JP5203543B1 - 米飯改良剤、それを用いた米飯食品および米飯改良剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

でん粉含量70重量%以上の特定材料のアルファー化物と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉であって特定のB型粘度を示すでん粉とを含む原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、原料が、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物1〜45重量部と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉40〜99重量部と、を含み、原料中の、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の合計が45重量%以上である、米飯改良剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、米飯改良剤、それを用いた米飯食品および米飯改良剤の製造方法に関する。
日本人の嗜好に適した米飯には、適度なつやと粘りを含むジャポニカ種に代表される米が用いられる。このつや、粘りは主に米中のアミロペクチン含量に起因しており、比較的アミロペクチン含量の多いコシヒカリやササニシキなどは日本人の嗜好に適している。
一方、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、各種持ち帰り弁当や駅弁など近年の外食、中食産業の発展により、大規模な連続米飯炊飯ラインを用いて、大量に炊飯することが日常となっている。このような連続米飯炊飯ラインにおいて、上記のようなアミロペクチン含量の多いジャポニカ種を炊飯すると、米中のアミロペクチンの溶出による粘りが強く、米飯同士の付着性が強い。このため、炊飯後のほぐし工程や成形工程などで生じる機械負荷により、米飯がつぶれ、団子状になり、ラインに付着したり、成形機に付着しやすかった。また、これにより、一定の重量を供給できなくなったり、成形機に詰まりが生じたりすると、歩留まりが低下したり生産が不安定化する懸念があった。さらにこのような割れ、つぶれの多い米飯(以下、「ご飯」とも呼ぶ。)は、食べたときにべたつきが強く、粒感の弱いものとなり、ご飯本来の品質の劣化にもつながる。
そこで、ご飯同士、またはご飯と機械の間の滑りを向上し、詰まりを抑制し、安定生産をおこなうために、炊飯中に油脂を添加することや、炊飯中の分散性をより高めるために乳化剤を配合した油脂を添加することがおこなわれている。また、ほぐし機や成形機などの、ご飯のつまりが生じやすい箇所に油脂を噴霧することがなされている。
ところが、油脂を配合した米飯では、油脂の添加量が多すぎると油っぽさを感じることがあった。さらに、乳化剤を配合した油脂を用いた場合、米飯に乳化剤起因の異味が生じる場合があった。また、米飯の表面を油がコーティングしてしまうため、米飯本来の粘りが弱くなってしまう場合があった。したがって、このような大量炊飯施設において製造工程における詰まりを解消するために、使用する油脂を減らすこと、さらに油脂の使用を控えてもほぐれがよい米飯や、つや、粘りの高い米飯を得るための改良剤の開発が求められている。
そこで、油脂を使用することなく炊飯時における米飯の付着性を低減し、ほぐれを改善する方法として、特許文献1(国際公開第2010/131456号)に記載の技術がある。同文献には、酸処理ワキシー種でん粉または酸化処理ワキシー種でん粉を含む米飯改良剤が記載されている。また、この構成により、米飯が有するつやおよび粘りを維持しつつ、ほぐれやすい良質な米飯が得られるとされている。
また、米飯の改質に関する技術として、他に、特許文献2(特開2008−92945号公報)に記載のものがある。同文献には、でん粉を粒状に加工することによって、均一に分散させ、ご飯のつや、粘りを向上させ、食味、風味の改善効果を有する米飯改質剤が記載されている。
国際公開第2010/131456号 特開2008−92945号公報
貝沼圭二他3名、「β−アミラーゼ−プルラナーゼ(BAP)系を用いた澱粉の糊化度、老化度の新測定法」、澱粉科学、第28巻、第4号、第235〜240頁、1981年
本発明者らは、米飯改良剤の炊飯時の分散性および得られた米飯のほぐれ性をより一層向上させるべく検討した。
その結果、でん粉を主として含む特定の材料のアルファー化物と、特定のでん粉の酸処理物または酸化処理物とを組み合わせて原料として用いるとともに、上記原料を特定の大きさの粒状とすることにより、米飯改良剤の炊飯時の分散性および得られた米飯のほぐれ性のバランスを特に向上させることができることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉とを含む原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、
前記原料が、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物1〜45重量部と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉40〜99重量部と、を含み、
前記原料中の、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉が、合計45重量%以上であり、
酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉は、糊化処理した場合、40℃、30%におけるB型粘度が、25cps以上15500cps以下であり、
でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、タピオカでん粉、コーンでん粉およびそれらの加工でん粉、米粉、加工米粉ならびに架橋馬鈴薯でん粉からなる群から選択される1種または2種以上のアルファー化物である、米飯改良剤が提供される。
また、本発明によれば、
でん粉含量70重量%以上のアルファー化物と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉とを含む原料を準備する工程と、
前記原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程と、
を含み、
前記原料が、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物1〜45重量部と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉40〜99重量部と、を含み、
前記原料中の、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の合計が45重量%以上であり、
酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉は、糊化処理した場合、40℃、30%におけるB型粘度が、25cps以上15500cps以下であり、
でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、タピオカでん粉、コーンでん粉およびそれらの加工でん粉、米粉、加工米粉ならびに架橋馬鈴薯でん粉からなる群から選択される1種または2種以上のアルファー化物である、米飯改良剤の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における米飯改良剤を添加して炊飯する工程を含む米飯食品の製造方法であって、炊飯する前記工程において、生米と前記米飯改良剤との合計に対して前記米飯改良剤を0.3重量%以上7重量%以下添加する、米飯食品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記米飯食品の製造方法により炊飯された米飯食品が提供される。
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明には、前記本発明における米飯改良剤を生米と前記米飯改良剤との合計に対して0.3重量%以上7重量%以下添加する、米飯改良方法も包含される。
本発明によれば、炊飯時の分散性に優れるとともに、米飯のほぐれ性を向上させる米飯改良剤を得ることができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施例における造粒物の分散性の評価結果を示す図である。
本発明における米飯改良剤は、でん粉を含む原料を特定の大きさの粒状に加工してなるものである。具体的には、原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる。
この米飯改良剤のJIS規格における目開き0.5mm(32メッシュ)篩上の粒状物の含量は、5重量%以上100重量%以下であり、好ましくは10重量%以上100重量%以下、より好ましくは30重量%以上100重量%以下である。目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分を上記範囲内とすることで、炊飯米への分散性が良好となる。目開き0.5mm(32メッシュ)篩上成分が少なすぎると、改良剤であるでん粉が沈降し、炊飯時に沈降したでん粉が先に糊化して炊飯水が増粘するため、均一な炊飯が妨げられる場合がある。
また、本発明における米飯改良剤は、加熱溶解度がたとえば20%以上、好ましくは50%以上である。このようにすれば、炊飯中の米飯改良剤の分散性がさらに向上するとともに、米飯のつや、粘りを向上させることもできる。加熱溶解度の上限については、特に制限がないが、たとえば90%以下とする。
ここで、「加熱溶解度」とは、炊飯中に迅速に加熱溶解する特性を表す指標として用いられる。加熱溶解度が高いと、炊飯時に改質成分であるでん粉質が加熱、溶解し、米飯中に均一に分散することにより、米飯のつや、粘りがより一層向上する。加熱溶解度の測定方法は以下のとおりである。
1.直径18mm、長さ180mmのガラス試験管に、試料を乾燥重量で500mgはかりとる。このときに、はかりとった試料の正確な重量(加熱前重量)を記録する。
2.上記1に10mLの蒸留水を加えて攪拌し、よく分散させる。
3.アルミキャップをかぶせ、沸騰浴で20分加熱する。このとき、試料がだまにならないよう、ときどき、よく分散させる。
4.加熱が終わったら、流水中で冷却する。
5.試験管内容物を50mLのふたつき遠沈管に移し替える。このとき、空の遠沈管の重量(ふたなし)を測定しておく。試験管壁に付着した内容物は、蒸留水を加え、よく洗浄し、その洗液も、遠沈管にいれて、全体量を30mLにする。
6.遠心(3000rpm、10min)し、上澄み液を注意深く除去する。
7.100℃の恒温層に一昼夜乾燥させ、乾燥後の重量(空の遠沈管重量+遠沈管に残った米飯改良剤重量)を測定する。
8.加熱溶解度は、以下の数式によって算出する。
加熱溶解度(%)=100−{(乾燥後の重量−空の遠沈管重量)/(加熱前重量)}×100
9.1試料につき3点加熱溶解度を測定し、その平均値を加熱溶解度とする。
次に、本発明における米飯改良剤の原料について、具体例を挙げて説明する。
本発明における米飯改良剤の原料は、
(a)でん粉含量70重量%以上のアルファー化物、および
(b)酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉
を必須成分とし、これらの成分が原料中にそれぞれ特定の割合で配合される。
はじめに、(a)でん粉含量70重量%以上のアルファー化物について説明する。
「でん粉含量70重量%以上のアルファー化物」とは、でん粉含量が70重量%以上である材料をアルファー化処理して得られるものである。「でん粉含量が70重量%以上である材料」とは、具体的には、タピオカでん粉、コーンでん粉およびそれらの加工でん粉、米粉、加工米粉ならびに架橋馬鈴薯でん粉からなる群から選択される1種または2種以上である。上記特定の材料をアルファー化して、後述する(b)成分とともに粒状の米飯改良剤に配合することにより、米飯改良剤の分散性を特に効果的に向上させることができる。
米飯改良剤の炊飯時の分散性をさらに向上させる観点からは、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物が、タピオカでん粉およびその加工でん粉、米粉ならびに加工米粉からなる群から選択される1種または2種のアルファー化物であることが好ましい。
なお、米粉の由来は、ウルチ種が好ましい。
また、一般的な粳米粉のでん粉含量は70〜90重量%で、アミロース含量10〜35重量%である。
また、タピオカでん粉またはコーンでん粉の加工でん粉あるいは加工米粉として、たとえば、上記材料を酸化、酸処理、ヒドロキシプロピル化、アセチル化またはリン酸架橋物等の架橋化して得られる加工でん粉または加工米粉、あるいは複数の上記処理の組み合わせにより得られる加工でん粉または加工米粉が挙げられる。
また、でん粉含量が70重量%以上である材料のアルファー化(糊化)処理とは、加熱やアルカリ処理により、でん粉鎖同士の水素結合を解く処理を指し、アルファー化処理したでん粉は冷水に吸水膨潤しない未糊化でん粉と異なり、冷水中で吸水膨潤する特長を有する。
アルファー化処理の具体的な方法としては、でん粉の懸濁液を調製し、アルファー化温度以上に加熱したのち、適当な方法で乾燥、粉砕する。乾燥の方法としては、従来より知られている方法を用いればよく、たとえば、ドラムドライ法、エクストルーダー法、噴霧乾燥法などによる方法が使用できる。
でん粉含量70重量%以上のアルファー化物のアルファー化度の指標としては、β−アミラーゼ−プルラナーゼ(BAP)法により非特許文献1(澱粉科学第28巻第4号第235〜240頁、1981年)に記載の方法に準じて測定される糊化度を用いることができる。たとえば、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物のBAP法によるアルファー化度は、50%以上100%以下であり、好ましくは60%以上とする。
また、でん粉含量70重量%以上の上記材料を冷水可溶度が50%以上となる処理をして得られるものを用いてもよい。ここで、冷水可溶度は、特許文献1に記載の方法に準じて測定される。
本発明において、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物は、米飯改良剤の分散安定性を確実に向上させる観点からは、造粒に用いる原料全体中の1重量%以上であり、好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上である。
また、炊飯により得られる米飯中のごはん粒同士の付着を抑制してほぐれ性を安定的に向上させる観点からは、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物は、造粒に用いる原料全体中の45重量%以下、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。
次に、(b)酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉について説明する。「酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉」とは、アミロース含量が20%以下のでん粉を、酸処理または酸化処理して得られるでん粉であって、酸処理または酸化処理のいずれか一方が施されたものであってもよいし、酸処理および酸化処理の両方が施されたものであってもよい。酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉により、米飯のほぐれ性を向上させることができる。また、米飯の粘りを向上させることができる。
アミロース含量20%以下のでん粉として、ワキシーコーンスターチ、モチ米でん粉などのモチ種でん粉や、馬鈴薯でん粉、タピオカでん粉などが例示される。こうしたでん粉を原料として耐老化性を付与するような加工を施したでん粉、すなわちエステル化処理(たとえば、酢酸でん粉、オクテニルコハク酸エステル化でん粉)、エーテル化処理(たとえば、ヒドロキシプロピルでん粉)を用いることもできる。またこれらの耐老化性でん粉に、架橋処理(たとえば、リン酸架橋でん粉)を組み合わせて用いてもよい。これらのでん粉は単独でまたは二以上を組み合わせて使用することができる。
上記のアミロース含量20%以下のでん粉を酸処理もしくは酸化処理することにより、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉が得られる。
酸処理でん粉の製造方法は、一般に知られる方法とすることができ、特に問わないが、具体的には、0.5〜10%の塩酸や硫酸などの希薄酸溶液にでん粉を懸濁し、20〜60℃の温度で、1〜100時間攪拌を続け、でん粉を低粘度化する。酸により、でん粉粒子の非結晶部が分解され、糊化しやすいが糊液の粘度は低くなるのが特長である。
一方、酸化処理でん粉は、具体的には、でん粉と次亜塩素酸ナトリウムをアルカリ性溶液中で反応させた加工でん粉であり、でん粉分子内にカルボキシル基またはカルボニル基の導入が起こり、さらにでん粉鎖の切断も起こるため、糊液の粘度低下が起こる。
酸化処理条件としては、一般に知られる条件とすることができ、特に問わないが、具体的には、有効塩素濃度約10%程度の次亜塩素酸ナトリウムをpH8〜11、温度を40〜60℃に調製したでん粉懸濁液に滴下して、30分〜4時間反応をおこなう。
なお、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉は、酸処理または酸化処理ともに、反応の進行とともにでん粉糊液粘度が低下する。米飯のつや、粘りとほぐれの改良効果のバランスの観点からは、でん粉の30%懸濁液を95℃水浴中で30分間攪拌しながら保持し、完全に糊化させた後40℃で1時間保持したときの粘度をB型粘度計(たとえば、東京計器社製)で測定したときの酸処理または酸化処理でん粉の粘度(40℃、30重量%水溶液のB型粘度)が、25cps以上15500cps以下であり、好ましくは50cps以上7000cps以下である。
なお、本明細書において、B型粘度計により測定される粘度を「B型粘度」とも呼ぶ。
本発明において、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉は、米飯のほぐれ、食味を向上させる観点からは、造粒に用いる原料全体中の、合計で40重量%以上であり、好ましくは45重量%以上、より一層好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上である。また、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の上限は、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物の量を充分に確保して、米飯のほぐれ性の向上効果と米飯改良剤の分散性とのバランスを向上させる観点から、合計で99重量%以下であり、耐老化性の点から好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。
上記(a)および(b)成分は、原料中に特定の重量割合で配合される。
具体的には、米飯改良剤の分散安定性の観点から、原料は(a)成分を1重量部以上、好ましくは2重量部以上、さらに好ましくは4重量部以上含む。また、米飯のほぐれ性の観点から、原料は(a)成分を40重量部以下、好ましくは25重量部以下含む。
また、米飯のほぐれ性と食味とのバランスの観点から、原料は(b)成分を40重量部以上、好ましくは50重量部以上、さらに好ましくは60重量部以上含む。また、耐老化性の観点から、原料は(b)成分を99重量部以下、好ましくは90重量部以下含む。
また、でん粉含量70重量%以上のアルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の合計は、米飯のほぐれ性に優れた米飯を安定的に得る観点から、造粒に用いる原料中の45重量%以上であり、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは55重量%以上である。
でん粉含量70重量%以上のアルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉の合計の上限は100重量%以下であり、原料が上記(a)および(b)成分から構成されていてもよいし、原料がさらに他の成分を含んでいてもよい。
他の成分として、たとえば、上記(a)および(b)成分に加えて、未処理のアミロース含量20%以下のでん粉、すなわち酸処理および酸化処理をいずれも施されていないアミロース含量20%以下のでん粉を所定の比率で併用することで、老化防止の面でより一層高い効果が得られる。
具体的には、米飯改良剤の原料が、上記(a)および(b)成分を合計45重量%以上90重量%以下含むとともに、酸処理および酸化処理をいずれも施されていないアミロース含量20%以下のでん粉を10重量%以上55重量%以下含む構成とすることができる。
また、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉と酸処理および酸化処理をいずれも施されていないアミロース含量20%以下のでん粉の重量比は、炊飯により得られた米飯のふっくら感をさらに向上させる観点から、たとえば90:10〜45:55、好ましくは90:10〜65:35である。
また、米飯改良剤の原料に、糖類を含むことができる。用いられる糖類としては食品に供するものであれば特に限定されず、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース(麦芽糖)、ラクトース、トレハロース、またキシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類、糖類の転化糖、さらには以上を構成成分とする還元糖を有する物質や混合物である水あめ、粉末水あめなども同様に使用できる。好ましくは、マルトース、トレハロース、マルチトール、水あめ、粉末水あめ、である。これら糖類は1種、または2種以上を組み合わせて使用できる。
原料中の糖類の含量は、好ましくは0.5〜55重量%であり、より好ましくは0.5〜50重量%であり、より一層好ましくは1〜40重量%である。糖類を含むことでより一層安定的な製造が可能となる。
また、本発明において、米飯改良剤の原料は、上記(a)および(b)成分、未処理のアミロース含量20%以下のでん粉以外のでん粉や種々の添加剤を効果の阻害しない範囲で含んでいてもよい。
本発明に係る米飯改良剤は、油脂を含んでいてもよい。米飯改良剤内部に油脂を配合することにより炊飯米の釜離れを向上させ、作業性が改善する。本発明に用いられる油脂としては通常食品に供するものであれば特に限定されず、あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、くるみ油、けし油、ひまわり油、綿実油、なたね油、大豆油、からし油、カポック油、米糠油、ごま油、とうもろこし油、落花生油、オリーブ油、つばき油、茶油、ひまし油、やし油、パーム油などの植物性油脂や、牛脂、魚油、鯨油、豚脂、羊油などの動物性油脂などがあげられる。また、これらの原料をエステル交換したものや、硬化油、分別油の他、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的に処理して得られる油脂などを用いることも可能である。また炊飯中に分散しやすいように乳化剤などを配合した油脂であるいわゆる炊飯専用油を用いることも可能である。これら油脂の米飯改良剤への添加量は米飯改良剤100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
本発明において、必要に応じて、一般に賦形剤として用いられているショ糖脂肪酸エステルや脂肪酸エステルなどの乳化剤、結晶セルロース、酵素分解デキストリン、難消化性デキストリン、クラスターデキストリン、シクロデキストリン、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などを用いることができる。
さらに本発明の米飯改良剤の分散性を利用して、カルシウム、鉄分などのミネラル類、ビタミン類、食物繊維などの栄養機能成分を一緒に練りこんでおくことにより手軽に栄養補強機能のある炊飯米を調製することができる。
本発明の米飯改良剤の形状は、米飯に添加しやすく、炊飯時に速やかに溶解する形状であれば特に問わない。造粒装置の吐出口(ダイ)の形状を変えることにより、球状、円柱状、米粒状などさまざまな形状にすることが可能である。
本発明の米飯改良剤の効果を高めるためには、米飯改良剤のかさ比重を0.5g/mL以上にすることが好ましい。こうすることにより、炊飯中での米飯改良剤の分散性が一層良好となる。たとえば、業務用の炊飯ラインで炊飯を行う場合、プロセス効率の観点から、炊飯前に米飯と米飯改良剤とを攪拌・混合することなく、良好な分散性が得られることが望まれる。かさ比重を好ましくは0.5g/mL以上、より好ましくは0.55g/mL以上とすれば、上記のような良好な分散性を安定的に実現することができる。
ここで、かさ比重の測定方法は、以下のように行う。
1.試料(目開き0.5mm(32メッシュ)の篩で篩った篩上を使う)を100g前後試験スコップにはかりとる。
2.100mLの試験升の空重量を測定する。
3.バットの中に、試験升をおき、はかりとった試料を静かに充填する。
4.試験升の上面を静かにすりきり、試験升と試料の合計重量を測定し、以下の式によりかさ比重を算出する。
かさ比重(g/mL)=(試験升と試料の合計重量−試験升空重量)/100
本発明の米飯改良剤の製造方法は、たとえば、上記(a)および(b)成分を含む原料を準備する工程と、上記原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程とを含む。
本発明の米飯改良剤の製造に用いられる装置は特に限定されず、パン型造粒機などに代表される振動、転動、攪拌混合、流動、解砕型造粒機、圧縮成型、湿式または乾式押出造粒機など一般的に用いられる造粒、整粒装置を使用することができる。その中でも製造効率や粒の結着性などから二軸エクストルーダーなどによる押出造粒機を用いる方法が好ましい。エクストルーダー処理する場合は通常、上記(a)および(b)成分を含む原料に加水して、水分含量を10〜50重量%に調整した後、温度20〜200℃で、スクリュー回転100〜1000rpm、熱処理時間5〜60秒の条件で押出造粒することによって、米飯改良剤が得られる。
本発明の米飯改良剤は、あらかじめ米や無洗米などに混合して用いることも、炊飯時に添加することも可能である。炊飯時に添加する場合は、米を浸漬する前に添加しても、浸漬した米に添加してもよいが、いずれの場合も、米飯改良剤の改良成分をより均一に分散させるためには、米飯改良剤を添加後、軽く米を攪拌するとよい。生米への米飯改良剤の添加率は、たとえば0.3重量%以上7重量%以下、好ましくは0.5重量%以上5.5重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以上3重量%以下である。添加量が少なすぎると充分な米飯改良効果が得られないことがある。また、添加量が多すぎると、米飯の食味が好ましくない場合がある。
ここで、「生米への米飯改良剤の添加率」とは、生米と米飯改良剤との合計に対する米飯改良剤の割合(重量%)のことである。
本発明に係る米飯食品は、具体的には、生米への米飯改良剤の添加率が0.3重量%以上7重量%以下で炊飯されたものである。これにより、炊飯後の常温保存、流通時に劣化するご飯のつやや粘りを維持、向上させることが可能である。そのため、コンビニエンスストアやスーパーストアに陳列するようなお弁当用のご飯、おにぎり、炊き込みご飯、炒飯、パエリア、リゾットなど幅広い米飯食品に利用することができる。また、寿司やおにぎりなどのチルドまたは冷凍で流通する米飯食品にも利用できる。一方、炊飯後のぱさつきがちになる五穀米などの雑穀を用いた米飯食品に用いると、粘りを長時間維持することができる。さらに、本発明の米飯改良剤を古米、低級米に用いると、古米臭、ぬか臭を抑え、新米、上級米のような食味、食感、風味を有する米飯食品となる。
以上、説明したように、本発明における米飯改良剤は、特定のでん粉およびアルファー化物を特定の割合で配合した原料を特定の大きさに造粒することにより、炊飯米中の分散性と炊飯米のほぐれ性の向上効果とのバランスに優れた構成となっている。このため、炊飯時に釜内に均一に分布して炊飯時に徐々に溶解し、炊飯米のほぐれ性を向上させるとともに、釜内での炊飯米の品質のばらつきを効果的に抑制して、炊飯米の製造安定性を向上させることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、材料として以下のものを使用した。
アルファー化タピオカでん粉:松谷化学工業株式会社製「マツノリンM−22」(でん粉含量 93.6重量%)
アルファー化ヒドロキシプロピルタピオカでん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「ジェルコールGT−3」(でん粉含量 92.0重量%)
アルファー化アセチル化リン酸架橋タピオカでん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「ジェルコールGT−α」(でん粉含量 91.6重量%)
アルファー化ワキシーコーンでん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「アルファーワキシースターチ」(でん粉含量 89.2重量%)
アルファー化コーンでん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「ジェルコールCB−10」(でん粉含量 89.2重量%)
アルファー化粳米粉:まつや株式会社製「ライスミール」(でん粉含量 77.6重量%、アミロース含量16重量%)
アルファー化馬鈴薯でん粉:中央食糧株式会社製「PF」(でん粉含量 91.1重量%)
アルファー化リン酸架橋馬鈴薯でん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「ベイクアップB−α」(でん粉含量 90.6重量%)
ワキシーコーンでん粉:株式会社J-オイルミルズ社製「ワキシーコーンスターチY」(でん粉含量 88.0重量%、アミロース含量 0重量%)
マルトース(麦芽糖):株式会社林原社製「サンマルトシロ」
グルコース:サンエイ糖化株式会社製「含水結晶ぶどう糖 TDH」
デキストリン:株式会社J-オイルミルズ社製「FZ−100」(DE(Dextrose Equivalent):4)
また、酸処理ワキシーコーンでん粉および酸化処理ワキシーコーンでん粉は、それぞれ、以下の試験例1および試験例2により得られたものを用いた。なお、試験例1および2の説明において、とくに断りのない場合、「部」とは「重量部」である。
(試験例1)(酸処理ワキシーコーンでん粉の製造)
ワキシーコーンでん粉「ワキシーコーンスターチY」(J−オイルミルズ社製)150部に水170部を加えて懸濁液とした。これに6%塩酸水溶液80部(乾燥でん粉に対する塩酸濃度;3.73%)を攪拌しながら加えて、24時間40℃攪拌しながら反応させた。反応後、でん粉を洗浄、減圧ろ過により回収した後、乾燥し酸処理ワキシーコーンでん粉を得た。
得られた酸処理ワキシーコーンでん粉の30%スラリーを調製し、95℃で30分間撹拌保持後、40℃で1時間保持した後のB型粘度を測定した。B型粘度の測定には、東京計器社製ビスコメーターBMを用いた。その結果、220cpsであった。
(試験例2)(酸化処理ワキシーコーンでん粉の製造方法)
ワキシーコーンでん粉「ワキシーコーンスターチY」(J−オイルミルズ社製)150部に水314部を加えて懸濁液とした。これに有効塩素量12.1%次亜塩素酸ナトリウムを62部攪拌しながら加えてpH8、40℃、2時間攪拌しながら反応させた。反応後、でん粉を洗浄、減圧ろ過により回収した。その後、乾燥し酸化処理ワキシーコーンでん粉を得た。得られた酸化処理ワキシーコーンでん粉のB型粘度を、試験例1の方法に準じて測定した。その結果120cpsであった。
以下の例では、酸処理ワキシーコーンでん粉および酸化処理ワキシーコーンでん粉として、それぞれ、試験例1および2で得られたものを用いた。
(実施例1〜7、比較例1、2)
(米飯改良剤の造粒方法)
表1に示す配合で原料を混合し、2軸エクストルーダー(幸和工業社製KEI−45)を用いて、バレル温度60℃、加水を15%〜22%、スクリュー回転数100rpmの条件で、エクストルーダー処理した。そのときのエクストルーダーの出口温度(単位℃、表2以降についても同じ。)を表1にあわせて示す。
(乾燥・粒度調整方法)
エクストルーダー処理して得られた造粒物を、乾燥温度110℃にて、水分10%になるまで乾燥した。その後、目開き2.8mm(6.5メッシュ)の篩を通過し、かつ、目開き0.5mm(32メッシュ)の篩で篩上に残ったものを米飯改良剤として使用した。
なお、米飯改良剤のかさ比重は、いずれも0.55〜0.80g/mLの範囲に収まった。
また、これらの米飯改良剤の加熱溶解度を前述の方法により測定したところ、いずれも20%以上であった。
表1において、各例で得られた粒状物およびこれを用いて炊飯したご飯の評価方法は、以下の通りである。
(分散性の評価方法)
各例で得られた造粒物の分散性を以下の方法で評価した。
1.直径17mm、長さ120mmのポリプロピレン製コニカルチューブ(BD Falcon TM)に、造粒物を1g量り取った。
2.上記1に、水10gを加えて蓋をして、1分間チューブを立てた状態で静置した。
3.チューブを横に倒し、100rpmで15秒間しんとうした。
4.チューブを逆さに立て、目視にて、造粒物の分散程度を以下の基準にて評価した。
<分散性の評価基準>
◎:米飯改良剤のダマがチューブの底に全く付着しておらず、分散性が非常に良好。
○:米飯改良剤のダマがチューブの底に僅かに付着しているものの、分散性が良好。
△:米飯改良剤の一部がダマとなりチューブの底に付着するものの、分散性が認められる。
×:米飯改良剤の大半がダマとなってチューブの底に付着したままで、分散が悪い。
(ご飯の評価方法)
各例で得られた粒状物を用いて炊飯をおこなった。まず、炊飯釜に294gの米を投入し、続いて水520mLを加えて1時間浸漬した。その後、表1に記載の米飯改良剤を6g(生米との合計に対して2%添加)投入し、攪拌した。その後通常の条件において、炊飯をおこなった。
また、対照として、炊飯釜に300gの米を投入し、続いて水520mLを加えて1時間浸漬し、米飯改良剤を添加せずに通常の条件にて炊飯することにより得られたご飯を用いた。
得られた米飯は攪拌することなく、炊飯器からバットに移し、5名のパネラーにより、対照品に対するご飯のほぐれ性および食味を官能評価した。各評価における評価基準を以下に示す。
<ご飯のほぐれの評価基準>
◎:対照例と比較して明らかに好ましい。
○:対照例と比較して好ましい。
△:対照例と比較してやや好ましい。
×:米対照例と有意差なし。
<ご飯の食味の評価基準>
◎:対照例と比較して明らかに好ましい。
○:対照例と比較して好ましい。
△:対照例と比較してやや好ましい。
×:米対照例と有意差なし。
表1より、タピオカでん粉のアルファー化物であれば、でん粉の加工の有無および種類によらず、分散性の向上効果が非常に高かった。また、米粉、コーンでん粉および架橋馬鈴薯でん粉のアルファー化物についても、分散性とご飯のほぐれ性のバランスの向上効果が認められた。
(実施例8〜14、比較例3)
本例では、アルファー化物の配合率を検討した。
表2に示す配合で、実施例1に準じて造粒物を調製し、造粒物の分散性を評価した。また、各例で得られた造粒物を用いて実施例1に準じて炊飯釜で炊飯した。そして、実施例1に準じてご飯のほぐれ性および食味を官能評価した。
表2に示したように、アルファー化タピオカでん粉を添加することにより、分散性の効果が得られた。一方、アルファー化タピオカでん粉の配合率が高すぎると、ご飯のほぐれ、食味が低下する傾向が認められた。
また、以上の例の代表として、実施例1、実施例5、実施例8および比較例1で得られた造粒物の分散性の評価結果を図1に示す。
(実施例15〜22)
表3に示す配合で、実施例1に準じて造粒物を調製し、造粒物の分散性を評価した。また、各例で得られた造粒物を用いて実施例1に準じて炊飯釜で炊飯した。そして、実施例1に準じてご飯のほぐれ性および食味を官能評価した。
表3より、酸処理ワキシーコーンでん粉および酸化処理ワキシーコーンでん粉のいずれを用いる場合にも、これらを40%以上配合することにより、ご飯のほぐれ・食味改善効果が充分に得られた。また、造粒物中に各種糖類や他のでん粉を配合した場合にも、分散性およびご飯の改良効果が得られた。
(実施例23〜26)
本例では、炊飯時の米飯改良剤の配合率を検討した。
実施例2で得られた造粒物を用い、表4に示す割合で実施例1に準じて炊飯釜で炊飯した。そして、実施例1に準じて得られたご飯のほぐれ性および食味を官能評価した。
なお、表4中、「生米への米飯改良剤の添加率」とは、生米と米飯改良剤との合計に対する米飯改良剤の割合(重量%)のことである。
この出願は、2011年10月14日に出願された日本出願特願2011−227007号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (6)

  1. でん粉含量70重量%以上のアルファー化物と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉とを含む原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒して得られる米飯改良剤であって、
    前記原料が、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物1〜45重量部と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉40〜99重量部と、を含み、
    前記原料中の、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の合計が45重量%以上であり、
    酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉は、糊化処理した場合、40℃、30%におけるB型粘度が、25cps以上15500cps以下であり、
    でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、タピオカでん粉、コーンでん粉およびそれらの加工でん粉、米粉、加工米粉ならびに架橋馬鈴薯でん粉からなる群から選択される1種または2種以上のアルファー化物である、米飯改良剤。
  2. でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、タピオカでん粉およびその加工でん粉、米粉ならびに加工米粉からなる群から選択される1種または2種のアルファー化物である、請求項1に記載の米飯改良剤。
  3. 前記原料中の、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、1〜25重量部である、請求項1または2に記載の米飯改良剤。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の米飯改良剤を添加して炊飯する工程を含む米飯食品の製造方法であって、炊飯する前記工程において、生米と前記米飯改良剤との合計に対して前記米飯改良剤を0.3重量%以上7重量%以下添加する、米飯食品の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により炊飯された米飯食品。
  6. でん粉含量70重量%以上のアルファー化物と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下のでん粉とを含む原料を準備する工程と、
    前記原料を、大きさが目開き0.5mm(32メッシュ)篩上5重量%以上100重量%以下の粒状物になるように造粒する工程と、
    を含み、
    前記原料が、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物1〜45重量部と、酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉40〜99重量部と、を含み、
    前記原料中の、でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物および酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉の合計が45重量%以上であり、
    酸処理または酸化処理したアミロース含量20%以下の前記でん粉は、糊化処理した場合、40℃、30%におけるB型粘度が、25cps以上15500cps以下であり、
    でん粉含量70重量%以上の前記アルファー化物が、タピオカでん粉、コーンでん粉およびそれらの加工でん粉、米粉、加工米粉ならびに架橋馬鈴薯でん粉からなる群から選択される1種または2種以上のアルファー化物である、米飯改良剤の製造方法。
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