JP2011183842A - 非空気式タイヤ - Google Patents

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Atsushi Matsuda
松田  淳
Yasunobu Seki
泰伸 関
Keisuke Chino
圭介 知野
Yoshiaki Hashimura
嘉章 橋村
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Abstract

【課題】荷重負荷された状態で旋回したときのタイヤ変形によるリム外れを防止するようにした非空気式タイヤを提供する。
提供する。
【解決手段】トレッド部1とサイド部2とリム嵌合部3とからなるタイヤ本体部4と、リム嵌合部3の間に挟まれるビードベース部5とからなると共に、タイヤ内部を周方向に貫く中空孔7を有する非空気式タイヤにおいて、5ビードベース部が、中空孔7に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部5Aと、凸部5Aのタイヤ内周側に位置しリム嵌合部3間に挟まれる基部5Bとからなり、基部5Bの少なくとも一部の硬度を凸部5Aの硬度以下にすると共に、タイヤ本体部4の硬度よりも低くした。
【選択図】図1

Description

本発明は、非空気式タイヤに関し、更に詳しくは、荷重負荷された状態で旋回したときのタイヤ変形によるリム外れを防止するようにした非空気式タイヤに関する。
従来、自転車や車いすなどの軽車両に用いられるタイヤには、路面からの衝撃吸収機能や荷重支持機能等を満足させるために圧縮空気を充填したチューブ式の空気入りタイヤが使用されていた。しかし、これら空気入りタイヤはパンクしたときの修理や管理が面倒なため、保守管理に手間のかからない非空気式タイヤを用いる場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
このような非空気式タイヤを軽車両に用いる場合、非空気式タイヤの側面に溝等を設けて、リムとその溝とを嵌合させてリム組みするようにしている。しかし、このような構成では単に嵌合しているだけであり、垂直荷重が負荷された状態で、更に旋回等により横力が加わるとリム外れが発生し易いという問題があった。一方、リム外れを防止するためにリムとタイヤとを接着固定してしまうとタイヤ交換等がし難くなり、マウント作業性が悪化するという問題があった。
特開2009−286183号公報
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、非空気式タイヤにおいて荷重負荷された状態で旋回したときのタイヤ変形によるリム外れを防止するようにした非空気式タイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の非空気式タイヤは、トレッド部と該トレッド部の左右に配置された左右のサイド部と左右のサイド部にそれぞれ連なる左右のリム嵌合部とからなるタイヤ本体部と、該左右のリム嵌合部の間に挟まれるビードベース部とからなると共に、前記トレッド部と前記サイド部と前記リム嵌合部と前記ビードベース部とに囲まれるようにタイヤ内部を周方向に貫く中空孔を有する非空気式タイヤにおいて、前記ビードベース部が、前記中空孔に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部と該凸部のタイヤ内周側に位置し前記リム嵌合部間に挟まれる基部とからなり、該基部の少なくとも一部の硬度を前記凸部の硬度以下にすると共に、前記タイヤ本体部の硬度よりも低くしたことを特徴とする。
本発明によれば、非空気式タイヤにおいて、前記ビードベース部が、前記中空孔に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部と該凸部のタイヤ内周側に位置し前記リム嵌合部間に挟まれる基部とからなり、該基部の少なくとも一部の硬度を前記凸部の硬度以下にすると共に、前記タイヤ本体部の硬度よりも低くしたので、タイヤが荷重負荷状態で旋回した際に、タイヤの変形により中空孔に面したトレッド部の内周面が凸部を圧縮し、それにより基部に設けられた硬度の低い部分がリムに対して潰れて広がるように変形する。その結果、ビードベース部の左右のリム嵌合部がリムに強く押し当てられリム外れを抑制することが出来る。
本発明においては、前記凸部の少なくとも表面部分の硬度をタイヤ本体部の硬度以上にすることが好ましい。特に、前記凸部の少なくとも表面部分の硬度に対する前記基部の硬度の低い部分の硬度の比率が0.3〜0.9であるようにすることが好ましい。これにより、前記基部の硬度の低い部分をより効果的に変形することが出来、リム外れ防止の効果をより高めることが出来る。
また、本発明においては、前記ビードベース部の全体の硬度を前記タイヤ本体部の硬度より低くすることが好ましい。これにより、ビードベース部の全体が変形し易くなり、リム外れ防止の効果をより高めることが出来る。
更に、本発明においては、前記タイヤ本体部及びビードベース部の少なくとも一部が、カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物からなるようにすることが好ましい。特に、前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むようにすることが好ましい。
更に、前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であるようにすることが好ましい。これにより、容易に架橋と脱架橋を繰り返し行うことが出来るようになり、リサイクル性を向上すると共に製造方法を容易にすることが出来る。
また、これら各非空気式タイヤは軽車両用に好ましく使用される。
本発明の非空気式タイヤの実施形態の一例をタイヤ子午線方向に分割したときの斜視図である。 図1の非空気式タイヤの断面図である。 図2の非空気式タイヤに垂直荷重及び横力が負荷されたときの変形を示す説明図である。 本発明の非空気式タイヤの実施形態の他の例を示す断面図である。 本発明の非空気式タイヤの実施形態の更に他の例を示す断面図である。
図1は、本発明の非空気式タイヤの実施形態の一例をタイヤ子午線方向に分割したときの斜視図であり、図2は、図1の非空気式タイヤの断面図である。
図1、2において、非空気式タイヤTは、トレッド部1、トレッド部1の左右に配置されたサイド部2、及びサイド部2に連なる左右のリム嵌合部3からなるタイヤ本体部4と、左右のリム嵌合部3の間に挟まれるビードベース部5とからなっている。リム嵌合部3の側面には溝6がタイヤ一周にわたり形成され、ホイールのリム(不図示)に嵌合するようになっている。また、この非空気式タイヤTは内側にトレッド部1とサイド部2とリム嵌合部3とビードベース部5とに囲まれるようにタイヤ内部を周方向に貫く中空孔7を有している。
このような非空気式タイヤTにおいて、ビードベース部5は、中空孔7に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部5Aと、この凸部5Aのタイヤ内周側に位置しリム嵌合部3の間に挟まれる基部5Bとから形成される。更に、ビードベース部5の基部5Bの少なくとも一部の硬度が凸部5Aの硬度以下であると共に、タイヤ本体部4の硬度よりも低くなっている。このように、基部5Bの少なくとも一部の硬度を凸部5Aの硬度以下にし、かつタイヤ本体部4より硬度を低くすることで、タイヤに垂直荷重が負荷した状態で、更に旋回等により横力が加わったときにリムが外れることを防止することが出来る。
図3は、本発明の非空気式タイヤに垂直荷重と横力とが負荷されたときの変形の様子を示す説明図である。
本発明の非空気式タイヤに垂直荷重と横力とが負荷されると、図3に示すように、トレッド部1の中空孔7側の内周面1’が、凸部5Aと更にその下部の基部5Bに圧縮力を与える。そのため、凸部5A及び基部5Bは垂直方向に潰れると共にリムに対してタイヤ幅方向左右に広がるように変形する(図3の矢印方向)。そのため、左右のリム嵌合部3に対して外側に押し広げられるような押圧が発生し、リム嵌合部3がリムRに強く押し付けられてリム外れを防止することが出来る。
上述のように、ビードベース部5の基部5Bの少なくとも一部に硬度の低い部分を設ければよいが、基部5Bの全体の硬度を凸部5Aの硬度以下にし、かつタイヤ本体部4より硬度を低くすることが出来る。このように基部5B全体を軟らかくすることで、図3のように変形するときに基部5B全体が左右のリム嵌合部3を押し広げるため、より効果的にリム外れを防止することが出来る。
ビードベース部5の基部5Bに設けられるタイヤ本体部4より硬度の低い部分は、好ましくはタイヤ断面幅の15%以上、更に好ましくは25〜75%の範囲、かつ、好ましくはタイヤ断面高さの15%以上、更に好ましくは25〜75%の範囲に設けるとよい。硬度の低い部分がタイヤ断面幅の15%より小さいと、タイヤ幅方向左右に広がるように変形しても充分に左右のリム嵌合部を押し広げることが出来ず、充分にリム外れを防止することが出来ない。また、硬度の低い部分がタイヤ断面高さの15%より小さいと、左右のリム嵌合部に対して局部的にしか押圧を与えられないので充分にリム外れを防止することが出来ない。
更に、凸部5Aの少なくとも表面部分の硬度を基部5Bより大きく、かつタイヤ本体部4より大きくすることが好ましい。凸部5Aの少なくとも表面部分が硬いと、垂直荷重及び横力によってタイヤが変形した際に、凸部5Aの表面部分がビードベース部5の残りの部分(凸部5Aの表面部分以外や基部5B)を圧縮し、基部5Bに設けられた硬度の低い部分をより変形させることが出来、リム外れ防止の効果を高めることが出来る。
このとき、凸部5Aの少なくとも表面部の硬度に対する基部5Bの硬度の低い部分の硬度の比率が0.3〜0.9であるようにすることが好ましい。
特に、凸部5A全体の硬度を高くし、基部5B全体の硬度を低くするとよく、更に、凸部5Aの硬度をタイヤ本体部4よりも高くし、基部5B全体の硬度をタイヤ本体部4より低くするとよい。このとき、硬度の範囲としては、タイヤ本体部4の硬度が50〜60、凸部5Aの硬度が50〜70、基部5Bの硬度が35〜50であることが好ましい。
一方、図4に示すように、凸部5Aの硬度と基部5Bの硬度とを同じにして、ビードベース部5全体の硬度がタイヤ本体部4より低くなるようにしてもよい。
本発明の非空気式タイヤにおいて、凸部5A、基部5Bの硬度は一様でなくてもよく、少なくとも基部5Bの一部がタイヤ本体部4より軟らかければ、凸部5A側からタイヤ内周側に向けて徐々に硬度を減少又は増加させるように硬度に傾斜を持たせたり、異なる硬度の層が複数層積層するようにしてもよい。また、基部5Bのリムに当接する底部を硬くしてもよい。基部5Bの底部を硬くすると、過重負荷時の変形が幅方向に大きくなるので、よりリム外れ防止の効果を高めることが出来る。
ここで、本発明における硬度とはJIS K6253に準拠してデュロメータのタイプAにより測定した硬度である。
凸部5Aの形状は、図示のような丸状に限定されず、変形時にトレッド部1の内周面を支持し、トレッド部1内面からの押圧を基部5Bに伝えられる形状であれば、角状、階段状、コブ状等どのような形状であってもよい。また、基部5Bの形状についても、図示の形状に限定されず、リム嵌合部3の間に挟まれて、変形してリム嵌合部3を押し広げることが出来ればどのような形状であっても構わない。
図5に示すように、トレッド部1の表面に他の材料からなるトレッド表面層8を貼りつけるようにしてもよい。こうすることで、トレッドが摩耗した際に、この表面に貼り付けられたトレッド表面層8のみを交換すればよいので、省資源化を図ることが出来る。
本発明の非空気式タイヤは、トレッド部1、サイド部2、及びリム嵌合部3からなるタイヤ本体部4と、ビードベース部5とを一体的に押出成形して製造することが出来る。この場合、硬度の異なる部位の数に応じて多色押出により製造する。
また、本発明の非空気式タイヤは、トレッド部1、サイド部2、及びリム嵌合部3からなるタイヤ本体部4と、ビードベース部5とをそれぞれ別体に成形して、組み合わせるようにしてもよい。このように別体で成形する場合は、ビードベース部5をリムに接着することが好ましい。
本発明の非空気式タイヤは、少なくとも一部に、カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物、所謂THC(Thermoreversible Hydrogen−bond Crosslinking)ラバーを用いることが好ましい。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融成形が可能であり、かつ常温では架橋しているが加熱により脱架橋する特性をもち、この架橋と脱架橋を繰り返し行なうことが出来る。そのため、本発明の非空気式タイヤに用いることで、リサイクル性を向上することに加え、製造方法も容易になる。即ち、所定形状の開口部を有するダイから、非空気式タイヤを構成する熱可逆架橋エラストマー組成物の軟化点以上の温度で共押出成形し、冷却することにより非空気式タイヤに相当する押出成形体を成形・架橋する。次に、この押出成形体を所定の長さに切断し、両方の端部の端面を加熱・圧着し冷却することにより、環状の非空気式タイヤを容易に製造することが出来る。
また、非空気式タイヤをタイヤ本体部4とビードベース部5とを別体に成形し組み合わせる場合や、トレッド部1の表面に他の材料からなるトレッド表面層8を貼り付けるようにした場合についても、非空気式タイヤを構成する各部(タイヤ本体部4、ビードベース部5、トレッド表面層8)を構成するそれぞれの熱可逆架橋エラストマー組成物の軟化点以上の温度で押出成形し、冷却することによりこれら各部に相当する押出成形体を成形・架橋する。これら各部に相当する押出成形体を組み合わせて接着剤で貼り合わせたうえで、所定の長さに切断し、両方の端部の端面を加熱・圧着し冷却することにより、環状の非空気式タイヤを容易に製造することが出来る。
本発明の非空気式タイヤは、タイヤ本体部4、ビードベース部5、トレッド表面層8のいずれか又はその全てを熱可逆架橋エラストマー組成物で構成することが好ましい。このように構成することで、これら各部が摩耗し使用限界になったり破損したときに、オーブン等の加熱装置で加熱し、外力を加え容易に各部を剥離することが出来る。また、これら各部を構成していた熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融成形により新しい部材としてマテリアルリサイクルすることが出来る。更に、損傷がない部位についてはそのまま使用して、故障した部分のみ新しいものを加熱圧着することで容易に修理することが出来る。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、熱可逆架橋ポリマーを含むものである。熱可逆架橋ポリマーは、天然高分子、合成高分子から選ばれる主鎖を含み、水素結合性架橋部位を含有する側鎖若しくは水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を含有する。
天然又は合成高分子としては、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、ジエン系ゴムのいずれでもよい。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが例示される。これらのジエン系ゴムは、水素添加物であってもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが例示される。オレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)等が例示される。スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS、SBSの水素添加物)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)等が例示される。
カルボニル含有基及び含窒素複素環からなる水素結合性架橋部位は、カルボニル含有基が有するカルボニル基と、含窒素複素環が有するアミノ基とが水素結合を形成する。含窒素複素環は、架橋剤として含窒素複素環含有化合物を加えることにより配合してもよい。水素結合性架橋部位を構成するカルボニル含有基としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミド基が挙げられる。
カルボニル含有基を導入し得る化合物としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、スクシン酸、グルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−フェニレンジ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−アミノ安息香酸、メルカプト酢酸等のカルボン酸;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物;マレイン酸エステル、マロン酸エステル、スクシン酸エステル、グルタル酸エステル、エチルアセテート等の脂肪族エステル;フタル酸エステル、イソフタル酸エステル、テレフタル酸エステル、エチル−m−アミノベンゾエート、メチル−p−ヒドロキシベンゾエート等の芳香族エステル;キノン、アントラキノン、ナフトキノン等のケトン;グリシン、トリシン、ビシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、スレオニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、プロリン、N−(p−アミノベンゾイル)−β−アラニン等のアミノ酸;マレインアミド、マレインアミド酸(マレインモノアミド)、コハク酸モノアミド、5−ヒドロキシバレラミド、N−アセチルエタノールアミン、N,N´−ヘキサメチレンビスアセトアミド、マロンアミド、シクロセリン、4−アセトアミドフェノール、p−アセトアミド安息香酸等のアミド類;マレインイミド、スクシンイミド等のイミド類が例示される。
カルボニル含有基を導入する化合物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸等の環状酸無水物が好ましく、なかでも無水マレイン酸が好ましい。
また、含窒素複素環は、複素環内に水素結合性のアミノ基を含むか又は発生する構造であればよく、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。含窒素複素環は、好ましくは5員環又は6員環であるとよい。含窒素複素環としては、例えば、ピロロリン、ピロリドン、オキシインドール(2−オキシインドール)、インドキシル(3−オキシインドール)、ジオキシインドール、イサチン、インドリル、フタルイミジン、β−イソインジゴ、モノポルフィリン、ジポルフィリン、トリポルフィリン、アザポルフィリン、フタロシアニン、ヘモグロビン、ウロポルフィリン、クロロフィル、フィロエリトリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン、イミダゾロン、イミダゾリドン、ヒダントイン、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリドン、インダゾール、ピリドインドール、プリン、シンノリン、ピロール、ピロリン、インドール、インドリン、オキシルインドール、カルバゾール、フェノチアジン、インドレニン、イソインドール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、フェナントロリン、オキサジン、ベンゾオキサジン、フタラジン、プテリジン、ピラジン、フェナジン、テトラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、アントラニル、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、アントラゾリン、ナフチリジン、チアジン、ピリダジン、ピリミジン、キナゾリン、キノキサリン、トリアジン、ヒスチジン、トリアゾリジン、メラミン、アデニン、グアニン、チミン、シトシンが例示される。
また、含窒素複素環を含む化合物としては、例えば、ジピリジル、エチレンジピリジル、トリメチレンジピリジル、ジピリジルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−ベンズイミダゾールウレア、ピロール−2−カルボン酸、3−メチル−ピラゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、ヒドロキシメチルピリジン、(β−ヒドロキシエチル)−ピリジン、(2−アミノエチル)−ピリジン、アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリジン、6−アザチミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、シトラジン酸、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノメチル−1,2,4−トリアゾール、3−メチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メチロール−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、2−ヒドロキシトリアジン、2−アミノトリアジン、2−ヒドロキシ−5−メチルトリアジン、2−アミノ−5−メチルトリアジン、2−ヒドロキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノピラジン、2−ヒドロキシピラジン、6−アミノプリン、6−ヒドロキシプリンが例示される。
上述した含窒素複素環を含む化合物のうち、含窒素複素環多官能アルコール、含窒素複素環アミン、含窒素複素環多官能アミン、含窒素複素環アルコール、含窒素複素環チオール、含窒素複素環多官能チオールが好ましい。特に、含窒素複素環多官能アルコール、含窒素複素環多官能アミンを配合することにより水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とが同時に形成されて高強度、耐圧縮永久歪み性になる。
共有結合性架橋部位を含有する側鎖は、後述する共有結合を生成する化合物と反応することで、アミド、エステル、ラクトン、ウレタン、エーテル、チオウレタンおよびチオエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの結合を生起し得る官能基を有する側鎖であれば特に限定されない。このような官能基としては、環状酸無水物基、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基、チオール基等が好適に例示される。共有結合性架橋部位を含有する側鎖は、上述した水素結合性架橋部位を含有する側鎖と同一であってもよい。
本発明において、共有結合性架橋部位を構成する共有結合を生成する化合物としては、例えばポリアミン化合物、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。
ポリアミン化合物は、1分子中にアミノ基および/またはイミノ基を2個以上有する化合物であり、アミノ基及びイミノ基を共に有する場合はこれらの基の合計を2個以上有するものとする。ポリアミン化合物ポリアミン化合物としては、例えば、以下に示すポリアルキレンイミン、脂環族アミン、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、含窒素複素環アミン等が例示される。ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等が例示される。脂環族アミンとしては、例えば、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、ジ−(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示される。
脂肪族ポリアミンとしては、例えばメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノヘプタン、ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリエチレンテトラミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N′,N′′−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が例示される。
芳香族ポリアミンおよび含窒素複素環アミンとしては、例えばジアミノトルエン、ジアミノキシレン、テトラメチルキシリレンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等が例示される。
これらのポリアミン化合物は、その水素原子の一つ以上を、アルキル基、アルキレン基、アラルキレン基、オキシ基、アシル基、ハロゲン原子等で置換してもよく、また、その骨格に、酸素原子、イオウ原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
ポリオール化合物は、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。ポリオール化合物としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール及びこれらポリオールの混合物等が例示される。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が例示される。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が例示される。
その他のポリオールとしては、例えばポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリプロピレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリエチレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリプロピレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリエチレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、ポリプロピレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの低分子ポリオール等が例示される。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート(NCO)基を2個以上有する化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、H6TDI(水添TDI)等の脂環式ポリイソシアネートなどのジイソシアネート化合物;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物と上記で例示したポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリチオール化合物は、1分子中にチオール基(メルカプト基)を2個以上有する化合物である。ポリチオール化合物としては、例えばメタンジチオール、ブタンジチオール、ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、プロパンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ポリチオール(チオコールまたはチオール変性高分子(樹脂、ゴム等))等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において、共有結合性架橋部位の架橋は、ラクトン、ウレタン、エーテル、チオウレタンおよびチオエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの結合である場合は、好ましくは2個以上の結合を有しているとよく、より好ましくは2〜20個、更に好ましくは2〜10個の結合を有しているとよい。
また、共有結合性架橋部位における架橋は、環状酸無水物基と水酸基との反応、或いは環状酸無水物基とアミノ基及び/又はイミノ基との反応により形成されるのが好ましい。好ましくは第三級アミノ基(−N<)を含有しているとよく、機械的強度を大きくすることができる。これは、第三級アミノ基が、カルボニル含有基および含窒素複素環と水素結合(相互作用)することで、架橋密度をより高くすることによるものと考えられる。従って、共有結合を生成する化合物としては、上述したもののうち、ポリエチレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリプロピレングリコールラウリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン)、ポリエチレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリプロピレングリコールオクチルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン)、ポリエチレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、ポリプロピレングリコールステアリルアミン(例えば、N,N−ビス(2−メチル−2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン)、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、上述した熱可逆架橋ポリマーと、含窒素複素環化合物若しくは含窒素複素環化合物と共有結合を生成する化合物に加え、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1つを配合することが出来る。
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等が例示される。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが例示される。オレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)等が例示される。スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS、SBSの水素添加物)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体)等が例示される。
熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が例示される。これらの熱可塑性樹脂は、単独重合体(ホモ)であっても、ブロック共重合体又はランダム共重合体であってもよい。
本発明で使用する熱可逆架橋エラストマー組成物は、好ましくは熱可逆架橋ポリマーとしてマレイン酸変性オレフィン系エラストマーを含み、架橋剤として窒素複素環化合物を含み、更にオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むとよい。このように熱可逆架橋エラストマー組成物を構成することにより、良好な物性を持つと共に、高流動性で成形性が良好になる。
熱可逆架橋エラストマー組成物の好適な組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合するとよい。
マレイン酸変性オレフィン系エラストマーとしては、無水マレイン酸で変性されたエチレン・プロピレンゴムが好ましい。
含窒素複素環化合物は、水素結合性架橋部位若しくは水素結合性架橋部位及び共有結合性架橋部位の架橋剤としての機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部、更に好ましくは0.3〜3重量部にするとよい。含窒素複素環化合物の配合量が0.1重量部未満では、架橋密度が小さく、十分な強度が得られない。また、含窒素複素環化合物の配合量が5重量部を超えると、片側のみ反応したブランチが多くなり架橋密度が低下する。含窒素複素環化合物としては、含窒素複素環多官能アルコールが好ましく、水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを同時に形成することが出来る。
オレフィン系樹脂は、熱可逆架橋エラストマー組成物の成形加工性を改善すると共に、強度及び硬度を高くする機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは30〜300重量部、より好ましくは50〜150重量部にするとよい。オレフィン系樹脂の配合量が30重量部未満では、熱可逆架橋エラストマー組成物の強度、加工性の改善効果が不十分になる。また、オレフィン系樹脂の配合量300重量部を超えると、硬度が高くなり過ぎる。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンが好ましく、プロピレン単独重合体(ホモPP)、エチレン・プロピレンランダム共重合体(ランダムPP)、エチレン・プロピレンブロック共重合体(ブロックPP)、他のαオレフィンとのランダムPP又はブロックPPを使用することが出来る。また、エチレン・プロピレンブロック共重合体としては、所謂リアクターTPOを使用してもよく、ブロックPP中のエチレン・プロピレン共重合成分の含有量を多くすることが出来る。ポリプロピレンとしては、ホモPPが好ましく、熱可逆架橋エラストマー組成物の強度や硬度を高くすることが出来る。
スチレン系エラストマーは圧縮永久歪み性を改善する機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜80重量にするとよい。スチレン系エラストマーの配合量が10重量部未満では、圧縮永久歪み性を改善する効果が乏しくなる。スチレン系エラストマーの配合量が150重量部を超えると、引き裂き強度が低下してしまう。スチレン系エラストマーとしては、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体が好ましく、圧縮永久歪み性を改善する効果が高い。
パラフィンオイルは成形加工性を改善すると共に、粘度を低減し、硬度を調整する機能を果たし、その配合量は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、好ましくは30〜200重量部、より好ましくは50〜150重量部にするとよい。パラフィンオイルの配合量が30重量部未満では、成形加工性を改善し粘度を低減し硬度を調整する効果が乏しくなる。また、パラフィンオイルの配合量200重量部を超えると、強度等の物性が低下すると共に、ブリードによるベタツキが発生し易くなる。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、上述した構成成分の他、タイヤ用ゴム組成物に通常使用される無機充填剤、老化防止剤、オイル、可塑剤、滑剤、加工助剤、各種安定剤、着色剤等を配合することが出来る。これらの配合剤は、一般的な方法で配合・混練することが出来る。また、これらの配合剤の添加量は、本発明の目的に反しない限り一般的な量にすることが出来、公知のゴム用混練機、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、各成分を混合・混練し製造することが出来る。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、180〜230℃に加熱することにより三次元の架橋結合(架橋構造)が解離して軟化する。分子間又は分子内で形成されている側鎖同士の相互作用が弱まるためであると考えられる。また、熱可逆架橋エラストマー組成物を溶融成形するときは、その軟化点より高い温度にして流動性を付与するとよい。また、成形後、60℃以下に冷却すると、解離した三次元の架橋結合(架橋構造)が再び結合して硬化する。熱可逆架橋エラストマー組成物の架橋や溶融成形は繰り返し行なうことが出来る。
本発明の非空気式タイヤは、自転車、車いす、カート、三輪車等の軽量車両用に好適に使用することが出来る。また、軽量車両用タイヤは従来マテリアルリサイクルされることが殆どなかったが、特に非空気式タイヤに熱可逆架橋エラストマー組成物を用いることにより、加熱して熱可逆架橋エラストマー組成物の架橋を外すことにより、タイヤを構成する各部を容易に分離することが出来、再び溶融成形により、物性を低下させないで新たな部材として再利用することが出来る。
1 トレッド部
2 サイド部
3 リム嵌合部
4 タイヤ本体部
5 ビードベース部
5A 凸部
5B 基部
6 溝
7 中空孔
T 非空気式タイヤ

Claims (8)

  1. トレッド部と該トレッド部の左右に配置された左右のサイド部と左右のサイド部にそれぞれ連なる左右のリム嵌合部からなるタイヤ本体部と、該左右のリム嵌合部の間に挟まれるビードベース部とからなると共に、前記トレッド部と前記サイド部と前記リム嵌合部と前記ビードベース部とに囲まれるようにタイヤ内部を周方向に貫く中空孔を有する非空気式タイヤにおいて、
    前記ビードベース部が、前記中空孔に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部と該凸部のタイヤ内周側に位置し前記リム嵌合部間に挟まれる基部とからなり、該基部の少なくとも一部の硬度を前記凸部の硬度以下にすると共に、前記タイヤ本体部の硬度よりも低くしたことを特徴とする非空気式タイヤ。
  2. 前記凸部の少なくとも表面部分の硬度をタイヤ本体部の硬度以上にしたことを特徴とする請求項1に記載の非空気式タイヤ。
  3. 前記凸部の少なくとも表面部分の硬度に対する前記基部の硬度の低い部分の硬度の比率が0.3〜0.9であることを特徴とする請求項2に記載の非空気式タイヤ。
  4. 前記ビードベース部の全体の硬度を前記タイヤ本体部の硬度より低くしたことを特徴とする請求項1に記載の非空気式タイヤ。
  5. 前記タイヤ本体部及びビードベース部の少なくとも一部が、カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
  6. 前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むことを特徴とする請求項5に記載の非空気式タイヤ。
  7. 前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の非空気式タイヤ。
  8. 軽車両用であることを特徴とする請求項1〜7に記載の非空気式タイヤ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020103734A1 (zh) * 2018-11-20 2020-05-28 邱金和 一种车轮结构
CN111660728A (zh) * 2020-07-10 2020-09-15 广州市耐动信息科技有限公司 免充气轮胎与车轮

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