JP4608725B2 - 熱可塑性エラストマーおよびその組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度変化により硬化および流動化を繰返し再現しうる新規な熱可塑性エラストマー、およびその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性エラストマーは、高分子物質と加硫剤とが共有結合した安定な三次元網目構造を有する従来の加硫ゴムに対して、物理的架橋を利用するものであり、予備成形等を含む煩雑な加硫・成形工程を必要とせずに、熱可塑性樹脂と同様に加熱溶融により容易に成形加工することができる。
【0003】
このような熱可塑性エラストマーの典型例としては、樹脂成分(結晶相)とゴム成分(非晶相)とを含み、常温では微結晶樹脂成分が三次元網目構造の架橋点の役割を果たす拘束相(ハードセグメント)となって、ゴム成分(ソフトセグメント)の塑性変形を阻止し、温度上昇により樹脂成分の軟化あるいは融解により塑性変形するものが知られている。
上記のような樹脂成分とゴム成分とを含む熱可塑性エラストマーとしては、具体的にはスチレン・ブタジエンブロック共重合体、イソプレンマルチブロック共重合体等のブロック共重合体、およびポリプロピレンとエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)との樹脂/ゴムブレンド物等が知られている。さらに上記のような樹脂/ゴムブレンド物中のゴム成分(EPDM)を過酸化物等で架橋したものも知られている。
【0004】
上記のような公知の熱可塑性エラストマーでは、拘束相を形成するためにベンゼン環等の結晶成分を含ませており、従来の加硫ゴムに比べるとゴム弾性が低下することは否めない。このためもし、拘束相を形成するための結晶成分を含まなくても熱可塑性を示すような熱可塑性エラストマーが出現すれば、換言すれば、加硫ゴムに熱可塑性(流動性)を付与することができれば、従来必要とされていた混練り、予備成形、加硫等の煩雑な工程を行わなくても、簡便な加熱成形加工によりゴム弾性体を得ることができ、その産業上の利用価値は極めて高い。
【0005】
ところで熱可塑性樹脂の改質方法として水素結合を利用することが知られている。例えば、特開昭63−69864号公報には、ガラス転移点以上の温度で水素結合量(架橋)を低下させて変形させても、再びガラス転移点以下の温度に冷却すれば元の形状に復元するような形状記憶性樹脂が提案されている。好ましい具体例として、エポキシ化合物とアミン硬化剤との硬化反応時に多量の水素結合を含ませ成形することが開示されている。
また樹脂の流動性改良剤として分子量の小さい化合物かあるいは流動性の大きい熱可塑性樹脂を添加したときに、耐熱性あるいは剛性が低下するのを抑制するために水素結合を利用する方法が提案されている。例えば、熱可塑性樹脂に、ヒドロキシル基を有する化合物と、該基と水素結合しうる基を有する化合物とを添加することにより熱可塑性樹脂の流動性および耐熱性を向上させる方法(特開平5−339420号公報)、あるいはカルボキシル基を有するスチレン系樹脂に、熱可塑性樹脂と、カルボキシル基と水素結合しうる官能基を有する化合物とを添加して、スチレン系樹脂の剛性および流動性を改良する方法(特開平7−331002号公報)等が開示されている。
【0006】
上記のような水素結合を架橋形成に利用すれば熱可塑性エラストマーが得られることも理論上は知られているが、実用面で使用しうるものは知られていない。すなわち水素結合は化学結合に比べて結合エネルギーが小さく熱等の影響をうけて架橋崩壊しやすい。エラストマー性ポリマーは、架橋により固体状態を形成させゴム弾性を発現させているため、使用時に安定的に架橋状態を保持しえない限り水素結合を架橋機構に利用することは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、温度変化により架橋構造の形成と崩壊を可逆的に起こすことができ、低温では十分なゴム特性を発現し、一方高温加熱時には優れた流動性を示す新規な熱可塑性エラストマーおよびその組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、水素結合を利用した熱可塑性エラストマーについて研究したところ、所定の含窒素複素環を分子内に有する熱可塑性エラストマーは、サーモトロピカルな水素結合性の架橋構造を形成し、常温(使用)時の架橋と、加熱時の脱架橋流動化を繰返し再現することができるだけでなく、上記側鎖を有するエラストマーは極めて容易に、かつ使用に耐えうる高温まで安定な水素結合を形成してゴムとして実用しうる十分なゴム特性を発現し、一方高温加熱時には優れた流動性を示すことを見出した。
そしてこのような熱可塑性エラストマーは、拘束相を形成するための熱可塑性樹脂を含ませる必要がなく、従来汎用されている熱可塑性エラストマーに比べてエラストマー本来の特性を十分に発現することが可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、含窒素複素環を分子内に有する熱可塑性エラストマーであって、主鎖となるエラストマー性ポリマーが、イソブチレンと芳香族ビニルもしくはジエン系モノマーとの共重合体またはその臭素化物、ハロゲン化ブチルゴム、あるいは、ポリイソプレンであり、該含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成しうるものであることを特徴とする熱可塑性エラストマーを提供する。
特に、前記熱可塑性エラストマーであって、前記含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成していることを特徴とする熱可塑性エラストマーを提供する。
【0010】
また、本発明は、前記熱可塑性エラストマーを含有するゴム組成物を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、前記ゴム組成物からなるゴム層と、加硫ゴム組成物からなる加硫ゴム層とを積層してなるゴム積層体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、前記ゴム積層体を少なくとも一部に有するゴム構造体を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性エラストマーは、後述する所定の含窒素複素環を分子内に有する。
主鎖となるエラストマー性ポリマーは、一般的に加硫(架橋、硬化)用ゴム弾性材料として公知の天然高分子または合成高分子である。このようなエラストマー性ポリマーには、例えば、通常のゴム(液状ゴムを含む。)、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、飽和炭化水素系重合体が含まれる。
具体的には、通常のゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム(例えば、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR))、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマーとの共重合体およびその臭素化物(例えば、イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体)が挙げられる。
【0014】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン系(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマーの水素添加物(SEBS))、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
熱硬化性エラストマーとしては、例えば、ウレタン系、シリコーン系の熱硬化性エラストマーが挙げられる。
【0015】
ポリウレタン系エラストマーに用いられるポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが挙げられる。具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
【0016】
飽和炭化水素系重合体は、例えば、イソブチレン系重合体、水添ポリブタジエン系重合体が挙げられる。
【0017】
上記のようなエラストマー性ポリマーは、液状または固体状のいずれであってもよく、また、その分子量は特に限定されない。これらは、使用目的、架橋密度等に応じて適宜選択することができる。熱可塑性エラストマーの加熱(脱架橋)時の流動性を重視する場合は、液状ゴムであることが好ましく、液状を示すような分子量であることが好ましい。一方、ゴム物性を重視する場合は、固体ゴムであることが好ましい。例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴムを用いる場合は、重量平均分子量が1000〜100万であるのが好ましい。
【0018】
上述したエラストマー性ポリマーの中、本発明においては、耐熱性、耐候性、耐ガス透過性の観点から、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマーとの共重合体およびその臭素化物(中でも、イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体)、ハロゲン化ブチルゴム(中でも、臭素化ブチルゴム)を用いる。また、コストの観点から、ポリイソプレンを用いる。
【0019】
本発明の熱可塑性エラストマーが分子内に有する含窒素複素環のうち少なくとも1つは、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成しうるものである。すなわち、本発明の熱可塑性エラストマーは、他の化合物等の介在を必要とすることなく、2個の含窒素複素環のみで水素結合を形成しうるような含窒素複素環を少なくとも1つ有する。
そのような含窒素複素環は、それ自体で水素結合するもの、すなわち、ドナー性の水素(以下、単に「ドナー」ともいう。)と、アクセプター性のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素)(以下、単に「アクセプター」ともいう。)とを併有する環(以下、単に「併有環」ともいう。)であるのが最も好ましい。
また、本発明の熱可塑性エラストマーが有する水素結合を形成しうる含窒素複素環としては、ドナーのみを有する環や、アクセプターのみを有する環であってもよい。ドナーのみを有する環は、アクセプターのみを有する環または併有環と併用することによって水素結合を形成することができ、アクセプターのみを有する環は、ドナーのみを有する環または併有環と併用することによって水素結合を形成することができるからである。
すなわち、本発明の熱可塑性エラストマーは、▲1▼ドナーとアクセプターとを併有する環のみを有するものであってもよいし、▲2▼併有環に加えて、ドナーのみを有する環とアクセプターのみを有する環の一方または両方を有するものであってもよいし、▲3▼併有環を有さずに、ドナーのみを有する環とアクセプターのみを有する環の両方を有するものであってもよい。
【0020】
本発明においては、含窒素複素環を有する化合物により、含窒素複素環をゴムに導入することができる。
ドナーとアクセプターとを併有する環としては、例えば、ピロロリン、ピロリドン、オキシインドール(2−オキシインドール)、インドキシル(3−オキシインドール)、ジオキシインドール、イサチン、インドリル、フタルイミジン、β−イソインジゴ、モノポルフィリン、ジポルフィリン、トリポルフィリン、アザポルフィリン、フタロシアニン、ヘモグロビン、ウロポルフィリン、クロロフィル、フィロエリトリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン、イミダゾロン、イミダゾリドン、ヒダントイン、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリドン、インダゾール、ピリドインドール、プリン、シンノリンが挙げられる。
通常ドナーのみを有する環としては、例えば、ピロール、ピロリン、インドール、インドリン、オキシルインドール、カルバゾール、フェノチアジンが挙げられる。
通常アクセプターのみを有する環としては、例えば、インドレニン、イソインドール、オキサゾール類、チアゾール類、イソオキサゾール類、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、フェナントロリン、オキサジン、ベンゾオキサジン、フタラジン、プテリジン、ピラジン、フェナジン、テトラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、アントラニル、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、アントラゾリン、ナフチリジン、チアジン、ピリダジン、ピリミジン、キナゾリン、キノキサリン、トリアジンが挙げられる。
【0021】
含窒素複素環を有する化合物は、上記のような複素環を有していれば特に限定されない。例えば、エラストマー性ポリマーの主鎖炭素と化学(共有)結合しうる基を有していてもよい。このような基としては、例えば、アミノ基、水酸基、メチレン基、エチレン基、カルボン酸が挙げられる。
このような含窒素複素環を有する化合物としては、例えば、ジピリジルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−ベンズイミダゾールウレア、ピロール−2−カルボン酸、3−メチル−ピラゾール、4(or2)−ヒドロキシメチルピリジン、2(or4)−(β−ヒドロキシエチル)−ピリジン、2(or4)−(2−アミノエチル)−ピリジン、2(or4)−アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリジン、6−アザチミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、シトラジン酸、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノメチル−1,2,4−トリアゾール、3−メチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メチロール−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、2−ヒドロキシトリアジン、2−アミノトリアジン、2−ヒドロキシ−5−メチルトリアジン、2−アミノ−5−メチルトリアジン、2−ヒドロキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノピラジン、2−ヒドロキシピラジン、6−アミノプリン、6−ヒドロキシプリン、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。
【0022】
上記のような含窒素複素環は、骨格中に2以上の窒素を有する複素環を有するのが好ましく、3以上の窒素を有する複素環を有するのがより好ましく、トリアゾール環から導かれる基が特に好ましい。具体的には、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノメチル−1,2,4−トリアゾール、3−メチルアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メチロール−1,2,4−トリアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール等から導かれる基が好適に例示される。
【0023】
本発明の熱可塑性エラストマーは、分子内に、上記含窒素複素環を1個または2個以上有する。本発明の熱可塑性エラストマーが、上記のような含窒素複素環を分子内に2個以上有する場合には、該含窒素複素環の種類が同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、本発明の熱可塑性エラストマーが含窒素複素環を2種以上有する場合には、2種類以上の含窒素複素環が同一分子内にあってもよい。
【0024】
また、本発明の熱可塑性エラストマーは、他の含窒素複素環と水素結合を形成しない含窒素複素環を有していてもよい。
【0025】
本発明の熱可塑性エラストマーは、分子内における含窒素複素環の位置について、特に限定されない。例えば、本発明の熱可塑性エラストマーは、上記エラストマー性ポリマーを主鎖とし、上記含窒素複素環を側鎖として有するものであってもよいし、主鎖に有するものであってもよいし、上記エラストマー性ポリマーの分子末端に上記含窒素複素環を有するものであってもよい。
【0026】
エラストマー性ポリマーを主鎖とし、含窒素複素環を側鎖として有する本発明の熱可塑性エラストマーの好ましい構造としては、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマーとの共重合体およびその臭素化物、ハロゲン化ブチルゴム、液状イソプレンゴムに、含窒素複素環を有する化合物、好ましくは3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオン、4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンを反応させ、含窒素複素環、好ましくは骨格中に2以上の窒素を有する複素環を有する含窒素複素環、より好ましくは3以上の窒素を有する複素環を有する含窒素複素環を有する構造が挙げられる。
【0027】
具体的には、イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体のブロモメチル基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(1)の構造、臭素化ブチルゴムのブロモメチル基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(2)の構造、液状イソプレンゴムの二重結合に4−メチル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンを付加させてなる下記式(3)の構造、液状イソプレンゴムの二重結合に4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンを付加させてなる下記式(4)の構造が好適に挙げられる。
【0028】
【化1】
【0029】
また、エラストマー性ポリマーの分子末端に上記含窒素複素環を有する本発明の熱可塑性エラストマーの構造としては、水酸基両末端イソブチレンオリゴマー、水酸基両末端ポリプロピレングリコール、水酸基両末端ポリテトラメチレングリコールの両末端にトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)付加させ、さらに得られた両末端のイソシアネート基に、含窒素複素環を有する化合物、好ましくは3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを反応させ、含窒素複素環、好ましくは骨格中に2以上の窒素を有する複素環を有する含窒素複素環、より好ましくは3以上の窒素を有する複素環を有する含窒素複素環を導入した構造が挙げられる。
【0030】
具体的には、水酸基両末端イソブチレンオリゴマーの末端水酸基にTDIを付加させて得られる末端TDI変性イソブチレンオリゴマーの末端イソシアネート基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(5)の構造、水酸基両末端ポリプロピレングリコールの末端水酸基にMDIを付加させて得られる末端MDI変性ポリプロピレングリコールの末端イソシアネート基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(6)の構造、水酸基両末端ポリプロピレングリコールの末端水酸基にTDIを付加させて得られる末端TDI変性ポリプロピレングリコールの末端イソシアネート基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(7)の構造、水酸基両末端ポリテトラメチレングリコールの末端水酸基にMDIを付加させて得られる末端MDI変性ポリテトラメチレングリコールの末端イソシアネート基に3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが付加してなる下記式(8)の構造が好適に挙げられる。
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】
【0033】
本発明の熱可塑性エラストマーは、上述したように、水素結合による架橋を利用しているが、以下の可逆的反応を併用することもできる。例えば、▲1▼水酸基、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つと、第三級アミノ基およびカルボニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つとによる水素結合、▲2▼有機塩によるイオン間相互作用、好ましくはオニウム塩によるイオン間相互作用、▲3▼共役ジエン構造とジエノフィル構造とによるディールス−アルダー反応、▲4▼酸無水物基と水酸基との反応、▲5▼カルボキシル基とビニルエーテル基との反応、▲6▼ハロゲン化アルキル基と第三級アミノ基との反応、▲7▼イソシアネート基とフェノール性水酸基との反応、▲8▼アズラクトン基とフェノール性水酸基との反応、▲9▼ニトロソ基の二量化反応が挙げられる。
【0034】
本発明の熱可塑性エラストマーの製造方法は、特に限定されない。
例えば、エラストマー性ポリマー製造時に、ポリマーの主鎖を形成しうるモノマーと、含窒素複素環を導入しうる共重合モノマーとを共重合させて、側鎖に含窒素複素環を有する構造の熱可塑性エラストマーを製造してもよく、また、予め重合等により主鎖となるエラストマー性ポリマーを形成し、ついで含窒素複素環を導入しうる化合物によりグラフト変性、末端変性等してもよい。
【0035】
上記のような各製法により得られる本発明の熱可塑性エラストマーにおいて、含窒素複素環がエラストマー性ポリマーの側鎖として存在しているか、末端として存在しているかは、NMRスペクトル等の常套の分析手段で確認することができる。
【0036】
つぎに、本発明の熱可塑性エラストマーの水素結合による自己架橋について説明する。
上記のような本発明の熱可塑性エラストマーは、水素結合により自己架橋することができる。水素結合時には、水素結合を形成する2個の含窒素複素環のうち、いずれか一方がドナー(陽子供与体)となり、他方がアクセプター(陽子受容体)となる。
水素結合時において、ドナーのみを有する環はドナーとなり、アクセプターのみを有する環はアクセプターとなる。水素結合が2個の併有環により形成される場合は、いずれがドナーとなりいずれがアクセプターとなるかは特に限定されない。
また、本発明においては、エラストマー性ポリマーの主鎖が水素結合に関与することもある。
【0037】
具体的に、本発明の熱可塑性エラストマーにおいては、水素結合を(ドナー)−H…(アクセプター)で示すとき、O−H…O、N−H…O、O−H…N、N−H…N等で示される水素結合が可能である。
このような水素結合は、分子間で生じても、分子内で生じてもよいが、少なくとも分子間で生じるのが好ましい。
【0038】
上記のような所定の含窒素複素環を有する本発明の熱可塑性エラストマーの水素結合は、サーモトロピカルであって、常温使用時には架橋構造を形成し、高温加熱時には脱架橋して流動性を示す。しかも、この架橋・脱架橋は、繰返し再現することが可能である。
すなわち、本発明の熱可塑性エラストマーは、常温では、上記含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成している熱可塑性エラストマーである一方、高温加熱時には、前記水素結合が崩壊している熱可塑性エラストマーである。
したがって、本発明の熱可塑性エラストマーでは、従来のイオウ、過酸化物等による化学的加硫ゴムでは現実的に不可能であったゴムの溶融によるリサイクル利用を容易に行うことができる。また、常温では、架橋により加硫ゴムに近い物性を発現することができる。
【0039】
本発明の熱可塑性エラストマーは、特定の含窒素複素環を有することによって、架橋性が高く、架橋物は優れたゴム物性を示し、使用時には安定な水素結合を保持することができる。すなわち使用に耐えうる高温まで水素結合を保持している。
具体的に例えば、前記式(1)または(2)で示されるような熱可塑性エラストマーでは、水素結合の崩壊温度は100℃以上であり、常温では極めて安定的に水素結合を形成している。
なお水素結合の有効な形成は、ゲル化現象(粘度の上昇)の観察、赤外吸収スペクトルの測定によって確認することができ、また水素結合の崩壊は、粘度の低下(流動性の増大)あるいは硬度の低下、赤外吸収スペクトルの測定等により観察される。
【0040】
また、本発明の熱可塑性エラストマーは、上記のような特定の含窒素複素環を有することにより、水素結合(架橋)時の硬化性と、高温での水素結合崩壊(脱架橋)時の粘度の低下、つまり固−液変化が大きく、リサイクル性に優れている。すなわち、耐熱温度を超える高温加熱時には極端に柔らかくなり、130℃程度以上になると流動性が著しく大きくなり、リサイクル利用が容易となる。
【0041】
このような本発明の熱可塑性エラストマーの効果は、所定の含窒素複素環を有することによって発現されるものである。これは、複素環の窒素は環構造を形成していない窒素に比べて容易に水素結合するためであると考えられる。
【0042】
なお、本発明の熱可塑性エラストマーにおいて、所定の含窒素複素環の代わりに、複素環構造を有しない窒素化合物から導かれる基を有する場合には、水素結合が弱く、熱可塑性エラストマーは流動性を有したままである。
また、本発明の熱可塑性エラストマーでは、従来の結晶相を拘束相とする熱可塑性エラストマーに比べてエラストマー本来の特性を発現しやすいが、架橋密度等を適切に選択することにより、従来のイオウ、過酸化物等による化学的加硫ゴムに匹敵しうる十分な機械強度、ゴム弾性を発現することができる。
架橋密度は、使用目的、用途、主鎖の分子量等にもよって異なり一概にはいえないが、架橋時には十分なゴム弾性と優れた機械的強度を示す架橋密度とすることが好ましい。例えば、イソプレン、ブタジエン等の共役ジエン系ゴムを主鎖とするときには、上記所定の含窒素複素環を1〜15molユニット%程度、好ましくは7〜15molユニット%程度の量で含有するのが好ましい。
【0043】
本発明の熱可塑性エラストマーは、種々の用途への利用が可能である。例えば、ゴム弾性を活用して、種々の加硫ゴム用途に利用することができる。また、ホットメルト接着剤中に含ませると、耐熱性およびリサイクル性を向上させることができる。ゴムの改質剤として、例えば、流れ防止剤として、室温でコールドフローを起こす樹脂あるいはゴムに含ませると、押出時の流れおよびコールドフローを防止することができる。
【0044】
つぎに、本発明のゴム組成物について説明する。
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の熱可塑性エラストマーを含有する。含有する本発明の熱可塑性エラストマーは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明のゴム組成物は、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤等の添加剤を含有することができる。これらの添加剤は、熱可塑性エラストマーの製造中に添加することもでき、製造後に添加することもできる。
【0045】
充填剤は、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。中でも、カーボンブラック、シリカが好ましい。
【0046】
また、本発明のゴム組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、更に、本発明の熱可塑性エラストマー以外のエラストマーを1種または2種以上含有することができる。これにより、本発明のゴム組成物の強度特性等を調節することができる他、原料費の低廉等を図ることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー以外のエラストマーは、未加硫のエラストマーであってもよく、加硫後のエラストマーであってもよい。例えば、上述した本発明の熱可塑性エラストマーの原料となるエラストマーが挙げられる。中でも、本発明のゴム組成物のゴム弾性、加工容易性、リサイクル性等を考慮すると、未加硫ゴムであるのが好ましい。
特に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の熱可塑性エラストマーと未加硫ゴムとから混練しながら行う架橋、いわゆる動的架橋をすることにより得られ、少なくとも一部が連続相となり樹脂相に少なくとも一部が不連続相となる加硫ゴム相が微細に分散した状態となっている熱可塑性エラストマー組成物であるのが好ましい。
【0047】
本発明のゴム組成物における熱可塑性エラストマーの含有量は、組成物全体の10質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのがより好ましい。上記範囲で、本発明のゴム組成物のゴム弾性、加工容易性、リサイクル性が十分となる。
【0048】
本発明のゴム組成物の用途は、特に限定されず、種々の用途に用いられる。例えば、ホットメルト接着剤、シーリング剤、シーラントに好適に用いられる。また、ゴム弾性を持つことから、種々の加硫ゴム用途に利用することができる。具体的には、自動車用タイヤ等のタイヤ;コンベヤベルト、Vベルト等のベルト;高圧ホース、自動車ホース等のホース;遮水シート、免震ゴム支承、ゴム継手、シールパッキン、ラバーフェンス等の土木・建築用資材;ゴム製ブイ、防舷材等の海洋関連品;防音マット、空気バネ、制振ゴム等の防振ゴム;各種ローラー;駐車場ゴムシート等の各種シートが挙げられる。
【0049】
つぎに、本発明のゴム積層体について説明する。
本発明のゴム積層体は、本発明のゴム組成物からなるゴム層と、加硫ゴム組成物からなる加硫ゴム層とを積層してなるゴム積層体である。特に、本発明のゴム組成物が熱可逆架橋ゴム組成物であるのが好ましい。
本発明に用いられる加硫ゴム組成物は、ゴムおよび加硫剤を含有する。後述するように、本発明のゴム積層体は本発明のゴム組成物と加硫ゴム組成物を高温加圧(熱プレス)により接着して得るが、熱プレスの時点では、加硫ゴムは、既に加硫してあるものであっても、未加硫のものであってもよい。
【0050】
加硫ゴム組成物に用いられるゴムは、本発明の熱可塑性エラストマーの原料に用いられるエラストマー性ポリマーとして上述したものと同様のものを用いることができる。
【0051】
加硫剤は、一般的なゴム加硫剤を用いることができる。例えば、硫黄系加硫剤、有機過酸化物系加硫剤、フェノール樹脂系加硫剤、その他の加硫剤が挙げられる。中でも、硫黄系加硫剤が好ましい。
具体的には、硫黄系加硫剤としては粉末硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられ、例えば、ゴム100重量部に対して、0.5〜4重量部程度を用いればよい。
また、有機過酸化物系加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)、ジクミルパーオキサイド等が挙げられ、例えば、ゴム100重量部に対して、1〜15重量部程度を用いればよい。
更に、フェノール樹脂系加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が挙げられ、例えば、ゴム100重量部に対して、1〜20重量部程度を用いればよい。
その他、亜鉛華(ゴム100重量部に対して、5重量部程度)、酸化マグネシウム(同じく4重量部程度)、リサージ(同じく10〜20重量部程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(同じく2〜10重量部程度)、メチレンジアニリン(同じく0.2〜10重量部程度)等が挙げられる。
【0052】
加硫ゴム組成物は、ゴムおよび加硫剤の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、加硫促進剤、補強剤、老化防止剤、加工助剤、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤等を含有することができる。
【0053】
本発明のゴム積層体は、上記本発明のゴム組成物と、上記加硫ゴム組成物とを熱プレスにより接着して得られる。
熱プレスの条件は、特に限定されない。
温度は、120〜190℃であるのが好ましく、150〜180℃であるのがより好ましい。
圧力は、0.1〜30MPaであるのが好ましく、1〜10MPaであるのがより好ましい。
【0054】
加硫ゴム組成物として、既に加硫してあるものを用いる場合には、本発明のゴム組成物と加硫ゴム組成物とを積層して熱プレスすると、本発明のゴム組成物が一部溶融して投錨効果により加硫ゴム組成物と融着し、同時にゴム層と加硫ゴム層の界面付近に残存していた加硫剤のマイグレーションにより本発明の熱可塑性エラストマーと加硫ゴムとの間で架橋が生じる。これにより、ゴム層と加硫ゴム層とが、非常に強固に接着する。
また、加硫ゴム組成物として、未加硫のものを用いる場合には、本発明のゴム組成物と未加硫ゴム組成物とを積層して熱プレスすると、未加硫ゴム組成物が含有する加硫剤により架橋し、同時にゴム層と未加硫ゴム層の界面付近の加硫剤のマイグレーションにより本発明の熱可塑性エラストマーと加硫ゴムとの間で架橋が生じる。これにより、ゴム層と未加硫ゴム層とが、非常に強固に接着する。
【0055】
本発明のゴム積層体の構造は、特に限定されず、ゴム層と加硫ゴム層の2層構造を含む構造であればよい。例えば、加硫ゴム層の上下をゴム層で挟んだ3層構造とすることもできる。
本発明のゴム積層体の形状および大きさは、特に限定されず、用途等に応じて自由に決めることができる。例えば、ゴム層の厚さが0.1〜100mm、さらには0.1〜10、0.1〜4mmである板状体とすることができる。
【0056】
本発明のゴム積層体の用途は、特に限定されず、各種のゴム構造体とすることができる。
【0057】
本発明のゴム積層体は、本発明の熱可塑性エラストマーの架橋が崩壊する温度より低い温度においては、ゴム層は優れたゴム物性を示し、かつ、ゴム層と加硫ゴム層との間の接着が強固であり、ゴム積層体の強度はゴム単体の強度に匹敵する。一方、本発明の熱可塑性エラストマーの架橋が崩壊する温度以上の温度においては、本発明の熱可塑性エラストマーの架橋が崩壊し、ゴム層が軟化するので、ゴム層を加硫ゴム層から容易にはく離させることができる。
したがって、本発明のゴム積層体は、通常のゴム単体と同様の強度特性および耐熱性を示し、一定温度に加熱すると、ゴム層と加硫ゴム層とを容易にはく離させることができるので、リサイクル可能な製品とすることができる。例えば、使用により加硫ゴム層が摩耗したり破損したりした場合においては、加熱によりゴム層からはく離させ、新たな加硫ゴム層をゴム層に加圧接着させることができる。この場合、加圧接着する前に、ゴム層に新たな本発明のゴム組成物を補充することもできる。
また、使用によりゴム層が摩耗したり破損したりした場合においては、加熱により加硫ゴム層からはく離させ、新たな本発明のゴム層を加硫ゴム層に加圧接着させたり、加熱によりゴム層を軟化させ、補修したりすることができる。
【0058】
本発明のゴム積層体において、ゴム層と加硫ゴム層とをはく離させる温度は、本発明のゴム組成物の架橋が崩壊する温度以上であればよいが、加硫ゴム組成物が劣化する温度より低いことが好ましい。加硫ゴム組成物が劣化する温度以上の温度であっても、加熱処理時間が短時間であれば、加硫ゴム組成物の劣化が実質的に起こらないうちに、本発明のゴム組成物を溶解することができる。
【0059】
従来、加硫ゴム層をホットメルト系接着剤層と加熱積層する手法が提案されている。例えば(特開平10−183082号公報)。しかし、一般に熱可塑性樹脂のみが多く配合されたホットメルト系接着剤は耐熱性が低く、また、界面での接着性が悪く、繰り返し疲労に弱い等の問題があった。これに対して、本発明のゴム積層体は、上述の通り、耐熱性および接着性に優れ、それらの問題はない。
【0060】
本発明のゴム構造体は、上記ゴム積層体を少なくとも一部に有するゴム構造体である。本発明のゴム構造体は、上記ゴム積層体を少なくとも一部に有していればよい。すなわち、本発明のゴム構造体は、上記ゴム積層体のみからなっていてもよく、上記ゴム積層体と他のゴム、樹脂、金属その他の材料からなる部材とが複合化したものであってもよい。
本発明のゴム構造体の構造は、特に限定されない。例えば、摩耗、破損等する部材を加硫ゴム層とし、その部材と接するようにゴム層が存在する構造や、摩耗、破損等する部材自体をゴム層とする構造を少なくとも一部に有するものとすることができる。特に、摩耗、破損等する部材を加硫ゴム層とし、その部材と接するように0.1〜100mm、さらには0.1〜10、0.1〜4mm程度の厚さのゴム層が存在する構造を少なくとも一部に有する構造は、好ましい一態様である。
【0061】
本発明のゴム構造体は、自動車、航空機、医療等の広範な分野において、ゴムが少なくとも一部に用いられているあらゆるゴム製品にすることができる。例えば、自動車用タイヤ等のタイヤ;コンベヤベルト、Vベルト等のベルト;高圧ホース、自動車ホース等のホース;遮水シート、免震ゴム支承、ゴム継手、シールパッキン、ラバーフェンス等の土木・建築用資材;ゴム製ブイ、防舷材等の海洋関連品;防音マット、空気バネ、制振ゴム等の防振ゴム;各種ローラー;駐車場ゴムシート等の各種シートが挙げられる。
特に、タイヤは、リサイクル性を強く要求されており、好ましい一態様である。
【0062】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0063】
1.本発明の熱可塑性エラストマーの合成
(合成例1)EXA90−10の合成
イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体(Exxpro90−10、Exxon社製)447g(ブロモメチルスチレン骨格に対して0.0906mol)に、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)7.62g(0.0906mol)を加え、加圧式ニーダーにより100℃で10分間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。NMRにより、4.5ppm付近のブロモメチル基のピークの消失が確認された。
【0064】
(合成例2)EXA89−1の合成
イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体(Exxpro89−1、Exxon社製)490g(ブロモメチルスチレン骨格に対して0.0736mol)に、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)6.18g(0.0736mol)を加え、加圧式ニーダーにより100℃で10分間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。NMRにより、4.5ppm付近のブロモメチル基のピークの消失が確認された。
【0065】
(合成例3)BIAの合成
臭素化ブチルゴム(Bromobutyl X2、Polisar社製)512g(臭素原子に対して0.128mol)に、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)10.77g(0.128mol)を加え、加圧式ニーダーにより100℃で20分間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。NMRにより、4.3ppm付近のブロモメチレン基のピークの消失が確認された。
【0066】
(合成例4)TEAの合成
水酸基両末端イソブチレンオリゴマー(鐘淵化学社試作品)139.22g(水酸基に対して0.05mol)とTDI(住友バイエルウレタン社製)8.73g(0.05mol)との混合物を80℃で8時間加熱かくはんした。得られた組成物のNCO基含有量は、1.24質量%であった(理論値1.42質量%)。つぎに、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)4.21g(0.05mol)を加え、加圧式ニーダーにより150℃で1時間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーのNCO基含有量は、0質量%であることが確認された(理論値0質量%)。
【0067】
(合成例5)MPAの合成
水酸基両末端ポリプロピレングリコール(エクセノール5030、旭硝子社製)804.8g(水酸基に対して0.4716mol)とMDI(住友バイエルウレタン社製)117.9g(0.4716mol)との混合物を80℃で10時間加熱かくはんした。得られた組成物のNCO基含有量は、2.03質量%であった(理論値2.14質量%)。つぎに、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)39.65g(0.4716mol)を加え、加圧式ニーダーにより150℃で1時間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーのNCO基含有量は、0質量%であることが確認された(理論値0質量%)。
【0068】
(合成例6)TPAの合成
水酸基両末端ポリプロピレングリコール(エクセノール5030)468.45g(水酸基に対して0.2745mol)とTDI(住友バイエルウレタン社製)47.81g(0.2745mol)との混合物を80℃で6時間加熱かくはんした。得られた組成物のNCO基含有量は、2.00質量%であった(理論値2.24質量%)。つぎに、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)23.08g(0.2745mol)を加え、加圧式ニーダーにより150℃で1時間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーのNCO基含有量は、0質量%であることが確認された(理論値0質量%)。
【0069】
(合成例7)MTAの合成
水酸基両末端ポリテトラメチレングリコール(関東化学社製)423.82g(水酸基に対して0.4343mol)とMDI(住友バイエルウレタン社製)108.58g(0.4343mol)との混合物を80℃で2時間加熱かくはんした。得られた組成物のNCO基含有量は、3.24質量%であった(理論値3.42質量%)。つぎに、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(日本カーバイド社製)36.5g(0.4343mol)を加え、加圧式ニーダーにより150℃で1時間加熱かくはんし、本発明の熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーのNCO基含有量は、0質量%であることが確認された(理論値0質量%)。
【0070】
(合成例8)LMTの合成
液状イソプレンゴム(LIR−50、クラレ社製)3.48g(イソプレンユニットに対して0.0512mol)と4−メチル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオン(大塚化学社製)0.63g(5.57mmol)とをテトラヒドロフラン(THF)35mLに溶解し、室温で40時間かくはんした。NMRにより、4−メチル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンが、液状イソプレンゴムのブタジエンユニット当たり3.2mol%導入されていることが確認された。
【0071】
(合成例9)LPTの合成
液状イソプレンゴム(LIR−50、クラレ社製)5.83g(イソプレンユニットに対して0.0857mol)と4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオン(大塚化学社製)1.5g(8.56mmol)とをTHF50mLに溶解し、室温で40時間かくはんした。NMRにより、4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンが、液状イソプレンゴムのブタジエンユニット当たり3.6mol%導入されていることが確認された。
【0072】
2.ゴム組成物の調製
(実施例2、3、5、6、8、9および11、参考例13、15、17および19ならびに実施例21および23)
以下に示される原料をそれぞれ第1表に示される質量比で用いて、第1表に示される各実施例のゴム組成物を得た。
EXA90−10:合成例1で得られた本発明の熱可塑性エラストマー
EXA89−1:合成例2で得られた本発明の熱可塑性エラストマー
BIA:合成例3で得られた本発明の熱可塑性エラストマー
TEA:合成例4で得られた熱可塑性エラストマー
MPA:合成例5で得られた熱可塑性エラストマー
TPA:合成例6で得られた熱可塑性エラストマー
MTA:合成例7で得られた熱可塑性エラストマー
LMT:合成例8で得られた本発明の熱可塑性エラストマー
LPT:合成例9で得られた本発明の熱可塑性エラストマー
アロマオイル:デゾレックス3号、昭和シェル石油社製
カーボンブラック:ショウブラックN−339、昭和キャボット社製
シリカ:ニップシールAQ、日本シリカ社製
【0073】
3.熱可塑性エラストマーおよびゴム組成物等の物性
上記で得られた各熱可塑性エラストマーおよび各ゴム組成物等の物性を評価した。実施例1、4、7および10、参考例12、14、16および18ならびに実施例20および22は、熱可塑性エラストマーを添加剤を加えずにそのまま用いた。比較例1および2は、それぞれ以下のBIMS(イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体)を添加剤を加えずにそのまま用いた。
(比較例1)
BIMS1:イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体(Exxpro90−10)
(比較例2)
BIMS2:イソブチレン−p−ブロモメチルスチレン共重合体(Exxpro89−1)
【0074】
(1)引張試験
JIS K6251の規定に準拠して、引張強さ(破断強度)および伸び(破断伸び)の測定を行った。
(2)流動開始温度
高化式フローテスター(島津CFT−500)を用いて、10Mpaの圧力下で加温することにより、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーから流出を開始する温度を測定した。
(3)熱可逆架橋性
190℃の熱プレスにより溶融した後室温まで冷却するという工程を繰り返した場合において、外観を悪化させることなく繰り返しできる回数を観察した。熱可逆架橋性は、3回以上のものを良好(○)と評価した。
【0075】
熱可塑性エラストマーおよびゴム組成物等の物性を第1表に示す。
本発明の熱可塑性エラストマーおよびそれを含有する本発明のゴム組成物は、温度変化により架橋構造の形成と崩壊を可逆的に起こすことができ、低温では十分なゴム物性を発現し、一方高温加熱時には優れた流動性を示すことが分かる(実施例1〜23)。
これに対し、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成しうる含窒素複素環を有しない場合(比較例1および2)は、架橋していないため、熱可逆架橋性(熱可塑性)を示すが、逆に強度が低い。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマーは、分子内に水素結合を形成しうる含窒素複素環を有し、常温での架橋硬化と、加熱による流動性の発現とを繰返し再現しうる。本発明の熱可塑性エラストマーは、水素結合によりゴム弾性体となりうるとともに、高温まで水素結合を形成しており、耐熱性に優れ、コールドフローしにくい。また、耐熱温度を超える高温加熱時には脱架橋により著しい流動性を示し、成形、加工することができリサイクル利用が容易である。この熱可塑性エラストマーは新規であって、種々の用途への利用が可能である。本発明のゴム組成物は、本発明の熱可塑性エラストマーを含有するため、上記と同様の性質を示し、有用である。
本発明のゴム積層体は、通常のゴム単体と同様の強度特性および耐熱性を示し、一定温度に加熱すると、ゴム層と加硫ゴム層とを容易にはく離させることができるので、リサイクル可能な製品とすることができ、有用である。本発明のゴム構造体は、自動車、航空機、医療等の広範な分野において、ゴムが少なくとも一部に用いられているあらゆるゴム製品にすることができ、特にリサイクル性を強く要求されているタイヤに好適に用いられる。
Claims (6)
- 含窒素複素環を分子内に有する熱可塑性エラストマーであって、
主鎖となるエラストマー性ポリマーが、イソブチレンと芳香族ビニルもしくはジエン系モノマーとの共重合体またはその臭素化物であり、
該含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成していることを特徴とする熱可塑性エラストマー。 - 含窒素複素環を分子内に有する熱可塑性エラストマーであって、
主鎖となるエラストマー性ポリマーが、ハロゲン化ブチルゴムであり、
該含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成していることを特徴とする熱可塑性エラストマー。 - 含窒素複素環を分子内に有する熱可塑性エラストマーであって、
主鎖となるエラストマー性ポリマーが、ポリイソプレンであり、
該含窒素複素環のうち少なくとも1つが、他の含窒素複素環との間で水素結合を形成していることを特徴とする熱可塑性エラストマー(ただし、ポリイソプレンとアゾール基およびメルカプト基を有する有機化合物とを反応させてなる変性ゴム、ならびに、不飽和重合体とカルボキシル−置換4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンとを反応させてなるカルボキシル化重合体を除く)。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマーを含有するゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物からなるゴム層と、加硫ゴム組成物からなる加硫ゴム層とを積層してなるゴム積層体。
- 請求項5に記載のゴム積層体を少なくとも一部に有するゴム構造体。
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