JP2001195732A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスク用ガラス基板 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスク用ガラス基板

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JP2001195732A
JP2001195732A JP2000005203A JP2000005203A JP2001195732A JP 2001195732 A JP2001195732 A JP 2001195732A JP 2000005203 A JP2000005203 A JP 2000005203A JP 2000005203 A JP2000005203 A JP 2000005203A JP 2001195732 A JP2001195732 A JP 2001195732A
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glass substrate
magnetic disk
hydrofluoric acid
polishing
chemical strengthening
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Makoto Goto
誠 後藤
Yasumasa Maruyama
泰正 丸山
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AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Techno Glass Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グライドハイトを小さくして高密度記録を行
なう磁気ディスク装置に用いるのに適した、表面性と平
面性が良好な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、お
よびこの製造方法を用いた磁気ディスク用ガラス基板を
提供する。 【解決手段】 ガラス基板の表面を研磨したガラス基板
を溶融塩に浸潰してイオン交換による化学強化処理を行
った後、ガラス基板を0.1質量%以下のフッ酸溶液に
浸漬して、基板表面の微小突起を除去する。また、化学
強化処理後のガラス基板をオゾン雰囲気内に入れ紫外線
を照射して表面の微小突起を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に用いられる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法およ
び磁気ディスク用ガラス基板に係り、特に高密度記録の
可能な磁気ディスク装置に適合する磁気ディスク用ガラ
ス基板の製造方法およびこの製造方法によって製造され
た磁気ディスク用ガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの記録装置に用いられる磁
気ディスク装置は、近年その記録密度を高めるために、
磁気ヘッドとしてGMRヘッドを用いたり、磁気ヘッド
のグライドハイト(浮上高さ)を小さくすることが行な
われている。
【0003】特に最近では、磁気ヘッドが磁気ディスク
に接触して停止するコンタクトスタートストップ方式
(CSS方式)に代わって、操作終了時にヘッドが基板
外周から離れるランプロード方式が用いられるようにな
り、CSS方式のように磁気ディスクの表面を適度に粗
面にするテクスチャーが不要になり、ディスク面を平滑
にして、磁気ヘッドのグライドハイトを小さい値にする
ことが可能になった。このため、磁気ディスクの表面は
より平滑で、より良好な平面性が求められるようになっ
てきている。これに伴って、磁気ディスク用ガラス基板
に対しても、これに適合した優れた表面性と平面性とが
要求されるようになった。
【0004】従来、磁気ディスク用ガラス基板は、例え
ば次のような方法で製造されていた。 まず、ガラス母
材を溶融後、プレス成形やフロート法などを用いて円板
状に成形し、下孔加工を施し、ラッピングなどの粗加工
を行なって基板の板厚を規定の範囲にした後、内外周形
状加工機により、内外周側面部の面取り加工を行ない、
内周と外周を規定の寸法にする。次いで基板表面および
裏面を両面研磨機などを用いてポリッシング加工して鏡
面仕上げし、純水洗浄を繰り返した後、IPA(イソプ
ロピルアルコール)などによる蒸気洗浄乾燥を行なって
所望の磁気ディスク用ガラス基板を得る。また、母材の
ガラス基板が化学強化ガラスの場合には、両面研磨の後
に溶融塩中に浸漬して、イオン交換を行なう化学強化処
理を行なってから、上記の洗浄と乾燥を行なって所望の
磁気ディスク用ガラス基板を得ることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法におい
ては、グライドハイトの小さい磁気ディスク装置に適し
た表面性の良好な製品を得る上で、次のような問題点が
あった。
【0006】即ち、磁気ディスク基板の最終ポリッシン
グ研磨工程として、例えば研磨材に酸化セリウムを用
い、また研磨パッドとしてスエードパッドを用いて、面
圧を100g/cm2 、研磨時間を10分とするなどの
条件で研磨を行なった場合には、極微小の突起が生じ
て、目標とする上記の良好な表面性を得ることが困難で
あるという問題があった。このような極微小の突起は従
来のCSS方式では問題とされていなかったものであ
る。
【0007】そして母材のガラスが化学強化ガラスの場
合には、溶融塩に浸漬して化学強化処理を行なうが(特
公平3−52130号公報)、この工程でも、溶融塩中
に含まれる不純物や分解物などが、ガラス基板に付着す
るなどして、やはり微小な突起を発生し、表面性を劣化
させ、目標とする上記の表面性を得ることが困難であ
る。
【0008】化学強化処理後のガラス基板については、
再研磨を行なって表面性を改善することが提案されてい
るが(特開平8−124153号公報)、この方法では
再研磨によってスクラッチピット不良が生じやすく、ま
た研磨によって表面を除去することで、強化処理の効果
が低減するという問題がある上に、上記したように従来
の研磨だけでは良好な表面性を得ることが困難であると
いう問題があった。
【0009】さらに、再研磨された磁気ディスク用ガラ
ス基板には、有機物に由来すると思われるカーボンを含
む微小な異常突起が残留しており、これも完全に取り去
ることが困難であることがわかった。この汚れによる微
小な異常突起についても従来のCSS方式では問題にさ
れなかったが、ランプロード方式を用いた高密度ハード
ディスク装置の磁気ディスク基板に用いる場合には問題
となる。
【0010】本願発明は、このような従来の問題を解決
すべくなされたもので、グライドハイトを小さくして高
密度記録を行なう磁気ディスク装置に用いるのに適した
表面性と平面性が良好な磁気ディスク用ガラス基板の製
造方法およびこの製造方法を用いた磁気ディスク用ガラ
ス基板を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の磁気ディスク
用ガラス基板の製造方法の発明は、ガラス素材をガラス
基板に成形する成形工程と、前記ガラス基板の表面を研
磨加工する研磨加工工程と、研磨加工された前記ガラス
基板を溶融塩に浸潰してイオン交換による化学強化処理
を行う化学強化処理工程と、化学強化処理の施された前
記ガラス基板を0.1質量%以下のフッ酸溶液に浸漬す
るフッ酸処理工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明によれば、化学強化処理後のガラス
基板を、0.1質量%以下の低濃度のフッ酸溶液に浸漬
することによって、表面を平滑にし、且つ微小な表面の
うねりを低下させて、表面性を向上させることができ
る。
【0013】本発明において、ガラス基板を浸漬してそ
の表面性を向上させるフッ酸溶液の濃度は、好ましくは
0.005質量%以上、0.1質量%以下である。フッ
酸溶液の濃度がこれより低いと、表面性向上の効果の点
で満足な結果が得られず、逆にフッ酸溶液の濃度がこれ
より大きいと、突起だけでなく、ガラス基板面のエッチ
ングの効果が無視できなくなってくる。フッ酸の濃度は
さらに好ましくは0.01質量%以上、0.08質量%
以下である。
【0014】上記フッ酸溶液は純水で希釈したものが好
ましい。またフッ酸溶液で処理するときの溶液の温度は
10℃以上、40℃以下が好ましい。10℃以下では空
気中の水分が吸収されて液の濃度が低下するなどの問題
があり、40℃を超えるとエッチングの効果が大きくな
る。この温度範囲であれば、よく制御された処理が可能
である。
【0015】また、請求項2の磁気ディスク用ガラス基
板の製造方法の発明は、ガラス素材をガラス基板に成形
する成形工程と、前記ガラス基板の表面を研磨加工する
研磨加工工程と、研磨加工された前記ガラス基板を溶融
塩に浸漬してイオン交換による化学強化処理を行う化学
強化処理工程と、化学強化処理後の前記ガラス基板をオ
ゾン雰囲気中で紫外線を照射する紫外線照射工程とを有
することを特徴とするものである。
【0016】本発明により、化学強化処理後のガラス基
板をオゾン雰囲気内に入れて紫外線を照射することによ
り、ガラス基板表面の微小な汚れによる微小な異常突起
を除去して、平滑なガラス基板を得ることができる。
【0017】本発明においては、ガラス基板を化学強化
処理した後に、酸洗浄、純水洗浄、アルカリ洗浄を繰り
返し、その後にガラス基板をオゾン雰囲気内に入れて紫
外線を照射することが好ましい。このようにすることに
よって、ガラス基板表面の汚れによる3nm以上の突起
をほぼ0にすることができる。
【0018】本発明において、オゾン雰囲気のオゾン濃
度は、ガラス基板の状態などにより、適宜選ぶことがで
きるものであって、特に制限するものではないが、本発
明を効果的且つ効率的に実施する上で、例えば1%以
上、5%以下が好ましく用いられる。
【0019】また紫外線の光源としては高圧ランプ、重
水素ランプ、ショートアークランプ、低圧水銀灯やマイ
クロ波励起ランプなどを用いることができる。
【0020】また、本発明の磁気ディスク用ガラス基板
は、ガラス素材をガラス基板に成形する成形工程と、前
記ガラス基板の表面を研磨加工する研磨加工工程と、表
面研磨された前記ガラス基板を溶融塩に浸漬してイオン
交換による化学強化処理を行う化学強化処理工程と、化
学強化処理後の前記ガラス基板を0.1質量%以下のフッ
酸溶液に浸漬するフッ酸処理工程と、フッ酸処理の施さ
れた前記ガラス基板にオゾン雰囲気中で紫外線を照射す
る紫外線照射工程とを有するものとしてもよい。
【0021】このようにすることにより、フッ酸処理に
よる表面粗さおよび微小な表面のうねりを低減するとと
もに、表面の微小な汚れによる異常突起を除くことがで
き、表面の良好な磁気ディスク用ガラス基板を得ること
ができる。
【0022】このように、ガラス基板の汚れ、例えば炭
素化合物に対して、その化学結合を切断するのに要する
エネルギーを紫外線によって与え、これとオゾンの生成
あるいは分解時に生ずる原子状の活性酸素の強力な酸化
力を効率よく組み合わせることにより、高分子化合物を
酸化分解し、例えばH2 O、CO2 、NOなどの酸化
物として揮発除去するものである。この洗浄方法を磁気
ディスク用ガラス基板に応用することにより、通常の洗
浄方法では除けなかった異常突起を効率よく除くことが
できる。このようにして洗浄することにより、磁気ディ
スク用ガラス基板の表面は、原子間力顕微鏡(AFM)
観察による異常突起で5nm以上のものは存在せず、3
nm以下のものがわずかに観測されるか全く観察されな
いようにすることができる。
【0023】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の浸漬
工程においては、フッ酸溶液の濃度を0.1質量%以下に
するとともに、このフッ酸溶液への磁気ディスク用ガラ
ス基板の浸漬時間を5分以上、45分以下にすることが
好ましい。浸漬時間がこれより短いと表面性の向上が十
分でなく、また浸漬処理の時間がこれより長いと、かえ
って表面性を劣化させる結果となる。浸漬時間はより好
ましくは5分以上、20分以下である。
【0024】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の照射
工程においては、ガラス基板をオゾン雰囲気内に入れ、
波長255nmの紫外線を照射強度50mW/cm2
もとで、1分以上照射することが好ましい。それによっ
て、ガラス基板面の微小な汚れによる異常突起を十分に
除去することができる。紫外線の照射時間はより好まし
くは4分以上である。
【0025】本発明の浸漬工程においては、ガラス基板
をフッ酸溶液に浸漬する際に、ガラス基板をフッ酸溶液
に対して相対的に移動させることが好ましい。ガラス基
板をフッ酸溶液に対して相対的に移動させる方法として
は、フッ酸溶液を循環させて流動させてもよいし、ガラ
ス基板を上下あるいは左右に動かしてもよく、これらを
同時に行ってもよい。こうすることによって、ガラス基
板の表面には常に新しいフッ酸溶液が接することにな
り、むらなくガラス基板の表面性を向上させることがで
き、また処理効果のバラツキも少なくなる。
【0026】本発明によれば、上記の磁気ディスク用ガ
ラス基板の製造方法を用いることによって、その表面の
算術平均粗さRaを0.5nm以下、二乗平均粗さRM
Sを0.6nm以下、微小うねりWaを0.5nm以下
にすることができる。
【0027】ここに算術平均粗さRaはJIS B06
01に定義されているものである。また二乗平均粗さR
MSは、表面曲線と平均線との差の二乗の平均値の平方
根である。さらに微小うねりWaはJIS B0610
で定義された表面うねりである。 そして本発明の磁気
ディスク用ガラス基板は、上記いずれかの製造方法で製
造され、ガラス基板表面のRaを0.5nm以下、RM
Sを0.6nm以下、微小うねりWaを0.5nm以下
にしたものである。
【0028】磁気ディスク用ガラス基板として、このよ
うな表面性を得ることにより、ランプロード方式を採用
し、グライドハイトを小さくして高密度記録を行なう磁
気ディスク装置に好適に用いることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施例1)強化ガラスであるア
ルミノシリケートガラスを母材として用い、直径67m
m、厚さ1.4mmにプレス加工した素材をまず両面研
磨機を用いて#400のアルミナ砥粒で表裏面のラッピ
ング加工を行った。
【0030】次に内周の下孔をあけ、内外周加工機を用
いて、内周面および外周面側面に所定の面取り加工を行
った。次いで両面研磨機を用いて、#1000のアルミ
ナ砥粒を用いて表面と裏面のラッピング処理を行った。
引き続いて上下定番にポリッシャ用のポリウレタンパッ
ド(ロデールニッタ製MHC15A)を用いて、研磨材
として酸化セリウムを用いて1次ポリッシュを行い、さ
らにGMRヘッド走行に適する平滑度を得るために、研
磨材に酸化セリウムを用いてポリッシャーにスエードウ
レタンパッド(ロデールニッタ製ポリテックス)を用い
て最終ポリッシュを行った。その後、中性洗剤、純水、
純水、純水、純水、IPA、IPA、IPA(蒸気乾
燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄して、表面粗さがR
a0.46、RMS0.63で、微小うねりWaが0.
5nmのガラス基板を得た。
【0031】なお表面粗さの測定は原子間力顕微鏡(デ
ジタルインスツルメンツ(株)社製;商品名NanoScope
:以下AFMと記載する)で、微小うねりは、3次元
表面構造解析顕微鏡(ZYGO社製;商品名NEWVIEW 20
0 :以下ZYGOと記載する)による測定値である。
【0032】次に硝酸カリウム(40%)と硝酸ナトリ
ウム(60%)の混合塩を用意し、これを380℃に加
熱し、250℃に予熱した上記ガラス基板を約1時間浸
漬して化学強化を行った。この浸漬は、複数のガラス基
板を端部で保持できるようにホルダーに収納して行っ
た。このように溶融塩に浸漬することによって、ガラス
基板のリチウムイオンがナトリウムイオンに置換され、
またガラス基板のナトリウムイオンがカリウムイオンに
置換されてガラス基板が強化される。
【0033】上記の溶融塩への浸漬を終えたガラス基板
を、20℃の純水槽に浸漬して急冷し、約20分間維持
した。
【0034】以上の処理を終えたガラス基板を表1に示
す各条件でさらに処理した後、純水、純水、純水、純
水、IPA、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して洗浄した後、表面粗さRa、RMSおよび
微小うねりWaを測定した。これらの結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、フッ酸濃度が0.1質量%を超
えると急激に表面粗さ、微小うねりが大きくなり、表面
性が劣化することがわかる。これに対し、フッ酸濃度が
0.1質量%以下では、研磨後のガラス基板およびフッ
酸処理を実施しないものに比べて表面粗さおよび微小う
ねりは大幅に小さくなり、表面性が顕著に向上している
ことがわかる。
【0037】この結果から、表面研磨後の微小な突起
は、ガラス基板そのものが突起しているのではなく、研
磨の際に発生するガラス片や研磨材の残留したものなど
が水分などによって付着したものであって、これが0.
1質量%以下のフッ酸溶液によってガラス基板本体に悪
影響を与えることなく、除去されたものと推測すること
ができる。
【0038】上記実施例1の各ガラス基板の表面と裏面
に、Cr下地層、CoPtCr磁性層、炭素保護層を順
次積層して磁気ディスクを作製した。この磁気ディスク
について、グライドハイトテストを行って、ヘッドクラ
ッシュ発生率を求めた。その結果を表1に示した。
【0039】(実施例2)実施例1と同様にして、表面
粗さRa0.52nm、RMS0.78nm、微小うね
りWa0.52まで研磨したガラス基板を化学強化し、
表1に示した条件で処理した後、純水、純水、純水、純
水、IPA、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して洗浄し、表面粗さと微小うねりわ測定し
た。結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】これら実施例1および2の結果から、本発
明によりフッ酸処理を行ったものは、処理を行わないも
のに比べて、ヘッドクラッシュ発生率が小さいことがわ
かり、本発明のフッ酸処理が有効であることを示してい
る。
【0042】(実施例3)フロート法で形成したシート
ガラスから、研削砥石で直径65mmφ、厚さ1.1m
mの円盤状に切り出したアルミノシリケートガラス基板
を比較的荒いダイヤモンド砥石で厚さ0.8mmに成形
した。この場合、フロート法の代わりに溶融ガラスを上
型、下型、胴型を用いてダイレクトプレスして円盤状ガ
ラス体を形成してもよい。なお、アルミノシリケートガ
ラスとして質量%表示でSiO2 :57〜74%、Zn
2 :0〜2.8%、Al2 3 :3〜15%、 Li2
O:7〜16%、Na2 O:4〜14%を主成分として
含有する化学強化ガラスを使用した。
【0043】次に円筒状の砥石を用いてガラス基板の中
央部に孔をあけると共に、外周端面も研削して直径を6
5mmφとした後、外周端面内周端面に所定の面取り加
工を施した。次いでスラリーを使用してプラシ研磨又は
機械研磨によりガラス基板を回転させながらガラス基板
の外周端面及び内周端面が所定の範囲となるように鏡面
研磨した。
【0044】さらに砥粒#400、 #1000と換えて
2回ラッピング加工を行った。ラッピング加工を終えた
ガラス基板を中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して洗
浄した。次に第一研磨工程として傷や歪み除去を目的と
して硬質ポリシャを用い研磨を行った。研磨条件は、研
磨液:酸化セリウム+水、加重:300g/cm2 、研
磨時間:15分、除去量:30μmである。この第一研
磨工程を終えたガラス基板を中性洗剤、純水、IPA、
IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄し
た。
【0045】この後、第二研磨研磨工程として軟質ポリ
シャを用い研磨を行った。研磨条件は加重:100g/
cm2 とし研磨時間を10分行い、除去量を5μmとし
た。この第二研磨工程を終えたガラス基板を中性洗剤、
中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA蒸気乾燥の各洗
浄槽に順次浸漬して洗浄した。このとき、各洗浄槽には
超音波を印加した。
【0046】続いてガラス基板に化学強化を施した。化
学強化は硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(4
0%)を混合した化学強化液を用意し、400℃に加熱
し、300℃に予熱された洗浄済みのガラス基板を約3
時間浸漬して行なった。この化学強化により、ガラス基
板無表面層のリチウムイオン、ナトリウムイオンはナト
リウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラ
ス基板が強化される。化学強化を終えたガラス基板を2
0℃の水槽に浸して急冷し約10分間維持した。 冷却
を終えたガラス基板を本洗浄した。本洗浄は、0.01
%の希フッ酸溶液で表面を清浄化し、純水洗浄を2回繰
り返し、次いでアルコノックス1%溶液に浸漬した後、
純水洗浄を4回繰り返し、IPA置換の後、IPAの蒸
気乾燥をすることにより行った。
【0047】その後、オゾン濃度300ppmの雰囲気
で、 紫外線として50mWの低圧水銀灯を用いて、紫外
線を照射強度50mW/cm2 のもとで、上記ガラス基
板に1,3,5,7分間の紫外線照射を行った。
【0048】このような処理を行ったガラス基板を本洗
浄した後、突起の測定をAFMを用いて行った。10μ
m 角のスキャンサイズでの測定された異常突起の個数を
表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】また、本発明のガラス基板に上記実施例1
と同じ方法で磁性膜を付け、グライドテストを実施し
て、ヘッドクラッシュ率(膜下欠陥不良率)を求めた。
この結果を表3にあわせて示した。
【0051】表3の実施例に示す通り、本発明によって
オゾン雰囲気中で紫外線照射を行うことにより、突起が
除去され、良好な表面のガラス基板が得られていること
がわかる。また、表3から、紫外線照射時間は5分前後
が適切であることがわかる。 (実施例4)次にフッ酸溶液処理とオゾン雰囲気紫外線
照射処理とを併用する場合の例について説明する。
【0052】例えば実施例1〜3で説明したように、研
磨工程を終えたガラス基板に、化学強化処理、フッ酸処
理、洗浄、オゾン雰囲気中での紫外線照射をこの順で施
す。フッ酸溶液処理および洗浄は、希フッ酸溶液槽浸
漬、純水槽浸漬、純水槽浸漬、純水槽浸漬、IPA浸
漬、IPA蒸気槽の順序で進める。
【0053】また、オゾン雰囲気紫外線照射槽は、オゾ
ン濃度を空気に対して例えば300ppmに保った槽を
設けて処理を行う。この槽の下部にはオゾンの流出口を
設け、絶えずオゾンを流入させつつ流出口から流出させ
てオゾン濃度を一定に保っている。そしてこの槽には槽
内の温度を例えば300℃の温度に保つためのヒータ
と、紫外線照射のための光源を、温度と紫外線照射が基
板面で均一になるように設置する。光源は照射をなるべ
く均一にする観点から点状よりも線状の光源が好まし
い。
【0054】このようにフッ酸処理とオゾン雰囲気中で
の紫外線照射を併用することにより、3nm以上の突起
を実質的に0とすることができた。
【0055】
【発明の効果】本発明によればガラス基板の微小な突起
が除去されるので、表面性の優れた磁気ディスク用ガラ
ス基板が製造でき、高密度記録を行う磁気ディスク装
置、例えばGMRヘッドを用いた磁気ディスク装置に用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G059 AA09 AB01 AB09 AB11 AB13 AC03 BB01 BB04 BB14 HB03 HB13 HB14 HB23 5D112 AA02 BA03 BA09 GA09 GA19 GA28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素材をガラス基板に成形する成形
    工程と、前記ガラス基板の表面を研磨加工する研磨加工
    工程と、研磨加工された前記ガラス基板を溶融塩に浸潰
    してイオン交換による化学強化処理を行う化学強化処理
    工程と、化学強化処理の施された前記ガラス基板を0.
    1質量%以下のフッ酸溶液に浸漬するフッ酸処理工程と
    を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス素材をガラス基板に成形する成形
    工程と、前記ガラス基板の表面を研磨加工する研磨加工
    工程と、研磨加工された前記ガラス基板を溶融塩に浸漬
    してイオン交換による化学強化処理を行う化学強化処理
    工程と、化学強化処理の施された前記ガラス基板をオゾ
    ン雰囲気中で紫外線を照射する紫外線照射工程とを有す
    ることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ガラス素材をガラス基板に成形する成形
    工程と、前記ガラス基板の表面を研磨加工する研磨加工
    工程と、研磨加工された前記ガラス基板を溶融塩に浸漬
    してイオン交換による化学強化処理を行う化学強化処理
    工程と、化学強化処理の施された前記ガラス基板を0.1
    質量%以下のフッ酸溶液に浸漬するフッ酸処理工程と、
    フッ酸処理の施された前記ガラス基板をオゾン雰囲気中
    で紫外線を照射する紫外線照射工程とを有することを特
    徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラス基板のフッ酸処理工程におい
    て、フッ酸溶液への前記ガラス基板の浸漬時間を5分以
    上、45分以下としたことを特徴とする請求項1または
    3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記紫外線の照射工程において、紫外線
    照射時間を1分以上としたことを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ酸処理工程において、前記ガラ
    ス基板をフッ酸溶液中でフッ酸溶液に対して相対的に移
    動させることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか
    1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラス基板の表面を算術平均粗さRaを
    ≦0.5nm、二乗平均粗さRMSを≦0.6nm、微
    小うねりWaを≦0.5nmとしたことを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれか1項に記載の磁気ディスク用
    ガラス基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    のガラス基板の製造方法で製造され、その表面が、算術
    平均粗さRaを≦0.5nm、二乗平均粗さRMSを≦
    0.6nm、微小うねりWaを≦0.5nmとされてい
    ることを特徴とする磁気ディク用ガラス基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006092718A (ja) * 2004-08-27 2006-04-06 Showa Denko Kk 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法およびそれにより得られる磁気記録媒体用ガラス基板
JP2009230812A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The ガラス基板および熱アシスト磁気記録ディスク
CN104016577A (zh) * 2014-06-18 2014-09-03 蓝思科技股份有限公司 玻璃镜片加工方法以及用于处理玻璃镜片的混合酸

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