JP3153279B2 - ゴム積層体用熱硬化性シリコーンゴム組成物並びにこれを用いたゴム積層体とその製造方法 - Google Patents
ゴム積層体用熱硬化性シリコーンゴム組成物並びにこれを用いたゴム積層体とその製造方法Info
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Description
ム組成物並びにこれを用いたゴム積層体とその製造方法
に係り、さらに詳しくは、シリコーンゴムと有機系ゴム
とが中間層や接着剤によらずに強固に接着した積層体の
製造に有用な熱硬化性のシリコーンゴム組成物並びにこ
れを用いたゴム積層体とその製造方法に関する。
々厳しくなってきており、使用されるゴム素材の種類に
も変化が生じている。ゴムの中でもシリコーンゴムは、
耐熱性、耐寒性および耐候性において他のゴムと比較し
て抜群の性能を有しており、工業用品、自動車、航空
機、医療分野などでその需要は年々増加している。
ムと比較して高価であり、機械的強度もやや劣るため、
使用される分野が限定されていた。そこで、シリコーン
ゴムの利点を生かし、かつ、欠点を補うために、シリコ
ーンゴムと有機ゴムを複合化することが試みられてき
た。
1-103636号公報、特開平1-272648号公報などにおいて
は、シリコーンゴムの欠点を改良するために、シリコー
ンゴムを各種有機ゴムと混合することにより複合化する
ことが検討されている。
合、シリコーンゴムと有機ゴムとを混合複合化しただけ
では、まだ性能的に十分と言えず、さらに他の素材との
積層化が必要であった。
せて複合化することも検討されているが、シリコーンゴ
ムと有機ゴムは共架橋しにくいため、シリコーンゴムと
有機ゴムが強固に接着した積層体を得ることが困難であ
った。
れ、たとえば、特公昭57-26233号公報、特公昭61-25544
号公報には、シリコーンゴムと有機ゴムとの接着に際し
て、当該有機ゴムとシリコーンゴムのブレンド体を複数
層中間に入れる方法が開示されている。しかしながら、
これらの方法では、中間層の製造を要し、また接着操作
が煩雑となるなどの欠点があった。
ーンゴムと有機ゴムを加硫接着により直接接合する方法
が開示されている。この方法は、中間層を要さないもの
の、空気存在下での加硫接着に問題があった。すなわ
ち、シリコーンゴムを空気存在下で加硫させるには、ア
シル系有機過酸化物またはヒドロシリル化反応を用いる
ことが必要であるが、アシル系過酸化物は分解温度が低
く、加硫前の成形工程で早期加硫を起こすため使用が困
難であり、また、ヒドロシリル化反応では有機ゴムとの
反応が困難で、接着性が劣るという問題があった。
り、シリコーンゴムの欠点を改善すべく有機ゴムと複合
化する要求があり、種々検討されているが、シリコーン
ゴムと有機ゴムを混合しただけでは、複合化による効果
が十分でなく、また、積層する場合、中間層を設ける方
法では製造工程が煩雑になる難点があり、直接加硫接着
させる方法では、空気存在下では良好に加硫接着できな
いという問題があった。
処してなされたもので、有機ゴムと積層され、空気存在
下の加熱加硫によっても良好な接着力を示す熱硬化性シ
リコーンゴム組成物、並びにこれを用いてシリコーンゴ
ムと有機系ゴムが強固に接着した積層体およびその製造
方法を提供することを目的とする。
重ねた結果、熱硬化性シリコーンゴム組成物に特定量の
ビニル基を含むシロキサンを配合し、かつ、白金系触媒
および有機過酸化物を併用することにより、上記問題点
を解決した目的とする熱硬化性シリコーンゴム組成物が
得られることを見出だし、本発明を完成するに至った。
からなるシリコーンゴム層と、加硫剤として有機過酸化
物を含有する有機系ゴム組成物からなる有機系ゴム層と
が積層され、かつ一体に加硫接着されて成ることを特徴
とする積層体、および、前記熱硬化性シリコーンゴム組
成物からなる未加硫のシリコーンゴム層と、加硫剤とし
て有機過酸化物を含有する有機系ゴム組成物からなる未
加硫の有機系ゴム層とを密着積層し、次いで加熱して前
記シリコーンゴム層と前記有機系ゴム層とを一体に加硫
接着して成ることを特徴とする積層体の製造方法に関す
るものである。以下、本発明についてさらに詳細に説明
する。
構成する(A)成分のポリオルガノシロキサンは、シリ
コーンゴムのベースポリマーとして通常用いられるもの
で、上記(I)式中、R1 が、メチル基、エチル基、プ
ロピル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などの
アルケニル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基;β- フェニルエチル基などのアラルキル基;フェニ
ル基などのアリール基;3,3,3-トリフロロプロピル基な
どで例示されるような置換または非置換の1価の炭化水
素基で、このケイ素原子に結合した置換または非置換の
1価の炭化水素基の総量に対し、ビニル基を 0〜5 モル
%の範囲で含有するものである。ビニル基が 5モル%を
超えると加硫シリコーンゴムの強度が低下する。
は、トリオルガノシロキシ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基であってもよい。トリオルガノシロキシ基として
は、トリメチルシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ
基、メチルフェニルビニルシロキシ基、メチルジフェニ
ルシロキシ基およびこれらの類似物などが例示される。
重合度は 500〜12000 、好ましくは1000〜7000の範囲で
ある。平均重合度が 500未満では良好な機械的性質が得
られず、 12000を超えると充填剤の分散が困難になる。
じて、 1種または 2種以上の混合物として使用される。
機械的強度を与えるものであり、シリコーンゴムに通常
用いられる公知の補強性および非補強性充填剤である。
殿シリカ、焼成シリカ、シリカエアロゲルなどがあげら
れるが、なかでも、水分の少ない、煙霧質シリカや焼成
シリカが適している。
もの、オルガノクロロシラン、ポリジオルガノシロキサ
ン、ヘキサオルガノジシラザンなどの有機ケイ素化合物
で予め表面処理されたもののいずれでもよく、あるいは
混練り時にヘキサオルガノジシラザンのような有機ケイ
素化合物で表面処理したものであってもよい。このよう
な表面処理は、いずれも公知の任意の方法によって行う
ことができる。
英、ケイソウ土、カーボンブラック、フェライト、炭酸
カルシウムなどがあげられる。
2種以上の併用が可能で、併用する場合の配合比も任意
に選ぶことができる。
ポリオルガノシロキサン 100重量部に対して10〜200 重
量部、好ましくは20〜150 重量部、より好ましくは30〜
100重量部である。10重量部未満では十分な機械的強度
が得られず、 200重量部を越えると押出加工性が低下す
る。
上記(II)式中、R2 が、(A)成分の場合の(I)式
中のR1 と同様、メチル基、エチル基、プロピル基など
のアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル
基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;β- フ
ェニルエチル基などのアラルキル基;フエニル基などの
アリール基;3,3,3-トリフロロプロピル基などで例示さ
れるような置換または非置換の1価の炭化水素基であ
り、このケイ素原子に結合した置換または非置換の1価
の炭化水素基の総量に対し、ビニル基を 5〜50モル%、
好ましくは10〜50モル%の範囲で含有するものである。
ビニル基の量が多すぎても少なすぎても十分な接着力を
得ることができない。
重合度は 3〜500 、好ましくは 3〜200 の範囲である。
平均重合度が 3未満では揮発しやすく取り扱いが困難に
なり、 500を超えると十分な接着力が得られない。
主として直鎖または環状のものであるが、その一部が分
岐していてもよく、共重合体またはこれらの混合物であ
ってもよい。
ポリオルガノシロキサン 100重量部に対して 0.1〜20重
量部、好ましくは 0.3〜15重量部、より好ましくは 0.5
〜10重量部の範囲である。 0.1重量部未満では十分な接
着力が得られず、20重量部を超えると、加硫シリコーン
ゴムの強度と耐熱性が損なわれる。
シロキサンは、シリコーンゴム組成物の架橋剤として働
き、網状構造を形成するためにケイ素原子に結合した水
素原子が 1分子中に平均少なくとも 2個を超える数存在
する必要がある。
(A)成分や(C)成分のポリオルガノシロキサンのケ
イ素原子に結合した有機基と同様のものが例示される。
このポリオルガノハイドロジェンシロキサンの平均重合
度は特に限定されないが、同一のケイ素原子に 2個以上
の水素原子が結合したものは合成が困難であるので、 3
個以上のシロキシ単位からなることが好ましい。
状、環状、分岐状のいずれでも差し支えない。また、そ
の配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサン 100
重量部に対して 0.1〜20重量部であり、好ましくは 0.2
〜15重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。 0.
1重量部未満でも20重量部を超えても物性の優れたゴム
弾性体が得られなくなる。
成物に通常用いられる公知のものでよく、たとえば、塩
化白金酸、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3220
972号参照)、塩化白金酸とオレフインとのコンプレッ
クス(米国特許第3159601 号、同第3159662 号参照)、
L4 Pt(ただしLはPR´3 、ここでR´は互いに同
一または相異なる1価の置換または非置換の有機基を示
す)、ビニル基含有ポリシロキサン−Pt錯体、白金黒
あるいはアルミナ、シリカなどの担体に固体白金を担持
させたものなどがあげられる。この白金系触媒は、アル
コール系、ポリシロキサン系、ケトン系、エーテル系、
炭化水素系などの溶剤に溶解して使用してもよい。
度に応じて適宜調節すればよいが、経済的見知から、ま
た良好な硬化物を得るということからは塩化白金酸など
のようにシロキサンと相溶するものについては上記
(A)成分のポリオルガノシロキサンに対して白金系金
属の量として 0.1〜30ppm 、白金黒などの固体触媒につ
いては20〜500ppmの範囲とすればよい。
ンゾイルパーオキサイドのようなアシルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ
(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-
ジ(プチルパーオキシ)ヘキシン-3、α, α´- ビス
(t-ブチルパーオキシ)-p- ジイソプロピルベンゼンな
どのアルキルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシアセ
テート、t-プチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t-ブチルパーオキシベンゾエートのようなパーオキ
シエステルなどが例示されるが、なかでも、アルキルパ
ーオキサイドが好ましい。これらは 1種または 2種以上
混合して使用することができ、その配合量は、(A)成
分のポリオルガノシロキサン 100重量部に対して対して
0.1〜20重量部、好ましくは 0.3〜10重量部、より好ま
しくは 0.5〜10重量部の範囲である。(F)成分の配合
量が 0.1重量部未満でも20重量部を超えても接着力、物
性ともに優れたゴム弾性体を得ることができない。
は以上の各成分の他に、必要に応じて、1分子中に少な
くとも 1個のアルケニル基および/または少なくとも 1
個のメタクリロキシ基を有するアルコキシシラン、ある
いはその加水分解縮合物や、1分子中に少なくとも 1個
のエポキシ基とアルケニル基とメタクリロキシ基とメト
キシ基を含有する重合度 2〜50のポリオルガノシロキサ
ンなどの特性向上剤、さらに耐熱添加剤、酸化防止剤、
加工助剤、難燃剤、顔料、ヒドロシリル化反応抑制剤な
どの各種添加剤を適宜配合することができる。
は、上記(A)〜(F)の各成分、必要に応じて配合さ
れる他の添加剤を、バンバリーミキサー、プラストミ
ル、ニーダー、二本ロールなどの任意の混練機を用いて
均一に混合することによって得られる。各成分の添加方
法や添加順序などは特に限定されるものではないが、
(E)成分の白金系触媒と(F)成分の有機過酸化物は
最後に添加することが好ましい。また、加熱混練などの
熱履歴をかけることも可能である。
製造方法について説明する。
シリコーンゴム組成物は、以上説明した熱硬化性シリコ
ーンゴム組成物である。
組成物からなるシリコーンゴム層と積層される有機系ゴ
ム層を構成する有機系ゴム組成物は、(イ)有機ゴムを
ベースとし、これに(ロ)有機過酸化物と、必要に応じ
て配合される他の成分とを均一に混合したものである。
加硫可能なものであればよく、したがって、分子中に不
飽和基、または3級炭素、臭素、ヨウ素、活性水素基な
どのラジカルにより引き抜かれ易い基を有するポリマー
であり、たとえば、IR、BR、SBR、NBR、C
R、天然ゴムのようなジエン系ゴムおよびその水素添加
物、ブチルゴムおよび/またはそのハロゲン化物、エチ
レン・α−オレフィン系共重合ゴム、アクリルゴム、エ
チレンおよび/または酢酸ビニルとアクリル酸エステル
との共重合ゴム、エピハロヒドリンとアリルグリシジル
エーテルなどの不飽和基含有モノマーとの共重合ゴム、
ポリエチレンのハロゲン化またはクロルスルホン化物、
エチレンと酢酸ビニルとの共重合体(EVA)、臭素、
ヨウ素、3級炭素および/または不飽和二重結合を有す
るフッ素ゴムなどがあげられる。これらは 1種または 2
種以上混合して使用することができる。なお、このよう
な有機ゴムの併用ゴム成分としてシリコーンゴムを混合
することも可能である。
は、上記熱硬化性シリコーンゴム組成物における有機過
酸化物と同様なものがあげられるが、必ずしも同じもの
を用いる必要はない。この有機過酸化物の添加量は、
(イ)成分の有機ゴム 100重量部に対し 0.1〜20重量部
が好ましい。また、有機ゴムにシリコーンゴムを併用す
る場合には、これらの合計量 100重量部に対し 0.1〜20
重量部が好ましい。
としては、接着性向上のための架橋助剤があげられる。
架橋助剤としては、上記熱硬化性シリコーンゴム組成物
における(C)成分のポリオルガノシロキサンと同様な
ポリオルガノシロキサンの他、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルシアヌレートのような多官能アリル化
合物、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロ−ルプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジアクリレートのような多官能アクリルまたはメ
タクリル酸エステル、m-フェニレンビスマレイミド、オ
キシム化合物、イオウ化合物、1,2-ポリブタジエンのよ
うな多官能性ポリマーなどが例示されるが、好ましくは
ビニル基含有ポリオルガノシロキサンである。なお、ビ
ニル基含有ポリオルガノシロキサンを使用する場合、必
ずしも上記熱硬化性シリコーンゴム組成物で用いたと同
じものを用いる必要はない。
くとも 1個のアルケニル基および/または少なくとも1
個のメタクリロキシ基を有するアルコキシシラン、ある
いはその加水分解縮合物や、1分子中に少なくとも 1個
のメタクリロキシ基とエポキシ基とアルケニル基とメト
キシ基を含有する重合度 2〜50のオルガノポリシロキサ
ンなどを配合することができる。
用されている各種添加剤を配合することができる。この
ような添加剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、
金属酸化物、ガラスフレーク、ガラス繊維、粒状、盤
状、もしくは繊維状の無機および有機フィラーなどの補
強剤、充填剤、パラフィン系オイル、ナフテン系オイ
ル、アロマ系オイル、液状高分子のような軟化剤、フタ
ル酸エステル、アジピン酸エステル、マレイン酸エステ
ル、フマル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤、
ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミドなどの加工助剤、滑剤、顔料、カップ
リング剤、難燃剤、発泡剤、ジエチレングリコールなど
の活性剤、酸化カルシムウなどの吸湿剤などがあげられ
る。なお、非加圧系で加硫する場合には、水分による発
泡を防ぐため、吸湿性の少ないフィラーなどの使用が好
ましい。
コーンゴム組成物と有機系ゴム組成物を用いて、プレ
ス、トランスファー、射出、押出などの各種成形機によ
り、同時または別個に所定の形状に成形したものを重ね
合わせた後、同時に加熱加硫させることにより製造する
ことができる。
加硫、HAV(熱風加硫)、UHF(高周波加硫)、L
CM(液体浸漬加硫)、PCM(流動床加硫)、遠赤外
線加硫など、従来より知られる各種方法が用いられる
が、好ましくは、スチーム加硫、プレス加硫、HAVで
ある。
なく、加硫温度、加硫時間は使用する有機過酸化物の種
類により決められるが、通常は 100〜400 ℃、好ましく
は100〜 300℃で、 1〜60分の条件下で行なわれる。
ゴム積層体を熱処理することにより、1次加硫時間の短
縮、接着力の向上を図ることも可能である。この場合の
熱処理条件としては、40〜100 ℃で、 0.1〜120 分が適
当である。また、50〜200 ℃で、 1分乃至50時間の条件
で後加硫を行うとより効果的である。
リコーンゴムの欠点が有機系ゴムで補完され、たとえ
ば、送水用、自動車用、空気用、吸上用、高圧用、酸素
・アセチレン用耐油用の二層、三層ゴムホース類、搬送
用のコンベアベルト、動力を伝達する伝導ベルトなどの
ゴムベルト類、自動車用、鉄道車両用、産業機械用、航
空機用、電気・電子機器用、船舶港湾用などの防振ゴ
ム、製鉄、製紙、印刷、紡績、染色、事務機器、電気音
響製品、農機具、プラスチック製造業用などのゴムロー
ル、ブランケット、化学工業、水処理装置、大気汚染防
止、食品工業などでのゴムライニング、パッキング・ガ
スケットの素材、ルーフィング、フロアー材などでのゴ
ム板、一般住宅、建築、土木、車両、自動車、航空機、
船舶などでのシーリング材、パッキング、オイルシー
ル、ダイヤフラム、バルブ、緩衡ゴムなどの型物ゴム製
品、ガス用、水道用、医療用などのゴム管、チューブ、
自動車用のウエザーストリップ、水切りゴム、ドアの窓
枠、トランクシール、ワイパーゴムなどおよび電線被覆
材などの押出ゴム製品、その他、運動競技用品、ゴム引
布製品、フレキシブルコンテナ、ゴム手袋、スポンジゴ
ム製品などに広く用いることができる。
ものではなく、三層もしくはそれ以上の多層構造(補強
繊維を含む)も可能である。
成物は、シリコーンゴムと有機系ゴムが中間層や接着剤
によらずに強固に接着したゴム積層体を、特別な加硫方
法、加硫条件によらずに製造することができる。
さらに詳細に説明する。なお、以下の文中、「部」は
「重量部」を示すものとする。
シ単位99.8モル%、メチルビニルシロキシ単位 0.2モル
%からなるポリオルガノシロキサン(重合度約6000 シ
ロキサンAと略記) 100部に、充填剤としてヘキサメチ
ルジシラザンで表面処理した煙霧質シリカ40部、ビニル
基25モル%含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン(重
合度20 シロキサンC−1と略記) 3部、メチルハイド
ロジェンシロキシ基20モル%含有する直鎖状ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン(重合度20 ハイドロジェ
ンシロキサンD−1と略記) 3部をニーダーで均一にな
るまで混練りし、さらにこれに、白金系触媒としてTC-2
0A(白金量 100〜1000ppm、東芝シリコーン社製) 0.3
部、有機過酸化物であるTC-8(2,5-ジチル-2,5- ジ(t-
ブチルパーオキシ)ヘキサン50%、東芝シリコーン社
製) 1部をロールにて均一になるまで混練りして熱硬化
性のシリコーンゴム組成物(I)を得た。
いて、次のような特性評価を行った。 すなわち、シリ
コーンゴム組成物(I)を 5cm× 4cm× 4mmの大きさの
シート片に調製し、これに 250℃、5分間のHAVを行
い、得られた加硫物の表面を爪でこすって表面の削れの
有無(HAV性)を目視により観察した。また、同様に
作製したシート片に、 170℃、10分間のプレス加硫を行
った後、JIS K 6301に基づく物性試験を行った。これら
の結果を組成とともに表1に示す。
モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン(重合度20)に代えて、メチルハイドロジェンシ
ロキシ基50モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン(重合度10 ハイドロジェンシロキサ
ンD−2と略記)を 1.5部用い、かつ充填剤であるヘキ
サメチルジシラザンで表面処理した煙霧質シリカ、およ
びビニル基25モル%含有する直鎖状ポリオルガノシロキ
サン(重合度20)の配合量を表1に示すように変えた以
外は、実施例1と同様にして熱硬化性のシリコーンゴム
組成物を得、シリコーンゴム組成物(II)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、ビニル基
10モル%含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン(重合
度 100 シロキサンC−2と略記)を 5部用い、かつ充
填剤であるヘキサメチルジシラザンで表面処理した煙霧
質シリカ、メチルハイドロジェンシロキシ基20モル%含
有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(重合度20)、白金系触媒であるTC-20A、および有機過
酸化物であるTC-8の配合量を表1に示すように変えた以
外は、実施例1と同様にして熱硬化性のシリコーンゴム
組成物を得、シリコーンゴム組成物(III)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、実施例3
で用いたビニル基10モル%含有する直鎖状ポリオルガノ
シロキサン(重合度 100)を 7部用い、かつメチルハイ
ドロジェンシロキシ基20モル%含有する直鎖状ポリオル
ガノハイドロジェンシロキサン(重合度20)に代えて、
実施例2で用いたメチルハイドロジェンシロキシ基50モ
ル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン(重合度10)を 3部用い、さらに充填剤であるヘキ
サメチルジシラザンで表面処理した煙霧質シリカ、白金
系触媒であるTC-20A、および有機過酸化物であるTC-8の
配合量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同
様にして熱硬化性のシリコーンゴム組成物を得、シリコ
ーンゴム組成物(IV)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、ビニル基
50モル%含有する環状ポリオルガノシロキサン(重合度
4 シロキサンC−3と略記))を 4部用い、かつ充填
剤であるヘキサメチルジシラザンで表面処理した煙霧質
シリカ、および白金系触媒であるTC-20Aの配合量を表1
に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして熱硬
化性のシリコーンゴム組成物を得、シリコーンゴム組成
物(V)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、実施例5
で用いたビニル基50モル%含有する環状ポリオルガノシ
ロキサン(重合度 4)を 6部用い、かつメチルハイドロ
ジェンシロキシ基20モル%含有する直鎖状ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン(重合度20)に代えて、実施
例2で用いたメチルハイドロジェンシロキシ基50モル%
含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(重合度10)を 2部用い、さらに充填剤であるヘキサメ
チルジシラザンで表面処理した煙霧質シリカ、および白
金系触媒であるTC-20Aの配合量を表1に示すように変え
た以外は、実施例1と同様にして熱硬化性のシリコーン
ゴム組成物を得、シリコーンゴム組成物(VI)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)を用いず、かつ充填
剤であるヘキサメチルジシラザンで表面処理した煙霧質
シリカ、およびメチルハイドロジェンシロキシ基20モル
%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン(重合度20)の配合量を表1に示すように変えた以外
は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得、
シリコーンゴム組成物(VII)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン(重合度20)、および白金系触媒を用いず、かつ
充填剤であるヘキサメチルジシラザンで表面処理した煙
霧質シリカの配合量を表1に示すように変えた以外は、
実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得、シリ
コーンゴム組成物(VIII)とした。
ついて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組
成とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、ビニル基
10モル%含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン(重合
度 100)を 5部用い、かつメチルハイドロジェンシロキ
シ基20モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサン(重合度20)、および白金系触媒を用い
ず、さらに充填剤であるヘキサメチルジシラザンで表面
処理した煙霧質シリカ、および有機過酸化物であるTC-8
の配合量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と
同様にしてシリコーンゴム組成物を得、シリコーンゴム
組成物(IX)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)に代えて、ビニル基
50モル%含有する環状ポリオルガノシロキサン(重合度
4)を 5部用い、また、メチルハイドロジェンシロキシ
基20モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイドロジェン
シロキサン(重合度20)に代えて、メチルハイドロジェ
ンシロキシ基50モル%含有する直鎖状ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサン(重合度10)を 3部用い、白金系
触媒を用いず、さらに充填剤であるヘキサメチルジシラ
ザンで表面処理した煙霧質シリカの配合量を表1に示す
ように変えた以外は、実施例1と同様にしてシリコーン
ゴム組成物を得、シリコーンゴム組成物(X)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
リオルガノシロキサン(重合度20)、および有機過酸化
物を用いず、かつ充填剤であるヘキサメチルジシラザン
で表面処理した煙霧質シリカ、および白金系触媒である
TC-20Aの配合量を表1に示すように変えた以外は、実施
例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を得、シリコー
ンゴム組成物(XI)とした。
いて、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を組成
とともに表1に示す。
(I)〜(VI)と、表2−1および表2−2に示す組成
の有機系ゴム組成物(A)〜(P)を用いて、表3に示
すような組み合わせで積層シートおよび積層パイプを作
製し、後述する特性評価試験に供した。なお、有機系ゴ
ム組成物(A)〜(P)は、有機過酸化物のα, α´-
ビス(t-ブチルパーオキシ)-p- ジイソプロピルベンゼ
ンを除いた各成分をバンバリーミキサーで均一になるま
で混練りした後、有機過酸化物のα,α´- ビス(t-ブ
チルパーオキシ)-p- ジイソプロピルベンゼンをロール
にて添加し、均一になるまで混練りして調製した。
物を厚さ約 2mmのシートとし、有機系ゴム組成物を厚さ
約4mmのシートとし、これらを互いに接触させ 170℃で1
0分間プレス加硫を行って厚さ 6mmの積層シートを作製
した。なお、有機系ゴム組成物のベースポリマーがジエ
ン系ゴムの場合は約 2mmのシートとし、さらに飽和ゴム
層をその外側に接触させてプレス加硫を行った。
打ち抜き、JIS K 6854に基づいてT型剥離試験(剥離速
度は50mm/分)を行い接着性を調べた。また、両ゴム層
を手で引き離し界面で剥離するかどうかを試験した。さ
らに、各積層シートを 150℃のギヤーオーブンに24時間
放置して熱老化させた後、同様の試験を行った。これら
の結果を表3−1および表3−2に示す。
て、内径約15mmで、内層に約 0.5mmのシリコーンゴム組
成物を、外層に約 2mmの有機系ゴム組成物を同時押出し
(押出し機のヘッド温度60℃)した後、 250℃で 5分間
のHAVを行って積層パイプを作製した。なお、有機系
ゴム組成物のベースポリマーがジエン系ゴムの場合は、
その外側にさらに 1mmの飽和ゴム層を押出した後、HA
Vを行った。
層のシリコーンゴム層と外層の有機系ゴム層の界面をナ
イフで切り出し、両層を手で引き離し界面で剥離するか
どうかを試験した。また、各積層パイプを 150℃のギヤ
ーオーブンに24時間放置して熱老化させた後、同様の試
験を行った。さらに、 5mm幅に切断した各積層パイプ
を、JIS K 6328に基づいてサンシャインウェザーメータ
に供し、1000時間後、表面のクラックの有無を目視によ
り観察して耐候性を調べた。これらの結果を表3−1お
よび表3−2に示す。
I)〜(XI)と、表2−1に示す有機系ゴム組成物(D)
を用いて、上記実施例と同様にして積層シートおよび積
層パイプを作製した。次いで、得られた各積層シートお
よび各積層パイプについて上記実施例と同様の特性評価
を行った。これらの結果を表3−3に示す。
施例と同様に成形し加硫して得たパイプについて、上記
実施例と同様にして耐侯性を調べたところ、表3−3に
示すように表面にクラックが観察された。
名) *2 JSR AR102 (日本合成ゴム社製 商品名) *3 JSR アフラス 150E (日本合成ゴム社製 商品名) *4 JSR N230S (日本合成ゴム社製 商品名) *5 JSR 1502 (日本合成ゴム社製 商品名) *6 ゼットポール 2010 (日本ゼオン社製 商品名) *7 エピクロマー CG (ダイソー社製 商品名) *8 スカイプレン B-30 (東ソー社製 商品名) *9 JSR Chlorobutyl 1066 (日本合成ゴム社製 商品
名) *10 JSR JENIX E2170 (日本合成ゴム社製 商品名) *11 アエロジル R972 (日本アエロジル社製 商品名) *12 白艶華cc (白石工業社製 商品名) *13 出光 PW-380 (出光興産社製 商品名) *14 直鎖状ポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量25
モル% 重合度20) *15 直鎖状ポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量10
モル% 重合度200) *16 環状ポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量50モ
ル% 重合度 4)
なように、本発明のシリコーンゴム組成物は、HAVに
よっても、優れた表面架橋度を示し、有機系ゴムと強固
に加硫接着させることができ、その優れた接着力は熱老
化後も保持される。そして、これを用いて得られた有機
系ゴムとの積層体は良好な耐候性を有している。
硬化性シリコーンゴム組成物に特定量のビニル基を含む
シロキサンを配合し、かつ、有機過酸化物とヒトロシリ
ル化反応の併用により、加硫方法や加硫条件の制限がな
く接着力のある熱硬化性シリコーンゴム組成物が得ら
れ、この熱硬化性シリコーンゴム組成物を使用すること
で、シリコーンゴムと有機系ゴムが強固に接着したゴム
積層体を加硫方法や加硫条件の制限なく得ることができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)平均組成式 R1 nSiO(4-n)/2 ………(I) (式中、R1は置換または非置換の1価の炭化水素基でかつその0〜5モル%が ビニル基、nは1.900〜2.004の数である) で表わされる平均重合度500〜12000のポリオルガノシロキサン 100重量部、 (B)充填剤 10〜200重量部、 (C)平均組成式 R2 mSiO(4-m)/2 ………(II) (式中、R2は置換または非置換の1価の炭化水素基でかつその5〜50モル% がビニル基、mは0<m<4の数である) で表わされる平均重合度3〜500のポリオルガノシロキサン 0.1〜20重量部、 (D)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える 数を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン 0.1〜20重量部、 (E)白金系触媒(白金系金属量として) 0.01〜5000 ppm および (F)有機過酸化物 0.1〜20重量部 を組成分として成ることを特徴とするゴム積層体用熱硬化性シリコーンゴム組成 物。
- 【請求項2】 請求項1記載のゴム積層体用熱硬化性シ
リコーンゴム組成物からなるシリコーンゴム層と、加硫
剤として有機過酸化物を含有する有機系ゴム組成物から
なる有機系ゴム層とが積層され、かつ一体に加硫接着さ
れて成ることを特徴とするゴム積層体。 - 【請求項3】 請求項2記載のゴム積層体を製造するに
あたり、請求項1記載のゴム積層体用熱硬化性シリコー
ンゴム組成物からなる未加硫のシリコーンゴム層と、加
硫剤として有機過酸化物を含有する有機系ゴム組成物か
らなる未加硫の有機系ゴム層とを密着積層し、次いで加
熱して前記シリコーンゴム層と前記有機系ゴム層とを一
体に加硫接着して成ることを特徴とするゴム積層体の製
造方法。
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