JP5726650B2 - シリコーンゴム層とenb系epdm層とを備える積層体 - Google Patents

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本発明は、シリコーンゴム層と他の合成ゴム層とが積層された積層体に関し、詳しくは、シリコーンゴム層と第三成分としてDCPを含まないENB系EPDM層とを備える積層体に関する。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐酸化安定性、耐候性、透明性等の点において、他の材料に優位性を備えている。しかし、機械的強度が弱く、シリコーンゴムポリマーは高価である。これを補うため、比較的安価で機械的強度を備えたその他の合成ゴムや合成樹脂等の層とシリコーンゴム層とを積層した積層体とされることが多い。このような積層体は、目地シール、ガスケット、自動車用ウェザーストリップ、自動車用プロテクター等として使用される。
例えば特許文献1では、シリコーンゴム層に、その他の合成ゴム層としてDCP系EPDM層を積層した積層体が提案されている。DCP系EPDMとは、exo−ジシクロペンタジエン(DCP)、endo−ジシクロペンタジエン(EDCP)、又はジシクロペンタジエン(DCPD)等を第3成分とするエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)である。DCP系EPDMは一定の機械的強度を有するほか、架橋速度が速い、シリコーンゴムとの接着性が良好である、材料コストも比較的廉価である等の点で優れている。
特開2000−43199号公報
しかしながら、DCP系EPDMは他のEPDMに比して需要が少ないため、合理化のために原料メーカーの統廃合や生産中止の対象となっていることで近年では入手が困難な状況であり、近い将来は入手不可能となることが予想されている。したがって、積層体としての物性に遜色が無く、DCP系EPDMを使用した積層体に代替できる材料の開発の必要性に迫られている。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、従来のDCP系EPDMを使用したシリコーンゴム積層体に代替できる積層体を提供することを目的とする。
そのための手段として本発明は、シリコーンゴム層と、第三成分として5−エチリデン−2−ノルボネン(ENB)のみを含有するENB系EPDM層とを備える積層体である。
前記ENB系EPDM層は、これを主体的に形成するゴム成分や架橋剤、及び必要に応じて添加されるその他の添加剤等を含む未架橋混合物を架橋して形成されるが、当該未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)は、35以上とすることが好ましい。
前記ENB系EPDM層に使用するゴム成分(ポリマー)は一種類のみでもよいが、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が60以上の高粘度ゴム成分と、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が30以下の低粘度ゴム成分とを混合することが好ましい。なお、本発明における「高粘度」や「低粘度」とは、相対的な基準である。一般的に、ゴム成分のムーニー粘度は分子量と相関関係がある。すなわち、ゴム成分のムーニー粘度が高いほど分子量が高く、ゴム成分のムーニー粘度が低いほど分子量が低い傾向がる。この場合、前記高粘度ゴム成分と前記低粘度ゴム成分との混合比は、重量比で75:25〜25:75とすることが好ましい。
第三成分としてDCPを使用せずにENBのみを使用したEPDM層をシリコーンゴム層へ積層していれば、一般的な目地シールや自動車用プロテクター等として物性的に遜色ない積層体を得ることができる。したがって、従来のDCP系EPDMを使用したシリコーンゴム積層体に代替できる積層体を得ることができる。
未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が35以上あれば、優れた機械的強度を有する積層体を得ることができる。
相対的に高粘度のゴム成分と相対的に低粘度のゴム成分とを混合していれば、EPDM層の分子量分布が広がるため、シリコーンゴム層との密着性や濡れ性が向上する。これにより、接着強度の高い積層体を得ることができる。また、ゴム成分のムーニー粘度が高いほどロール接着性が悪く原料の混練り作業が困難となる傾向があるが、低粘度ゴム成分も混合していると、原料混練りの作業性が向上する。
このとき、高粘度ゴム成分と低粘度ゴム成分との混合比を75:25〜25:75としていれば、未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)を35以上にできるので、接着強度と機械的強度との双方に優れる積層体を得ることができる。
成型装置の一例である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の積層体は、シリコーンゴム層とENB系EPDM層とが積層されて成る。
<ENB系EPDM層>
ENB系EPDM層とは、5−エチリデン−2−ノルボネン(ENB)を第三成分とするエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)である。なお、本発明におけるENB系EPDM層には、第三成分としてexo−ジシクロペンタジエン(DCP)、endo−ジシクロペンタジエン(EDCP)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)等のジシクロペンタジエンを含まない。すなわち、本発明のENB系EPDM層は、第三成分をENBのみとしている。
ENB系EPDM層は、これを主体的に形成するゴム成分のほか、架橋剤や必要に応じて添加されるその他の添加剤等を含む未架橋混合物を架橋して形成される。架橋剤としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物によって架橋すれば、シリコーンゴム層との接着性が良好になるからである。有機過酸化物としては、1,3ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン,2,5ジメチル2,5(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,ジクミルパーオキサイド,2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイド,1,1−ジテレブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,2,5−ジメチル2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン,n−ブチル4,4−ジテレブチルパーオキシバレレート,テレブチルパーオキシベンゾエイト,ジテレブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン,テレブチルクミルパーオキサイド,2,5−ジメチル2,5−ジテレブチルパーオキシヘキサン,ジテレブチルパーオキサイド,2,5−ジメチル2,5−ジテレブチルパーオキシヘキシン3等が挙げられる。これらのうち一種のみを単独で用いても良いし、二種を混合使用することもできる。
なお、硫黄を架橋剤に用いることは好ましくない。硫黄架橋では、硫黄原子を介してゴム分子中の炭素原子が結合することにより架橋される。しかし、硫黄−炭素結合は炭素−炭素結合に比べて結合エネルギーが低い。そのため、硫黄架橋によって作られたゴム成形品は、有機過酸化物架橋によるゴム成形品よりも圧縮永久歪みが大きく耐へたり性に劣ったり、耐熱性も不良である等の問題を有するからである。
ENB系EPDM層には、必要に応じてその他の添加剤を添加することもできる。当該添加剤としては、例えば補強剤、充填剤、軟化剤、架橋促進剤、脱泡剤、顔料等が挙げられる。補強剤及び充填剤は、積層体の強度等を向上させると共に、増量剤となるものである。補強剤及び充填剤としては、例えばカーボンブラック、カオリンクレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。軟化剤は、ゴム成分と添加物の混合時に、混練りを容易にするためのものである。軟化材としては、例えばパラフィン系オイルが挙げられる。架橋促進剤は有機過酸化物架橋剤と共に作用し、少量で架橋速度を増進させるものである。架橋促進剤としては、例えばステアリン酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。脱泡剤は、未架橋混合物に生じる泡を積極的に除去するものである。脱泡剤としては、例えば酸化カルシウム等が挙げられる。これら各種添加剤は、一種のみを添加してもよいし、二種以上を混合することもできる。
また、ENB系EPDM層には、その他のゴム成分としてIR(イソプレンゴム)、NBR(ブタジエンアクリロニトリルゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、ACM(アクリルゴム),Q(シリコーンゴム)、FKM(フッ素ゴム)、U(ウレタンゴム)や、塩素化ポリエチレン等の一種または二種以上を添加することもできる。これにより、積層体の押し出し成形性が向上され、架橋速度が速くなるという利点が生じる。中でも、ACM(アクリルゴム)、Q(シリコーンゴム)、U(ウレタンゴム)のうちの一種または二種以上が好ましい。なお、その他のゴム成分は、後述の配合量であれば本発明の積層体における物性には直接影響しない。
ENB系EPDMは、未架橋混合物中30〜90重量%程度含有することが好ましい。ENB系EPDMが30重量%未満であると、ゴムポリマーの分解反応が架橋反応よりも優勢になるからである。架橋剤の含有量は、ゴム成分100gに対して活性酸素量が0.005〜0.02モルとなるように添加するのが好ましい。0.005モル未満であると、ゴム分子間の架橋が不十分となる。一方、0.02モルを超えると、弾性が低下しゴム状にならないおそれがある。各種添加剤の配合量は、未架橋混合物中0〜80重量%程度の範囲で、積層体の用途によって適宜選択される。各種添加剤の配合量は、未架橋混合物中20重量%以上が好ましい。これにより、少なくとも何らかの付加価値を付与できるからである。その他のゴム成分も添加する場合は、未架橋混合物中10重量%以下とする。10重量%を超えると、積層体への物性に対する影響が大きくなり、物性が低下するおそれがある。
ENB系EPDM層を形成する未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)は、できるだけ高い方が好ましい。未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が高いほど、積層体の引張強度が向上する傾向にあるからである。具体的には、未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)を35以上とすることが好ましい。未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が35未満でも、一般的な目地シールや自動車用プロテクター等として物性的に遜色ない(例えば引張強度7MPa以上の)積層体を得ることができるが、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が35以上であれば、引張強度に優れる(引張強度9MPa以上の)積層体を得ることができる。未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)は、より好ましくは40以上であり、さらに好ましくは60以上である。未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が60以上あれば、積層体の引張強度が10MPa以上となる。引張強度の向上という観点においては、未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)の上限は特に限定されないが、90以下程度とすればよい。
ENB系EPDMを形成するゴム成分は1種類でも構わないが、グレードの異なる複数のゴム成分を混合することが好ましい。具体的には、相対的に高粘度のゴム成分と相対的に低粘度のゴム成分とを混合することが好ましい。これにより、EPDM層の分子量分布が広がるため、シリコーンゴム層との密着性や濡れ性が向上する。延いては、接着強度の高い積層体を得ることができる。高粘度ゴム成分としては、例えばムーニー粘度MV1+4(125℃)60以上のものを使用し、低粘度ゴム成分としては、例えばムーニー粘度MV1+4(125℃)30以下以下のものを使用する。
また、1種類のゴム成分のみによってENB系EPDM層を形成する場合、ムーニー粘度が高いほどロール接着性が悪く原料の混練り作業が困難となる傾向があるが、低粘度ゴム成分も混合していると、同等のムーニー粘度でも原料混練りの作業性が向上する。グレードの異なる複数種のゴム成分を混合する場合、最終的な未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)を35以上とするためには、ムーニー粘度MV1+4(125℃)60以上の高粘度ゴム成分と、ムーニー粘度MV1+4(125℃)30以下の低粘度ゴム成分との混合比は、重量基準で75:25〜25:75とする。これにより、引張強度とシリコーンゴム層との接着力との双方共に優れた積層体を得ることができる。混練り作業性の良好な未架橋混合物とする場合は、当該未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)は65以下が好ましい。
ゴム成分の架橋には、常圧熱風加熱炉(HAV)、流動床式加熱炉(LCM)、マイクロ波加熱炉(UHF)等を使用することができる。
<シリコーンゴム層>
シリコーンゴム層には、各種公知のシリコーンゴムを用いることができる。シリコーンゴムの架橋の形態としては、有機過酸化物を開始剤として架橋されていることが好ましい。この架橋形態によると、有機過酸化物架橋によるENB系EPDM層との接着性が良好になるからである。また、ゴム成形物(積層体)の成形性にも有利である。ここでの有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジテレブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。他に白金系化合物を触媒とするヒドロシリル化による架橋や、縮合反応による架橋や、紫外線架橋等も用いることができる。
シリコーンゴム層にも、所望の外観を得るために白色系充填剤や顔料等を添加することができる。顔料としては、金属系、セラミックス系等のメタリック系顔料も含まれる。白色充填材としては、例えばホワイトカーボン、クレー、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム等のうちの1種又は2種以上が挙げられる。シリコーンゴムは耐候性に優れており、かつ透明性も良好なので、良好な着色が可能である。
<その他の層>
本発明の積層体は、基本的にはシリコーンゴム層とENB系EPDM層とのみを積層すればよいが、少なくともシリコーンゴム層とENB系EPDM層を備えていれば、必要に応じてその他の層も積層することもできる。その他の層としては、例えば熱可塑性エラストマーからなる樹脂層が挙げられる。樹脂層を形成する熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ジエン熱可塑性ブロック共重合体、あるいは熱可塑性ウレタンエラストマー、熱可塑性オレフィン系エラストマー、熱可塑性ポリエステル−エーテル共重合体エラストマーなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用できる。このような樹脂層を積層すれば、積層体にシール性を付与できる。
また、シリコーンゴム層も基本的には単層でよいが、必要に応じて複数積層することもできる。例えば、硬度の異なる複数のシリコーンゴム層を積層することができる。この場合、硬度が相対的に低いシリコーンゴム層をENB系EPDM層上に積層し、その上に高度が相対的に高いシリコーンゴム層を積層することが好ましい。これによれば、硬度の高いシリコーンゴム層によって積層体に汚れが付着し難く、かつ取れ易くなる。硬度の高いシリコーンゴム層としては、例えば上記特許文献1に記載の「第2のシリコーンゴム層」が挙げられる。
次に、本積層体の製造方法について説明する。ENB系EPDM層用の未架橋混合物と、シリコーンゴム層用の未架橋混合物とを積層し、その後加熱してこの積層体を硬化する。ENB系EPDM層用の未架橋混合物には、ゴム成分であるENB系EPDM、これの架橋剤、必要に応じて添加される各種添加剤等を含む。ENB系EPDMは1種類でも構わないが、グレードの異なる複数種を混合することが好ましい。シリコーンゴム用の未架橋混合物には、ポリシロキサンと、これの架橋剤と、必要に応じて添加される触媒や顔料等の各種添加剤とを含む。
図1に、本発明の積層体を得るための成形装置の一例を示す。この成形装置10は、押出成形装置である。まず、2種類の未架橋混合物を準備し、例えばENB系EPDM層用の未架橋混合物を押出機12に投入し、シリコーンゴム用の未架橋混合物を押出機14に投入する。押出機12、14の押出口部分は結合されており、ENB系EPDM層用の未架橋混合物を所定の断面形状に押し出すとともに、これの上にシリコーンゴム用の未架橋混合物を所定の断面形状で押し出しして、2層の積層状態が得られる。なお、必要に応じて塗布装置16等によってその他の層を積層することもできる。
こうして得た未架橋混合物の積層体は、次に、架橋装置18内に導入されて加熱されることにより架橋されて、架橋積層体(ゴム成形体)が得られる。架橋温度は、180〜250℃であることが好ましい。180℃未満であると架橋が不十分であり、250℃を超えると、オーバー架橋となるからである。この際、両未架橋混合物中の架橋剤が共に有機過酸化物であれば、両層の接合性が良好である。押し出し口から押し出しされた積層体は、引き取り機20によって引き取られることにより、押し出し口から架橋装置18を順次通過するようになっている。なお、ここでは一例として押し出し成形の場合について説明したが、これに限定されることはなく、本発明の積層体は種々の成形方法に適用することが可能である。
本発明の積層体は、例えばシーリング材、建築用ガスケット、自動車のウインドウモールディング、自動車のオーバーフェンダーやフロントグリル等の取付部位に沿わせるプロテクター(シール材)、自動車のサイドモールなど、種々の用塗に使用可能である。また、ENB系EPDM層を基層とすれば、当該基層側を有機系接着剤を用いて被装着体に装着するのも容易である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。ENB系EPDM層用のゴム成分として、表1に示すゴム成分を用いた。そのうえで、ENB系EPDM層用として、表2に示す配合の未架橋混合物を使用した。なお、表2中の数値は重量部である。また、シリコーンゴム層用には、ビニルポリシロキサン90重量%、架橋剤(ベンゾイルパーオキサイド)5重量%、メタリック系顔料(シルバーメタリック、アルミニウム粉末、マイカ含有)5重量%含む未架橋混合物を使用した。
ロール混練機によって十分に混練された上記各ENB系EPDM層用の未架橋混合物とシリコーンゴム層用の未架橋混合物を押し出し機にそれぞれ投入し、60℃で平板状に押し出しして2層積層体を得た。なお、このときのENB系EPDM層用の各未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)と、混練り性(ロール接着性)を表3に示す。未架橋混合物のムーニー粘度は、JIS K 6300に基づいて測定した。混練り性の評価基準は、次の通りである。
○:ロール巻き付きがよく、ゴムだまりの形成が良好
△:ロール巻き付きに難があるが、ゴムだまりは形成される
×:ロール巻き付きが悪く、ゴムだまりが形成されない
次いで、200℃に保持されたHAV架橋装置に導入して約5分間加熱することで架橋して、試料1〜9の積層体を得た。これら各試料について、それぞれ硬度、引張り強度、伸び率、シリコーンゴム層との接着力を測定した。その結果も表3に示す。なお、硬度はJIS K 6253に基づきA型硬度計によって測定した。引張り強度と伸び率は、JIS K 6251に基づき3号ダンベル、試験速度500mm/minの条件で測定した。シリコーンゴム層との接着力は、JIS K 6854−2に基づき試験速度200mm/minの条件で測定した。
表3の結果から、シリコーンゴム層と、第三成分としてENBのみを含有するEPDM層とを備える積層体であれば、少なくとも一般的なシーリング材や自動車用プロテクター等として必要な物性(硬度65以上、引張強度6.9MPa以上、伸び率190%以上)を備えていることがわかる。また、ENB系EPDM層用の未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が高いほど、引張強度が高くなる傾向がわかる。例えばENB系EPDM層用の未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が35以上あれば、積層体の引張強度が9MPa以上となり、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が60以上あれば、積層体の引張強度が10MPa以上となることがわかる。
また、ENB系EPDM層用の未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が高いほど、基本的にはシリコーンゴム層との接着力も高くなる傾向がわかる。しかし、試料3の結果から、未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が比較的高くても、1種類のゴム成分を用いただけではEPDM層の分子量分布が狭いため、シリコーンゴム層との密着性に限界があることがわかる。これに対し試料5〜7の結果から、高粘度と低粘度のグレードの異なる複数種の未架橋混合物を混合使用していれば、EPDM層の分子量分布が広がってシリコーンゴム層との密着性が良好になり、接着力を向上できることがわかる。また、試料1〜3の結果から、高粘度の未架橋混合物1種類のみでは混練り性に課題を有するが、試料5〜7のように低粘度の未架橋混合物も混合していると、混練り性も改善されることがわかる。
また、試料8の結果から、硫黄によって架橋すると、硬度に課題が生じ、特にシリコーンゴム層との接着力が大きく低下することがわかる。
10 成形装置
12・14 押出機
16 塗布装置
18 架橋装置
20 引き取り機

Claims (1)

  1. シリコーンゴム層と、第三成分として5−エチリデン−2−ノルボネン(ENB)のみを含有し、DCP系EPDM及び塩素化ポリエチレンを含有しないENB系EPDM層とを備え、
    前記ENB系EPDM層を形成する未架橋混合物のムーニー粘度MV1+4(125℃)が35以上66.9以下であり、
    前記未架橋混合物は、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が60以上の高粘度ゴム成分と、ムーニー粘度MV1+4(125℃)が30以下の低粘度ゴム成分とを含み、
    前記高粘度ゴム成分と前記低粘度ゴム成分との混合比が、75:25〜25:75であり、
    前記ENB系EPDM層が有機過酸化物によって架橋された、積層体。

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