詳細構造>
図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。図5において、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール211と、印字後のインクリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30(図4参照)の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27とを有する。なお、上記カバーフィルム103と、当該カバーフィルム103に上記基材テープ101が貼り合わされた上記印字済みラベル用テープ109とが、各請求項記載の被印字テープに相当する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a(貼り合わせ用粘着剤層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b(基材層)、適宜の粘着材からなる粘着層101c(貼り付け用粘着剤層)、剥離紙(剥離材層)101dの順序で積層されている。
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した印字ラベルLが被着体(所定の商品等)に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該被着体に接着できる。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、上記リボン供給側ロール211及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記サーマルヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に接触させられる。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みラベル用テープ109としつつ、図5中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う。このとき、リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図6参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段に相当)に伝達されることによって連動して回転駆動される。これにより、テープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107は、印字済みラベル用テープ109及びインクリボン105に対し、搬送駆動力をそれぞれ与える。
上記構成において、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されローラホルダ25(図4参照)が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105がサーマルヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27とテープ圧接ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図5中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記テープ圧接ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、テープ圧接ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されて搬送され、テープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されて所望の搬送速度で搬送されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図6参照)によりサーマルヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、端末118から送信された印字データ(後述の第1印字データ及び第2印字データを含む。詳細は後述)に対応した所望の印字R(後述の図7、図8参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びテープ圧接ローラ28により接着されて一体化されて上記印字済みラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30(図4参照)よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
また、カートリッジホルダ6の対応する位置には、カートリッジ7の種類、言い換えれば、基材テープ101及びカバーフィルム103の種類(材質やテープ幅等の情報を含む)を検出するカートリッジセンサ81が設けられており、このカートリッジセンサ81の検出信号が制御回路110のCPU111(後述の図6参照)へ入力される。
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みラベル用テープ109が切断機構15によって切断されて印字ラベルLが生成される。なお、このとき、切断機構15は、カバーフィルム103(被印字テープ)の搬送経路に沿ってサーマルヘッド23よりも所定距離Xだけ離間した下流側に配置されている。生成された印字ラベルLは、上記ラベル排出機構22によってラベル排出口11(図2、図4参照)から排出される。
<制御系>
本実施形態の印字ラベル作成装置1の制御系を図6により説明する。図6において、この印字ラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上に、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、各機器を制御するCPU111(制御手段に相当)と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117(記憶手段に相当)とが設けられている。
ROM116には、上記端末118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記サーマルヘッド23及び搬送用モータ119を駆動する印字駆動制御プログラムと、印字終了した場合に印字済みラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し上記カッターモータ43を駆動して印字済みラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラムと、切断された印字済みラベル用テープ109(=印字ラベルL)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラムと、その他印字ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラム(後述の図12、図22のフローに示す印刷物作成プログラムを含む)が格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行い、印字ラベル作成装置1全体の制御を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、端末118から入力された印字データ(後述の第1印字データ、第2印字データを含む)が格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンがドットパターンデータとして格納され、サーマルヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データ等が記憶される。
入出力インターフェース113には、上記端末118と、サーマルヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、上記カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記カートリッジ7の種類を検出する上記カートリッジセンサ81とが接続されている。
このような制御回路110を核とする制御系において、端末118を介して印字データが入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、サーマルヘッド23が上記印刷駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い(詳細は後述)、これと同期して搬送用モータ119が上記搬送用モータ駆動回路121を介して駆動され、印字済みラベル用テープ109の搬送を行う。上記ドットパターンデータの印字が終了したら、印字済ラベル用テープ109の搬送が停止され、カッターモータ43が上記カッターモータ駆動回路122を介して駆動されることで切断機構15により印字済ラベル用テープ109の切断が行われる。その後、テープ排出モータ65が上記テープ排出モータ駆動回路123を介して駆動されることで、切断後の印字済ラベル用テープ109、すなわち印字ラベルLが装置外へと排出される。
<サーマルヘッドの通電制御>
ここで、印刷駆動回路120によるサーマルヘッド23の通電制御についてさらに詳細に説明する。サーマルヘッド23は、搬送方向と直交する方向に配列された上記複数の発熱素子(図示省略)を備えている。それら複数の発熱素子は、カバーフィルム103の各印字ライン上に上記印字データに対応したドットを形成することにより、印字R(後述の図7、図8参照)を形成する。具体的には、上記CPU111が、上記端末118の上記操作部118aを介した操作者(ユーザ)の操作により取得された例えば文字列情報から、発熱素子でドットを形成するための印字データ(詳細には後述のライン印字データ)を生成する。すなわち、CPU111は入力された文字列と上記印字バッファ117Bに格納された上記ドットパターンとに基づいて、印刷対象とするデータ(ドット単位のデータで構成されたイメージデータ)を生成し、更にそのデータを、サーマルヘッド23に列設された上記発熱素子で印刷される1ライン単位に分割する。例えば、印刷解像度が360dpiに設定されている場合には1インチ当たり360ラインに分割したライン印字データが生成される。そして、上記印刷駆動回路120が、CPU111からの上記ライン印字データに基づき、サーマルヘッド23に駆動信号を供給し、サーマルヘッド23の駆動態様を制御する。すなわち、印刷駆動回路205は、発熱素子毎に対応付けられたデータレジスタに上記ライン印字データを書き込んだ後、ストローブ信号に基づいて、各発熱素子の通電の時間と周期を制御することで、サーマルヘッド23全体の発熱態様を制御する。この結果、インクリボン105のうちサーマルヘッド23と接触する箇所が発熱素子の加熱により溶融してインクリボンから分離してカバーフィルム103へと転写され、1印字ライン分のドットがカバーフィルム103上において形成される。そして、カバーフィルム103を所望の搬送速度で搬送しつつ、上記加熱発色の処理を1印字ラインずつ繰り返し実行する。サーマルヘッド23に配列された多数の発熱素子はその都度、CPU111から転送される各印字ライン分の印字データに基づいて選択的かつ間欠的に通電される。その結果、カバーフィルム103には、上述した、上記端末118を介した操作者の操作に対応した、操作者が所望するドット画像(テキスト文字など)が印字R(後述の図7、図8参照)として形成される。
<印字ラベルの例>
上記のようにして印字ラベル作成装置1により印字済ラベル用テープ109の切断が完了し形成された上記印字ラベルLの一例を、図7及び図8により説明する。図7及び図8において、印字ラベルLは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっている。すなわち、カバーフィルム103側(図8中上側)よりその反対側(図8中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層が構成されている。この例では、カバーフィルム103に備えられる印字領域S(詳細にはその裏面)に、所望の印字R(この例では「ABC」の文字)が印刷されている。
<実施形態の要部>
本実施形態の要部は、上記のように印字済みラベル用テープ109に含まれる上記カバーフィルム103に印字Rが形成されて印字ラベルLが作成されるとき、印字領域Sに後続する余白領域(後述)を有効活用しテープの無駄をなくすことにある。以下、その手法の詳細を、比較例を用いつつ説明する。
<比較例の手法による印字ラベル作成の流れ>
本実施形態の手法を説明する前に、比較例の手法による印字ラベルLの作成の流れの一例を、図9を参照しつつ説明する。
図9(a)は、印字ラベルLの生成が開始される前の状態に対応する。この状態では、先に生成された印字ラベル(図示せず)の後端部が切断機構15で切断されたことで、カバーフィルム103を含む印字済みラベル用テープ109(以下単に、「テープ103,109」と称する。図示も同様)の先端位置が、上記切断機構15に対向する位置にある。
この状態で、例えば、文字列「ABC」の印字データを用いた印字ラベルの生成が開始される。すなわち、まず、上記テープ送りローラ27等によりテープ103,109の搬送が開始される。そして、テープ103,109の搬送方向位置が、サーマルヘッド23が上記印字領域Sに対向する位置となると、当該印字領域S内にサーマルヘッド23により文字列「ABC」の印字Rの形成が開始される(図9(b)参照)。このとき、前述したように、切断機構15はサーマルヘッド23よりも搬送経路に沿って距離Xだけ下流側に離間して位置しており、それらサーマルヘッド23と切断機構15との間には上記離間距離Xが存在している。この結果、上記図9(a)に示した上記印字ラベルLの作成開始時には、新たな印字形成を行えない余白部分となる余白領域V1が生じている(言い換えれば余白領域V1の長さは、上記距離Xと同一値となる。後述の余白領域V2,V3,V4,・・等も同様)。
これに対応し、上記のようにして新たに印字ラベルLの作成が開始され、印字領域Sへの印字Rの形成が開始された後(図9(b))、上記余白領域V1の後端部Vrが切断機構15に対向した時点(図9(c)参照。言い換えれば上記離間距離Xに対応した搬送距離だけ搬送が行われた時点)で、上記搬送及び印字Rの形成が停止される。この例では、上記文字列「ABC」のうち文字「B」の形成途中で印字形成が中断されている。この搬送・印字形成停止の後、上記余白領域V1の後端部Vrにおいて、テープ103,109が切断機構15により切断され(図9(c)参照)、これによって余白領域V1が後続のテープ103,109から分離されて排出される。
その後、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「ABC」)の形成が終了した後、さらにテープ103,109の搬送は継続され、印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で搬送が停止される。そして当該印字領域Sの後端部Srにおいて、テープ103,109が切断機構15により切断され(図9(d)参照)、これによって印字領域Sが後続のテープ103,109から分離されて排出される。これにより「ABC」の印字Rを備えた1枚目の印字ラベルL1が作成完了する(後述の図10(a)も参照)。なお、この印字ラベルL1は、上記印字領域の搬送方向の長さYo(第1長さに相当)よりも少し大きい、長さYを備えている。
その後、例えば、文字列「DEF」の印字データを用いた印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図9(e)参照)、印字領域S内にサーマルヘッド23により文字列「DEF」の印字Rの形成が開始された後、上記同様、上記離間距離Xだけ搬送が行われて次の余白領域V2の後端部Vrが切断機構15に対向した時点で搬送が停止されてテープ103,109の切断が行われ、さらにその後テープ搬送及び印字Rの形成が再開されて印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で(図9(g)参照)、搬送が停止されてテープ103,109が切断機構15により切断され、後続から分離されて排出される。これにより、「DEF」の印字Rを備えた2枚目の印字ラベルL2が作成完了する(後述の図10(a)も参照)。なお、この印字ラベルL2も、上記同様の長さYを備えている。
その後、例えば、文字列「GHI」の印字データを用いた印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が再開され(図9(h)参照)、印字領域S内にサーマルヘッド23により文字列「GHI」の印字Rの形成が開始された後、上記同様、上記離間距離Xだけ搬送が行われて次の余白領域V3の後端部Vrが切断機構15に対向した時点で搬送が停止されてテープ103,109の切断が行われ、さらにその後テープ搬送及び印字Rの形成が再開されて印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で(図9(j)参照)、搬送が停止されてテープ103,109が切断機構15により切断され、後続から分離されて排出される。これにより、「GHI」の印字Rを備えた3枚目の印字ラベルL2が作成完了する(後述の図10(a)も参照)。なお、この印字ラベルL3も、上記同様の長さYを備えている。
以下、4枚目以降のラベル作成についても同様の流れで作成が行われるため(図9(k)参照)、詳細な図示及び説明を省略する。
上記図9(a)〜(k)に示した比較例の手法により印字ラベルL1,L2,L3,・・が作成される場合、印字ラベルL1が作成完了したとき(図9(d)参照)、印字ラベルL2が作成完了したとき(図9(g)参照)、印字ラベルL3が作成完了したとき(図9(j)参照)、・・において、印字ラベルL1,L2,L3それぞれの搬送方向下流側に未印字状態で残された上記余白領域V1,V2,V3が、一緒に排出されることとなり、無駄である(図10(a)参照)。
<第1実施形態の手法による印字ラベル作成の流れ>
そこで、本実施形態では、上記余白領域Vに所望の定型印字Rf(後述)を形成する。その詳細を、上記図9に対応する図11により説明する。
まず、図11(a)及び図11(b)は、上記比較例の図9(a)、図9(b)及び図9(c)とほぼ同様である。すなわち、文字列「ABC」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いて印字ラベルの生成が開始されると、テープ103,109の搬送が開始される。そして、テープ103,109の搬送方向位置が、サーマルヘッド23が上記印字領域Sに対向する位置となると、当該印字領域S内に文字列「ABC」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成が開始される。上記余白領域V1の後端部Vrが切断機構15に対向した時点で(言い替えれば印字領域S内への印字Rの形成途中で。図11(b)参照)、上記搬送及び印字Rの形成が停止され、上記後端部Vrにおいて、テープ103,109が切断機構15により切断され、余白領域V1が分離されて排出される(図10(b)参照)。上記同様、上記余白領域V1の長さは上記離間距離Xと同一とである(後述の余白領域V2,V3,・・等も同様)。
その後、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、(上記図11(a)の印字形成開始時から上記長さYoだけ搬送が完了した時点で)上記印字領域Sへの印字R(文字列「ABC」)の形成が終了する。その後、さらにテープ103,109を上記長さX(第2長さに相当)だけ搬送しつつ、印字領域Sの搬送方向上流側に後続する上記余白領域V2に対し、予めRAM117等に記憶された、例えば文字列「MIURA」の印字データ(第2印字データの一例に相当)に基づく定型印字Rf(図示の場合「MIURA」の文字列)が形成される(図11(c)参照)。
その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止される(図11(d)参照)。そして、文字列「ABC」を備えた当該印字領域Sの後端部Sr(言い換えれば搬送方向上流側の端部)において、テープ103,109が切断機構15により切断され、これによって印字領域Sが後続のテープ103,109(長さXを備え上記「MIURA」の定型印字Rfを備えた余白領域V2を含む)から分離されて排出される。これにより文字列「ABC」を備えた1枚目の印字ラベルL1が作成完了する(図10(b)参照)。
その後、上記同様、文字列「DEF」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いた印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図11(e)参照)、印字領域S内への文字列「DEF」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成途中でテープ103,109の搬送・印字Rの形成を停止して上記余白領域V2の後端部Vrでテープ103,109が切断されて余白領域V2が分離されて排出される(図11(f)及び図10(b)参照)。
その後、上記同様、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「DEF」)の形成が終了し、さらにテープ103,109が上記長さXだけ搬送されつつ印字領域Sに後続する上記余白領域V3に対し上記と同じ文字列「MIURA」の印字データに基づく定型印字Rf(「MIURA」の文字列)が形成される。その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止され(図11(g)参照)、後端部Srにおいてテープ103,109が切断される。これによって文字列「DEF」を備えた印字領域Sが後続のテープ103,109(長さXを備え上記「MIURA」の定型印字Rfを備えた余白領域V3を含む)から分離され、文字列「DEF」を備えた2枚目の印字ラベルL2が作成完了する(図10(b)参照)。
さらにその後、上記同様、文字列「GHI」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いた印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図11(h)参照)、印字領域S内への文字列「GHI」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成途中でテープ103,109の搬送・印字Rの形成を停止して上記余白領域V3の後端部Vrでテープ103,109が切断されて余白領域V3が分離されて排出される(図11(i)及び図10(b)参照)。
その後、上記同様、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「GHI」)の形成が終了し、さらにテープ103,109が上記長さXだけ搬送されつつ印字領域Sに後続する上記余白領域V4に対し上記と同じ文字列「MIURA」の印字データに基づく定型印字Rf(「MIURA」の文字列)が形成される。その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止され(図11(j)参照)、後端部Srにおいてテープ103,109が切断される。これによって文字列「GHI」を備えた印字領域Sが後続のテープ103,109(長さXを備え上記「MIURA」の定型印字Rfを備えた余白領域V4を含む)から分離され、文字列「GHI」を備えた3枚目の印字ラベルL3が作成完了する(図10(b)参照)。
以下、4枚目以降のラベル作成についても同様の流れで作成が行われるため(図11(k)参照)、詳細な図示及び説明を省略する。
<制御手順>
次に、上記手法を実現するために、上記印刷物作成プログラムに基づき本実施形態の印字ラベル作成装置1の上記CPU111が実行する制御内容を、図12により説明する。
図12に示すフローにおいて、例えば上記端末118を介し印字ラベル作成装置1による所定のラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まず、ステップS3で、CPU111は、上記端末118から、上記ラベル作成操作に対応したラベル作成指令を受信する。なお、このラベル作成指令には、上記端末118での操作者の操作により生成された、上記印字Rに対応する印字データ(第1印字データに相当。前述の例では文字列「ABC」「DEF」「GHI」…)が含まれている。なお、印字ラベル作成装置1に上記操作が可能な操作部が設けられている場合は、このステップS3では、上記操作部の操作により生成された(上記印字データを含む)ラベル作成指令を受信してもよい。
その後、ステップS5で、CPU111は、上記端末118での操作者の操作により生成された、上記定型印字Rfに対応する定型印字データ(前述の例では文字列「MIURA」)を取得し、RAM117に記憶する。なお、印字ラベル作成装置1に上記操作が可能な操作部が設けられている場合は、このステップS5では、上記操作部の操作により生成された上記定型印字データを取得してもよい。このステップS5が、各請求項記載のデータ記憶処理に相当する。
その後、ステップS70で、CPU111は、切断機構15による切断動作の実行(後述)を表すフラグFを0に初期化する。その後、ステップS75に移る。
ステップS75では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ119の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びテープ圧接ローラ28により接着されて一体化されて印字済ラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらに印字ラベル作成装置1外方向へと搬送開始される。
その後、ステップS80において、CPU111は、上記ステップS3で受信したラベル作成指令に含まれた上記印字データ(以下適宜、単に「第1印字データ」という)に基づき、適宜の公知の手法(例えばパルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)により、上記カバーフィルム103が、印字領域S内において印字Rの形成を開始すべき位置にサーマルヘッド23が対向する状態となる、印字開始位置まで搬送されたかどうかを判定する。印字開始位置に到達するまで判定が満たされず(S80:No)ループ待機し、印字開始位置に到達したら判定が満たされて(S80:Yes)、ステップS85に移る。
ステップS85では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の発熱素子に通電して、カバーフィルム103の上記印字領域Sに、上記第1印字データに対応した印字R(上記の例では「ABC」「DEF」「GHI」…等の文字列。なお、文字列でなく記号、バーコード、QRコード(登録商標)等であってもよい)の形成を開始する。
その後、ステップS90に移り、CPU111は、上記フラグFが1であるか否かを判定する。後述のステップS105で切断が実行されステップS110でF=1となっていればステップS90の判定が満たされ(S90:Yes)、後述のステップS120に移る。F=0のままであればステップS90の判定が満たされず(S90:No)、ステップS95に移る。
ステップS95では、CPU111は、上記第1印字データに基づき、上記ステップS80と同様の公知の手法により、上記印字済ラベル用テープ109が、上記余白領域V(最初は余白領域V1。以降順次、余白領域V2,V3,・・となる。以下同様)の後端部Vrが切断機構15の可動刃41に対向する状態となる、余白切断位置まで搬送されたかどうかを判定する。余白切断位置に到達していなければ判定が満たされず(S95:No)後述のステップS120に移り、到達していれば判定が満たされて(S95:Yes)ステップS100に移る。
ステップS100では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済ラベル用テープ109、基材テープ110、カバーフィルム103の搬送(以下適宜、単に「テープ搬送」という)を停止する。これにより、上記余白領域Vの後端部Vrに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのときCPU111は、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の通電を停止して、上記印字Rの形成を停止(中断)する。
その後、ステップS105で、CPU111は、入出力インターフェース113を介しカッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、上記余白領域Vの後端部Vrにおいて、印字済ラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)する。なお、ステップS100、ステップS105、ステップS110が、各請求項記載の第2切断処理に相当する。
そして、ステップS110において、CPU111は、上記フラグFを1とする。その後、ステップS115に移る。
ステップS115では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて上記テープ搬送を再開するとともに、上記のようにして切断された余白領域Vをラベル排出口11へ向かって搬送し、ラベル排出口11から印字ラベル作成装置1外へと排出させる。その後、ステップS120に移る。
ステップS120では、CPU111は、上記第1印字データに基づき、カバーフィルム103が、印字領域S内において印字Rの形成を終了すべき位置にサーマルヘッド23が対向する状態となる、印字終了位置まで到達したか否かを判定する。このときの判定も、前述と同様、公知の方法で検出すればよい。印字終了位置に到達するまでは判定が満たされず(S120:No)、上記ステップS85に戻って同様の手順を繰り返す。なお、上記ステップS85、ステップS90、ステップS95、ステップS115、ステップS120が、各請求項記載の第1印字形成処理に相当する。印字終了位置に到達したら判定が満たされ(S120:Yes)、ステップS125に移る。
ステップS125では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23への通電を停止して、上記ステップS85で開始した、上記印字Rの印刷を終了する。その後、ステップS130に移る。
ステップS130では、CPU111は、上記ステップS80と同様の公知の手法により、上記カバーフィルム103が、上記余白領域V(最初は余白領域V2。以降順次、余白領域V3,V4,・・となる)上記定型印字Rfの形成を開始すべき位置にサーマルヘッド23が対向する状態となる、余白印字開始位置まで搬送されたかどうかを判定する。余白印字開始位置に到達していない間は判定が満たされず(S130:No)ループ待機し、到達したら判定が満たされて(S130:YES)ステップS135に移る。なお、前述の例では、このステップS130の判定は、上記ステップS125のデータ印字終了と略同時のタイミングで実行されることとなる。
ステップS135では、CPU111は、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の発熱素子に通電して、カバーフィルム103の余白領域V(最初は余白領域V2。以降順次、余白領域V3,V4,・・となる)に、所定の定型印字Rf(上記の例では「MIURA」の文字列。なお、文字列でなく記号、バーコード、QRコード等であってもよい)の形成を行う。なお、このステップS135が各請求項記載の第2印字形成処理に相当する。
その後、ステップS140では、CPU111は、上記第2印字データに基づき、カバーフィルム103が、上記余白領域Vの上流側端部位置にサーマルヘッド23が対向する状態となる、印字終了位置まで到達したか否かを判定する。このときの判定も、前述と同様、公知の方法で検出すればよい。印字終了位置に到達するまでは判定が満たされず(S140:No)、上記ステップS135に戻って同様の手順を繰り返す。印字終了位置に到達したら判定が満たされ(S140:Yes)、ステップS145に移る。
ステップS145では、CPU111は、上記ステップS125と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の通電を停止して、上記ステップS135で開始した上記定型印字Rfの印刷を終了する。その後、ステップS150に移る。
ステップS150では、CPU111は、上記ステップS95及びステップS130と同様の公知の手法により、上記印字済ラベル用テープ109が、上記印字領域Sの後端部Srが切断機構15の可動刃41に対向する状態となる、印字領域切断位置まで搬送されたかどうかを判定する。印字領域切断位置に到達していない間は判定が満たされず(S150:No)ループ待機し、到達したら判定が満たされて(S150:YES)ステップS155に移る。
ステップS155では、CPU111は、上記ステップS100と同様、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ搬送を停止する。これにより、上記印字領域Sの後端部Srに切断機構15の可動刃41が正対した状態でテープ搬送が停止する。
その後、ステップS160で、CPU111は、上記ステップS105と同様、カッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、印字済ラベル用テープ109の上記印字領域Sの後端部Srを切断する。これにより印字ラベルL(上記の例では最初は「ABC」の印字ラベルL1。以降順次、「DEF」の印字ラベルL2、「GHI」の印字ラベルL3、・・となる)が生成される。なお、ステップS160が、各請求項記載の第1切断処理に相当する。
その後、ステップS165で、CPU111は、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65を駆動して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が開始されて、上記のようにして生成された印字ラベルLがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11から印字ラベル作成装置1外へと排出される。
その後、ステップS170で、CPU111は、上記ステップS3で受信したラベル作成指令で作成を指示された全ての印字ラベルLが作成されたか否かを判定する。全ての印字ラベルLの作成がまだ完了していない間は判定が満たされず(S170:No)、前述のステップS70に戻って同様の手順を繰り返す。全ての印字ラベルLの作成が完了していれば判定が満たされて(S170:YES)、このフローを終了する。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、上記第1印字形成処理において、テープ103,109を上19記長さYoだけ搬送しつつ印字領域Sに対し所望の印字Rを形成するとともに、上記第2印字形成処理においてテープ103,109を上記長さXだけ搬送しつつ、上記余白領域V2,V3,V4,・・(以下適宜、「余白領域V2等」と称する)に対し、上記RAM117に記憶された第2印字データに基づき定型印字Rfを形成する(図11(a)〜(c)参照)。そしてその後の上記第1切断処理において、テープ103,109の搬送を停止し、印字領域Sの搬送方向上流側の端部を切断して、印字ラベルL1,L2,L3,・・を生成する(図11(d)参照)。
このような処理とすることで、上記第1切断処理での切断で印字Rを備えた1つの印字ラベルL1,L2,L3,・・の作成が完了したとき、その上流側に後続するカバーフィルム103の余白領域V2,V3,V4,・・に定型印字Rfを形成することができる(図10(b)参照)。この結果、従来手法のように未印字状態で残す場合(図10(a)参照)に比べ、被印字テープの無駄をなくし、有効活用することができる。
また、本実施形態では特に、上記第1印字形成処理で印字領域Sに対し印字Rを形成している途中で、テープ103,109の搬送を停止し、その停止状態で、余白領域V2等の搬送方向上流側の端部を切断する上記第2切断処理が実行される。これにより、1つの印字ラベルL1,L2,L3,・・の作成時に定型印字Rfを行った余白領域V2,V3,V4,・・を、次の新たな1つの印字ラベルL2,L3,L4,・・の作成時に印字ラベル作成装置1外へ排出し、取り出すことができる。
また、本実施形態では特に、余白領域Vの搬送方向に沿った長さが、切断機構15とサーマルヘッド23との距離Xに応じた値(この例では距離Xと同一値)に固定的に設定される。すなわち、切断機構15とサーマルヘッド23との間に存在している上記所定距離X分の余白領域V2等に対し、定型印字Rfを形成して有効活用することができる。
なお、上記第1実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1−1)複数種類の定型印字から適宜に1つが選択される場合
上記実施形態で定型印字Rは文字列「MIURA」の1種類だけに固定されていたのに代えて、変形例においては、複数種類が予め用意されている。すなわち、図13に示すように、上記RAM117に、複数種類の定型印字Rfを行うための上記第2印字データが記憶されている。この例では、上記実施形態同様の文字列「MIURA」に加え、文字列「DAISUKE」、文字列「DAISUKE−MIURA」の3つの第2印字データが記憶されている。そして、本変形例ではこれらの中から上記端末118からの操作により操作者が適宜に選択した第2印字データ(言い替えれば文字列)が使用されて、定型印字Rfが行われる。なお、上記のように操作者の選択ではなく、適宜のルールによって複数の上記第2印字データの中から自動的に1つのデータが選択されるようにしても良い。
図14(a)は、上記「MIURA」が選択された例を示しており、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「MIURA」の余白領域V2、文字列「MIURA」の余白領域V3、…が順次作成される。
図14(b)は、上記「DAISUKE」が選択された例を示しており、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「DAISUKE」の余白領域V2、文字列「DAISUKE」の余白領域V3、…が順次作成される。
図14(c)は、上記「DAISUKE−MIURA」が選択された例を示しており、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「DAISUKE−MIURA」の余白領域V2、文字列「DAISUKE−MIURA」の余白領域V3、…が順次作成される。
以上のように、本変形例においては、定型印字Rfを行うための第2印字データが複数用意され、その中から適宜に選択されたものを使用して定型印字Rfが形成される。これにより、この結果、定型印字Rfの内容が1種類しかない場合に比べ応用性を拡大し、操作者にとっての利便性を向上することができる。
(1−2)複数種類の定型印字からテープ幅に応じて1つが選択される場合
本変形例では、上記変形例(1−1)と同様に定型印字Rのための第2印字データが予め複数種類用意されている。そして、それら複数種類の第2印字データのうちの1つが、テープ103,109の幅寸法に応じて選択されるようになっている。
すなわち、上記図13に対応する図15に示すように、本変形例においても、上記RAM117に、文字列「MIURA」、文字列「DAISUKE」、文字列「DAISUKE−MIURA」の3つの第2印字データが記憶されている。そして、本変形例ではこれら3つが、それぞれテープ103,109の幅寸法の大きさと対応づけられており、上記幅寸法が小さい場合は文字列「MIURA」、上記幅寸法が中程度である場合は文字列「DAISUKE」、上記幅寸法が大きい場合は文字列「DAISUKE−MIURA」がそれぞれ選択されて使用され、定型印字Rfが行われる。
図16(a)は、テープ103,109の幅寸法が比較的小さく上記「MIURA」が自動選択されて使用された例を示しており、上記図13(a)と同様、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「MIURA」の余白領域V2、文字列「MIURA」の余白領域V3、…が順次作成される。
図16(b)は、テープ103,109の幅寸法が中程度で上記「DAISUKE」が自動選択されて使用された例を示しており、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「DAISUKE」の余白領域V2、文字列「DAISUKE」の余白領域V3、…が順次作成される。
図16(c)は、テープ103,109の幅寸法が比較的大きく上記「DAISUKE−MIURA」が選択されて使用された例を示しており、文字列「ABC」の印字ラベルL1、文字列「DEF」の印字ラベルL2、文字列「EFG」の印字ラベルL1、…が作成されるのに加え、文字列「DAISUKE−MIURA」の余白領域V2、文字列「DAISUKE−MIURA」の余白領域V3、…が順次作成される。なお、この場合、テープ幅が比較的大きいことに対応して、上記CPU111の制御により、図示のように、正対する向きがテープ103,109の幅方向となるように(文字列がテープ幅方向に沿って横書きされるように)定型印字Rfが形成される。
以上のように、本変形例においては、幅寸法が互いに異なる複数種類のテープ103,109を用いる場合に、各テープの幅寸法に好適な第2印字データが自動的に選択され定型印字Rfを行うことができる。また、(この例ではテープ103,109の幅寸法が大きい場合に)文字列がテープ幅方向に形成されことにより、例えば当該文字列の文字数が比較的多かったり、余白領域V2等の長さ(前述の例では長さX)が比較的短い場合であっても、見栄えの良い形で確実に余白領域V2等に定型印字を形成することができる。
(1−3)余白領域の長さを可変にした場合
上記実施形態で上記余白領域V2等の長さが上記距離Xと同値に固定されていたのに代え、本変形例では、上記変形例(1−1)及び(1−2)で前述したように選択された1つの第2印字データの内容に応じ(言い替えれば、例えば文字数に応じて)、上記余白領域V2等の長さが上記CPU111によって可変に自動設定される。但し、その際、上記余白領域V2等の長さは、必ず上記距離X以上の値となるように設定される。
図17(a)は、上記図14(a)と同様、上記「MIURA」が選択された例を示しており、文字列「ABC」「DEF」「EFG」の印字ラベルL1,L2,L3…と、上記同様に搬送方向における長さが距離Xである、文字列「MIURA」の余白領域V2,V3、…とが作成される。
図17(b)は、上記図14(b)と同様、上記「DAISUKE」が選択された例を示しており、文字列「ABC」「DEF」「EFG」の印字ラベルL1,L2,L3…と、文字数がやや多いことに対応して搬送方向における長さが距離X+△X(例えば△XはXよりも小さい正の値に予め設定されている)とされた、文字列「DAISUKE」の余白領域V2,V3、…とが作成される。
図17(c)は、上記図14(c)と同様、上記「DAISUKE−MIURA」が選択された例を示しており、文字列「ABC」「DEF」「EFG」の印字ラベルL1,L2,L3…と、文字数がさらに多いことに対応して搬送方向における長さが距離X+2△Xとされた、文字列「DAISUKE−MIURA」の余白領域V2,V3、…とが作成される。
本変形例においては、上述のように、形成される定型印字Rfの文字数に応じて、余白領域V2等の搬送方向における長さを適宜に設定することができる。
本発明の第2実施形態及びその変形例を図18〜図24により説明する。上記第1実施形態及びその変形例を同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
<システム構成>
本実施形態のおける印字ラベル作成システムTSを、上記第1実施形態の図1に対応する図18に示す。図18に示すように、この第2実施形態では、印字ラベル作成装置1は、通信回線NWを介して、上記端末118と同等の構成を備えた複数(この例では4つ)の端末118A,118B,118C,118Dに接続されている。すなわち、1つの印字ラベル作成装置1が、各端末118A〜Dをそれぞれ操作するN人(Nは2以上の整数。この例ではN=4)の操作者によって共有されて使用される。
この例では、上記4人の操作者は、「三浦」「井納」「石田」「三嶋」の4名である。本実施形態では、図19(a)に示すように、「三浦」さんが上記端末118Aを用いて文字列「ABC」の印字ラベルL1を作成する作成指令(図中では「ABC指令」と略示。以下同様)を送信し、「井納」さんが上記端末118Bを用いて文字列「DEF」の印字ラベルL2を作成する作成指令を送信し、「石田」さんが上記端末118Cを用いて文字列「FGH」の印字ラベルL3を作成する作成指令を送信し、「三嶋」さんが上記端末118Dを用いて文字列「IJK」の印字ラベルL4を作成する作成指令を送信した場合を例にとって説明する。この場合、図19(b)に示すように、これら4つの作成指令(上記印字Rのための第1印字データとしての文字列「ABC」「DEF]「GHI」「JKL」をそれぞれ含む)と、各端末118A〜Dの識別情報すなわち使用者名(上記「三浦」「井納」「石田」「三嶋」)とが、CPU111内にスプールされる。そして、4名のうちの3名(この例では「三浦」さんを除く「井納」「石田」「三嶋」の3名)については、CPU111により、上記定型印字Rfのための第2印字データとして、各操作者の氏名に相当する文字列「INOH」「ISHIDA」「MISHIMA」が対応づけられて生成される。
図20はこのときにCPU111が認識する、各操作者(端末使用者)の氏名と、対応する上記印字Rの文字列に係わる第1データと、対応する上記定型印字第2データとの関係を表している。前述のように、端末118Aを使用する「三浦」さんには、文字列「ABC」の印字Rを形成する第1データが対応づけられている。端末118Bを使用する「井納」さんには、文字列「DEF」の印字Rを形成する第1データと文字列「INOH」の定型印字Rfを形成する第2データとが対応づけられている。端末118Cを使用する「石田」さんには、文字列「GHI」の印字Rを形成する第1データと文字列「ISHIDA」の定型印字Rfを形成する第2データとが対応づけられている。端末118Dを使用する「三嶋」さんには、文字列「JKL」の印字Rを形成する第1データと文字列「MISHIMA」の定型印字Rfを形成する第2データとが対応づけられている。
<第2実施形態の手法による印字ラベル作成の流れ>
CPU111における上記スプール状態に基づく、本実施形態の印字ラベル作成の流れを、上記第1実施形態の図11に対応する図21により説明する。
<三浦さんの「ABC」ラベルの作成>
まず、図21(a)及び図21(b)は、上記第1実施形態の図11(a)、図11(b)と同様である。すなわち、「三浦」さんが使用する上記端末118Aからの作成指令に含まれる文字列「ABC」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いて(図19(c)参照)印字ラベルの生成が開始されると、テープ103,109の搬送が開始される。そして、テープ103,109の搬送方向位置が、サーマルヘッド23が上記印字領域Sに対向する位置となると、当該印字領域S内に文字列「ABC」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成が開始される。上記余白領域V1の後端部Vrが切断機構15に対向した時点で(図21(b)参照)、上記搬送及び印字Rの形成が停止されて上記後端部Vrにおいてテープ103,109が切断され、余白領域V1が分離されて排出される(図21(b)及び図19(d)参照)
その後、上記搬送及び印字Rの形成が再開されて上記印字領域Sへの印字R(文字列「ABC」)の形成が終了した後、さらにテープ103,109を上記長さXだけ搬送しつつ、印字領域Sに後続する上記余白領域V2に対し、「井納」さんが使用する上記端末118Bからの作成指令に対応して文字列「INOH」の印字データ(第2印字データの一例に相当)に基づく定型印字Rf(「INOH」の文字列。定型印字の一例に相当)が形成される(図21(c)参照)。
その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で搬送が停止され、文字列「ABC」を備えた当該印字領域Sの後端部Srにおいて、テープ103,109が切断機構15により切断される。この結果、印字領域Sが後続のテープ103,109(上記「INOH」の定型印字Rfを備えた余白領域V2を含む)から分離されて排出される。これにより、「三浦」さんが意図する、文字列「ABC」を備えた1枚目の印字ラベルL1が作成完了する(図21(c)及び図19(d)参照)。
<井納さんの「DEF」ラベルの作成>
その後、上記同様、「井納」さんが使用する上記端末118Bからの作成指令に含まれる文字列「DEF」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いた(図19(c)参照)印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図21(d)参照)、印字領域S内への文字列「DEF」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成途中でテープ103,109の搬送・印字Rの形成を停止して上記余白領域V2の後端部Vrでテープ103,109が切断されて文字列「INOH」を備えた余白領域V2が分離されて排出される(図21(e)及び図19(d)参照)。
その後、上記同様、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「DEF」)の形成が終了し、さらにテープ103,109が長さXだけ搬送されつつ印字領域Sに後続する上記余白領域V3に対し、「石田」さんが使用する上記端末118Cからの作成指令に対応して文字列「ISHIDA」の印字データ(第2印字データの一例に相当)に基づく定型印字Rf(「ISHIDA」の文字列。定型印字の一例に相当)が形成される(図21(f)参照)。その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止され、後端部Srにおいてテープ103,109が切断される。これによって文字列「DEF」を備えた印字領域Sが後続のテープ103,109(上記「ISHIDA」の定型印字Rfを備えた余白領域V3を含む)から分離されて排出される。これにより、「井納」さんが意図する、文字列「DEF」を備えた2枚目の印字ラベルL2が作成完了する(図21(f)及び図19(d)参照)。
<石田さんの「GHI」ラベルの作成>
さらにその後、上記同様、「石田」さんが使用する上記端末118Cからの作成指令に含まれる文字列「GHI」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いた(図19(c)参照)印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図21(g)参照)、印字領域S内への文字列「GHI」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成途中でテープ103,109の搬送・印字Rの形成を停止して上記余白領域V3の後端部Vrでテープ103,109が切断されて文字列「ISHIDA」を備えた余白領域V3が分離されて排出される(図21(h)及び図19(d)参照)。
その後、上記同様、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「GHI」)の形成が終了し、さらにテープ103,109が上記長さXだけ搬送されつつ印字領域Sに後続する上記余白領域V4に対し、「三嶋」さんが使用する上記端末118Dからの作成指令に対応して文字列「MISHIMA」の印字データ(第2印字データの一例に相当)に基づく定型印字Rf(「MISHIMA」の文字列。定型印字の一例に相当)が形成される(図21(i)参照)。その後、上記定型印字Rfの形成完了とともに印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止され、後端部Srにおいてテープ103,109が切断される。これによって文字列「GHI」を備えた印字領域Sが後続のテープ103,109(上記「MISHIMA」の定型印字Rfを備えた余白領域V4を含む)から分離されて排出される。これにより、「石田」さんが意図する、文字列「GHI」を備えた3枚目の印字ラベルL3が作成完了する(図21(i)及び図19(d)参照)。
<三嶋さんの「JKL」ラベルの作成>
さらにその後、上記同様、「三嶋」さんが使用する上記端末118Dからの作成指令に含まれる文字列「JKL」の印字データ(第1印字データの一例に相当)を用いた(図19(c)参照)印字ラベルの生成が開始される。すなわち上記同様にテープ103,109の搬送が開始され(図21(j)参照)、印字領域S内への文字列「JKL」の印字R(データ印字の一例に相当)の形成途中でテープ103,109の搬送・印字Rの形成を停止して上記余白領域V4の後端部Vrでテープ103,109が切断されて文字列「MISHIMA」を備えた余白領域V4が分離されて排出される(図21(k)及び図19(d)参照)。
その後、上記同様、上記搬送及び印字Rの形成が再開され、上記印字領域Sへの印字R(文字列「JKL」)の形成が終了し、印字領域Sの後端部Srが切断機構15に対向した時点で、搬送が停止され、後端部Srにおいてテープ103,109が切断される。これによって文字列「JKL」を備えた印字領域Sが後続のテープ103,109から分離されて排出される。これにより、「三嶋」さんが意図する、文字列「JKL」を備えた4枚目の印字ラベルL4が作成完了する(図21(l)及び図19(d)参照)。
なお、以上では、「三浦」さんの端末118Aからのラベル作成指令→1枚目の印字ラベルL1作成、「井納」さんの端末118Bからのラベル作成指令→2枚目の印字ラベルL2作成、「石田」さんの端末118Cからのラベル作成指令→3枚目の印字ラベルL3作成、「三嶋」さんの端末118Dからのラベル作成指令→4枚目の印字ラベルL4作成、という対応付けとなっている。しかしながら、本実施形態では、上述のようにすべてのラベル作成指令を一旦スプールした後に、全印字ラベルL1〜L4を順次作成することから、上記の順番(対応付け)は一例に過ぎず、別の対応付けとしてもよい。すなわち、各ラベル作成指令に基づく印字ラベルをどの順番で作成するかについては、上記のようにラベル作成指令の受付順序に沿ってCPU111が決定してもよいし、上記受付順序と無関係にCPU111で適宜に決定しても良い。
<制御手順>
次に、上記手法を実現するために、上記印刷物作成プログラムに基づき本実施形態の印字ラベル作成装置1の上記CPU111が実行する制御内容を、上記第1実施形態の図12に対応する図22により説明する。
図22に示すフローでは、上記図12のフローにおける、ステップS3、ステップS5、ステップS85、ステップS125、ステップS135、ステップS145、ステップS150、ステップS170に代えて、ステップS3′、ステップS5′、ステップS85′、ステップS125′、ステップS135′、ステップS145′、ステップS150′、ステップS170′がそれぞれ設けられると共に、ステップS5′とステップS70とのの後に新たにステップS7が設けられ、ステップS170′とステップS70との間に、新たにステップS175が設けられる。
すなわち、まず、上記ステップS3′で、CPU111は、N個(Nは2以上の整数。前述の例ではN=4)の上記端末118それぞれから、N個の上記ラベル作成指令を受信する。各ラベル作成指令には、各端末118で生成された、上記印字Rに対応する印字データ(前述の例では端末118A〜Dからの文字列「ABC」「DEF」「GHI」「JKL」)が含まれている。
その後、上記ステップS5′で、CPU111は、各端末118A〜Dの操作者に対応して、上記定型印字Rfに対応する定型印字データ(前述の例では文字列「MIURA」「INOH」「ISHIDA」「MISHIMA」)を生成して取得し、RAM117に記憶する。なお、前述のように一番目の印字ラベルL1に対応する上記「MIURA」については(使用しないことから)生成・記憶を省略しても良い。このステップS5′が、各請求項記載のデータ記憶処理に相当する。
その後、新たに設けたステップS7で、CPU111は、印字データの順番を表す変数kを1とした後、前述と同様のステップS70で、CPU111は、上記第1実施形態と同様の切断機構15による切断動作の実行を表すフラグFを0に初期化する。その後、ステップS75に移る。
ステップS75及びステップS80は上記図12と同様であり、上記テープ103,109の搬送が開始されると共に、前述の印字開始位置まで搬送されたかどうかが判定される。その後、ステップS85′に移る。
ステップS85′では、CPU111は、上記図12のステップS85と同様、サーマルヘッド23の発熱素子に通電して、カバーフィルム103の上記印字領域Sに、k番目の印字ラベルに対応した上記第1印字データによる印字R(上記の例では「ABC」「DEF」「GHI」「JKL」…等の文字列。なお、文字列でなく記号、バーコード、QRコード等であってもよい)の形成を開始する。例えば最初のk=1である場合には、上記印字ラベルL1に係わる「MIURA」の印字Rの形成が開始される。
その後、ステップS90〜ステップS120は上記図12と同様である。すなわち、フラグF=1かの判定の後、印字済ラベル用テープ109が余白切断位置まで搬送されたかどうかが判定され、判定が満たされたらテープ搬送を停止して余白領域Vの後端部Vrの切断(分断)が行われる(上記第1実施形態と同様、ステップS100、ステップS105、ステップS110が、各請求項記載の第2切断処理に相当する)。フラグF=1とした後、テープ搬送が再開されて切断された余白領域Vを排出した後、カバーフィルム103が印字終了位置まで到達したか否かが判定される(上記ステップS85′、ステップS90、ステップS95、ステップS115、ステップS120が、各請求項記載の第1印字形成処理に相当する)。印字終了位置に到達したら、ステップS125′に移る。
ステップS125′では、CPU111は、上記図12のステップS125と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23への通電を停止して、上記ステップS85′で開始した、k番目の印字ラベルに対応した上記第1印字データによる印字Rの形成を終了する。
その後、上記第1実施形態と同様のステップS130で上記カバーフィルム103が上記余白印字開始位置まで搬送されたかどうかを判定した後、ステップS135′に移る。
ステップS135′では、CPU111は、上記ステップS135と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の発熱素子に通電して、カバーフィルム103の余白領域V(最初は余白領域V2。以降順次、余白領域V3,V4,・・となる)に、k+1番目の印字ラベルに対応した上記第2印字データによる定型印字Rf(上記の例で上記k=1である場合は「INOH」の文字列。なお、文字列でなく記号、バーコード、QRコード等であってもよい)の形成を行う。なお、このステップS135′が各請求項記載の第2印字形成処理に相当する。
その後、上記第1実施形態と同様のステップS140で上記カバーフィルム103が上記印字終了位置まで搬送されたかどうかを判定した後、ステップS145′に移る。
ステップS145′では、CPU111は、上記ステップS145と同様、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の通電を停止して、上記ステップS135′で開始したk+1番目の印字ラベルに対応した定型印字Rfの印刷を終了する。その後、ステップS150′に移る。
ステップS150′では、CPU111は、上記図12のステップS150と同様、公知の手法により、上記印字済ラベル用テープ109が、上記印字領域Sの後端部Srが切断機構15の可動刃41に対向する状態となる、印字領域切断位置まで搬送されたかどうかを判定する。印字領域切断位置に到達していない間は判定が満たされず(S150′:No)ループ待機し、到達したら判定が満たされて(S150′:YES)ステップS155に移る。
その後、ステップS155〜ステップS165は上記図12と同様である。すなわち、印字済ラベル用テープ109が余白切断位置まで搬送されたかどうかを判定した後、判定が満たされたらテープ搬送を停止して上記印字領域Sの後端部Srを切断する。そして、生成された印字ラベルL(上記k=1では「ABC」の印字ラベルL1)がラベル排出口11から印字ラベル作成装置1外へと排出される(上記第1実施形態と同様、ステップS160が、各請求項記載の第1切断処理に相当する)。
その後、ステップS170′で、CPU111は、k=Nとなったか、すなわち、上記ステップS3で受信したN個のラベル作成指令で作成を指示された全N枚の印字ラベルL(上記の例では「ABC」「DEF」「GHI」「JKL」の4つの印字ラベルL1〜L4)が作成されたか否かを判定する。k<Nであり上記N枚全ての印字ラベルLの作成がまだ完了していない間は判定が満たされず(S170′:No)、ステップS175でkの値に1を加えた後に前述のステップS70に戻って同様の手順を繰り返す。N枚全ての印字ラベルLの作成が完了していれば判定が満たされて(S170′:YES)、このフローを終了する。
なお、上記図19、図21、図22のフロー等で明らかなように、この実施形態では、上記N個のラベル作成指令(言い替えれば印刷指示)に対応して、上記第1印字形成処理(ステップS85′、ステップS90、ステップS95、ステップS115、ステップS120)、上記第2印字形成処理(ステップS135′)、上記第1切断処理(ステップS160)をこの順序で含む一連の処理(ステップS75〜ステップS165の印刷物作成処理)をk=1から少なくともN−1回繰り返すことにより、n番目(nは1以上N以下の整数)の印字ラベルLを順次作成する。
また、例えば2番目の印字ラベルの作成時の上記第1印字形成処理(フロー2巡目のステップS160)において、印字領域Sに対し対応する特定の1つのラベル作成指令(端末118Bからの指令)に対応した第1印字データに基づく文字列「DEF」の印字Rを形成するとともに、1番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理(フロー1巡目のステップS135′)において、対応する余白領域V2に対し上記特定の1つのラベル作成指令(端末118Bからの指令)に対応した第2印字データに基づく文字列「INOH」の定型印字Rfを形成する。
同様に、3番目の印字ラベルの作成時の上記第1印字形成処理(フロー3巡目のステップS160)において、印字領域Sに対し対応する特定の1つのラベル作成指令(端末118Cからの指令)に対応した第1印字データに基づく文字列「GHI」の印字Rを形成するとともに、2番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理(フロー2巡目のステップS135′)において、対応する余白領域V3に対し上記特定の1つのラベル作成指令(端末118Cからの指令)に対応した第2印字データに基づく文字列「ISHIDA」の定型印字Rfを形成する。
同様に、4番目の印字ラベルの作成時の上記第1印字形成処理(フロー4巡目のステップS160)において、印字領域Sに対し対応する特定の1つのラベル作成指令(端末118Dからの指令)に対応した第1印字データに基づく文字列「JKL」の印字Rを形成するとともに、3番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理(フロー3巡目のステップS135′)において、対応する余白領域V4に対し上記特定の1つのラベル作成指令(端末118Dからの指令)に対応した第2印字データに基づく文字列「MISHIMA」の定型印字Rfを形成する。
すなわち、上記をまとめると、本実施形態では、nが2以上である場合に、n番目の印字ラベルLの作成時の上記第1印字形成処理において、印字領域Sに対し特定の1つのラベル作成指令に対応した第1印字データに基づくデータ印字を形成するとともに、n−1番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理において、上記余白領域V2等に対し上記特定の1つのラベル作成指令に対応した第2印字データに基づく定型印字Rfが形成されることとなる。
なお、端末118の使用者が5人以上いる場合の5枚目以降のラベル作成についても同様の流れで作成が行われるため、詳細な図示及び説明を省略する。
<実施形態の効果>
上述したように、以上のように構成した本実施形態においては、印字ラベル作成装置1は、例えばN人(上記の例ではN=4。以下このN=4の場合を例にとって説明)の操作者によって共有されて使用される。4人の操作者それぞれからのラベル作成指令が受信されると、それぞれに対応した印字データ(第1印字データ及び第2印字データ)が作成され、適宜にCPU111内にスプールされる。そして、上記第1印字形成処理、上記第2印字形成処理、上記第1切断処理等の一連の処理(ステップS75〜ステップS165の印刷物作成処理)が4回繰り返されることで、4枚の印字ラベルL1〜L4が生成される。
すなわち、1番目(k=1)の印字ラベルL1の作成時には、前述の切断機構15とサーマルヘッド23との間の所定距離X分の余白領域V1には何も印字されず(図21(b)参照)、上記第1印字形成処理において印字領域Sに対し当該1番目のラベル作成指令に対応した「ABC」の上記第1印字データに基づく「ABC」の印字Rが形成され(=1番目の印字ラベルL1の生成)、その後の上記第2印字形成処理において余白領域V2に対し2番目(次の順番であるk=2)のラベル作成指令に対応した上記第2印字データに基づく「INOH」の定型印字Rfが形成される(図21(c)参照)。
その後、2番目(k=2)の印字ラベルL2の作成時には、上記第1印字形成処理において印字領域Sに対し当該2番目のラベル作成指令に対応した「DEF」の上記第1印字データに基づく「DEF」の印字Rが形成され(=2番目の印字ラベルL2の生成)、その後の上記第2印字形成処理において余白領域V3に対し3番目(次の順番となるk=3)のラベル作成指令に対応した上記第2印字データに基づく「ISHIDA」の定型印字Rfが形成される(図21(f)参照)。
そして、3番目(k=N−1)の印字ラベルL3の作成時には、上記第1印字形成処理において印字領域Sに対し当該3番目のラベル作成指令に対応した「GHI」の上記第1印字データに基づく「GHI」の印字Rが形成され(=3番目の印字ラベルL3の生成)、その後の上記第2印字形成処理において余白領域V4に対し4番目(次の順番となるk=N)のラベル作成指令に対応した上記第2印字データに基づく「MISHIMA」の定型印字Rfが形成される(図21(i)参照)。
最後に、4番目(k=N)の印字ラベルL4の作成時には、上記第1印字形成処理において印字領域Sに対し当該4番目のラベル作成指令に対応した上記第1印字データに基づく「JKL」の印字Rが形成され(=4番目の印字ラベルL4の生成)。なお、この場合の上記第2印字形成処理における印字領域Sに後続する余白領域V5に対する上記第2印字データに基づく定型印字Rfの形成は行われない(図21(l)参照)。あるいは上記第2印字形成処理において、余白領域V5に対し、最初の順番となる上記1番目のラベル作成指令に対応した上記第2印字データに基づく「MIURA」の定型印字Rfを形成してもよい。
以上の結果、図19(d)に示すように、4人の操作者についてそれぞれが所望する印字Rが形成された4枚の印字ラベルL1〜L4を得ることができると共に、そのうち少なくとも3人の操作者(この例では井納さん、石田さん、三嶋さん)については、各印字ラベルLの印字内容に対応した内容(この例では各操作者の氏名である文字列「INOH」「ISHIDA」「MISHIMA」。これ以外に、各端末118A〜Dの識別番号等であってもよい)の定型印字Rfを形成した形成物(余白領域V2等)を併せて得ることができる。この結果、特に複数人の操作者で共有して使用する際に、操作者にとっての利便性を向上することができる。
なお、上記第2実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(2−1)余白領域と印字ラベルとに跨る形状の割符印字を形成する場合
すなわち、本変形例では、前述のように、所望の印字Rがそれぞれ形成された複数の印字ラベル(上記の例では3枚の印字ラベルL2,L3,L4。以下適宜、「印字ラベルL2等」と称する)と、それぞれに対応する定型印字Rf(上記の例では文字列「INOH」「ISHIDA」「MISHIMA」)を備えた余白領域(前述の例では余白領域V2,V3,V4)が生成されるとき、CPU111の制御により、各印字ラベルL2〜L4と各余白領域V2〜V4の対応付けを視覚的に明確にするために、割符が形成される。
図23(a)に示す例では、例えば「DEF」の印字ラベルL2の図示左端部(言い換えれば搬送方向下流側端部。以下同様)に左向きの黒塗り三角形の下半分の部分割符W2が形成されるとともに、対応する「INOH」の余白領域V2の図示右端部(言い換えれば搬送方向上流側端部。以下同様)に、上記左向きの黒塗り三角形の上半分の部分割符W1が形成される。これにより、図23(b)に示すように、上記印字ラベルL2の図示左側に上記余白領域V2をくっつけると、上記部分割符W1と上記部分割符W2とが視覚的に連続した、上記左向きの黒塗り三角形からなる割符印字W12が形成される。これにより、上記「DEF」の印字ラベルL2と上記余白領域V2とを視覚的に容易に対応づけることができる。
また同様に、図23(a)において、例えば「GHI」の印字ラベルL3の図示左端部に右向きの黒塗り三角形の上半分の部分割符W4が形成されるとともに、対応する「ISHIDA」の余白領域V3の図示右端部に、上記右向きの黒塗り三角形の下半分の部分割符W3が形成される。これにより、図23(b)に示すように、上記印字ラベルL3の図示左側に上記余白領域V3をくっつけると、上記部分割符W3と上記部分割符W4とが視覚的に連続した、上記右向きの黒塗り三角形からなる割符印字W34が形成される。これにより、上記「GHI」の印字ラベルL3と上記余白領域V3とを視覚的に容易に対応づけることができる。
さらに同様に、図23(a)において、例えば「JKL」の印字ラベルL4の図示左端部に、左向きの黒塗り三角形の下半分の部分割符W7と右向きの黒塗り三角形の上半分の部分割符W8とが形成されるとともに、対応する「MISHIMA」の余白領域V4の図示右端部に、上記左向きの黒塗り三角形の上半分の部分割符W5と上記右向きの黒塗り三角形の下半分の部分割符W6とが形成される。これにより、図23(b)に示すように、上記印字ラベルL4の図示左側に上記余白領域V4をくっつけると、上記部分割符W5と上記部分割符W7、上記部分割符W6と部分割符W8、がそれぞれ視覚的に連続した上記左向きの黒塗り三角形及び右向きの黒塗り三角形からなる割符印字W57,W68がそれぞれ形成される。これにより、上記「GHI」の印字ラベルL3と上記余白領域V3とを視覚的に容易に対応づけることができる。
なお、上記の態様の部分割符の印字形成が行われる場合には、具体的には、上記第2実施形態で説明したように、(nが2以上である場合に)n−1番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理において、余白領域Vに対し所定の割符印字(上記の例では割符印字W12,W34,W56,W78)のうちの一部分である部分割符(上記の例では部分割符W1、部分割符W3、部分割符W5、部分割符W7を形成するとともに、n番目の印刷物の作成時の上記第1印字形成処理において、印字領域Sに対し上記所定の割符印字(上記の例では割符印字W12,W34,W56,W78)のうちの残りの部分となる部分割符(上記の例では部分割符W2、部分割符W4、部分割符W6、部分割符W8)をそれぞれ形成すれば足りる。
以上にように構成した本変形例においては、上記のようにして、それぞれ上記印字Rが形成された複数個の印字ラベルL2等と、それぞれ定型印字Rfが形成された複数の余白領域V2等とが得られるとき、印字ラベルL2等に割符印字W12,W34,W56,W78の一部分である部分印字W2,W4,W6,W8が形成されるとともにこれに対応する余白領域V2等に上記割符印字W12,W34,W56,W78の残り部分である部分印字W1,W3,W5,W7が形成される。すなわち当該印字ラベルL2等と当該余白領域V2等とに跨って1つの割符印字W12,W34,W56,W78が表記される態様となる。この結果、前述のように別々のタイミングで形成される1つの印字ラベルLとこれに対応する1つの余白領域Vとを、視覚的に明確に関連づけることができる。
(2−2)余白領域にバーコード(QRコード)を付す場合
本変形例においては、前述の図19(a)〜(d)にそれぞれ対応する図24(a)〜(d)に示すように、余白領域V2,V3,V4に上記定型印字Rfに加え、対応するバーコードBAが印字形成される。なお、バーコードBAは、上記定型印字Rfとともに、この変形例における各請求項記載の定型印字の一例に相当している。したがって、定型印字Rfを省略し、バーコードBAのみを余白領域V2,V3,V4に形成しても良い。
すなわち、前述の「井納」さんによる端末118Bからのラベル作成指令によって「DEF」の印字Rを備えた印字ラベルL2と「INOH」の定型印字Rfを備えた余白領域V2とが取得される(但し余白領域V2への定型印字Rfの形成は1つ前の印字ラベルL1の作成時に実行済みである)とき、余白領域V2には、上記「INOH」の定型印字Rfのみならず、バーコードBA(この例では2次元バーコードであるいわゆるQRコード。以下同様)が形成されている。この余白領域V2のバーコードBAは、図示しない適宜のバーコードリーダで読み取り(スキャン)がなされると、上記印字Rと同様の内容である文字列「DEF」が認識・表示される。
また、上記同様、「石田」さんによる端末118Cからのラベル作成指令によって「GHI」の印字Rを備えた印字ラベルL3と「ISHIDA」の定型印字Rfを備えた余白領域V3とが取得される(但し余白領域V3への定型印字Rfの形成は1つ前の印字ラベルL2の作成時に実行済みである)とき、余白領域V3には、上記「ISHIDA」の定型印字Rfのみならず、バーコードBAが形成されている。この余白領域V3のバーコードBAは、バーコードリーダで読み取られることで、上記印字Rと同様の内容である文字列「GHI」が認識・表示される。
さらに、上記同様、「三嶋」さんによる端末118Dからのラベル作成指令によって「JKL」の印字Rを備えた印字ラベルL4と「MISHIMA」の定型印字Rfを備えた余白領域V4とが取得される(但し余白領域V4への定型印字Rfの形成は1つ前の印字ラベルL3の作成時に実行済みである)とき、余白領域V4には、上記「MISHIMA」の定型印字Rfのみならず、バーコードBAが形成されている。この余白領域V4のバーコードBAは、バーコードリーダで読み取られることで、上記印字Rと同様の内容である文字列「JKL」が認識・表示される。
なお、図24(d)に示すように、この例では、上記余白領域V2,V3,V4においては、各バーコードBAの印字スペースを捻出するために、CPU111の制御により、図16(c)に示した変形例と同様、各定型印字Rfは、正対する向きがテープ103,109の幅方向となるように(文字列がテープ幅方向に沿って横書きされるように)形成される。
上記の態様の部分割符の印字形成が行われる場合には、具体的には、上記第2実施形態で説明したように、上記第1印字形成処理、第2印字形成処理、第1切断処理をこの順序で含む一連の処理(=上記印刷物作成処理)を少なくともN−1回(Nは2以上の整数)繰り返すことにより、n番目(nは1以上N以下の整数)の印字ラベルLが順次作成される。そして、(nが2以上である場合に)n番目の印字ラベルLの作成時の上記第1印字形成処理において印字領域Sに対し特定の第1印字データに基づく特定の印字Rを形成するとともに、n−1番目の印字ラベルLの作成時の上記第2印字形成処理において余白領域Vに対し、定型印字Rfに加え、n番目の印字ラベルLに係わる上記特定の印字Rに対応したバーコードBAが形成されるようにすれば足りる。
以上のように構成した本変形例においては、それぞれ上記印字Rが形成された複数個の印字ラベルL2,L3,L4と、それぞれバーコードBAが形成された余白領域V2,V3,V4とが得られる。そして、上述したように、各余白領域余白領域V2,V3,V4の上記バーコードBAを適宜のバーコードリーダで読み取ることで、当該余白領域V2,V3,V4に対応する上記印字ラベルL2,L3,L4の印字形成内容を得ることができる。この結果、前述のように別々のタイミングで形成される、1つの印字ラベルLとこれに対応する1つの余白領域Vとを、確実に関連づけることができる。
(3)その他
なお、以上説明した、印字済みラベル用テープ109の各箇所に対する切断機構15による全切断に代えて、上記半切断機構35によって部分切断(例えば剥離紙101dを残しつつ、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cを切断)を行うようにしてもよい。
また、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層(この例での被印字テープに相当)に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
また、さらには上記カートリッジ7内に組み込まれて印字ラベル作成装置1側に着脱可能とする構成にも限られず、上記第2ロール104を直接印字ラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、印字ラベル作成装置1側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として上記第2ロール104を設けることも考えられる。これらの場合も上記同様の効果を得る。
また、図6に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図12、図22等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。