JP5205417B2 - プレス機械およびプレス機械の制御方法 - Google Patents

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本発明は、プレス機械およびプレス機械の制御方法に関する。
従来、電動モータからのトルクによりスライドを上下に駆動するプレス機械が知られている。このようなプレス機械にはクランク機構が設けられ、クランク機構のシャフトを電動モータで回転させることにより、クランク機構がスライドを上下動させる。
ところで、プレス機械では、下死点近傍にて上金型と下金型とが係合した状態、または上金型と下金型との間にワークを噛み込んだ状態で、プレス機械の本体フレームが荷重に抗して伸び(つっぱり)、かつスライド駆動機構が本体フレームの弾性変位に抗して、つっかい棒をした状態となる。この状態で所定時間プレス機械を停止させると、クランク機構のシャフトがブッシュ等の軸受部に押し付けられて、シャフトと軸受部との間の潤滑油膜が減少するため、シャフトの摩擦抵抗が大きくなる。このため、スライドが下死点でロックし、スライドの荷重が公称荷重以下であったとしても、そのロック状態からの脱出が困難となる、いわゆるスティックが発生する。
そこで、プレス機械において、スライドを下死点から脱出させるための構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のプレス機械では、スティックが発生した場合に、プレス成形時よりも大きなトルクで電動モータを逆回転させ、スライドを下死点から脱出させている。
特開2004−174562号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプレス機械では、スライドを下死点から脱出させるトルクを発生させるために、プレス成形に要求される以上の能力を有する電動モータを採用する必要がある。従って、電動モータが大型化するため、プレス機械全体が大型化するとともに、エネルギー消費量が多くなってしてしまうという問題がある。
本発明の目的は、電動モータを大型化することなく下死点からの脱出能力を向上できるプレス機械およびプレス機械の制御方法を提供することにある。
発明に係るプレス機械は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の前記スライドの許容停止時間を記憶した記憶装置を備え、前記制御装置は、前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、下死点近傍での前記スライドの停止時間が前記最大荷重時の許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えていることを特徴とする。
本発明のプレス機械によれば、スライドが下死点近傍で停止したときに電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を電動モータの制御指令に付与するため、電動モータには、当該振動成分が付与された制御指令が送られる。これにより、電動モータが正逆回転を繰り返し、これに伴ってエキセンシャフトが振動するため、エキセンシャフトの回転が促進され、下死点からの脱出が容易となる。従って、下死点からの脱出能力を向上させることができる。
ここで、スティック状態における下死点からの脱出は、スライドに作用する荷重が大きく、かつスライドの停止時間が長いほど困難となる。言い換えれば、スライドの停止時間が最大荷重時の許容停止時間未満であれば、振動成分を付与しなくても下死点から脱出できることになる。
本発明のプレス機械によれば、スライドの停止時間が最大荷重時の許容停止時間以上であるときに振動成分の付与が必要であると判定するため、下死点からの脱出に必要な場合にのみ電動モータを正逆回転させることができる。従って、電動モータの正逆回転に伴うエネルギーの消費を抑えることができる。
発明に係るプレス機械は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、前記荷重ごとに前記スライドの許容停止時間が関連付けられた許容停止時間テーブルを記憶した記憶装置とを備え、前記制御装置は、前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、下死点近傍での前記スライドの停止時間が前記検出された荷重に対応する許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えていることを特徴とする。
本発明のプレス機械によれば、スライドの停止時間が、スライドの荷重に対応する許容停止時間以上であるときに振動成分の付与が必要であると判定するので、振動成分付与の要否判定に用いられる許容停止時間を荷重に応じて変化させることができる。従って、荷重ごとに最適な許容停止時間を設定することができるので、電動モータの正逆回転に伴うエネルギー消費量を抑制することができる。
発明に係るプレス機械は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、前記荷重ごとに前記スライドの許容停止時間が関連付けられた許容停止時間テーブルと前記スライドのスライドモーションとを記憶した記憶装置とを備え、前記制御装置は、前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、前記スライドモーションに基づく下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が前記検出された荷重に対応する許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えていることを特徴とする。
本発明のプレス機械によれば、スライドモーションに基づく予定停止時間を用いて振動成分付与の要否判定を行っている。ここで、スライドの予定停止時間は予めわかっているので、許容停止時間の経過まで待たなくても、振動成分付与の要否判定を行うことができる。そのため、必要な場合に直ぐに電動モータを正逆回転させることができる。従って、早い時点から電動モータを正逆回転させることができるので、時間が経過して下死点からの脱出が困難になる前にスライドを下死点から脱出させることができ、下死点からの脱出能力を向上させることができる。さらに、スライドの停止時間をカウントする必要がないため、制御装置の構成を簡易化することができる。
また、スライドモーションに基づく予定停止時間が、スライドの荷重に対応する許容停止時間以上であるときに振動成分の付与が必要であると判定するため、下死点からの脱出に必要な場合にのみ電動モータを正逆回転させることができる。従って、電動モータの正逆回転に伴うエネルギーの消費を抑えることができる。
発明に係るプレス機械は、第発明に係るプレス機械において、前記許容停止時間テーブルにおける許容停止時間には、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間が含まれ、前記制御装置の前記振動要否判定部は、下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が前記最大荷重時の許容停止時間未満であるときに前記振動成分の付与が不要と判定することを特徴とする。
本発明のプレス機械によれば、スライドモーションに基づく予定停止時間が最大荷重時の許容停止時間未満であるときに振動成分の付与が不要と判定するため、下死点からの脱出に必要な場合にのみ電動モータを正逆回転させることができる。従って、電動モータの正逆回転に伴うエネルギーの消費をさらに抑えることができる。
発明に係るプレス機械は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、前記スライドが下死点でスティックする際のスティック荷重を記憶した記憶装置とを備え、前記制御装置は、前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、前記検出された荷重が前記スティック荷重以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えていることを特徴とする。
本発明のプレス機械によれば、スライドの荷重が、下死点でスティックする際のスティック荷重以上であるときに振動成分の付与が必要であると判定するので、荷重がスティック荷重以上となった時点で電動モータを正逆回転させることができる。従って、早い時点電動モータを振動させることができるので、下死点からの脱出能力を向上させることができる。
発明に係るプレス機械の制御方法は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、下死点近傍での前記スライドの停止時間が、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行することを特徴とする。
発明に係るプレス機械の制御方法は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、下死点近傍での前記スライドの停止時間が、前記スライドに作用する荷重に対応する許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行することを特徴とする。
発明に係るプレス機械の制御方法は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、前記スライドのスライドモーションに基づく下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が、前記スライドに作用する荷重に対応する許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行することを特徴とする。
発明に係るプレス機械の制御方法は、第発明に係るプレス機械の制御方法において、下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間未満であるときに前記振動成分の付与が不要と判定するステップを実行することを特徴とする。
10発明に係るプレス機械の制御方法は、電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、前記スライドに作用する荷重が、前記スライドが下死点でスティックする際のスティック荷重以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行することを特徴とする。
第7発明から第12発明に係るプレス機械の制御方法によれば、第1発明から第6発明に係るプレス機械と同様の効果を得ることができる。
以上の本発明のプレス機械およびプレス機械の制御方法によれば、スライドが下死点近傍で停止したときに電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を電動モータの制御指令に付与する。従って、電動モータが正逆回転を繰り返し、これに伴ってエキセンシャフトが振動するため、下死点からの脱出能力を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るプレス機械を一部断面して示す側面図。 プレス機械の下死点脱出装置の構成図。 下死点脱出装置の制御装置のブロック図。 下死点脱出装置の作用を説明するためのフローチャート。 下死点脱出装置の作用を説明するための図。 本発明の第2実施形態に係る下死点脱出装置の構成図。 前記第2実施形態に係る制御装置のブロック図。 前記第2実施形態に係る下死点脱出装置のフローチャート。 本発明の第3実施形態に係る制御装置のブロック図。 前記第3実施形態に係る下死点脱出装置のフローチャート。 本発明の第4実施形態に係る制御装置のブロック図。 前記第4実施形態に係る下死点脱出装置のフローチャート。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第2実施形態以降で、以下に説明する第1実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
図1において、プレス機械1は、複数の板状のフレーム部材から構成された本体フレーム2と、本体フレーム2の下部側前面に設置されたボルスタ3と、本体フレーム2の上部に設けられたクランク機構4と、クランク機構4に上下動自在に連結されたスライド5と、メインギヤ6を介してクランク機構4を駆動する電動モータとしてのサーボモータ7と、スライド5を下死点から脱出させる下死点脱出装置10(図2参照)とを備えている。
本体フレーム2は、両側方を形成する一対の鉛直な板状フレーム21と、各板状フレーム21の内側に固着された厚板状のスライド支持フレーム22とを備え、前方側が開口した全体C形に形成されている。
本体フレーム2の下部側では、各板状フレーム21(スライド支持フレーム22)同士がプレート23,24で連結されている。これらのプレート23,24および各フレーム21,22の下部側にてボルスタ3が支持され、スライド支持フレーム22の上部にてスライド5が上下動自在に支持されている。
本体フレーム2の上部側には、内部にクランク機構4およびサーボモータ7が収容されている。ただし、本体フレーム2の具体的な構造は、本実施形態のものに限定されず、その実施にあたって任意に決められてよい。
クランク機構4は、サーボモータ7によって駆動されるエキセンシャフト41と、エキセンシャフト41に接続されるコンロッド42とを備えている。
エキセンシャフト41には、エキセンドラム43が一体に形成されており、エキセンシャフト41は、エキセンドラム43の前後において、本体フレーム2に設けられたブッシュ等の軸受部25,26によって支持されている。エキセンシャフト41の後端側の後端側には、メインギヤ6が設けられ、メインギヤ6の外周部分にサーボモータ7の出力軸が噛み合うことで、エキセンシャフト41がサーボモータ7により回転可能となっている。
コンロッド42は、エキセンシャフト41の回転運動を昇降運動に変換する。このため、コンロッド42は、上方に形成されるリング状部42Aを備え、リング状部42Aの内周がエキセンドラム43の外周に対して摺動可能となっている。コンロッド42は、スライド5のプランジャ51に対してリストピン44を介して連結されている。
スライド5は、プランジャ51とその下方のスライド本体52とをスクリューシャフト53で連結した構造である。つまり、プランジャ51には雌ネジが刻設され、この雌ネジ部分にスクリューシャフト53の上部側に刻設された雄ネジ部分が螺合されている。スクリューシャフト53の下部側は、スライド本体52に対して回転自在に取り付けられている。
スライド本体52において、スクリューシャフト53の下端側外周には、ウォームホイール54が設けられている。ウォームホイール54には、図示しないウォームが噛合している。ウォームはスライド本体52の背面に設けられたインダクションモータ55で回転駆動され、この回転がウォームホイール54を介してスクリューシャフト53に伝達される。スクリューシャフト53の回転によりスライド本体52が上下動し、ダイハイトを調整することが可能である。
図2は、下死点脱出装置10の構成図である。
下死点脱出装置10は、サーボモータ7、サーボアンプ71、電流検出器72、回転角度検出器73、荷重検出器56、制御装置8、および入力装置9を備えている。
サーボモータ7は、サーボアンプ71を介して制御装置8と接続されており、サーボモータ7の駆動は、制御装置8により制御される。
サーボアンプ71は、制御装置8からの制御指令と電流検出器72で検出されたサーボモータ7の電流値との偏差に基づいて、サーボモータ7の駆動電流を生成し、サーボモータ7に出力する。これにより、サーボモータ7が制御装置8の制御指令に沿うように駆動される。
サーボモータ7の駆動力は、メインギヤ6を介してクランク機構4に伝達され、クランク機構4がスライド5を上下動させる。サーボモータ7の回転角度θmは、エンコーダ等の回転角度検出器73により検出され、制御装置8に送られる。また、スライド5に作用する荷重Lは、荷重検出器56により検出され、制御装置8に送られる。
制御装置8には入力装置9が接続されており、入力装置9の操作によって、スライド5のスライドモーションが自由に設定できるようになっている。制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を備え、設定されたスライドモーションに従って、サーボアンプ71に出力する制御指令を生成する。
図3に示すように、制御装置8は、記憶装置8A、スライド位置出力装置としてのスライド位置演算部81、スライド速度演算部82、位置目標値設定部83、指令生成部84、下死点到達判定部85、スライド停止判定部86、振動要否判定部87、下死点脱出判定部88、および振動成分付与部89を備えている。
記憶装置8Aは、サーボモータ7の駆動制御に必要なプログラムや各種データを記憶している。具体的に、記憶装置8Aは、入力装置9の操作により設定されたスライドモーション、許容停止時間テーブル、および振動成分設定値を記憶している。
許容停止時間テーブルは、スライド5に作用する荷重Lとスライド5の許容停止時間TLとが関係付けられたテーブルである。
振動成分設定値は、サーボアンプ71への制御指令に付与する振動成分に関して予め設定された値であり、振動の周波数や振幅等が記憶されている。
スライド位置演算部81は、回転角度検出器73から出力されるサーボモータ7の回転角度信号に基づいて、スライド5の位置を演算する。ここで、スライド5の位置は、エキセンシャフト41の偏心量やコンロッド42の長さ寸法等の値を用いてエキセンシャフト41の回転角度θsから一義的に定まるため、本実施形態では、エキセンシャフト41の回転角度θsをスライド5の位置として用いている。なお、エキセンシャフト41の回転角度θsは、スライド5が上死点にある位置を0°(または360°)とし、スライド5が下死点にある位置を180°とする。
スライド速度演算部82は、スライド位置演算部81で演算されたスライド5の位置の変化量を求め、この変化量からスライド5の速度を演算する。本実施形態では、エキセンシャフト41の回転角度θsをスライド5の位置として用いているため、スライド速度演算部82は、エキセンシャフト41の回転角度θsの変化量を演算する。
位置目標値設定部83は、記憶装置8Aに記憶されているスライドモーションに従って、スライド5の位置目標値を設定する。本実施形態において、位置目標値設定部83は、スライド5の位置目標値としてエキセンシャフト41の回転角度θsの目標値を設定している。
指令生成部84は、サーボアンプ71への制御指令を生成する。具体的に、指令生成部84は、スライド5の位置目標値とスライド5の位置との偏差に位置ゲインを掛けてスライド5の速度目標値を設定し、この速度目標値とスライド5の速度との偏差に速度ゲインを掛けてサーボアンプ71への制御指令を生成する。
下死点到達判定部85は、スライド5の位置に基づいて、スライド5が下死点近傍に到達したか否かを判定する。
スライド停止判定部86は、スライド5の位置変化量に基づいて、スライド5が停止したか否かを判定する。
振動要否判定部87は、指令生成部84で生成されたサーボアンプ71への制御指令に対し振動成分を付与するか要否か判定する。具体的に、振動要否判定部87は、スライド5の停止時間Tが、スライド5の荷重Lに対応する許容停止時間TL以上となったか否かを判定する。
下死点脱出判定部88は、スライド5の位置に基づいて、スライド5が下死点近傍での停止状態から脱出したか否かを判定する。
振動成分付与部89は、振動要否判定部87および下死点脱出判定部88の判定結果に応じて、サーボアンプ71への制御指令に対して、記憶装置8Aに記憶されている振動成分設定値で規定される振動成分を付与する。
以下、プレス機械1の動作および下死点脱出装置10の作用について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
先ず、入力装置9を介してプレス動作が開始されると(ステップS1)、制御装置8の位置目標値設定部83は、入力装置9により設定されたスライドモーションに従って、スライド5の位置目標値を設定する。また、指令生成部84は、スライド5の位置目標値、位置、および速度から、サーボアンプ71への制御指令を生成し、サーボアンプ71に出力する。
なお、図4には記載を省略するが、スライド位置演算部81によるスライド5の位置の演算、スライド速度演算部82によるスライド5の速度の演算、位置目標値設定部83によるスライド5の位置目標値の設定、および指令生成部84によるサーボアンプ71への制御指令の生成は、スライド5のスティック発生の有無にかかわらず常時行われる。
サーボアンプ71が、指令生成部84からの制御指令に基づく駆動電流をサーボモータ7に出力してサーボモータ7が回転すると(図5のL1参照)、エキセンシャフト41が回転し、エキセンシャフト41の回転角度θsが増していく(図5のL2参照)。このエキセンシャフト41の回転に伴って、スライダコンロッド43が下降し、これによりスライド5が下降する。
制御装置8の下死点到達判定部85は、スライド5の位置が下死点から所定値の範囲内にあるか否かを判定することで、スライド5が下死点近傍に到達したか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、下死点到達判定部85は、エキセンシャフト41の回転角度θsが、180°−α°≦θs≦180°+β°(αおよびβは定数)であれば、スライド5が下死点近傍にあると判定し、そうでなければ、スライド5が下死点近傍にないと判定する。
ステップS2において、スライド5が下死点近傍に到達したと判定されると、スライド停止判定部86は、スライド5の位置の変化量、すなわちエキセンシャフト41の回転角度θsの変化量が所定値以下であるか否かを判定することで、スライド5の停止の有無を判定する(ステップS3)。ステップS3でスライド5が停止していないと判定された場合、およびステップS2でスライド5が下死点近傍にないと判定された場合は、サーボアンプ71への制御指令が通常通り生成されてサーボアンプ71に出力され、ステップS2に戻る。
一方、ステップS3でスライド5が停止していると判定されると、制御装置8は、スライド5が下死点近傍で停止していると認識し、スライド5の停止時の処理ルーチンを実行する。すなわち、制御装置8は、荷重検出器56が検出した荷重Lを取得し(ステップS4)、振動要否判定部87は、この荷重Lに対応するスライド5の許容停止時間TLを記憶装置8Aから読み込む(ステップS5)。そして、振動要否判定部87は、スライド5の停止時間Tをカウントアップするとともに(ステップS6)、停止時間Tが許容停止時間TL以上となったか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TL未満と判定されると、下死点脱出判定部88は、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、下死点脱出判定部88は、エキセンシャフト41の回転角度θsが、θs≦180°−γ°または180°+δ°≦θs(γおよびδは定数)であれば、スライド5が下死点近傍での停止状態から脱出したと判定し、そうでなければ、スライド5が引き続き下死点近傍で停止していると判定する。スライド5の停止状態が継続していると判定された場合はステップS6に戻り、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TLに達するまでは、ステップS6およびステップS7までの処理が繰り返される。
ここで、ステップS7において、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TLに達したと判定されると、振動成分付与部89は、既に生成されているサーボアンプ71への制御指令に対し、振動成分設定値で設定された振動成分を付与する(ステップS8)。これにより、サーボアンプ71には、図5のL3に示すように、許容停止時間TLの経過後は振動成分が付与された制御指令が送られる。
サーボアンプ71は、振動成分付与後の制御指令に沿った駆動電流をサーボモータ7に出力するため、サーボモータ7は、図5のL1に示すように、振動成分設定値で設定された振動数で正転および逆転を繰り返す。サーボモータ7の正逆回転に伴ってエキセンシャフト41が振動することにより、潤滑油がシャフトと軸受部25,26との間の隙間に流れ込んで潤滑油膜が生じ、エキセンシャフト41の摩擦抵抗が減少する。これによりエキセンシャフト41の回転が促進され、スライド5が下死点から容易に脱出できるようになる。
制御指令に対して振動成分が付与されるようになった後も、引き続き下死点脱出判定が行われる。そして、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したと判定された場合に、制御指令への振動成分の付与が中止され(ステップS10)、スライド5の停止時間Tもリセットされる(ステップS11)。
なお、下死点脱出範囲を規定するγ、δと、スライド停止範囲を規定するα、βとは、γ>αおよびδ>βとなるように設定されている。このように、スライド停止範囲よりも下死点から離れた位置に下死点脱出範囲を設定することにより、スライド5が停止状態から確実に脱出したことを判定した後に、振動成分の付与を中止するようにしている。
その後、制御装置8は、入力装置9からのプレス停止指令の有無を判定する(ステップS12)。そして、制御装置8は、プレス停止指令がある場合にはプレスを停止させ(ステップS13)、プレス停止指令がなければ通常の制御を行い、ステップS2に戻る。
以上のプレス機械1によれば、スライド5が下死点近傍で停止したときに正転および逆転を繰り返す振動成分をサーボモータ7の制御指令に付与する。従って、サーボモータ7が正逆回転を繰り返し、これに伴ってエキセンシャフト41が振動するため、下死点からの脱出能力を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図6および図7に基づき、本発明の第2実施形態について説明する。
前述した第1実施形態では、記憶装置8Aに記憶されている許容停止時間テーブルからスライド5の荷重Lに対応する許容停止時間TLを読み込み、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TL以上となった場合に、サーボアンプ71の制御指令に対して振動成分の付与を行っていた。
これに対し、第2実施形態では、振動成分の要否判定に許容停止時間テーブルを用いておらず、スライド5の停止時間Tが最大荷重時の許容停止時間TA以上となった場合に振動成分の付与を行う点が相違する。
すなわち、本実施形態の下死点脱出装置10は、図6に示すように、荷重検出器56を備えていない。また、図7に示すように、記憶装置8Aには、許容停止時間テーブルのかわりに最大荷重時の許容停止時間TAが記憶されている。この最大荷重時の許容停止時間TAは、スライド5に最大荷重が作用した場合に許容される停止時間であり、かつスライド5に作用する荷重Lの大きさにかかわらず共通して使用される固定値である。プレス機械1および下死点脱出装置10におけるその他の構成は第1実施形態と同様である。
以下、本実施形態のプレス機械1の動作および下死点脱出装置10の作用について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
先ず、制御装置8の振動要否判定部87は、最大荷重時の許容停止時間TAを記憶装置8Aから読み込む(ステップS21)。
入力装置9を介してプレス動作が開始されると(ステップS22)、下死点到達判定部85は、スライド5が下死点近傍に到達したか否かを判定し(ステップS23)、スライド停止判定部86は、スライド5の停止の有無を判定する(ステップS24)。ステップS23でスライド5が下死点近傍にないと判定された場合、およびステップS24でスライド5が停止していないと判定された場合は、サーボアンプ71への制御指令が通常通り生成されてサーボアンプ71に出力され、ステップS23に戻る。
一方、ステップS24でスライド5が停止していると判定されると、振動要否判定部87は、スライド5の停止時間Tをカウントアップするとともに(ステップS25)、停止時間Tが許容停止時間TA以上となったか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26において、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TA未満と判定されると、下死点脱出判定部88は、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28でスライド5の停止状態が継続していると判定された場合は、ステップS25からステップS28までの処理が繰り返される。
そして、ステップS26において、スライド5の停止時間Tが許容停止時間TA以上であると判定された場合、振動成分付与部89は、既に生成されているサーボアンプ71への制御指令に対して振動成分を付与する(ステップS27)。なお、ステップS29以降の処理は第1実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
以上のような本実施形態の下死点脱出装置10を備えたプレス機械1においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図9および図10に基づき、本発明の第3実施形態について説明する。
前述した第1実施形態では、スライド5の停止時間Tをカウントし、停止時間Tがスライド5の荷重Lに対応する許容停止時間TL以上となった場合に、サーボアンプ71の制御指令に振動成分を付与していた。
これに対し、第3実施形態では、スライドモーションから得られるスライド5の予定停止時間TBと、荷重Lに対応する許容停止時間TLおよび最大荷重時の許容停止時間TAとの関係から振動成分の付与の要否を判定する点が相違する。
具体的に、制御装置8の振動要否判定部87は、図9に示すように、記憶装置8Aに記憶されている許容停止時間テーブルからスライド5の荷重Lに対応する許容停止時間TLを読み込むとともに、許容停止時間テーブルに含まれる最大荷重時の許容停止時間TAを読み込む。プレス機械1および下死点脱出装置10におけるその他の構成は第1実施形態と同様である。
以下、本実施形態のプレス機械1の動作および下死点脱出装置10の作用について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
先ず、制御装置8の振動要否判定部87は、最大荷重時の許容停止時間TAを記憶装置8Aから読み込む(ステップS41)。また、振動要否判定部87は、記憶装置8Aに記憶されているスライドモーションから、スライド5の予定停止時間TBを読み込む(ステップS42)。入力装置9を介してプレス動作が開始されると(ステップS43)、振動要否判定部87は、予定停止時間TBが最大荷重時の許容停止時間TA以上であるか否かを判定する(ステップS44)。
ステップS44で、予定停止時間TBが許容停止時間TA未満であると判定された場合、制御装置8は、入力装置9からのプレス停止指令の有無を判定する(ステップS45)。そして、制御装置8は、プレス停止指令がある場合にはプレス動作を停止させ(ステップS55)、プレス停止指令がなければ通常の制御を行い、ステップS45に戻る。
これに対し、ステップS44で、予定停止時間TBが最大荷重時の許容停止時間TA以上であると判定された場合、下死点到達判定部85は、スライド5が下死点近傍に到達したか否かを判定し(ステップS46)、スライド停止判定部86は、スライド5の停止の有無を判定する(ステップS47)。ステップS46でスライド5が下死点近傍にないと判定された場合、およびステップS47でスライド5が停止していないと判定された場合は、サーボアンプ71への制御指令が通常通り生成されてサーボアンプ71に出力され、ステップS46に戻る。
ステップS47でスライド5が停止していると判定されると、制御装置8は、荷重検出器56が検出した荷重Lを取得し(ステップS48)、振動要否判定部87は、この荷重Lに対応するスライド5の許容停止時間TLを記憶装置8Aから読み込む(ステップS49)。すると、振動要否判定部87は、予定停止時間TBが荷重Lに対応する許容停止時間TL以上か否かを判定する(ステップS50)。
ステップS50において、予定停止時間TBが許容停止時間TL以上である判定された場合、振動成分付与部89は、既に生成されているサーボアンプ71への制御指令に対して振動成分を付与する(ステップS51)。すると、下死点脱出判定部88は、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したか否かを判定し(ステップS52)、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出するまでは、サーボアンプ71への制御指令に対する振動成分の付与が継続される。そして、ステップS52において、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したと判定されると、制御指令に対する振動成分の付与が中止される(ステップS53)。
一方、ステップS50で予定停止時間TBが、荷重Lに対応する許容停止時間TL未満であると判定された場合、およびステップS52でスライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したと判定された場合に、制御装置8は、入力装置9からのプレス停止指令の有無を判定する(ステップS54)。そして、制御装置8は、プレス停止指令がある場合にはプレス動作を停止させ(ステップS55)、プレス停止指令がなければ通常の制御を行い、ステップS46に戻る。
本実施形態の下死点脱出装置10を備えたプレス機械1においても、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態のプレス機械1によれば、予定停止時間TBが最大荷重時の許容停止時間TA未満である場合は、荷重Lの大きさにかかわらず制御指令に対する振動成分の付与を一切行わないので、サーボモータ7の振動頻度を減少させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図11および図12に基づき、本発明の第4実施形態について説明する。
前述した第1実施形態から第3実施形態では、スライド5の実際の停止時間Tまたは予定停止時間TBから、サーボアンプ71の制御指令に対する振動成分付与の要否を判定していた。
これに対し、第4実施形態では、スライド5に作用する荷重Lから振動成分付与の要否を判定する点が相違する。
このため、記憶装置8Aには、図11に示すように、許容停止時間テーブルや最大荷重時の許容停止時間TAは記憶されておらず、かわりにスライド5が下死点でスティックする際の荷重であるスティック荷重LSが記憶されている。また、制御装置8の振動要否判定部87は、記憶装置8Aからスティック荷重LSを読み込み、荷重Lがスティック荷重LS以上となった場合に振動成分の付与が必要であると判定する。プレス機械1および下死点脱出装置10におけるその他の構成は第1実施形態と同様である。
以下、本実施形態のプレス機械1の動作および下死点脱出装置10の作用について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
先ず、制御装置8の振動要否判定部87は、スティック荷重LSを記憶装置8Aから読み込む(ステップS61)。
入力装置9を介してプレス動作が開始されると(ステップS62)、下死点到達判定部85は、スライド5が下死点近傍に到達したか否かを判定し(ステップS63)、スライド停止判定部86は、スライド5の停止の有無を判定する(ステップS64)。ステップS63でスライド5が下死点近傍にないと判定された場合、およびステップS64でスライド5が停止していないと判定された場合は、サーボアンプ71への制御指令が通常通り生成されてサーボアンプ71に出力され、ステップS63に戻る。
一方、ステップS64でスライド5が停止していると判定されると、制御装置8は、荷重検出器56が検出した荷重Lを取得し(ステップS65)、振動要否判定部87は、荷重Lがスティック荷重LS以上であるか否かを判定する(ステップS66)。
ステップS66において、スライド5の荷重Lがスティック荷重LS未満と判定されると、下死点脱出判定部88は、スライド5が下死点近傍の停止状態から脱出したか否かを判定する(ステップS68)。ステップS68でスライド5の停止状態が継続していると判定された場合は、ステップS65からステップS68までの処理が繰り返される。
そして、ステップS66において、スライド5の荷重Lがスティック荷重LS以上であると判定された場合、振動成分付与部89は、既に生成されているサーボアンプ71への制御指令に対し振動成分を付与する(ステップS67)。なお、ステップS69以降の処理は、停止時間Tのカウント終了処理がないことを除き第1実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
以上のような本実施形態の下死点脱出装置10を備えたプレス機械1においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、サーボモータ7の回転角度θmからエキセンシャフト41の回転角度θsを求め、スライド5の位置として用いていたが、スライド5の位置を直接検出するようにしてもよい。また、スライド5の位置からスライド5の速度を求めていたが、スライド5の速度を直接検出するようにしてもよい。
前記実施形態では、サーボアンプ71への制御指令に振動成分を付与していたがこれに限られない。要するに、サーボモータ7を所定の周期および振幅で正逆回転させることができればよく、例えば、スライド5の位置目標値や速度目標値、サーボアンプ71からサーボモータ7に出力される駆動電流等に振動成分を付与してもよい。
前記実施形態では、制御装置8の振動成分付与部89は、下死点から脱出しない限り制御指令に振動成分を付与し続けるようになっているがこれに限られず、例えば、下死点近傍でのスライド5の停止時間Tあるいは振動成分を付与している時間が、予め定められた所定時間以上になったときは、制御装置8は、振動成分を付与し続けるかわりに警告音や警告表示を出力させ注意を促したり、あるいはプレス機械を非常停止させたりしてもよい。
前記実施形態では、サーボモータ7を電動モータとして用いられていたがこれに限られず、他の電動モータを用いてもよい。
前記実施形態では、記憶装置8Aは制御装置8に設けられていたがこれに限られず、記憶装置8Aを制御装置8とは別に設けてもよい。
前記実施形態では、本体フレーム2としてC形フレームが採用されていたが、開口を有しない板状のフレーム部材を用いることでO形フレームを採用してもよい。
前記実施形態では、スライド5を1つのクランク機構4にて動作させる構造であったが、より大きなスライド5を上下動させる場合など、複数のクランク機構4を採用してもよい。
本発明は、サーボモータで駆動されるプレス機械に利用できる他、他の電動モータで駆動されるプレス機械にも利用することができる。
1…プレス機械、5…スライド、7…サーボモータ(電動モータ)、8…制御装置、8A…記憶装置、10…下死点脱出装置、85…下死点到達判定部、86…スライド停止判定部、87…振動要否判定部、89…振動成分付与部、L…荷重、LS…スティック荷重、TB…予定停止時間、TA,TL…許容停止時間。

Claims (10)

  1. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、
    前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、
    前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、
    前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の前記スライドの許容停止時間を記憶した記憶装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、
    前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、
    前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、
    下死点近傍での前記スライドの停止時間が前記最大荷重時の許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えている
    ことを特徴とするプレス機械。
  2. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、
    前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、
    前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、
    前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、
    前記荷重ごとに前記スライドの許容停止時間が関連付けられた許容停止時間テーブルを記憶した記憶装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、
    前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、
    前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、
    下死点近傍での前記スライドの停止時間が前記検出された荷重に対応する許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えている
    ことを特徴とするプレス機械。
  3. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、
    前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、
    前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、
    前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、
    前記荷重ごとに前記スライドの許容停止時間が関連付けられた許容停止時間テーブルと前記スライドのスライドモーションとを記憶した記憶装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、
    前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、
    前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、
    前記スライドモーションに基づく下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が前記検出された荷重に対応する許容停止時間以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えている
    ことを特徴とするプレス機械。
  4. 請求項に記載のプレス機械において、
    前記許容停止時間テーブルにおける許容停止時間には、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間が含まれ、
    前記制御装置の前記振動要否判定部は、下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が前記最大荷重時の許容停止時間未満であるときに前記振動成分の付与が不要と判定する
    ことを特徴とするプレス機械。
  5. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械であって、
    前記スライドの位置を出力するスライド位置出力装置と、
    前記スライド位置出力装置から出力された前記スライドの位置に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、
    前記スライドに作用する荷重を検出する荷重検出器と、
    前記スライドが下死点でスティックする際のスティック荷重を記憶した記憶装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定する下死点到達判定部と、
    前記スライドが停止したか否かを判定するスライド停止判定部と、
    前記スライドが下死点近傍で停止したときに前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に付与する振動成分付与部と、
    前記検出された荷重が前記スティック荷重以上であるときに前記振動成分の付与が必要であると判定する振動要否判定部を備えている
    ことを特徴とするプレス機械。
  6. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、
    下死点近傍での前記スライドの停止時間が、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行する
    ことを特徴とするプレス機械の制御方法。
  7. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、
    下死点近傍での前記スライドの停止時間が、前記スライドに作用する荷重に対応する許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行する
    ことを特徴とするプレス機械の制御方法。
  8. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、
    前記スライドのスライドモーションに基づく下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が、前記スライドに作用する荷重に対応する許容停止時間以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行する
    ことを特徴とするプレス機械の制御方法。
  9. 請求項に記載のプレス機械の制御方法において、
    下死点近傍での前記スライドの予定停止時間が、前記スライドに作用する荷重が最大荷重時の許容停止時間未満であるときに前記振動成分の付与が不要と判定するステップを実行する
    ことを特徴とするプレス機械の制御方法。
  10. 電動モータでエキセンシャフトを回転駆動してスライドを昇降させるプレス機械の制御方法であって、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが下死点近傍に到達したか否かを判定するステップと、
    前記スライドの位置に基づいて前記スライドが停止したか否かを判定するステップと、
    前記スライドに作用する荷重が、前記スライドが下死点でスティックする際のスティック荷重以上であるときに、前記電動モータの正転および逆転を繰り返す振動成分を前記電動モータの制御指令に与するステップを実行する
    ことを特徴とするプレス機械の制御方法。
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