まず、本実施例として示すぱちんこ遊技機について概説した後に、その具体的な構成を説明する。
[概説]
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、通常よりも遊技者に有利な状態である特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。
このぱちんこ遊技機の遊技では、遊技球が始動口に入球すると特別図柄の変動表示が開始される。また、この特別図柄の変動表示と連動するかたちで装飾図柄を含む演出画像が動画表示される。変動開始から所定時間経過後に特別図柄が当たり態様にて停止表示されると、演出画像も当たりを示す画像で停止表示され、特別遊技(「大当たり」ともいう)が開始される。
また、このぱちんこ遊技機は、特別遊技が終了したことを条件として、特定遊技としての変動時間短縮モード(「時短」という)に移行する。この時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」という)に達するまで継続される。
この時短に伴い、特別図柄の変動時間のみならず、始動口を拡開させるか否かを示す普通図柄の変動時間も短くなる。また、普通図柄の抽選確率も高くなるため、始動口が開放状態となっている時間が相対的に長くなる。したがって、遊技者はその継続回数の間は持ち玉を減らすことなく遊技を継続することができ、その間に大当たりが発生することを期待できる。
特に本実施例では、時短終了前の所定タイミングでミッション演出が開始される可能性が高められる。このため、時短状態と通常状態とをまたぐミッション演出がなされた場合には、その時短終了後も遊技者に期待感のある遊技を継続させることができる。以下、そのような具体的な構成および作用効果について説明する。
[実施例]
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示へ入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。更に遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備える。
遊技領域52の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像200を動画表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選(以下、「当否抽選」とよぶ)の結果に対応した図柄である。その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、たとえば7セグメントLEDで構成される表示手段である。特別図柄表示装置61は、特別図柄192の変動表示として、0〜9の範囲で数字を循環させる。当たり時は0または1、外れ時は2〜9のいずれかの数字が停止図柄として停止表示される。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動するかたちで演出画像200を動画表示する液晶ディスプレイである。演出画像200は、特別図柄抽選の結果を視覚的に演出するために、特別図柄192の変動表示と連動して変動表示させる装飾図柄190を含む。演出表示装置60は、演出画像200として、たとえばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面表示する。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62(正確には、始動口62に設けられた普通電動役物)を拡開させるための抽選(以下、「普通図柄抽選」とよぶ)の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が当たりを示す図柄である場合、通常遊技から特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。特別遊技は、1回以上の単位遊技で構成される。本実施例における単位遊技の回数は15回である。1回の単位遊技において1回の開閉動作がなされるので、大入賞口66の開閉動作は単位遊技の回数分繰り返される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄とよばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。普通図柄表示装置59は、2つのランプを備える。それぞれのランプが交互に点滅する動作が「普通図柄の変動表示」に相当する動作である。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。このとき、普通図柄表示装置59の2つのランプの所定の一方が点灯表示されることになる。なお、後述する時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに普通図柄の抽選確率も高くなるため、始動口62が開放状態となる時間(正確には始動口62に設けられた普通電動役物を拡開させる時間)が相対的に長く設定される。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、その上部に抽選保留ランプ20が設けられ、左側部に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した当否抽選の結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
なお、本実施例において、請求項に記載の可変入球装置の機能は、主として大入賞口66や大入賞口ソレノイド80、入賞検出装置78等により実現される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの当否抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は0〜65535の範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄192の停止図柄と変動パターンを決定する。図柄決定手段114は、0〜255の範囲で生成されるパターン抽選値に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。また、図柄決定手段114は、0〜255の範囲で生成される図柄抽選値に応じて特別図柄の停止図柄態様を決定する。当否抽選値が当たりであるときには、図柄抽選値によって、いずれかの当たり図柄が停止図柄として決定される。なお、当否抽選値が外れであれば、複数種類の外れ図柄のうちのいずれかが停止図柄として決定される。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄も普通図柄抽選により決定する。図柄決定手段114は、当否抽選の結果、変動パターンを示すデータ、停止図柄をメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合には、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。保留制御手段116は、普通図柄抽選の結果についても4つを上限として保持する。
メイン表示制御手段118は、特別図柄を特別図柄表示装置61に変動表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118による特別図柄192の変動表示と演出表示制御手段134による演出図柄の変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。
特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後に遊技を特定遊技としての変動時間短縮モード(「時短」という)に移行させる。本実施例においては、時短は特別遊技終了後、特別図柄が20回変動表示されたときに時短終了条件が成立したとして終了する。時短中においては、特別図柄の変動時間が短縮される。そのため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が増加しやすくなる。また、普通図柄の変動時間も短縮され、普通図柄抽選の当たり確率が高確率に設定される。このような設定により、時短中においては相対的に当たりが発生しやすくなる。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、演出表示装置60の画面に表示させる装飾図柄190を含む演出画像200の表示パターンを複数種類保持する。すなわち、特別図柄192に対応して演出表示装置60に変動表示される装飾図柄190の通常の表示パターンと、後述するミッション演出を装飾図柄190の変動表示に付加的に伴わせる表示パターンとを含む複数の表示パターンを記憶する。この表示パターンの具体例については後述する。
装飾図柄190の停止図柄は、5つまたは9つの図柄の組合せとして形成される。たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が有効ライン上に揃う組合せが選択される。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄192の表示パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように有効ライン上において一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄190の表示パターンは、装飾図柄190の変動表示態様、すなわち装飾図柄190の変動開始から変動停止までの演出過程を定義したものである。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各表示パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。
演出決定手段132は、パターン記憶手段130が記憶した複数の表示パターンから、遊技の進行に応じた表示パターンを決定する。すなわち、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄と変動パターンを含む演出画像200の表示パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄192の停止図柄、特別図柄192の変動パターン、その変動時間等に応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄190を含む演出画像200の表示パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出決定手段132は、また、遊技演出の一手法として遊技者参加形のゲーム、いわゆる「ミッション」に関する演出の決定もできる。ミッションとは、たとえば、抽選値が所定の値であった場合、特別遊技を発生させるための条件としてその達成を演出上遊技者に求める要求内容であって、特別図柄192が特定回数変動する間に特定の表示がなされれば特別遊技が発生することを示唆するものである。演出決定手段132は、このミッションの要求内容を、複数回分の特別図柄192の変動表示前から提示することができる。また、ミッションを抽選値に基づき、複数回関連性を持ちながら変動する装飾図柄190の停止図柄を指定する形で実施することもできる。その結果、抽選の結果に対する演出バリエーションが増大する。本実施例では、特別遊技後の時短状態から通常状態への移行時にミッション演出を行うことにより、遊技者の遊技継続の意欲を高められるようにしているが、その内容については後述する。
演出表示制御手段134は、演出決定手段132が決定した表示パターンに対応する演出画像200を、演出表示装置60に動画表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理を更に制御する。
本実施例におけるぱちんこ遊技機10は、装飾図柄190とは別に演出のための画像が表示される。たとえば、演出表示装置60における背景画像もここでいう演出画像200の一部である。演出表示制御手段134は、背景画像を表示させ、その上に重ねて装飾図柄190を変動表示させる。パターン記憶手段130は、この演出画像200の動画再生過程を定めた表示パターンも複数種類記憶する。演出決定手段132は、これらの表示パターンを遊技状態に応じて適宜選択する。演出表示制御手段134は、こうして選択された表示パターンにしたがって、演出画像200を動画表示させる。
図4は、演出表示装置に表示されるミッション演出の画面例を表す説明図である。(a)は通常時の画面例を表し、(b)は時短中の画面例を表し、(c)は特にミッション演出時の画面例を表している。
演出表示制御手段134は、演出表示装置60の演出画像200として、装飾図柄190とともにその背後に背景画像194を表示させる。図示の例では、背景画像194として火山が表示されている。
同図(a)に示すように、通常時においてはその火山は平穏を保っている。一方、同図(b)に示すように、時短状態になると、その旨を表す時短画像196として「時短突入!」の表示がなされるとともに、背景画像194の火山が噴火する。このような時短状態になると、上述のように遊技者は持ち玉を減らさずに遊技ができるようになる。さらに、同図(c)に示すように、ミッション演出時には、ミッション画像198が表示されるとともに、背景画像194の火山が噴火する。図示の例では、ミッション画像198として「5回転以内にリーチをかけろ!」の文字が表示されている。上述した特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、実際に5回転以内にリーチが出現して大当たりとなる場合もある。このように、ミッション画像198の出現自体が大当たりの可能性を示唆するものであるため、遊技者の期待感を高めることができる。また、ミッション画像198が出現した後に実際にそのミッション通りの動作がなされた場合、遊技者が達成感を得ることができる。なお、同図(b)の背景画像194と同図(c)の背景画像194とは火山の噴火という点で共通性を有するが、全く同じものでもよいし、たとえば火山の色が異なったり噴火の度合いが異なるなど類似したものでもよい。
本実施例では、時短中であるか否かにかかわらずミッション演出時に時短時と共通性を有する背景画像194が表示される。このため、時短が終了してもミッション演出が継続していれば、その背景画像194の共通性から遊技者は時短中に享受した利益がそのまま引き継がれているかのような気持ちになり、遊技を継続する意欲が高められる。
図5は、ミッション演出の際に用いられるミッションテーブルを表す説明図である。(a)は通常時に用いられる通常ミッションテーブル140を表し、(b)は時短終了前の所定タイミングで用いられる特別ミッションテーブル142を表している。
これらのミッションテーブルは、パターン記憶手段130に保持されており、演出決定手段132がミッション演出時の演出画像200の表示パターンを決定する際に用いられる。各ミッションテーブルには、演出決定手段132が取得する乱数値に対応づけられるようにして、ミッションの有無およびミッションの内容が格納されている。演出決定手段132は、0〜255の範囲で生成される抽選値に応じてミッションの表示パターンを決定する。演出決定手段132は、その表示パターンの決定に際し、時短中の所定期間においては特別ミッションテーブル142を参照し、それ以外の期間においては通常ミッションテーブル140を参照する。
すなわち、同図(a)に示すように、通常ミッションテーブル140においては、乱数値が「0〜10」のときに「5回転以内にリーチをかけろ!」という内容のミッション、乱数値が「11〜20」のときに「10回転以内に左図柄に「1」を出せ!」という内容のミッション、乱数値が「21〜31」のときに「15回転以内に右図柄に「3」を2回出せ!」という内容のミッションが、それぞれ設定されている。乱数値が「32〜255」のときにはミッション演出はなされない。したがって、ミッション演出がなされる確率は1/8に設定されている。
一方、同図(b)に示すように、特別ミッションテーブル142においては、乱数値が「0〜70」のときに「5回転以内にリーチをかけろ!」という内容のミッション、乱数値が「71〜140」のときに「10回転以内に左図柄に「1」を出せ!」という内容のミッション、乱数値が「141〜223」のときに「15回転以内に右図柄に「3」を2回出せ!」という内容のミッションが、それぞれ設定されている。乱数値が「224〜255」のときにはミッション演出はなされない。したがって、ミッション演出がなされる確率は7/8に設定されている。
つまり、本実施例において、時短終了前の所定タイミングからの所定期間には、ミッション演出を伴う表示パターンが選択される確率が通常よりもかなり高く設定される。なお、本実施例では、この所定タイミングとして、後述のように時短終了から図柄変動3回転前の時点が設定されている。このため、遊技者がいずれかのミッション演出にしたがって遊技を続けた場合、その遊技は基本的に時短が終了した後も継続されることになる。
次に、ぱちんこ遊技機10の動作過程をフローチャートを用いて説明する。
図6は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。同図に示す処理はループ処理として繰り返し実行される処理である。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図7は、図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。以下、特に断らない限り「図柄」は特別図柄192と演出画像200の双方を示す。
通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、演出決定手段132が当否抽選の結果に応じた表示パターンを決定し、演出表示制御手段134がその表示パターンに沿った装飾図柄190の変動表示を開始する(S36)。その結果、特別図柄192の変動開始と同期して、装飾図柄190の変動表示も開始される。
S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄表示の停止タイミングに達したときには(S42のY)、表示中の図柄変動を停止する(S44)。一方、S38において図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40からS44の処理をスキップする。また、S42において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44の処理をスキップする。
なお、特別遊技が終了して時短が開始されると、特定遊技実行手段122は、特別図柄192の変動回数のカウントを開始する。そして、S40において時短終了タイミング、すなわち、時短開始後、特別図柄が20回変動表示完了していれば、時短は終了する。
図8は、図7におけるS40の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、時短中であって(S50のY)、時短終了前の所定タイミング、ここでは時短終了から図柄変動3回転前であれば(S51のY)、ミッション演出を発生させやすいミッション高確率状態であるか否かを判断する。このミッション高確率状態であるか否かは、そのとき演出決定手段132が参照するミッションテーブルとして、特別ミッションテーブル142が設定されているか否かにより判断される。
このとき、ミッション高確率状態でなければ、演出決定手段132は、特別ミッションテーブル142を参照するようにしてミッション高確率状態に設定する(S52)。一方、ミッション高確率状態であれば、その状態を保持する。
続いて、現在ミッション演出中であれば(S53のY)、演出表示制御手段134は、演出表示装置60にミッション付きの演出画像200を表示させる。すなわち、該当するミッションの内容を表示するとともに、装飾図柄190を変動表示させる(S54)。一方、ミッション演出中でなければ(S53のN)、演出表示制御手段134は、演出表示装置60にミッションのない演出画像200を表示させる。すなわち、ミッションを伴うことなく、装飾図柄190を変動表示させる(S55)。なお、いずれの場合も時短中であるため、演出表示制御手段134は、演出表示装置60に図4(b)に示した演出画像200を表示させる。つまり、背景画像194として火山が噴火した状態が表示される。
そして、S55の処理に続いて特別ミッションテーブル142を参照した結果、上述した乱数値に基づいていずれかのミッション演出が選択されれば(S56のY)、該当するミッション演出を開始する(S57)。上述の例でいえば、たとえば乱数値が「0〜70」にあれば、「5回転以内にリーチをかけろ!」の文字をミッションの内容として表示させるように設定する。
そして、S34で行った特別図柄抽選が当たりであれば(S58のY)、すなわち、特別遊技に移行するときには、特定遊技実行手段122は、図柄が確定した後に時短を一旦終了させる(S61)。また、特別図柄抽選が外れの場合には(S58のN)、特定遊技実行手段122は、時短が開始された後における特別図柄192の変動回数をインクリメントする(S59)。ここで、特別図柄192の変動回数が、時短の継続回数(本実施例では20回)と等しくなっていれば(S60のY)、その回の変動を終了した後に時短を終了して通常状態に移行させる(S61)。変動回数が継続回数に達していなければ(S60のN)、時短はそのまま継続される。
S56においていずれのミッション演出も選択されていなければ(S56のN)、ミッション演出のない時短時の変動表示処理を実行するように設定し、S40のフローを終了する。
一方、S50において時短中でなかった場合(S50のN)、およびS51において時短終了前の所定タイミングでなかった場合には(S51のN)、演出決定手段132は、通常ミッションテーブル140を参照するようにしてミッション通常確率状態に設定する(S65)。このとき、ミッション演出中であれば(S66のY)、演出表示制御手段134は、演出表示装置60にミッション付きの演出画像200を表示させる。すなわち、該当するミッションの内容を表示するとともに、装飾図柄190を変動表示させる(S67)。この場合、時短中から継続するミッションもあり得る。
一方、S66においてミッション演出中でなければ(S66のN)、演出表示制御手段134は、演出表示装置60に図4(a)に示した演出画像200を表示させる。つまり、背景画像194として火山が噴火した状態が表示されていれば、火山が噴火していない状態に変更される(S68)。そして、演出表示制御手段134は、演出表示装置60にミッションのない演出画像200を表示させる。すなわち、ミッションを伴うことなく、装飾図柄190を変動表示させる(S69)。
続いて、通常ミッションテーブル140を参照した結果、上述した乱数値に基づきミッションが選択されれば(S70のY)、該当するミッション演出を開始する(S71)。上述の例でいえば、たとえば乱数値が「11〜20」にあれば、「10回転以内に左図柄に「1」を出せ!」の文字をミッションの内容として表示させるように設定する。一方、S70においていずれのミッション演出も選択されていなければ(S70のN)、ミッション演出のない時短時の変動表示処理を実行するように設定し、S40のフローを終了する。
図9は、図6におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、大入賞口66が開放済でなければ(S80のN)、演出表示制御手段134が特別遊技に対応する特別演出を開始し(S82)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S84)。大入賞口66が開放済であれば(S80のY)、S82およびS84の処理はスキップされる。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S86のY)、または、開放時間が経過していないものの(S86のN)、大入賞口66への入球数が9球以上に達した場合には(S88のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を一旦閉鎖させる(S90)。開放時間が経過しておらず(S86のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S88のN)、S90以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S90における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S92のY)、演出表示制御手段134は特別遊技についての演出を終了させ(S94)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S96)。そして、特定遊技実行手段122が時短に移行させる(S98)。このとき、演出表示制御手段134は、演出表示装置60に図4(b)に示した背景画像194、つまり火山が噴火した状態を表示させる(S100)。
S92においてラウンド数が15に達していなければ(S92のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S102)。
以上に説明したように、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、時短が終了する前の所定タイミングにおいて、ミッション演出を伴う表示パターンが演出表示装置60に表示される可能性が高くなる。このミッション演出がなされることにより、遊技者は、そのミッションの達成による有利な遊技状態への移行を期待するようになる。その結果、時短が終了してもミッション演出がなお引き続き継続されるときには、遊技者の遊技継続への意欲を高めることができる。
また、時短が終了しても、ミッション演出が引き続き継続している場合には、時短中と共通する背景画像194が表示される。このため、遊技者には、時短からの有利な遊技状態が引き続き保持されているように感じさせることができ、時短の終了後においても遊技者の遊技継続への意欲を保持することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、本実施例においては、時短終了前の所定期間をミッション高確率状態としたが、時短が終了するまでにミッション演出がなされなかった場合には、時短終了後も所定期間は特別ミッションテーブル142を選択するようにして、ミッション高確率状態を維持するようにしてもよい。あるいは、特別遊技が終了して時短が開始されるとともにミッション高確率状態になるようにしてもよい。あるいは、時短終了後の所定期間内にミッション高確率状態になるようにしてもよい。たとえば、時短終了後の10回転の変動期間内に(たとえば時短終了後1回転のタイミングで)ミッション高確率状態になるようにしてもよい。さらに、ミッション高確率状態にするために、ミッションテーブルを通常ミッションテーブル140から特別ミッションテーブル142に切り替えるのではなく、いずれかを選択するための抽選を行うようにしてもよい。これにより、常に通常ミッションテーブル140を用いるよりは相対的にミッション高確率状態となる。
また、本実施例においては、時短終了前3回転の変動期間をミッション高確率状態とする一方、図5に示した特別ミッションテーブル142の有効期限を5回転以上とした。このため、遊技者がいずれかのミッション演出にしたがって遊技を続けた場合、その遊技は基本的に時短が終了した後も継続されることになる。変形例においては、たとえばミッション高確率状態の期間を時短終了前7回転の変動期間とするなどして、ミッションによっては時短終了前に終了する可能性があるようにしてもよい。また、時短終了前の所定期間に必ずミッション演出がなされるような構成にしてもよい。つまり、特別ミッションテーブル142を、どの乱数値であってもミッション演出がなされるように設定してもよい。
また、時短中からのミッション演出が所定回数以内にこれを達成することを内容とするものであれば、変動停止ごとに、その所定回数の表示を順次減少させていくような表示パターンとしてもよい。たとえば、「5回転以内にリーチをかけろ!」というミッションであった場合、次の変動では「4回転以内にリーチをかけろ!」、さらに次の変動では「3回転以内にリーチをかけろ!」といった具合に、表示を変更してもよい。その場合、最初の表示は演出表示装置60の画面中央に大きく表し、次の表示からは画面の隅部に小さく表示するようにしてもよい。あるいは、時短中に最初に設定されたミッション演出が終了した後に、新たな別のミッション演出を順次行うようにしてもよい。
また、本実施例においては、特別遊技終了後に必ず時短を発生させ、特別図柄が20回変動表示されたときにその時短を終了するようにした。変形例においては、特別図柄抽選が当たりとなるときに時短抽選を実行し、特別遊技終了後の時短への移行可否および継続回数を決定するようにしてもよい。たとえば、特別図柄表示装置がLEDで構成され、その特別図柄が「×」または「0〜5」のいずれかの数字にて停止表示されるようにしてもよい。その場合、たとえば特別図柄抽選が外れのときには「×」、当たりのときには「0〜5」のいずれかの数字が停止表示される。時短抽選が外れのときには「0」、当たりのときには「1〜5」のいずれかの数字が停止表示される。時短抽選が当たりとなるときには、継続回数は、10回、20回、30回、40回、50回のいずれかがそれぞれ20パーセントの確率で選択される。特別図柄は、継続回数が10回のときには「1」、20回のときには「2」、・・・、50回のときには「5」で停止表示される。このように、特別図柄が、特別図柄抽選の結果と共に、時短抽選に基づく特定遊技への移行可否とその継続回数を示し、時短抽選が当たりとなると、特別遊技の終了後に時短に移行するようにしてもよい。
さらに、本実施例においては、特定遊技として時短、つまり特別図柄の変動時間が短くなるとともに普通図柄の変動時間も短くなり、始動口62が効率的に拡開して遊技球が当該始動口62に入球しやすくなる遊技について説明した。このほかにも、特別図柄抽選の当たり確率が高確率設定となるいわゆる確変遊技を実行する機能が、特定遊技の一種として搭載されてもよい。
また、本実施例においては、本発明の弾球遊技機を、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機として構成した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を複数直列または並列に実行可能な遊技機など、第1種ぱちんこ遊技機の機能を含むその他の遊技機として構成してもよい。