JPH06294020A - 炭素繊維を製造する方法 - Google Patents

炭素繊維を製造する方法

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JPH06294020A
JPH06294020A JP7828193A JP7828193A JPH06294020A JP H06294020 A JPH06294020 A JP H06294020A JP 7828193 A JP7828193 A JP 7828193A JP 7828193 A JP7828193 A JP 7828193A JP H06294020 A JPH06294020 A JP H06294020A
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heating
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Yuichi Kai
雄一 甲斐
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アクリル系繊維を酸化性雰囲気で耐炎化し、
次いで炭素化して炭素繊維を製造する方法において、熱
風循環炉で複数の温度コントロール可能なゾーンを用い
て加熱と冷却とを繰り返して耐炎化する際、耐炎化が進
行するにしたがい、1回の加熱時間を等しいか長くして
ゆき、しかも最後の加熱時間は最初の加熱時間に比べて
長くすることを特徴とする炭素繊維の製造方法。 【効果】 耐炎化を20分以内の短時間で処理でき、炭
素繊維の生産性を向上させることができるし、耐炎化工
程を安定して運転できるし、高性能、高品質の炭素繊維
を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生産性の優れた高品質の
高強度炭素繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系繊維から炭素繊維を製造する
一般的な方法は、まずアクリル系繊維を200℃〜30
0℃の酸化性雰囲気中で耐炎化した後、500℃〜15
00℃の不活性雰囲気下で炭化して炭素繊維を得るもの
である。この工程中、耐炎化工程では酸化反応による発
熱が著しく、発熱によるトウや単糸の切断等のトラブル
が起こりやすいために、糸の処理に1時間以上の長時間
を要し、該工程は炭素繊維の生産性に対する最大のネッ
クであった。
【0003】また、該工程における単糸相互間の融着や
毛羽の発生は、炭素繊維の性能及び品質を損なうため
に、炭素繊維の性能及び品質に対する影響が大きな、重
要な工程である。この耐炎化反応を効率よく行う工業的
方法として従来多くの提案がなされており大別すると、
(1)アクリル系繊維の共重合成分及び量に関する方
法、(2)熱ロールを用いる方法、(3)熱風循環炉で
多段で耐炎化する方法、及び(4)これらを組合せたも
のなどである。
【0004】アクリル系繊維の共重合成分に関しては、
例えば特公昭47―22658号公報に示されるが、こ
れら共重合成分を多くすると耐炎化反応は促進するが、
得られる炭素繊維の強度物性は必ずしも満足するもので
はない。また、熱ロールによる耐炎化方法については、
例えば特公昭51―64022号公報に示されている
が、加熱ロールによる耐炎化では発熱反応を除去しにく
く融着した耐炎化糸が得られ、ひいては高物性の炭素繊
維が得られない。また、熱ロールへの糸の巻き付き等作
業性が悪く工業的に実施するのには不都合である。
【0005】また、熱風循環炉で多段で行う方法として
は、例えば特公昭58―163729号報が挙げられ、
耐炎化工程の温度コントロールゾーンを2〜3にして、
各ゾーンをなるべく高温で処理しようとしているが、時
間的には44分〜1時間を要している。以上の如く、炭
素繊維の性能及び品質を損なわず生産性に優れた耐炎化
方法は、従来技術では不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】耐炎化反応は発熱反応
であり、高速でしかも短時間に処理しようとすると高温
で処理する必要があり、この場合糸が蓄熱切断したり着
火する可能性が高い。このような方法で工業的に炭素繊
維を製造することは大変危険であり、十分糸の除熱を行
い安全かつ効率よく運転する方法を講じる必要がある。
【0007】本発明の目的は、炭素繊維の生産性にとっ
て律速となる耐炎化工程において、温度コントロール可
能なゾーンを複数用いて、加熱と冷却を繰り返しながら
高速で耐炎化を行い炭素繊維を生産する方法を提供する
ことにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者は熱風循環炉で
の多段耐炎化方法について、糸の切断温度及びその除熱
方法と安全性について鋭意検討を進め、本願発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、アクリル系繊維を
酸化性雰囲気で耐炎化し、次いで炭素化し炭素繊維を製
造する方法において、複数の温度コントロール可能なゾ
ーンを用いて加熱と冷却とを繰り返して耐炎化する際、
耐炎化が進行するにしたがい、1回の加熱時間を等しい
か長くしてゆき、しかも最後の加熱時間は最初の加熱時
間に比べて長くすることを特徴とする炭素繊維の製造方
法である。
【0009】本発明に用いる炭素繊維前駆体(プリカー
サー)は、アクリルニトリル100%のアクリル繊維、
もしくはアクリルニトリルを少なくとも95モル%以上
含有するアクリル系繊維で、共重合成分としてメタクリ
ル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル等を共重合した共
重合体からなる繊維が好ましい。炭素繊維前駆体の単糸
はデニール1.0〜1.5、構成フィラメント数は30
00〜24000本の範囲が用いられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0010】まず、アクリル系繊維は酸化性雰囲気の熱
風循環炉に供給され酸化処理を施されるが、この場合糸
による発熱反応により糸内部が急激に蓄熱されて糸が切
断しないように、熱風の温度は糸の蓄熱切断温度より低
い温度にコントロールしなければならない。このように
してアクリル系繊維を上記処理温度で処理すると、やが
て糸は炭素化が可能なほどまで耐炎化されるが、この際
に糸の比重は処理時間の経過とともに大きくなってゆ
き、また糸の蓄熱切断温度は糸の比重の増加とともに次
第に高くなっていく。一般的に、反応速度は温度が高い
ほど大きく、耐炎化反応を促進して耐炎化時間を短縮す
るためには、糸の蓄熱切断温度以下のなるべく高い温度
で糸を処理すべきである。つまり、糸の蓄熱切断温度が
上がるにつれて、供給される糸の蓄熱切断温度よりも低
いが、なるべく高い熱風温度を有する温度コントロール
可能なゾーンに糸を供給し、糸が耐炎化されるまでこれ
を繰り返すことにより、耐炎化時間を短縮することがで
きる。そして、処理効率をさらにあげ、かつ物性の優れ
た高品質の炭素繊維を得るために、糸をすくなくとも前
段よりも高い熱風温度で処理する事が好ましい。
【0011】以上のように耐炎化時間を短縮して高速で
耐炎化を行おうとした場合、糸の蓄熱切断温度よりも低
いがなるべく高い熱風温度で糸を処理することになる
が、隣合った糸が合糸してトウが太くなったり、プリカ
ーサーの異常糸、その他のトラブルなどが起こると、高
温で糸を処理しているため糸が異常反応を起こして、蓄
熱切断したり着火しやすくなり非常に危険である。この
ような危険性を回避し、異常反応を未然に防ぐには、加
熱と冷却とを繰り返しながら耐炎化処理を行うのがよ
い。すなわち、耐炎化工程中加熱を続けていると、糸の
合糸によりトウが太くなったり、プリカーサーの異常
糸、その他のトラブルが起こった時、糸は異常反応を起
こし発熱し、この発熱により糸の温度は上がり、さらに
発熱反応を促進させ、やがて糸は蓄熱切断したり、着火
しやすくなる。しかしながら、耐炎化工程中加熱と冷却
とをくりかえした場合、なんらかのトラブルにより異常
反応が起こっても、冷却することにより暴走反応を未然
に防ぎ、糸が蓄熱切断したり着火する危険性を避けるこ
とができる。そして、耐炎化工程のトラブルの度に運転
を停止していると、再びスタートアップする時に労力と
時間を費やすし、プリカーサーも無駄になるため、なる
べく運転を停止せずに異常糸のみを取り除き運転を続行
したい。そのためには糸の冷却部分で、手を触れて糸を
処理できるくらいに糸を冷却しておく必要がある。その
方策としては、糸を循環熱風炉外に出し大気中で熱伝導
率の高い金属回転体などに接触させるのがよい。そして
糸を手で触れて容易に操作できる温度、つまり40℃以
下、好ましくは30℃以下に冷却させるのがよい。この
方法により、糸から発生する有毒ガスのない場所で、手
で触れうるまでに冷却された糸を操作することができ
る。
【0012】次に1回の加熱時間についてであるが、プ
リカーサーをある温度を有する酸化性雰囲気の熱風循環
炉に連続的に供給し耐炎化処理を施す場合、プリカーサ
ーの切断温度は、糸が炉内に滞留する時間によって異な
る。すなわち糸が炉内に滞留する時間が短くなるにつれ
てプリカーサーの蓄熱切断温度は高くなっていく。そし
てある程度耐炎化の進んだ糸についてもこの現象はみら
れるが、糸の耐炎化度が進むにつれて炉内滞留時間の違
いによる蓄熱切断温度の差は小さくなり、そしてついに
かなり耐炎化の進んだ糸では加熱時間を変えても蓄熱切
断温度は変わらなくなってしまう。したがって、糸の耐
炎化の進んでいない、蓄熱切断温度が加熱時間により大
きく変わる時には、1回の加熱時間を短くして、加熱と
冷却とを頻繁に繰り返し安全性を保ちつつ処理糸の異常
な反応を未然に防ぎ、また糸の耐炎化が進み発熱量が少
なくなって、蓄熱切断温度が加熱時間により変わらない
時には、1回の加熱時間を十分に長くして耐炎化を進め
るのがよい。すなわち、加熱と冷却とを繰り返し耐炎化
を進める際、耐炎化初期には1回の加熱時間を比較的短
くしておき、糸の耐炎化度が進むにつれて、1回の加熱
時間を前回の加熱時間よりも等しいか長くしてゆき、し
かも最後の加熱時間は最初の加熱時間に比べて長くする
ことにより、炭素繊維の生産性にとって律速となる耐炎
化工程において、安全かつ安定に運転を行うことができ
る。さらに、加熱と冷却とを繰り返して耐炎化を進行さ
せる時、一旦40℃以下、好ましくは30℃以下に冷却
した糸を再度熱風循環炉内で加熱する際、糸が耐炎化反
応が進行するのに十分高い温度に昇温するまである程度
の時間が必要であり、加熱時間が短すぎると、糸が耐炎
化反応が進行するのに十分高い温度まで昇温するのに加
熱時間の大部分を要し、耐炎化反応を有効に進行させる
ことができない。一方、1回の加熱時間が長すぎると、
糸の合糸によりトウが太くなったり、アクリル系繊維の
異常糸、その他のトラブルが起こった時、糸が発熱し異
常反応を起こしやすくなり、糸が蓄熱切断したり着火す
る危険性が高くなる。1回の加熱時間t(秒)は、本発
明者の鋭意な研究の結果、糸の比重をρとした時、数1
で規定される範囲がよい。
【0013】
【数1】
【0014】さらに好ましくは、数2で規定される範囲
がよい。
【0015】
【数2】
【0016】このようにして耐炎化工程の滞留時間が2
0分以内で得られた耐炎化繊維を不活性雰囲気で500
℃〜1500℃で焼成することにより、生産性の優れ
た、高品質、高性能の炭素繊維を安全かつ安定して製造
することができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明する。
【0018】
【実施例1】アクリルニトリルを97モル%含有し、共
重合成分としてメタクリル酸1モル%、アクリル酸メチ
ル2モル%を含有する、単糸デニールが1.2デニー
ル、構成フィラメント数が12000本のアクリル系繊
維(プリカーサー)を用意した。まずこのプリカーサー
を処理長7mの熱風循環炉に連続して供給して処理する
際、炉温度と、供給速度つまり1回の加熱時間を変え
て、加熱と冷却とを繰り返して処理し、得られた耐炎化
繊維の比重を調べた。結果を表1に示す。
【0019】表1でまず注目すべきことは、プリカーサ
ーの蓄熱切断温度が1回の加熱時間により異なるという
ことである。1回の加熱時間が600秒の時、265℃
以下では処理できるが、270℃では糸は蓄熱切断して
しまう。そして1回の加熱時間が180秒の時、270
℃以下の温度では処理できるが、275℃では糸は蓄熱
切断してしまう。しかし1回の加熱時間が84秒、及び
60秒の時には275℃で糸を処理できる。つまり1回
の加熱時間が短い方が高温で処理できる。つぎに各処理
温度で得られた耐炎化繊維の比重に着目すると、同じ処
理温度では総加熱時間が同じでも、1回の加熱時間が長
い方が得られた耐炎化繊維の比重は高く、耐炎化反応を
速く進めることができることがわかる。しかし処理温度
275℃で1回の加熱時間を84秒にして加熱と冷却を
7回繰り返して得られた耐炎化繊維(総加熱時間588
秒)や処理温度275℃で1回の加熱時間を60秒にし
て10回加熱と冷却を繰り返して得られた耐炎化繊維
(総加熱時間600秒)の方が、265℃で1回の加熱
時間を600秒にしたよりも得られた耐炎化繊維の比重
は高くなる。すなわち耐炎化初期では、1回の加熱時間
を短くして高温で処理した方が耐炎化反応は速く進むの
である。
【0020】つぎに上記プリカーサーを熱風循環炉で処
理して比重が1.27及び1.33の耐炎化繊維を得
た。この耐炎化繊維を表1と同様に処理長7mの熱風循
環炉に連続して供給して処理する際、炉温度と、供給速
度つまり1回の加熱時間を変えて、加熱と冷却を繰り返
して処理し、得られた耐炎化繊維の比重を調べた。結果
を表2に示す。
【0021】表2より、比重1.27の耐炎化繊維でも
糸の蓄熱切断温度は1回の加熱時間により異なってい
る。そして処理温度275℃で1回の加熱時間180秒
を2回繰り返して得られた耐炎化繊維(総加熱時間36
0秒)の比重と、処理温度280℃で1回の加熱時間8
4秒を4回繰り返して得られた耐炎化繊維(総加熱時間
336秒)の比重は1.34と同じで、1回の加熱時間
を短くして高温で処理した方が耐炎化反応はやや速く進
むようである。
【0022】しかし比重1.33の耐炎化繊維になる
と、糸の切断温度は1回の加熱時間が変わっても変わら
なくなってしまう。そして各処理温度では、1回の加熱
時間が長い方が得られた耐炎化繊維の比重は高くなり耐
炎化反応は速く進む。以上より、糸の比重が小さい時に
は1回の加熱時間を短くしておき、糸の比重が高くなる
につれて1回の加熱時間を長くしてゆき、しかも最後の
加熱時間は最初の加熱時間に比べて長くすることによ
り、炭素繊維の製造において律速となる耐炎化工程の生
産性を向上させることができる。
【0023】
【実施例2】実施例1と同じアクリル系繊維を275℃
の温度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加
熱時間を63秒にして加熱と冷却を11回繰り返したと
ころ、1.27の比重を有する糸を得た。次にこの1.
27の比重の糸を280℃の温度を有する熱風循環炉に
連続して供給し、1回の加熱時間を72秒にして加熱と
冷却を5回繰り返したところ、1.33の比重を有する
糸を得た。さらにこの1.33の比重の糸を290℃の
温度を有する熱風循環炉に供給して108秒加熱したと
ころ1.4の比重の耐炎化糸を得た。この耐炎化糸を5
00℃〜1500℃の不活性雰囲気下で炭素化したとこ
ろ強度410kg/mm2 、弾性率23.3t/mm2
の炭素繊維が得られた。
【0024】
【実施例3】実施例1と同じアクリル系繊維を275℃
の温度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加
熱時間を84秒にして加熱と冷却を9回繰り返したとこ
ろ、1.29の比重を有する糸を得た。次にこの1.2
9の比重の糸を280℃の温度を有する熱風循環炉に連
続して供給し、1回の加熱時間を96秒にして加熱と冷
却を3回繰り返したところ1.35の比重を有する糸を
得た。さらにこの1.35の比重の糸を290℃の温度
を有する熱風循環炉に供給して144秒加熱したところ
1.43の比重の耐炎化糸を得た。この耐炎化糸を50
0℃〜1500℃の不活性雰囲気下で炭素化したところ
強度395kg/mm2 、弾性率23.8t/mm2
炭素繊維が得られた。
【0025】
【比較例1】実施例1と同じアクリル系繊維を275℃
の温度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加
熱時間を33秒にして加熱と冷却を21回繰り返したと
ころ1.22の比重を有する糸を得た。次にこの1.2
2の比重の糸を280℃の温度を有する熱風循環炉に連
続して供給し、1回の加熱時間を40秒にして加熱と冷
却を10回繰り返したところ1.29の比重を有する糸
を得た。さらにこの1.29の比重の糸を290℃の温
度を有する熱風循環炉に連続して供給したところ糸は蓄
熱切断した。
【0026】
【比較例2】実施例1と同じアクリル系繊維を275℃
の温度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加
熱時間を33秒にして加熱と冷却を21回繰り返したと
ころ1.22の比重を有する糸を得た。次にこの1.2
2の比重の糸を280℃の温度を有する熱風循環炉に連
続して供給し、1回の加熱時間を40秒にして加熱と冷
却を10回繰り返したところ1.29の比重を有する糸
を得た。さらにこの1.29の比重の糸を285℃の温
度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加熱時
間を50秒にして加熱と冷却を3回繰り返したところ
1.34の比重の耐炎化糸を得た。この耐炎化糸を50
0℃〜1500℃の不活性雰囲気下で炭素化しようとし
たが、耐炎化不足で糸が切れた。
【0027】
【比較例3】実施例1と同じアクリル系繊維を275℃
の温度を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加
熱時間を63秒にして加熱と冷却を11回繰り返したと
ころ1.27の比重を有する糸を得た。次にこの1.2
7の比重の糸を280℃の温度を有する熱風循環炉に連
続して供給し、1回の加熱時間を63秒にして加熱と冷
却を6回繰り返したところ1.32の比重を有する糸を
得た。さらにこの1.32の比重の糸を290℃の温度
を有する熱風循環炉に連続して供給し、1回の加熱時間
を63秒にして加熱と冷却を2回繰り返したところ1.
37の比重の耐炎化糸を得た。この耐炎化糸を500℃
〜1500℃の不活性雰囲気下で炭素化したところ、炭
素繊維は得られたものの、耐炎化糸の耐炎化度が不足し
ていたため、焼成時に糸がふくらみ糸の走行形態が非常
に悪かった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】すなわち、上記特定の条件下による方法
により、耐炎化を滞留時間20分以内の短時間で処理で
き、炭素繊維の生産性を向上させることができるし、耐
炎化工程を安定して運転できるし、高性能、高品質の炭
素繊維を製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系繊維を酸化性雰囲気で耐炎化
    し、次いで炭素化し炭素繊維を製造する方法において、
    熱風循環炉で複数の温度コントロール可能なゾーンを用
    いて加熱と冷却とを繰り返して耐炎化する際、耐炎化が
    進行するにしたがい、1回の加熱時間を等しいか長くし
    てゆき、しかも最後の加熱時間は最初の加熱時間に比べ
    て長くすることを特徴とする炭素繊維の製造方法。
JP7828193A 1993-04-05 1993-04-05 炭素繊維を製造する方法 Withdrawn JPH06294020A (ja)

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