JP5200612B2 - 車両のパワートレイン配設構造 - Google Patents
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Description
すなわち、エンジンルーム81と車室82とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル83を設け、このダッシュロアパネル83の後端部にはフロアパネル84を接続すると共に、このフロアパネル84には車室内方へ突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部85が形成されている。
また、上記凹部83aを設けることにより、エンジン86を後退配置して、エンジンルーム81のコンパクト化と、フロントノーズの短縮とを図ることができる。
さらに、エンジン86の排気系には、排気ガスを浄化するキャタリスト89を設けるが、図5、図6、図7に示すこの従来構造においては、該キャタリスト89がフロントシート90(図7参照)の下方におけるトンネル部85の上方膨出部85aの車外側に設けられている。
つまり、フロア下方へのキャタリスト89の配置により、フロントシート90に着座する乗員のヒップポイントが必然的に上方位置になり、空力抵抗の関係上、ルーフ91の位置は下方に下げることが望ましいが、キャタリスト89が存在するので、ルーフ91の位置を下げることが不可能となる。
なお、図中、92は前輪、93は熱交換器としてのラジエータ、94はサスクロスメンバ、95はダッシュロアパネル83より左右一対が車幅方向に離間して前方に延びるフロントサイドフレーム、96はバンパレイン、97はカウル部、98はボンネット、99はフロントウインドガラスである。
この特許文献1に開示された構造によれば、キャタリストをエンジンルーム内に設けているので、ヒップポイントの上昇が防止できて、車体の全高を低くすることができると共に、キャタリストによる車室内への熱害防止を図ることができるという利点がある反面、上述のキャタリストをエンジン前方に車幅方向に向けて配設している関係上、キャタリスト上流およびキャタリスト下流の排気管の取り廻し長さが長くなって、排気効率の向上が阻害されるという問題点があった。
上記構成によれば、ダッシュパネルの凹部内にパワートレインを設けるので、パワートレインの後方シフト配置ができ、ヨー慣性モーメントの低減と、フロントノーズの短縮とを図ることができる。
つまり、パワートレインの後方シフト配置と、キャタリストのレイアウトとを両立させることができる。
さらに、上記キャタリストを上下方向に向けて配設したので、排気管の取り廻しが最短となって、排気効率の向上を図ることができると共に、キャタリストの縦置き構造により、エンジンルームの前後方向のスペースの短縮を図ることも可能となる。
上記構成によれば、キャタリストをエキゾーストマニホールドに近接配置したので、排気経路が最短となり、排気効率のさらなる向上を図ることができるうえ、キャタリストの早期活性化を図ることができる。
上記構成によれば、エキゾーストマニホールドが最短に形成され、エンジン全体をコンパクトに構成できて、車両衝突時のクラッシュスペースを確保することができる。
上記構成によれば、キャタリストと冷却ファンとのオーバラップ構造により、冷却ファンの配風でキャタリストを冷却することができる。
上記構成によれば、キャタリストのオフセット構成により、冷却ファンの配風によるキャタリストの冷却性を確保しつつ、エンジンの冷却も阻害しないので、エンジンの冷却性能に悪影響を与えることがない。
上記キャタリストは上下方向に向けて配設され、上記エキゾーストマニホールドはエンジンの下部に設けられた排気ポートから下方に延び、該エキゾーストマニホールドの下流に上記キャタリストの下部が接続され、該キャタリストの上部に接続された排気通路が後方に延びるように配設され、該排気通路が、フロントサイドフレームの上縁よりも完全に上方に突出することなく、かつ、フロアパネルよりも上方において延設されるという構成にて実現した。
図面は車両のパワートレイン配設構造を示し、側面図で示す図1、平面図で示す図2、正面図で示す図3において、エンジンルーム1と車室2とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル3を設けている。このダッシュロアパネル3は車室2の前部を仕切るパネルである。
へ突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部5を形成している。このトンネル部5は車体剛性の中心となるもので、トンネル開口部の前部はエンジンルーム1と連通している。
このサイドシル6は、サイドシルインナ7とサイドシルアウタ8とを接合して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面を備えた車体剛性部材である。
ここで、上述のフロントサイドフレーム16は、フロントサイドフレームインナとフロントサイドフレームアウタとを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を備えた車体剛性部材である。
上述のパワートレイン20は、縦置きエンジン21と、その後方に接続されたトランスミッション22とを備え、上記エンジン21の後部を上記凹部3a内に配設することにより、重量物としてのエンジン21乃至パワートレイン20の後退レイアウトを達成して、ヨー慣性モーメントの低減を図って、走行安全性を確保すると共に、エンジンルーム1のコンパクト化と、フロントノーズの短縮とを図るように構成している。
また、上述のリヤディファレンシャル装置のワインドアップ振動を抑制すると共に、パワートレイン20からのロール方向の動きを許容する目的で、トランスミッション22のミッションケースと、リヤディファレンシャル装置のデフケースとの間には、車両の前後方向に延びるパワープラントフレーム29(いわゆるPPF)が取付けられており、このパワープラントフレーム29および上述のプロペラシャフト28は図2に示すように、トンネル部5内に配設されている。
一方、排気ガス浄化用のキャタリスト32を、上記エンジン21の右側前方のデッドスペースに設けている。このキャタリスト32は上下方向に向けて配設され、所謂縦置きキャタリストと成している。
しかも、この実施例では、上記キャタリスト32は上述のエキゾーストマニホールド31と一体に設けられている。また、上述の縦置き配置したキャタリスト32の上部には、排気通路としてのエキゾーストパイプ33の上流端33aを接続し、このエキゾーストパイプ33を後方に延びるように配設すると共に、このエキゾーストパイプの過半部は、図1、図2に示すように上述のトンネル部5の車外側に配置されている。
また、上述のキャタリスト32をエンジン21の前側で、しかも、上下方向に向けて配設することにより、エンジンルーム1内においてキャタリスト32が占める前後方向および車幅方向の占有スペースは、キャタリスト32の外径と等しくなり、その占有スペースの最小化を図ることができるので、エンジンルーム1の前後方向スペースの短縮を図ることが可能となる。
さらに、図2に平面図で、図3に正面図でそれぞれ示すように、上述のキャタリスト32は正面視でエンジン21とオーバラップしないように配設されており、クーリングファン41の起風でエンジン21を確実に冷却することができるように構成している。
上記構成において、車両の走行時には、フロントグリル19の開口部からエンジンルーム1内に流入する走行風によりラジエータ40内のエンジン冷却水を冷却することができ、またクーリングファン41の配風はその後方に位置するエンジン21およびキャタリスト32に案内されるので、これら両者21,32を冷却することができる。
この構成によれば、ダッシュロアパネル3の凹部3a内にパワートレイン20を設けるので、パワートレイン20の後方シフト配置ができ、ヨー慣性モーメントの低減と、フロントノーズの短縮とを図ることができる。
つまり、パワートレイン20の後方シフト配置と、キャタリスト32のレイアウトとを両立させることができる。
しかも、上記キャタリスト32を上下方向に向けて配設したので、キャタリスト32上流およびキャタリスト32下流の排気管(エキゾーストマニホールド31,エキゾーストパイプ33参照)の取り廻しが最短となって、排気効率の向上を図ることができると共に、キャタリスト32の縦置き構造により、エンジンルーム1の前後方向のスペースの短縮を図ることも可能となる。
この構成によれば、キャタリスト32をエキゾーストマニホールド31に近接配置したので、排気経路が最短となり、排気効率のさらなる向上を図ることができるうえ、キャタリスト32がエンジン21の排気ポート30に近いため、エンジン21からの高温の排気ガスでキャタリスト32の早期活性化を図ることができる。
この構成によれば、エキゾーストマニホールド31が最短に形成され、エンジン全体をコンパクトに構成できて、車両衝突時のクラッシュスペースを確保することができる。
この構成によれば、キャタリスト32と冷却ファン(クーリングファン41参照)とのオーバラップ構造により、冷却ファン(クーリングファン41)の配風でキャタリスト32を冷却することができる。
この構成によれば、キャタリスト32のオフセット構成により、冷却ファン(クーリングファン41参照)の配風によるキャタリスト32の冷却性を確保しつつ、エンジン21の冷却も阻害しないので、エンジン21の冷却性能に悪影響を与えることがない。
この構成によれば、最短経路にて排気できるので、排気効率をより一層向上させることができる。
この仕切り部材60は、その後端に対してその前端が若干車幅方向内方に位置するようにスラント配置されており、走行風をキャタリスト32に確実に案内するように構成している。この仕切り部材60は、フロントクロスメンバ54とサスペンションクロスメンバ50とで、その上下を支持することができる。
図4で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、図1〜図3で示した先の実施例と同一であるから、図4において前図(特に、図2)と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明のダッシュパネルは、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に、
排気管は、エキゾーストマニホールド31に対応し、
排気通路は、エキゾーストパイプ33に対応し、
熱交換器は、ラジエータ40に対応し、
冷却ファンは、クーリングファン41に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、縦置きエンジンとして、2ロータ構造のロータリエンジンを例示したが、これは3ロータ構造のロータリエンジンであってもよく、また他のエンジンであってもよい。
2…車室
3…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
3a…凹部
16…フロントサイドフレーム
20…パワートレイン
21…エンジン
22…トランスミッション
30…排気ポート
31…エキゾーストマニホールド(排気管)
32…キャタリスト
33…エキゾーストパイプ(排気通路)
40…ラジエータ(熱交換器)
41…クーリングファン(冷却ファン)
Claims (5)
- 車室とエンジンルームとを仕切るダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルに設けられた凹部内に車輪を駆動するパワートレインの一部が設けられた車両のパワートレイン配設構造であって、
上記パワートレインは、その後部が上記凹部内に配された縦置きエンジンと、その後方に接続されたトランスミッションとから成り、
上記エンジンの前側には排気管に接続されたキャタリストが設けられ、
上記キャタリストは上下方向に向けて配設され、
上記エキゾーストマニホールドはエンジンの下部に設けられた排気ポートから下方に延び、
該エキゾーストマニホールドの下流に上記キャタリストの下部が接続され、該キャタリストの上部に接続された排気通路が後方に延びるように配設され、
該排気通路が、フロントサイドフレームの上縁よりも完全に上方に突出することなく、かつ、フロアパネルよりも上方において延設された
車両のパワートレイン配設構造。 - 上記エンジンの側方にはエキゾーストマニホールドが設けられ、該エキゾーストマニホールドに近接した前方に上記キャタリストを配設した
請求項1記載の車両のパワートレイン配設構造。 - 上記キャタリストは上記エキゾーストマニホールドと一体に設けられた
請求項2記載の車両のパワートレイン配設構造。 - 上記エンジンの前方には熱交換器と、該熱交換器を冷却する冷却ファンとが設けられ、
上記キャタリストは上記冷却ファン後方で、かつ該冷却ファンと正面視でオーバラップする位置に配設された
請求項1〜3の何れか1に記載の車両のパワートレイン配設構造。 - 上記キャタリストは、上記熱交換器に対して車幅方向にオフセットして配設された
請求項4記載の車両のパワートレイン配設構造。
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