JPH1148117A - 光学材料の表面改質方法 - Google Patents
光学材料の表面改質方法Info
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- JPH1148117A JPH1148117A JP20801497A JP20801497A JPH1148117A JP H1148117 A JPH1148117 A JP H1148117A JP 20801497 A JP20801497 A JP 20801497A JP 20801497 A JP20801497 A JP 20801497A JP H1148117 A JPH1148117 A JP H1148117A
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- abrasive
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- resin
- optical material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光学材料の表面改質方法において、研磨剤を含
有する樹脂を使用することにより、簡便で、装置とした
場合、コンパクトで安価であり、かつ高品質性を維持す
ることが容易な表面改質方法を提供する。 【解決手段】研磨剤を含有させた樹脂に、切削液または
水を含ませることにより樹脂を軟化させ、光学材料の表
面に押しつけ、表面に倣わせる。この軟化した樹脂を回
転させ、さらに光学材料を回転させることにより表面改
質する。
有する樹脂を使用することにより、簡便で、装置とした
場合、コンパクトで安価であり、かつ高品質性を維持す
ることが容易な表面改質方法を提供する。 【解決手段】研磨剤を含有させた樹脂に、切削液または
水を含ませることにより樹脂を軟化させ、光学材料の表
面に押しつけ、表面に倣わせる。この軟化した樹脂を回
転させ、さらに光学材料を回転させることにより表面改
質する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用レンズ等、
特に眼鏡レンズの表面に、ハードコート処理を施す際の
前処理として、レンズ表面を改質する方法に用いる。ま
たプラスチック眼鏡レンズの成形用モールドを組み上げ
る前の、モールド表面の改質方法に用いる。
特に眼鏡レンズの表面に、ハードコート処理を施す際の
前処理として、レンズ表面を改質する方法に用いる。ま
たプラスチック眼鏡レンズの成形用モールドを組み上げ
る前の、モールド表面の改質方法に用いる。
【0002】
【従来の技術】眼鏡レンズ等の光学材料においては、表
面にハードコート加工、反射防止加工等の処理を施し、
性能・機能の向上を図ることは一般的におこなわれてい
る。特に眼鏡レンズにおいては、レンズ表面の硬さ、蒸
着膜との密着性、及び染色性等多くの機能を付与、向上
するためには、ハードコート加工が不可欠な表面処理と
なっている。
面にハードコート加工、反射防止加工等の処理を施し、
性能・機能の向上を図ることは一般的におこなわれてい
る。特に眼鏡レンズにおいては、レンズ表面の硬さ、蒸
着膜との密着性、及び染色性等多くの機能を付与、向上
するためには、ハードコート加工が不可欠な表面処理と
なっている。
【0003】このハードコート加工を施す際の前処理
は、基材とハードコートが充分に反応するため、また外
観及び耐久品質が確保されるために、重要な工程であ
る。この前処理は、レンズ表面が完全に清浄化されてお
り、反応を阻害する物質を除去することが必要となる。
は、基材とハードコートが充分に反応するため、また外
観及び耐久品質が確保されるために、重要な工程であ
る。この前処理は、レンズ表面が完全に清浄化されてお
り、反応を阻害する物質を除去することが必要となる。
【0004】従来の表面改質技術は、各種の溶剤、ある
いはアルカリ、酸、等の液体中にレンズ等を浸漬させる
化学的手法が一般的であった。また、特開平5−706
15号公報に記載されているように、レンズ等の表面
に、研磨剤溶液を滴下させながらスポンジ等で擦るか、
あるいは砥粒や氷等を吹き付けるなどの物理的方法によ
り表面改質・洗浄する手法がある。またプラズマ処理や
熱処理も表面改質方法として、一般的に行われている。
いはアルカリ、酸、等の液体中にレンズ等を浸漬させる
化学的手法が一般的であった。また、特開平5−706
15号公報に記載されているように、レンズ等の表面
に、研磨剤溶液を滴下させながらスポンジ等で擦るか、
あるいは砥粒や氷等を吹き付けるなどの物理的方法によ
り表面改質・洗浄する手法がある。またプラズマ処理や
熱処理も表面改質方法として、一般的に行われている。
【0005】またプラスチックレンズを注型成形する場
合、2枚の成形用モールドをガスケットまたはテープ等
を使用して、規定の形状に組み上げ、その内部に熱硬化
性樹脂、紫外線硬化樹脂等のプラスチック眼鏡用原料を
注入し、硬化させた後2枚のモールドおよび、ガスケッ
トまたはテープを剥がし、プラスチック眼鏡レンズの生
地(セミフィニッシュおよびフィニッシュ)を製造す
る。この通常2枚の成形用モールドは、その表面が完全
に清浄化されていることが必要であり、注型成形される
原料との密着性を管理するために表面改質することが一
般的におこなわれている。
合、2枚の成形用モールドをガスケットまたはテープ等
を使用して、規定の形状に組み上げ、その内部に熱硬化
性樹脂、紫外線硬化樹脂等のプラスチック眼鏡用原料を
注入し、硬化させた後2枚のモールドおよび、ガスケッ
トまたはテープを剥がし、プラスチック眼鏡レンズの生
地(セミフィニッシュおよびフィニッシュ)を製造す
る。この通常2枚の成形用モールドは、その表面が完全
に清浄化されていることが必要であり、注型成形される
原料との密着性を管理するために表面改質することが一
般的におこなわれている。
【0006】従来の表面改質技術は、各種の溶剤や界面
活性剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に浸漬させて
表面改質する方法が一般的であった。また、特開平5−
70615号公報に記載されているように、モールド等
の表面に、研磨剤溶液を滴下させながらスポンジ等でこ
するか、あるいは砥粒や氷等を吹き付けるなどの物理的
方法により表面改質する手法がある。またプラズマ処理
や熱処理も表面改質方法として、一般的に行われてい
る。
活性剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に浸漬させて
表面改質する方法が一般的であった。また、特開平5−
70615号公報に記載されているように、モールド等
の表面に、研磨剤溶液を滴下させながらスポンジ等でこ
するか、あるいは砥粒や氷等を吹き付けるなどの物理的
方法により表面改質する手法がある。またプラズマ処理
や熱処理も表面改質方法として、一般的に行われてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表面改質方法には、以下のような問題があった。
表面改質方法には、以下のような問題があった。
【0008】プラスチックレンズを表面処理する際の前
処理や、成形用モールドを洗浄する場合に、各種溶剤や
界面活性剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に浸漬さ
せることは、これらの液体の管理方法が難しいことや、
前処理装置とした場合には、機械体が大きくなってしま
う等の問題があった。さらに、研磨剤溶液等を滴下させ
ながらスポンジ等で、プラスチックレンズまたはモール
ドをこする方法では、特に研磨剤を使用した場合に、研
磨剤が乾燥し、雰囲気が汚染されることで、歩留まりに
悪影響をあたえるとともに、付着した研磨剤を除去する
工程を必要とする。また飛散した研磨剤が機械故障の原
因になっていた。また研磨液は、液体を酸性とすること
で、研磨剤の分散性を改善しているが、酸性の液体によ
り、機械体が錆易く、このことも機械故障の原因となっ
ていた。さらに使用した、研磨液を排水として処理する
場合には、特別な廃水処理施設を必要としていた。
処理や、成形用モールドを洗浄する場合に、各種溶剤や
界面活性剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に浸漬さ
せることは、これらの液体の管理方法が難しいことや、
前処理装置とした場合には、機械体が大きくなってしま
う等の問題があった。さらに、研磨剤溶液等を滴下させ
ながらスポンジ等で、プラスチックレンズまたはモール
ドをこする方法では、特に研磨剤を使用した場合に、研
磨剤が乾燥し、雰囲気が汚染されることで、歩留まりに
悪影響をあたえるとともに、付着した研磨剤を除去する
工程を必要とする。また飛散した研磨剤が機械故障の原
因になっていた。また研磨液は、液体を酸性とすること
で、研磨剤の分散性を改善しているが、酸性の液体によ
り、機械体が錆易く、このことも機械故障の原因となっ
ていた。さらに使用した、研磨液を排水として処理する
場合には、特別な廃水処理施設を必要としていた。
【0009】そこで本発明は、このような問題点を解決
するもので、その目的とするところは、研磨剤溶液を使
用せずに、プラスチックレンズまたは成形用モールド等
の、光学材料の表面改質方法を提供するところにある。
するもので、その目的とするところは、研磨剤溶液を使
用せずに、プラスチックレンズまたは成形用モールド等
の、光学材料の表面改質方法を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光学材料の表面改質方法は、研磨剤を含有
する樹脂を軟化させて光学材料の表面を擦ることを特徴
とする。
に、本発明の光学材料の表面改質方法は、研磨剤を含有
する樹脂を軟化させて光学材料の表面を擦ることを特徴
とする。
【0011】本発明における、研磨剤を含有させた樹脂
としては、例えばポリウレタンに研磨剤を含有させたス
ポンジや、ポリビニールアルコールに研磨剤を含有させ
たスポンジ、またポリエチレンに研磨剤を含有させたス
ポンジ等があり、これらに、切削液または水を含ませる
ことにより軟化させ、プラスチックレンズまたは成形用
モールド等の、光学材料の表面に押しつけ、表面形状に
倣わせる。そして該樹脂を回転させ、さらに光学材料を
回転させることにより表面改質を行う。
としては、例えばポリウレタンに研磨剤を含有させたス
ポンジや、ポリビニールアルコールに研磨剤を含有させ
たスポンジ、またポリエチレンに研磨剤を含有させたス
ポンジ等があり、これらに、切削液または水を含ませる
ことにより軟化させ、プラスチックレンズまたは成形用
モールド等の、光学材料の表面に押しつけ、表面形状に
倣わせる。そして該樹脂を回転させ、さらに光学材料を
回転させることにより表面改質を行う。
【0012】これにより、研磨液を使用せずに、プラス
チックレンズまたは成形用モールドの表面を、改質する
ことが可能となる。このことは、各種溶剤や界面活性
剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に、該レンズまた
はモールドを、浸漬させずに表面改質を行うため、表面
改質装置としては、プラスチックレンズまたは成形用モ
ールドを保持し、回転させる機構と、研磨剤を含有させ
た樹脂を保持し、回転させる機構を備えたただけの、コ
ンパクトな表面改質装置とすることが可能となる。また
研磨剤溶液を使用しないため、研磨剤の乾燥による、雰
囲気の汚染や、酸性液体による機械体の故障も皆無とな
る。また研磨廃液は発生しないことから、特別な排水処
理施設を必要としない。
チックレンズまたは成形用モールドの表面を、改質する
ことが可能となる。このことは、各種溶剤や界面活性
剤、またアルカリ、酸、水等の液体中に、該レンズまた
はモールドを、浸漬させずに表面改質を行うため、表面
改質装置としては、プラスチックレンズまたは成形用モ
ールドを保持し、回転させる機構と、研磨剤を含有させ
た樹脂を保持し、回転させる機構を備えたただけの、コ
ンパクトな表面改質装置とすることが可能となる。また
研磨剤溶液を使用しないため、研磨剤の乾燥による、雰
囲気の汚染や、酸性液体による機械体の故障も皆無とな
る。また研磨廃液は発生しないことから、特別な排水処
理施設を必要としない。
【0013】また、該研磨剤の粒子径を、任意に決定す
ることにより、研磨した表面の粗さを、所望の粗さにす
ることができる。
ることにより、研磨した表面の粗さを、所望の粗さにす
ることができる。
【0014】具体的な、研磨剤の例としては、Al2O
3、SiO2、Fe2O3、SiC等があげられる。研
磨剤の粒径および形状は、研磨する対象と、所望の表面
粗さによって、任意に決定される。また研磨する際に、
研磨剤を結合した樹脂と被研磨表面との間で発生する熱
を拡散させるため、および研磨効率をあげるため、また
慨樹脂の形状追従性を向上させるために、切削油(水
性、油性を問わない)を研磨面に供給する。
3、SiO2、Fe2O3、SiC等があげられる。研
磨剤の粒径および形状は、研磨する対象と、所望の表面
粗さによって、任意に決定される。また研磨する際に、
研磨剤を結合した樹脂と被研磨表面との間で発生する熱
を拡散させるため、および研磨効率をあげるため、また
慨樹脂の形状追従性を向上させるために、切削油(水
性、油性を問わない)を研磨面に供給する。
【0015】本発明は、光学用プラスチックレンズおよ
び成形用モールド等の光学材料の表面改質・洗浄方法に
顕著な効果が得られるが、特にこれに限定されるもので
はない。
び成形用モールド等の光学材料の表面改質・洗浄方法に
顕著な効果が得られるが、特にこれに限定されるもので
はない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を、プラスチ
ック眼鏡レンズの表面改質方法と、プラスチック眼鏡レ
ンズの成形用モールドの表面改質方法を例に説明する
が、これらに限定するものではない。
ック眼鏡レンズの表面改質方法と、プラスチック眼鏡レ
ンズの成形用モールドの表面改質方法を例に説明する
が、これらに限定するものではない。
【0017】(実施例1)図1は本発明の、表面改質装
置の一実施例を示す概略図である。ここで使用している
レンズ1(セイコーエプソン(株)製造 商品名セイコ
ースーパークレアP−1G)は、凸面、凹面ともに所定
のカーブに加工された、フィニッシュレンズである。表
面状態解析システムにて表面を測定したところ、表面平
均荒さRaは約1.2nmであった。
置の一実施例を示す概略図である。ここで使用している
レンズ1(セイコーエプソン(株)製造 商品名セイコ
ースーパークレアP−1G)は、凸面、凹面ともに所定
のカーブに加工された、フィニッシュレンズである。表
面状態解析システムにて表面を測定したところ、表面平
均荒さRaは約1.2nmであった。
【0018】研磨剤を含有した樹脂2(PVA砥石 日
本特殊研砥(株)製造)は、研磨剤WA#2000(主
成分Al2O3 平均粒径6.7μm)を含有させた。
この樹脂の形状は、ドーナツ型の形状とし、外周の直径
を70mm、中心の穴径を28mm、厚さを25mmと
した。
本特殊研砥(株)製造)は、研磨剤WA#2000(主
成分Al2O3 平均粒径6.7μm)を含有させた。
この樹脂の形状は、ドーナツ型の形状とし、外周の直径
を70mm、中心の穴径を28mm、厚さを25mmと
した。
【0019】レンズ1をレンズ固定治具3に取り付け、
研磨剤を含有した樹脂2は水を含ませた後、樹脂固定ホ
イール4に取り付けた。レンズ固定治具3を回転数80
0rpmで回転させ、樹脂固定ホイール4を回転数10
0rpmで回転させながら、レンズの中心から外周方向
へと5mm/秒で移動させることにより、レンズの表面
を改質する構造になっている。また樹脂2が乾燥しない
よう、純水供給口5から、レンズの表面に純水を供給し
た。
研磨剤を含有した樹脂2は水を含ませた後、樹脂固定ホ
イール4に取り付けた。レンズ固定治具3を回転数80
0rpmで回転させ、樹脂固定ホイール4を回転数10
0rpmで回転させながら、レンズの中心から外周方向
へと5mm/秒で移動させることにより、レンズの表面
を改質する構造になっている。また樹脂2が乾燥しない
よう、純水供給口5から、レンズの表面に純水を供給し
た。
【0020】表面改質したレンズ1を固定治具3から取
り外し、改質した表面を観察したところ、表面は若干曇
っており、レンズ中心から外周方向へと螺旋状の薄いキ
ズが多数付いていた。表面状態解析システムにて表面を
測定したところ、表面平均荒さRaは約1.8nmであ
り、表面改質により表面が粗くなっていた。また改質し
た表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はなく、外
観は良好であった。
り外し、改質した表面を観察したところ、表面は若干曇
っており、レンズ中心から外周方向へと螺旋状の薄いキ
ズが多数付いていた。表面状態解析システムにて表面を
測定したところ、表面平均荒さRaは約1.8nmであ
り、表面改質により表面が粗くなっていた。また改質し
た表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はなく、外
観は良好であった。
【0021】改質されたレンズ1を、ハードコート加工
したところ、研磨面は鏡面に仕上がっており、表面に異
物の付着は無く、外観は良好であった。このハードコー
ト加工した表面を、表面状態解析システムにて、計測し
たところ、表面平均粗さRaは約1.0nmであり、ハ
ードコートにより表面が平滑化されていた。
したところ、研磨面は鏡面に仕上がっており、表面に異
物の付着は無く、外観は良好であった。このハードコー
ト加工した表面を、表面状態解析システムにて、計測し
たところ、表面平均粗さRaは約1.0nmであり、ハ
ードコートにより表面が平滑化されていた。
【0022】(実施例2)実施例1と同様に図1の装置
を用い、成形用モールドの表面改質をおこなった。図1
の1にプラスチックレンズを成形する際に使用する、凹
面成形用モールドを固定した。使用したモールドの凸面
は、鏡面状であり、表面を、表面状態解析システムに
て、計測したところ、表面平均粗さRaは約1.2nm
であった。モールドの凸面を上向きに固定し、実施例1
と同じ条件により、モールド表面を改質した。表面改質
したモールド1を固定治具3から取り外し、改質した表
面を観察したところ、表面は鏡面であり、表面状態解析
システムにて表面を測定したところ、表面平均荒さRa
は表面改質する前と同じ約1.2nmであった。また改
質した表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はな
く、外観は良好であった。
を用い、成形用モールドの表面改質をおこなった。図1
の1にプラスチックレンズを成形する際に使用する、凹
面成形用モールドを固定した。使用したモールドの凸面
は、鏡面状であり、表面を、表面状態解析システムに
て、計測したところ、表面平均粗さRaは約1.2nm
であった。モールドの凸面を上向きに固定し、実施例1
と同じ条件により、モールド表面を改質した。表面改質
したモールド1を固定治具3から取り外し、改質した表
面を観察したところ、表面は鏡面であり、表面状態解析
システムにて表面を測定したところ、表面平均荒さRa
は表面改質する前と同じ約1.2nmであった。また改
質した表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はな
く、外観は良好であった。
【0023】次にプラスチックレンズを成形する際に使
用する、凸面成形用モールドを固定した。使用したモー
ルドの凹面は、鏡面状であり、表面を、表面状態解析シ
ステムにて、計測したところ、表面平均粗さRaは約
1.2nmであった。モールドの凹面を上向きに固定
し、実施例1と同じ条件により、モールド表面を改質し
た。表面改質したモールド1を固定治具3から取り外
し、改質した表面を観察したところ、表面は鏡面であ
り、表面状態解析システムにて表面を測定したところ、
表面平均荒さRaは表面改質する前と同じ約1.2nm
であった。また改質した表面には、ゴミ、研磨剤残り等
の残留異物はなく、外観は良好であった。
用する、凸面成形用モールドを固定した。使用したモー
ルドの凹面は、鏡面状であり、表面を、表面状態解析シ
ステムにて、計測したところ、表面平均粗さRaは約
1.2nmであった。モールドの凹面を上向きに固定
し、実施例1と同じ条件により、モールド表面を改質し
た。表面改質したモールド1を固定治具3から取り外
し、改質した表面を観察したところ、表面は鏡面であ
り、表面状態解析システムにて表面を測定したところ、
表面平均荒さRaは表面改質する前と同じ約1.2nm
であった。また改質した表面には、ゴミ、研磨剤残り等
の残留異物はなく、外観は良好であった。
【0024】表面改質した2枚の型の処理面を内側に
し、処理面の中心での間隔を、3.0mmとし、2枚の
型の外周を、テープで固定し組み立てた。組み立てたモ
ールド内部に熱硬化性樹脂モノマーを注入し、熱風循環
式加熱炉にて、重合した後、2枚のモールドとテープを
剥がし、プラスチックレンズを得た。得られたレンズの
表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はなく、外観
は良好であった。またレンズの凸面、凹面を、表面状態
解析システムにて測定したところ、表面平均荒さRaは
凸面、凹面ともに同じ約1.2nmであり、成形用モー
ルドと同様の表面粗さであった。
し、処理面の中心での間隔を、3.0mmとし、2枚の
型の外周を、テープで固定し組み立てた。組み立てたモ
ールド内部に熱硬化性樹脂モノマーを注入し、熱風循環
式加熱炉にて、重合した後、2枚のモールドとテープを
剥がし、プラスチックレンズを得た。得られたレンズの
表面には、ゴミ、研磨剤残り等の残留異物はなく、外観
は良好であった。またレンズの凸面、凹面を、表面状態
解析システムにて測定したところ、表面平均荒さRaは
凸面、凹面ともに同じ約1.2nmであり、成形用モー
ルドと同様の表面粗さであった。
【0025】(比較例1)実施例1と同様の装置、条件
で、図1のスポンジ2を、研磨剤を結合していないウレ
タンスポンジに変更し、レンズ表面を改質した。
で、図1のスポンジ2を、研磨剤を結合していないウレ
タンスポンジに変更し、レンズ表面を改質した。
【0026】表面改質したレンズ1を固定治具3から取
り外し、改質した表面を観察したところ、鏡面状のまま
であった。表面状態解析システムにて表面を測定したと
ころ、表面平均荒さRaは約1.2nmであり、表面粗
さは処理前後で変化はなかった。また改質した表面に
は、表面ポリマーの残留が確認され、充分な清浄度が得
られなかった。
り外し、改質した表面を観察したところ、鏡面状のまま
であった。表面状態解析システムにて表面を測定したと
ころ、表面平均荒さRaは約1.2nmであり、表面粗
さは処理前後で変化はなかった。また改質した表面に
は、表面ポリマーの残留が確認され、充分な清浄度が得
られなかった。
【0027】(比較例2)図2は、スポンジ2の上方か
ら研磨剤溶液を滴下しながら、光学材料を表面改質す
る、比較例の概略図である。研磨剤溶液供給口5から研
磨剤溶液をスポンジに供給しながら、表面改質する構造
になっている。研磨剤溶液には、研磨剤WA#2000
(主成分Al2O3 平均粒径6.7μm)を、純水に
8%の割合で混合、攪拌したものを使用した。
ら研磨剤溶液を滴下しながら、光学材料を表面改質す
る、比較例の概略図である。研磨剤溶液供給口5から研
磨剤溶液をスポンジに供給しながら、表面改質する構造
になっている。研磨剤溶液には、研磨剤WA#2000
(主成分Al2O3 平均粒径6.7μm)を、純水に
8%の割合で混合、攪拌したものを使用した。
【0028】表面改質したレンズ1を固定治具3から取
り外し、改質した表面を観察したところ、表面は若干曇
っており、レンズ中心から外周方向へと螺旋状の薄いキ
ズが多数付いていた。表面状態解析システムにて表面を
測定したところ、表面平均荒さRaは約1.7nmであ
り、表面改質により表面が粗くなっていた。また改質し
た表面には、表面ポリマーの残留は認められなかった
が、研磨剤の残留が確認され、充分な清浄度が得られな
かった。
り外し、改質した表面を観察したところ、表面は若干曇
っており、レンズ中心から外周方向へと螺旋状の薄いキ
ズが多数付いていた。表面状態解析システムにて表面を
測定したところ、表面平均荒さRaは約1.7nmであ
り、表面改質により表面が粗くなっていた。また改質し
た表面には、表面ポリマーの残留は認められなかった
が、研磨剤の残留が確認され、充分な清浄度が得られな
かった。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような、効
果を奏する。
果を奏する。
【0030】光学材料の表面改質方法において、研磨液
を使用せずに、プラスチックレンズまたは成形用モール
ドの表面改質を行うことが可能となる。研磨剤を使用し
ないことにより、光学材料の表面処理を行う際の、前処
理とすれば、表面処理において高い歩留まりがえられ
る。またコンパクトな前処理装置とすることが可能であ
り、また機械体へのダメージが少なく、故障の発生も減
少する。
を使用せずに、プラスチックレンズまたは成形用モール
ドの表面改質を行うことが可能となる。研磨剤を使用し
ないことにより、光学材料の表面処理を行う際の、前処
理とすれば、表面処理において高い歩留まりがえられ
る。またコンパクトな前処理装置とすることが可能であ
り、また機械体へのダメージが少なく、故障の発生も減
少する。
【図1】本発明の表面改質装置の概略図。
【図2】比較例として、研磨剤溶液を供給しながら表面
改質する装置の概略図。
改質する装置の概略図。
1レンズまたはプラスチックレンズ成形用モールド 2研磨剤を含有させた樹脂 3レンズ固定治具 4樹脂固定ホイール 5純水供給口 6レンズ 7スポンジ 8レンズ固定治具 9スポンジ固定ホイール 10研磨剤溶液供給口
Claims (1)
- 【請求項1】研磨剤を含有する樹脂を軟化させて光学材
料の表面を擦ることを特徴とする光学材料の表面改質方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20801497A JPH1148117A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 光学材料の表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20801497A JPH1148117A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 光学材料の表面改質方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1148117A true JPH1148117A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16549255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20801497A Withdrawn JPH1148117A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 光学材料の表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1148117A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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