JP5204058B2 - センサ制御装置及びセンサ制御装置の制御方法 - Google Patents

センサ制御装置及びセンサ制御装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、検知対象ガスに含まれる特定ガスの濃度を表す濃度対応値を算出するセンサ制御装置及びセンサ制御装置の制御方法に関する。
検知対象ガス中の特定ガス濃度に応じた濃度信号を出力するガスセンサが知られている。ガスセンサは、一般に、検知対象ガスが流れる流通管(例えば、排気管)に装着され、流通管外部に配置されるセンサ制御装置と接続される。センサ制御装置は、ガスセンサへの通電や、ガスセンサを加熱するヒータに印加される電圧を制御する等、ガスセンサに対して種々の制御を実行し、ガスセンサから上記濃度信号を取得する。
ところで、特定ガス濃度とガスセンサが出力する濃度信号との関係を表す特性(以下、「出力特性」という。)はガスセンサ毎に僅かに異なる場合がある。例えば、製造バラツキに起因して、複数のガスセンサ間で、出力特性がばらつく場合がある。このため、センサ制御装置が、同一の構成を有するガスセンサについて一律に設定された出力特性に基づき特定ガス濃度を算出すると、複数のガスセンサ間での出力特性のばらつきに起因して十分高い検知精度を得ることができない可能性があった。
そこで、ガスセンサ毎の出力特性を示すデータ(以下、「特性情報」という。)を補正データとして記憶する記憶媒体を備えた酸化物ガス濃度検知装置(センサ制御装置)が提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載のセンサ制御装置は、センサ制御装置に接続されたガスセンサの記憶媒体から特性情報(具体的には、ゲイン特性、オフセット特性に関する情報)を取得し、濃度信号に基づき算出された特定ガス成分の濃度を、この特性情報を用いて補正する。したがって、特許文献1に記載のセンサ制御装置は、ガスセンサ毎の出力特性に起因する、特定ガス成分の濃度の算出結果のバラツキを、特性情報(ゲイン特性、オフセット特性に関する情報)を用いて補正することができる。
特開平11−72478号公報
一般に、ガスセンサの固体電解質体を用いて構成された検知素子を特定ガスに対して十分に反応させるには、検知素子を所定温度(例えば600℃から750℃)に加熱して、検知素子を活性化させる必要がある。このため、従来のガスセンサは、検知素子の近傍にヒータを備え、ヒータに通電することによって検知素子を加熱し、検知素子を活性化させる。従来のセンサ制御装置は、当該装置の起動後、検知素子が活性化し、濃度信号に基づき算出された特定ガス濃度が、特定ガス濃度が一定であるときに所定範囲(例えば、±5ppm以内)の値を安定して示す期間(以下、「起動期間」と言う。)の経過を待ってから、ガス検知処理(出力処理)を開始する。ガス検知処理とは、起動期間の経過後、濃度信号に基づき算出された特定ガス濃度を外部装置に出力することを許可する処理である。この起動期間をより短くしたいという要望があるが、特許文献1では、ガスセンサの個体間バラツキ(製造バラツキ)を考慮して、ゲイン特性、オフセット特性に関する特性情報を補正することは開示されているが、起動期間を短くするための処理については開示されていなかった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、早期に特定ガス濃度の検知を可能とするセンサ制御装置及びセンサ制御装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一態様のセンサ制御装置は、検知対象ガスが導入される第一測定室と、第一固体電解質層と一対の第一電極とを備え、前記一対の第一電極が前記第一測定室の内側と外側とに設けられる第一酸素ポンプセルと、前記第一測定室に連通する第二測定室と、第二固体電解質層と一対の第二電極とを備え、前記一対の第二電極が前記第二測定室の内側と外側とに設けられた第二酸素ポンプセルとを備えるガスセンサと、前記第一測定室に導入された前記検知対象ガスの酸素濃度を、前記第一酸素ポンプセルへの通電によって調整するとともに、前記第二酸素ポンプセルへ通常電圧を印加する駆動処理を行う駆動回路部と、前記通常電圧が印加された前記第二酸素ポンプセルに流れる電流の大きさに基づいて特定ガスの濃度を表す濃度対応値を算出する算出手段とを備える制御部とを備えるセンサ制御装置であって、前記センサ制御装置はさらに、濃度既知の基準ガスのもとで前記駆動回路部による前記駆動処理を開始してからの前記濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータであって、前記ガスセンサ毎に設定された前記パターンデータを補正データとして記憶する記憶手段を備え、前記制御部はさらに、前記補正データを用いて前記濃度対応値を補正する補正手段を備えている。
第一態様のセンサ制御装置に記憶された補正データは、濃度対応値の経時変化に基づいてガスセンサ毎に設定されているため、補正データにはガスセンサ毎の出力特性が反映されている。したがって、補正後の濃度対応値が、出力特性に起因して複数のガスセンサ間でばらつくことを回避することができる。そして、この第一態様のセンサ制御装置では、補正データとして、駆動回路部による駆動処理を開始してからの濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータを適用しているため、補正後の濃度対応値は、補正前の濃度対応値に比べ、早期に特定ガスの濃度を表す値となる。したがって、第一態様のセンサ制御装置は、従来に比べて起動期間を短縮することができ、早期に精度の良い特定ガス濃度の検知をすることができる。
第一態様のセンサ制御装置において、前記補正データは、予め準備された複数種類の前記パターンデータの中から、前記ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記パターンデータであってもよい。このようにすれば、センサ制御装置の製造時等において、補正データの設定が容易である。
第一態様のセンサ制御装置は、前記ガスセンサと、前記制御部とは着脱可能に構成されており、前記記憶手段は、前記制御部に設けられ、前記複数種類のパターンデータと、当該パターンデータと対応付けられた識別子とを記憶する第一記憶手段と、前記ガスセンサに設けられ、当該ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記識別子を記憶した第二記憶手段とからなり、前記補正手段は、前記第二記憶手段に記憶された前記識別子を用いて、前記第一記憶手段に記憶された前記複数種類のパターンデータの中から前記補正データを特定し、当該補正データを用いて前記濃度対応値を補正してもよい。このようにすれば、ガスセンサが交換された場合にも、ガスセンサ毎に設定された補正データを用いて濃度対応値を適切に補正することができる。したがって、例えば、ガスセンサが長期使用によって劣化した場合であっても、ガスセンサを取り替えることによって、制御部を有効利用することができる。また、補正データを複数種類のパターンデータの中から選定するにあたり、ガスセンサを用いるだけで当該ガスセンサに見合う補正データを特定することができる。それにより、センサ制御装置とガスセンサとを接続した上で当該センサ制御装置に補正データを特定させる必要がなく、補正データの設定が容易となる。
ところで、特定ガスの濃度を正確に検知するためには、第二測定室の雰囲気を、一定の低酸素濃度となるように制御する必要がある。これに対し、ガスセンサ起動時の第二測定室の雰囲気は、前回の運転を停止してから今回の起動までの時間が長くなるほど、大気雰囲気に近いリーン雰囲気になる。すなわち、起動時の第二測定室には、通常時よりも高濃度の酸素(残留酸素)が存在する。このため、第一態様のセンサ制御装置において、前記制御部は、前記駆動回路部による駆動処理を開始する前に、前記第二測定室内の酸素濃度を低下させる予備制御を行う予備制御手段を備えてもよい。このようにすれば、駆動回路部による駆動処理開始時の残留酸素の依存性を小さくすることができるため、予備制御が実行されない場合に比べ補正データを用いて濃度対応値を補正する精度を高めることができる。なお、予備制御手段としては、例えば、駆動回路部による駆動処理時に第二酸素ポンプセルに印加する通常電圧よりも高い電圧を印加する手段を採っても良く、また、以下に記載の手段を採っても良い。
第二酸素ポンプセルに印加される電圧値が所定値以上である場合、第二酸素ポンプセルの第二電極表面において、検知対象ガスに含まれるHOが解離する。また、第二酸素ポンプセルが備える第二電極間に流れる電流の大きさは、検知対象ガスに含まれるHO濃度に応じて増加する。このため、同じ電圧が第二酸素ポンプセルに印加された場合であっても、第二酸素ポンプセルが汲み出す酸素の量は、検知対象ガスのHO濃度に応じて異なる。これに対し、第一態様のセンサ制御装置において、前記予備制御手段は、前記第二酸素ポンプセルに対して、一定の電流を一定時間供給して、前記第二測定室から当該第二測定室外部に汲み出す酸素の量を一定に制御することで、前記第二測定室内の酸素濃度を低下させてもよい。第二酸素ポンプセルが汲み出す酸素の量は、第二酸素ポンプセルが備える一対の第二電極間に流れる電流値に比例するため、予備制御終了時点において、第二測定室内の酸素濃度は、検知対象ガスに含まれるHO濃度によらずほぼ同じ濃度となる。したがって、予備制御終了後に算出される濃度対応値の経時変化は、例えば、検知対象ガスのHO濃度が駆動処理実行毎に異なる場合にもほぼ同じパターンを示す。これより、このセンサ制御装置では、検知対象ガスにおけるHO濃度が変化する場合であっても、駆動回路部による駆動処理開始後において、補正データを用いた濃度対応値の補正を精度良く行うことができる。
第二態様のセンサ制御装置の制御方法は、検知対象ガスが導入される第一測定室と、第一固体電解質層と一対の第一電極とを備え、前記一対の第一電極が前記第一測定室の内側と外側とに設けられる第一酸素ポンプセルと、前記第一測定室に連通する第二測定室と、第二固体電解質層と一対の第二電極とを備え、前記一対の第二電極が前記第二測定室の内側と外側とに設けられる第二酸素ポンプセルとを備えるガスセンサと、前記第一測定室に導入された前記検知対象ガスの酸素濃度を、前記第一酸素ポンプセルへの通電によって調整するとともに、前記第二酸素ポンプセルへ通常電圧を印加する駆動工程と、前記通常電圧が印加された前記第二酸素ポンプセルに流れる電流の大きさに基づいて前記検知対象ガスに含まれる特定ガスの濃度を表す濃度対応値を算出する算出工程とを実行する制御部とを備えるセンサ制御装置の制御方法であって、濃度既知の基準ガスのもとで前記駆動回路部による前記駆動処理を開始してからの前記濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータであって、前記ガスセンサ毎に設定された前記パターンデータである補正データを、前記センサ制御装置が備える記憶手段から読み出す読出工程と、前記補正データを用いて前記濃度対応値を補正する補正工程とを備えている。このようにすれば、第一態様のセンサ制御装置と同様の効果が得られる。
第二態様のセンサ制御装置の制御方法において、前記補正データは、予め準備された複数種類の前記パターンデータの中から、前記ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記パターンデータであってもよい。このようにすれば、センサ制御装置の製造時等において、補正データの設定が容易である。
センサ制御装置1の概念図である。 ROM63に記憶されている複数種類のパターンデータのパターンを示すグラフである。 図2の一部を拡大したグラフである。 メイン処理のフローチャートである。 記憶部48に記憶されたIDが6であるガスセンサ10について、補正データを用いて補正されたNOx濃度対応値(NOx濃度)の経時変化を例示するグラフである。 記憶部48に記憶されたIDが12であるガスセンサ10について、補正データを用いて補正されたNOx濃度対応値(NOx濃度)の経時変化を例示するグラフである。
以下、本発明を具体化したセンサ制御装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
センサ制御装置1は、特定ガスとして窒素酸化物(NOx)の濃度を検知する機能を備える。図1のように、センサ制御装置1は、ガスセンサ10と、制御部5とを備える。ガスセンサ10は、自動車の排気通路(図示外)に取り付けられ、排気ガス中のNOx濃度に応じた電流値を制御部5に出力する。制御部5は、ガスセンサ10と電気的に接続され、ガスセンサ10を制御する他、ガスセンサ10から出力された電流値に基づいて排気ガス中のNOx濃度を表す濃度対応値を算出する。本実施形態の制御部5は、NOx濃度対応値として、NOx濃度を算出する。以下、センサ制御装置1が備える、ガスセンサ10と、制御部5とのそれぞれについて詳述する。
ガスセンサ10は、検知素子11と、ヒータ素子35と、コネクタ部40と、ハウジング(図示外)とを備える。検知素子11は、3枚の板状の固体電解質体12,13,14の間に、アルミナ等からなる絶縁体15,16をそれぞれ挟み、層状をなすように形成されている。ヒータ素子35は、固体電解質体12から14の早期活性化と、固体電解質体12から14の活性の安定性維持とのために、固体電解質体14に積層されている。コネクタ部40は、ガスセンサ10と、制御部5とを電気的に接続するために設けられている。ハウジングは、ガスセンサ10を排気通路(図示外)に取り付けるために、検知素子11と、ヒータ素子35と、コネクタ部40とを内部に保持する。以下、制御部5が備える各構成について詳述する。
まず、検知素子11の構成を説明する。検知素子11は、第一測定室23と、第二測定室30と、基準酸素室29と、第一酸素ポンプセル2(以下、「Ip1セル2」と言う。)と、酸素分圧検知セル3(以下、「Vsセル3」と言う。)と、第二酸素ポンプセル4(以下、「Ip2セル4」と言う。)とを備える。
第一測定室23は、排気通路内の排気ガスが検知素子11内に最初に導入される小空間である。第一測定室23は、固体電解質体12と固体電解質体13との間に形成されている。第一測定室23の固体電解質体12側の面には電極18が配置され、固体電解質体13側の面には電極21が配置されている。第一測定室23の検知素子11における先端側には、第一拡散抵抗部24が設けられている。第一拡散抵抗部24は、第一測定室23内外の仕切りとして機能し、第一測定室23内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する。同様に、第一測定室23の検知素子11における後端側には、第二拡散抵抗部26が設けられている。第二拡散抵抗部26は、第一測定室23と第二測定室30との仕切りとして機能し、第一測定室23から第二測定室30内へのガスの単位時間あたりの流通量を制限する。
第二測定室30は、固体電解質体12と、第二拡散抵抗部26及び開口部25と、固体電解質体13に設けられた開口部31と、絶縁体16と、電極28とによって囲まれた小空間である。第二測定室30は、第一測定室23と連通し、Ip1セル2によって酸素濃度が調整された後の排気ガス(以下、「調整ガス」と言う。)が導入される。基準酸素室29は、絶縁体16と、電極22と、電極27とによって囲まれた小空間である。基準酸素室29内には、セラミック製の多孔質体が充填されている。
Ip1セル2は、固体電解質体12と、多孔質性の電極17,18とを備える。固体電解質体12は、例えばジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。電極17,18は、検知素子11の積層方向において固体電解質体12の両面に設けられている。電極17,18は、Ptを主成分とする材料によって形成される。Ptを主成分とする材料としては、例えば、Ptと、Pt合金と、Ptとセラミックスとを含むサーメットとが挙げられる。また、電極17,18の表面には、セラミックスからなる多孔質性の保護層19,20がそれぞれ形成されている。固体電解質体12は、本発明の「第一固体電解質層」に相当し、電極17,18は、本発明の「一対の第一電極」に相当する。
Ip1セル2は、両電極17,18間に電流を供給することで、電極17の接する雰囲気(検知素子11の外部の雰囲気)と電極18の接する雰囲気(第一測定室23内の雰囲気)との間で、酸素の汲み出し及び汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行う。
Vsセル3は、固体電解質体13と、多孔質性の電極21,22とを備える。固体電解質体13は、例えばジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。固体電解質体13は、絶縁体15を挟んで固体電解質体12と対向するように配置されている。電極21,22は、検知素子11の積層方向における固体電解質体13の両面にそれぞれ設けられている。電極21は、第一測定室23内の固体電解質体12と向き合う側の面に形成されている。電極21,22は、上述のPtを主成分とする材料によって形成される。
Vsセル3は、主として、固体電解質体13によって隔てられた雰囲気(電極21の接する第一測定室23内の雰囲気と、電極22に接する基準酸素室29内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生する。
Ip2セル4は、固体電解質体14と、多孔質性の電極27,28とを備える。固体電解質体14は、例えばジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。固体電解質体14は、絶縁体16を挟んで固体電解質体13と対向するように配置されている。固体電解質体14の固体電解質体13側の面には、上述のPtを主成分とする材料によって形成された電極27,28がそれぞれ設けられている。固体電解質体14は、本発明の「第二固体電解質層」に相当し、電極27,28は、本発明の「一対の第二電極」に相当する。
Ip2セル4は、絶縁体16によって隔てられた雰囲気(電極27に接する基準酸素室29内の雰囲気と、電極28に接する第二測定室30内の雰囲気)間において酸素の汲み出しを行う。
次に、ヒータ素子35について説明する。ヒータ素子35は、絶縁層36,37と、ヒータパターン38とを備える。絶縁層36,37は、アルミナを主成分とするシート状の形状を有する。ヒータパターン38は、絶縁層36,37の間に埋設され、ヒータ素子35内で繋がる一本の電極パターンである。ヒータパターン38は、一方の端部が接地され、他方の端部がヒータ駆動回路59に接続されている。ヒータパターン38は、Ptを主成分とする材料によって形成される。
次に、コネクタ部40について説明する。コネクタ部40は、ガスセンサ10の後端側に設けられ、端子41から47と、記憶部48とを備える。端子41には、記憶部48が電気的に接続されている。端子42には、リード線を介して、電極17が電気的に接続されている。端子43には、リード線を介して、電極18と、電極21と、電極28とが電気的に接続されている。端子44には、リード線を介して、電極22が電気的に接続されている。端子45には、リード線を介して、電極27が電気的に接続されている。端子46,47には、リード線を介して、ヒータパターン38が電気的に接続されている。記憶部48は、例えば、半導体記憶媒体であり、本発明の第二記憶手段に相当する。記憶部48は、後述するID(識別子)を記憶する。
次に、制御部5の構成について説明する。制御部5は、検知素子11及びヒータ素子35の制御を行うとともに、検知素子11から取得した電流Ip2に基づきNOx濃度対応値を算出し、算出したNOx濃度対応値をECU90に出力する装置である。制御部5は、制御回路部50と、マイクロコンピュータ60と、コネクタ部70とを備える。制御回路部50は、検知素子11と、ヒータ素子35とを制御する。マイクロコンピュータ60は、制御回路部50を制御する。コネクタ部70は、ガスセンサ10のコネクタ部40と電気的に接続される。以下、制御部5の各構成を説明する。
制御回路部50は、基準電圧比較回路51と、Ip1ドライブ回路52と、Vs検知回路53と、Icp供給回路54と、抵抗検知回路55と、Ip2検知回路56と、Vp2印加回路57と、定電流回路58と、ヒータ駆動回路59とを備える。各回路は、マイクロコンピュータ60からの制御信号に応じて駆動する。以下、制御回路部50が備える各構成について詳述する。
Icp供給回路54は、Vsセル3の電極21,22間に微弱な電流Icpを供給し、第一測定室23内から基準酸素室29内への酸素の汲み出しを行う。Vs検知回路53は、電極21,22間の電圧(起電力)Vsを検知するための回路であり、その検知結果を基準電圧比較回路51に対し出力する。基準電圧比較回路51は、Vs検知回路53によって検知された電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路52に対し出力する。
Ip1ドライブ回路52は、Ip1セル2の電極17,18間に電流Ip1を供給するための回路である。Ip1ドライブ回路52は、基準電圧比較回路51によるVsセル3の電極21,22間の電圧Vsの比較結果に基づいて、電圧Vsが予め設定された基準電圧と略一致するように、電流Ip1の大きさや向きを調整する。その結果、Ip1セル2では、第一測定室23内から検知素子11外部への酸素の汲み出し、あるいは検知素子11外部から第一測定室23内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル2では、Ip1ドライブ回路52による通電制御に基づき、Vsセル3の電極21,22間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第一測定室23内の酸素濃度の調整が行われる。
抵抗検知回路55は、定期的に、予め規定された値を有する電流をVsセル3に通電し、その通電に応答して得られる電圧変化量(電圧Vsの変化量)を検知するための回路である。抵抗検知回路55によって検知された電圧変化量を示す値は、マイクロコンピュータ60に出力され、マイクロコンピュータ60に記憶されている電圧Vsの変化量とVsセル3の内部抵抗Rpvsとが予め関連付けられたテーブルに基づいて、Vsセル3の内部抵抗Rpvsが求められる。Vsセル3の内部抵抗Rpvsは、Vsセル3の温度、すなわち、検知素子11全体の温度と相関があり、マイクロコンピュータ60は、Vsセル3の内部抵抗Rpvsに基づいて、検知素子11の温度を検知する。なお、Vsセル3の内部抵抗Rpvsを表す電圧変化量を検知するための抵抗検知回路55の回路構成は例えば、特開平11−307458号公報によって公知であるため、これ以上の説明は省略する。
Ip2検知回路56は、Ip2セル4の電極28から電極27に流れた電流Ip2の値の検知を行う回路である。Vp2印加回路57は、後述する駆動処理の際に、Ip2セル4の電極27,28間へ通常電圧Vp2(例えば、450mV)を印加するための回路であり、第二測定室30内から基準酸素室29への酸素の汲み出しを制御する。定電流回路58は、後述する予備制御処理の際に、Ip2セル4の電極28と電極27との間に一定の値の電流Ip3(例えば、10μA)を供給するための回路である。
ヒータ駆動回路59は、固体電解質体12,13,14の温度を所定の温度に保たせるための回路である。ヒータ駆動回路59は、マイクロコンピュータ60によって制御され、ヒータ素子35のヒータパターン38へ電流を流し、固体電解質体12,13,14(換言すると、Ip1セル2,Vsセル3,Ip2セル4)を加熱する。ヒータ駆動回路59は、固体電解質体12,13,14が目標とする温度になるように、ヒータパターン38をPWM通電してヒータパターン38に電流を供給する制御を行うことができる。
マイクロコンピュータ60は、公知のCPU61,ROM63,RAM62,信号入出力部64,及びA/Dコンバータ65を備えた演算装置である。マイクロコンピュータ60は、あらかじめ組み込まれたプログラムに従って制御回路部50に制御信号を出力し、制御回路部50が備える各回路の動作を制御する。ROM63には、各種プログラムと、プログラム実行時に参照される各種パラメータとの他、後述する複数種類のパターンデータが記憶されている。マイクロコンピュータ60は、内燃機関(図示外)の制御を司るECU90と、信号入出力部64を介して通信するとともに、A/Dコンバータ65及び信号入出力部64を介して制御回路部50と通信する。
コネクタ部70は、端子71から77を備える。コネクタ部70が、コネクタ部40と接続された場合、端子71から77はそれぞれ、端子41から端子47に接続される。端子71には、リード線を介して、信号入出力部64が接続されている。端子72には、リード線を介して、Ip1ドライブ回路52が接続されている。端子73には、リード線を介して、基準電位と接続されている。端子74には、リード線を介して、Vs検知回路53と、Icp供給回路54と、抵抗検知回路55とが接続されている。端子75には、リード線を介して、Ip2検知回路56と、Vp2印加回路57と、定電流回路58とが接続されている。端子76には、リード線を介して、ヒータ駆動回路59が接続されている。端子77は、リード線を介して、接地されている。
次に、NOx濃度を検知する場合のセンサ制御装置1の動作について説明する。排気通路(図示外)内を流通する排気ガスは、第一拡散抵抗部24を介して第一測定室23内に導入される。ここで、Vsセル3には、Icp供給回路54によって電極22側から電極21側へ微弱な電流Icpが供給される。このため、排気ガス中の酸素は、負極側となる電極21から酸素イオンとなって固体電解質体13内を流れ、基準酸素室29内に移動する。つまり、電極21,22間に電流Icpが供給されることによって、第一測定室23内の酸素が基準酸素室29内に送り込まれる。
Vs検知回路53では、電極21,22間の電圧Vsが検知される。検知された電圧Vsは、基準電圧比較回路51によって基準電圧(例えば、425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路52に対して出力される。ここで、電極21,22間の電位差が基準電圧付近で一定となるように、第一測定室23内の酸素濃度を調整すれば、第一測定室23内の排気ガス中の酸素濃度は所定の濃度C(例えば、0.001ppm)に近づくこととなる。
そこで、Ip1ドライブ回路52では、第一測定室23内に導入された排気ガスの酸素濃度が濃度Cより薄い場合、電極17側が負極となるようにIp1セル2に電流Ip1を供給する。その結果、Ip1セル2では、検知素子11外部から第一測定室23内へ酸素の汲み入れが行われる。一方、第一測定室23内に導入された排気ガスの酸素濃度が濃度Cより濃い場合、Ip1ドライブ回路52は、電極18が負極となるようにIp1セル2に電流Ip1を供給する。その結果、Ip1セル2では、第一測定室23内から検知素子11外部へ酸素の汲み出しが行われる。このときの電流Ip1の大きさと、電流Ip1の流れる向きとに基づき、排気ガス中の酸素濃度の検知が可能である。
第一測定室23において酸素濃度が濃度Cとなるように調整された調整ガスは、第二拡散抵抗部26を介し、第二測定室30内に導入される。第二測定室30内で電極28と接触した調整ガス中のNOxは、電極28を触媒としてNとOに分解(還元)される。分解された酸素は、電極28から電子を受け取り、酸素イオンとなって(解離して)固体電解質体14内を流れ、基準酸素室29内に移動する。このとき、固体電解質体14を介して一対の電極27,28間に流れる電流Ip2の値が、NOx濃度に対応しており、当該電流Ip2の値がNOx濃度対応値の算出に用いられる。
次に、図4に示す本実施形態のメイン処理の概要について説明する。メイン処理では、活性化処理(二点鎖線101内の処理)と、予備制御処理(二点鎖線102内の処理)と、駆動処理(二点鎖線103内の処理)とを含む処理が実行される。活性化処理は、検知素子11をヒータ素子35によって加熱して、検知素子11を活性化させる処理である。活性化処理が実行されている場合のセンサ制御装置1の制御状態を、活性化制御と言う。予備制御処理は、駆動処理が実行される前に第二測定室30内のガス中の酸素を一定量汲み出す処理である。予備制御処理が実行されている場合のセンサ制御装置1の制御状態を、予備制御と言う。駆動処理は、Ip1セル2への通電によって第一測定室23に導入された排気ガスの酸素濃度を調整し、Ip2セル4への通常電圧Vp2を印加する処理である。また駆動処理では、通常電圧Vp2が印加されたIp2セル4の電流の大きさに基づき、NOx濃度対応値を算出する処理が実行される。駆動処理が実行されている場合のセンサ制御装置1の制御状態を、駆動制御と言う。
駆動処理開始直後は、当該処理開始前に第二測定室30内を満たしているガスに含まれた残留酸素等を第二測定室30から汲み出すことになる。このため、本来算出すべき排気ガス中のNOx濃度に関わらず、残留酸素に応じて大きく変動する電流Ip2が流れることになる。従って、駆動処理開始直後は、電流Ip2に基づくNOx濃度対応値は本来の排気ガス中のNOx濃度に応じた値を示さない。しかし、駆動処理開始時の第二測定室30内のガスの組成が同様である場合には、駆動処理開始直後のNOx濃度対応値の経時変化は、駆動処理実行毎に同様なパターンを示す。したがって、センサ制御装置1は、濃度既知の基準ガスのもとで駆動処理を開始してからのNOx濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータを補正データとして用いてNOx濃度対応値を補正する。このようにすれば、第二測定室30内の過剰な酸素濃度に由来する電流を電流Ip2から差し引くことができ、本来のNOx濃度に対応する電流を求めることができる。
本実施形態のセンサ制御装置1(制御部5)は、補正データを用いたNOx濃度対応値の補正精度を高めるために、駆動処理に先立って予備制御処理を実行する。予備制御処理では、活性化処理後、第二測定室30内のガスに含まれる酸素をIp2セル4によって汲み出し、第二測定室30内の酸素濃度を低下させる。前述のように、ガスセンサ10の起動時に第二測定室30を満たしているガスは、前回のメイン処理実行時に内燃機関の運転が停止してから、即ち排気ガスの供給が途絶えてから今回の起動までの時間が長くなるほど、大気雰囲気に近いリーン雰囲気となる。予備制御処理では、大気雰囲気に近いリーン雰囲気である状態から第二測定室30内の酸素濃度を低下させる。なお、予備制御処理時にIp2セル4に印加される電圧は、通常電圧Vp2よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、センサ制御装置1は、Ip2セル4に通常電圧Vp2が印加される場合に比べ、第二測定室30内の酸素濃度を早期に低下させることができる。
また、上述のように、Ip2セル4による酸素の汲み出し量は、第二測定室30内のガス中のHO濃度に依存して異なる。そこで、本実施形態のメイン処理では、予備制御処理時には、定電流回路58を駆動させ、Ip2セル4に供給する電流が一定となるように制御する。このようにすれば、予備制御処理によって、第二測定室30からほぼ同量の酸素が汲み出すことができる。すなわち、予備制御終了時の第二測定室30内の酸素濃度は、ほぼ同じ濃度となる。本実施形態では、Ip2セル4に供給する一定の電流Ip3を10μAとする。このとき、Ip2セル4に印加される電圧は、通常電圧Vp2(425mV)よりも大きい。
次に、ROM63に記憶されている複数種類のパターンデータについて説明する。パターンデータは、駆動処理開始後に、所定温度の基準ガスのもとで算出されたNOx濃度対応値(補正データを用いた補正が実行される前のNOx濃度対応値)の経時変化のパターン(以下、単に「変化パターン」と言う。)を表すデータである。同じ構成を有するガスセンサ10であっても、出力特性の相違によって異なる変化パターンを表すことがある。このため、構成が同じ複数のガスセンサ10のそれぞれの変化パターンをパターンデータによって表すために、複数種類のパターンデータが予め選定されている。各パターンデータは、IDと対応付けられてROM63に記憶されている。なお、複数種類のパターンデータをIDと対応付けて記憶するROM63は、本発明の第一記憶手段に相当する。
ここで、基準ガスとは、NOx濃度が既知のガスである。補正データを用いてNOx濃度対応値を補正する処理を容易にするため、基準ガスのNOx濃度は0ppmであることが好ましい。本実施形態の基準ガスの組成は、NOxが0ppm,Oが7%、HOが4%であり、残りはNガスである。基準ガスの温度は、150℃とした。
複数種類のパターンデータは、例えば、次の手順で選定される。まず、n個(例えば、100個)のガスセンサ10について、基準ガスのもとで駆動処理を開始させ、NOx濃度対応値の経時変化を取得する。取得されたデータのバラツキと、補正精度とを考慮してパターンデータを選定する。一般に、取得されたデータのバラツキが異なる条件で、一定の補正精度を得るためには、バラツキが大きいほどバラツキが小さい場合に比べ、パターンデータの数は多くなる。同様に一般に、取得されたデータのバラツキの大きさが同じ条件で補正精度を高めるには、補正精度が低い場合に比べパターンデータの数を多くする必要がある。
例えば、メイン処理とは別途実行される出力処理において、検知素子11が活性化した後に、NOx濃度対応値が特定のNOx濃度の雰囲気下で所定範囲(例えば、±5ppm以内)となった後にNOx濃度対応値がECU90等の外部装置に出力される場合を想定する。この場合、補正後のNOx濃度対応値が所定範囲の±5ppmになるように、パターンデータが選定された場合、検知素子11の使用による劣化等に起因して、パターンデータを設定した当初の補正精度を確保できない可能性がある。ガスセンサ10の使用による劣化等のイレギュラーな事態が生じた場合にも検知精度を確保するためには、確保したい補正精度よりも高い補正精度が得られるように、パターンデータが選定されることが好ましい。前述の場合、例えば、補正後のNOx濃度対応値が±1ppmとできるように、パターンデータが選定されることが好ましい。
上述の構成を有する複数のガスセンサ10の変化パターンに基づき、例えば、図2及び図3に示すように、17種類のパターンデータが選定される。各パターンデータによって示されるパターンは、以下の理由によって負側から立ち上がる。予備制御によって第二測定室30に存在する酸素が強制的に基準酸素室29へ汲み出されるので、予備制御から駆動制御へセンサ制御装置1の制御状態を切り替えた直後には、第二測定室30内の酸素濃度は、濃度Cに対して低い低酸素状態(リッチ雰囲気)となっている。通常時の第二測定室30の酸素濃度は、通常電圧Vp2(例えば、450mV)に対して予め基準となる濃度Cが規定されているので、Ip2セル4は、第二測定室30内の酸素濃度が濃度Cとなるように、基準酸素室29から第二測定室30へ酸素を汲み戻すように動作する。ここで、前述にように予備制御終了時の第二測定室30内の酸素濃度はほぼ同じ濃度であるため、基準酸素室29から第二測定室30へ酸素を汲み戻すのに要する時間はほぼ同じになる。17種類のパターンデータはそれぞれ駆動処理開始から約300秒経過後には、NOx濃度が0ppmの雰囲気のもとで所定範囲±5ppmに収まる。
次に、記憶部48に記憶されているIDについて説明する。IDは、ROM63に記憶された複数種類のパターンデータの中から、ガスセンサ10の補正データを特定する処理に用いられる。IDは、ガスセンサ10の変化パターンと、予め選定された複数種類のパターンデータとを比較してガスセンサ10の製造時に選定される。具体的なIDの選定方法は適宜定められればよい。本実施形態では、以下の手順で図2及び図3の17種類のパターンデータの中から、ガスセンサ10の変化パターンに応じたIDが選定される。
上述の基準ガスのもと、駆動処理開始から21秒後と、36秒後とについてNOx濃度対応値を取得する。まず、駆動処理開始から36秒と、パターンデータとを比較して、駆動処理開始から36秒後のNOx濃度対応値に最も近いグループを決定する。図3のように、17種類のパターンデータは、駆動処理開始から36秒後の値に応じて、以下の7つのグループに分類される。第1グループには、NOx濃度対応値が約12.5ppmであるID1と、ID6とが含まれる。第2グループには、NOx濃度対応値が約9.78ppmであるID3と、ID9とが含まれる。第3グループには、NOx濃度対応値が約7.05ppmであるID2と、ID5と、ID12とが含まれる。第4グループには、NOx濃度対応値が約4.33ppmであるID4と、ID8と、ID15とが含まれる。第5グループには、NOx濃度対応値が約1.65ppmであるID7と、ID11と、ID17とが含まれる。第6グループには、NOx濃度対応値が約−1.08ppmであるID10と、ID14とが含まれる。第7グループには、NOx濃度対応値が約−3.76ppmであるID13と、ID16とが含まれる。次に、決定されたグループ内のパターンデータの中から、駆動処理開始から21秒のNOx濃度対応値に最も近いパターンデータを選定する。本実施形態のID選定方法によれば、2つのNOx濃度対応値を用いた簡単な方法で、ガスセンサ10の変化パターンを表す補正データを選定することができる。なお、IDを記憶する記憶部48は、本発明の第二記憶手段に相当する。
次に、センサ制御装置1において実行されるメイン処理について、図4を参照して説明する。メイン処理は、内燃機関(図示外)の起動時にECU90からの指示を受けて、CPU61が実行する。なお、メイン処理において算出された濃度対応値は、メイン処理とは別途実行される出力処理において、起動期間が終了したと判断された後、所定の間隔でセンサ制御装置1のECU90に出力される。出力処理において、起動期間が終了したか否かは、濃度対応値が所定範囲(例えば、±5ppm)内に収まっているか否かに基づき判断される。
内燃機関(図示外)が起動され、ECU90からの指示が信号入出力部64に入力されると、CPU61は、記憶部48を参照してIDを読み出し、読み出したIDをRAM62に記憶させる(S5)。次に、CPU61は、活性化処理を実行する(S10からS30)。活性化処理では、CPU61は、ガスセンサ10のヒータパターン38への通電を開始させる(S10)。具体的には、CPU61は、ヒータ駆動回路59を制御して、ヒータパターン38に一定電圧(例えば、12V)を印加させる。
次に、CPU61は、Icp供給回路54を制御して、Vsセル3に電流Icpの供給を開始する(S15)。電流Icpが供給されたVsセル3は、第一測定室23から基準酸素室29へ酸素を汲み出す。検知素子11がヒータ素子35によって加熱され、Vsセル3の内部抵抗が低下するに従い、Vsセル3の電圧Vsは徐々に低下する。
次に、CPU61は、Vs検知回路53を介して取得される電圧Vsが所定値Vth以下であるか否かを判断する(S20)。電圧Vsが所定値Vth以下ではない場合(S20:NO)、CPU61は、電圧Vsが所定値Vth以下となるまで待機する。電圧Vsが所定値Vth以下である場合(S20:YES)、CPU61は、ヒータ電圧Vhの制御を開始する(S25)。具体的には、CPU61は、Vsセル3の内部抵抗Rpvsが目標値となるように、ヒータ駆動回路59を介してヒータ素子35への通電を制御する。目標値とは、例えば、300Ωであり、内部抵抗Rpvsが300Ωの場合、Vsセル3の温度は、約750℃と推定される。
次に、CPU61は、検知素子11が活性化したか否かを判断する(S30)。具体的には、CPU61は、Vsセル3の内部抵抗Rpvsが、閾値に達している否かに基づき、検知素子11が活性化されたか否かを判断する。Vsセル3の内部抵抗Rpvsは、抵抗検知回路55を介して取得された電圧Vsの変化量と、電圧Vsの変化量とVsセル3の内部抵抗とが予め関連付けられたテーブルとに基づき算出される。閾値は、例えば、350Ωであり、内部抵抗Rpvsが350Ωの場合、Vsセル3の温度は、約650℃と推定される。CPU61は、内部抵抗Rpvsが閾値に達している場合に、検知素子11が活性化したと判断する。
検知素子11が活性化していない場合(S30:NO)、CPU61は、検知素子11が活性化するまで待機する。検知素子11が活性化した場合(S30:YES)、CPU61は、Ip1ドライブ回路52を駆動させ、Ip1セル2に通電を開始する(S35)。Ip1セル2への通電は、第一測定室23に導入された排気ガスの酸素濃度を所定の濃度Cに調整するために実行される。
次に、CPU61は、予備制御処理を実行する(S40からS50)。予備制御処理では、CPU61は、Ip2セル4に対して一定値の電流を供給する(S40)。具体的には、CPU61は、定電流回路58を駆動させ、一定値の電流Ip3をIp2セル4に供給する。一定値の電流Ip3とは、例えば、10μAである。Ip2セル4は、電流Ip3の供給を受けて、第二測定室30に存在する酸素の汲み出しを開始する。
次に、CPU61は、図示しないタイマ回路を起動する(S45)。タイマ回路は、一定時間後にタイムアウトするように構成されている。実施例において、一定時間とは、例えば、20secである。次に、CPU61は、タイマ回路が一定時間経過して、タイムアウトしたかを判断し(S50)、タイマ回路がタイムアウトしていない場合には(S50:NO)、CPU61は、タイマ回路(図示外)の監視を継続して行う。タイマ回路がタイムアウトした場合には(S50:YES)、CPU61は、予備制御処理を終了し、Ip2セル4の制御を駆動制御に切り替える(S55)。CPU61は、定電流回路58の駆動を停止させ、Vp2印加回路57を駆動させることによって、予備制御から駆動制御へセンサ制御装置1の制御状態を切り替える。これにより、駆動制御では、Ip2セル4へ通常電圧Vp2が印加され、第二測定室30から酸素の汲み出しが行われる。駆動制御において、S35で開始されたIp1セル2への通電制御は継続して実行される。またS55では、駆動制御開始時からの経過時間をカウントするタイマ処理が起動される。タイマ処理は、メイン処理とは別途実行される処理である。タイマ処理では、所定時間毎にカウント値がインクリメントされ、インクリメントされたカウント値はRAM62に記憶される。
次に、CPU61は、Ip2検知回路56によって検知された電流Ip2の値を取得し、取得した電流Ip2の値と、取得時のカウント値とをRAM62に記憶させる(S60)。次に、CPU61はNOx濃度対応値を算出し、算出したNOx濃度対応値をRAM62に記憶させる(S70)。NOx濃度対応値は、例えば、ROM63に記憶された所定の計算式に電流Ip2の値を代入して算出される。また例えば、電流Ip2の値と、NOx濃度対応値との対応を定めるテーブルを参照し、S60で取得された電流Ip2の値に対応するNOx濃度対応値を算出する。
次に、CPU61は、S70で算出されたNOx濃度対応値を補正し、補正後のNOx濃度対応値をRAM62に記憶させる(S75)。NOx濃度対応値は、計算式(補正後のNOx濃度対応値)=(S70で算出されたNOx濃度対応値)−(電流Ip2の値取得時に対応する補正データ)に基づき補正される。補正データは、ROM63に記憶されている複数種類のパターンデータのうち、S5で取得されたIDと対応付けてROM63に記憶されたパターンデータである。電流Ip2の値取得時に対応する補正データは、補正データに含まれるデータの内、S60でRAM62に記憶させたカウント値に対応するデータである。CPU61は、S5で取得されたIDとS60でRAM62に記憶させたカウント値とに基づき電流Ip2の値取得時に対応する補正データを読み出し、読み出した補正データを用いて、S70で算出されたNOx濃度対応値を補正する。
次に、ECU90から終了の指示が入力されていない場合には(S80:NO)、CPU61は処理をS60に戻す。ECU90から終了の指示が入力された場合には(S80:YES)、CPU61はメイン処理を終了させる。
以上のように、CPU61は、メイン処理を実行する。なお、基準電圧比較回路51,Ip1ドライブ回路52,Vs検知回路53,Icp供給回路54,及びVp2印加回路57の全体が、本発明の駆動回路部として機能する。図4のS70の処理は、本発明の算出工程に相当し、S70を実行するCPU61は本発明の算出手段として機能する。S75の処理は本発明の補正工程に相当し、S75を行うCPU61は本発明の補正手段として機能する。S40からS50を実行するCPU61,及び、CPU61から指令を受けて駆動する定電流回路58は、本発明の予備制御手段として機能する。S5とS75とによって実行される、ガスセンサ10毎に設定されたパターンデータを補正データとして読み出す処理は本発明の読出工程に相当する。S55からS80が実行されている期間、駆動制御する処理は、本発明の駆動工程に相当する。
[評価試験]
次に、上記メイン処理を実行した場合の、補正データを用いたNOx濃度対応値の補正の効果を確認する評価試験を行った。評価試験では、記憶部48に記憶されたIDが6であるガスセンサ10と、記憶部48に記憶されたIDが12であるガスセンサ10とについて、上述の組成を有する基準ガスのもと駆動処理開始からのNOx濃度対応値の経時変化を算出した。また、評価試験では、算出されたNOx濃度対応値を、補正データを用いて補正した。評価試験の結果を図5及び図6に示す。図5及び図6において、横軸は駆動処理開始からの経過時間(単位:sec)を表し、縦軸はNOx濃度対応値(単位:ppm)を示す。
図5に例示するガスセンサ10(ID=6)の補正前のNOx濃度対応値は、負側から立ち上がり、駆動処理開始時から15秒後まではNOx濃度対応値が急激に増加し、その後は緩やかに減少した。図6に例示するガスセンサ10(ID=12)の補正前のNOx濃度対応値は、負側から立ち上がり、駆動処理開始時から20秒後まではNOx濃度対応値が急激に増加し、その後は緩やかに減少した。図5及び図6に例示するガスセンサ10の補正前のNOx濃度対応値はいずれも、駆動処理開始から140秒経過しても、NOx濃度対応値は±5ppmの範囲の値とならなかった。
これに対し、図5に例示するガスセンサ10の補正後のNOx濃度対応値は、負側から立ち上がり、駆動処理開始時から35秒後までの間に、図示外の値まで増加した後、急激に低減した。駆動処理開始時から35秒後以降は、NOx濃度対応値は緩やかに変化した。図6に例示するガスセンサ10の補正後のNOx濃度対応値も同様であった。図5及び図6に例示するガスセンサ10の補正後のNOx濃度対応値はいずれも、駆動処理開始から25秒経過時のNOx濃度対応値は、±5ppmの範囲内の値であり、駆動処理開始から35秒以降のNOx濃度対応値は、±1ppmの範囲内の値となった。すなわち、補正データを用いて補正されたNOx濃度対応値は、補正前のNOx濃度対応値に比べ、早期に基準ガスのNOx濃度に応じた値となった。評価試験の結果から、出力処理において、補正後のNOx濃度対応値を用いて、起動期間が終了したか否かを判断することによって、補正前のNOx濃度対応値を用いる場合に比べ、起動期間を短くすることができることが確認された。
上記センサ制御装置1によれば、ROM63に記憶された補正データは、NOx濃度対応値の経時変化に基づいてガスセンサ10毎に設定されているため、補正データにはガスセンサ10毎の出力特性が反映されている。したがって、補正後のNOx濃度対応値が、複数のガスセンサ10間でばらつくことを回避することができる。補正後のNOx濃度対応値は、補正前のNOx濃度対応値に比べ、早期に所定範囲内の値となる。したがって、センサ制御装置1は、従来に比べて起動期間を短縮することができ、出力処理においてNOx濃度対応値を外部装置へ早期に出力することができる。また、IDは、ガスセンサの変化パターンに基づき選定された1のパターンデータと対応している。したがって、センサ制御装置1の製造時において、補正データの設定が容易である。
センサ制御装置1は、ガスセンサ10と制御部5とが着脱可能に構成されている。このため、例えば、ガスセンサ10が長期使用によって劣化した場合であっても、ガスセンサ10を取り替えることによって、制御部5を有効利用することができる。また、補正データを複数種類のパターンデータの中から選定するにあたり、ガスセンサ10を用いるだけでガスセンサ10の変化パターンを表す補正データを特定することができる。それにより、センサ制御装置1とガスセンサ10とを電気的に接続した上でセンサ制御装置1に補正データを特定させる必要がなく、補正データの設定が容易である。センサ制御装置1では、駆動処理に先立って、予備制御処理を実行する。したがって、駆動処理開始時の残留酸素の依存性を小さくすることができるため、予備制御が実行されない場合に比べ補正データを用いてNOx濃度対応値を補正する精度を高めることができる。また、センサ制御装置1は、予備制御において、Ip2セル4に一定の電流Ip3を供給する。このため、センサ制御装置1では、予備制御終了後の、Ip2セル4が第二測定室30に汲み入れる酸素の量が、排気ガスに含まれるHO濃度によらず、ほぼ同一となる。したがって、予備制御終了後に算出されるNOx濃度対応値の経時変化は、検知対象ガスのHO濃度がメイン処理実行時毎に異なる場合にもほぼ同じパターンを示す。センサ制御装置では、検知対象ガスにおけるHO濃度が変化する場合であっても、駆動回路部による駆動処理開始後において、補正データを用いたNOx濃度対応値の補正を精度良く行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。例えば、以下の(1)から(5)に示す変形を加えてもよい。
(1)上記実施形態では、Vsセル3の内部抵抗に基づいて検知素子11の温度を検知しているが、例えば、Vsセル3に代えて、Ip1セル2やIp2セル4の内部抵抗に基づいて、検知素子11の温度を検知してもよい。また、ヒータ素子35を構成するヒータパターン38の抵抗値に基づいて、検知素子11の温度を検知してもよい。
(2)上記実施形態では、NOxの濃度を検知するNOxセンサを例示しているが、第一態様のセンサ制御装置は、固体電解質体を用いて構成される種々のガスセンサ(例えば、酸素センサ)に適用可能である。
(3)上記実施形態のセンサ制御装置1の構成は適宜変更可能である。例えば、制御部5と、ガスセンサ10とは、着脱不能のように一体に構成されていてもよい。また例えば、基準酸素室29に代えて、大気導入孔が設けられたガスセンサに第一態様のセンサ制御装置が適用されてもよい。また例えば、補正データはセンサ制御装置1が備えるいずれかの記憶装置に記憶されていればよく、記憶装置の種類や記憶装置の設置場所は適宜変更可能である。また例えば、センサ制御装置は、ガスセンサ10に対応する補正データのみを記憶していてもよい。
(4)上記実施形態のメイン処理は適宜変更可能である。例えば、予備制御処理(二点鎖線102内の処理)は必要に応じて省略することが可能である。また例えば、予備制御処理において、Ip2セル4に供給される電流の値と、電流が供給される時間とのそれぞれは、検知素子11の構成と、検知素子11が設置される部位と、検知素子11の使用環境とを含む条件に基づいて、適宜決定されればよい。また例えば、図4のS60において、Ip2セル4に印加される通常電圧は、一定の電圧であってもよいし、一定ではない電圧であってもよい。また例えば、図4のS70において、補正データを用いて濃度対応値を補正する処理は、駆動処理実行期間の全期間にわたって実行されてもよいし、補正前の濃度対応値が所定範囲に入るまでの期間のみ実行されてもよい。補正データを用いて濃度対応値を補正する処理が補正前の濃度対応値が所定範囲に入るまでの期間のみ実行される場合、駆動処理実行期間の全期間にわたって実行される場合に比べ、補正が不要な期間に実行される処理を簡略化することができる。また例えば、図4のS70において算出される濃度対応値は、検知対象ガス中の特定ガス濃度を表す値であればよく、例えば、濃度対応値は、Ip2セル4の電流値に基づくアナログ出力をデジタル換算した値であってもよい。
(5)上記実施形態では、ガスセンサ10の製造時に、予め選定された複数種類のパターンデータの中から、ガスセンサ10の変化パターンを表すパターンデータが補正データとして選定されていた。しかし、補正データの選定は製造後に実行されてもよい。また、ガスセンサ10の劣化等に起因して、製造時に補正データとして選定されたパターンデータが、ガスセンサ10の変化パターンを示さなくなる場合がある。これに対し、例えば、所定周期毎に複数種類のパターンデータの中から補正データを選定する処理が実行されてもよい。このようにすれば、ガスセンサ10の劣化等が生じた場合であっても、補正データを用いて精度良く濃度対応値を補正することができる。
1 センサ制御装置
2 第一酸素ポンプセル
4 第二酸素ポンプセル
5 制御部
10 ガスセンサ
12,13,14 固体電解質体
17,18,21,22,27,28 電極
40,70 コネクタ部
48 記憶部
51 基準電圧比較回路
52 Ip1ドライブ回路
53 Vs検知回路
54 Icp供給回路
57 Vp2印加回路
58 定電流回路
60 マイクロコンピュータ
61 CPU
63 ROM

Claims (7)

  1. 検知対象ガスが導入される第一測定室と、第一固体電解質層と一対の第一電極とを備え、前記一対の第一電極が前記第一測定室の内側と外側とに設けられる第一酸素ポンプセルと、前記第一測定室に連通する第二測定室と、第二固体電解質層と一対の第二電極とを備え、前記一対の第二電極が前記第二測定室の内側と外側とに設けられた第二酸素ポンプセルとを備えるガスセンサと、
    前記第一測定室に導入された前記検知対象ガスの酸素濃度を、前記第一酸素ポンプセルへの通電によって調整するとともに、前記第二酸素ポンプセルへ通常電圧を印加する駆動処理を行う駆動回路部と、前記通常電圧が印加された前記第二酸素ポンプセルに流れる電流の大きさに基づいて特定ガスの濃度を表す濃度対応値を算出する算出手段とを備える制御部と
    を備えるセンサ制御装置であって、
    前記センサ制御装置はさらに、
    濃度既知の基準ガスのもとで前記駆動回路部による前記駆動処理を開始してからの前記濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータであって、前記ガスセンサ毎に設定された前記パターンデータを補正データとして記憶する記憶手段を備え、
    前記制御部はさらに、
    前記補正データを用いて前記濃度対応値を補正する補正手段を備えたことを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記補正データは、予め準備された複数種類の前記パターンデータの中から、前記ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記パターンデータであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記ガスセンサと、前記制御部とは着脱可能に構成されており、
    前記記憶手段は、
    前記制御部に設けられ、前記複数種類のパターンデータと、当該パターンデータと対応付けられた識別子とを記憶する第一記憶手段と、
    前記ガスセンサに設けられ、当該ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記識別子を記憶した第二記憶手段と
    からなり、
    前記補正手段は、前記第二記憶手段に記憶された前記識別子を用いて、前記第一記憶手段に記憶された前記複数種類のパターンデータの中から前記補正データを特定し、当該補正データを用いて前記濃度対応値を補正することを特徴とする請求項2に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記駆動回路部による駆動処理を開始する前に、前記第二測定室内の酸素濃度を低下させる予備制御を行う予備制御手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のセンサ制御装置。
  5. 前記予備制御手段は、前記第二酸素ポンプセルに対して、一定の電流を一定時間供給して、前記第二測定室から当該第二測定室外部に汲み出す酸素の量を一定に制御することで、前記第二測定室内の酸素濃度を低下させることを特徴とする請求項4に記載のセンサ制御装置。
  6. 検知対象ガスが導入される第一測定室と、第一固体電解質層と一対の第一電極とを備え、前記一対の第一電極が前記第一測定室の内側と外側とに設けられる第一酸素ポンプセルと、前記第一測定室に連通する第二測定室と、第二固体電解質層と一対の第二電極とを備え、前記一対の第二電極が前記第二測定室の内側と外側とに設けられる第二酸素ポンプセルとを備えるガスセンサと、
    前記第一測定室に導入された前記検知対象ガスの酸素濃度を、前記第一酸素ポンプセルへの通電によって調整するとともに、前記第二酸素ポンプセルへ通常電圧を印加する駆動工程と、前記通常電圧が印加された前記第二酸素ポンプセルに流れる電流の大きさに基づいて前記検知対象ガスに含まれる特定ガスの濃度を表す濃度対応値を算出する算出工程とを実行する制御部と
    を備えるセンサ制御装置の制御方法であって、
    濃度既知の基準ガスのもとで前記駆動回路部による前記駆動処理を開始してからの前記濃度対応値の経時変化のパターンを表すパターンデータであって、前記ガスセンサ毎に設定された前記パターンデータである補正データを、前記センサ制御装置が備える記憶手段から読み出す読出工程と、
    前記補正データを用いて前記濃度対応値を補正する補正工程と
    を備えたことを特徴とするセンサ制御装置の制御方法。
  7. 前記補正データは、予め準備された複数種類の前記パターンデータの中から、前記ガスセンサの前記経時変化に基づき選定された1の前記パターンデータであることを特徴とする請求項6に記載のセンサ制御装置の制御方法。
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