JP4818964B2 - 耐炎化炉 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維製造用の耐炎化繊維を製造する際に使用される耐炎化炉に関する。
炭素繊維を製造する方法として、炭素繊維の前駆体繊維を耐炎化処理した後、炭素化処理する方法が広く知られている。
この炭素繊維の製造方法における耐炎化処理としては、例えば、酸化雰囲気の熱処理室内で前駆体繊維を熱風により熱処理する方法が採用される。
ところで、耐炎化処理は発熱反応を伴う処理であるため、熱処理室内全体にわたって伝熱性能を均一化させて反応斑を抑制することが重要である。そこで、特許文献1では、前駆体繊維の走行方向に対して平行に熱風を吹き出す耐炎化炉において、前駆体繊維の通路間を仕切り板により仕切って熱風の偏流を抑制することが提案されている。
また、耐炎化処理では、熱処理室にて熱風が局所的に滞留すると、前駆体繊維の発熱に対して充分な除熱ができなくなるため、前駆体繊維が切断することがあった。耐炎化処理中に前駆体繊維が切断すると、下側の通路を通る前駆体繊維に絡み合って誘発切断を招き、生産性が低下することがあった。さらに、前駆体繊維が絡み合うと火災を誘発するおそれがあった。そこで、特許文献2では、前駆体繊維の通路間に複数の棒が所定の間隔で配設された耐炎化炉が提案されている。
特開昭62−228865号公報 特開2004−91946号公報
しかし、特許文献1に記載の耐炎化炉では、伝熱性能を充分に均一化できないことがあった。そのため、処理温度を低く抑える必要性があり、処理時間を長くしなければならないという問題を有していた。
特許文献2に記載の耐炎化炉では、切断した前駆体繊維が下側の通路を通る前駆体繊維に絡み合うことを充分に防止できなかった。特に、熱風を前駆体繊維の走行方向に対して平行に吹き出す場合には、熱風と前駆体繊維の走行方向が向流となる部分にて、切断した前駆体繊維が棒と棒の間をすり抜けて、下側の通路を通る前駆体繊維と絡み合うことがあった。また、切断した前駆体繊維が棒に絡み、熱処理室に滞留して不具合を生じさせるおそれもあった。
本発明の目的は、耐炎化処理の際に、熱処理室内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができ、また、前駆体繊維が切断したときに下側の通路を通る前駆体繊維に絡むことによる誘発切断の発生を抑制でき、耐炎化繊維を高い生産性で得ることができる耐炎化炉を提供することにある。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 以下の熱風吹出口と、熱風吸込口と、熱処理室とを具備する耐炎化炉。
熱風吹出口:
水平方向に熱処理室内に熱風を吹き出す。
熱風吸込口:
水平方向に熱風吹出口と相対して配置され、熱処理室内の熱風を吸い込む。
熱処理室:
前駆体繊維を水平方向に走行させて熱処理する熱処理室であって、
水平方向に配された仕切り板によって区画された前駆体繊維通路を2段以上有し、
前駆体繊維通路は、前駆体繊維が熱風の吹き出し方向に走行する並流通路と、前駆体繊維が熱風の吹き出しと反対方向に走行する向流通路とを有し、
並流通路と向流通路とが、熱風吸込口近傍にて連通する。
[2] 以下の絡み防止用部材を有する[1]に記載の耐炎化炉。
絡み防止用部材:
並流通路と向流通路とが連通する部分に配置され、
棒状であり、その中心軸方向が、前駆体繊維の走行方向に対して直交方向かつ水平方向である。
[3] 仕切り板は、熱処理室から取り外し可能である[1]または[2]に記載の耐炎化炉。
本発明の耐炎化炉によれば、耐炎化処理の際に、熱処理室内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができ、また、前駆体繊維が切断したときに下側の通路を通る前駆体繊維に絡むことによる誘発切断の発生を抑制でき、耐炎化繊維を高い生産性で得ることができる。
<第1の実施形態例>
本発明の耐炎化炉の第1の実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の耐炎化炉を示す。本実施形態例の耐炎化炉1は、熱処理室10と、熱処理室10内に設置された熱風吹出口20および熱風吸込口30と、熱処理室10の外側に設けられたガイドロール40a,40bと、熱風吸込口30に熱風回収管51を介して接続された加熱機50と、加熱機50および熱風吹出口20に熱風供給管61を介して接続された送風機60とを具備するものである。
[熱処理室]
熱処理室10は、前駆体繊維Aを1回以上(本実施形態例では7回)折り返して、水平方向に走行させながら熱処理するものである。ここで、前駆体繊維Aとは、炭素繊維の前駆体となる繊維のことである。前駆体繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル系繊維が挙げられる。
本実施形態例における熱処理室10は、略直方体状のものであり、水平方向に配された仕切り板(第1の仕切り板11a,第2の仕切り板11b)によって区画された前駆体繊維の通路12a〜12hが水平に8段形成されている。
ここで、通路12a,12c,12e,12gでは、熱風の吹き出し方向に前駆体繊維Aが走行している。以下、通路12a,12c,12e,12gのことを並流通路12a,12c,12e,12gという。
また、通路12b,12d,12f,12hでは、熱風の吹き出し方向と反対方向に前駆体繊維Aが走行している。以下、通路12b,12d,12f,12hのことを向流通路12b,12d,12f,12hという。
第1の仕切り板11aは、上面側が並流通路12c,12e,12gに、下面側が向流通路12b,12d,12fになっており、熱風吹出口20から熱風吸込口30の手前まで設置されている。すなわち、第1の仕切り板11aは熱風吸込口30に接しておらず、熱風吸込口30近傍にて、向流通路12bと並流通路12c、向流通路12dと並流通路12e、向流通路12fと並流通路12gが連通している。
本実施形態例において、第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間隔uは、熱風の風速にもよるが、熱風吹出口20と熱風吸込口30との距離Lの25%以下であることが好ましい。第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間隔uが、熱風吹出口20と熱風吸込口30との距離Lの25%以下であれば、耐炎化処理の途中の前駆体繊維Aが切断して垂れ落ちた際に、連通部分にて、下側の通路を通る前駆体繊維と絡み合うことを防止できる。
また、第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間隔uは、ガイドロール40a,40bの直径程度以上であることが好ましい。第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間隔uが、ガイドロール40a,40bの直径程度以上であれば、熱処理室10内の伝熱性能をより均一化できる。
第2の仕切り板11bは、上面側が向流通路12b,12d,12fに、下面側が並流通路12a,12c,12e,12gになっており、熱風吹出口20から熱風吸込口30の手前まで設置されている。すなわち、第2の仕切り板11bは熱風吸込口30に接しておらず、熱風吸込口30近傍にて、並流通路12aと向流通路12b、並流通路12cと向流通路12d、並流通路12eと向流通路12f、並流通路12gと向流通路12hが連通している。
第1の仕切り板11aおよび第2の仕切り板11bは、熱処理室10から取り外し可能になっていることが好ましい。第1の仕切り板11aおよび第2の仕切り板11bが、熱処理室10から取り外し可能になっていれば、熱処理室10内部、第1の仕切り板11aおよび第2の仕切り板11bを容易に清掃あるいは補修できる。
また、熱処理室10の長さ方向(図示例の左右方向)の一方の側面13aおよび他方の側面13bには、前駆体繊維Aの出入口となるスリット14a,14bが各々形成されている。
[熱風吹出口]
熱風吹出口20は、前駆体繊維Aの走行方向に対して平行に熱風を熱処理室10内に吹き出すものである。
本実施形態例における熱風吹出口20は、前駆体繊維A,A間の、熱処理室10の一方の側面13a近傍に設置されている。
[熱風吸込口]
熱風吸込口30は、熱風を熱処理室10から吸い込むものである。
本実施形態例の熱風吸込口30は、前駆体繊維A,A間の、熱処理室10の他方の側面13b近傍に設置されている。
[ガイドロール]
ガイドロール40a,40bは、前駆体繊維Aの走行方向を折り返すものである。
本実施形態例では、熱処理室10の一方の側面13aの近傍に、ガイドロール40aが3個設けられている。ガイドロール40aにより、熱処理室10の一方の側面13aのスリット14aから送出した前駆体繊維Aの走行方向を折り返して、前駆体繊維Aをスリット14aから熱処理室10内に再び送入するようになっている。
また、熱処理室10の他方の側面13bの近傍にガイドロール40bが4個設けられている。ガイドロール40bにより、熱処理室10の一方の側面13bのスリット14bから送出した前駆体繊維Aの走行方向を折り返して、前駆体繊維Aをスリット14bから熱処理室10内に再び送入するようになっている。
[加熱機]
加熱機50は、熱風吸込口30から吸い込んだ回収熱風を再加熱して熱風を生成するものである。
加熱機50に接続された熱風回収管51は、各熱風吸込口30に接続された枝管51aと、各枝管51aが全て接続された一本の幹管51bとから構成されている。
[送風機]
送風機60は、加熱機50により生成した熱風を熱風吹出口20に熱風を供給するものである。送風機60の具体例としては、ファンなどが挙げられる。
送風機60に接続された熱風供給管61は、各熱風吹出口20に接続された枝管61aと、各枝管61aが全て接続された一本の幹管61bとから構成されている。
[耐炎化処理方法]
この耐炎化炉1を用いた耐炎化方法では、熱処理室10内を加熱する。加熱するためには、加熱機50により生成した熱風を、送風機60および熱風供給管61を用いて熱風吹出口20に供給する。そして、熱風吹出口20から、前駆体繊維Aの走行方向と平行に熱風を吹き出す。また、熱処理室10内の熱風を熱風吸込口30により吸い込み、熱風回収管51を用いて加熱機50に返送する。このようにして熱風を循環させながら、熱処理室10内を加熱する。
上記のように熱処理室10内を加熱しつつ、前駆体繊維Aを一方の側面13aの一番下のスリット14aから熱処理室10内に送入して、並流通路12aを通過させた後、他方の側面13bの一番下のスリット14bから送出させる。送出させた前駆体繊維Aをガイドロール40bにより走行方向を折り返し、折り返した前駆体繊維Aを熱処理室10内に再び送入し、向流通路12bを通過させた後、一方の側面13aの下から二番目のスリット14aから送出させる。送出させた前駆体繊維Aをガイドロール40aにより走行方向を折り返し、折り返した前駆体繊維Aを熱処理室10内に再び送入して、並流通路12cを通過させる。これと同様にして、前駆体繊維Aを向流通路12d、並流通路12e、向流通路12f、並流通路12g、向流通路12hに順次通過させ、熱処理して、耐炎化処理を施す。
[作用効果]
耐炎化処理は発熱反応であるため、並流通路12a,12c,12e,12gにて熱処理された前駆体繊維Aは発熱して、必要以上の温度になるおそれがある。
しかし、本実施形態例の耐炎化炉1では、以下の理由より、耐炎化処理における前駆体繊維Aの発熱を除熱でき、熱処理室10内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができる。
前駆体繊維Aが熱処理室10から送出されると一旦その温度が低下するため、ガイドロール40bを経由して熱処理室10に送入された前駆体繊維Aは送出前より温度が低くなっている。そのため、向流通路12b,12d,12fの熱風吸込口30近傍が冷却される。本実施形態例では、熱風吸込口30近傍にて、向流通路12b、並流通路12c、向流通路12d、並流通路12e、向流通路12f、並流通路12gが連通しているため、これらの間で容易に伝熱できる。そのため、並流通路12c,12e,12gの熱風吸込口30近傍が冷却されることによって、向流通路12b,12d,12fの熱風吸込口30近傍を冷却でき、その結果、前駆体繊維Aの発熱を抑制できる。このように、前駆体繊維Aの発熱を、向流通路12b,12d,12fの熱風吸込口30近傍の熱風により冷却できるため、熱処理室10内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができる。このように伝熱性能を均一化させることにより、加熱温度を高く設定することが可能となり処理時間の短縮が可能となる。
また、本実施形態例の耐炎化炉1では、向流通路12b、並流通路12c、向流通路12d、並流通路12e、向流通路12f、並流通路12gが連通しているのは、熱風吸込口30近傍のみであり、そのほかの部分では連通していない。そのため、前駆体繊維Aが切断したときでも、その下の通路を通る前駆体繊維Aと絡むことを防止できる。したがって、絡みによる誘発切断の発生を抑制でき、耐炎化繊維を高い生産性で得ることができる。
<第2の実施形態例>
本発明の耐炎化炉の第2の実施形態例について説明する。
図2に、本実施形態例の耐炎化炉を示す。本実施形態例の耐炎化炉2は、第1の実施形態例1と同様に、熱処理室10と、熱処理室10内に設置された熱風吹出口20および熱風吸込口30と、熱処理室10の外側に設けられたガイドロール40a,40bと、熱風吸込口30に熱風回収管51を介して接続された加熱機50と、加熱機50および熱風吹出口20に熱風供給管61を介して接続された送風機60とを具備するものである。
なお、本実施形態例において第1の実施形態例と同様のものは図1と同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態例における熱処理室10は、第1の仕切り板11a,11cによって前駆体繊維の通路12a〜12hが水平に8段形成されている。
第2の仕切り板11cは、上面側が並流通路12c,12e,12gに、下面側が向流通路12b,12d,12fになっており、熱風吹出口20から熱風吸込口30まで設置されている。すなわち、第1の仕切り板11aは、並流通路12aと向流通路12b、並流通路12cと向流通路12d、並流通路12eと向流通路12f、並流通路12gと向流通路12hが連通しないように設置されている。
一般に、向流通路にて前駆体繊維が切断した場合には、切断した前駆体繊維が熱風の流れによって押し戻される。押し戻された前駆体繊維は仕切り板のない箇所から垂れ下がって、その下方の並流通路を通る前駆体繊維と絡み合いやすい。
しかし、本実施形態例の耐炎化炉2では、第2の仕切り板11cによって、並流通路12aと向流通路12b、並流通路12cと向流通路12d、並流通路12eと向流通路12f、並流通路12gと向流通路12hが連通しないようになっているから、向流通路12b,12d,12f,12hにて前駆体繊維Aが切断しても、その下の並流通路12a,12c,12e,12gを通る前駆体繊維Aに絡むことをより確実に防止できる。
また、本実施形態例の耐炎化炉2においても、並流通路12c,12e,12gと並流通路の下側の向流通路12b,12d,12fとが、熱風吸込口30近傍にて連通しているため、第1の実施形態例と同様の理由により、熱処理室10内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができる。また、前駆体繊維Aの絡みによる誘発切断の発生を抑制でき、耐炎化繊維を高い生産性で得ることができる。
<第3の実施形態例>
本発明の耐炎化炉の第3の実施形態例について説明する。
図3に、本実施形態例の耐炎化炉を示す。本実施形態例の耐炎化炉3は、第1の実施形態例と同様に、熱処理室10と、熱処理室10内に設置された熱風吹出口20および熱風吸込口30と、熱処理室10の外側に設けられたガイドロール40a,40bと、熱風吸込口30に熱風回収管51を介して接続された加熱機50と、加熱機50および熱風吹出口20に熱風供給管61を介して接続された送風機60とを具備するものである。
なお、本実施形態例において第1の実施形態例と同様のものは図1と同じ符号を付し、第2の実施形態例と同様のものは図2と同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態例の耐炎化炉3では、第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間の並流通路12c,12e,12gと向流通路12b,12d,12fとが連通している部分に、絡み防止部材15,15・・・が設けられている。絡み防止部材15,15・・・は棒状であり、その中心軸が前駆体繊維Aの走行方向に対して直交方向かつ水平方向である。各防止部材15,15・・・は、一定間隔で配置されることが好ましい。このように絡み防止部材15が設けられていることによって、並流通路12c,12e,12gを通る前駆体繊維が切断した場合でも、第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間にて、その下の向流通路12b,12d,12fを通る前駆体繊維に絡むことをより防止できるようになっている。
絡み防止部材15,15同士の間隔は60〜300mmの範囲とすることが好ましい。絡み防止部材15,15同士の間隔が60mm以上であれば、熱処理室10の伝熱性能をより均一化できる。また、絡み防止部材15,15同士の間隔が300mm以下であれば、並流通路12c,12e,12gを通る前駆体繊維Aが切断した場合でも、第1の仕切り板11aと熱風吸込口30との間にて、その下の向流通路12b,12d,12fを通る前駆体繊維Aに絡むことを特に防止できる。
また、本実施形態例の耐炎化炉3においても、並流通路12c,12e,12gと並流通路の下側の向流通路12b,12d,12fとが、熱風吸込口30近傍にて連通しているため、第1の実施形態例と同様の理由により、熱処理室10内全体にわたって伝熱性能を均一化させることができる。また、前駆体繊維Aの絡みによる誘発切断の発生を抑制でき、耐炎化繊維を高い生産性で得ることができる。
なお、本発明は、上述した第1〜第3の実施形態例の耐炎化炉1〜3に限定されない。例えば、上述した実施形態例では、第1の仕切り板11a,11b,11cは熱風吹出口20から熱風吸込口30またはその近傍まで設置されていたが、熱風吹出口20の近傍から熱風吸込口30またはその近傍まで設置されていてもよい。第1の仕切り板11d,11e,11fが熱風吹出口20の近傍から設置されている場合には、熱風吹出口20の吹出し面積を大きくすることができる。
図4および図5に、仕切り板が熱風吹出口20の近傍から熱風吸込口30またはその近傍まで設置されている実施形態例を示す。
図4に示す実施形態例の耐炎化炉4は、第1の実施形態例の耐炎化炉1の変形例であって、第1の仕切り板11dおよび第2の仕切り板11eが、熱風吹出口20の近傍から熱風吸込口30の近傍まで設置されている実施形態例である。
図5に示す実施形態例の耐炎化炉5は、第2の実施形態例の耐炎化炉2の変形例であって、第1の仕切り板11dが、熱風吹出口20の近傍から熱風吸込口30の近傍まで設置され、第2の仕切り板11fが、熱風吹出口20の近傍から熱風吸込口30の近傍まで設置されている実施形態例である。
熱風吹出口20から第1の仕切り板11d,11e,11fまでの間隔mは、それらの間にて、切断した前駆体繊維Aがその下の通路を通る前駆体繊維Aに絡むことを防止できることから、ガイドロール40aの直径以下程度であることが好ましい。
また、本発明の耐炎化炉では、熱風に対して並流に前駆体繊維が走行する並流通路と、該並流通路に隣接し、熱風に対して向流に前駆体繊維が走行する向流通路とが、実質的に連通されていればよく、例えば、第1の実施形態例の仕切り板11a〜11fと熱風吸込口30までの間に多孔板等の両側が連通した板を設置し、実質的に連通した状態にすることでも同等の効果を発揮できる。
また、本発明の耐炎化炉では、並流通路とその下の向流通路とが連通されておらず、該並流通路とその上の向流通路とが連通されていてもよい。
また、本発明の耐炎化炉における通路の段数は、2段以上であればよく、8段に限られない。
本発明の耐炎化炉の第1の実施形態例を模式的に示す図である。 本発明の耐炎化炉の第2の実施形態例を模式的に示す図である。 本発明の耐炎化炉の第3の実施形態例を模式的に示す図である。 本発明の耐炎化炉の他の実施形態例を模式的に示す図である。 本発明の耐炎化炉の他の実施形態例を模式的に示す図である。
符号の説明
1,2,3,4,5 耐炎化炉
10 熱処理室
11a,11b,11c,11d,11e,11f 仕切り板
12a,12c,12e,12g 並流通路
12b,12d,12f,12h 向流通路
13a,13b 側面
14a,14b スリット
15 絡み防止部材
20 熱風吹出口
30 熱風吸込口
40a,40b ガイドロール
50 加熱機
51 熱風回収管
51a 枝管
51b 幹管
60 送風機
61 熱風供給管
61a 枝管
61b 幹管
A 前駆体繊維

Claims (3)

  1. 以下の熱風吹出口と、熱風吸込口と、熱処理室とを具備する耐炎化炉。
    熱風吹出口:
    水平方向に熱処理室内に熱風を吹き出す。
    熱風吸込口:
    水平方向に熱風吹出口と相対して配置され、熱処理室内の熱風を吸い込む。
    熱処理室:
    前駆体繊維を水平方向に走行させて熱処理する熱処理室であって、
    水平方向に配された仕切り板によって区画された前駆体繊維通路を2段以上有し、
    前駆体繊維通路は、前駆体繊維が熱風の吹き出し方向に走行する並流通路と、前駆体繊維が熱風の吹き出しと反対方向に走行する向流通路とを有し、
    並流通路と向流通路とが、熱風吸込口近傍にて連通する。
  2. 以下の絡み防止用部材を有する請求項1に記載の耐炎化炉。
    絡み防止用部材:
    並流通路と向流通路とが連通する部分に配置され、
    棒状であり、その中心軸方向が、前駆体繊維の走行方向に対して直交方向かつ水平方向である。
  3. 仕切り板は、熱処理室から取り外し可能である請求項1または2に記載の耐炎化炉。
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