JP5470732B2 - 車両のパワートレイン配設構造 - Google Patents
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Description
すなわち、エンジンルーム81と車室82とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル83を設け、このダッシュロアパネル83の後端部にはフロアパネル84を接続すると共に、このフロアパネル84には車室内方へ突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部85が形成されている。
また、上記凹部83aを設けることにより、重量物としてのエンジン86を後退配置して、エンジンルーム81のコンパクト化と、フロントノーズの短縮とを図ることができる。
さらに、エンジン86の排気系には、排気ガスを浄化するキャタリスト89を設けるが、図9、図10、図11に示すこの従来構造においては、該キャタリスト89がフロントシート90(図11参照)の下方におけるトンネル部85の上方膨出部85aの車外側に設けられている。
つまり、フロア下方へのキャタリスト89の配置により、フロントシート90に着座する乗員のヒップポイントが必然的に上方位置になり、空力抵抗の関係上、ルーフ91の位置は下方に下げることが望ましいが、キャタリスト89が存在するので、ルーフ91の位置を下げることが不可能となる。
なお、図中、92は前輪、93はラジエータ、94はサスクロス(詳しくはサスペンションクロスメンバ)、95はフロントサイドフレーム、96はバンパレイン、97はカウル部、98はボンネット、99はフロントウインドガラスである。
また、特許文献2には、ダッシュロアパネルの凹部にレシプロエンジンの後側一部を配設し、エンジンのシリンダヘッド側方の排気マニホールド直下における該排気マニホールドの下方部に、キャタリストを略上下方向に向けて配設した構造が開示されている。
さらに、特許文献3にも、上記特許文献2と同様に、ダッシュロアパネルの凹部にレシプロエンジンの後部一部を配設し、エンジンのシリンダヘッド側方の排気マニホールド直下における該排気マニホールドの下方部に、キャタリストを略上下方向に向けて配設した構造が開示されている。
しかしながら、これらの各特許文献1〜3に開示された従来構造においては、エンジン側部のデッドスペース、またはエンジン側部前方のデッドスペースを有効利用して、キャタリストをコンパクトに配設することができない問題点があった。
しかも、上述のキャタリストは該排気マニホールドに近接して配設したので、排気マニホールド近傍で、かつエンジン側部のデッドスペースを有効利用して、キャタリストをコンパクトに配設することができる。
この発明の実施例の説明に先立って、まず参考例について詳述する。
図面は車両のパワートレイン配設構造を示し、側面図で示す図1、平面図で示す図2、正面図で示す図3において、エンジンルーム1と車室2とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル3を設けている。このダッシュロアパネル3は車室2の前部を仕切るパネルである。
このサイドシル6は、サイドシルインナ7とサイドシルアウタ8とを接合固定して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面を備えた車体剛性部材であり、必要に応じて、サイドシルインナ7とサイドシルアウタ8との間には、サイドシルレインフォースメントが介設される。
ここで、上述のフロントサイドフレーム16は、フロントサイドフレームインナとフロントサイドフレームアウタとを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を備えた車体剛性部材である。
上述のパワートレイン20は、エンジンルーム1に対してエキセントリックシャフトが縦方向(前後方向)になるように配設された縦置きエンジン21と、その後方に接続されたトランスミッション22とを備え、上記エンジン21の後部を上記凹部3a内に配設することにより、重量物としてのエンジン21乃至パワートレイン20の後退レイアウトを達成して、ヨー慣性モーメントの低減を図って、走行安全性を確保すると共に、エンジンルーム1のコンパクト化と、フロントノーズの短縮とを図るように構成している。
また、上述のリヤディファレンシャル装置のワインドアップ振動を抑制すると共に、パワートレイン20からのロール方向の動きを許容する目的で、トランスミッション22のミッションケースと、リヤディファレンシャル装置のデフケースとの間には、車両の前後方向に延びるパワープラントフレーム29(いわゆるPPF)が取付けられており、このパワープラントフレーム29および上述のプロペラシャフト28は、図2に示すように、トンネル部5内に配設されている。
さらに、上述の排気マニホールド31とキャタリスト32,33とは一体的に形成されている。詳しくは、上述の排気マニホールド31と、上流側のキャタリスト32と、排気管34と、下流側のキャタリスト33とは一体的に形成されている。
このラジエータ37は、その背部に該ラジエータ37を冷却する冷却ファンとしてのクーリングファン38を備えている。また、上述のラジエータ37は、アッパタンク37a、ロアタンク37bと、これら上下の各タンク間に介設されたウオータチューブおよびコルゲートフィンを備え、エンジン冷却水(クーラントを含む)を走行風で冷却(熱交換)する熱交換器であって、この実施例では、図1に示すように、該ラジエータ37を垂直に配設すると共に、このラジエータ37およびクーリングファン38はラジエータユニットとして一体化している。なお、ラジエータ37を垂直に配設する構成に代えて、該ラジエータ37を前高後低状、または前低後高状にスラント配置(傾斜配置)してもよい。
上記構成において、エンジン21におけるロータハウジング24,26の排気ポート30,30から排出された排気ガスは、排気マニホールド31を介して上流側のキャタリスト32に流入し、このキャタリスト32内の触媒にて排気ガスが浄化され、次に、排気管34を介して下流側のキャタリスト33に流入し、このキャタリスト33内の触媒にて排気ガスが再度浄化され、浄化後の排気ガスはエキゾーストパイプ35の内部を通って後方に案内される。
しかも、エンジン21の側部前方にはラジエータ37との間に所定の間隔があって、デッドスペースとなっており、このデッドスペースを有効利用して、キャタリスト32,33をコンパクトに配設することができる。
この構成によれば、上述のキャタリスト33が排気マニホールド31と上下方向でオフセットしているので、走行風によるキャタリスト33の冷却性を確保することができる。
この構成によれば、排気マニホールド31とキャタリスト32,33とを一体的に形成したので、排気マニホールド31を含む排気経路が最短に形成され、エンジン21全体をコンパクトに構成できて、車両衝突時のクラッシュスペースを確保することができる。
この構成によれば、2分割された1つ1つのキャタリスト32,33をコンパクトに形成することができ、特に、キャタリスト32,33個々の軸方向の長さは、従前のキャタリストの軸方向の長さに対して約1/2に設定することができ、分割された各キャタリスト32,33を上下方向に並設するので、これらキャタリスト32,33の配設に要する占有スペース(特に、前後方向のスペース)をコンパクトにできると共に、エンジンルーム1内の上下方向のスペースを有効利用することができ、また、走行風によりこれらの各キャタリスト32,33を冷却することができる。
この構成によれば、冷却ファン(クーリングファン38参照)からの配風によりキャタリスト32,33を確実に冷却することができて、キャタリスト32,33発熱時の熱害を可及的防止することができる。
すなわち、図4に示すこの参考例2では、上述の排気マニホールド31は排気ポート30,30から一旦下方に延びた後に、車両前後方向に延びるように形成されており、この排気マニホールド31の下流端には、2分割されたキャタリスト32,33の一方(上流側のキャタリスト32)が接続されている。
さらに、下流側のキャタリスト33の下流端部に接続されたエキゾーストパイプ35は、エンジン21の側方で、かつ排気マニホールド31と干渉しないように排気ポート30,30の上方対応部を通って後方に延びており、このエキゾーストパイプ35の過半部は、図4に示すように、トンネル部5の車外側に配設されている。
また、下流側のキャタリスト33は排気マニホールド31に対して上下方向にオフセットして配設されている。
このように、キャタリストを2分割して、2つのキャタリスト32,33を用いるように構成すると、従前のキャタリストの長さに対してその軸方向の長さが短い2つのキャタリスト32,33で、従前のキャタリストと同様の排気ガス浄化機能を確保することができ、図4に示すように、これら2つのキャタリスト32,33を上下方向に並設してエンジン21の側部前方に配設すると、該側部前方のデッドスペースを有効利用して、キャタリスト32,33をコンパクトに配設することができる。
図5〜図7に示すこの実施例では、特に、図7に正面図で示すように、エンジン21の右側部上側に吸気マニホールド50を設け、該エンジン21の吸気マニホールド50が設けられた側と同一の右側部の下側に排気マニホールド51を設け、これら吸気マニホールド50と排気マニホールド51との間のデッドスペース(エンジン21側部のデッドスペース)に、排気ガス浄化用のキャタリスト52を配設したものである。
このため、キャタリスト52は排気マニホールド51の下流部と略同等の高さ位置となり、また、該キャタリスト52は排気マニホールド51の前後方向に延びる部分に対して上下方向の上方にオフセットして配設されている。
そして、該キャタリスト52の下流部には、エキゾーストパイプ35が連通接続されており、このエキゾーストパイプ35は、エンジン21の右側部の上下の各マニホールド50,51の間のデッドスペースを通ってエンジン後方に延びた後に、トンネル部5の車外側を通って車両後方に延びるように形成されている。
このエアクリーナ53は空気取入口としてのインレットポート54を備えると共に、内部にエレメント(図示せず)を備えた空気浄化器であって、このエアクリーナ53の浄化空気出口には上述の吸気マニホールド50の上流端を接続している。
また、上述のキャタリスト52は排気マニホールド51と略同等の高さ位置で、かつ該排気マニホールド51に近接して配設したので、排気マニホールド51近傍で、かつエンジン21側部のデッドスペースを有効利用して、キャタリスト52をコンパクトに配設することができる。
この構成によれば、上述のキャタリスト52が排気マニホールド51と上下方向でオフセットしているので、走行風によるキャタリスト52の冷却性を確保することができる。
この構成によれば、排気マニホールド51とキャタリスト52とを一体的に形成したので、排気マニホールド51を含む排気経路が最短に形成され、エンジン21全体をコンパクトに構成できて、車両衝突時のクラッシュスペースを確保することができる。
この構成によれば、吸気マニホールド50と排気マニホールド51との間のデッドスペース(エンジン側方のデッドスペース)を有効利用して、上記キャタリスト52をコンパクトに配設することができる。
図8は車両のパワートレイン配設構造の参考例3を示す平面図であって、エンジン21の右側部に排気マニホールド60を設けている。この排気マニホールド60は排気ポート30(前図参照)から車幅方向の外方に延びる上流分岐部60a,60bと、これら各上流分岐部60a,60bの排気ガスを集合させる集合部60cと、を一体的に形成したもので、集合部60cは車両の前後方向に延びるように形成されており、この集合部60cの下流端部には、エキゾーストパイプ35が接続されている。
上述の各上流分岐部60a,60bおよび集合部60cの下流側には、排気ガス浄化用のキャタリスト61…がそれぞれ内設されている。つまり、複数のキャタリスト61…を排気マニホールド60の内部に設けたものである。
要するに、図8に示すこの参考例3においては、エンジン21の側部に排気マニホールド60を設け、この排気マニホールド60と同等の高さ位置で、かつ該排気マニホールド60にキャタリスト61が内蔵されたものである。
また、上述のキャタリスト61は排気マニホールド60と同一の高さ位置で、かつ該排気マニホールド60に最も近接して配設したので、排気マニホールド60の内部空間を有効利用して、キャタリスト61をコンパクトに配設することができる。
この発明のダッシュパネルは、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に
熱交換器は、ラジエータ37に対応し、
冷却ファンは、クーリングファン38に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
2…車室
3…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
3a…凹部
20…パワートレイン
21…エンジン
22…トランスミッション
30…排気ポート
35…エキゾーストパイプ
50…吸気マニホールド
51…排気マニホールド
52…キャタリスト
Claims (1)
- 車室とエンジンルームとを仕切るダッシュパネルが設けられ、
該ダッシュパネルに設けられた凹部内に車輪を駆動するパワートレインの一部が設けられた車両のパワートレイン配設構造であって、
上記パワートレインは、縦置きエンジンとその後方に接続されたトランスミッションとから成り、
上記エンジンの後部が上記凹部内に配設されており、
上記エンジンの側部下側には排気ポートと、
該排気ポートから下方に延びた後、該下方に延びる部位の先端から前後方向前向きに延びた後に上方向に上記排気ポート側に曲がる排気マニホールドと、
該排気マニホールドの下流側で当該排気マニホールドと一体的に形成された一つのキャタリストと、
該キャタリストの下流側かつ後方で車両後方に延設されるエキゾーストパイプと、が設けられると共に、
上記エンジンの上記排気ポートが設けられた側と同一の側部上側には吸気マニホールドが設けられ、
上記キャタリストは、上記吸気マニホールドと上記排気マニホールドとの間において設けられ、
上記キャタリストは、側面視で上記エンジンと重なるよう前後方向に延び、
上記キャタリスト、上記排気マニホールド、および上記エキゾーストパイプが、上記エンジンの上縁と下縁との間の高さに配設された
車両のパワートレイン配設構造。
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