JP4905868B2 - エチレンプロピレンジエンゴム組成物、及びエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体 - Google Patents

エチレンプロピレンジエンゴム組成物、及びエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレンプロピレンジエンゴム組成物、該エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが直接接着しているエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンとプロピレンと架橋のための第3成分としてジエンを共重合させたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)は、耐熱性、耐候性、耐薬品性などに優れていることから、耐熱ベルト、電線・ケーブル、自動車部品、各種工業部品、土木・建築資材用部品など広範な分野で利用されている。
【0003】
一方、ゴム弾性を有する軟質部と高い強度や硬度を有する硬質部とからなる複合部材として、上記エチレンプロピレンジエンゴムからなるゴム成形部と熱可塑性樹脂からなるプラスチック成形部とが直接接着した複合部品が知られている。例えば、特開平1−149854号公報やダイセル・ヒュルス株式会社発行のK&Kプロセス技術資料ゴム配合編には、EPDM組成物とポリフェニレンエーテル樹脂組成物とを共加硫により直接接着させてゴム成形部とプラスチック成形部との複合部材を製造する技術が開示されている。この技術によれば、ゴム成形部とプラスチック成形部とを接着剤を使用することなく強固に接着させることができる。また、一般に、EPDM組成物中に、加工性を高めるための加工助剤としてポリオクテニレンを、EPDM/ポリオクテニレン(重量比)=90/10〜95/5の割合で添加するのが好ましいとされている。しかし、EPDM組成物中にポリオクテニレンを上記の量配合すると、成形して得られるゴム成形部の機械的強度が低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、成形加工性やプラスチックに対する接着性を保持し、且つ高い機械的強度を有するエチレンプロピレンジエンゴム組成物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、上記のような優れた特性を有するエチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂成形部とが直接且つ強固に接着したエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体とその製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、エチレンプロピレンゴムに対して特定量の軟化剤とポリアルケニレンとを配合すると、成形加工性やプラスチックに対する接着性を損なうことなく機械的強度を向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、エチレンプロピレンジエンゴム(A)と、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリ(アルケニレン)(C)とを含むエチレンプロピレンジエンゴム組成物であって、(1)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜5重量部であるか、又は(2)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60〜150重量部であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜12重量部であり、さらに、多官能の(メタ)アクリル酸エステル誘導体である多官能性有機化合物(D)を、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.1〜5重量部含む
エチレンプロピレンジエンゴム組成物を提供する。
前記軟化剤(B)はエチレンプロピレンジエンゴム(A)の合成時に添加されていてもよい。
【0008】
上記のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、(1)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.8〜4.8重量部であるか、又は(2)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60〜150重量部であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.8〜10重量部であるエチレンプロピレンジエンゴム組成物であってもよい。
1つの実施形態において、前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル誘導体である多官能性有機化合物(D)は1,4−ブタンジオールジメタクリレートである。
別の実施形態において、上記のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、加硫剤として、例えば過酸化物(E)を含む。
【0009】
本発明は、また、上記のエチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と、熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが直接接着しているエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体を提供する。
【0010】
前記熱可塑性樹脂組成物には、ポリフェニレンエーテル若しくはその組成物又はポリアミド等が含まれる。また、ポリフェニレンエーテル若しくはその組成物は、ポリフェニレンエーテルと、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリアルケニレンとを含む組成物であってもよい。
【0011】
本発明は、さらに、上記のエチレンプロピレンジエンゴム組成物と熱可塑性樹脂組成物とを加熱下に接触させて、エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが接触面で直接接着した複合体を形成するエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体の製造法を提供する。
【0012】
この製造法において、未加硫のエチレンプロピレンジエンゴム組成物を加硫させながら熱可塑性樹脂組成物の成形体に接着させて、エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが直接接着した複合体を形成してもよい。
【0013】
なお、本明細書では、「軟化剤」を狭義の軟化剤のみならず可塑剤をも含めた広い範囲の意味に用い、「加硫」を硫黄が関与する狭義の加硫だけでなく、過酸化物などによる架橋をも含めた広い意味に用いる。また、「熱可塑性樹脂組成物」には、例えばポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂のみの場合も含まれる。共重合体中のあるモノマーに対応する構成単位の含有量を、単に該モノマーの含有量という場合がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物におけるエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)(A)としては、エチレンとプロピレンと架橋のための第3成分としてジエンを共重合させたゴムであれば特に限定されず、シリコーンゴム等の他の成分で変性したエチレンプロピレンジエンゴムであってもよい。エチレンプロピレンジエンゴム(A)中のエチレン含有量は、一般には25〜85重量%程度であり、プロピレン含有量は、一般には15〜75重量%程度である。
【0015】
ジエン成分としては、エチレンプロピレンジエンゴムのジエン成分として通常使用されるものを用いることができ、その代表的な例として、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4−ヘキサジエン(HD)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエンなどが挙げられる。これらの中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネンが特に好ましい。
【0016】
エチレンプロピレンジエンゴム中のジエン成分の含有量は、特に限定されないが、プラスチックに対する接着性などの点から、好ましくは4.8重量%以上、さらに好ましくは5.5重量%以上である。ジエン成分の上限は、例えば15重量%程度、好ましくは12重量%程度である。
【0017】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリ(アルケニレン)(C)と、必要に応じて軟化剤(B)を含んでいる。
【0018】
前記二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリ(アルケニレン)(C)は、ゴムの混練工程等での加工性を改善する加工助剤として機能する。二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12より少ない場合には、混練が困難になりやすく、1/5より多いと耐熱性が低下しやすくなり、好ましくない。
【0019】
前記ポリ(アルケニレン)(C)としては、例えば、ポリペンテナマー[ポリ(ペンテニレン)]、ポリヘプテナマー[ポリ(ヘプテニレン)]、ポリオクテナマー[ポリ(オクテニレン)]、ポリデセナマー[ポリ(デセニレン)]、ポリドデセナマー[ポリ(ドデセニレン)]、ポリブテナマーの部分水添物などが挙げられる。中でも、ポリオクテナマー[ポリ(オクテニレン)]などが好ましい。これらのポリ(アルケニレン)は、慣用の方法、例えば、シクロアルケンの開環重合(メタセシス重合)や、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/5より多いポリ(アルケニレン)の部分水添などの方法により得ることができる。
【0020】
軟化剤(B)は、ゴム成形部の硬度を低下させたり、ゴム組成物に添加する添加剤の分散性を向上させたり、加工性を向上させる機能を有する。軟化剤(B)としては、特に限定されず、鉱物油系軟化剤、植物油系軟化剤、合成軟化剤の何れであってもよい。鉱物系軟化剤としては、例えば、パラフィン系軟化剤(パラフィン油)、芳香族系軟化剤(芳香族油)、ナフテン系軟化剤(ナフテン油)等の石油系軟化剤;コールタール、クマロン−インデン樹脂などのコールタール系軟化剤などが挙げられる。植物油系軟化剤には、例えば、脂肪酸(ステアリン酸など)、脂肪油(綿実油、菜種油など)等の脂肪油系軟化剤;パインタール、ロジン、サブ(ファクチス)等の松樹からの軟化剤などが含まれる。また、合成軟化剤としては、例えば、フェノール・アルデヒド樹脂、液状ゴム(ポリブテン、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴムなど)等の合成樹脂軟化剤;フタル酸エステル(フタル酸ジオクチルなど)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジオクチルなど)、アジピン酸エステル、リン酸エステルなどの低分子可塑剤やポリエステル系可塑剤、塩素化ポリプロピレンなどの高分子可塑剤等の合成可塑剤などが挙げられる。これらの中でも、芳香族系軟化剤やナフテン系軟化剤等の石油系軟化剤が好ましく、特にナフテン系軟化剤が好ましい。
【0021】
軟化剤(B)をエチレンプロピレンジエンゴム(A)に添加混合する時期は特に限定されず、エチレンプロピレンジエンゴム(A)の合成時(重合時)、エチレンプロピレンジエンゴム(A)と加硫剤等との混練り時(ゴム練り時)などの何れの時であってもよいが、エチレンプロピレンジエンゴム(A)の合成時に添加するいわゆる油展と称される方法が、分散性や作業性に優れるとともに、ブリード物が少なく、成形品の外観及び接着性の両面から好ましい。
【0022】
本発明では、(1)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満の時には、前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜5重量部、好ましくは0.8〜4.8重量部であり、(2)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60〜150重量部の時には、前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜12重量部、好ましくは0.8〜10重量部である。
【0023】
軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して150重量部を超えると、軟化剤(B)が成形体の表面にブリードアウトする恐れがある。軟化剤(B)の含有量の上限は、好ましくはエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して120重量部程度である。軟化剤(B)は必ずしも添加しなくてもよいが、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して、例えば5重量部以上配合することが多い。
【0024】
前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7重量部未満であると、加工助剤としての機能が十分に発揮されず、プラスチック成形部に対する接着性も低下する。また、軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満の時に、前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量が5重量部を超える場合、及び軟化剤(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して60〜150重量部の時に、前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量が12重量部を超える場合には、ゴム成形部の機械的強度が大きく低下する。
【0025】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、また、多官能性有機化合物(D)を含んでいてもよい。多官能性有機化合物(D)は架橋効率を高める架橋助剤(加硫促進剤)として機能し、プラスチックとの接着性を向上させる。多官能性有機化合物(D)としては、ゴムの架橋に関与する反応性官能基(ラジカル重合性基など)を2個以上有する有機化合物であれば特に限定されず、その代表的な例として、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能(イソ)シアヌレート誘導体;m−フェニレンビスマレイミド等の多官能マレイミド誘導体;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリル酸エステル誘導体などが挙げられる。これらの中でも、多官能(メタ)アクリル酸エステル誘導体が好ましい。
【0026】
多官能性有機化合物(D)の配合量は、要求されるゴムの物性、加硫速度、加硫剤との組み合わせなどによって選択でき、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.1〜5重量部程度である。
【0027】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、通常、加硫剤(架橋剤)を含有する。加硫剤としては、単体硫黄、不溶性硫黄、金属酸化物、過酸化物などの慣用の加硫化剤を使用できるが、特に過酸化物を用いるのが好ましい。前記過酸化物として、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジクミルパーオキサイド、4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)−n−ブチルバレレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。加硫剤の配合量は、加硫剤の種類等により適宜選択できるが、一般には、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.5〜20重量部程度、好ましくは1〜10重量部程度である。
【0028】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物は、さらに、必要に応じて、前記以外の加硫促進剤、加硫促進助剤、前記以外の加工助剤、充填剤、老化防止剤(酸化防止剤、オゾン劣化防止剤を含む)、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、カップリング剤、分散剤、離型剤などの各種添加剤や、本発明の特性を損なわない範囲でエチレンプロピレンジエンゴム以外のゴムや熱可塑性樹脂等を含んでいてもよい。これらの添加剤等の種類や使用量は、ゴム成形部の要求性能に応じて適宜選択できる。
【0029】
前記以外の加工助剤として、種々の滑剤、粘着付与剤等を使用できる。滑剤の代表的な例として、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックスなどのパラフィン及び炭化水素樹脂;ステアリン酸などの脂肪酸;ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド;ステアリン酸ブチル、エステル系ワックスなどの脂肪酸エステル;ステアリルアルコールなどの高級脂肪族アルコール;グリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル;ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩などが例示される。また、粘着付与剤には、例えば、クマロン・インデン樹脂などのクマロン樹脂;フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂などのフェノール系及びテルペン系樹脂;合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、ポリブテンなどの石油系炭化水素樹脂;ロジンエステル類、水素添加ロジンの各種エステル類などのロジン誘導体等が含まれる。これらの加工助剤の配合量は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0〜10重量部程度である。
【0030】
充填剤としては、ゴム組成物に用いられる一般的なもの、例えば、カーボンブラック、ケイ酸、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、クレー、タルク、カオリン、短繊維(合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等)、導電性酸化物(酸化亜鉛など)、フェライト類、金属粉、マイカ、黒鉛、二硫化モリブデン、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、などを用いることができる。充填剤の配合量は、要求されるゴムの物性に応じて、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0〜300重量部程度の範囲で選択できる。
【0031】
老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄系やリン系などの二次老化防止剤等が挙げられる。老化防止剤の配合量は、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して、例えば0〜10重量部程度である。
【0032】
着色剤としては、例えば、白色顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、石膏など)、黒色顔料(カーボンブラックなど)、赤色顔料、青色顔料等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料、染料などが挙げられる。発泡剤には、例えば、重炭酸ナトリウムや重炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機発泡剤が含まれる。カップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドなどの白色充填剤用カップリング剤、N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサンなどのカーボンブラック用カップリング剤などが挙げられる。紫外線防止剤、難燃剤、分散剤、離型剤としては慣用のものを使用できる。
【0033】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体では、上記のエチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と、熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが接触面で直接接着している。
【0034】
プラスチック成形部を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、溶融ゴム等との接触で変形が起こらないという観点などから、ISO 75で規定された0.455MPa荷重下での荷重たわみ温度が140℃以上、特に150℃以上である熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0035】
熱可塑性樹脂の好ましい例として、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)及びその変性物などのポリフェニレンエーテル(PPE);ポリフェニレンサルファイド;ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1212などのポリアミド;ポリオキシメチレン(POM);アクリロニトリルの単独又は共重合体;これらの樹脂の変性品や誘導体などが挙げられる。また、これらの樹脂を含むポリマーブレンドやポリマーアロイも好ましい。例えば、ポリフェニレンエーテルはスチレンの単独又は共重合体などと組み合わせて使用できる。上記の熱可塑性樹脂の中でも、ポリフェニレンエーテル(PPE)又はポリフェニレンエーテルを含むポリマーアロイ若しくはポリマーブレンド、及びポリアミド612等のポリアミドが特に好ましい。
【0036】
前記熱可塑性樹脂組成物、特にポリフェニレンエーテルを含む熱可塑性樹脂組成物には、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリ(アルケニレン)が含まれていてもよい。該ポリ(アルケニレン)を配合することにより、成形加工性を向上させることができる。このポリ(アルケニレン)は、上述のエチレンプロピレンジエンゴム組成物中に配合するポリ(アルケニレン)(C)と同様のものを使用できる。該ポリ(アルケニレン)の量は、熱可塑性樹脂(ポリフェニレンエーテルなど)100重量部に対して、通常1〜30重量部程度、好ましくは5〜20重量部程度である。
【0037】
前記熱可塑性樹脂組成物には、さらに、プラスチック成形部の諸特性を向上させるため、必要に応じて、各種安定剤、可塑剤、加工助剤、フィラー、着色剤、帯電防止剤、難燃剤など、通常樹脂の添加剤として使用される物質を添加してもよい。
【0038】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、上記本発明のエチレンプロピレンゴム組成物と熱可塑性樹脂組成物とを加熱下に接触させて、エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが接触面で直接接着した複合体を形成することにより製造できる。
【0039】
加熱温度は、プラスチック成形部を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上である。エチレンプロピレンゴム組成物と熱可塑性樹脂組成物とを該エチレンプロピレンゴム組成物の加硫条件下で接触させて両者を接着させる場合には、加熱温度は加硫温度(例えば、110〜220℃程度)の範囲から選択するのが好ましい。なお、エチレンプロピレンゴム組成物と熱可塑性樹脂組成物との加熱接触は加圧下で行ってもよい。その際の圧力は、例えば5〜200MPa程度であり、圧着時間は、例えば10秒〜60分程度である。
【0040】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、より具体的には、例えば、(i)熱可塑性樹脂組成物から任意に成形して得られた成形体と、エチレンプロピレンジエンゴム組成物(例えば、ペレット状、粉末状等の組成物)を加熱下に接触させることにより製造することができる。前記成形体は、熱プレス法、射出成形法、押出成形法などの慣用の成形法により得ることができる。上記の加熱操作は、通常、目的物の形状に適合した金型内で行われるが、目的の形状がシートやフィルムなどの場合には、必ずしも金型を必要としない。エチレンプロピレンジエンゴムはすでに加硫されたゴムであってもよく、未加流のゴムであってもよい。特に未加硫ゴムを用いる場合には、未加硫ゴム中の揮発性成分やガス成分を効率よく抜くため、適宜圧力をかけるのが好ましい。具体的には、上記加熱工程には熱プレスや射出成形等の方法が用いられる。なお、未加硫ゴムを用いる場合には、この工程においてゴムを加硫することにより、ゴム成形部とプラスチック成形部とが極めて強固に固着した良好な複合体を得ることができる。
【0041】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、また、(ii)エチレンプロピレンジエンゴム組成物から慣用の成形法により得られた成形体と、熱可塑性樹脂組成物(例えば、ペレット状、粉末状の組成物)とを、例えば金型内で加熱下に(必要に応じて加圧下で)接触させることにより製造することもできる。この場合にも、熱プレスや射出成形などの方法が用いられる。
【0042】
さらに、本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、(iii)熱可塑性樹脂組成物と、エチレンプロピレンジエンゴム組成物のうち、一方の組成物の溶融した中に他方の組成物の成形体を添加して混練した後、冷却することにより得ることもできる。この際、溶融組成物中に添加する成形体の形状は特に限定されない。
【0043】
上記方法の中でも、未加硫のエチレンプロピレンジエンゴム組成物を加硫させながら熱可塑性樹脂組成物の成形体に接着させて上記複合体を形成する方法(共加硫法)が好ましい。
【0044】
こうして得られるエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体では、ゴム成形部とプラスチック成形部とが強固に接着し、しかもゴム成形部の機械的強度(引張破断強度など)が高い。そのため、本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、種々のゴム−プラスチック複合物品、例えば、ゴムローラー(例えば、軸部をプラスチック、周部をゴムで形成したゴムローラーなど)、防振ゴム、チューブホース、多層シート、シーリング材、配管、継ぎ手等として有用である。
【0045】
【発明の効果】
本発明のエチレンプロピレンジエンゴム組成物によれば、成形加工性及びプラスチックに対する接着性と高い機械的強度とを両立できる。
【0046】
また、本発明のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体は、機械的強度の高いエチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部とプラスチック成形部とが直接且つ強固に接着しており、極めて強いシアにも耐えることができる。
【0047】
本発明の製造法によれば、上記のように優れた特性を有するエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体を、接着剤等、接着のための特別な処理を施さなくても製造できるため、工程を簡略化でき、コストも低減できる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0049】
実施例1
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]60重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]1重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
一方、変性PPE[ダイセル・ヒュルス(株)製、商品名「ベストラン1900GF20」]を用いて、射出成形により25mm×60mm×4mm(厚み)の大きさのプラスチック試験片を作製した。このプラスチック試験片の25mm×4mmの面に前記エチレンプロピレンジエンゴム組成物を射出成形により接触させ、接触界面で共加硫させつつ(170℃×20分)、25mm×60mm×4mm(厚み)の大きさのゴム成形部を形成して、エチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)を製造した。
また、別に、前記変性PPE[ダイセル・ヒュルス(株)製、商品名「ベストラン1900GF20」]を用いて、射出成形により20mm×80mm×2mm(厚み)の大きさのプラスチック試験片を作製した。このプラスチック試験片の20mm×80mmの面に前記エチレンプロピレンジエンゴム組成物を射出成形により接触させ、接触界面で共加硫させつつ(170℃×20分)、20mm×80mm×1mm(厚み)の大きさのゴム成形部を形成して、エチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(2)を製造した。なお、前記プラスチック試験片の20mm×80mmの面のうち長さ方向の端部[20mm×30mm;とりしろ部(非接着部)]にアルミニウム箔を載せた状態でエチレンプロピレンジエンゴム組成物を射出成形した。
【0050】
比較例1
ポリ(オクテニレン)を配合せずにエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した点以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0051】
実施例2
ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]を5重量部用いてエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した点以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0052】
実施例3
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]100重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]5重量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート(BDMA)1重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0053】
比較例2
ポリ(オクテニレン)の配合量を0.5重量部としてエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した点以外は、実施例3と同様の操作を行い、エチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0054】
実施例4
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]50重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]4重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0055】
実施例5
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]50重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]4重量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート(BDMA)1重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0056】
比較例3
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]50重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]7重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0057】
実施例6
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]20重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]2重量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート(BDMA)1重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0058】
比較例4
ジエン成分含有量8.2重量%のEPDM(ジエン成分:5−エチリデン−2−ノルボルネン)100重量部、ナフテン油[エッソ石油(株)製、商品名「エッソプロセスオイル725」]20重量部(前記EPDM合成時に添加)、ポリ(オクテニレン)[デグッサ・ヒュルス社製、商品名「ベステナマー8012」]10重量部、カーボンブラック(FEF)0.5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、及び過酸化物[日本油脂(株)製、商品名「ペロキシモンF40」]5重量部を混合してエチレンプロピレンジエンゴム組成物を調製した。なお、前記EPDMはチーグラー・ナッタ触媒を用いたアニオン重合による溶液重合法で製造した。また、重合反応終了後、触媒残渣や溶媒を除去した後にナフテン油を添加した。
このエチレンプロピレンジエンゴム組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)及び(2)を製造した。
【0059】
評価試験
(接着性試験)
実施例及び比較例で得られたエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(1)について、ゴム成形部の端とプラスチック成形部の端をラジオペンチで左右に引っ張り、以下の基準で接着強度を評価した。その結果を表1に示す。
A:凝集破壊した。
B:両成形部の界面で破壊したが、強い力を要した。
C:容易に両成形部の界面で破壊した。
【0060】
(90°引っ張り剥離試験)
実施例及び比較例で得られたエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体(2)につき、テンシロンを用い、プラスチック成形部を固定した状態でとりしろ部(非接着部)のゴム部分を接着面に対して90°の角度で引っ張ることにより引っ張り剥離強度を測定した。その評価結果を表1の「TS」の「比較」の欄に示した。なお、評価は、「TS」の「基準」の欄に示したサンプルと比較して引っ張り剥離強度が大きい場合は「+」、同程度の場合は「±」、小さい場合は「−」とした。
【0061】
(総合評価)
上記の接着性試験及び90°引っ張り剥離試験の総合評価を、Aを最高に、B+、B、C+、Cの5段階で評価した。
【0062】
【表1】
Figure 0004905868

Claims (10)

  1. エチレンプロピレンジエンゴム(A)と、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリ(アルケニレン)(C)とを含むエチレンプロピレンジエンゴム組成物であって、
    (1)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜5重量部であるか、又は
    (2)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60〜150重量部であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.7〜12重量部であり、
    さらに、多官能の(メタ)アクリル酸エステル誘導体である多官能性有機化合物(D)を、エチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.1〜5重量部含む
    エチレンプロピレンジエンゴム組成物。
  2. 軟化剤(B)がエチレンプロピレンジエンゴム(A)の合成時に添加されている請求項1記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物。
  3. (1)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60重量部未満であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.8〜4.8重量部であるか、又は
    (2)軟化剤(B)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して60〜150重量部であり、且つ前記ポリ(アルケニレン)(C)の含有量がエチレンプロピレンジエンゴム(A)100重量部に対して0.8〜10重量部である請求項1又は2の何れかの項に記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物。
  4. 多官能の(メタ)アクリル酸エステル誘導体である多官能性有機化合物(D)が1,4−ブタンジオールジメタクリレートである請求項1〜3の何れかの項に記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物。
  5. 加硫剤として過酸化物(E)を含む請求項1〜4の何れかの項に記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかの項に記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と、熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが直接接着しているエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体。
  7. 熱可塑性樹脂組成物がポリフェニレンエーテル若しくはその組成物、又はポリアミドである請求項6記載のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体。
  8. ポリフェニレンエーテル若しくはその組成物が、ポリフェニレンエーテルと、二重結合の量が全炭素−炭素結合の1/12〜1/5であるポリアルケニレンとを含む組成物である請求項7記載のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体。
  9. 請求項1〜5の何れかの項に記載のエチレンプロピレンジエンゴム組成物と熱可塑性樹脂組成物とを加熱下に接触させて、エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが接触面で直接接着した複合体を形成するエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体の製造法。
  10. 未加硫のエチレンプロピレンジエンゴム組成物を加硫させながら熱可塑性樹脂組成物の成形体に接着させて、エチレンプロピレンジエンゴム組成物からなるゴム成形部と熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック成形部とが直接接着した複合体を形成する請求項9記載のエチレンプロピレンジエンゴム−プラスチック複合体の製造法。
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