JP5202622B2 - プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、プラスチックレンズは傷つき易いという短所もあり、これを防ぐために、プラスチックレンズの表面にハードコート層を形成して、表面硬度を強くすることも行われている。
しかし、プラスチックレンズ表面を粗面化するために使用した研磨剤の微粒子を確実に取り除かないと、この微粒子によって、ハードコート層やプライマー層を成膜したときに光の乱反射が生じるという問題がある。これは、取り除かれなかった研磨剤の微粒子が、輝点あるいは欠陥となって光を乱反射させるからである。また、砥粒の残渣により膜剥がれ、膜浮きが生じる場合もある。
(1)プラスチックレンズ基板の表面を、払拭材によって擦過する擦過工程
(2)前記擦過したプラスチックレンズ基板の表面に、湿式表面処理によりハードコート層を形成する工程
(3)前記擦過工程の前又は後に、前記プラスチックレンズ基板を化学エッジングする工程
本発明は、上記(1)の工程において用いる払拭材が可撓性を有しており、その払拭材が払拭対象のレンズ基板表面の素材よりも硬質な材料で構成されているか、又は、硬質な材料が可撓性を有する基材上に固定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、払拭材の硬質材料がプラスチックレンズ基板の表面に付着している夾雑物を確実に除去する事ができる。また、可撓性を有することで、払拭材が払拭残渣を発生させないこと、又は、発生させても払拭残渣を拭い出すこと、ができる。
好ましい払拭材として、例えば、非常に細密な多孔質体であるプラスチックフォーム(スポンジ)、また、プラスチック消しゴムのような質感のエラストマー、微細な糸で構成されている織布又は不織布があげられる。また、研磨剤の砥粒が固定されている織布、不織布、紙、フィルム等の研磨シートに加え、砥粒が表面に固定されているプラスチックフォーム、及び、エラストマー、もここでいう払拭材に含まれる。
さらに、研磨材を使用している従来技術の場合は、砥粒の分散によるプラスチックレンズ基板の二次汚染が生じ、その除去に多大な労力を要するが、本発明は、遊離砥粒を使用しないため研磨砥粒によって二次汚染する恐れがない。
「擦過痕」とは、微小な溝のことをいう。微小な溝によりハードコート層とプラスチックレンズ基材の界面面積が広く確保されることから、アンカー効果による密着性も改善される。なお、ハードコート層の屈折率は通常、加工前のプラスチックレンズ基板であるいわゆるレンズブランクスの屈折率に近似している。したがってハードコート層を形成するときにコート液がその溝に入り込んだ状態で硬化すれば、その溝は視認されなくなる。本形態によれば、ハードコート層とプラスチックレンズ基板の、界面の密着状態がさらに良好に確保される。
なお、ここでいう「化学エッジング」とは、酸性溶液、アルカリ溶液等によるエッジングや、酸化剤、還元剤を使用したエッジング方法を指すものであり、特定の液剤に限定されるものではない。
特に好ましくは、化学エッジング工程におけるエッジング剤としてアルカリ性水溶液を用いる事である。アルカリ性水溶液は、基板表面の改質を好適に行うことができると共に、ハードコート液の濡れ広がり状態を改善することができる。
湿潤環境を実現するための液体の種類は限定されない。液体は、擦過対象の面を構成する成分を変質させず、擦過に用いる払拭材の変質を生じさせずに湿潤性を実現できるものであれば良く、水、水溶液、有機溶媒、有機溶液、及び、各種混合溶液等、適宜選択して使用することができる。
プライマー層は、この場合、アルカリ性溶液等によりプライマー層が侵食してしまう事がある。また、化学エッジング方法のみでハードコート層の密着性を確保するためには、充分な時間エッジング用の試薬に漬浸しておかなければならない場合がある。本発明の方法によれば、擦過工程によりハードコート層との密着性を向上させることができる。また、化学エッジングを行う時間を短縮することができる。本発明によれば、プライマー層を有するプラスチックレンズを製造する場合であっても、プライマー層を損傷させることなく、ハードコート層の密着性を好適に確保することができる。
ここで、砥粒が固定されて成る研磨シートとは、研磨処理を行う前の状態で、布や紙等の可撓性を有するシート上に、砥粒が接着剤等によって固定されている研磨シートを示す。このような研磨シートとしては、紙に砥粒が固定されている研磨紙(紙ヤスリ)や、織布、不織布に砥粒が固定されている研磨布(布ヤスリ)等の研磨布紙の他、研磨パッド、研磨スポンジ等を用いることができる。研磨布紙の場合、電気抵抗試験方法による累積沈降高さ50%の粒子径が約10μm以下(いわゆる粒度が1500番(#1500)以上)であることが望ましい。
かかる構成によると、研磨砥粒により表面に付着している夾雑物を物理的にはぎ取るとともに砥粒で表面を傷つけ擦過痕を形成することができる。前述したように、このような擦過痕の形成により、アンカー効果によってプラスチックレンズ基板とハードコート層の密着性を向上させることができる。
更に、ダイヤモンドは、非常に硬質であるため、ダイヤモンド砥粒を採用すると、擦過工程によって砥粒が破砕することが殆ど生じない。したがって、一つ一つの砥粒が形成する擦過痕の形状に大きな変化が生じにくい。このため、安定した擦過痕を形成することができる。
メラミン樹脂発泡体は、硬質プラスチックであるメラミンを微細な泡で発泡させたものである。したがって、硬質なプラスチックがレンズの基板表面の夾雑物を拭うだけでなく、表面に付着している場合も削り取る形で除去する事ができる。またこのとき、削り取られた夾雑物は、メラミンフォームの発泡孔に吸着するので、プラスチックレンズ基板表面に残渣として残ることを確実に防げる。
更に湿式環境下で実施した場合には、液成分がメラミンフォームの発泡孔にむけて吸い上げられる毛細管現象が生じる。削り取られて微細に粉砕した夾雑物は、この毛管現象により発泡孔の内部に回収される。結果、夾雑物の残渣がレンズ表面に残存しにくくなる。
図1は、本発明の第1の実施形態例のプラスチックレンズの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
まず、図1を参照して本発明の第1の実施形態例について説明する。最初に、眼鏡の元となる、プラスチックレンズ基板を用意する(ステップS1)。このプラスチックレンズ基板としては、通常、チオウレタン系レンズが用いられるが、この他、汎用品で屈折率が高いCR39(アリルジグリコールカーボネート)でもよく、また屈折率の高いスルフィドウレタン系のレンズ基板にも好ましく適用することができる。
異なる粒度の砥粒が固定された研磨シートを用いてプラスチックレンズ基板を人の手で湿式擦過して顕微鏡観察した結果を図2〜図4に示す。
図2は、チオウレタン系レンズ基板(屈折率ne:1.67、HOYA(株)製、商品名:アイノア(以下「チオウレタン系レンズ基板」という))の表面を、起毛織布にダイヤモンド砥粒を定着させたダイヤ研磨布紙(ノリタケコーテッドアブレーシブ社製、商品名:ダイヤ研磨布紙(以下単に「ダイヤ研磨布紙」という))#1500を用いて擦過したときの顕微鏡写真を示す。
図3は、チオウレタン系レンズ基板の表面を、ダイヤ研磨布紙#3000を用いて擦過したときの顕微鏡写真を示す。
図4は、チオウレタン系レンズ基板の表面を、ダイヤ研磨布紙#6000を用いて擦過したときの顕微鏡写真を示す。
また、図5は、チオウレタンレンズ基板の表面を、メラミンフォーム(レック(株)製)を用いて擦過したときの顕微鏡写真を示す。
なお、図2〜図5において左下部に示す線分は50μmの長さを示す。
また、図6は、本発明の第2の実施形態例のプラスチックレンズの製造方法を示すフローチャートである。図6に示す製造方法が図1に示す製造方法と異なる点は、擦過工程の前にアルカリ溶液洗浄等による化学エッジング工程を含むことと、擦過工程の後の表面浄化処理を省略するところである。
この例では、図6に示すように、レンズ基板を用意し(ステップS11)、化学エッジング用の試薬による処理を行う(ステップS12)。その後、研磨シートによる擦過工程を経て(ステップS13)、ハードコート層形成工程を行う(ステップS14)。
このように、本形態において擦過工程の後に化学エッジング処理を行わなくても、擦過工程後に擦過残渣が殆ど残らないので、その後ハードコート層形成工程に進むことが可能である。つまり、何らかの理由で擦過工程前に化学エッジング工程を行うことも可能であり、その後再度の化学エッジング処理は不要となる。
図7は、本発明の第3の実施形態例のプラスチックレンズの製造方法を示すフローチャートである。図7に示す製造方法が図1に示す製造方法と異なる点は、擦過工程(ステップ23)の前にプライマー層を形成する工程(ステップ22)を含むことと、擦過工程後の表面浄化処理を省略するところである。また、図6に示す製造方法と異なる点は、擦過工程の前にプライマー層を形成する点と、化学エッジング処理を省略することである。
図8は、本発明の第4の実施形態例のプラスチックレンズの製造方法を示すフローチャートである。本発明の第4の実施形態例は、図6に示す製造方法の化学エッジング処理(ステップ12)を擦過工程(ステップ13)の後に行うものである。この方法によれば、ステップS13の擦過工程(物理エッジング)終了後に化学エッジング用の試薬に洗い流されるため、表面に擦過残渣等が付着していても確実に洗浄することができる。
次に、本実施形態例の製造方法とその製法で作製されたプラスチックレンズを、より具体的な実施例として示し、プラスチックレンズ基板とハードコート層との密着性を評価した結果について説明する。
先ず、払拭材として用いる研磨シートを布ヤスリとし、これによる擦過処理(実施例1)が、研磨剤を使用したときの擦過処理(比較例1)と同等の効果を発揮することを確認した。また、擦過処理を行わない場合(比較例2)も確認した。
[実施例1]
この例においては、図1のフローチャートで示す処理を行ってプラスチックレンズにハードコート層を形成した。擦過工程においては、#1500の布ヤスリを用いたサンプル(サンプル1〜4)とメラミンフォームを用いたサンプル(サンプル5〜8)を作成した。同じ材料より成るレンズ基板に同様の処理を行ってハードコート層を形成し、密着性の評価を行った。
次に、ステップS2として、払拭材として、(株)ノリタケコーテッドアブレーシブ社製、商品名:ダイヤ研磨布紙、#1500を用いて4枚の基板(サンプル1〜4)に、また払拭材としてレック(株)製メラミンフォームを用いて別の4枚の基板(サンプル5〜8)に、擦過処理を行った。このとき、擦過処理は流水環境下で行った。
その後、ステップS3として、アセトンを保持した布で基板表面を拭き取った後、超音波28kHz印加のもと、イオン交換水を用いて300秒間の表面浄化処理を行った。超音波洗浄後に、70℃雰囲気下で乾燥させた。
ついで、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:Y−7006)0.25質量部及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート5質量部を順次添加し、150時間攪拌した。得られた溶液を0.5μmのフィルターでろ過したものをコーティング組成物とした。
比較例1は、擦過工程(ステップS2)において、研磨剤((株)フジミインコーポレーテッド製、商品名:POLIPLA 103H)を保持したスポンジを用いた。擦過処理の条件(擦過方向及び擦過回数、擦過時の荷重)は上述の実施例1のサンプルNo.1〜4と同様とした。また、その他の表面浄化処理工程(ステップS3)、ハードコート層形成工程(ステップS4)も実施例1と同様とした。この方法で4枚のレンズを作製し、実施例1と同様の条件でハードコート層とプラスチックレンズ基板との密着性を試験によって確認した。この結果を、比較例1のサンプルNo.1〜4として上記表1に示す。
比較例2は、擦過工程(ステップS2)を省略した他は、実施例1と同様の条件で表面浄化処理(ステップS3)、ハードコート層形成工程(ステップS4)を行った。この方法で5枚のレンズを作製し、同様に密着性を試験により確認した。この結果を、比較例2のサンプルNo.1〜5として上記表1に示す。
上述のプラスチックレンズ基板とハードコート層との密着性を評価した方法は以下の通りである。
図10は、以上説明した製造方法によって作製したプラスチックレンズ1の正面図と側面図である。図10に示すように、プラスチックレンズ1は、プラスチックレンズ基板2の表面全体にハードコート層3が形成されて構成される。このハードコート層3は、単なる硬化膜でもよいが、反射防止膜を兼ねるようにすることもできる。図5では、分かりやすくするためにハードコート層3を厚く示しているが、実際は2〜5μm程度の膜である。
つまり、電気抵抗試験方法による累積沈降高さ50%の粒子径がおよそ10μmの砥粒を有する研磨シートを用いて擦過を行う場合に、良好な密着性が得られることがわかる。
次に、擦過処理に用いる払拭材として研磨シートを用いる場合に、その粒度の番号を大きくする(砥粒の粒子径をより小さくする)と共に、擦過処理後の表面浄化工程を行わない場合について、密着性の評価を行った。なお、本評価において、擦過処理は乾式環境下で行った。
[実施例2]
擦過処理後の表面浄化処理工程を省略したほかは、上述の実施例1と同様の製造工程を経て3枚のプラスチックレンズを作製した。先ず、ステップS1として用意するプラスチックレンズ基板としては、実施例1と同様に、チオウレタン系レンズ基板(屈折率ne:1.67、HOYA(株)製、商品名:アイノア)を用いた。
この例では、擦過処理は乾式環境下で行った。その他の擦過処理の条件(擦過方向及び擦過回数、擦過時の荷重)は上述の実施例1のサンプルNo.1〜4と同様である。この場合の密着性の評価結果を下記の表2に示す。各レンズサンプル2−1,2−2,2−3において6箇所の100目クロスカットを行い、その平均をレンズ平均とし、実施例2全体の平均を「平均」として示す。
また、実施例1及び2の結果から、電気抵抗試験方法による累積沈降高さ50%の粒子径が10μm以下の粒子径の砥粒を有する研磨シートを用いて擦過することで、良好な密着性をもったプラスチックレンズを製造することができるといえる。
次に、本発明の実施例として払拭材を用いて擦過処理を行う実施例と、通常の眼鏡拭きで擦過処理を行う比較例とについてアルカリ洗浄を伴う製造方法によりプラスチックレンズを作製し、密着性を比較した。
[実施例3]
前述の図6のフローチャートに示す製造工程に沿って、2種類の払拭材で擦過処理を施したプラスチック基板を用いてそれぞれ3枚ずつのプラスチックレンズを作製した。
先ず、ステップS11で用意されるプラスチックレンズ基板として、実施例1と同様にチオウレタン系レンズ基板(屈折率ne:1.67、HOYA(株)製、商品名:アイノア)を用意した。
次に、ステップS23として、プラスチックレンズ基板をアルカリ溶液に漬浸し、レンズ表面の化学エッジング処理を行った。この条件は、下記の通りである。
アルカリ溶液:10%水酸化ナトリウム水溶液
アルカリ溶液温度:60℃
漬浸時間:100秒
漬浸条件:超音波28kHz印加
実施例3の製造方法のアルカリ洗浄工程(ステップS12)において、漬浸時間を180秒に変えた他は、同様の条件、同様の製造工程で3枚のプラスチックレンズを作製した。払拭材として布ヤスリを用いたサンプル名を実施例4−1、実施例4−2、実施例4−3とし、メラミンフォームを用いたサンプル名を実施例4−4、実施例4−5、実施例4−6として、密着性の評価結果を下記表4に示す。サンプル4−1,4−2,4−3では2箇所、4−4,4−5,4−6では6箇所の100目クロスカットを行い、実施例2及び3と同様にレンズ平均と平均を算出した。
実施例1の擦過工程で、払拭材として一般的な眼鏡拭き(ポリエステル製)でプラスチックレンズ基板を擦過したことをのぞくと、実施例1と同様の方法で3枚のレンズを作製した。比較例に用いた一般的な眼鏡拭きはプラスチックレンズ基板よりも明らかに軟質な材料で構成されているものである。サンプル名を比較例C3−1、比較例C3−2、比較例C3−3として、下記表5に示す。
実施例3の擦過工程で、払拭材として一般的な眼鏡拭き(ポリエステル製)でレンズ基板を擦過したことをのぞくと、実施例2と同様の方法で3枚のレンズを作製した。サンプル名を比較例C4−1、比較例C4−2、比較例C4−3として、密着性の評価結果を実施例2及び3、比較例3と同様に、下記表5に示す。
次に、擦過処理に用いる払拭材として研磨シートを用いる場合の粒度の番号を大きくすると共に、アルカリ洗浄等の化学エッジング工程を行わず、また擦過処理後の表面浄化工程を行わない場合について、密着性の評価を行った。
[実施例5]
擦過処理前のアルカリ洗浄等の化学エッジング工程を省略した他は、上述の実施例3と同様の製造工程を経てプラスチックレンズを作製した。プラスチックレンズ基板としては、実施例1〜4と同様に、チオウレタン系レンズ基板(屈折率ne:1.67、HOYA(株)製、商品名:アイノア)を用いた。
擦過処理の条件は、前述の実施例1のサンプルNo.1〜4において説明した擦過処理と同様の条件(擦過方向、擦過回数及び擦過時の荷重)とした。この場合の密着性の評価結果を下記表6に示す。
したがって、プライマー層を形成する仕様のプラスチックレンズに適用する場合は、プライマー層材料として耐アルカリ性を考慮する必要がなく、選択自由度が高まることとなる。したがって、プライマー層を設ける眼鏡等のプラスチックレンズの製造方法に適用する場合は、比較的コストの低い材料や、製造・取り扱いの容易な材料を選択することも可能となるという利点がある。
プライマー層は、ハードコートと基板の密着性を向上させる効果のほかに耐衝撃性を向上させる効果を有している。しかし、耐衝撃性が得られるプライマー層は、ポリウレタン系の樹脂層で構成されており、ハードコート層との密着性を高めるために、アルカリ洗浄や紫外線照射、オゾンによる酸化処理等を行うとプライマー層が劣化することが懸念される。
しかしながら、本発明による場合は布ヤスリ等の研磨シートを用いて擦過処理を行うのみであるので、アルカリ洗浄や紫外線照射、オゾンよる表面酸化処理を要さない。その結果、プライマー層を犠牲にすることなくハードコート層を形成することができるので、レンズ基板の劣化現象を抑制することができ、表面加工性に優れたプラスチックレンズの製造方法を提供することが可能となる。
Claims (10)
- プラスチックレンズ基板の表面を払拭材を用いて擦過する擦過工程と、
前記擦過したプラスチックレンズ基板の表面に、湿式表面処理によりハードコート層を形成する工程と、
前記擦過工程の前又は後に、前記プラスチックレンズ基板を化学エッジングする工程と、
を含み、
前記払拭材は、可撓性を有しており、前記プラスチックレンズ基板表面の素材よりも硬質な材料で構成されるか、又は、前記プラスチックレンズ基板表面の素材よりも硬質な材料が可撓性を有する基材上に固定されて構成される
プラスチックレンズの製造方法。 - 前記擦過工程において、前記プラスチックレンズ基板の表面に擦過痕を形成する請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記化学エッジングする工程は、アルカリ性水溶液を用いて行う請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記擦過工程を湿潤環境で行う請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記払拭材が、砥粒が固定されて成る研磨シートである請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記砥粒は、電気抵抗試験方法による累積沈降高さ50%の粒子径がおよそ10μm以下であり0.1μm以上である請求項5に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記研磨シートは、砥粒が織布又は不織布に固定されている請求項5又は6に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記砥粒がダイヤモンドであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記払拭材が、メラミン樹脂発泡体である請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記プラスチックレンズ基板は、チオウレタン系プラスチックより成る請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
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