JP5212111B2 - 製造性に優れた快削鋼 - Google Patents
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Description
これまでもPbを添加しない場合にはMnSを主成分とする硫化物のような切削環境下で軟質となる介在物を形成して被削性を向上させる手法が使われている。しかし低炭硫黄鉛複合快削鋼SUM24Lには低炭硫黄快削鋼SUM23と同量のSが添加されており、従って従来以上のS量を添加する必要がある。しかし多量S添加ではMnSを主成分とする硫化物を単に粗大にするだけで被削性向上に有効とはならず、またマトリックスを十分に脆くすることができず、構成刃先の脱落および切り屑分離現象に伴う仕上げ面粗さの劣化、切り屑の不十分な分断での切り屑処理性不良といった問題が生じる。更に圧延、鍛造等の生産工程においては、粗大MnSを主成分とする硫化物は被壊起点になって圧延疵等の製造上の問題を多く引き起こすため、S増量だけでは限界がある。またS以外の被削性向上元素のTe,Bi,P,N等の添加もある程度被削性を向上させることができるが、圧延や熱間鍛造時に割れ・疵の発生といった表面性状の劣化を引き起こすため、極力少ない方が望ましいとされており、被削性と製造性を両立させることはできない。
特開平11−222646号公報には単独で20μm以上の硫化物、あるいは複数の硫化物が略直列状に連なった長さ20μm以上の硫化物群が圧延方向断面1mm2の視野内に30個以上存在することによって切屑処理性を高める方法が考案されている。しかし事実上被削性に最も有効であるサブμmレベルの硫化物の分散については製造方法を含めて言及されておらず、またその成分系からも期待できない。
硫化物以外の介在物を被削性向上に活用しようとする例はこれまでにも存在しているが、例えば特開平9−17840号公報、特開2001−329335号公報、特開2002−3991号公報、特開2000−178683号公報BNを用いて被削性向上を図った技術である。しかしこれらは仕上げ面粗さ向上を意図したものではなく、特開平9−17840号公報、特開2001−329335号公報、特開2000−178683号公報では工具寿命の向上を目的としており、特開2002−3991号広報では切り屑処理性の向上を目的としたものである。これらで開示された実施例範囲の化学成分における適用では、仕上げ面粗さ向上においては十分な効果は得られない。具体的にはBNの鋼中の微細分散によるマトリックスの均質化がなされなければ仕上げ面粗さ向上に対する効果は得られないが、これらの特許文献にはその技術は述べられていない。
特開2004−176176号公報に開示された技術もBNを被削性向上に活用しようとする例であり、N添加量とのバランスを考慮したものである。しかし、本技術では圧延疵発生を完全に抑制しつつ、相反する性質である被削性を確保する鋼材化学成分のバランスについてや、酵素と親和性が高いBの酸化物となる量を抑制してBNとして析出させる量を増加させるための方法については知見されていない。
特開平5−345951号公報は被削性向上のため鋼中酸素濃度を高めることでMnSを大型化する技術である。しかし本技術では酸素を高めることによるMnS減少とそれに伴う被削性の低下については何ら言及しておらず、更には耐火物溶損や表面疵増加等の著しい製造性劣化の防止策について触られていない。
また、特開2001−329335号公報では熱間延性向上のため、BNの粒界析出による粒界脆化を抑制し、更に固溶Bの粒界脆化防止作用の活用のため、N添加量を制限する技術も提案されている。しかし単にN量を低減しているのみなので、BT加熱〜加工温度域での固溶N量の制御には十分な配慮がなされておらず、疵防止のために必要な固溶N量低減が不十分になる。また化学量論組成より低いN量へ制限しているので仕上げ面粗さ向上に必要なBN量は不足するが、それを補うための他の技術による補完も図られていないことから良好な仕上げ面粗さを得ることができない。
また、特開2004−27297号公報では表面疵低減のため、鋼中酸素量を制限する技術が提案されている。しかし鋼中酸素量の制御方法には何ら言及されておらず、未脱酸の低炭快削鋼では特別な制御無しで鋼中酸素量を制限し疵発生を防止することは不可能である。
低炭快削鋼において被削性向上のためにCaを添加する例がこれまでにも存在している。例えば特開2000−160284号公報では被削性を向上させる具体的な効果は記述されておらず、またCa添加量の範囲も広く、被削性向上に効果的な添加量についても記載されていない。
また、B添加の低炭快削鋼を連続鋳造法で製造する際、スライディングノズルのプレート耐火物が溶損し易い問題があるが、この問題を解決する先行文献は見当たらない。
寿命、仕上げ面粗さ、および切り屑処理性の被削性に優れ、更には連続鋳造用スライディ
ングノズルのプレート耐火物の溶損が少なく、熱間圧延での延性が優れ、熱間圧延による
表面性状の劣化を防止できる快削鋼を提供するものである。
切削は切り屑を分離する破壊現象であり、それを促進させることが一つのポイントとな
る。ただし既に述べたごとく、Sを単純に増量するだけでは限界がある。また被削性と製
造性を両立させるためには被削性向上元素量についても考慮する必要がある。
そこで熱間延性向上のためには圧延温度域での固溶N量を制御しつつ切削の行なわれる
室温において被削性に必要なBNを得るために必要なBとNの量の比を制御し、熱間延性
と被削性を両立できることを知見した。ここで固溶Nとは全N量から化合物N量を引いた
量であり、化合物N量とは実質的にBNとなっているN量のことを示す。この固溶Nは、
圧延温度域800〜1100℃の加熱でBNが固溶するために大量に生成する。表面疵の
発生量が少なく良好な圧延を行うためには、この温度域での固溶N量を低減することが必
要である。
さらに、溶鋼中で酸化物として消費されやすいMnのMnSとしての歩留り、及びBの
BNとしての歩留りを向上させて被削性及び熱間延性を向上させると共に、被削性の向上
と連続鋳造用スライディングノズルのプレート耐火物の溶損を抑制するため、鋼中のMn
O生成量を低減することが必要であることを知見した。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであって、その要旨は以下に示す通りであ
る。
(1)質量%で
C :0.005〜0.2%
Si:0.001〜0.5%
Mn:0.3〜3.0%
P :0.001〜0.2%
S :0.30〜0.60%
B :0.0003〜0.015%
O :0.005〜0.012%
Ca:0.0001〜0.0010%
Al≦0.01%
を含有し、N含有量が、
N≧0.0020%、かつ1.3×B−0.0100≦N≦1.3×B+0.0034
を満たし、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、更に鋼中のMnOに関して、鋼材の
圧延方向と直角な断面において円相当径にて0.5μm以上のMnOの面積が、全Mn系
介在物の面積に対して15%以下であり、1000℃での高温引張試験による絞り値が80%以上であることを特徴とする製造性に優れた快削鋼。
(2)(1)に記載の鋼が、MnSを主成分とする硫化物に関して、鋼材の圧延方向と
直角な断面において円相当径にて0.1〜0.5μmのものの存在密度が10000個/
mm2以上であることを特徴とする製造性に優れた快削鋼。
(3)さらに、質量%で、
V :0.05〜1.0%
Nb:0.005〜0.2%
Cr:0.01〜2.0%
Mo:0.05〜1.0%
W :0.05〜1.0%
Ni:0.05〜2.0%
Cu:0.01〜2.0%
Sn:0.005〜2.0%
Zn:0.0005〜0.5%
Ti:0.0005〜0.1%
Zr:0.0005〜0.1%
Mg:0.0003〜0.005%
Te:0.0003〜0.2%
Bi:0.005〜0.5%
Pb:0.005〜0.5%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の製造性に優れた快削鋼。
図2は、長手旋削試験方法と仕上げ面粗さの良否を示す概念図で、(a)は平面図、(b)は仕上げ面(送りマーク)拡大図である。
図3は、EPMAによるMnO測定例を示す光学顕微鏡写真である。
図4は、本発明例のMnSを主成分とする硫化物の、(a)TEMレプリカ写真、(b)光学顕微鏡写真である。
図5は、比較例のMnSを主成分とする硫化物の、(a)TEMレプリカ写真、(b)光学顕微鏡写真である。
図6は、MnOによる被削性の変化を800個切削後の長手旋削での仕上げ面粗さで示した図である。
図7は、発明例と比較例での長手旋削での仕上げ面粗さ−熱間延性バランスを示した図である。
図8は、鋳片厚みの1/4の深さ位置の説明図である。
[C] 0.005〜0.2%
Cは鋼材の基本強度と鋼中の酸素量に関係するので被削性に大きな影響を及ぼす。Cを多く添加して強度を高めると被削性を低下させるのでその上限を0.2%とした。一方、単純に吹錬によってC量を低減させすぎるとコストがかさむだけでなく、Cによる脱酸が行われなくなるため鋼中酸素量が多量に残留してピンホール等の不具合の原因となる。従ってピンホール等の不具合を容易に防止できるC量0.005%を下限とした。
[Si] 0.001〜0.5%
Siの過度な添加は硬質酸化物を生じて被削性を低下させるが、適度な添加は酸化物を軟質化させ、被削性を低下させない。その上限は0.5%であり、それ以上では硬質酸化物を生じる。0.001%未満では酸化物の軟質化が困難になるとともに工業的にはコストがかかる。
[Mn] 0.3〜3.0%
Mnは鋼中硫黄をMnSとして固定・分散させるために必要である。また鋼中酸化物を軟質化させ、酸化物を無害化させるために必要である。その効果は添加するS量にも依存するが、0.3%未満では添加SをMnSとして十分に固定で傷表面傷、SがFeSとなり脆くなる。Mn量が大きくなると素地の硬さが大きくなり被削性や冷間加工性が低下するので、3.0%を上限とした。
[P] 0.001〜0.2%
Pは鋼中において素地の硬さが大きくなり、冷間加工性だけでなく、熱間加工性や鋳造特性が低下するので、その上限を0.2%にしなければならない。一方、被削性向上に効果がある元素で下限値を0.001%とした。
[S] 0.30〜0.60%
SはMnと結合してMnSを主成分とする硫化物として存在する。MnSを主成分とする硫化物は被削性を向上させるが、伸延したMnSを主成分とする硫化物は鍛造時の異方性を生じる原因の一つである。大きなMnSを主成分とする硫化物は避けるべきであるが、被削性向上の観点からは多量の添加が好ましい。従ってMnSを主成分とする硫化物を微細分散させることが好ましい。Pbを添加しない場合の被削性向上には0.30%以上の添加が必要である。一方、S添加量が多すぎると粗大MnSを主成分とする硫化物の生成が避けられないだけでなく、FeS等による鋳造特性、熱間変形特性の劣化から製造中に割れを生じる。そのため上限を0.60%とした。
[B] 0.0003〜0.015%
BはBNとして析出すると被削性向上に効果がある。特にMnSを主成分とする硫化物と複合析出してマトリックス中に微細分散することでより顕著となる。これらの効果は0.0003%未満では顕著でなく、0.015%を超えて添加すると溶鋼中で耐火物との反応が激しくなり、鋳造時に耐火物の溶損が大きくなり、製造性を著しく損なう。そこで0.0003%〜0.015%を範囲とした。
Bは酸化物を形成しやすいため、溶鋼中の溶存Oが高いと酸化物として消費されてしまい、被削性向上に有効なBN量が減少する場合がある。Ca添加により溶解酸素(フリー酸素)をある程度下げてからBを添加することにより実質BNとなるB量の歩留まりを向上させることは、被削性向上に有効である。
[O] 0.005〜0.012%
Oは酸化物とならず単独で存在する場合には冷却時に気泡となり、ピンホールの原因となる。硬質酸化物の生成により被削性の劣化や疵の原因となる場合もあり制御が必要である。更に被削性向上のために添加しているMn,Bを溶鋼中で酸化物として消費してしまい、MnSになるMn及びBNになるB量を減少させて被削性に影響を及ぼす場合がある。0.005%未満ではSimsのII型と言われる形態のMnSを主成分とする硫化物が生成することで被削性は劣化する。更に溶鋼中で脱硫S反応が起きやすくなり、安定したS添加ができなくなる。従って0.005%を下限とした。O量0.012%を越えると溶鋼中でMn,Bの酸化物が生成しやすくなり、実質的にMnSになるMn及びBNとなるBが減少して被削性を劣化させ、更には硬質酸化物が多量に生成し傷発生量が増大する。更には耐火物溶損も激しくなるため、0.012%を上限とした。Oの制御にはCaの添加が必須である。
[Ca] 0.0001〜0.0010%
Caは脱酸元素であり、鋼材中の溶解酸素(フリー酸素)量を制御することができ、酸化物を形成しやすいMn,Bの歩留りを安定させ、更に硬質酸化物の生成を抑制する事ができる。また微量であれば軟質酸化物を生成し、被削性を向上させる働きがある。0.0001%未満ではその効果は全く無く、0.0010%超では多量の軟質酸化物が生成することで工具刃先へ凹凸をもって付着し、そのため仕上面粗さが極端に悪くなるばかりでなく、硬質の酸化物も大量に生成し、更に被削性や熱間延性を低下させる。したがって成分範囲を0.0001〜0.0010%と規定した。
[Al] Al≦0.01%
Alは脱酸元素で、鋼中にはAl2O3やAINを生成する。しかしAl2O3は硬質なので切削時に工具損傷の原因となり、磨耗を促進させる。またAINを形成することでBNを形成するためのNが減少してしまい、被削性が低下する。そこでAl2O3やAINを多量に生成しない0.01%以下とした。
[N≧0.0020%、かつ、1.3×B−0.0100≦N≦1.3×B+0.0034を満足するNを含有]
NはBと結びついてBNを生成して被削性を向上させる。BNは被削性を向上させる介在物であり、微細に高密度で分散させることで著しく向上する。質量比でB:N=10.8:14(=1:1.3)の化学量論比で過不足なくBとNが化合し、BNが形成される。BNは鋼に対して溶解度を有しており、鋼材温度上昇に伴い溶解度は大きくなり、固溶N量が増加する。圧延温度域(800〜1100℃)で固溶するN量が多い場合、圧延疵の原因となるため一定量以下の固溶N量に制限する必要があり、鋼材に添加するN量をB添加量に合わせて制御しなければならない。従って、N量の上限は、Bと過不足なく結合するN量(1.3×B)に対し+0.0034%を超えると圧延疵の発生が顕著になるので、1.3×B+0.0034以下とした。一方、添加するN量が少な過ぎる場合はBN生成量が減少する。B量に対するN量の下限は、Bと過不足なく結合するN量(1.3×B)に対し−0.0100%未満では被削性向上に必要なBN量が得られないため、1.3×B−0.0100以上とした。また、N量が0.0020%未満では、Nの絶対量が不足し、鋼中でBの存在している箇所まで拡散する距離が大きくなるため、化学量論比のN添加量であっても十分なBNを生成することはできない。そのため0.0020%以上を確保する必要がある。以上により、製造性と被削性を両立させるべく、N含有量はN≧0.0020%、かつ1.3×B−0.0100≦N≦1.3×B+0.0034を満たす事が必要である。
[MnO] 円相当径にて0.5μm以上のMnOの面積が全Mn系介在物の面積に対して15%以下
Mnは酸素との親和力の強い元素であり、溶鋼中で一定量の溶解酸素(フリー酸素)存在下においてはMnOの形成が不可避となる。MnOは比較的低融点・軟質の介在物であり、そのものがAl2O3のような硬質介在物として著しい工具磨耗等の被削性劣化を引き起こすものではない。しかしMnOが増加するとMnSとなるMn量が減少し、MnSの微細分散が阻害されることから被削性は劣化する。更に多量のMnOが生成している環境下では溶鋼中の溶解酸素(フリー酸素)は高濃度になっており、そのためB酸化物の生成量も増加していることなり、BNとして生成するBの量が減少し、被削性が更に劣化することになる。またMnSになるMnが減少することで高温でSを固定できなくなるため、FeSが多数生成することで熱間延性が劣化する。
更には溶鋼中でのMnOによる連続鋳造用スライディングノズルのプレート耐火物の溶損が激しくなり、著しく製造性を劣化する。鋼材の圧延方向と直角な断面において円相当径にて0.5μm以上の鋼中MnOの面積が、全Mn系介在物の面積中15%超であると被削性、製造性の劣化が著しくなるので、良好な被削性及び製造性を得るためには鋼中MnOが全Mn系介在物中15%以下であることが必要である。
MnOが円相当径にて0.5μm以下であれば、その面積比率はきわめて小さく、従ってMnOに消費されたMn量も僅かであるためMnS生成量には大きく影響しない。そのため円相当径にて0.5μm以上のものについて規定した。
ここで、本発明で言うMnOの同定、および面積の測定方法について説明する。
MnOは、通常、MnO単独で存在する他、他の酸化物と結合して存在するものがあるが、本発明では、次の方法で測定したものをMnOと同定し面積を求めるものである。
EPMAによるMnO測定例を図3に示す。鋼材の圧延方向と直角な断面の直径の1/4の深さ位置より切り出し、樹脂へ埋め込み研磨した試験片を電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)にて、1視野200μm×200μmを20視野以上の測定を行う。鋼材の鋼素地12中のMnO13はMnSを主成分とする硫化物14に含まれた状態で存在するので、EPMAでの元素面分析でMnとOが重なっている部分をMnOとし、その面積を求めるものである。
全Mn系介在物とは、鋼中でMnと化合している介在物の全てを総称するものであり、後述するMnSを主成分とする硫化物、MnO単独の酸化物、及びMnOと他の酸化物が結合している酸化物の全てを対象とするものである。全Mn系介在物もEPMAでの元素面分析で固定し、面積測定をすることができるので、この測定した全Mn系介在物の面積に対する上記測定したMnOの面積の比率を求めるものである。
MnO生成量を低減させるためには、LF前の溶鋼中の溶解酸素(フリー酸素)濃度を低減することにより達成される。該溶解酸素(フリー酸素)濃度を200ppm以下とするのが好ましい。但し、低減し過ぎるとメタル/スラグ間で脱硫反応が進行し、被削性維持のための鋼中Sの確保が困難になるので十分な配慮が必要であり、150ppm以上とするのが好ましい。溶解酸素(フリー酸素)制御方法としては、LF処理前に事前脱酸を行うことが効果的である。フリー酸素の制御にはCaの添加が必須であるが、他にもSi,Al,Ti,Zr,Mg等の単独もしくは複合添加も有効である。
[MnSを主成分とする硫化物分散] 円相当径にて0.1〜0.5μmの存在密度が10000個/mm2以上
MnSを主成分とする硫化物は被削性を向上させる介在物であり、微細に高密度で分散させることで著しく向上する。特に長手旋削の様に送りマークと呼ばれる山を仕上げ面に形成しながら進行する切削方法の場合には、むしれの有無が山の高低、すなわち仕上げ面粗さに大きく影響するが、微細の高密度で分散したMnSを主成分とする硫化物は鋼材を均質化することで鋼材の破断性を良好にし、むしれを低減させ仕上げ面粗さを良好にすることができる。OA機器のシャフトのような長手旋削により切削を行う部品の仕上げ面粗さ向上にはより有効である。その効果を発揮するには10000個/mm2以上の存在密度が必要であり、その寸法は円相当径にて0.1〜0.5μmでなければならない。通常MnSを主成分とする硫化物分布は光学顕微鏡にて観察し、その寸法、密度を測定する。当該寸法のMnSを主成分とする硫化物は光学顕微鏡での観察では確認することが不可能なものであり、透過型電子顕微鏡(TEM)によりはじめて観察できる。光学顕微鏡観察での寸法、密度に差は無くてもTEM観察では明確な差が認められる寸法のMnSを主成分とする硫化物であり、本発明ではこれを制御し、存在形態を数値化することにより従来技術との差別化を図るものである。この寸法を超えたMnSを主成分とする硫化物を10000個/mm2以上の密度で存在させるには請求項の範囲を超えた多量のSの添加を必要とするが、多量添加すると粗大MnSを主成分とする硫化物も多数存在する確立が高くなり、熱間圧延時の疵発生が増大する。請求項の範囲のS添加量でMnSを主成分とする硫化物がこの寸法を超えると、MnSを主成分とする硫化物の量が不足し仕上げ面粗さ向上に必要な密度を維持できなくなる。また最小径0.1μm未満のものは実質上被削性には影響を及ぼさない。従って円相当径にて0.1〜0.5μmのMnSを主成分とする硫化物の存在密度が10000個/mm2以上とした。このMnSを主成分とする硫化物は、マトリックス中に均一微細分散させることが難しいBNの析出核となることで、BNを均一微細分散させBNの被削性、特に仕上げ面粗さ向上効果をより顕著にすることができる。
なお、MnSを主成分とする硫化物とは、純粋なMnSのみならず、Fe,Ca,Ti,Zr,Mg,REM等の硫化物がMnSと固溶したり結合して共存している介在物や、MnTeの様にS以外の元素がMnと化合物を形成してMnSと固溶・結合して共存している介在物や、酸化物を核として析出した上記介在物、すなわち化学式では、(Mn,X)(S,Y)(ここで、X:Mn以外の硫化物形成元素、Y:S以外でMnと結合する元素)として表記できる介在物を含むものであり、Mn硫化物系介在物を総称して言うものである。
MnSを主成分とする硫化物の寸法、密度を得るためには、含有するMnとSの比Mn/Sを1.2〜2.8にするとより効果的である。
更に効果的に微細MnSを主成分とする硫化物を生成させるには、凝固冷却速度範囲を制御するとよい。冷却速度が10℃/min未満では凝固が遅すぎて晶出したMnSを主成分とする硫化物が粗大化してしまい、微細分散しずらくなり、冷却速度が100℃/min超では生成する微細MnSを主成分とする硫化物の密度は飽和し、鋼片の硬度が上昇し割れの発生する危険が増す。従って鋳造時の冷却速度は10〜100℃/minがよい。この冷却速度を得るには鋳型断面の大きさ、鋳込み速度等を適正な値に制御することで容易に得られる。これは連続鋳造法、造塊法共に適用可能である。
ここでいう凝固冷却速度とは、図8に示すように、矢印に示す鋳造方向15で鋳造した鋳片16の横断面17において、鋳片の厚み(L)の1/4の深さ位置18(図8(b)参照)における液相線温度から固相線温度までの冷却時の速度のことをいう。冷却速度は凝固後の鋳片厚み方向凝固組織の2次デンドライトアームの間隔から下記式により計算で求める。
ここでRc:冷却速度(℃/min)、λ2:2次デンドライトアームの間隔(μm)
つまり冷却条件により2次デンドライトアーム間隔が変化するので、これを測定することにより制御した冷却速度を確認した。
次に、任意添加選択元素の規定理由について説明する。
[鋼材強化元素]
[V] 0.05〜1.0%
Vは炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる。0.05%未満では高強度化に効果はなく、1.0%を超えて添加すると多くの炭窒化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。
[Nb] 0.005〜0.2%
Nbも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる。0.005%未満では高強度化に効果はなく、0.2%を超えて添加すると多くの炭窒化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。
[Cr] 0.01〜2.0%
Crは焼入れ性向上、焼戻し軟化抵抗付与元素である。そのため高強度化が必要な鋼には添加される。その場合、0.01%以上の添加を必要とする。しかし多量に添加するとCr炭化物を生成し脆化させるため、2.0%を上限とした。
[Mo] 0.05〜1.0%
Moは焼戻し軟化抵抗を付与するとともに、焼入れ性を向上させる元素である。0.05%未満ではその効果が認められず、1.0%を超えて添加してもその効果が飽和しているので、0.05%〜1.0%を添加範囲とした。
[W] 0.05〜1.0%
Wは炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる。0.05%未満では高強度化に効果はなく、1.0%を超えて添加すると多くの炭窒化物を析出し、かえって機械的性質を損なうので、これを上限とした。
[Ni] 0.05〜2.0%
Niはフェライトを強化し、延性を延性向上させるとともに焼入れ性向上、耐食性向上にも有効である。0.05%未満ではその効果は認められず、2.0%を超えて添加しても、機械的性質の点では効果が飽和するので、これを上限とした。
[Cu] 0.01〜2.0%
Cuはフェライトを強化し、焼入れ性向上、耐食性向上にも有効である。0.01%未満ではその効果は認められず、2.0%を超えて添加しても、機械的性質の点では効果が飽和するので、これを上限とした。特に熱間延性を低下させ、圧延時の疵の原因となりやすいので、Niと同時に添加することが好ましい。
[脆化による被削性向上元素]
[Sn] 0.005〜2.0%
Snはフェライトを脆化させ、工具寿命を延ばすとともに、表面粗さ向上に効果がある。0.005%未満ではその効果は認められず、2.0%を超えて添加しても、その効果が飽和するので、これを上限とした。
[Zn] 0.0005〜0.5%
Znはフェライトを脆化させ、工具寿命を延ばすとともに、表面粗さ向上に効果がある。0.0005%未満ではその効果は認められず、0.5%を超えて添加しても、その効果が飽和するので、これを上限とした。
[脱酸調整による被削性向上元素]
[Ti] 0.0005〜0.1%
Tiは脱酸元素であり、鋼中の酸素量を制御することができ、酸化物を形成しやすいMn,Bの歩留りを安定させる事ができる。また微量であれば軟質酸化物を生成し、被削性を向上させる働きがある。0.0005%未満ではその効果は全く無く、0.1%以上では多量の硬質の酸化物を大量に生成し、更に酸化物を形成せずに固溶するTiはNと化合して硬質のTiNを形成し、被削性を低下させる。したがって成分範囲を0.0005〜0.1%と規定した。TiはTiNを形成することでBN形成に必要なNを消費する。そのためTi添加量は0.01%以下が望ましい。
[Zr] 0.0005〜0.1%
Zrは脱酸元素であり、鋼中の酸素量を制御することができ、酸化物を形成しやすいMn,Bの歩留りを安定させる事ができる。また微量であれば軟質酸化物を生成し、被削性を向上させる働きがある。0.0005%未満ではその効果は全く無く、0.1%以上では多量の軟質酸化物が生成することで工具刃先へ凹凸をもって付着し、そのため仕上げ面粗さが極端に悪くなるばかりでなく、硬質酸化物も大量に生成し、更に被削性を低下させる。従って成分範囲を0.0005〜0.1%と規定した。
[Mg] 0.0003〜0.005%
Mgは脱酸元素であり、鋼中の酸素量を制御することができ、酸化物を形成しやすいMn,Bの歩留りを安定させる事ができる。また微量であれば軟質酸化物を生成し、被削性を向上させる働きがある。0.0003%未満ではその効果は全く無く、0.005%以上では多量の軟質酸化物が生成することで工具刃先へ凹凸をもって付着し、そのため仕上げ面粗さが極端に悪くなるばかりでなく、硬質の酸化物も大量に生成し、更に被削性を低下させる。したがって成分範囲を0.0003〜0.005%と規定した。
[硫化物形態制御及び工具−鋼材間の潤滑による被削性向上元素]
[Te] Te:0.0003〜0.2%
Teは被削性向上元素である。またMnTeを生成したり、MnSと共存することでMnSの変形能を低下させてMnS形状の伸延を制御する働きがある。したがって異方性の低減に有効な元素である。この効果は0.0003%未満では認められず、0.2%を超えると効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。
[Bi] 0.005〜0.5%
Biは被削性向上元素である。その効果は、0.005%未満では認められず、0.5%を超えて添加しても被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。
[Pb] 0.005〜0.5%
Pbは被削性向上元素である。その効果は0.005%未満では認められず、0.5%を超えて添加しても被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。
材料の被削性は表7に条件を示すドリル穿孔試験、表8に条件を示すプランジ切削試験、表9に条件を示す長手旋削試験の代表的な3種類の切削方法によって評価した。ドリル穿孔試験は累積穴深さ1000mmまで切削可能な最高の切削速度(いわゆるVL1000、単位:m/min)で被削性を評価する方法である。プランジ切削試験は高速度鋼の突切工具によって工具形状(構成刃先形状)を転写して仕上げ面粗さを評価する方法である。この実験方法の概要を図1に示す。実験では200溝加工した場合の仕上げ面粗さを触針式粗さ計で測定した。10点表面粗さRz(単位:μm)の仕上げ面粗さを示す指標とした。長手旋削試験は超硬工具1を長手方向に送りながら試験片2の鋼材外周を切削方向3に切り込む切削方法で、プランジ切削と同様、工具形状の転写での表面粗さ測定面4の仕上げ面粗さを繰り返し測定して評価する方法である。この実験方法の概要を図2に示す。本方法は試験片2を回転させながら超硬工具1を試験片2に沿って送り(0.05mm/rev)、所定の切込量6(1mm)で切削(切削速度80m/min)を行うもので、送りマーク5と呼ばれる山を仕上げ面7に形成しながら進行させて表面粗さ測定面8を形成する切削方法であり、むしれでの劣化9の有無が山の高低となってむしれた面の粗さ(理論粗さ+むしれ)10となる。すなわち、仕上げ面粗さとなり良好な面の粗さ(理論粗さ)11に大きく影響する(図2(b)参照)。むしれが無ければ理論粗さに近い値となるが、むしれが生じると、その分粗さは低下(劣化)する。微細に高密度で分散したMnSを主成分とする硫化物は鋼材を均質化することでむしれを低減させ仕上げ面粗さを良好にできるため、高密度に分散したMnSを主成分とする硫化物の効果を顕著に表すことができる方法である。また本方法は多量切削後の工具磨耗による工具凹凸の転写による仕上げ面粗さの良否も顕著に表すことができるので、実験では工具磨耗が進行した状態での被削性の差を評価できる800個切削後の仕上げ面粗さで評価した。仕上げ面粗さは触針式粗さ計で測定し、10点表面粗さRz(単位:μm)を仕上げ面粗さを示す指標とした。切り屑処理性に関しては切り屑カール時の半径が小さいもの、あるいは分断されているものが好ましく、○とした。巻き数が多くとも曲率半径が小さいもの、あるいは曲率半径が大きくとも切り屑長さが100mmに達しなかったものは良好で○とした。切り屑が20mmを超えた曲率半径で3巻き以上連続してカールして長く伸びた切り屑を不良とし、×とした。
鋼材中のMnOに関して、鋼材の圧延方向と直角な断面において円相当系にて0.5μm以上のものの面積比率の測定は、φ8mm伸線後の圧延・伸線方向と直角な断面の直径の1/4の深さ位置より切り出し、樹脂へ埋め込み研磨した試験片を電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)にて行った。測定は1視野200μm×200μmを20視野以上行い、そこで元素面分析で測定される介在物中のMnO面積を全Mn系介在物面積に対する比率として面積率を求めた。鋼材中のMnOはMnS中に含まれた状態で存在するので、EPMAでの分析でMnとOが重なる面積をMnOの面積としてMnSと識別した。MnとOの重ね合わせは画像処理によって行った。EPMAによるMnO測定例を図3に示す。
円相当径にて最大径0.5μm、最小径0.1μmの寸法のMnSを主成分とする硫化物密度の測定は、φ8mm伸線後の圧延・伸線方向と直角な断面の直径の1/4の深さ位置より抽出レプリカ法にて採取して過型電子顕微鏡にて行った。測定は10000倍で1視野80μm2を40視野以上行い、それを1mm2当たりのMnSを主成分とする硫化物数に換算して算出した。
熱間延性は1000℃での高温引張試験の絞りの値により評価した。絞りは50%以上であれば良好な圧延は可能であるが、80%未満であれば表面疵が多発し、圧延後の疵除去手入れ面積が大きくなり、表面性状の厳しい高級品種には適用できない。80%以上の絞りの値が得られれば表面疵の発生が著しく低減し、無手入れでの使用も可能となり、高級品種に適用可能となる。更には手入れコストも削減できる。よって絞り80%以上で熱間延性を○とし、80%未満のもので×とした。
連続鋳造用スライディングノズルのプレート耐火物の溶損状況は、スライディングノズルプレートの材質としてMgO−C質(MgO=87%、Al2O3=10%、C=3%)を使用し、溶損割合を評価した。溶損割合は0.5μm以上のMnOの面積が全Mn系介在物の面積に対して15%であるときの耐火物の溶損割合を1として、各々の溶損割合を数値化した値である。溶損割合が1を超えると耐火物溶損が激しくなるので、溶損割合1以下で○、1超で×として評価した。実施例1〜72の発明例はいずれも実施例73〜102の比較例に対してドリル工具寿命、プランジ切削及び長手旋削における仕上げ面粗さが良好で、かつ熱間延性が80%以上値と、低い溶損割合の良好な製造性を得ることができた。例えば実施例1〜8の発明例の様にB,Nのバランスの取れた添加量によりN量を制御すること、及びCa添加によるO量制御でMnO面積率が低い場合には、被削性を劣化されずに高い熱間延性の値と低い溶損割合を得ることができた。またB,Nのバランスの取れた添加量と低いMnO面積率により非常に良好な被削性を得ることができた。実施例9〜18、及び56〜59の様に微細なMnSを主成分とする硫化物密度が請求項2を満たしている場合には、仕上げ面粗さ、特に長手旋削時の値が更に良好になっている。実施例19〜55、及び60〜72の請求項3〜6の任意添加選択元素を添加したものにおいても、良好な仕上げ面粗さと製造性が得られていることがわかる。その内、快削元素として知られるPbを微量添加した実施例47,52,60,62〜67、同じく快削元素として知られるTeを微量添加した実施例45,48,50,53,61,68,69、更にはPbとTeの両元素を添加した55,70〜72においても良好な熱間延性と被削性が得られていることがわかる。
これに対して比較例は何れも小さな凝固冷却速度で鋳造しているため、微細なMnSを主成分とする硫化物密度が小さくなっており、全般的に被削性、特に長手旋削での仕上げ面粗さが悪い値を示しており、同じレベルの小さい凝固冷却速度で鋳造した実施例1〜8の請求項1の発明例に対しても、化学成分が本発明の範囲を外れているために悪い値を示している。例えば実施例76の比較例の様にMnO面積率の高い場合ではMnS量、BN量の減少により仕上げ面粗さは悪い値となり、溶損割合は大きな値となっている。実施例80の比較例ではMnO面積率15%以下を満たしているが、S,Ca量が外れているために熱間延性が悪い値となっている。実施例81の比較例の様にCa無添加の場合ではOの制御ができず、多数生成したMnOや硬質酸化物により熱間延性は80%未満で溶損割合は大きな値の悪い製造性を示している。更に実施例90,91はN量が下限を外れている比較例であるが、固溶Bの増加により硬さ増加を招き、熱間延性は低い値を示す。また実施例93はS,N量が上限を外れている比較例で、固溶N増大のため熱間延性低下は悪い値を示す。実施例102はMnOが高い比較例で、仕上げ面粗さ、溶損指数共に悪い値を示す。
図4に本発明例のMnSを主成分とする硫化物の、(a)TEMレプリカ写真、(b)光学顕微鏡写真を示す。図5に比較例のMnSを主成分とする硫化物の、(a)TEMレプリカ写真、(b)光学顕微鏡写真を示す。この様に発明例と比較例では(b)の光学顕微鏡での観察では大差ないMnSを主成分とする硫化物寸法、密度であるが、(a)のTEMレプリカの観察では寸法、密度共に明確な差が見られる。
図6にMnO面積率による被削性の変化を800個切削後の長手旋削での仕上げ面粗さを例として示す。多量切削時の工具磨耗の進行がMnO面積率>15%で著しくなるため、工具磨耗による凹凸の転写で左右される仕上げ面粗さの優劣が、ここを境として顕著に表れている。
図7に発明例と比較例での長手旋削での仕上げ面粗さ−熱間延性バランスを示す。発明例は仕上げ面粗さが良好で、熱間延性も80%以上の良好な領域にある。比較例では仕上げ面粗さ、熱間延性共に不良な領域にあるか、もしくは熱間延性が良好でも仕上げ面粗さが不良な鋼種である。
これよりB量、N量のバランスが取れ、更にMnO量の制御できた発明例は、製造性及び被削性は共に良好であることがわかる。
Claims (3)
- 質量%で
C :0.005〜0.2%
Si:0.001〜0.5%
Mn:0.3〜3.0%
P :0.001〜0.2%
S :0.30〜0.60%
B :0.0003〜0.015%
O :0.005〜0.012%
Ca:0.0001〜0.0010%
Al≦0.01%
を含有し、N含有量が、
N≧0.0020%、かつ、1.3×B−0.0100≦N≦1.3×B+0.003
4を満たし、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、さらに鋼中のMnOに関して、鋼
材の圧延方向と直角な断面において円相当径にて0.5μm以上のMnOの面積が、全M
n系介在物の面積に対して15%以下であり、1000℃での高温引張試験による絞り値が80%以上であることを特徴とする製造性に優れた快削鋼。 - 請求項1に記載の鋼が、MnSを主成分とする硫化物に関して、鋼材の圧延方向と直角な
断面において円相当径にて0.1〜0.5μmのものの存在密度が10000個/mm2
以上であることを特徴とする製造性に優れた快削鋼。 - さらに、質量%で、
V :0.05〜1.0%
Nb:0.005〜0.2%
Cr:0.01〜2.0%
Mo:0.05〜1.0%
W :0.05〜1.0%
Ni:0.05〜2.0%
Cu:0.01〜2.0%
Sn:0.005〜2.0%
Zn:0.0005〜0.5%
Ti:0.0005〜0.1%
Zr:0.0005〜0.1%
Mg:0.0003〜0.005%
Te:0.0003〜0.2%
Bi:0.005〜0.5%
Pb:0.005〜0.5%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の製造性に優れ
た快削鋼。
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