JP5200172B2 - 開閉装置の操作機構 - Google Patents
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Description
放勢により開路動作を行う遮断ばねと、放勢により閉路動作を行う投入ばねとを有し、引外しトリガによって遮断ばねの蓄勢エネルギーの保持を解除させることで、その蓄勢エネルギーが放勢されて開路動作を行ない、投入トリガによって投入ばねの蓄勢エネルギーの保持を解除させることで、その蓄勢エネルギーを放勢させて閉路動作を行わせるようになっている。引外しトリガと投入トリガは同一のトリガ軸に独立して回転可能に装着されており、投入状態のとき、引外しトリガには投入状態を保持するための引外しラッチレバーによって、遮断ばねの付勢力が減衰された荷重がかかるように構成されている。
カムの回転によりピンが押されて投入レバーが回動し、投入レバーの係止部が第1の半月ラッチに設けた切欠部と係合することで、投入ばねの蓄勢エネルギーが保持されるように構成されたものである。
また、引外しレバーは、一端側に係止部が形成され他端側が回動可能に支持され、係止部と回動中心部との中間部に設けられた軸ピンに一端が回動可能に支持された中間レバーを備えており、遮断ばねの蓄勢エネルギーにより、出力レバーが引外し方向に回動しようとする駆動力で、出力レバーに設けられたラッチピンに中間レバーの他端側が押されて引外しレバーが回動し、引外しレバーの係止部と第2の半月ラッチに設けた切欠部とが係合することで、遮断ばねの蓄勢エネルギーが保持されるように構成されたものである。
また、ラッチ部にかかる荷重を低減でき、小さな駆動力でラッチを駆動できる。
図1は実施の形態1による開閉装置の操作機構の斜視図である。開閉装置としては、例えば真空バルブを用いた真空遮断器を例に説明する。まず、図1の斜視図によって操作機構全体の構成を説明する。但し、図1では内部に隠れて形状が分かりづらい部品もあるので、各部品相互の配置関係を主に説明し、各部の形状の詳細については、図2〜図6の部分図によって説明することにする。
また、出力レバー10には、出力リンク17の一端側が回動可能に軸支されており、この出力リンク17の他端側は、図示しないリンク機構を介して真空遮断器の真空バルブの可動接点に連結されている(図5参照)。
以下、各パートに分けて、更に構成の詳細について説明する。
大歯車14が連結されて投入ばね16から駆動力が伝達されるカム軸3にはカム2が固着されている。カム2の両側に隙間を空けてカム2を挟むような形で、2枚の投入レバー6(詳細は後述)が配置され、投入レバー6の一端側には係止部6aが形成され、他端側が投入レバー軸7に固着されて、投入レバー軸7を中心に回動できるようになっている。投入レバー軸7には、ひねりばね18が設けられており、その一端を投入レバー6に引っ掛け、他端をフレーム1b側に係止させることで、投入レバー6を図で反時計方向に回動させるように付勢されている。但し、図の位置以上には反時計側に回動しないように図示しないストッパが設けられている。
また、投入レバー6には、2枚の投入レバーを繋ぐようにピン19が設けられており、このピンは、カム軸3が回転したときにカム2が当接するような位置に配置されている。
また、第1の半月ラッチ5には、係合を解除する駆動力が付与される部分となる駆動板4が、リベットやボルト等で取り付けられている。
(a)に示すように、第1の半月ラッチ5は丸棒状部材から成り、長手方向の一部に、半月状の断面((c)参照)を残して切り欠いた切欠部5aが形成されている。切欠部5aの軸方向の長さは、2枚の板からなる投入レバー6の幅より大きくしている。この切欠部5aの角部が投入レバー6との係合部となる部分である。切欠部5aに対して長手方向にずれた位置で、且つ、周方向にほぼ180度反対の位置に同様に切り欠いて、駆動板4が取り付けられる取付部5bと取付穴5cが形成されている。
(b)に示すように、取付部5bには駆動板4がはめ込まれ、取付穴5cを利用してリベットやボルト等の締結部材で固着されている。
なお、駆動板4の形状は一例を示すものであり、図の形に限定するものではなく、後述の投入ボタンの配置等の都合で適宜決めればよい。
また、切欠部5aに対して取付部5bを周方向に180度ずれた位置に形成したのは、第1の半月ラッチ5を、回転軸に対して少しでも質量のバランスをとるためであり、必ずしも180度に限定するものではない。
また、第1の半月ラッチ5の回動範囲を規制するために、例えば、予めフレーム側に穴を設けておき、駆動板4の一部を穴の中に移動可能に配置することで回転角度を規制する等の手段がとられている。これ以外にも、例えばラッチ本体の切欠部とは離れた位置にピンを植設しておき、フレーム側にこれと接触させるためのストッパを用いる等の手段でも良い。
図において、カム軸3は図2で説明したので説明は省略する。その後部下方に配置された出力レバー軸11に、2枚の板で構成された出力レバー10が支持されており、出力レバー軸11を中心に回動する。
2枚の出力レバー10の間には次の部材が取付けられている。まず、出力レバー10の上部で出力レバー軸11の前方側に、回転自在にローラ21が設けられている。このローラ21はカム2が回転したときに転接して押圧される位置関係にある。ローラ21の前方側には、ラッチピン22が設けられている。そして、出力レバー10の下方側には出力リンク17の一端が回動自在に支持されている。
以上までが各構成の説明であるが、次に、本実施の形態の操作機構の動作について説明する。
図7は投入動作前の状態を説明する図である。カム軸3、投入レバー軸7、第1の半月ラッチ5近傍を取り出して示している(図8,9も同様)。初期状態(蓄勢動作に入る前)では投入レバー6の係止部6aと第1の半月ラッチ5の切欠部5aは、クリアランスが存在する状態となっている。すなわち、投入レバー6はひねりばね18の作用により矢印A方向に付勢されて図の位置に保持されている。
最初に、図1を参照しながら、カム軸3の動作から説明する。図示しない電動機等の駆動力により大歯車14を矢印方向に回転させる。この回転に伴ってクランクロッド15がクランク運動をおこない、投入ばね16を蓄勢する。下死点を越えると蓄勢された投入ばね16の大荷重によって大歯車14には回転力が付与される。大歯車14にはカム軸3が連結されており、カム軸3にはカム2が固着されているので、大歯車14に回転力が付与されるとカム軸3と共にカム2も回転する。
また、半月ラッチの回動中心から係合箇所までの距離が短かいので、係合位置の位置調整が容易である。
投入動作は前記の蓄勢保時状態を解除することにより行われる。保持状態の解除は投入レバー6と係合している第1の半月ラッチ5を回転させることにより行う。この操作は、図9中に太矢印で示すように、第1の半月ラッチ5に取付けた駆動板4を、例えば、図示しないコイルボタン等からなる投入ボタンで押すことにより容易に実行可能である。
図9の状態から、第1の半月ラッチ5と投入レバー6の係合が解除されると、カム2により投入レバー6のピン19が押され、その駆動力で投入レバー6が時計方向に回転し、カム2も時計方向に回転できるようになる。
図10〜図13は、カム軸3,出力レバー軸11,引外しレバー回動軸9,第2の半月ラッチ13の周辺部を取り出した説明図である。
図10に示すように、図9の状態からカム2が回転すると、次にカム2は出力レバー10に取付けられているローラ21と接触し、カム2が転接しながらローラ21を押し下げるように作用する。これにより、出力レバー10は図10の太矢印に示すように出力レバー軸11を中心に反時計方向に回動するので、出力レバー10に連結されている出力リンク17が遮断ばね26の付勢力に打ち勝って下方に押し下げられる。出力リンク17には、図5で説明したように、リンク機構23を介して真空バルブ24とつながっているので、出力レバー10の押し下げ動作により、真空バルブ24の可動接触子25が閉じ、これにより遮断器は投入状態となる。
カム2が更に回転してローラ21から離れる時点では、図11に示すように、中間レバー28の先端部とラッチピン22が係合し図の状態となる。カム2がローラ21から離れれば、出力レバー10はカム2側からの駆動力を受けないので、出力リンク17に連結されたリンク機構23の途中に設けられている遮断ばね26(図5参照)の付勢力により、出力リンク17が矢印の方向に駆動され、これが出力レバー10を時計方向に回転させる力として働く。すると、中間レバー28はラッチピン22から荷重を受ける。
なお、出力レバー軸11の中心に対して出力リンク17の支点が図で左方にLだけずれているので、遮断ばね26の付勢力が作用したとき出力レバー10は時計方向の回転力を受けることになる。
このとき,引外しレバー8の回動中心位置から引外しレバー8の係止部8aと第2の半月ラッチ13の切欠部13aとの係合部までの距離を長くし、引き外しレバー8とその途中に設けた中間レバー28とを介して荷重を受けるようにしているため、第2の半月ラッチ13が受ける荷重は、中間レバー28がラッチピン22から受ける荷重を低減させたものとなり、前記と同様の荷重低減の効果が期待できる。
真空遮断器の引外し動作は、上記の投入保時状態を解除することにより行われる。保持状態の解除は引外しレバー8と係合している第2の半月ラッチ13を回転させることにより行う。この操作を行うときは、前記と同様で第2の半月ラッチ13に取付けた駆動板12を、例えば、図示しないコイルボタン等からなる引外しボタンで図12の太矢印で示す方向に押すことにより容易に実行可能である。
図13のように、第2の半月ラッチ13を回転させて引外しレバー8と第2の半月ラッチ13の係合が解除されると、中間レバー28がラッチピン22に押されて時計方向へ回動し、中間レバー28とラッチピン22との係合が解除される。これにより、遮断ばね26の付勢力で出力リンク17が矢印方向に押し上げられ、リンク機構23を介して真空バルブ24の接点が開く。
また、ラッチ部にかかる荷重を低減でき、小さな駆動力でラッチを駆動できる。
Claims (4)
- 放勢によりカム軸を回転させて、開閉装置の接点を投入するための投入駆動力を与える投入ばねと、
前記カム軸から伝達される前記投入ばねの蓄勢エネルギーを、投入レバーを介して保持する第1の半月ラッチと、
前記第1の半月ラッチによる保持が解除され前記投入ばねが放勢されたとき、前記カム軸に設けられたカムに押圧されて回動し、リンク機構を介して前記開閉装置に前記投入駆動力を伝達する出力レバーと、
前記リンク機構に設けた遮断ばねの蓄勢エネルギーが伝達されて前記出力レバーが引外し方向に回動するのを引外しレバーを介して阻止し、前記遮断ばねの蓄勢エネルギーを保持する第2の半月ラッチとを備え、
前記投入レバーは、一端側に係止部が形成され他端側が回動可能に支持され、前記係止部と回動中心部との間の前記回動中心部に近い位置にピンが設けられており、
前記カムの回転により前記ピンが押されて前記投入レバーが回動し、前記投入レバーの前記係止部が前記第1の半月ラッチに設けた切欠部と係合することで、前記投入ばねの蓄勢エネルギーが保持されるように構成されていることを特徴とする開閉装置の操作機構。 - 放勢によりカム軸を回転させて、開閉装置の接点を投入するための投入駆動力を与える投入ばねと、
前記カム軸から伝達される前記投入ばねの蓄勢エネルギーを、投入レバーを介して保持する第1の半月ラッチと、
前記第1の半月ラッチによる保持が解除され前記投入ばねが放勢されたとき、前記カム軸に設けられたカムに押圧されて回動し、リンク機構を介して前記開閉装置に前記投入駆動力を伝達する出力レバーと、
前記リンク機構に設けた遮断ばねの蓄勢エネルギーが伝達されて前記出力レバーが引外し方向に回動するのを引外しレバーを介して阻止し、前記遮断ばねの蓄勢エネルギーを保持する第2の半月ラッチとを備え、
前記引外しレバーは、一端側に係止部が形成され他端側が回動可能に支持され、前記係止部と回動中心部との中間部に設けられた軸ピンに一端が回動可能に支持された中間レバーを備えており、
前記遮断ばねの蓄勢エネルギーにより、前記出力レバーが引外し方向に回動しようとする駆動力で、前記出力レバーに設けられたラッチピンに前記中間レバーの他端側が押されて前記引外しレバーが回動し、前記引外しレバーの前記係止部と前記第2の半月ラッチに設けた切欠部とが係合することで、前記遮断ばねの蓄勢エネルギーが保持されるように構成されていることを特徴とする開閉装置の操作機構。 - 請求項1または請求項2記載の開閉装置の操作機構において、
前記第1の半月ラッチ及び前記第2の半月ラッチは、丸棒状部材から成り、前記切欠部は、長手方向の一部を半月状の断面を残して切り欠いて形成され、前記各半月ラッチを回動させる駆動板の取付部が、前記切欠部とは別の前記長手方向の位置に、半月状の断面を残して切り欠いて形成されていることを特徴とする開閉装置の操作機構。 - 請求項3記載の開閉装置の操作機構において、
前記各半月ラッチに形成された前記切欠部と前記取付部とは、棒状をした前記各半月ラッチの周方向のほぼ180度ずれた位置に形成されていることを特徴とする開閉装置の操作機構。
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