JP2008280640A - 耐炎化熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱処理室内の温度ムラの発生を抑えて、高品質な耐炎化繊維を得ることができる耐炎化熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理室10の外側であって熱処理室10の幅方向の両側壁16,17に、各々熱風送風手段36,56を備えた熱風循環流路31,51を配設し、第1循環流路31の一端を第1熱風供給ノズル32に、第2熱風循環流路51の一端を第2熱風供給ノズル52に接続するとともに、第1熱風循環流路31の他端を第1熱風吸込ノズル34に、第2熱風循環流路51の他端を第2熱風吸込ノズル54に接続することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐炎化熱処理装置に関するものである。
従来から、例えばポリアクリロニトリル系繊維からなる糸条から炭素繊維を製造する工程において、糸条を耐炎化処理する耐炎化炉が知られている。この耐炎化炉は、複数の糸条がガイドローラを介して折り返すことにより、耐炎化炉の熱処理室内を多段に移送され、その糸条を熱処理室内で連続的に200℃〜300℃の熱風によって加熱し、化学反応を起こすことで、所望の耐炎化密度を有した耐炎化繊維を製造するものである。
ところで、前記糸条から高品質な耐炎化繊維を得るためには、耐炎化炉の熱処理室内の熱風循環を効率的に行い、糸条の温度ムラを抑えることが重要である。
このような耐炎化炉としては、例えば、特許文献1に示すように、糸条の移送方向に対して直交する方向から熱風を当て加熱するものや、特許文献2に示すように、糸条の移送方向に対して幅方向に直交する方向から熱風を当て加熱するものがある。このように構成することで、糸条に効率的に熱風を当てることができるが、その一方で、熱風が糸条を通過する際、熱処理室内を移送される糸条が熱風を受けて振動してしまうため、隣接する糸条同士の接触により、毛羽、糸切れ等が発生し高品位な耐炎化繊維を得ることができなくなってしまう。
このような糸条の振動を抑えるために、例えば特許文献3に示すように、糸条の移送方向と平行に熱風を吹き出し、糸条に沿って熱風を当てて加熱するものが採用されている。
しかしながら、特許文献3に示す耐炎化炉にあっては、耐炎化炉の片側の側壁が外気に曝されているため、その側壁から耐炎化炉内の熱が外気に奪われ放熱してしまう。そのため、移送される糸条の幅方向に温度ムラが発生し、処理時間も長くなってしまう。これを改善するために、例えば特許文献4では、熱処理室内に内側壁を設け、熱処理室内を二重構造とすることで、熱処理室外への放熱を抑え、温度ムラの発生を防ぐような提案がされている。
特開2000−178836号公報 特開2002−161440号公報 特開昭58−208433号公報 特開2003−155629号公報
しかしながら、上述の特許文献4に示す耐炎化炉にあっては、熱処理室内を二重構造とすることで温度ムラをある程度低減することができるが、近年、糸条の幅方向における更なる温度ムラの発生を低減し、より高品質な炭素繊維の製造が要請されている。
また、上述の耐炎化炉にあっては、耐炎化炉の両側方の外気温環境が異なったり、周辺配置機器類の熱容量が異なる場合等において、熱処理室内を循環する熱風の温度及び流量の調整を円滑に行うことが難しいため、やはり糸条の幅方向での温度ムラが発生してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、熱処理室内の温度ムラの発生を抑えて、高品質な耐炎化繊維を得ることができる耐炎化熱処理装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、熱処理室内で糸条に熱風を供給し耐炎化処理する耐炎化熱処理装置であって、以下の(1)〜(5)の構造を有する耐炎化熱処理装置。
(1)熱処理室と、熱風供給ノズルと、熱風吸込ノズルと、循環流路とを有する。
(2)熱風供給ノズルは、熱処理室の糸条の一端挿入口近傍において、糸条の上側と下側とに配置され、糸条を上下で挟んで糸条の幅方向に沿って熱処理室内へ熱風を供給する。
(3)熱風吸込ノズルは、熱処理室の糸条の他端挿入口近傍において、糸条の上側と下側とに配置され、糸条を上下で挟んで熱処理室内から熱風を吸い込む。
(4)循環流路は、熱処理室の外側で糸条の幅方向の両側にあり、各々に熱風送風手段を備える。
(5)循環流路の一方に、糸条の上側の熱風供給ノズルと糸条の上側の熱風吸込ノズルとを接続し、循環流路の他方に、糸条の下側の熱風供給ノズルと糸条の下側の熱風吸込ノズルとを接続する。
このように構成することで、循環流路を熱処理室の外側であって、糸条の幅方向の両側に配設しているため、熱処理室の糸条の移送方向に対する両側は、各循環流路により囲まれることとなる。これにより、熱処理室外への放熱を防ぐことができるため、熱処理室内の温度ムラの発生を防ぐことができる。
また、各熱風供給ノズルから供給される熱風は、熱処理室の両側に設けた各循環流路の熱風送風手段から送り出されるため、糸条の幅方向における熱風の温度分布及び流量分布が均一化されることとなる。これにより、熱処理室の幅方向の温度ムラの発生を防ぐことができる。
請求項2に記載した発明は、熱風送風手段は、各熱風供給ノズルから供給される熱風の少なくとも流量または温度を各々独立させて制御可能に構成されていることを特徴とする。
このように構成することで、作業環境の確保等により熱処理室の両側における外部環境が異なり、熱処理室内の温度が糸条の幅方向で変化してしまう場合においても、熱風送風手段の流量または温度を各熱風送風手段毎に調整することができるため、熱処理室内の糸条の幅方向における温度ムラの発生を防ぐことができる。
請求項3に記載した発明は、糸条は、熱処理室外部に設置されたローラー群で折り返されて多段に移送されることを特徴とする。
このように構成することで、熱処理室の上下方向(高さ方向)の寸法が増加するだけで、熱処理室の設置面積は変化させずに、設置スペースを増加させることなく糸条の移送距離を増加させることができる。
請求項4に記載した発明は、循環流路は、複数の熱風供給ノズルと熱風吸込ノズルとを集合させることを特徴とする。
このように構成することで、各熱風供給ノズル及び熱風吸込ノズル毎に循環流路を設ける必要がなく、構造の簡易化を図ることができる。
請求項1に記載した発明によれば、熱処理室外への放熱を防ぎ、熱処理室内で温度ムラが発生することを防ぐことができるため、高品質な耐炎化繊維を得ることができる。
また、糸条の幅方向における熱風の温度分布及び流量分布が均一化されることとなり、熱処理室の幅方向の温度ムラの発生を防ぐことができるため、高品質な耐炎化繊維を得ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、熱風送風手段の流量または温度を各熱風送風手段毎に調整することで、熱処理室内の糸条の幅方向における温度ムラの発生を防ぐことができるため、高品質な耐炎化繊維を得ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、熱処理室の上下方向(高さ方向)の寸法が増加するだけで、熱処理室の設置面積は変化させずに、設置スペースを増加させることなく糸条の移送距離を増加させることができるため、設備が過大になることを防止した上で、炭素繊維の生産性を向上させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、各熱風供給ノズル及び熱風吸込ノズル毎に循環流路を設ける必要がなく、構造の簡易化を図ることができるため、設備コストを低減することができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜5に示すように、本実施形態の耐炎化炉(耐炎化熱処理装置)1は、箱型の熱処理室10を備えている。この熱処理室10は、図示しない供給源(ロール等)から移送される炭素繊維の原材料、例えばポリアクリロニトリル、レーヨン等の前駆体繊維を束ねた糸条Wに耐炎化処理を施すものである。また、熱処理室10は、鉄やステンレス等の構造材料によって形成されている。
熱処理室10の供給側である前壁11には、前壁11の下部から上部に亘って5段の挿入口(一端挿入口)12a,12b,12c,12d,12eが形成されている。各挿入口12a〜12eは、矩形のスリット状に形成されており、そのうち最下段の挿入口12aは、糸条Wの供給源から移送される供給端として構成されている。また、各挿入口12a〜12eの外側にはシールカーテン等の図示しないシール装置が配置されている。
一方、熱処理室10の排出側である後壁13には、前壁11と同様に下部から上部に亘って例えば5段の挿入口(他端挿入口)14a,14b,14c,14d,14eが形成されている(図5参照)。これら後壁13に形成された各挿入口14a〜14eのうち最上段の挿入口14eは糸条Wの排出端として構成されている。また、各挿入口14a〜14eの外側にはシールカーテン等の図示しないシール装置が配置されている。前壁11側の各挿入口12a〜12eと後壁13側の各挿入口14a〜14eは、熱処理室10の高さ方向に各々対向した位置に設けられている。
そして、各挿入口12a〜12e,14a〜14eの外方には、複数のガイドローラ15(ローラー群)が回転可能に設けられている。このガイドローラ15は、糸条Wを掛け回して折り返すことにより、糸条Wの移送方向を逆方向に転換させ、隣接する1段上に形成された挿入口に案内するものである。つまり、本実施形態において、糸条Wは熱処理室10内を5回移送される。
ここで、熱処理室10の一方の側壁16には、第1熱風循環室30が設けられている(図2参照)。この第1熱風循環室30は、前述した熱処理室10より幅方向に小さい箱型形状であり、長さ及び高さは熱処理室10と同形状に構成されたものである。第1熱風循環室30の内部には、第1熱風循環室30の長手方向に沿って第1熱風循環流路(循環流路)31が設けられている。また、第1熱風循環室30内の第1熱風循環流路31の周囲は、図示しない断熱材により覆われている。
図2〜4に示すように、第1熱風循環流路31内には、ファンF1が設けられている。このファンF1には、例えば軸流ファン等が用いられている。ファンF1の流れ方向の上流側には、ヒータH1が設けられている。このヒータH1には、例えば電気ヒータ等が用いられている。これらヒータH1とファンF1とで第1熱風送風手段(熱風送風手段)36が構成され、第1熱風循環流路31を流れる熱風の温度及び流量を調整しながら、第1熱風循環流路31の長手方向に熱風を送り出している。
ここで、第1熱風循環流路31の一端には、複数(例えば、3本)の熱風供給ノズル32が接続されている。各熱風供給ノズル32は、先端が閉塞された角筒形状のもので、その先端に向かうにつれて先細りテーパ形状に形成されている。各熱風供給ノズル32は、熱処理室10の前壁11側の挿入口12a〜12e近傍であって、熱処理室10の幅方向に亘って延出されている。各熱風供給ノズル32の糸条Wの移送方向に直交する内面には、パンチングメタル等により形成された多孔板33が設けられ、この多孔板33の各孔から熱風が供給される。
また、図2,3,5に示すように、第1熱風循環流路31の他端には、複数(例えば、3本)の熱風吸込ノズル34が接続されている。各熱風吸込ノズル34は、前記熱風供給ノズル32と同形状のものであり、熱処理室10の後壁13側の挿入口14a〜14e近傍であって、熱処理室10の幅方向に亘って延出されている。熱風吸込ノズル34の糸条Wの移送方向に直交する内面には、パンチングメタル等により形成された多孔板35が設けられ、この多孔板35の各孔から熱風を吸い込む。また、各熱風供給ノズル32と各熱風吸込ノズル34とは、第1熱風循環流路31に接続されることにより集合されている。
一方、図2〜4に示すように、熱処理室10の他方の側壁17にも、前記第1熱風循環室30と同構成の第2熱風循環室50が設けられ、この第2熱風循環室50の内部には、第2熱風循環室50の長手方向に沿って第2熱風循環流路(循環流路)51が設けられている。また、第2熱風循環室50内の第2熱風循環流路51の周囲は、図示しない断熱材により覆われている。
第2熱風循環流路51内には、ファンF2が設けられている。このファンF2には、例えば軸流ファン等が用いられている。また、ファンF2の流れ方向の上流側には、ヒータH2が設けられている。このヒータH2には、例えば電気ヒータ等が用いられている。これらヒータH2とファンF2とで第2熱風送風手段(熱風送風手段)56が構成され、第2熱風循環流路51を流れる熱風の温度及び流量を調整しながら、第2熱風循環流路51の長手方向に熱風を送り出している。
つまり、熱処理室10の両側壁16,17には、それぞれ第1熱風循環室30と第2熱風循環室50とが配設されており、熱処理室10の両側は、各熱風循環流路31,51により囲まれる構成となっている。また、各熱風送風手段36,56において、ファンF1,F2及びヒータH1,H2は、図示しない制御手段により各熱風循環流路31,51内を流れる熱風の流量または温度を各々独立して制御できるように構成されている。
一方、第2熱風循環流路51の一端には、複数(例えば、3本)の熱風供給ノズル52が接続されている。この熱風供給ノズル52は、前述した第1熱風循環流路31に接続された熱風供給ノズル32と同形状のものであり、熱処理室10の前壁11側の挿入口12a〜12e近傍であって、熱処理室10の幅方向に亘って延出されている。また、熱風供給ノズル52の糸条Wの移送方向に直交する面には、パンチングメタル等により形成された多孔板53が設けられ、この多孔板53の各孔から熱風が供給される。
ここで、第1熱風循環流路31の熱風供給ノズル32と第2熱風循環流路51の熱風供給ノズル52とは、熱処理室10の両側から熱処理室10の幅方向に亘って互いに相対する方向に延出されており、各挿入口12a〜12eの近傍で各挿入口12a〜12eから移送される糸条Wを各段毎に上下から挟むように互い違いに配されている。
また、図2,3,5に示すように、第2熱風循環流路51の他端には、複数の熱風吸込ノズル54が接続されている。この熱風吸込ノズル54は、前述した第1熱風循環流路31に接続された熱風吸込ノズル34と同形状のものであり、熱処理室10の後壁13側の挿入口14a〜14e近傍であって、熱処理室10の幅方向に亘って延出している。また、熱風吸込ノズル54の糸条Wの移送方向に直交する面には、パンチングメタル等により形成された多孔板55が設けられ、この多孔板55の各孔から熱風を吸い込む。また、前述した第1熱風循環流路31と同様に、各熱風供給ノズル52と各熱風吸込ノズル54とは、第2熱風循環流路51に接続されることにより集合されている。
ここで、前述した各熱供給ノズル32,52と同様に、第1熱風循環流路31の熱風吸込ノズル34と第2熱風循環流路51の熱風吸込ノズル54とは、熱処理室10の両側から熱処理室10の幅方向に亘って互いに相対する方向に延出されており、各挿入口14a〜14eの近傍で各挿入口14a〜14eから移送される糸条Wを各段毎に上下から挟むように互い違いに配されている。
次に、作用を説明する。
まず、図示しない供給源から移送される糸条Wが熱処理室10の最下段の挿入口12aから挿入される。糸条Wは熱処理室10の挿入口12aを通過し、熱処理室10の対向する後壁13側の挿入口14aから挿出される。さらに、糸条Wは後壁13の外部に配されたガイドローラ15に巻き掛けられるようにして折り返され、挿出された挿入口14aの一段上の挿入口14bから、再び熱処理室10内に挿入される。
再び耐炎化炉1内部に挿入された糸条Wは、逆向きに上述した経路と同様の経路を経て熱処理室10外に挿出され、ガイドローラ15に再び巻き掛けられ折り返される。このように、糸条Wはガイドローラ15によって熱処理室10外で繰り返し折り返されながら、熱処理室10に繰り返し挿入、挿出され、熱処理室10内を通過する。このとき、糸条Wにはガイドローラ15の回転とガイドローラ15表面の摩擦によって動力が与えられ、矢印K(図3参照)方向に連続的に送り出されている。
糸条Wが移送される熱処理室10の内部は第1、第2熱風送風手段36,56から送り出される熱風が循環しており(図2,3矢印G参照)、例えば200℃〜300℃、好ましくは、220℃〜280℃の温度から運転状態及び処理状態に応じて適宜選択された一定温度に保たれている。そして、熱処理室10の内部に連続的に繰り返し挿入された糸条Wは、熱処理室10内で徐々に耐炎化されていく。
具体的には、第1熱風送風手段36によって送り出される熱風(図2,4中矢印I参照)と第2熱風送風手段56により送り出される熱風(図2,4中矢印J参照)とは、各熱風供給ノズル32,52を通り、多孔板33,53から熱処理室10の内部の糸条Wの移送方向に沿って吐出される。すなわち、熱風は糸条Wを各段毎に上下で挟むようにして配された各熱風供給ノズル31,51から糸条Wの移送方向に沿って、糸条Wに振動を与えることなく効率良く吐出される(図2,3矢印G参照)。
そして、吐出された熱風(図2,3矢印G参照)は、熱処理室10の内部を糸条Wの移送方向に沿って流れ、各熱風循環流路31,51の他端に接続された熱風吸込ノズル34,54から吸込まれる。そして、再び各熱風送風手段36,56により風量及び温度が調整され、各熱風供給装置31,51から吐出されることで、熱処理室10の内部及び各熱風循環流路31,51内を循環する。
ここで、前述したように、熱処理室10内の温度は、均一に保たれていることが好ましいが、熱処理室10内からの熱の放熱等により糸条Wの移送方向対して幅方向に温度ムラが発生してしまう。熱処理室10内に温度差が生じてしまうと糸条Wに温度ムラが生じてしまい、所望の耐炎化繊維を得ることができなくなってしまう。そこで、各熱風循環流路31,51が熱処理室10の両側壁16,17に設けられているため、熱処理室10の側壁16,17が直接外気に曝されることがない。そのため、熱処理室10外への放熱を防ぐことで、熱処理室10内で糸条Wの移送方向に対して幅方向に温度ムラが発生することを防ぐことができる。
また、熱処理室10内に吐出される熱風は、熱処理室10の両側壁16,17に設けられた各熱風循環流路31,51から延出された各熱供給ノズル32,52からそれぞれ供給されるとともに、その形状が先細りのテーパ形状に形成されているため、熱処理室10内の幅方向における熱風の流量分布及び温度分布が均一化される。
さらに、作業環境の確保等のために耐炎化炉1の両側方において、外部環境や周辺配置機器類等の熱容量が異なり、外部温度に差が生じる場合は、各熱風循環室30,50の熱風送風手段36,56を各々独立して制御することで、流量及び温度を調節することで、熱処理室10の内部の温度を調整する。
具体的には、耐炎化処理を行った結果、熱処理室10内の幅方向における温度差は±1.5℃という結果になり、この条件で耐炎化処理された糸条Wの耐炎化密度(品質)の差を測定したところ、その差は±0.005g/ccであった。また、各熱風送風手段36,56により、熱風の温度及び流量を各々調整することで、糸条Wの移送方向に対して幅方向における糸条Wの耐炎化密度の差をより低減することが可能となり、具体的には熱風の温度及び流量を各々調整した結果、糸条Wの耐炎化密度(品質)の差は±0.0025g/ccとなった。
したがって、本実施形態によれば、熱風循環流路31,51が熱処理室10の両側壁16,17に配設されているため、熱処理室10の内部における糸条Wの移送方向に対する両側は、各熱風循環流路31,51により囲まれることとなる。これにより、熱処理室10外への放熱を両側とも同じ条件で防ぐことができるため、熱処理室10内の幅方向で温度ムラが発生することを防ぐことができる。
また、各熱風供給ノズル32,52は、糸条Wを各段毎に上下から挟むように互い違いに配置されているとともに、各熱風供給ノズル32,52から供給される熱風は、熱処理室10の両側に設けられた各熱風循環流路31,51の熱風送風手段36,56から送り出されるため、熱処理室10内に流れる熱風の温度分布及び流量分布が均一化させることができる。
したがって、熱処理室10内の温度ムラの発生を抑えて、高品質な耐炎化繊維を得ることができる。
また、糸条Wに直交する方向から熱風を供給した場合に比較して、糸条Wが振動することなく、その結果糸条Wの損傷を防止することができる。
さらに、各熱風送風手段36,56を各々独立させて制御することができるため、例えば作業環境の確保等で生じる耐炎化炉1の両側方における外部温度の違いにより、熱処理室10内の温度が幅方向で変化してしまう場合、熱風送風手段36,56のファンF1,F2の回転数またはヒータH1,H2の温度を調整することで、熱処理室10内へ送り出される熱風の流量分布及び温度分布をより高精度に調整することができる。
また、糸条Wをガイドローラ15により折り返すことで熱処理室10内を多段に移送させることで、熱処理室10の上下方向(高さ方向)の寸法が増加するだけで、熱処理室10の設置面積は変化させずに、糸条Wの移送距離を増加させることができる。したがって、耐炎化炉1の設備が過大になることを防止しつつ、炭素繊維の生産性を向上させることができる。
また、各熱風供給ノズル32,52及び熱風吸込ノズル34,54は、各熱風循環流路31,51に各々集合されているため、各熱風供給ノズル32,52及び熱風吸込ノズル34,54毎に循環流路を設ける必要がなく、構造の簡易化を図ることができる。そのため、設備コストを低減させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記実施形態では、各段毎の糸条を挟むように各熱風供給ノズルと各熱風吸込ノズルを配置してある場合について説明したが、各段毎ではなく、2段毎の構成等適宜変更可能である。
また、本実施形態においては、耐炎化炉1台のみを用いて説明したが、耐炎化炉を複数台用いる場合においても適用することができる。
本発明の実施形態における耐炎化炉の斜視図である。 図1のA−A’線に沿う耐炎化炉の断面図である。 図1のB−B’線に沿う耐炎化炉の断面図である。 図3のD−D’線に沿う耐炎化炉の断面図である。 図3のE−E’線に沿う耐炎化炉の断面図である。
符号の説明
1…耐炎化炉(耐炎化熱処理装置)
10…熱処理室
12a〜12e…挿入口(一端挿入口)
14a〜14e…挿入口(他端挿入口)
31…第1熱風循環流路(循環流路)
32,52…熱風供給ノズル
34,54…熱風吸込ノズル
36…第1熱風送風手段(熱風送風手段)
51…第2熱風循環流路(循環流路)
56…第2熱風送風手段(熱風送風手段)

Claims (4)

  1. 熱処理室内で糸条に熱風を供給し耐炎化処理する耐炎化熱処理装置であって、以下の(1)〜(5)の構造を有する耐炎化熱処理装置。
    (1)熱処理室と、熱風供給ノズルと、熱風吸込ノズルと、循環流路とを有する。
    (2)熱風供給ノズルは、熱処理室の糸条の一端挿入口近傍において、糸条の上側と下側とに配置され、糸条を上下で挟んで糸条の幅方向に沿って熱処理室内へ熱風を供給する。
    (3)熱風吸込ノズルは、熱処理室の糸条の他端挿入口近傍において、糸条の上側と下側とに配置され、糸条を上下で挟んで熱処理室内から熱風を吸い込む。
    (4)循環流路は、熱処理室の外側で糸条の幅方向の両側にあり、各々に熱風送風手段を備える。
    (5)循環流路の一方に、糸条の上側の熱風供給ノズルと糸条の上側の熱風吸込ノズルとを接続し、循環流路の他方に、糸条の下側の熱風供給ノズルと糸条の下側の熱風吸込ノズルとを接続する。
  2. 熱風送風手段は、各熱風供給ノズルから供給される熱風の少なくとも流量または温度を各々独立させて制御可能に構成されている請求項1記載の耐炎化熱処理装置。
  3. 糸条は、熱処理室外部に設置されたローラー群で折り返されて多段に移送される請求項1または請求項2記載の耐炎化熱処理装置。
  4. 循環流路は、複数の熱風供給ノズルと熱風吸込ノズルとを集合させる請求項1から請求項3の何れか1項に記載の耐炎化熱処理装置。
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