JP4604584B2 - 開閉装置の操作機構及びそれを用いた開閉装置 - Google Patents

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Description

この発明は、開閉装置の技術分野に属するものであり、例えば遮断器、開閉装置等の開閉操作を行う操作機構に関するものである。
従来の開閉装置の操作機構では、四節リンクの固定接点を変位させる構成が用いられていた。具体的には、駆動レバー、主リンク及び連結リンクから構成された四節リンクの一方の固定接点を、回転自在な引き外しカム上に設け、開放時には引き外しカムを反時計方向へ移動させることによって、四節リンクの緊張状態を崩していた(例えば、特許文献1参照。)。
特公平1−45930号
しかしながら、特許文献1のような構成では、四節リンクの動作に伴って四節リンクの一方の固定接点に加わる荷重が大きく変化し、このため引き外しカムに加わる反時計方向の回転力も大きく変化していた。さらに、引き外しカムとラッチの関係のように荷重の加わった状態で係合状態から離脱状態へ変化させる場合、この係合部へ大きな荷重をかけると係合面のへたりあるいは駆動力の増加等で、確実な動作をおこなうことができなくなる。そのため、係合部へ加わる荷重が大きくならないようにする必要があり、従来装置では、引き外しカム、ラッチ、トリガ等の部品を直列に並べ接点側から生じる負荷力を順次減少させる方法をとっていた。即ち、従来装置ではトリガの動作力を小さくするため四節リンク部で非常に大きな減衰比を構成させ、そのため該四節リンク部で摩擦等の経時変化が生じると引き外しできない等のトラブルが生じる問題があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、2つの四節リンクを用いることで、摩擦等の経時変化に対する影響が少ない開閉装置の操作機構を提供する。
この発明における開閉装置の操作機構は、駆動軸に装着された引き外しリンクと、引き外しリンクの一端に回転自在に装着され投入ばねを外周に配したガイドリンクと、ガイドリンクの長穴部に回転及び摺動自在に一端を連結されかつ第一の固定軸に回転自在に装着された投入リンクと、ガイドリンクと投入リンクとの連結部に回転自在に一端を連結された連結リンクと、連結リンクの他端に回転自在に一端を連結されかつ第二の固定軸に回転自在に装着された出力レバーと、引き外しリンクと係合可能な引き外しラッチとを備え、駆動軸の回転に伴ってガイドリンクの両端の連結部を直線で結ぶ軸線は、固定軸の軸心に対して移動し、投入ばねを蓄勢させる際には引き外しリンクとガイドリンクと投入リンクとで第一の四節リンクを形成し、引き外しリンクと引き外しラッチとの係合状態では第一の四節リンクに加えて投入リンクと連結リンクと出力レバーとで第二の四節リンクを形成するものである。
この発明によれば、2つの四節リンクで負荷力を減衰し各々の四節リンクで大きな減衰比を必要としないため、摩擦等の経時変化に対する影響が少ない開閉装置の操作機構が得られる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1による開閉装置において、操作機構の開極リセットの状態図である。図2はこの開閉装置の操作機構の投入ばね蓄勢完了直前、図3は同じく投入ばね蓄勢保持状態、図4は同じく投入保持の状態を示す図である。
図において、駆動軸10に引き外しリンク11が取り付けられており、引き外しリンク11の一端には、外周に投入ばね13を配したガイドリンク14が回転自在に連結している。さらに、ガイドリンク14の長穴部14aに投入リンク15を回転及び摺動自在に連結するとともに、固定軸30に回転自在に装着する。ここで、引き外しリンク11とガイドリンク14と投入リンク15とで、第一の四節リンクを形成する。
また、ガイドリンク14と投入リンク15の連結部には、連結リンク17が投入リンク15の連結部と回転自在に連結している。この連結リンク17のもう一端は、出力レバー18と回転自在に連結している。さらに、出力レバー18は、固定軸31に回転自在に取り付けられている。
引き外しラッチ12は、投入動作後(図2〜4)、引き外しリンク11の外縁部に設けた切欠部11aと係合し投入保持するように配置されており、図示しない付勢手段によって、時計方向に付勢している。投入ラッチ16は、投入ばね13の蓄勢状態を保持するため、投入リンク15の外縁部に設けた切欠部15bと係合するように配置されており、同じく図示しない付勢手段により時計方向に付勢している。
また、開閉装置における開閉部の一例では、回転自在に支持された駆動シャフト3の一端に出力レバーと当接する駆動レバー5を備え、駆動レバー5に対し反時計方向に付勢するように開放ばね7を配し、固定接点1と可動接点2との開離距離を規制するストッパ−6が駆動レバー5と当接するように配置してある。接圧ばね8は可動接点2とレバー4との間に配置され、固定接点1と可動接点2が当接する際に必要な接点間圧力を与えるようになっている。
次に、開閉装置の操作機構の動作を説明する。図1は、開閉装置の開路状態で、投入ばね13を放勢した操作機構のリセット状態である。引き外しリンク11、ガイドリンク14、投入リンク15からなる第一の四節リンクは、駆動軸10を時計方向に回す事で引き外しリンク11が時計方向に回転すると、連動して動作するものである。図1では、ガイドリンク14の先端部(図示下端部)は、投入リンク15のU曲げ部15aの内壁面に接触するように構成されている。ここで、ガイドリンク14の両端の連結部を直線で結ぶ軸線は、投入リンク15の回転中心である固定軸30の軸心に対してL2だけ図示右上方向にずれている。そのため、駆動軸10を時計方向に回した際、投入リンク15が半時計方向に回転する事なしに、ガイドリンク14は投入リンク15のU曲げ部15aの内壁面を滑るように、図示右下方向へ投入リンク15に対してほぼ直線的に動く。投入リンク15と連結リンク17の連結部は、ガイドリンク14の長穴部14aに沿って動き、投入ばね13を圧縮していく。
図2は、投入ばね13の蓄勢途中(蓄勢がほぼ完了)の状態で、投入ばね13が最も縮められた状態よりも僅かに駆動軸10を時計方向に回転した状態の図である。ガイドリンク14の両端の連結部を直線で結ぶ軸線が、駆動軸10の中心に対しL1だけ図示左下方向にずれる事により、引き外しリンク11は、投入ばね13のばね力によって時計方向に動く回転力をうけて回転動作する。このときに、引き外しリンク11の外周突起部11bと投入ばね13の端部が接触するため、引き外しリンク11と投入ばね13とガイドリンク14が一体となり、駆動軸10を回転中心として時計方向に回転動作が始まる。これにより、ガイドリンク14の長穴部14aが、それまで接触していた投入リンク15のU曲げ部15aから離れる。続いて、ガイドリンク14の両端の連結部を直線で結ぶ軸線と固定軸30の軸心とのずれからなる寸法L2が、次第に小さくなる。さらに、ガイドリンク14の両端の連結部を直線で結ぶ軸線が固定軸30の軸心を超えると、投入リンク15は固定軸30を回転中心に半時計方向に動き出す。
その後、図3に示すように、投入リンク15の外縁部に設けられた切欠き15bと投入ラッチ16が係合したばね蓄勢保持状態となる。この時、引き外しリンク11にも時計方向へ回転する力が働いているが、引き外しリンク11の一端11cがストッパー20と接触し、引き外しリンク11の時計方向への回転動作が規制される。そのため、引き外しリンク11とガイドリンク14と投入リンク15からなる四節リンクが、緊張状態を保ったまま保持される。
図3の状態から投入ラッチ16を半時計方向に動かす事で、投入リンク15と投入ラッチ16との係合が外れ、投入ばね13に蓄えられたばね力でL2の距離に比例した回転力が、投入リンク15に加わる。すると、投入リンク15と連結リンク17と出力レバー18からなる四節リンクの動作が進み、開閉装置の駆動レバー5を押し下げ、駆動シャフト3を支点として可動電極2が図示上方向に移動する。この一連の動作が進んで完了する直前付近から、ガイドリンク14の両端の連結部を直線で結ぶ軸線と駆動軸10の中心とのずれからなる寸法L1が次第に小さくなる。さらに、駆動軸10の軸心を超えると引き外しリンク11に加わる回転力は反転し、半時計方向に回転する回転力が加えられる。これにより、引き外しリンク11の一端11cとストッパー20との当接が離れて引き外しリンク11は半時計方向に回転を始めるが、この時には引き外しラッチ12が図示しない付勢手段により時計方向に回転している。
その後、図4に示すように、引き外しリンク11の切欠部11aと引き外しラッチ12とが係合して投入保持した状態となる。すなわち、開閉部の負荷力(接圧ばね8と開放ばね7のばね荷重の反力)を出力レバー18で受け止めて、投入リンク15と連結リンク17と出力レバー18からなる第二の四節リンクで投入ばね13に加わる力を減衰し、投入ばね13の初荷重で保持する事が可能となる。さらに、投入ばね13の初荷重を投入リンク15とガイドリンク14と引き外しリンク11からなる第一の四節リンクで減衰しているので、引き外しリンク11の回転力は非常に小さく引き外しラッチ12に加わる荷重を小さくすることが出来る。
このように、実施の形態1では、2つの四節リンクで負荷力を減衰し各々の四節リンクで大きな減衰比を必要としないため、摩擦等の経時変化に対する影響が少ない開閉装置の操作機構を提供できる。すなわち、引き外しラッチに加わる荷重を投入ばねの初荷重とすることで引き外し動作力ばらつきの少なく、また、引き外し動作力は負荷力の変動に対しても影響しないため、操作機構の引き外し動作が安定する。
また、構成部品の数が多くて構成が複雑になると、その組立作業に多大の労力を要していたが、2つの四節リンクに共通する投入リンクを用いることで、開閉装置の操作機構を少ない部品数で得られる効果がある。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2による開閉装置において、操作機構の投入ばね蓄勢途中の状態を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1の変形例として、操作機構に投入ラッチ16を組み込んでいないものである。
次に、動作について説明する。投入ばね13を蓄勢する過程は実施の形態1と同様で、実施の形態1の図3に相当する位置まで投入ばね13を蓄勢した状態である。ここで、投入ラッチ16がないため、投入リンク15bの切欠き部と係合することなく投入ばね蓄勢後即投入動作し、実施の形態1の図4に示した位置までリンクが動き、投入動作が完了する。
このように、実施の形態2では、投入ばねの蓄勢動作すなわち投入動作であり、例えば手動にて操作する場合には1つの動作(ワンアクション)での操作方式とすることが出来る。これに対して投入ラッチ16がある場合には投入ばね13を蓄勢する動作と投入ラッチ16と投入リンク15との係合を外す動作の2つの動作が必要であり、開閉装置の操作方法、用途に応じた操作機構を投入ラッチ16の有無だけで組み別けることが出来る。
実施の形態3.
図6は、実施の形態3による開閉装置において、投入ばねを放勢した操作機構のリセット状態を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1の変形例として、連結リンク17の穴部17を長穴形状としているものである。この実施の形態では、投入ばねを放勢したリセット状態(実施の形態1の図1に相当)から投入ばねの蓄勢保持の状態(実施の形態1の図3に相当)へと動作するとき、連結リンク17と出力レバー18の連結部が穴部17の図示右端部17a’の位置まで動かないと、出力レバー18が回転しない。すなわち、連結リンク17の穴部17aを長穴形状とすることで、投入ばね13を蓄勢する間に出力レバー18が不要に回転することを抑制できる。また、図7は、連結リンク17の穴部17aの代替として、長穴形状の穴部18aを出力レバー18側に設けた場合の図であり、図6の場合と同様に出力レバー18の不要な回転を抑制することが出来る。
図8は、図6の変形例として、開閉装置の駆動シャフト3の一端を出力レバーの回転軸31の位置に配して取り付けることにより、直接駆動シャフト3に操作機構の駆動力を伝達する一例である。開閉装置の構成に応じて多彩な動力伝達方法を構成できる。ここでも、連結リンク17の穴部17を長穴形状とすることで、投入ばね13を蓄勢する間に出力レバー18が不要に回転することを抑制できる。
このように、実施の形態3では、連結リンク17もしくは出力レバー18に長穴を設けることで、投入ばね13を蓄勢する間の出力レバー18の不要な回転を抑制できる。開閉装置を構成する上で寸法の関係上、開閉部と操作機構部との動力伝達方法が制約される場合などに開閉部に対して操作機構を配置する自由度が広がり、開閉装置を構成する上での利便性が向上する。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4による開閉装置において、投入ばねを放勢した操作機構のリセット状態を示す図である。この実施の形態は、実施の形態1の変形例として、最終出力部である出力レバー18の形状を回転固定軸31に対して両側にレバー部18a、18bを設けたものである。レバー部18a、18bを設けたことにより、操作機構の駆動力を下方向に押したり、上方向に押したり出来るようにした一例である。
このように、実施の形態4では、実施の形態3と同様に開閉部と操作機構部との動力伝達方法が制約される場合などに開閉部に対して操作機構を配置する自由度が広がり、開閉装置を構成する上での利便性が向上する。さらに、実施の形態3と実施の形態4を組み合わせた操作機構を構成する事で、更に利便性が向上することは明確である。
本発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構におけるリセット状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構におけるばね蓄勢途中の状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構におけるばね蓄勢保持の状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構における投入保持の状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態2による開閉装置の操作機構におけるばね蓄勢途中の状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態3による開閉装置の操作機構におけるリセット状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態3による開閉装置の操作機構におけるリセット状態の変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態3による開閉装置の操作機構におけるリセット状態の他の変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態4による開閉装置の操作機構におけるリセット状態を示す側面図である。
符号の説明
10 駆動軸、11 引き外しリンク、12 引き外しラッチ、13 投入ばね、14 ガイドリンク、15 投入リンク、16 投入ラッチ、17 連結リンク、 18 出力レバー、20 ストッパー、30〜31 固定軸。

Claims (5)

  1. 駆動軸に装着された引き外しリンクと、引き外しリンクの一端に回転自在に装着され投入ばねを外周に配したガイドリンクと、ガイドリンクの長穴部に回転及び摺動自在に一端を連結されかつ第一の固定軸に回転自在に装着された投入リンクと、ガイドリンクと投入リンクとの連結部に回転自在に一端を連結された連結リンクと、連結リンクの他端に回転自在に一端を連結されかつ第二の固定軸に回転自在に装着された出力レバーと、引き外しリンクと係合可能な引き外しラッチとを備え、駆動軸の回転に伴ってガイドリンクの両端の連結部を直線で結ぶ軸線は、固定軸の軸心に対して移動し、投入ばねを蓄勢させる際には引き外しリンクとガイドリンクと投入リンクとで第一の四節リンクを形成し、引き外しリンクと引き外しラッチとの係合状態では第一の四節リンクに加えて投入リンクと連結リンクと出力レバーとで第二の四節リンクを形成することを特徴とする開閉装置の操作機構。
  2. 投入リンクと係合可能な投入ラッチを備え、投入ラッチによってばね蓄勢保持及び投入保持を行うことを特徴とする請求項1記載の開閉装置の操作機構。
  3. 投入ばねを圧縮保持した際に引き外しリンクに係合する引き外しラッチに加わる荷重を、投入動作における投入ばねの初荷重としたことを特徴とする請求項1または2記載の開閉装置の操作機構。
  4. 連結リンクと出力レバーのいずれかの連結装着穴を長穴形状としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開閉装置の操作機構。
  5. 固定接点と可動接点とからなる開閉可能の接点と、この接点を開閉するために請求項1〜4のいずれかに記載の開閉装置の操作機構とを備えた開閉装置。
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