上記を含む車両用の操作装置では、車両が安定した走行状態にあるときには比較的スムーズに操作が可能であるが、急ハンドルや急加減速といった運転操作を行った際に、手元の遠隔操作部を誤操作し易いという課題がある。即ち、操作する手が、急ハンドルや急加減速といった運転操作に伴い生ずる車両の加速変化の影響を受けて、予定とは異なる操作をしてしまう可能性がある。また、上記のような急ハンドルや急加減速等の運転操作を行う状況においては、操作以外にも判断すべき情報が多数あり、これが誤操作につながる可能性もある。また、急ハンドルや急加減速等の運転操作が解除された後においても誤操作も生じる可能性が残る。
本発明の課題は、急ハンドルや急加減速といった急運転操作が生じた際に、誤操作が生じにくい車両用操作装置を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の車両用操作装置は、
運転者によりなされる運転操作のうち、車両の走行状態を急変させる予め定められた複数種の急運転操作を検出する急運転操作検出手段と、
前記車両の座席に着座したユーザーが操作可能な位置に配置された車室内操作部と、
前記急運転操作が検出されている期間の間、前記車両の全ての座席に対応する前記車室内操作部に対し一括して操作入力を制限する操作入力制限を設定するとともに、該急運転操作が検出されなくなった後も予め定められた期間の間は、当該操作入力制限を継続設定する操作入力制限手段と、
を備え、さらに、前記車両の予め定められた走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、
前記操作入力制限手段は、前記急運転操作毎に、対応する前記走行状態を定めており、前記急運転操作が検出され、かつ対応する前記走行状態が検出されている場合には前記操作入力制限を設定する一方で、前記急運転操作が検出され、かつ対応する前記走行状態が検出されていない場合には前記操作入力制限を非設定とすることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、ユーザーが背もたれにもたれた着座状態でも操作できるような、比較的簡単に操作できる位置の操作部に対し、予め定められた急運転操作がなされている間、操作に制限がかかるので、該急運転操作時における誤操作を防止できる。また、急運転操作時に操作ができない仕様であることを運転者が前もって認識させるようにしておけば、急運転操作中に運転者が車室内操作部を操作するようなシチュエーション自体を無くすることができる。なお、本発明における操作入力制限とは、車室内操作部に対する操作入力を無効化する制限や、車室内操作部に対する操作入力を妨げる制限、さらには、車室内操作部に対する操作入力がされ難くなる状況を作るという制限等を含むものとする。
本発明における操作入力制限手段は、前記急運転操作が検出された場合に前記操作入力制限を設定するとともに、該急運転操作が検出されなくなった後も予め定められた期間の間は、当該操作入力制限を継続設定するものとできる。これにより、急運転操作が解除された後しばらくは操作入力制限が解除されないので、急運転操作解除直後に生じ得る誤操作を防止できる。
本発明における操作入力制限手段は、前記急運転操作が検出された場合に、前記車両の全ての座席に対応する前記車室内操作部に対し一括して前記操作入力制限を設定するものとできる。急運転操作がなされたときには、操作した運転者だけでなく、他の乗員も急運転操作に伴う車両変化の影響を受け、誤操作し易い状況となる。このため、全座席に対応する操作部に対し一括して操作入力制限を設定することで、各座席の乗員の誤操作も防止できる。
本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限として、前記車室内操作部への操作入力を無効化するものとできる。これにより、急運転操作時の誤操作を確実に防止することができる。
本発明における車室内操作部は、対応する座席に着座したユーザーが視認可能となるように表示画面を有した表示手段の、画面表示中の操作画像を遠隔的に操作するための遠隔操作部とすることができる。この場合、操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に、少なくとも前記表示手段が表示する前記操作画像が、前記操作入力制限の非設定時よりも見え難くなる(視認性が悪化する)ような表示制限を実施するものとすることができる。これにより、急運転操作時において運転者から操作の意思を無くすることができ、誤操作が生じ得ない状況を作り出すことができる。
本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している前記操作画像を、前記操作入力制限の非設定時よりも彩度及び明度のいずれか又は双方を増す、あるいは減ずるという色調変化により画面上において見え難くするものとできる。彩度や明度の設定変更だけで操作入力制限を容易に実現できる。また、本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している前記操作画像を、前記操作入力制限の非設定時において非表示とするものとしてもよい。非表示に切り替えるだけでよいので、操作入力制限を容易に設定できる。
本発明においては、遠隔操作部の操作面に対向する手の画像を撮影する手画像撮影手段と、当該手により位置指示された操作面上の位置に対応する、前記表示画面上の位置に、位置指示画像を表示する位置指示画像表示手段と、を備えた構成とすることができる。この場合、本発明の操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に、前記表示手段により表示される前記位置指示画像が、前記操作入力制限の非設定時よりも見え難くするようにできる。これにより、急運転操作時において運転者から操作の意思を無くすることができ、誤操作が生じ得ない状況を作り出すことができる。
本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している前記位置指示画像を、前記操作入力制限の非設定時よりも彩度及び明度のいずれか又は双方を増す、あるいは減ずるという色調変化により画面上において見え難くするものとできる。彩度や明度の設定変更だけで操作入力制限を容易に実現できる。また、本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している前記位置指示画像を、前記操作入力制限の非設定時において非表示とするものとしてもよい。非表示に切り替えるだけでよいので、操作入力制限を容易に設定できる。
本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している表示内容全体を、前記操作入力制限の非設定時よりも彩度及び明度のいずれか又は双方を増す、あるいは減ずるという色調変化により見え難くするものである請求項5記載の車両用操作装置。
また、本発明における操作入力制限手段は、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している表示内容全体を、前記操作入力制限の非設定時において非表示としてもよいし、前記操作入力制限の設定時に前記表示手段が表示している表示内容を、前記操作入力制限の設定時に、当該操作入力制限の非設定時とは異なるマスキング画像に切り替えて表示するものとしてもよい。これらの構成によると、非表示への切り替え、あるいは、予め用意されたマスキング画像への切り替えにより、容易に操作入力制限を設定できる。また、操作入力制限の設定時にマスキング画像を表示する場合には、当該マスキング画像上に、操作入力が受け付け不可であることを視認させる内容が描画されているとよい。
また、本発明における車室内操作部は、タッチ操作面を有した接触式操作部(タッチ操作部)とすることができる。本発明の操作入力制限は、触れるだけで入力が生じてしまうタッチパネルに対し極めて有効である。
本発明における急運転操作は複数種定めることができる。具体的には、急ハンドル操作、急減速操作、及び急加速操作のいずれか又は複数を含むよう定めることができる。なお、急運転操作は、ステアリングハンドルや、ブレーキペダル、アクセルペダル等の操作に対する予め定められた操作レベル(操作量)を超える操作と定めてもよいし、車両の前後方向や横方向に予め定められた加速レベルを超える加速変化を生じさせた運転操作と定めてもよい。
本発明においては、前記車両の予め定められた走行状態を検出する走行状態検出手段を備えて構成できる。この場合、前記操作入力制限手段は、前記予め定められた走行状態が検出され、なおかつ前記急運転操作が検出された場合に、前記操作入力制限を設定するものとできる。これにより、操作入力制限を設定する車両の走行状態を限定し、必要なシチュエーション(シーン)においてのみ、急運転操作による操作入力制限を設定するようにできる。また、複数種の急運転操作が定められている場合には、所定の走行状態に限り急運転操作と認識されて操作入力制限が設定されるように構成することもできる。急運転操作の種類によっては、操作入力制限が有効となる走行状態が異なる場合もあるから、上記の構成とすれば、無駄な操作入力制限を減じることができる。例えば、前記急運転操作毎に、対応する前記走行状態を定め、前記操作入力制限手段は、前記急運転操作が検出され、なおかつ対応する前記走行状態が検出されている場合には前記操作入力制限を設定する一方で、前記急運転操作が検出され、かつ対応する前記走行状態が検出されていない場合には前記操作入力制限を非設定とする形で構成できる。
以下、本発明の車両用操作装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の車両用操作装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の車両用操作装置1は、遠隔操作部10と表示装置20と急運転操作検出部30と外部記憶装置40とが制御部100に接続した構成を有する。
表示装置(表示手段)20は、周知のカラー表示装置(液晶ディスプレイ等)であり、タッチ操作用の操作画像(操作アイコン)を表示する操作画面を、表示画面上にて複数種、切り替える形で表示できる。本実施形態の表示装置20は、画面上に配置されるタッチパネル(タッチ操作部)22と、画面周辺に配置されるスイッチ類21と、を備える。表示装置20は、運転席2D及び助手席2Pに着座した双方の車両乗員から視認可能となるようそれらの座席2D,2Pよりも車両前方側に配置され、なおかつそれら双方の車両乗員からタッチパネル22及びスイッチ類21への操作が可能な位置に配置されている。
タッチパネル22は、表示装置20の画面上に取り付けられ、車室内に露出する主表面がタッチ操作面22a1となる形で配置される透明な操作パネル(例えば抵抗膜式タッチスイッチ)である。タッチ操作面22a1になされたタッチ操作位置を検知し、当該タッチ操作位置を反映したタッチ操作入力信号を制御部100に出力する。
遠隔操作部(車室内操作部)10は、上記表示装置20に画面表示中の操作画像等への操作入力を遠隔的に行うための補助操作部であって、表示装置20の操作部22,21への操作よりもユーザーの操作負担が小さくなるよう、これら操作部22,21よりも座席2D,2Pにより近い位置に配置される。本実施形態では、遠隔操作部10は、運転席2Dと助手席2Pに着座したユーザーが各座席2D,2Pの背もたれにもたれた着座状態のまま操作可能な位置に設けられている。より具体的にいえば、図2及び図3に示すように、車両の運転席2Dの座部2D1と助手席2Pの座部2P1との間に固定配置されている。さらにいえば、センターコンソールCBのうち座部2D1、2P1の間に挟まれる領域の車両前方側に設けられている。
図4に示すように、本実施形態の遠隔操作部10は、タッチ操作部12と押圧操作部11とを備える。また、本実施形態の遠隔操作部10は、操作する手Hを載せておくための湾曲形状をなす載置台部14を備え、載せられた手Hがその湾曲形状にフィットするようになっている。そして、載置台部14に置かれた手の指先が位置するであろう車両前方側の位置に、タッチ操作部12と押圧操作部11が配置されている。ここでは、押圧操作部11がタッチ操作部12よりも車両後方側に位置している。
押圧操作部11は、プッシュスイッチやシーソースイッチ等の接触式のスイッチ(ここでは2つのプッシュスイッチ)である。押圧操作部11に対し車両後方側に隣接する車両後方側の領域には、該操作部11への押圧操作が容易となるよう凹部13が形成されている。
タッチ操作部12は、タッチ操作面となる主表面12a1が車室内上方を臨む形で配置される操作パネル(例えば抵抗膜式タッチスイッチ:タッチパネル)12aを有し、当該操作パネル12aの主表面12a1になされたタッチ操作の操作位置(タッチ位置)を検知し、当該操作位置を反映したタッチ操作入力信号を出力する。
本実施形態においては、遠隔操作部10のタッチ操作面12a1上に定められる二次元操作座標系と、表示装置20の表示画面上に定められる二次元表示座標系との間に一義的な対応関係が予め定められており、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能である。タッチ操作面22a1にタッチ操作があった場合には、その対応関係に基づいて、当該タッチ操作がなされた位置座標に対応する、表示装置20の表示画面上の位置座標への操作入力が受け付けられる。また、同様に、表示装置20の表示画面上に定められる二次元表示座標系と、タッチパネル12aのタッチ操作面12a1上に定められる二次元操作座標系との間にも一義的な対応関係が予め定められており、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能である。従って、遠隔操作部10のタッチ操作面12a1からも、タッチパネル22のタッチ操作面22a1と同様のタッチ操作入力が可能とされている。
急運転操作検出部(急運転操作検出手段)30は、運転者Dによりなされる運転操作のうち、車両の走行状態を急変させる予め定められた急運転操作を検出するものであり、ここでは急ハンドル操作、急減速操作、急加速操作のいずれか又は複数を検出する。急ハンドル操作を検出する急運転操作検出部30は、ステアリングホイール23の操舵角度を検出する回転センサであり、その検出結果が入力される制御部100において、その単位時間当りの角度変化量が予め定められた基準値(例えば90°)を上回ると判定された場合を、急ハンドル操作として検知する。また、急減速操作や急加速操作を検出する急運転操作検出部30は、ブレーキペダルやアクセルペダルへの踏力や踏下ストロークを検出するセンサ(例えば周知の荷重センサやストロークセンサ)であり、その検出結果が入力される制御部100において、その単位時間当りの角度変化量が予め定められた基準値を上回ると判定された場合を、急減速操作や急加速操作として検知する。
なお、急運転操作検出部30として車体の前後方向や横方向の加速度を検出する加速度センサを設け、その検出結果が入力される制御部100において、検出された加速度が、それぞれに定められている基準加速度を越えたと判定された場合を、急減速操作、急加速操作、急ハンドル操作として検知するようにしてもよい。
制御部100は、図示しないCPU,ROM,RAM等を有した周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROMや外部記憶装置40等の記憶部に記憶されたプログラムをCPUが実行する形で、各種の制御を実施する。また、図示しないLAN I/F及び車載LANを介して、外部(他のECU等)からのデータ取り込みも可能であるし、他の制御部(ECU等)の制御対象を駆動制御するための制御信号を、対応する制御部に送信して、各種車載電子機器の機器機能を実行させることもできる。例えば、ナビゲーション機能や、車両空調機能、パワーウィンドウ機能、オーディオ機能等の車載機器機能を実行させることができる。
制御部100は、操作部21、22、11、12aから受信する操作入力信号に基づいて、対応する制御を実行する制御実行手段として機能する。タッチ操作面12a1,22a1にタッチ操作がなされた場合には、タッチ操作入力信号が制御部100に入力され、これを受けた制御部100は、当該信号に含まれる操作位置情報(タッチ位置情報)に基づいてタッチ位置座標を特定し、さらに、特定された当該位置座標に対応する、表示装置20の表示画面上の位置座標に操作画像(操作アイコン)160Iがある場合には、当該操作画像160Iに対応する制御内容を実行する制御信号を出力する。
なお、制御部100のROMや外部記憶装置40等の記憶部には、各種画面を表示するための画像データ(背景画像160Bや、それに重なるあるいは合成される操作画像160I等のデータ)が記憶されている。制御部100は、これらの画像データを必要なタイミングで読み出し、画像解析部100aにて表示すべき画面の画像データに加工して、表示装置20に出力し、表示させる。
ところで、本実施形態の制御部100は、少なくとも急運転操作検出部30により急運転操作が検出されている期間の間は、車室内操作部に対し操作入力制限を設定する操作入力制限手段として機能する。具体的には、図5に示すような操作入力制限処理を実行する。ここでの操作入力制限処理は、急運転操作が検出されている期間の間は、運転席に対応する車室内操作部に対し操作入力制限を設定する処理を例示している。
図5のS1では、制御部100が、急運転操作があったか否かを判定する。ここでは、図6に示す急運転操作判定処理を実施する。即ち、まずは、急ハンドル、急加速、急減速のいずれかの急運転操作がなされたか否かを、急運転操作検出部30の検出結果に基づいて判定し(S91〜S93)、これら急運転操作のうちいずれかが検出された場合は急運転操作ありと判定する(S94)。他方、これらの急運転操作がいずれも検出されていない場合は急運転操作なしと判定する(S95)。図5のS1では、この判定結果に基づいて、制御部100が急運転操作の有無を判定し、急運転操作が無いと判定された場合はS5に進み、操作入力制限を解除状態として本処理を終了する。他方、急運転操作があったと判定された場合はS2に進み、操作入力制限を設定する。
S2にて操作入力制限が設定された場合にはS3に進み、制御部100が、急運転操作が解除されたか否かを判定する。これも図6に示す急運転操作判定処理を実施し、その判定結果に基づいて急運転操作の解除の有無を判定する。急運転操作が解除された場合(急運転操作なしと判定された場合)にはS5に進み、操作入力制限を解除状態として本処理を終了する。他方、急運転操作の解除がないと判定された場合(急運転操作ありと判定された場合)はS4に進み、操作入力制限を継続設定しつつ、再度、図6に示す急運転操作判定処理よる急運転操作の有無の判定を実施する。これらS3及びS4は、急運転操作が解除されたと判定される(S3:Yes)、あるいは急運転操作がなされたと判定される(S4:Yes)まで繰り返し実施され、急運転操作が新たになされたと判定された場合にはS2に戻り、急運転操作が解除されたと判定された場合にはS5に進んで、操作入力制限を解除し、本処理を終了する。なお、本処理は、所定周期にて繰り返し実施されるものとする。
本実施形態の車両用操作装置1において設定される操作入力制限は、遠隔操作部10の操作入力を無効化する制限である。このため、急運転操作時には、遠隔操作部10への操作がなされてもその操作による入力が無効化され、当該入力に対応する制御が実施されない。なお、本実施形態における操作入力制限は、操作入力の無効化という形でなされているが、本発明における操作入力制限には、車室内操作部からの操作入力信号を受け付けなくする、操作入力信号の出力を禁止する、操作入力信号を出力され難くする、操作入力をし難くするという制限等を含む。
次に、本実施形態の車両用操作装置1について詳説する。
本実施形態の遠隔操作部10のタッチ操作部12は、図10に示すように、車室内において車両上方に臨む開口12hを有した中空の筐体12pの該開口12hに操作パネル12aが嵌め込まれてなり、その表面12a1がタッチ操作面(遠隔タッチ操作面)とされている。開口12hを形成する筐体開口周辺部12fの外縁からは、後方に向けて筒状の周壁部12eが設けられており、その後端部が回路基板12kに固定されている。この筐体12pは、車室内のセンターコンソールCBの所定位置に固定配置されており、筐体内部にカメラ12b及び光源12cが配置されている。
光源12cは、透光性を有する操作パネル12aを裏面12a2から表面12a1に透過させる形で光を照射する。光源12cからの光(照射光)は、タッチ操作面12a1を被うように位置する接近対象物(例えば手等)が存在しない限り、該タッチ操作面12a1から外に通過していくが、該タッチ操作面12a1に対向する形で接近した接近対象物Hが存在する場合には、当該接近対象物Hに反射して、その光(反射光)の一部は裏面12a2側に戻り、カメラ12bに捉えられる。
カメラ12bは、光源12cから照射された光が接近対象物(例えば手)Hにて反射した反射光を捉える形で、当該接近対象物Hを操作パネル12aの裏面12a2側から撮影するものであり、タッチ操作面12a1に近接対向する手、即ち、タッチ操作部12を操作する手を検出する操作手検出部(タッチ操作手検出手段)として機能するものである。カメラ12bは、予め定められた撮影範囲を撮影するよう車体側に固定されており、その撮影画像は制御部100に入力され、画像解析部100aによる解析処理に基づいて手の存在が判定される(操作手特定手段)。なお、ここでのカメラ12bは、反射部材12rの反射面を撮影しており、当該反射面に映し出される画像(反射画像)に上記撮影範囲が含まれるよう各々が配置されている。反射部材12rが無い場合は、当該撮影範囲をカメラ12bにより直接撮影する形となるが、この場合、撮影した画像に左右反転処理を施す必要がある。
本実施形態のカメラ12bは、操作パネル12aの表面12a1に対向する形で接近する接近対象物を撮影する接近対象物撮影手段として機能するものであり、接近対象物に手が含まれることを考慮すれば、その手の画像を撮影する手画像撮影手段として機能しているともいえる。
制御部100は、遠隔操作部10をなすタッチ操作部12を操作する手Hがタッチ操作面12a1に対向する場合には、その手Hが位置指示しているタッチ操作面12a1上の位置(その手Hが対向しているタッチ操作面12a1上の位置)に対応する、表示装置20の画面上の位置を位置指示するべく当該位置に、予め定められた位置指示画像160Hを表示させる。
位置指示画像160Hとは、タッチ操作部12を操作する手の指が指示しているタッチ操作面12a1上の位置に対応する、表示装置20の画面位置を示すための画像である。ここでは、図8及び図9の(b)に示すようなカメラ12bによる撮影画像から二値化して抽出された手画像150Hに基づいて、図8及び図9の(c)に示すような、少なくとも手画像150Hの輪郭(外形形状)が表示される位置指示画像160Hを、背景画像160Bが半透過状態で視認できるような状態で表示する。操作パネル12aに対向する手・指が移動すると、これに合わせて、表示装置20の表示画面に表示される位置指示画像(加工画像)160Hの表示位置も移動する。
図8及び図9は、操作パネル12aの表面12a1に対向する手(指)Hの撮影及び表示の一例を説明する図である。各図の(a)は、操作パネル12aと、その表面12a1に対向する手の状態(指の状態)を示しており、各図の(b)は、(a)の状態の手(指)をカメラ12bにて撮影した映像150であり、操作パネル12a全体を撮影領域として撮影された画像である。ただし、この(b)の映像150は、撮影後にその映像を左右反転・2値化したものである。(b)において、符号150Hは接近対象物Hが映った領域、符号150Bは何も映らなかった領域である。各図の(c)は、(b)の映像150が撮影されているときの、表示装置20における画面表示の一例である。図8の(c)に示す表示画面は、メイン画像160B1として50音入力画面が表示されている。他方、図9の(c)に示す表示画面は、メイン画像160B2としてナビゲーション装置において表示される地図画面(地図操作用画像)が表示されている。
ここで、本実施形態における位置指示画像の表示処理を、図7を用いて説明する。制御部100は、当該処理を実施することにより位置指示画像表示手段として機能する。
まず、S101に示すように、制御部100が、タッチ操作面(遠隔操作面)12a1の手前側(ここではカメラ12bの逆側)にて、当該タッチ操作面12a1に対向する手の指を特定する(指特定ステップ)。ここでは、カメラ12bの撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいて、操作者の手指の画像を取得する。カメラ12bは、タッチ操作面(表面)12a1側に接近する接近対象物(例えば運転者等の操作者の手)Hを常時撮影しており(撮影ステップ)、その撮影画像は常に制御回路18の画像処理部18aに入力される。タッチ操作面12a1と対面する位置に接近対象物Hが進入してくると、当然その接近対象物Hを含む撮影画像150が画像処理部18aに入力される。入力された撮影画像150は、画像処理部18aにて公知の画像解析手法によって解析され、色や輝度等の相違等に基づいて接近対象物画像150Hが抽出される。そして、抽出された接近対象物画像150Hの形状に基づいて、当該接近対象物画像150Hに、人の手指の画像が含まれるか否かを判定する。なお、手指の画像の認識は、抽出された接近対象物画像150Hの全体形状から、所定長さ以上の軸線を有する略直線的な棒状の画像パターンを識別して、当該棒状の画像パターンがあった場合に、これを手指の画像として認識する。判定結果は制御部100に出力される。手指の画像が認識されたと判定された場合にはS102に進み、判定されなければ本処理を終了する。
S102では、制御部100が、認識した手指の画像150Hから指先を検出する。指先の検出は、特定された手指の画像150Hから指の先端部を特定する形で行う(指先特定ステップ)。例えば湾曲して表れる指先の輪郭を抽出・平滑化した上でその曲率中心を算出し、この位置を指の先端部(指先位置)として定めることができる。なお、指先Qの特定方法は他の方法であってもよい。なお、S101とS102は、それぞれ指特定処理と指先特定処理を行うステップであるが、これらを同時に実行してもよい。即ち、指画像から指先を特定するのではなく、カメラ12bによって撮影された撮影画像から直接指先を特定し、特定された指先をそのまま表示する処理としてもよい。これにより処理が簡略化される。
S103では、現在画面表示している画像に、S102にて検出された指先の指示位置に位置指示画像160Hを重ねるあるいは合成して、表示画像160を生成する。ここでは、図8及び図9に示すように、S102にて検出された指先の画像150Hを、輪郭を明示しつつ輪郭内部を半透過状態とする指形状反映画像160Hを位置指示画像として生成し、背景となる画像160B上に重ねるあるいは合成して、S104にて、生成された画像データを表示装置20に出力し、表示させる。この図7の処理は、終了後も所定周期にて繰り返し実施される。
なお、位置指示画像160Hは、必ずしも撮影された手形状・指形状の輪郭を反映していなくともよく、少なくとも撮影された手(指先)が指し示す位置(タッチ操作面12a1の対向位置)を指示する画像であればよい。位置指示画像160Hとして、カメラ12bにより撮影された手の画像(ないし指の画像)150Hを加工せずにそのまま表示(重畳表示や合成表示)することもできるが、これと重なる位置に表示されるメイン画像160Bの一部が見えなくなること等を考慮すると、より操作がし易くなるよう、背景となる画像が視認できるような加工(例えば半透過合成等)を施しておいた方がより望ましい。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。なお、共通する構成については、同符号を用いることで説明を略する。
(第二実施形態)
第一実施形態においては、急運転操作が検出されるに伴いその検出期間中に上記操作入力制限を設定しているが、当該急運転操作が検出されなくなった後も予め定められた期間の間は、操作入力制限を継続設定することができる。例えば、図5に示す操作入力制限処理を、図11のようにすることができる。
即ち、S11にて、制御部100が、急運転操作があったか否かを判定する。この判定は、図6に示す急運転操作判定処理の判定結果に基づいてなされる。急運転操作が無いと判定された場合はS16に進み、操作入力制限を解除状態として本処理を終了する。他方、急運転操作があったと判定された場合はS12に進み、操作入力制限を設定する。
S12にて操作入力制限を設定した場合にはS13に進み、急運転操作が解除されたか否かを判定する。これも図6に示す急運転操作判定処理の判定結果に基づいて判定する。急運転操作が解除された場合(急運転操作なしと判定された場合)にはS14に進み、操作入力制限を継続しつつ、急運転操作が解除されてから予め定められた期間が経過したか否かを判定する。S13の急運転操作の解除に伴い制御部100が自身のタイマー機能を起動して時間カウントを開始し、予め定められた時間が経過したか否かにより判定する。予め定められた期間が経過した場合にはS16に進み、操作入力制限を解除状態として本処理を終了する。他方、予め定められた時間が経過していない場合にはS15に進み、操作入力制限を継続しつつ、再度、図6に示す急運転操作判定処理の判定結果に基づき急運転操作の有無の判定を実施する。急運転操作がなされたと判定された場合にはS12に戻り、再度操作入力制限を設定する。他方、急運転操作がされていないと判定された場合にはS14に戻る。この処理も、所定周期にて繰り返し実施される。
(第三実施形態)
第一実施形態においては、遠隔操作部10への操作入力を無効化する操作入力制限が設定され、操作入力に対応する制御が実施されないよう構成されているが、本発明における操作入力制限は、操作入力の無効化だけでなく、操作を行う意識を削ぐために、操作を妨げるための制限制御を実施するものであってもよい。
例えば、上記した実施形態の車両用操作装置1は、遠隔操作部10のタッチ操作部12に対向する形で、そのタッチ操作面12a1を位置指示している手(指先)の指示位置を、表示装置20の画面上の対応する位置に示すことにより、操作性のよいものとしているので、操作入力制限として、この画面表示を見え難くする表示制限を実施してもよい。なお、操作入力制限として表示制限を実施する場合、操作入力の無効化も同時に実施される方が望ましい。以下、表示制限時における画面表示例を説明する。
図12及び図13は、上記表示制限の一例を示す図である。ここでは、操作入力制限の非設定時において図8や図9のように表示される位置指示画像160Hを、操作入力制限が設定されるに伴いそれらよりも見え難くする表示制限が実行されている。図12では、位置指示画像160Hを全て消去している。つまり、重ね表示や合成処理を実施していない状態の背景画像をそのまま表示している。図13では、位置指示画像160Hの彩度及び明度のいずれか又は双方を増す色調変化(ここでは明度を増している:背景が暗い場合には明度を減じてもよい)により見え難くしている。さらに、図13では、位置指示画像160Hの輪郭線も見え難く(ここでは非表示)なっている。
図14及び図15も、上記表示制限の一例を示す図である。ここでは、操作入力制限の非設定時において図8や図9のように表示される操作画像160Iを、操作入力制限が設定されるに伴いそれらよりも見え難くする表示制限が実行されている。図14では、操作画像160Iを画面上から全て消去している。図15では、操作画像160Iの彩度及び明度のいずれか又は双方を増す色調変化(ここでは明度を増している。背景が暗い場合には明度を減じてもよい)により見え難くしている。さらに、操作画像160Iの輪郭線を見え難く(例えば非表示等)としてもよい。なお、図14及び図15においては、位置指示画像160Hも非表示としている。
図16〜図18も、上記表示制限の一例を示す図である。ここでは、操作入力制限の非設定時において図8や図9のように表示される表示画面160の表示画像全て(表示画面全体)を、操作入力制限が設定されるに伴いそれらよりも見え難くする表示制限が実行されている。図16では、表示画面160の表示内容全体(表示画像全て:表示画面全体)を、彩度及び明度のいずれか又は双方を減じる色調変化(ここでは明度を減じている)により見え難くしている。図17では、表示画面160の表示内容全体を、彩度及び明度のいずれか又は双方を増す色調変化(ここでは明度を増している)により見え難くしている。図18では、表示画面160の表示内容全体を消して、非表示としている。
図19も、上記表示制限の一例を示す図である。ここでは、操作入力制限の非設定時において図8や図9のように表示される表示画面160の表示内容全体(表示画像全て:表示画面全体)を、操作入力制限が設定されるに伴いその表示内容とは全く異なる表示内容のマスキング画像160B3を表示している。このマスキング画像上には、操作画像160Iは一切表示されていない。位置指示画像160Hも表示されないようにしてもよい。
また、上記した表示制限例においては、操作入力制限が設定されるに伴い表示される画面に、操作入力が受け付け不可であることを示す表示、及び画面操作ではなく運転操作に注意を払うことを促す表示等が描画されているとよい(例えば図19の符号160z)。
(第四実施形態)
第一実施形態においては、急運転操作が検出されるに伴い上記のような操作入力制限が設定されるが、操作入力制限が設定されるシチュエーションを限定してもよい。即ち、予め定められた車両走行状態においてのみ、上記のような操作入力制限が設定されるようにしてもよい。なお、予め定められた車両走行状態としては、車両の走行中(車速が0km/hを上回っている場合や、シフトポジションがパーキングポジションとは異なる位置にある場合)や、予め定められた車速を上回る高速走行中(例えば70km/h以上)を定めることができる。
具体的には、予め定められた車両走行状態を検出する走行状態検出部(走行状態検出手段)31をなすシフトポジションセンサや車速センサを制御部100に接続し、制御部100に実施される図5に示す操作入力制限処理を、図20のようにして実施することにより実現できる。即ち、S20にて、制御部100が、シフトポジションセンサや車速センサといった走行状態検出部から入力される検出結果に基づいて、予め定められた車両走行状態にあるか否かを判定する。当該車両走行状態にあると判定された場合にはS21に進み、S21以降の処理を実施する。S21以降の処理は、図11の処理と同様であるため説明を略する。他方、S20にて、当該車両走行状態に無いと判定された場合はS26に進み、操作入力制限を解除状態として本処理を終了する。
また、第一実施形態のごとく、急運転操作が複数存在する場合には、急運転操作の種類毎に、操作入力制限が設定される車両走行状態(シチュエーション)を設定してもよい。この場合、操作入力制限設定処理を図5や図11の処理とし、図6の急運転操作判定処理に代わって図21の処理を実施するようにする。図21に示す急運転操作判定処理では、車両が所定の中低速走行中である場合に(S81:No+S82:No)急加速操作又は急減速操作がなされたとき(S84 or S85:Yes)と、車両が所定の高速走行中である場合に(S81:No+S82:Yes)急ハンドル操作がなされたときに(S83:Yes)、急運転操作がなされたと判定する(S87)。この場合、車両が停車状態にある場合には(S81:Yes)、常に急運転操作がなされていないと判定される(S86)。
他の実施形態について説明する。
上記実施形態においては、遠隔操作部10(11,12)に対し操作入力制限がなされているが、触れただけで入力がなされるタッチ操作部12のみに操作入力制限が設定されるようにしてもよい。また、遠隔操作部10をタッチ操作部12のみとしてもよい。
上記実施形態においては、車室内に設けられた1つの遠隔操作部10に対して操作入力制限を設定するよう構成されている。この遠隔操作部10は、前席(運転席及び助手席)に対応する操作部であるが、別の座席に対応する操作部がある場合には、当該操作部に対しても同様の操作入力制限を設定することができる。例えば、図22に示すように、前席の遠隔操作部10Aと、これと同様の操作機能を有した遠隔操作部10Bが設けた構成において、急運転操作が検出された場合に、前席と後席の遠隔操作部10A,10Bに対し一括して、同様の操作入力制限(既に述べた操作入力制限)を設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、遠隔操作部10は、運転席及び助手席から操作可能な位置に設けられた操作部とされているが、他の座席から位置に設けられた操作部としてもよいし、運転席及び助手席の一方からのみ操作可能な位置に設けられた操作部であってもよい。
上記実施形態において、表示装置20に設けられたタッチパネル22や他のスイッチ類21は本発明に必須の構成ではない。このため、本発明における表示装置20は、図2及び図3に示すようなセンターコンソールCB内に配置されるものに限られず、例えばフロントガラスFG下縁よりも上方に設置されるものであってもよい。具体的には、車両のフロントガラスFGに、上述の画像・データを表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)や、ステアリングホイール23の車両前方側の奥に位置するメーター表示装置等を例示することもできる。
また、上記実施形態において、遠隔操作部10にはタッチ操作部12として抵抗膜式のタッチパネルが設けられているが、他の方式のタッチパネルでもよい。例えば、操作パネル12aとして、タッチ操作の位置検出を、カメラ12b等の撮影手段により撮影された撮影画像への画像処理により行うものを、タッチパネルに代わって採用してもよい。具体的にいえば、操作パネル12aを、表面12a1がタッチ操作面をなす透光性を有したパネルとし、この操作パネル12aにタッチ操作面12a1側から接近する接近対象物に予め定められた波長帯の光を、当該操作パネル12aを介して照射する光源12cを設ける。そして、撮影手段をなすカメラ12bを、少なくともその光源12cから照射された光が接近対象物にて反射した反射光を捉える形で、当該接近対象物を操作パネル12a1の裏面12a2側から撮影する撮影手段とする。さらに、図23に示すように、制御部100を、このカメラ12bにより撮影された画像170H上において、反射光の強度が予め定められた閾強度を上回る光反射領域171Hを特定する光反射領域特定手段として機能させるとともに、特定されたこの光反射領域171Hの位置を特定して、その位置に対応するタッチ入力を受け付ける入力受付手段としても機能させるように構成する。なお、画像170Hは、上記の画像150のような2値化処理が施されたものではなく、撮影されたままの画像であり、領域全体に様々な輝度レベルの違いを有している。操作パネル12aに手が接触している領域は、他の領域に比べて反射光強度が格段に高くなるから、これにより、操作パネル12aへの操作の有無を、さらには操作された位置を特定することができる。
この構成によると、カメラ12bの撮影画像に予め定められた閾強度を上回る光反射領域171Hが特定された場合に、その特定された領域にタッチ操作入力があったと判定して入力が受け付けられる。つまり、カメラ12bの撮影画像は、上記した実施形態と同様の、操作する手の検出や、位置指示画像の表示に利用されるだけでなく、上記光反射領域171Hの有無判定や、上記光反射領域171Hの位置(操作位置)の特定にも利用される構成となっている。また、この場合、特定された光反射領域171Hの面積が予め定められた閾面積を上回った場合に限り、当該光反射領域171Hへのタッチ操作入力を受け付けるようにすることもできる。
また、上記実施形態における制御部100は、例えば車載ナビゲーション装置の制御部に兼用させることができる。図24は、その車載ナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図である。図24に示すように、ナビゲーション装置50は、車両の現在位置を検出する位置検出器56と、運転者等の操作者からの各種指示を入力するための操作部51と、地図表示画面やTV(Television)画面等の各種表示を行うための表示装置52と、各種のガイド音声等を出力したり運転者等の操作者の音声を入力したりするための音声入出力装置53と、ナビゲーション機能に必要となる地図データや車両情報等の各種情報を記憶するためのハードディスク記憶装置(外部記憶装置)54と、車両情報の授受を行うための車両I/F(Interface)部55と、これら51〜55と接続する制御部59とを備えている。位置検出器56は、GPS受信機、ジャイロスコープ、距離センサ、地磁気センサとを備えた周知のものである。
制御部59は、図示しない周知のCPU,ROM,RAM,I/O(Input/Output)およびこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等の記憶部に記憶されたナビプログラムを実行することにより、位置検出器56からの各検出信号や記憶装置54が記憶する各種データに基づいて、現在位置の算出、地図表示処理、目的地設定、経路計算、経路案内処理等の周知のナビゲーション機能を実行する。
制御部59は、ROM等の記憶部に記憶された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述した各種処理(位置指示画像表示処理、操作入力制限設定処理、急運転操作判定処理)を実施する。この制御部59は、既に述べた実施形態(図1)の制御部100と同様に機能する。また、操作部51及び表示装置52も、既に述べた実施形態(図1)と同様に機能する。つまり、本発明の車両用操作装置はナビゲーション装置50の操作装置として適用可能であり、ここでは図1の操作装置1が図24のナビゲーション装置50の操作装置として適用されている。
また、上記実施形態においては、位置指示画像160Hとして、カメラ12bに撮影された手(指)の輪郭形状をそのまま反映させた加工画像(実指画像)160Hを表示しているが、図26に示すように、撮影された手の指先Qが映った位置(撮影された指の指示位置)に、指形状とは全く異なる形状の指先位置画像160H(ポインタ160H2)を表示してもよい。ここでは、撮影された指の指先Qが、表示画面上のどの位置に対向するのかを特定して、特定された画面位置にポインタ等の所定の位置指示画像160H2を表示している。また、位置指示画像160Hとして、図25に示すように、撮影された指の長さ方向F及び指先Qを簡略的に示す擬似指画像(ここでは棒状の画像)160H1等を表示してもよい。