JP6425922B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高温時の未加硫ゴム組成物の作業性が良好で、かつ該ゴム組成物の加硫物の使用温度(100℃以下等)時の補強性が高いゴム組成物に関し、そのゴム組成物をトレッドに用いたタイヤに関するものである。
共役ジエン系重合体は分子量が高いほど高破壊、高耐摩耗性および低ロス性が優れることが知られている。
一方、配合時等の未加硫ゴム組成物の作業性を確保するためには分子量は高過ぎないことが好ましい。高分子量の共役ジエン系重合体を配合する時は、混練装置内でのトルクが大きいため分子鎖切断が起こりやすく、効率的に高分子量を維持することが困難である。これらの問題点を改善するために、作業性が確保できる適度な分子量の共役ジエン系重合体を配合する方法が提案されている。(特許文献1)しかし、低分子量を配合することで物性の低下などが見られている。
また、ポリマーを変性することで、添加剤との相互作用を向上させ物性改善することも一般的である。(特許文献2)しかし未加硫ゴム組成物の混練のときに添加剤とゴム成分とがゲル化し、作業性が悪くなる。共役ジエン系重合体と添加剤が結合することで、分散の悪化が起こることやポリマーの結晶化を妨げることによる共役ジエン系重合体の伸長結晶化が悪くなり、耐破壊性が低下するという問題点があった。
特開2005−350595号公報 特開2005−008770号公報
本発明は、このような状況下で、高温時の未加硫ゴム組成物の作業性が良好で、かつ該ゴム組成物の加硫物の使用温度(室温等)での高い耐破壊性及び低発熱性に優れたゴム組成物及びそのゴム組成物を用いたタイヤを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために、高温時の未加硫ゴム組成物の作業性が良好で、かつ室温時の補強性が高い特性をゴム組成物に付与すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の変性共役ジエン系重合体をゴム成分として配合することにより、本発明の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]100℃以下に架橋開裂開始温度を有し、かつ共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量が30モル%以下である熱可逆架橋性共役ジエン系重合体及び天然ゴムを含む、ゴム組成物であって、
前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の少なくとも一部の分子鎖末端が、−COOHを有し、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算数平均分子量が、50,000〜400,000であり、かつ前記ゴム組成物のゴム成分中、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を20〜80質量%含み、前記天然ゴムを80〜20質量%含む、ゴム組成物、及び
[2]上記[1]に記載のゴム組成物を1種以上の部材に用いてなるタイヤ、
を提供するものである。
本発明のゴム組成物に用いられる熱可逆架橋性共役ジエン系重合体は、その変性された分子鎖末端同士が水素結合などの相互作用で低温時に結合し、高温時に結合開裂する。この特性を利用し、低分子量の共役ジエン系重合体であっても、室温付近で使用する際に結合し、高い耐破壊性、優れた耐摩耗性、及び良好な低発熱性を示す。一方、高温(例えば、100℃以上)時のゴム組成物の混練工程の際に、水素結合等が破壊されることにより、共役ジエン系重合体の分子量は低くなり、作業性がより良好になる。
さらに、タイヤが高速走行する際に例えば、100℃以上の高温になり、一部の共役ジエン系重合体同士の結合の開裂によって、加硫ゴム組成物の損失正接が増加し、加硫ゴム組成物の高温時の耐破壊性を向上でき、ビニル結合含有量を小さくすることにより耐破壊性を向上できた。すなわち、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子量をコントロールすることにより未加硫ゴム組成物の作業性及び該加硫ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性を更に向上させることができた。
本発明のゴム組成物は、100℃以下に架橋開裂開始温度を有し、かつ共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量が30モル%以下である熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする。
ここで、架橋開裂開始温度の測定方法は、動的せん断粘弾性試験機を用いて、動歪1%、周波数15Hzで30℃〜150℃の範囲において1℃刻みでデータを取って動的損失弾性率G”の温度分散を測定し、G”の低下開始温度を架橋開裂開始温度とする。
また、2モル%を超えるビニル結合含有量の測定方法は、赤外吸収スペクトルによるモレロ法に基づき、2モル%以下のビニル結合含有量の測定方法は、特開2008−291096号公報に記載されたフーリエ変換赤外分光法に基づく。
本発明において、熱可逆架橋性とは、所定の温度(架橋開裂開始温度:例えば、100℃)以上で架橋が開裂し、その所定の温度以下では、架橋の結合は生成し、開裂した架橋が再生成することをいう。この場合の架橋とは、水素結合等の温度依存性の高い結合をいう。この架橋により、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリマーネットワークが形成され、タイヤの通常使用温度での加硫ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性を更に向上させることとなる。
100℃以下に架橋開裂開始温度を有することにより、高温時の未加硫ゴム組成物の作業性を良好にし、かつ室温付近で加硫ゴム組成物を使用する際に高い耐破壊性、優れた耐摩耗性及び良好な低発熱性を享受することができる。この観点から、架橋開裂開始温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましい。
共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量を30モル%以下とするのは、加硫ゴム組成物の耐破壊性を向上させるためである。
本発明のゴム組成物は、架橋開裂開始温度が100℃以下であり、かつ共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量が30モル%以下である熱可逆架橋性共役ジエン系重合体と天然ゴムとを含むことが好ましい。
本発明のゴム組成物において、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体と天然ゴムとを含有すると、天然ゴムに含まれる非ゴム成分と相互作用することによりゴム中のポリマーネットワーク拡大により伸張結晶性が向上する。
天然ゴムにはゴム以外に非ゴム成分が含まれており、天然ゴム末端にタンパク質やリン脂質などが付加している。これにより天然ゴムはこの末端を介した高次構造を有している。本発明者は、この天然ゴム末端に対して合成ゴムでもアイオノマーを付加させることにより天然ゴムに作用することを確認し、高い耐破壊性、優れた耐摩耗性、及び良好な低発熱性をゴム組成物に付与することをなし得た。これらの加硫ゴム組成物物性改良のメカニズムは、ネットワークによる高分子量化(耐破壊性や低発熱性の改良)であり、ネットワークが高温高歪で壊れることによるロスの発生の低減、すなわち、耐破壊性の改良である。
本発明のゴム組成物に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体は、有機アルカリ金属化合物又は有機アルカリ土類金属を重合開始剤とし、共役ジエン化合物1種以上、又は共役ジエン化合物1種以上及び芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものであることが好ましい。その製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
重合開始剤としての有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属の内、有機アルカリ金属化合物が好ましく、特に有機リチウム金属化合物が好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、例えばイソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン及び1,3−ヘキサジエンから選ばれる1種以上の化合物などが好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、イソプレン、1,3−ブタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンがさらに好ましく、イソプレン、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
本発明のゴム組成物に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の1種以上を重合することが好ましいが、所望により、前記共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させてもよい。この共役ジエン化合物との共重合の場合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン及び2,4,6−トリメチルスチレンから選ばれる1種以上の化合物などが好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
更に、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さなどの実用性面、及びアニオン重合特性がリビング性などの点で優れることなどから、特に好適である。
また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は0〜55質量%の範囲が好ましい。
重合開始剤の有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム、ジリチウム化合物及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられる。ヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位(後述する官能基を有し得る分子鎖末端)である共役ジエン系共重合体が得られる。ジリチウム化合物を用いる場合には、両方の末端が重合活性部位(後述する官能基を有し得る分子鎖末端)である共役ジエン系共重合体が得られる。リチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位(後述する官能基を有し得る分子鎖末端)である共役ジエン系共重合体が得られる。
前記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
また、ジリチウム化合物としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、特公平1−53681号公報には、モノリチウム化合物を第3級アミンの存在下に、二置換ビニル又はアルケニル基含有芳香族炭化水素と反応させてジリチウム重合開始剤を製造する方法が記載されている。モノリチウム化合物としては、上述のものが用いられるが、それらの中で、sec−ブチルリチウムが好ましい。
重合開始剤としてのジリチウム化合物を製造するときに用いられる第3級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等の低級脂肪族アミンやN,N−ジフェニルメチルアミン等が挙げられるが、特にトリエチルアミンが好ましい。
また、前記二置換ビニル又はアルケニル基含有芳香族炭化水素としては、例えば、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン、1,4−(ジイソプロペニル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチルエテニル)ベンゼン、1,4−ビス(1−エチルエテニル)ベンゼン等が好ましく挙げられる。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどが挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第二アミンと有機リチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、2種以上の共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記有機リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系共重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系共重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン重合体又はブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加など、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイサーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタンなどのエーテル類及び第三アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−tert−アミレート、カリウム−tert−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−tert−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは20℃〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体など、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などの反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
得られる共役ジエン系重合体の示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は−95℃〜−15℃であることが好ましい。ガラス転移温度を前記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑え、取り扱いが容易な共役ジエン系共重合体を得ることができる。
また、本発明のゴム組成物に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体は、ランタン系列希土類金属化合物を含む重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物1種以上、又は共役ジエン化合物1種以上及び芳香族ビニル化合物を配位重合させて得られたものであることも好ましい。
ランタン系列希土類金属化合物を含む重合開始剤を用いて、配位重合で当該重合活性末端を有する共役ジエン系重合体を製造する場合は、下記(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分を組み合わせて用いるのが好ましい。
前記配位重合に用いる(イ)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。前記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(イ)成分として、具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。これら(イ)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記配位重合に用いる(ロ)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R12 3Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R12 2AlH又はR12AlH2で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、R12は、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基を持つヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(ロ)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
前記配位重合に用いる(ハ)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(ハ)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(ハ)成分は一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤は、前記の(イ),(ロ),(ハ)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(イ)成分又は(ハ)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。前記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(イ)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5ミリモル(mmol)である。また、モル比で(ロ)成分/(イ)成分は5〜1,000、(ハ)成分/(イ)成分は0.5〜10が好ましい。
前記配位重合における重合温度は、−80℃〜150℃の範囲が好ましく、−20℃〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
このランタン系列希土類元素化合物を含む重合開始剤を用いて配位重合させることにより得られる重合活性末端を有する共役ジエン系重合体としては、1種類の共役ジエン化合物を重合させた単独重合体、又は2種以上用いて重合させた共重合体が好ましい。前記共役ジエン化合物としては、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン及び1,3−ヘキサジエンから選ばれる1種以上の化合物であることが好ましく、これらの中で、イソプレン、1,3−ブタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンがさらに好ましく、イソプレン及び1,3−ブタジエンが特に好ましい。
配位重合においても、必要に応じ、共役ジエン化合物1種以上と、芳香族ビニル化合物とを共重合させることが可能である。この場合、前記芳香族ビニル化合物が、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン及び2,4,6−トリメチルスチレンから選ばれる1種以上の化合物であることが好ましく、スチレンが特に好ましい。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体が、配位重合によって製造される場合は、該重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量は1モル%以下であることが好ましい。配位重合において、シス−1,4結合含有量を高くして、ビニル結合含有量を低く押させることにより、該重合体の伸張結晶性を高くして、耐破壊性及び低発熱性をさらに改良するためである。ここで、2モル%以下のビニル結合含有量の測定方法は、特開2008−291096号公報に記載されたフーリエ変換赤外分光法に基づく。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体としての共役ジエン系重合体の種類は、ポリブタジエンゴム(以下、「BR」と略称することがある。)、合成ポリイソプレンンゴム(以下、「IR」と略称することがある。)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(以下、「BIR」と略称することがある。)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「SBR」と略称することがある。)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(以下、「SIR」と略称することがある。)等が好適に例示されるが、これらの内、BR及びIRが特に好ましい。
架橋開裂開始温度を100℃以下とするためには、本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の少なくとも一部の分子鎖末端が、−COOH; −NH−C(=O)−、>NC(=O)−N< 及び >NC(=O)−O−から選ばれる少なくとも1種で表わされるアミド結合を有する官能基; 下記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物残基; 下記一般式(II)で表わされる有機アミン化合物残基;及び下記一般式(III)で表わされる有機アミンリン酸化合物残基からなる群から選ばれる1種以上の官能基(以下、「変性基」と略称することがある。)を有することが、未加硫ゴム組成物の作業性及び該加硫ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性を更に向上させる観点から好ましい。この熱可逆架橋性共役ジエン系重合体は、未加硫ゴム組成物の作業性及び該加硫ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性を更に向上させる観点から、その分子鎖に平均値として少なくとも0.5以上の前記官能基を有することがより好ましく、平均値として少なくとも0.7以上の前記官能基を有することがさらに好ましく、平均値として少なくとも1以上の前記官能基を有することが特に好ましい。官能基数を多くすることで、ポリマー同士がネットワーク形成しやすくなるからである。本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖が有する前記官能基の数に上限は特にないが、分子鎖中の前記官能基と反応し得る分子鎖末端の数により前記官能基の数は限定される。通常、分子鎖中の前記官能基と反応し得る分子鎖末端の数は1又は2であるので、1つの分子鎖末端に1つの前記官能基が反応すると、本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖が有する前記官能基の数は平均値として2.0以下となる。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の少なくとも一部の分子鎖末端が、−COOHを有することが未加硫ゴム組成物の作業性及び該加硫ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性を更に向上させる観点から特に好ましい。
Figure 0006425922
前記一般式(I)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基及び一価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる一価の炭化水素基、又は水素原子である。
また、R1及びR2のいずれかが前記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物残基から離脱すると有機リン酸アニオンが形成され、R1及びR2の両方が前記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物残基から離脱すると有機リン酸ジアニオンが形成される。
Figure 0006425922
前記一般式(II)中、R3は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素数3〜20の二価の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜20の二価の芳香族炭化水素基から選ばれる二価の炭化水素基、又は単結合である。ここで、単結合とは、前記一般式(II)で表わされる有機アミン化合物残基のN原子が、直接、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端と単結合で結合することをいう。
4及びR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の一価のアルキル基、炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基から選ばれる一価の炭化水素基、又は水素原子であり、R4及びR5の少なくとも1つは水素原子である。
Figure 0006425922
前記一般式(III)中、R7は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素数3〜20の二価の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜20の二価の芳香族炭化水素基から選ばれる二価の炭化水素基である。R6、R8及びR9は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の一価のアルキル基、炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基から選ばれる一価の炭化水素基、又は水素原子であり、R8及びR9の少なくとも1つは水素原子である。
上記の−NH−C(=O)−、>NC(=O)−N< 及び >NC(=O)−O−から選ばれる少なくとも1種で表わされるアミド結合を有する官能基としては、Ra−NH−C(=O)−、Rb−NH−C(=O)−NRc−及びRd−NH−C(=O)−O−から選ばれる少なくとも1種で表わされるアミド結合を有する官能基であることが好ましい。
ここで、Ra、Rb、Rc及びRdはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の、アルキル基、アラルキル基及びアルキルアリール基から選ばれる一価の炭化水素基、又は水素原子である。
前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端に−COOHを結合させるための変性剤としては二酸化炭素が挙げられ、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端に−NH−C(=O)−を結合させるための変性剤としてはフェニルイソシアネートが挙げられ、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端に>NC(=O)−N<を結合させるための変性剤としてはベンジリデンアニリン及びフェニルイソシアネートが挙げられる。
また、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端に前記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物残基を結合させるための変性剤としてはジエチルクロロフォスフォネートが挙げられ、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端に有機4級アンモニウム化合物残基(カチオン)を結合させるための変性剤としては無水ベタインが挙げられる。
前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端が−COOHを有するためには、その分子鎖末端と二酸化炭素とを反応させて、−COOHを形成することが好ましい。
また、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端が−NH−C(=O)−、>NC(=O)−N< 及び >NC(=O)−O−から選ばれる少なくとも1種で表わされるアミド結合を有する官能基を有するためには、該分子鎖末端(リビングポリマーの末端アニオン基)をイソシアナートで変性する方法、該分子鎖末端をイミン化合物と反応させた後にイソシアナートと処理する変性方法などが挙げられる。
ここで、イソシアナート化合物としては、例えばフェニルイソシアナート;4,4’−メチレンビスフェニルイソシアナート(MDI);2,4−トルイレンジイソシアナート(2,4−TDI);2,6トルイレンジイソシアナート(2,6−TDI),クルードメチレンジイソシアナート(クルードMDI),ジフェニルメタンジイソシアナート,ナフタレンジイソシアナート,トリフェニルメタントリイソシアナート,p−フェニレンジイソシアナート,キシリレンジイソシアナート;ベンセンー1,2,4−トリイソシアナート;ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアナート;ナフタレン−1,3,7−トリイソシアナートなどの芳香族イソシアナートや、ヘキサメチレンジイソシアナート,メチルシクロヘキサンジイソシアナートなどの脂肪族イソシアナートなどが挙げられる。
また、該分子鎖末端をイミン化合物と反応させた後にイソシアナートと処理する変性方法の場合に用いられるイミン化合物としては、例えばエタンイミン,ベンジルイミン,アセトンイミン,アセトフェノンイミン,ベンジリデンアニリン,ベンジリデンエチルアミン;ベンゾアミジン,アセトアミジン,1−フェニルベンゾアミジン,1−メチルベンゾアミジン,1−フェニルアセトアミジン,1−ベンゾイルベンゾアミジン,1−アセチルベンゾアミジン,1−ベンゾイルアセトアミジン,N−アミジノベンズアミド,N−アミジノアセトアミド,N−(N−フェニルアミジノ)ベンズアミド,N−(N−フェニルアミジノ)アセトアミド,N−(N−フェニルアミジノ)ステアリンアミド,N−(N−メチルアミジノ)ベンズアミドなどのアミジン系化合物;ベンゾヒドラジドイミン,アセトヒドラジドイミン,2−フェニルベンゾヒドラジドイミン,2−メチルベンゾヒドラジドイミン,2−フェニルアセトヒドラジドイミン,2−ベンゾイルベンゾヒドラジドイミン,2−アセチルベンゾヒドラジドイミン,2−ベンゾイルアセトヒドラジドイミン,2−アミジノベンゾヒドラジドイミンなどのヒドラジドイミン系化合物が挙げられる。前記の中でも、>C=NH−構造のイミノ基を有する化合物が好ましい。
本発明における変性反応においては、用いる活性末端を有する共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。従って、−COOH、−NH−C(=O)−、>NC(=)、N<、及び>NC(=O)−O−、前記一般式(I)で表わされる有機リン酸化合物残基、前記一般式(II)で表わされる有機4級アンモニウム化合物残基及び前記一般式(III)で表わされる有機リン酸4級アンモニウム化合物残基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を、本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の分子鎖末端と結合させる前記の変性反応は、アニオン重合及び配位重合のいずれにおいても好適に行うことができる。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算数平均分子量は、50,000〜400,000であることが好ましい。分子量を制御することで、高温時の未加硫ゴム組成物の作業性をさらに良好にすると共に加硫ゴム組成物の使用温度(室温等)での高い耐破壊性及び低い発熱性をさらに優れたものにするためである。この観点から、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算数平均分子量は、100,000〜300,000であることがさらに好ましい。ポリスチレン換算数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用し、検知器として、示差屈折計を用いて、標準ポリスチレン換算値として算出した値であり、用いたサンプル濃度は4mg/5ml THF溶液とした。
本発明のゴム組成物のゴム成分中、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を20〜80質量%含み、天然ゴムを80〜20質量%含むことが好ましい。また、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を30〜70質量%含み、天然ゴムを70〜30質量%含むことがより好ましく、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を40〜60質量%含み、天然ゴムを60〜40質量%含むことがさらに好ましい。熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を20〜80質量%含み、天然ゴムを80〜20質量%含むと熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリマーネットワークを好適に形成して、タイヤの通常使用温度での加ゴム組成物の耐破壊性及び低発熱性をより向上させるからである。
本発明のゴム組成物に、所望により配合される天然ゴムは、無変性天然ゴムであってもよいし、変性天然ゴムであってもよい。変性天然ゴムとしては、例えば、エポキシ変性天然ゴムが用いられる。
本発明のゴム組成物のゴム成分中、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体、及び所望により配合される天然ゴム以外の他のゴム成分として、他の合成イソプレンゴム、他のブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロブレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びハロゲン化メチル基をもつスチレンとイソブチレンとの共重合体の中から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体、1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体及び天然ゴム以外の他のゴム成分も1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、必要に応じ、硫黄、硫黄化合物、無機金属化合物、ポリアミン類及び有機過酸化物から1種以上選ばれる加硫剤を配合してなる。ここで、硫黄としては、石油由来、火山由来、鉱物由来、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄000等の各種の粉末硫黄が用いられる。硫黄化合物としては、モルホリン・ジスルフィド、塩化硫黄、高分子多硫化物、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、及び2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。硫黄以外の無機金属としては、セレニウム(セレン)、テルリウム(テルル)等が挙げられ、無機金属化合物としては、酸化マグネシウム、一酸化鉛(リサージ)、二酸化亜鉛等が挙げられる。ポリアミン類としては、ヘキサメチレン・ジアミン、トリエチレン・テトラミン、テトラエチレン・ペンタミン、ヘキサメチレンジアミン・カルバメート、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)等が挙げられ、有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。
本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して、加硫剤を0.3〜15質量部配合することが好ましく、0.5〜10質量部配合することがより好ましい。
本発明に係る加硫剤は、1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、必要に応じ、さらに、本発明に係る熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して、充填材として、カーボンブラックを5〜100質量部配合してもよい。カーボンブラックを5〜100質量部配合することにより、加硫ゴム組成物の耐破壊性をさらに向上することができる。また、100質量部以下配合することにより、熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリマーネットワークの形成を妨げないようにすることができる。この観点から、カーボンブラックを80質量部以下配合することがより好ましく、60質量部以下配合することがさらに好ましく、50質量部以下配合することが特に好ましい。
本発明において充填材として用いられるカ−ボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、20〜200m2/gであることが好ましい。20m2/g以上であればゴム組成物の補強性を好適に確保でき、200m2/g以下であれば低発熱性を向上できるからである。
具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、N326、N339、N347、N351、IISAF、ISAF、SAF等が挙げられる。
カーボンブラックは、1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常、ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば、シリカ等の無機充填材、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを配合することができる。
また、本発明のゴム組成物は、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機などの混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後に加硫を行ない、各種ゴム製品に適用可能である。例えば、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、サイド補強ゴム、ビード部(特にビードフィラー)などのタイヤ用部材の用途を始め、防振ゴム、防舷材,ベルト、ホースその他の工業品などの用途に用いることができるが、特に、低発熱性、耐摩耗性、耐破壊性のバランスに優れた、低燃費用タイヤ、大型タイヤ、高性能タイヤのトレッド用ゴム組成物として好適に使用され、本発明のタイヤが得られる。すなわち、本発明のタイヤの部材の内、本発明のゴム組成物を用いる部材の1つが、トレッドであることが好ましい。
本発明のタイヤは、転がり抵抗が低く低燃費性に優れると共に、破壊特性及び耐摩耗性が優れる。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスが挙げられる。本発明に係るトレッド用ゴム組成物は、例えばトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明のタイヤが得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
共役ジエン系重合体の架橋開裂開始温度(℃)、ビニル結合含有量(モル%)、数平均分子量(Mn)及び重合体分子鎖1本当たりの変性基の数、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)並びに加硫ゴム組成物の耐破壊性指数及び低発熱性指数(tanδ指数)は、以下の方法で測定した。
1.架橋開裂開始温度(℃)
動的せん断粘弾性試験機{レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機(ARES)}を用いて、動歪1%、周波数15Hzで30℃〜150℃の範囲において1℃刻みでデータを取って動的損失弾性率G”の温度分散を測定し、G”の低下開始温度を架橋開裂開始温度とした。
2.ビニル結合含有量(モル%)
2モル%を超えるビニル結合含有量は、赤外吸収スペクトルによるモレロ法に基づき測定し、2モル%以下のビニル結合含有量は、特開2008−291096号公報に記載されたフーリエ変換赤外分光法に基づき測定した。
3.ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「HLC−8120GPC」,東ソー社製)を使用し、検知器として、示差屈折計を用いて、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した。
カラム:商品名「GMHHXL」(東ソー社製) 2本
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
サンプル濃度:4mg/5ml
4.重合体分子鎖1本当たりの変性基の数
蛍光ラベル化剤により染色した後、蛍光検出により測定した。
5.未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4
JIS K6300−1:2013に従い、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件で測定した。比較例1、5、8又は11を100として、以下の式で求めた。値が低い程、未加硫ゴム組成物の作業性が良好である。
ムーニー粘度指数={(供試試料のムーニー粘度)/(比較例1、5、8又は11のムーニー粘度)}×100
6.耐破壊性指数
JIS K6251:2010に従い、145℃、30分加硫して、ダンベル状3号形の加硫ゴム組成物サンプルの引っ張り試験を100℃で行い、切断時引張強さを測定し、比較例1、5、8又は11を100として、以下の式で求めた。値が高い程、耐破壊性が良好である。
耐破壊性指数={(供試試料の切断時引張強さ)/(比較例1、5、8又は11の切断時引張強さ)}×100
7.低発熱性指数(tanδ指数)
上島製作所製の動的スペクトロメーターを使用し、初期引張歪10%、引張動歪1%、周波数10Hz、50℃の条件でtanδを測定し、比較例1、5、8又は11を100として、以下の式で求めた。値が低い程、低発熱である。
低発熱性指数={(供試試料のtanδ)/(比較例1、5、8又は11のtanδ)}×100
製造例1 変性BR−1の製造
窒素置換された2L耐圧ガラス瓶に、窒素下、シクロヘキサン477g、1,3−ブタジエン65g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.053mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.9mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で3時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度50℃に保ち、ルイス塩基であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを0.9mmol添加し、二酸化炭素をゲージ圧 2kg・cm3で、10分間フィードし反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を加えて重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−1を得た。変性前の数平均分子量(Mn)は、252,000であり、ビニル含有量は20mol%であり、架橋開裂開始温度は、61℃であり、重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は0.8であった。
製造例2〜4及び8 変性BR−2〜5の製造
まず、充分に脱水精製したシクロヘキサン溶媒中に、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン1モルを添加した後、トリエチルアミン2モル、sec−ブチルリチウム2モルを順次添加し、50℃で2時間撹拌して、製造例2〜4及び8に用いるジリチウム重合開始剤を調製した。
次に、第2表に示すように、n−ブチルリチウムをジリチウム重合開始剤に変更し、1,3−ブタジエン量(g)、ジリチウム重合開始剤量(mmol)、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン量(mmol)、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン量(mmol)を変更した以外は、製造例1と同じ様に変性BR−2〜5を製造した。なお、変性剤である二酸化炭素のゲージ圧(kg/cm3)、フィード時間(分)及び反応温度(℃)は製造例1と同じである。
各変性BRの変性前の数平均分子量(Mn)、ビニル含有量、架橋開裂開始温度及び重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は第2表に示す。
製造例5〜7 無変性BR−1〜3の製造
第2表に示すように、1,3−ブタジエン量(g)、n−ブチルリチウム量(mmol)及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン量(mmol)を変更し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを添加せず、二酸化炭素をフィードしなかった以外は、製造例1と同じ様にして無変性BR−1〜3を製造した。各無変性BRの数平均分子量(Mn)及びビニル含有量は第2表に示す。
製造例9 変性IR−1の製造
窒素置換された2L耐圧ガラス瓶に、窒素下、シクロヘキサン477g、イソプレン65g、これに0.9mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、撹拌装置を備えた50℃温水浴中で3時間重合を行った。イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合体溶液を温度50℃に保ち、ルイス塩基であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.9mmol添加し、二酸化炭素をゲージ圧 2kg・cm3で、10分間フィードし反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を加えて重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性IR−1を得た。変性前の数平均分子量(Mn)は、249,000であり、ビニル含有量は6mol%であり、架橋開裂開始温度は、65℃であり、重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は0.8であった。
製造例10〜13 変性IR−2〜5の製造
まず、充分に脱水精製したシクロヘキサン溶媒中に、1,3−(ジイソプロペニル)ベンゼン1モルを添加した後、トリエチルアミン2モル、sec−ブチルリチウム2モルを順次添加し、50℃で2時間撹拌して、製造例10〜13に用いるジリチウム重合開始剤を調製した。
次に、第3表に示すように、n−ブチルリチウムをジリチウム重合開始剤に変更し、イソプレン量(g)、ジリチウム重合開始剤量(mmol)、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン量(mmol)及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン量(mmol)を変更した以外は、製造例9と同じ様に変性IR−2〜5を製造した。なお、変性剤である二酸化炭素のゲージ圧(kg/cm3)、フィード時間(分)及び反応温度(℃)は製造例9と同じである。各変性IRの変性前の数平均分子量(Mn)、ビニル含有量、架橋開裂開始温度及び重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は第3表に示す。
製造例14〜16 無変性IR−1〜3の製造
第3表に示すように、イソプレン量(g)、n−ブチルリチウム量(mmol)及び2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン量(mmol)を変更し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを添加せず、二酸化炭素をフィードしなかった以外は、製造例9と同じ様にして無変性IR−1〜3を製造した。各無変性IRの数平均分子量(Mn)及びビニル含有量は第3表に示す。
製造例17 変性BR−6の製造
窒素置換された200mLガラス瓶に、窒素雰囲気下、1,3−ブタジエン4.76g、触媒成分としてのバーサチック酸ネオジム(0.03mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルミノキサン(以下「MAO」ともいう)(25.5mmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(以下「DIBAH」ともいう)(6.3mmol)を仕込み、30℃で2分間反応させた。さらにこのガラス瓶にジエチルアルミニウムクロリド(1.2mmol)のトルエン溶液を30℃で15分間反応熟成させて、触媒組成物を予備調製した。
窒素置換された2L耐圧ガラス瓶に、窒素下、シクロヘキサン477g、ブタジエン65gを仕込み、これに前記で調整した触媒組成物をNd量で0.0325mmol仕込み、0℃で3時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。
次に、この重合体溶液を室温(25℃)に保ったまま、二酸化炭素をゲージ圧 2kg・cm3で、10分間フィードし反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を加えて重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−6を得た。変性前の数平均分子量(Mn)は、253,000あり、ビニル含有量は0.15mol%であり、架橋開裂開始温度は、61℃であり、重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は0.9であった。
製造例18 変性BR−7の製造
第4表に示すように、触媒投入量を変更した以外は、製造例17と同じ様に変性BR−7を製造した。変性BR−7の変性前の数平均分子量(Mn)、ビニル含有量、架橋開裂開始温度及び重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は第4表に示す。
製造例19〜21 無変性BR−4〜6の製造
第4表に示すように、触媒投入量を変更し、二酸化炭素をフィードしなかった以外は、製造例17と同様にして無変性BR−4〜6を製造した。各無変性BRの数平均分子量(Mn)及びビニル含有量は第4表に示す。
製造例22 変性IR−6の製造
窒素置換された200mLガラス瓶に、窒素雰囲気下、イソプレン4.76g、触媒成分としてのバーサチック酸ネオジム(0.03mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルミノキサン(以下「MAO」ともいう)(25.5mmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(以下「DIBAH」ともいう)(6.3mmol)を仕込み、30℃で2分間反応させた。さらにこのガラス瓶にジエチルアルミニウムクロリド(1.2mmol)のトルエン溶液を30℃で15分間反応熟成させて、触媒組成物を予備調製した。
窒素置換された2L耐圧ガラス瓶に、窒素下、シクロヘキサン477g、イソプレン65gを仕込み、これに前記で調整した触媒組成物をNd量で0.0325mmol仕込み、0℃で3時間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。
次に、この重合体溶液を室温(25℃)に保ったまま、二酸化炭素をゲージ圧 2kg・cm3で、10分間フィードし反応させた。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を加えて重合停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、変性BR−7を得た。変性前の数平均分子量(Mn)は、253,000であり、ビニル含有量は0.15mol%であり、架橋開裂開始温度は、65℃であり、重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は0.9であった。
製造例23 変性IR−7の製造
第5表に示すように、触媒投入量を変更した以外は、製造例22と同様に変性IR−7を製造した。変性IR−7の変性前の数平均分子量(Mn)、ビニル含有量、架橋開裂開始温度及び重合体分子鎖1本当たりの変性基の数は第5表に示す。
製造例24〜26 無変性IR−4〜6の製造
第5表に示すように、触媒投入量を変更し、二酸化炭素をフィードしなかった以外は、製造例22と同様にして無変性IR−4〜6を製造した。各無変性IRの数平均分子量(Mn)及びビニル含有量は第5表に示す。
実施例1〜13及び比較例1〜13
製造例1〜26で得られた変性BR、無変性BR、変性IR及び無変性IRを用い、第1表に示す配合処方に従い、実施例1〜13及び比較例1〜13に係る各ゴム組成物を調製した。得られた未加硫ゴム組成物のムーニー粘度指数(ML1+4)を測定した。さらに、得られた未加硫ゴム組成物をそれぞれ145℃、30分加硫して、上記の方法で、耐破壊性指数を評価した。
次に、これらの未加硫ゴム組成物をトレッドに用いた実施例1〜13及び比較例1〜13のタイヤサイズ225/45ZR17の乗用車用空気入りラジアルタイヤを常法により製造した。これら実施例1〜13及び比較例1〜13のタイヤのトレッドから加硫ゴム組成物のサンプルを切り出し、低発熱性指数(tanδ指数)を評価した。結果を第2〜5表に示す。
Figure 0006425922
[注]
*1: RSS#1
*2: カーボンブラックISAF[東海カーボン(株)製、商品名「シースト6」、窒素吸着比表面積(N2SA):118m2/g]
*3: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、[大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック6C」]
*4:1,3−ジフェニルグアニジン、[大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーD」]
*5:N−tert-ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、[三新化学工業(株)製、商品名「サンセラーNS」]
*6:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、[大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーDM」]
Figure 0006425922
Figure 0006425922
Figure 0006425922
Figure 0006425922
以上、第2表乃至第5表から明らかなように、本発明の実施例のゴム組成物及びタイヤは、対比すべき比較例のゴム組成物及びタイヤと比較して、耐破壊性及び低発熱性に優れていることが分かる。
本発明のゴム組成物は、耐破壊性及び低発熱性に優れる各種タイヤを与えることができる。このゴム組成物をトレッド及び/又はその他の各種部材に用いた本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ(軽乗用車用タイヤを含む)、軽トラック用タイヤ、小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、オフザロードタイヤ(建設車両用タイヤ、鉱山車両用タイヤ等)として、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。

Claims (13)

  1. 100℃以下に架橋開裂開始温度を有し、かつ共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量が30モル%以下である熱可逆架橋性共役ジエン系重合体及び天然ゴムを含む、ゴム組成物であって、
    前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の少なくとも一部の分子鎖末端が、−COOHを有し、
    前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算数平均分子量が、50,000〜400,000であり、かつ
    前記ゴム組成物のゴム成分中、前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体を20〜80質量%含み、前記天然ゴムを80〜20質量%含む、ゴム組成物。
  2. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体が、その分子鎖に平均値として少なくとも1以上の前記−COOHを有する、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物又は有機アルカリ土類金属を重合開始剤とし、共役ジエン化合物1種以上、又は共役ジエン化合物1種以上及び芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものである、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体が、ランタン系列希土類金属化合物を含む重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物1種以上、又は共役ジエン化合物1種以上及び芳香族ビニル化合物を配位重合させて得られたものである、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体が、その分子鎖末端と二酸化炭素とを反応させてなる、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物。
    組成物。
  6. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算数平均分子量が、100,000〜300,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 前記熱可逆架橋性共役ジエン系重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合含有量が1モル%以下である、請求項のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 前記共役ジエン化合物が、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン及び1,3−ヘキサジエンから選ばれる1種以上の化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. 前記芳香族ビニル化合物が、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン及び2,4,6−トリメチルスチレンから選ばれる1種以上の化合物である、請求項のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  10. さらに、硫黄、硫黄化合物、無機金属化合物、ポリアミン類及び有機過酸化物から1種以上選ばれる加硫剤を配合してなる、請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  11. さらに、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを5〜100質量部配合してなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のゴム組成物を1種以上の部材に用いてなるタイヤ。
  13. 前記部材の1つが、トレッドである請求項12に記載のタイヤ。
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