JP5200663B2 - 非空気式タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、非空気式タイヤに関し、さらに詳しくは、マテリアルリサイクル性を向上させるようにした非空気式タイヤに関する。
近年、地球環境を保護する観点から、空気入りタイヤをリサイクルすることが求められている。リサイクル方法としては、使用済みのタイヤを燃料として利用するサーマルリサイクルと、タイヤの原材料として再利用するマテリアルリサイクルがあるが、二酸化炭素の排出量を削減する観点からは、後者のマテリアルリサイクルの方が望ましい。しかし、使用済みのタイヤやチューブから回収された再生粉末ゴムや脱硫処理を施した再生ゴムは、これらを新しいゴム原料中に配合すると、ゴム強度等が低下するため、新ゴム材料だけからなるタイヤに比べてタイヤ性能が劣るという問題があった。
一方、自転車や車いすなどの軽量車両に用いられるタイヤには、路面からの衝撃吸収機能や荷重支持機能等を満足させるため、圧縮空気を充填したチューブ式の空気入りタイヤが使用されている。これら空気入りタイヤはパンクしたときの修理や管理が面倒なため、これら保守管理に手間のかからないようにした非空気式タイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような非空気式タイヤはゴムの使用量が多いため、これを寿命毎に廃棄していると地球環境に対する負荷は大きく、そのため上述した地球環境保護の観点から、リサイクル性を高くすることが一層重要である。しかしながら、この非空気式タイヤは、構成が複雑で、材料としてスチールコード等のリサイクルが困難なものを多く含んでいて、ゴムなどのリサイクルしたい材料分別が難しいこと、またゴム成分をマテリアルリサイクルしても、十分な物性が得られないことという問題があった。
特開2003−226105号公報
本発明の目的は、マテリアルリサイクル性を向上させるようにした非空気式タイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の非空気式タイヤは、環状のベース部とそのベース部の外周側に貼り付けたトレッド部を備えた非空気式タイヤであり、前記ベース部及びトレッド部の少なくとも一方の材料が、カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖若しくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物から構成され、かつ前記ベース部及びトレッド部を構成する材料の100℃での破断強度が互いに異なると共に、その低い方の破断強度が高い方の破断強度に対する比が7/10以下であることを特徴とする。
前記トレッド部及び/又はベース部を、熱可逆架橋エラストマー組成物により構成することが好ましい。前記ベース部とトレッド部との間に中間層を配置するようにした場合には、この中間層を熱可逆架橋エラストマー組成物により構成することもできる。また、前記トレッド部の内周側の一部にタイヤ幅方向に延長する帯状体を配置し、その端部を外側に露出させるようにするとよい。
前記熱可逆架橋エラストマー組成物は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むとよい。前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、オレフィン系樹脂はポリプロピレンであり、スチレン系エラストマーは水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であることが好ましい。また、熱可逆架橋エラストマー組成物の組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合するとよい。
本発明の非空気式タイヤは、軽量車両用に好適に使用することができる。
本発明の非空気式タイヤは、環状のベース部とそのベース部の外周側に貼り付けたトレッド部を備えた非空気式タイヤであり、ベース部とトレッド部の少なくとも一方の材料がが熱可逆架橋エラストマー組成物から構成されており、これらベース部とトレッド部を構成するそれぞれの材料の100℃での破断強度が互いに異なると共に、低い方の破断強度が高い方の破断強度に対する比を7/10以下であるようにしたので、非空気式タイヤをリサイクルする際には、単に加熱するだけで熱可逆架橋エラストマー組成物の架橋が簡単に外れるため、ベース部とトレッド部とを容易に分離することができる。また、熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融成形により、物性を低下させないで新たな部材に成形することができ、マテリアルリサイクルが可能でありリサイクル性を向上することができる。
図1は、本発明の非空気式タイヤの実施形態の一例をタイヤ子午線方向に切断したときの斜視図である。
図1において、非空気式タイヤ1は、環状のベース部3とその外周側に貼り付けたトレッド部2とから構成される。ベース部3の側面には、溝部4がタイヤ一周にわたり形成され、ホイールのリムに勘合するようになっている。図示の例では、ベース部3は中実の環状体であるが、中空状にし衝撃吸収機能を高くしてもよい。また、ベース部3とトレッド部2との間に中間層を設けてもよい。
本発明の非空気式タイヤは、ベース部3及びトレッド部2の少なくとも一方の材料が熱可逆架橋エラストマー組成物から構成される。すなわち、ベース部、トレッド部のいずれか又はベース部とトレッド部の両方を熱可逆架橋エラストマー組成物で構成する。また、ベース部とトレッド部との間に中間層を配置するときは、この中間層を熱可逆架橋エラストマー組成物により構成することもできる。熱可逆架橋エラストマー組成物以外にベース部又はトレッド部を構成する材料としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー又はこれらのブレンド物を使用することができる。
本発明において、ベース部3とトレッド部2を構成するそれぞれの材料は、100℃での破断強度が互いに異なるようにする。同時に、ベース部とトレッド部とを構成するそれぞれの材料は、100℃の破断強度が低い方の破断強度が高い方の破断強度に対する比を7/10以下、好ましくは3/10〜5/10にする。例えば、トレッド部とベース部との両方を熱可逆架橋エラストマー組成物で構成するときは、100℃の破断強度が低い方の破断強度が高い方の破断強度に対する比を7/10以下にする。また、トレッド部を熱可逆架橋エラストマー組成物で構成し、ベース部を熱可塑性樹脂で構成し、熱可逆架橋エラストマー組成物の破断強度が熱可塑性樹脂の破断強度より低い場合は、100℃の破断強度が低い方(熱可逆架橋エラストマー組成物)の破断強度が、高い方(熱可塑性樹脂)の破断強度に対する比を7/10以下にする。このように熱可逆架橋エラストマー組成物とこれに隣接する構成部材との100℃の破断強度比を7/10以下にすることにより、非空気式タイヤを単に加熱して外力を加えることにより、図2に示すように、トレッド部3とベース部2との界面で容易に剥離することができる。ここで、100℃の破断強度は、JIS K6251に準拠し、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で引張り試験を行なったときの破断強度とする。
本発明において、トレッド部を構成する材料の破断強度は、べース部を構成する材料の破断強度よりも小さくすることが好ましく、非空気式タイヤの荷重支持機能をより高くすることができる。ベース部とトレッド部との間に中間層を配置する場合には、この中間層の破断強度をべース部とトレッド部の中間の破断強度にするとよい。
また、トレッド部を構成する材料のゴム硬度は、べース部を構成する材料のゴム硬度よりも小さくすることが好ましく、非空気式タイヤの路面からの衝撃吸収機能を高くすることができる。ベース部とトレッド部との間に中間層を配置する場合には、この中間層のゴム硬度をべース部とトレッド部の中間のゴム硬度にするとよい。
リサイクル時の加熱温度は、熱可逆架橋エラストマー組成物の軟化点より低い温度であり、後述する水素結合性架橋部位若しくは水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位の架橋が外れる温度であればよく、例えば、180〜230℃にすればよい。このような温度に加熱し、外力を加えることにより、容易にべース部とトレッド部とを剥離し、リサイクルすることができる。
本発明の非空気式タイヤは、トレッド部が摩耗し使用限界になったとき或いはベース部が破損したときに、オーブン等の加熱装置で加熱し、外力を加えトレッド部を剥離する。トレッド部、ベース部を構成していた熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融成形により新しい部材としてマテリアルリサイクルすることができる。また、ベース部に損傷がなければ、ベース部をそのまま使用して新しいトレッド部を加熱し圧着することにより容易にリトレッドすることができる。
本発明の非空気式タイヤは、ベース部とトレッド部の両方を熱可逆架橋エラストマー組成物により構成することで、リサイクル性を向上することに加え、製造方法も容易になる。すなわち、所定形状の開口部を有するダイから、ベース部とトレッド部を構成するそれぞれの熱可逆架橋エラストマー組成物の軟化点以上の温度で共押出成形し、冷却することによりベース部とトレッド部に相当する押出成形体を成形・架橋する。次に、この押出成形体を所定の長さに切断し、両方の端部の端面を加熱・圧着し冷却することにより、環状の非空気式タイヤを容易に製造することができる。
図3は、本発明の非空気式タイヤの他の実施形態を例示するタイヤ子午線方向に分割したときの斜視図である。
図3において、トレッド部2の内周側の一部にタイヤ幅方向に延長する帯状体5を配置し、その端部を非空気式タイヤ1の外側に露出させている。このように、帯状体5を配置することにより、非空気式タイヤを加熱した後に、外側に露出した帯状体5の端部を引張ることに、トレッド部2とベース部3の界面に外力を加え剥離する切っ掛けにすることができる。このような帯状体としては、特に制限されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂製フィルム、有機繊維コード、スチールコード等を例示することができる。
本発明の非空気式タイヤに使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融成形が可能であり、かつ常温では架橋しているが加熱により脱架橋する特性をもち、この架橋と脱架橋を繰り返し行なうことができる。この熱可逆架橋エラストマー組成物は、カルボニル含有基及び含窒素複素環からなる水素結合性架橋部位を含有する側鎖若しくは水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有し、水素結合若しくは水素結合と共有結合により架橋部位が形成される。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、熱可逆架橋ポリマーを含むものである。熱可逆架橋ポリマーは、天然高分子、合成高分子から選ばれる主鎖を含み、水素結合性架橋部位を含有する側鎖若しくは水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を含有する。
天然又は合成高分子としては、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、ジエン系ゴムのいずれでもよい。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが例示される。これらのジエン系ゴムは、水素添加物であってもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが例示される。オレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)等が例示される。スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS、SBSの水素添加物)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)等が例示される。
カルボニル含有基及び含窒素複素環からなる水素結合性架橋部位は、カルボニル含有基が有するカルボニル基と、含窒素複素環が有するアミノ基とが水素結合を形成する。含窒素複素環は、架橋剤として含窒素複素環含有化合物を加えることにより配合してもよい。水素結合性架橋部位を構成するカルボニル含有基としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミド基が挙げられる。
カルボニル含有基を導入しうる化合物としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、スクシン酸、グルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−フェニレンジ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−アミノ安息香酸、メルカプト酢酸等のカルボン酸;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物;マレイン酸エステル、マロン酸エステル、スクシン酸エステル、グルタル酸エステル、エチルアセテート等の脂肪族エステル;フタル酸エステル、イソフタル酸エステル、テレフタル酸エステル、エチル−m−アミノベンゾエート、メチル−p−ヒドロキシベンゾエート等の芳香族エステル;キノン、アントラキノン、ナフトキノン等のケトン;グリシン、トリシン、ビシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、スレオニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、プロリン、N−(p−アミノベンゾイル)−β−アラニン等のアミノ酸;マレインアミド、マレインアミド酸(マレインモノアミド)、コハク酸モノアミド、5−ヒドロキシバレラミド、N−アセチルエタノールアミン、N,N´−ヘキサメチレンビスアセトアミド、マロンアミド、シクロセリン、4−アセトアミドフェノール、p−アセトアミド安息香酸等のアミド類;マレインイミド、スクシンイミド等のイミド類が例示される。
カルボニル含有基を導入する化合物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸等の環状酸無水物が好ましく、なかでも無水マレイン酸が好ましい。
また、含窒素複素環は、複素環内に水素結合性のアミノ基を含むかまたは発生する構造であればよく、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。含窒素複素環は、好ましくは5員環又は6員環であるとよい。含窒素複素環としては、例えば、ピロロリン、ピロリドン、オキシインドール(2−オキシインドール)、インドキシル(3−オキシインドール)、ジオキシインドール、イサチン、インドリル、フタルイミジン、β−イソインジゴ、モノポルフィリン、ジポルフィリン、トリポルフィリン、アザポルフィリン、フタロシアニン、ヘモグロビン、ウロポルフィリン、クロロフィル、フィロエリトリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン、イミダゾロン、イミダゾリドン、ヒダントイン、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリドン、インダゾール、ピリドインドール、プリン、シンノリン、ピロール、ピロリン、インドール、インドリン、オキシルインドール、カルバゾール、フェノチアジン、インドレニン、イソインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、フェナントロリン、オキサジン、ベンゾオキサジン、フタラジン、プテリジン、ピラジン、フェナジン、テトラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、アントラニル、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、アントラゾリン、ナフチリジン、チアジン、ピリダジン、ピリミジン、キナゾリン、キノキサリン、トリアジン、ヒスチジン、トリアゾリジン、メラミン、アデニン、グアニン、チミン、シトシンが例示される。
また、含窒素複素環を含む化合物としては、例えば、ジピリジル、エチレンジピリジル、トリメチレンジピリジル、ジピリジルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−ベンズイミダゾールウレア、ピロール−2−カルボン酸、3−メチル−ピラゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、ヒドロキシメチルピリジン、(β−ヒドロキシエチル)−ピリジン、(2−アミノエチル)−ピリジン、アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリジン、6−アザチミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、シトラジン酸、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノメチル−1,2,4−トリアゾール、3−メチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メチロール−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、2−ヒドロキシトリアジン、2−アミノトリアジン、2−ヒドロキシ−5−メチルトリアジン、2−アミノ−5−メチルトリアジン、2−ヒドロキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノピラジン、2−ヒドロキシピラジン、6−アミノプリン、6−ヒドロキシプリンが例示される。
上述した含窒素複素環を含む化合物のうち、含窒素複素環多官能アルコール、含窒素複素環アミン、含窒素複素環多官能アミン、含窒素複素環アルコール、含窒素複素環チオール、含窒素複素環多官能チオールが好ましい。特に、含窒素複素環多官能アルコール、含窒素複素環多官能アミンを配合することにより水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とが同時に形成されて高強度、耐圧縮永久歪み性になる。
共有結合性架橋部位を含有する側鎖は、後述する共有結合を生成する化合物と反応することで、アミド、エステル、ラクトン、ウレタン、エーテル、チオウレタンおよびチオエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの結合を生起しうる官能基を有する側鎖であれば特に限定されない。このような官能基としては、環状酸無水物基、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基、チオール基等が好適に例示される。共有結合性架橋部位を含有する側鎖は、上述した水素結合性架橋部位を含有する側鎖と同一であってもよい。
本発明において、共有結合性架橋部位を構成する共有結合を生成する化合物としては、例えばポリアミン化合物、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。
ポリアミン化合物は、1分子中にアミノ基および/またはイミノ基を2個以上有する化合物であり、アミノ基及びイミノ基を共に有する場合はこれらの基の合計を2個以上有するものとする。ポリアミン化合物ポリアミン化合物としては、例えば、以下に示すポリアルキレンイミン、脂環族アミン、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、含窒素複素環アミン等が例示される。ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等が例示される。脂環族アミンとしては、例えば、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、ジ−(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示される。
脂肪族ポリアミンとしては、例えばメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノヘプタン、ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリエチレンテトラミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′,N′′−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が例示される。
芳香族ポリアミンおよび含窒素複素環アミンとしては、例えばジアミノトルエン、ジアミノキシレン、テトラメチルキシリレンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等が例示される。
これらのポリアミン化合物は、その水素原子の一つ以上を、アルキル基、アルキレン基、アラルキレン基、オキシ基、アシル基、ハロゲン原子等で置換してもよく、また、その骨格に、酸素原子、イオウ原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
ポリオール化合物は、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。ポリオール化合物としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール及びこれらポリオールの混合物等が例示される。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が例示される。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が例示される。
その他のポリオールとしては、例えばポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリプロピレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリエチレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリプロピレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリエチレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、ポリプロピレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの低分子ポリオール等が例示される。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート(NCO)基を2個以上有する化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、HXDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、HTDI(水添TDI)等の脂環式ポリイソシアネートなどのジイソシアネート化合物;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物と上記で例示したポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリチオール化合物は、1分子中にチオール基(メルカプト基)を2個以上有する化合物である。ポリチオール化合物としては、例えばメタンジチオール、ブタンジチオール、ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、プロパンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ポリチオール(チオコールまたはチオール変性高分子(樹脂、ゴム等))等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において、共有結合性架橋部位の架橋は、ラクトン、ウレタン、エーテル、チオウレタンおよびチオエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの結合である場合は、好ましくは2個以上の結合を有しているとよく、より好ましくは2〜20個、さらに好ましくは2〜10個の結合を有しているとよい。
また、共有結合性架橋部位における架橋は、環状酸無水物基と水酸基との反応、或いは環状酸無水物基とアミノ基及び/又はイミノ基との反応により形成されるのが好ましい。好ましくは第三級アミノ基(−N<)を含有しているとよく、機械的強度を大きくすることができる。これは、第三級アミノ基が、カルボニル含有基および含窒素複素環と水素結合(相互作用)することで、架橋密度をより高くすることによるものと考えられる。したがって、共有結合を生成する化合物としては、上述したもののうち、ポリエチレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリプロピレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリエチレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリプロピレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリエチレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、ポリプロピレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、上述した熱可逆架橋ポリマーと、含窒素複素環化合物若しくは含窒素複素環化合物と共有結合を生成する化合物に加え、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1つを配合することができる。
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等が例示される。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが例示される。オレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)等が例示される。スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS、SBSの水素添加物)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体)等が例示される。
熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が例示される。これらの熱可塑性樹脂は、単独重合体(ホモ)であっても、ブロック共重合体又はランダム共重合体であってもよい。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、好ましくは熱可逆架橋ポリマーとしてマレイン酸変性オレフィン系エラストマーを含み、架橋剤として窒素複素環化合物を含み、さらにオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むとよい。このように熱可逆架橋エラストマー組成物を構成することにより、良好な物性を持つと共に、高流動性で成形性が良好になる。
熱可逆架橋エラストマー組成物の好適な組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合するとよい。
マレイン酸変性オレフィン系エラストマーとしては、無水マレイン酸で変性されたエチレン・プロピレンゴムが好ましい。
含窒素複素環化合物は、水素結合性架橋部位若しくは水素結合性架橋部位及び共有結合性架橋部位の架橋剤としての機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部にするとよい。含窒素複素環化合物の配合量が0.1重量部未満では、架橋密度が小さく、十分な強度が得られない。また、含窒素複素環化合物の配合量が5重量部を超えると、片側のみ反応したブランチが多くなり架橋密度が低下する。含窒素複素環化合物としては、含窒素複素環多官能アルコールが好ましく、水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを同時に形成することができる。
オレフィン系樹脂は、熱可逆架橋エラストマー組成物の成形加工性を改善すると共に、強度及び硬度を高くする機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは30〜300重量部、より好ましくは50〜150重量部にするとよい。オレフィン系樹脂の配合量が30重量部未満では、熱可逆架橋エラストマー組成物の強度、加工性の改善効果が不十分になる。また、オレフィン系樹脂の配合量300重量部を超えると、硬度が高くなりすぎる。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンが好ましく、プロピレン単独重合体(ホモPP)、エチレン・プロピレンランダム共重合体(ランダムPP)、エチレン・プロピレンブロック共重合体(ブロックPP)、他のαオレフィンとのランダムPP又はブロックPPを使用することができる。また、エチレン・プロピレンブロック共重合体としては、所謂リアクターTPOを使用してもよく、ブロックPP中のエチレン・プロピレン共重合成分の含有量を多くすることができる。ポリプロピレンとしては、ホモPPが好ましく、熱可逆架橋エラストマー組成物の強度や硬度を高くすることができる。
スチレン系エラストマーは圧縮永久歪み性を改善する機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜80重量にするとよい。スチレン系エラストマーの配合量が10重量部未満では、圧縮永久歪み性を改善する効果が乏しくなる。スチレン系エラストマーの配合量が150重量部を超えると、引き裂き強度が低下してしまう。スチレン系エラストマーとしては、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体が好ましく、圧縮永久歪み性を改善する効果が高い。
パラフィンオイルは成形加工性を改善すると共に、粘度を低減し、硬度を調整する機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは30〜200重量部、より好ましくは50〜150重量部にするとよい。パラフィンオイルの配合量が30重量部未満では、成形加工性を改善し粘度を低減し硬度を調整する効果が乏しくなる。また、パラフィンオイルの配合量200重量部を超えると、強度等の物性が低下すると共に、ブリードによるベタツキが発生しやすくなる。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、上述した構成成分の他、タイヤ用ゴム組成物に通常使用される無機充填剤、老化防止剤、オイル、可塑剤、滑剤、加工助剤、各種安定剤、着色剤等を配合することができる。これらの配合剤は、一般的な方法で配合・混練することができる。また、これらの配合剤の添加量は、本発明の目的に反しない限り一般的な量にすることができ、公知のゴム用混練機、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、各成分を混合・混練し製造することができる。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、180〜230℃に加熱することにより三次元の架橋結合(架橋構造)が解離して軟化する。分子間または分子内で形成されている側鎖同士の相互作用が弱まるためであると考えられる。また、熱可逆架橋エラストマー組成物を溶融成形するときは、その軟化点より高い温度にし流動性を付与するとよい。また、成形後、60℃以下に冷却すると、解離した三次元の架橋結合(架橋構造)が再び結合して硬化する。熱可逆架橋エラストマー組成物の架橋や溶融成形は繰り返し行なうことができる。
本発明の非空気式タイヤは、自転車、車いす、カート、三輪車等の軽量車両用に好適に使用することができる。軽量車両用タイヤは、従来マテリアルリサイクルされることが殆どなかったが、本発明の非空気式タイヤを用いることにより、加熱して熱可逆架橋エラストマー組成物の架橋を外すことにより、ベース部とトレッド部とを容易に分離することができ、再び溶融成形により、物性を低下させないで新たな部材として再利用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる3種類の熱可逆架橋エラストマー組成物(組成物1〜3)を、調整した。調整方法は、アミノトリアゾール及び/又はイソシアヌレートを除く成分を秤量し、180℃に設定したニーダーに投入し、10分間加熱撹拌した。次いで、アミノトリアゾール及び/又はイソシアヌレートを秤量し投入し10分間加熱撹拌した後、放出しペレット状の熱可逆架橋エラストマー組成物を得た。
得られた3種類の熱可逆架橋エラストマー組成物(組成物1〜3)を所定形状の金型内で200℃で10分間熱プレス成形した後、冷却し平板サンプルを作製した。これらの平板サンプルを使用し、100℃の破断強度及び硬度を下記の方法により評価した。
破断強度(100℃)
得られた平板サンプルから3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、JIS K6251に準拠し、温度100℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断強度[MPa]を測定した。得られた結果を表1に示す。
硬度
得られた平板サンプルの硬度を、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度23℃で測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005200663
表1において、使用した原材料の種類を下記に示す。
マレイン酸変性EPM:マレイン酸変性エチレン・プロピレンゴム、三井化学社製TX−1215
EP系共重合体:エチレン・プロピレン共重合体、リアクタ―TPO、プライムポリマー社製M142E
ホモPP:プロピレン単独重合体、プライムポリマー社製S119
SEEPS:水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体、クラレ社製セプトン4077
充填剤:軽質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製軽質炭酸カルシウム
パラフィンオイル:日本サン石油社製PS−430
老化防止剤:フェノール系老化防止剤、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010
滑剤:脂肪酸エステル・アミド・金属塩の混合物、ストラクトール社製ストラクトールHT204
アミノトリアゾール:3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、含窒素複素環化合物、日本カーバイド社製ATA
イソシアヌレート:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、含窒素複素環化合物、日産化学社製タナックP
実施例1〜3、比較例1〜3
図1の断面形状の非空気式タイヤとして、ベース部とトレッド部とを上記により得られた3種類の熱可逆架橋エラストマー組成物(組成物1〜3)を表2に示すように組合わせ、温度200℃で押出形成を行ない室温まで冷却し、6種類の非空気式タイヤ(実施例1〜3、比較例1〜3)を製作した。これらの非空気式タイヤを30日間静置した後、温度100℃のオーブンに5分間入れた後、トレッド部を手作業で引き剥がした。トレッド部とベース部との剥離性を下記の基準により採点し、その結果を表2に示す。
5: トレッド部とベース部との剥離性が極めて良好。
4: トレッド部とベース部との剥離性が良好。
3: トレッド部とベース部との剥離が可能。
2: トレッド部とベース部との剥離性がやや劣る。
1: トレッド部とベース部とを剥離することができない。
Figure 0005200663
本発明の非空気式タイヤの実施形態の一例をタイヤ子午線方向に分割したときの斜視図である。 図1の非空気式タイヤからトレッド部を剥離する一例を示す説明図である。 本発明の非空気式タイヤの実施形態の他の例をタイヤ子午線方向に分割したときの斜視図である。
符号の説明
1 非空気式タイヤ
2 トレッド部
3 ベース部
4 溝部
6 帯状体

Claims (9)

  1. 環状のベース部とそのベース部の外周側に貼り付けたトレッド部を備えた非空気式タイヤであり、前記ベース部及びトレッド部の少なくとも一方の材料が、カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖若しくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物から構成され、かつ前記ベース部及びトレッド部を構成する材料の100℃での破断強度が互いに異なると共に、その低い方の破断強度が高い方の破断強度に対する比が7/10以下である非空気式タイヤ。
  2. 前記トレッド部が、前記熱可逆架橋エラストマー組成物により構成された請求項1に記載の非空気式タイヤ。
  3. 前記ベース部が、前記熱可逆架橋エラストマー組成物により構成された請求項1又は2に記載の非空気式タイヤ。
  4. 前記ベース部とトレッド部との間に中間層を配置し、この中間層が前記熱可逆架橋エラストマー組成物により構成された請求項1,2又は3に記載の非空気式タイヤ。
  5. 前記トレッド部の内周側の一部にタイヤ幅方向に延長する帯状体を配置し、その端部を外側に露出させた請求項1〜4のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
  6. 前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含む請求項1〜5のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
  7. 前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体である請求項6に記載の非空気式タイヤ。
  8. 前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合した請求項6又は7に記載の非空気式タイヤ。
  9. 軽量車両用である請求項1〜8のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
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