JP2010086654A - 遮断器の操作機構 - Google Patents

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慎也 星
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Abstract

【課題】投入ばねを有する機構を開路ばねを有する機構部から分離し、開路動作後の閉路操作の操作性を向上させる。
【解決手段】真空バルブ28を閉路する投入ばね13を有する投入ばね部1aと、真空バルブ28を開閉操作する開閉駆動部1bとからなり、投入ばね部1aは、投入ばね13を外周に設けたリンク9と、投入ばね13の伸縮により移動する振り払いレバー14と、振り払いレバー14が当接して回動する蓄勢レバー5と、蓄勢レバー5を移動させる投入ハンドル軸3とを有し、開閉駆動部1bは、リンク11が当接して回動する主レバー19と、真空バルブ28の可動側に連結された主軸18と、主レバー19を係止するトリップキャッチ23とを有し、真空バルブ28の開路状態および閉路状態において、投入ばね部1aと開閉駆動部1bとが分離していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空遮断器のような遮断器の開閉操作性を向上し得る遮断器の操作機構に関する。
従来、この種の真空遮断器は、真空バルブからなる遮断部とこれを開閉操作する操作機構部とから構成されている。操作機構部では、遮断部の開閉操作に必要な操作力を閉路操作では投入ばね、開路操作では開路ばねを蓄勢して行っている。これらの操作力は、複数のリンクやレバーなどで方向が変換され、遮断部に伝達されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−63863号公報 (第3〜4ページ、図1)
上記の従来の遮断器の操作機構においては、次のような問題がある。遮断器は電力系統を遮断する機能から開路動作が優先されており、開路ばねを放勢させて遮断部を開路させると、その状態が維持されるようになっている。そして、遮断部を閉路させるためには、開路状態をリセットしなければならなかった。即ち、遮断部から操作機構部までには複数のリンク、ベアリング、レバー、カムなどが連結されており、閉路操作を行うためには、投入ばねを有する機構部と、開路操作を行う開路ばねを有する機構部とのリンクなどを分離するリセット操作を行わなければならなかった。
このため、遮断部を開路させたとき、投入ばねを有する機構部と、開路ばねを有する機構部とを連結しているリンクなどが必然的に外れ、互いの機構部を分離し、リセット操作が不要となることが望まれていた。この場合、開路ばねを有する機構部は、上述のように開路動作を優先させることから遮断部に直接的に連結されているので、投入ばねを有する機構部を分離させた方が構造を簡素なものとすることができる。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、開路動作が行われた後の閉路操作の操作性を向上し得る遮断器の操作機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遮断器の操作機構は、真空バルブを閉路する投入ばねを有する投入ばね部と、前記真空バルブを開閉操作する開閉駆動部とからなり、前記投入ばね部は、前記投入ばねを外周に設けたリンクと、前記リンク端に設けられるとともに、前記投入ばねの伸縮により移動する振り払いレバーと、前記振り払いレバーが当接して回動する前記投入ばねを蓄勢する蓄勢レバーと、前記蓄勢レバーを移動させる投入ハンドル軸とを有し、前記開閉駆動部は、前記リンクが当接して回動する主レバーと、前記主レバーに固定されるとともに、前記真空バルブの可動側に連結された主軸と、前記主レバーを係止するトリップキャッチとを有し、前記真空バルブの開路状態および閉路状態において、前記投入ばね部と前記開閉駆動部とが分離していることを特徴とする。
本発明によれば、投入ばねを有する投入ばね部と真空バルブに連結された開閉駆動部とが、開路状態と閉路状態のそれぞれにおいて分離しているので、開路動作が行われた後の閉路操作を行うためのリセット操作が不要となり、操作性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る遮断器の操作機構を図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る遮断器の操作機構の構成を説明する図、図2は、本発明の実施例1に係る遮断器の操作機構の動作を説明する図である。
図1に示すように、遮断器の操作機構は、図示左側の投入ばね部1aと図示右側の開閉駆動部1bとに分かれて構成されている。図中において、斜線を引いたピンと軸は固定を示し、白抜きのピンは可動を示す。
投入ばね部1aには、機構フレーム2に固定された回動自在の投入ハンドル軸3が設けられている。投入ハンドル軸3には、三角形状の第1のリンク4が固定され、図示右側端部にへ字状の蓄勢レバー5端が可動ピン6で連結されている。第1のリンク4には、切り込み部が設けられ、固定ピン7により回動範囲が制約されている。
蓄勢レバー5の中間部の切り欠き部5aには、可動ピン8が当接しており、この可動ピン8は第2のリンク9の一方端に設けられた長円状の開口孔10を移動自在に移動するようになっている。第2のリンク9の他方端と第3のリンク11の一方端は可動ピン12で連結されている。可動ピン8と可動ピン12間の第2のリンク9の外周には、投入ばね13とともに、可動ピン8に当接する板状の振り払いレバー14が設けられている。振り払いレバー14は、中央部に第2のリンク9が貫通する開口孔を有し、投入ばね13の伸縮に伴って第2のリンク9の外周を移動自在に移動する。
可動ピン8は、図示しない操作機構壁に設けられた一点鎖線で示す円弧状の開口孔15を、投入ばね13の蓄勢時、放勢時に移動自在に移動するようになっている。第3のリンク11の他方端は固定ピン16で固定されており、また、第3のリンク11は固定ピン17により図示左方向への回動範囲が制約される。
開閉駆動部1bには、機構フレーム2に固定された回動自在の四角形状の主軸18が設けられ、三角形状の主レバー19の一頂部が固定されている。主レバー19の他の頂部には、回転自在の第1のローラ20が設けられ、第3のリンク11の中間部側面に当接し転動するようになっている。また、これと異なる他の頂部には、第2のローラ21が設けられ、中間部を固定ピン22に固定された回動自在のトリップキャッチ23の一方端が係止されるようになっている。トリップキャッチ23の他方端には、開路信号により回動する半円状のトリップ軸24が設けられ、トリップキャッチ23が係止されるようになっている。
主レバー19の側面には、時計方向への回動範囲を制約する固定ピン25が設けられ、また、主軸18と第1のローラ20間の側面に操作機構側のワイプばね26が設けられている。機構フレーム2外には、遮断部となる接離自在の一対の接点27を有する真空バルブ28が設けられ、真空バルブ28の可動側に真空バルブ側のワイプばね29と方向変換レバー30が設けられ、主レバー19に連結されている。ワイプばね26、29により接点27の閉路時に接触荷重が加えられる。なお、図示しない開路ばねが主軸18に連結され、接点27の開路操作が行われる。
このような操作機構の開閉動作を図2を参照して説明する。
図2(a)は、トリップ軸24が動作し、トリップキャッチ23が時計方向に回動し、主レバー19も時計方向に回動して接点27が開路した開路状態である。この状態から閉路操作をする場合には、図2(b)に示すように、投入ハンドル軸3に図示しない投入ハンドルを取り付け、時計方向に回動させると、第1のリンク4が時計方向に回動する。これにより、蓄勢レバー5が図示左方向に移動するとともに、切り欠き部5aに係止された可動ピン8が円弧状の開口孔15内に沿って反時計方向に移動する。同時に、可動ピン8が長円状の開口孔10内を図示下方向に移動し、第2のリンク9と第3のリンク11とが直線上に並び投入ばね13が蓄勢される。
投入ばね13が充分に蓄勢されると、図2(c)に示すように、第2のリンク9と第3のリンク11とが可動ピン12を頂点とし、投入ばね13の放勢力でく字状に曲折する。すると、第3のリンク11の側面が第1のローラ20に当接し、主レバー19を反時計方向に回動させる。これにより、接点27が閉路し、それぞれのワイプばね26、29により接点27に接触荷重が加わる。この状態において、振り払いレバー14端は蓄勢レバー5の図示下方の側面に当接する。
主レバー19の回動に伴って、図2(d)に示すように、トリップキャッチ23が反時計方向に回動し、主レバー19が係止される。これにより、一時的な閉路状態となり、投入ハンドル軸3の時計方向の回動を停止する。そして、図2(e)に示すように、投入ハンドル軸3を図2(a)の初期状態に戻そうとすると、切り欠き部5aと可動ピン8との係止が外れ、振り払いレバー14が投入ばね13のばね力により蓄勢レバー5端を図示上方に蹴り上げる。即ち、蓄勢レバー5は、振り払いレバー14によって可動ピン6を支点として時計方向に回動する。同時に、可動ピン8が開口孔15を時計方向に移動し、第2のリンク9と第3のリンク11とが直線状となる。
更に、投入ハンドル軸3を反時計方向に回動させ初期状態に戻すと、図2(f)に示すように、可動ピン8が開口孔15端まで移動し、切り欠き部5aに当接し係止される。すると、第2のリンク9と第3のリンク11とが図2(c)、(d)と比べて若干逆に折れ曲がったく字状となり、閉路状態が完了する。投入ばね部1aは、図2(a)と同様の配置となる。遮断信号が入ると、開閉駆動部1bは動作し、図2(a)となる。
これにより、投入ばね13を有する投入ばね部1aと、主レバー19を有する開閉駆動部1bとの互いの機構が干渉せず、互いが分離した状態となる。即ち、トリップキャッチ23が動作して開路動作が行われ、その後閉路操作を行うと、開閉駆動部1bは主レバー19などが回動して開路から閉路の状態になるが、投入ばね部1aは開路状態と閉路状態とで同様の状態となり、開閉駆動部1bと分離した状態となる。
これは、投入ばね13を設けた第2のリンク9および第3のリンク11と、主レバー19とが、そもそも分離した構成で連結されておらず、閉路操作時のみ第3のリンク11が主レバー19に当接し動作させているため、互いの機構が分離するものとなる。また、第2のリンク9自体に投入ばね13を設け、蓄勢レバー5を振り払いレバー14で回動させ、開路状態と閉路状態とを同様の位置としたことにより達成できるものである。ここで、第2のリンク9は、第3のリンク11と連結されているので、主レバー19に当接するリンクと称する。
なお、従来では、一方向回転のベアリングやカムなどで操作機構が構成されているので、開路動作を行った後には、閉路操作を行うためにカムなどを、閉路操作を行う位置まで回転させる所謂リセット操作をしなければならなかった。
上記実施例1の遮断器の操作機構によれば、投入ハンドル軸3を回動させて開路状態から閉路操作を行うと、投入ばね13によって回動する第3のリンク11と接点27に連結された主レバー19とが当接して主レバー19を回動させて一時的な閉路状態となり、投入ハンドル軸3を初期状態に戻すと、第3のリンク11と主レバー19とが離れて元に戻って閉路状態が完了するように、投入ばね部1aと開閉駆動部1bとを分離させているので、トリップキャッチ23が動作して開路動作が行われた後に閉路操作を行うためのリセット操作が不要となり、操作性を向上させることができる。
次に、本発明の実施例2に係る遮断器の操作機構を図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施例2に係る遮断器の操作機構の構成を説明する図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、振り払いレバーの形状である。図3において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、可動ピン8と投入ばね13間には、端部が蓄勢レバー5側に曲折した端部33aを有するL字状の振り払いレバー33を設けている。これにより、蓄勢レバー5の側面に振り払いレバー33の端部33aを確実に当接させることができ、投入ハンドル軸3を初期状態に戻したとき、蓄勢レバー5端を蹴り上げて時計方向に回動させることができる。
上記実施例2の遮断器の操作機構によれば、実施例1の効果と同様に、操作機構の操作性を向上させることができる。
本発明の実施例1に係る遮断器の操作機構の構成を説明する図。 本発明の実施例1に係る遮断器の操作機構の動作を説明する図。 本発明の実施例2に係る遮断器の操作機構の構成を説明する図。
符号の説明
1a 投入ばね部
1b 開閉駆動部
2 機構フレーム
3 投入ハンドル軸
4 第1のリンク
5 蓄勢レバー
5a 切り欠き部
6、8、12 可動ピン
7、16、17、22、25 固定ピン
9 第2のリンク
10、15 開口孔
11 第3のリンク
13 投入ばね
14、33 振り払いレバー
18 主軸
19 主レバー
20、21 ローラ
23 トリップキャッチ
24 トリップ軸
26、29 ワイプばね
27 接点
28 真空バルブ
30 方向変換レバー
33a 端部

Claims (3)

  1. 真空バルブを閉路する投入ばねを有する投入ばね部と、
    前記真空バルブを開閉操作する開閉駆動部とからなり、
    前記投入ばね部は、前記投入ばねを外周に設けたリンクと、
    前記リンク端に設けられるとともに、前記投入ばねの伸縮により移動する振り払いレバーと、
    前記振り払いレバーが当接して回動する前記投入ばねを蓄勢する蓄勢レバーと、
    前記蓄勢レバーを移動させる投入ハンドル軸とを有し、
    前記開閉駆動部は、前記リンクが当接して回動する主レバーと、
    前記主レバーに固定されるとともに、前記真空バルブの可動側に連結された主軸と、
    前記主レバーを係止するトリップキャッチとを有し、
    前記真空バルブの開路状態および閉路状態において、前記投入ばね部と前記開閉駆動部とが分離していることを特徴とする遮断器の操作機構。
  2. 前記投入ばねのばね力により前記リンクが前記主レバーに当接し、閉路操作が行われることを特徴とする請求項1に記載の遮断器の操作機構。
  3. 前記投入ばね部の前記投入ばね、前記リンク、前記蓄勢レバーが前記真空バルブの開路状態と閉路状態とで同様の配置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遮断器の操作機構。
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