JP5207796B2 - 耐炎化処理装置および前駆体繊維束の耐炎化処理方法 - Google Patents

耐炎化処理装置および前駆体繊維束の耐炎化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐炎化処理装置および前駆体繊維束の耐炎化処理方法に関する。
ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束から炭素繊維束を製造する場合など、前駆体繊維束を耐炎化処理することは広く行われている。前駆体繊維束の耐炎化処理は、前駆体繊維束を例えば200〜300℃で加熱することにより行われる。この耐炎化処理では、処理中の前駆体繊維束の発熱が著しくなると、前駆体繊維束に糸切れが生じてしまうことがある。一方、前駆体繊維束の発熱による糸切れは、耐炎化処理が進むにつれて起こり難くなる傾向がある。そのため、前駆体繊維束の耐炎化処理では、一度に高温で加熱して処理せずに、加熱と冷却とを交互に複数回繰り返し、徐々に加熱温度を上昇させて処理する方法が採用されている。
このような耐炎化処理装置の具体例としては、図5に示すように、前駆体繊維束Wを耐炎化処理する熱処理室110と、熱処理室110の外側で前駆体繊維束Wを折り返して、前駆体繊維束Wを多段に熱処理室110内に走行させるローラ115群と、熱処理室110内に一定の間隔で配置され、前駆体繊維束Wの走行方向に沿って熱風を当てて加熱する熱風供給ノズル116および熱風吸込ノズル118とを具備する耐炎化処理装置101がある(特許文献1)。
耐炎化処理装置101では、前駆体繊維束Wを熱処理室110内に多段に走行させ、加熱と冷却を繰り返すため、前駆体繊維束Wの発熱による糸切れを抑えられる。また、このような耐炎化処理装置101を複数備え、各熱処理室110の熱風の温度を例えば230℃、240℃、250℃のように設定することで、前駆体繊維束Wを連続的に耐炎化処理できる。
しかし、耐炎化処理装置101では、前駆体繊維束Wの糸切れのおそれが耐炎化処理の初期において最も高いことから、熱処理室110内に吹き込む熱風の温度を、熱処理室110に最初に供給される前駆体繊維束Wに糸切れが生じない温度に設定する必要があった。そのため、非常に多段階の温度領域が必要となり、前駆体繊維束の耐炎化処理には長時間を要していた。
そこで、前駆体繊維束の耐炎化処理に要する時間を短縮する方法として、複数備えた耐炎化処理装置101において、各熱処理室110における前駆体繊維束Wの供給速度(走行速度)を変化させ、耐炎化処理の加熱時間を調整する方法が示されている(特許文献2)。
特開昭58−208433号公報 特開平6−294020号公報
しかし、特許文献2の方法では、耐炎化処理に要する時間が短縮できるものの、各耐炎化処理装置で供給速度を変化させるため、前駆体繊維束の耐炎化処理を連続的に行うことができなかった。
そのため、前駆体繊維束を連続的に、かつ短い時間で耐炎化処理することができる耐炎化処理装置および耐炎化処理方法が求められている。
そこで本発明では、前駆体繊維束を連続的に耐炎化処理することができ、かつ耐炎化処理に要する時間を短縮できる耐炎化処理装置を目的とする。
また、本発明では、連続的に、かつ短い時間で前駆体繊維束を耐炎化処理することのできる前駆体繊維束の耐炎化処理方法を目的とする。
本発明の耐炎化処理装置は、前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室と、前記熱処理室の外側で前記前駆体繊維束を(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させるローラ群と、前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域に、対向して設けられた熱風吹込口および熱風吸込口とを具備しており、(i+1)段目(ただし、iは耐炎化処理の順番であり、1〜nの整数である。)の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、i段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔と同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔よりも長くされていることを特徴とする装置である。
また、本発明の耐炎化処理装置は、前記(n+1)段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔の1.2〜2倍であることが好ましい。
また、本発明の前駆体繊維束の耐炎化処理方法は、前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室の外側で、前記前駆体繊維束を(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させ、前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域で、前記前駆体繊維束にその走行方向に沿って熱風を当てて耐炎化処理する方法において、(i+1)段目(ただし、iは耐炎化処理の順番であり、1〜nの整数である。)の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、i段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さと同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さよりも長くされていることを特徴とする方法である。
また、本発明の前駆体繊維束の耐炎化処理方法は、前記(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さの1.2〜2倍であることが好ましい。
本発明の耐炎化処理装置は、前駆体繊維束を連続的に耐炎化処理することが、耐炎化処理に要する時間を短縮できる。
また、本発明の耐炎化処理方法によれば、連続的に、かつ短い時間で前駆体繊維束を耐炎化処理することができる。
[耐炎化処理装置]
本発明の耐炎化処理装置は、前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室と、前記熱処理室の外側で前記前駆体繊維束を(n−1)回(nは1以上の整数である)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させるローラ群と、前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域に、対向して設けられた熱風吹込口および熱風吸込口とを具備する装置である。
また、(i+1)段目(iは1〜nの整数である)の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、i段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔と同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔よりも長くされていることを特徴する。
以下、本発明の耐炎化処理装置の実施形態の一例について、図1〜3に基づいて詳細に説明する。本実施形態の耐炎化処理装置1は、nが5の実施形態例である。
本実施形態の耐炎化処理装置1は、図1〜3に示すように、前駆体繊維束Wを耐炎化処理する熱処理室10と、熱処理室10の外側で前駆体繊維束Wを4回折り返して、5段の前駆体繊維束Wを熱処理室内に走行させるガイドローラ15(ローラー群)と、熱処理室10内を走行する前駆体繊維束Wによって仕切られる、熱処理室10内の6段の耐炎化処理領域に、対向して設けられた熱風供給ノズル16a、16b、16c、16d、16e、16f(以下、まとめて熱風供給ノズル16ということもある)および熱風吸込ノズル18a、18b、18c、18d、18e、18f(以下、まとめて熱風吸込口18ということもある)と、熱風吸込ノズル18からの熱風を加熱して熱風供給ノズル16に供給する熱風循環流路21を有する熱風循環室20とを具備している。
熱処理室10は、箱型であり、前駆体繊維束Wの供給側である前壁11に、上部から順に5段の挿入口(一端挿入口)12a、12b、12c、12d、12eが形成されている。各挿入口12a〜12eは、矩形のスリット状に形成されており、そのうち最上段の挿入口12aは、前駆体繊維束Wが供給源(図示せず)から供給される供給端となる。また、各挿入口12a〜12eの外側にはシールカーテンなどシール装置が配置される(図示せず)。
熱処理室10の材質としては、例えば、鉄、ステンレスなどが挙げられる。
また、熱処理室10の前駆体繊維束Wの排出側である後壁13には、前壁11と同様に上部から順に5段の挿入口(他端挿入口)14a、14b、14c、14d、14eが形成されている(図3参照)。後壁13に形成された各挿入口14a〜14eのうち、最下段の挿入口14eは前駆体繊維束Wの排出端となっている。また、各挿入口14a〜14eの外側にはシールカーテンなどシール装置が配置される(図示せず)。前壁11側の各挿入口12a〜12eと後壁13側の各挿入口14a〜14eとは、熱処理室10の高さ方向に各々対向した位置に設けられている。
ガイドローラ15は、熱処理室10の各挿入口12a〜12e、14a〜14eの外側に、回転可能に4つ設けられている。ガイドローラ15は、前駆体繊維束Wを掛け回して折り返すことにより、前駆体繊維束Wの走行方向を逆方向に転換させ、隣接する1つ下の挿入口に導く。
本実施形態の耐炎化処理装置1では、ガイドローラ15により前駆体繊維束Wが4回折り返され、熱処理室10内を5回走行する。これにより、熱処理室10内が6段の耐炎化処理領域に仕切られる。本発明においては、熱処理室10内の各耐炎化処理領域を、耐炎化処理の順に従って、1段目〜(i+1)段目(本実施形態ではiは1〜nの整数である。本実施形態ではiは1〜5の整数である。)の耐炎化処理領域とする。
すなわち、本実施形態では、最上段の耐炎化処理領域が1段目の耐炎化処理領域であり、最下段の耐炎化処理領域が6段目の耐炎化処理領域である。前駆体繊維束Wを熱処理室10の下部側から供給し、4回折り返して5段の前駆体繊維束Wを熱処理室10内に走行させ、熱処理室10の上部側から前駆体繊維束Wを排出する場合は、最下段の耐炎化処理領域が1段目の耐炎化処理領域、最上段の耐炎化処理領域が6段目の耐炎化処理領域となる。
熱風供給ノズル16は、熱処理室10内に熱風を吹き込むノズルである。熱風供給ノズル16は、角筒形状を有しており、熱風循環流路21に連通している。熱風供給ノズル16は、熱処理室10の各挿入口12a〜12e近傍に、各熱風供給ノズル16a〜16fと各挿入口12a〜12eとが交互となるように上部から順に設けられている。熱風供給ノズル16の形状は、熱処理室10内の幅方向における熱風の流量分布および温度分布を均一化しやすい点から、先細りのテーパ形状であることが好ましい。
また、熱風供給ノズル16(16a、16b、16c、16d、16e、16f)の熱処理室10の中央側端面には、熱風吹込口17(17a、17b、17c、17d、17e、17f)が形成されている(本実施形態では3つ。図2参照)。
熱風吹込口17は、例えば、パンチングメタルなどにより作製された多孔板を設けることにより形成することができ、この熱風吹込口17から熱風が熱処理室10に内吹き込まれる。
1つの熱風供給ノズル16に形成される熱風吹込口17の数は、前駆体繊維束Wを均一に加熱することができれば特に限定はなく、3〜21個であることが好ましい。
熱風吸込ノズル18は、熱処理室10内に吹き込まれた熱風を吸い込むノズルである。熱風吸込ノズル18は、角筒形状を有しており、熱風循環流路21に連通している。熱風吸込ノズル18は、熱処理室10の各挿入口14a〜14e近傍に、各熱風吸込ノズル18a〜18fと各挿入口14a〜14eとが交互となるように上部から順に設けられている。熱風吸込ノズル18の形状は、熱処理室10内の幅方向における熱風の流量分布および温度分布を均一化しやすい点から、先細りのテーパ形状であることが好ましい。
また、熱風吸込ノズル18(18a、18b、18c、18d、18e、18f)の熱処理室10の中央側端面には、熱風吹込口17と同数の熱風吸込口19(19a、19b、19c、19d、19e、19f)が、それぞれ熱風吹込口17と対向するように形成されている(本実施形態では3つ。図2参照)。
熱風吸込口19は、例えば、パンチングメタルなどにより作製された多孔板を設けることにより形成することができ、この熱風吸込口19により熱処理室10内から熱風が吸い込まれる。
すなわち、熱風供給ノズル16および熱風吸込ノズル18は、熱処理室10内を走行する前駆体繊維束Wにより仕切られた6段の各耐炎化処理領域に、それぞれ対向するように設けられている。
また、熱風供給ノズル16の前駆体繊維束Wの走行方向に沿った長さは、上部側の熱風供給ノズル16aから下部側の熱風供給ノズル16fにいくに従って順に短くなっている。同様に、熱風吸込ノズル18の前駆体繊維束Wの走行方向に沿った長さは、上部側の熱風吸込ノズル18aから下部側の熱風吸込ノズル18fにいくに従って順に短くなっている。
これにより、(i+1)段目(iは1〜5の整数である)の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、i段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔よりも長くなっており、かつ6段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口17fと熱風吸込口19fとの間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口17aと熱風吸込口19aとの間隔よりも長くなっている。以下、i段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔を間隔Dという。
また、耐炎化処理装置1では、(i+1)段目の耐炎化処理領域における間隔Di+1は、i段目の耐炎化処理領域における間隔Dよりも長くなっているが、n+1段目(本実施形態では6段目)の耐炎化処理領域における間隔Dn+1(D)が、1段目の耐炎化処理領域における間隔Dよりも長くなっていれば、間隔Di+1と間隔Dが同じ場所があってもよい。
本発明の耐炎化処理装置では、(n+1)段目の耐炎化処理領域における間隔Dn+1は、1段目の耐炎化処理領域における間隔Dの1.2〜2倍であることが好ましい(本実施形態では、D/D=1.2〜2倍であることが好ましい。)。
間隔Dn+1が間隔Dの1.2倍以上であれば、熱処理室10内に吹き込む熱風の温度をより高く設定して、耐炎化処理に要する時間を短縮することが容易になる。また、間隔Dn+1が間隔Dの2.0倍以下であれば、前駆体繊維束Xが発熱して糸切れが生じることを抑制しやすい。
熱風循環室20は、熱処理室10の側面に設けられており、熱風供給ノズル16(16a〜16f)および熱風吸込ノズル18(18a〜18f)と両端側でそれぞれ連通している熱風循環流路21を有している。熱風循環室20は、熱処理室10より幅方向の長さが短い箱型形状を有しており、その前駆体繊維束Wの走行方向に沿った長さおよび高さは熱処理室10と同じである。また、熱風循環室20内の熱風循環流路21の周囲は、断熱材(図示せず)により覆われている。
熱風循環流路21には、熱風循環流路21内の熱風を加熱し、熱処理室10内に吹き込む熱風の温度を設定温度に保つヒーター22と、熱風循環流路21内の熱風を熱風吸込ノズル18側から熱風供給ノズル16側へと送るファン23とが設けられている。
ヒーター22は、熱風を加熱できるものであれば特に限定はなく、例えば、電気ヒータなどが挙げられる。
ファン23は、熱風を循環させることができるものであれば特に限定はなく、耐炎化処理装置に通常用いられる既存のファンを用いることができる。
これにより、熱風が、熱処理室10内から熱風吸込ノズル18に吸い込まれ、ヒーター22により加熱され、ファン23により熱風供給ノズル16側へと送られて熱処理室10内へと吹き込まれることにより、耐炎化処理装置1内を循環する。
本実施形態では、前駆体繊維束Wを(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させる耐炎化処理装置として、nが5の耐炎化処理装置1について説明したが、nは5に限定されない。
本発明の耐炎化処理装置においては、nは、3〜20の整数であることが好ましく、5〜15の整数であることがより好ましい。nが3以上の整数であれば、熱処理室の設定温度における前駆体繊維束Wの耐炎化処理を充分に行うことが容易になる。また、nが20以下の整数であれば、加熱エネルギーの無駄を抑え、短時間で耐炎化処理することが容易になる。
尚、本実施形態の耐炎化処理装置1では、図3に示すように、各段の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔を、熱風供給ノズル16および熱風吸込ノズル18の前駆体繊維束の走行方向に沿った長さにより調節しているが、これには限定されない。
例えば、図4(a)に示すように、熱処理室10内における熱風供給ノズル16と熱風吸込ノズル18の前駆体繊維束の走行方向に沿った位置を、後段にいくにつれてお互いに離すことにより、各段の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔が徐々に長くされた耐炎化処理装置2であってもよい。
また、図4(b)に示すように、熱処理室10内における熱風供給ノズル16の前駆体繊維束の走行方向に沿った位置を、後段にいくにつれて前壁11に近づくようにし、熱風吸込ノズル18の前駆体繊維束の走行方向に沿った位置を、全て熱処理室10の後壁13近傍の一定の位置とすることにより、各段の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔が徐々に長くされた耐炎化処理装置3であってもよい。
また、本発明の耐炎化処理装置は、図3に例示した、各段の耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔が、後段にいくにつれて徐々に長くなっているものには限定されない。
例えば、1〜3段目の耐炎化処理領域における間隔D、D、Dが同じで、4〜6段目の耐炎化処理領域における間隔D、D、Dが同じであり、かつ6段目の耐炎化処理領域におけるDが、1段目の耐炎化処理領域におけるDよりも長くされている耐炎化処理装置4(n=5に限定されない。)であってもよい。
また、本発明の耐炎化処理装置では、(i+1)段目の耐炎化処理領域におけるDi+1が、i段目の耐炎化処理領域におけるDと同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域におけるDn+1が、1段目の耐炎化処理領域におけるDよりも長くされていれば、熱処理室10の中央に、熱処理室10の両端(前壁11、後壁13)方向に向かって熱風を吹き出す熱風供給ノズル16を備え、熱処理室10の両端(前壁11、後壁13)側に熱風吸込ノズル18を備える耐炎化処理装置(以下、耐炎化処理装置Aという)であってもよい。
また、本発明の耐炎化処理装置では、必要に応じて、熱処理室10の両側の側面に熱風循環室を備えていてもよい。例えば、熱風循環室20の熱風循環流路21に1、3、5段目の熱風供給ノズル16および熱風吸込ノズル18が連通し、もう一方の熱風循環流路に2、4、6段目の熱風供給ノズル16および熱風吸込ノズル18が連通した耐炎化処理装置などが挙げられる。このような耐炎化処理装置の場合は、それらの熱風循環室からの熱風の風量および温度は別々に調整されていてもよい。熱処理室10の両側の側面に熱風循環室を備えれば、熱処理室10の側面における放熱を抑えることが容易になり、熱処理室10内における前駆体繊維束Wの幅方向の温度斑を抑制することが容易になるという効果が得られる。
前駆体繊維束Wとしては、例えば、ポリアクリロニトリル、レーヨンなどの前駆体繊維を束ねたものが挙げられる。前駆体繊維束Wは、供給源(ロールなど)から熱処理室10から供給される。
[耐炎化処理方法]
本発明の前駆体繊維束の耐炎化処理方法は、前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室の外側で、前記前駆体繊維束を(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させ、前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域で熱風を前駆体繊維束に当てて耐炎化処理する方法において、(i+1)段目(ただし、iは耐炎化処理の順番であり、1〜nの整数である。)の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、i段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔と同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔よりも長くされていることを特徴とする方法である。
以下、本発明の耐炎化処理方法として、前述した耐炎化処理装置1を用いて前駆体繊維束Wを耐炎化処理する方法について説明する。
まず、供給源(図示せず)から前駆体繊維束Wが熱処理室10へと送られ、熱処理室10の前壁11の挿入口12aから熱処理室10内へと挿入される(図1および図3)。挿入口12aから挿入された前駆体繊維束Wは、挿入口12aから熱処理室10の後壁13の挿入口14aまで走行し、挿入口14aから熱処理室10の外側に送り出される。挿入口14aから出た前駆体繊維束Wは、熱処理室10の外側でガイドローラ15により折り返され、隣接する下段の挿入口14bから再び熱処理室10内へと挿入される(図3)。
挿入口14bから挿入された前駆体繊維束Wは、熱処理室10内を前段とは逆向きに、後壁13側から前壁11の挿入口12bへと走行し、挿入口12bから熱処理室10の外側に送り出される。挿入口12bから出た前駆体繊維束Wは、熱処理室10の外側でガイドローラ15により折り返され、隣接する下段の挿入口12cから再び熱処理室10内へと挿入される(図1および図3)。このように、前駆体繊維束Wが熱処理室10の外側で繰り返し折り返されることにより、前駆体繊維束Wが多段に熱処理室10内を走行する。すなわち、本実施形態の耐炎化処理方法では、前駆体繊維束Wを4回折り返すことにより、5段の前駆体繊維束Wを熱処理室10内に走行させる。
前駆体繊維束Wを走行させる方法は、特に限定はなく、ガイドローラ15を動力源(モーターなど)により回転させ、ガイドローラ15と前駆体繊維束Wとの摩擦により前駆体繊維束Wに動力を与えて走行させる方法であってもよく、耐炎化処理装置1の外部において別の動力源により前駆体繊維束Wに動力を与えて走行させる方法であってもよい。
熱処理室10内では、熱風供給ノズル16から熱風が吹き込まれ、前駆体繊維束Wに該前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当てられ、熱風吸込ノズル18により吸い込まれる。これにより、前駆体繊維束Wの耐炎化処理が行われる。
熱風吸込ノズル18に吸い込まれた熱風は、熱風循環流路21内においてヒーター22で加熱されることにより温度が一定に保たれ、ファン23によって熱風供給ノズル16側へと送られて熱処理室10内へと吹き込まれる。
本実施形態の耐炎化処理方法では、耐炎化処理装置1における(i+1)段目(iは1〜5の整数である)の間隔Di+1が、i段目の間隔Di+1よりも長くなっていることから、(i+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、i段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔よりも長くなっている。
また、耐炎化処理装置1における6段目の間隔Dが、1段目の間隔Dよりも長くなっていることから、6段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔よりも長くなっている。
このようにして前駆体繊維束を耐炎化処理することにより、耐炎化処理中に前駆体繊維束に糸切れが生じることを抑制することができる。
熱風供給ノズル16から熱処理室10内に吹き込まれる熱風の温度は、前駆体繊維束Wの耐炎化処理の段階に応じて設定すればよく、200〜300℃であることが好ましく、220〜280℃であることがより好ましい。
熱処理室10内に吹き込む熱風の温度は、6段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束Wに糸切れが生じない範囲内でできるだけ高い温度に設定することが好ましい。
耐炎化処理装置1では、各耐炎化処理領域における熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔(処理長)が、1段目から6段目にいくにつれて長くなっているため、1〜5段目の耐炎化処理領域では熱風により前駆体繊維束Wを加熱する時間が徐々に長くなるようにされている。そのため、1〜5段目の耐炎化処理領域では前記設定温度がある程度高い場合であっても、処理長を調節して加熱時間を短くすることで、前駆体繊維束Wが著しく発熱して糸切れが生じることを抑えることができる。
熱風の風速は、前駆体繊維束Wの耐炎化処理が充分に行える速度であればよく、0.5〜6m/sであることが好ましい。
前駆体繊維束Wの走行速度は、前駆体繊維束Wの耐炎化処理が充分に行える速度であればよく、1〜20m/minであることが好ましい。
また、熱処理室10内の温度は、一定温度に保たれていることが好ましい。熱処理室10内に、放熱などにより温度斑が生じると、熱処理室10内を走行する前駆体繊維束Wにも温度斑が生じてしまい、得られる耐炎化繊維の品質が低下してしまうおそれがある。熱処理室10からの放熱を防ぐ方法としては、熱処理室10の熱風循環室20が設けられた側面と逆側の側面を断熱材により覆う方法でもよく、熱処理室10の熱風循環室20が設けられた側面と逆側の側面に、熱風循環室20と同様の熱風循環室を設ける方法であってもよい。
また、本発明の耐炎化処理装置を用いた前駆体繊維束の耐炎化処理は、複数の耐炎化処理装置を用い、各熱処理室の温度が徐々に上昇するように設定して、連続的に行うことが好ましい。これにより、短時間で前駆体繊維束を耐炎化処理することができる。
尚、本発明の耐炎化処理方法では、(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔よりも長くされていれば、(i+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔が、i段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の熱風が当てられる間隔と同じである場所があってもよい(耐炎化処理装置4の使用など)。
また、本発明の耐炎化処理方法は、耐炎化処理装置2〜4を用いて行ってもよく、耐炎化処理装置Aを用いて行ってもよいが、それらの耐炎化処理装置には限定されない。
また、複数の耐炎化処理装置を用いて連続的に耐炎化処理を行う際は、前記耐炎化処理装置1〜4のような異なる耐炎化処理装置を組み合わせてもよく、本発明の耐炎化処理装置と従来の耐炎化処理装置を組み合わせてもよい。
図5に例示したような従来の耐炎化処理装置101では、熱処理室110内の各耐炎化処理領域における熱風吹込口117と熱風吸込口119が全て等間隔に設置されていたため、各段における前駆体繊維束Wの加熱時間(処理長)が全て同じであった。そのため、熱処理室内の温度(熱風の温度)を、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束に糸切れが生じない温度まで下げる必要があった。
また、特許文献2のような、熱処理室への前駆体繊維束の供給速度を変化させる方法では、複数の耐炎化処理装置を用いた連続的な耐炎化処理が行えなかった。
一方、本発明の耐炎化処理装置では、耐炎化処理が進むにつれて前駆体繊維束Wの加熱時間(処理長)を長くすることができる。そのため、熱処理室内の温度(熱風の温度)を、最終段の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束に糸切れが生じない温度範囲内においてできるだけ高い温度に設定しても、各段における前駆体繊維束Wの加熱時間(処理長)を調節して前駆体繊維束Wの糸切れを抑えることができる。これは、前駆体繊維束Wが、耐炎化処理が進むにつれて発熱による糸切れへの耐性が高くなるため、それに合わせて処理長を長くしていくことができるためである。
また、本発明の耐炎化処理装置は、複数の耐炎化処理装置を用い、各熱処理室の温度が徐々に上昇するようにして耐炎化処理を連続的に行うことができる。
以上のように、本発明の耐炎化処理装置は、前駆体繊維束を連続的に耐炎化処理することができ、かつ耐炎化処理に要する時間を短縮できる。また、本発明の耐炎化処理装置は、既存の耐炎化処理装置の熱風供給ノズル16および熱風吸込ノズル18の設置位置や長さを変えるだけで改良できるため、新たな耐炎化処理装置を建設する必要がなくコスト面にも優れる。
また、本発明の耐炎化処理方法によれば、前駆体繊維束を、連続的にかつ短時間で耐炎化処理することができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。本実施例では、実際の使用に則し、2つの耐炎化処理装置を用いて2回に分けて耐炎化処理を行った。また、耐炎化処理の進み具合は、前駆体繊維束の耐炎化密度を測定することにより評価した。
[実施例1]
前駆体繊維束Wとしては、10本のポリアクリロニトリル系繊維束を、それらが互いに並行となるようにシート状に引き揃えて前駆体繊維束群としたものを用いた。前記ポリアクリロニトリル系繊維束の1本当たりの単糸繊度は1.2dtex、単糸数は50000本であった。
1回目の耐炎化処理を、図5に例示した耐炎化処理装置101で行い、2回目の耐炎化処理を図1〜3に例示した耐炎化処理装置1で行った。
耐炎化処理装置101は、n=5の耐炎化処理装置とし、各段の耐炎化処理領域の熱風吹込口117と熱風吸込口119との間隔を8mとした。この耐炎化処理装置101に、走行速度1.8m/minで前駆体繊維束Wを供給し、全耐炎化処理時間を16.7分間として耐炎化処理を施した。熱処理室110に吹き込む熱風は、温度236℃、風速3m/sとした。
1回目の耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wの耐炎化密度を測定したところ、1.24g/cmであった。
ついで、1回目の耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wについて、2回目の耐炎化処理を行った。用いた耐炎化処理装置1は、n=5の耐炎化処理装置とし、各段の耐炎化処理領域の熱風吹込口17と熱風吸込口19との間隔を、D=4m、D=4.4m、D=4.8m、D=5.2m、D=5.6m、D=6mとした。(n+1)段目に相当する6段目の耐炎化処理領域における間隔Dと、1段目の耐炎化処理領域における間隔Dの比(D/D)は1.5とした。この耐炎化処理装置1に走行速度3m/minで前駆体繊維束Wを供給し、1段目における耐炎化処理時間を80秒間、6段目の耐炎化処理時間を120秒間として耐炎化処理を施した。熱処理室10に吹き込む熱風は、風速3m/sとし、温度を236℃から徐々に上昇させた。
耐炎化処理を施しながら前駆体繊維束を観察したところ、熱風の温度が256℃となったところで前駆体繊維束に糸切れが生じた。
ついで、この結果を踏まえ、1回目の耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wについて、前記耐炎化処理装置1を用い、熱処理室10に吹き込む熱風の温度を糸切れが生じた256℃より8℃低い246℃とした以外は、前述の耐炎化処理装置1による耐炎化処理と同じ方法で2回目の耐炎化処理を施した。
この耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wの耐炎化密度を測定したところ、1.30g/cmであった。
[比較例1]
実施例1の1回目の耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wについて、同じ耐炎化処理装置101を用いて、走行速度3m/minで前駆体繊維束Wを供給し、同様に2回目の耐炎化処理を行った。熱処理室110に吹き込む熱風は、風速3m/sとし、温度を236℃から徐々に上昇させた。
耐炎化処理を施しながら前駆体繊維束を観察したところ、熱風の温度が246℃となったところで前駆体繊維束に糸切れが生じた。
ついで、この結果を踏まえ、1回目の耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wについて、熱処理室110に吹き込む熱風の温度を糸切れが生じた246℃より8℃低い236℃とした以外は、前述の耐炎化処理装置101による耐炎化処理と同じ方法で2回目の耐炎化処理を施した。
この耐炎化処理を終えた前駆体繊維束Wの耐炎化密度を測定したところ、1.26g/cmであった。
本発明の耐炎化処理装置を用いた実施例1では、2回目の耐炎化処理における熱風の温度を高く設定することができ、それにより耐炎化密度が1.30g/cmとなるまで耐炎化処理が進行した。
一方、2回目の耐炎化処理にも従来の耐炎化処理装置101を用いた比較例1では、2回目の耐炎化処理における熱風の温度を実施例1に比べて低く設定せざるをえず、それにより耐炎化密度が1.26g/cmとなるまでしか耐炎化処理を進行させることができなかった。
以上の結果から、本発明の耐炎化処理装置を用いれば、耐炎化処理に要する時間を短縮できることが確認できた。
本発明の耐炎化処理装置は、前駆体繊維束を連続的に耐炎化処理することができ、かつ耐炎化処理に要する時間を短縮することができるため、ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束などの様々な前駆体炭素繊維束の耐炎化処理に好適に用いることができる。
本発明の耐炎化処理装置の実施形態の一例を示した斜視図である。 図1の耐炎化処理装置のA−A’線に沿った横断面図である。 図1の耐炎化処理装置のB−B’線に沿った縦断面図である。 本発明の耐炎化処理装置の他の実施形態を示した、図1の耐炎化処理装置のB−B’線に沿った断面に相当する縦断面図である。 従来の耐炎化処理装置の実施形態の一例を示した、図1の耐炎化処理装置のB−B’線に沿った断面に相当する縦断面図である。
符号の説明
1 耐炎化処理装置 10 熱処理室 15 ガイドローラ 16 熱風供給ノズル 17 熱風吹込口 18 熱風吸込ノズル 19 熱風吸込口

Claims (4)

  1. 前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室と、
    前記熱処理室の外側で前記前駆体繊維束を(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させるローラ群と、
    前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域に、対向して設けられた熱風吹込口および熱風吸込口とを具備しており、
    (i+1)段目(ただし、iは耐炎化処理の順番であり、1〜nの整数である。)の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、i段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔と同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔よりも長くされていることを特徴とする耐炎化処理装置。
  2. 前記(n+1)段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔が、1段目の耐炎化処理領域における熱風吹込口と熱風吸込口との間隔の1.2〜2倍である、請求項1に記載の耐炎化処理装置。
  3. 前駆体繊維束を耐炎化処理する熱処理室の外側で、前記前駆体繊維束を(n−1)回(ただし、nは1以上の整数である。)折り返して、n段の前駆体繊維束を熱処理室内に走行させ、前記熱処理室内を走行する前記前駆体繊維束によって仕切られる、前記熱処理室内の(n+1)段の耐炎化処理領域で、前記前駆体繊維束にその走行方向に沿って熱風を当てて耐炎化処理する方法において、
    (i+1)段目(ただし、iは耐炎化処理の順番であり、1〜nの整数である。)の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、i段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さと同じかまたは長くされ、かつ(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さよりも長くされていることを特徴とする前駆体繊維束の耐炎化処理方法。
  4. 前記(n+1)段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さが、1段目の耐炎化処理領域を走行する前駆体繊維束の走行方向に沿って熱風が当たる長さの1.2〜2倍である、請求項3に記載の前駆体繊維束の耐炎化処理方法。
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