JP4901319B2 - 遮断器の操作機構 - Google Patents

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この発明は、遮断器の操作機構、特に、トグルリンク機構を備えた遮断器の操作機構に関するものである。
従来技術においては、トグルリンク方式の操作機構を備えた遮断器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された遮断器の操作機構では、各リンクがピン等により互いに連結され分離できないようになっているためトルク伝達完了後は遮断器閉極状態を各リンクによるリンク機構全体で保持する必要があり、次回投入動作に対して待機するリンク構成は困難である。
一方、カムを用いてトルク伝達を行う方式の操作機構を備えた遮断器では、トルク伝達完了後、次回投入動作に対して待機可能であるが、カムとカムフォロアの接触部は円柱と円柱の外接円モデルとなるため面圧は円柱と凹円面の内接円モデルよりも高くなり、カム面やカムフォロア径の増大による面圧低減もしくは熱処理や熱処理後の部品歪の考慮といった対策が必要である。
特開2006−32189号公報
この発明は、投入動作後に遮断器の閉極状態を保持するリンク系統とは切離された別のリンク系統により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができ遮断器の開閉動作を的確に遂行できる遮断器の操作機構を得ようとするものである。
この発明に係る遮断器の操作機構では、投入ばねによって付勢され前記投入ばねによる付勢力を投入ラッチにより抑止される第1のリンク系統と、前記投入ラッチの抑止解除により前記投入ばねによる付勢力によって駆動され遮断器を閉極して引外しラッチにより閉極状態に保持される第2のリンク系統とを備え、前記第1のリンク系統に一端を連結されて前記投入ばねの付勢力によって駆動され他端を前記第2のリンク系統に係合して前記第2のリンク系統を介して遮断器を閉極するとともに、前記第1のリンク系統による前記投入ばねの蓄勢動作に応じて前記第2のリンク系統との係合を解除する投入駆動用リンクを設けたものであって、前記第2のリンク系統に設けられた係合ピンに内接する係合部を前記投入駆動用リンクの他端に設けたものである。
この発明によれば、投入動作後は遮断器の閉極状態を保持する第2のリンク系統とは切離された第1のリンク系統により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができるとともに、第1のリンク系統と第2のリンク系統との係合部を円柱と凹円面の内接円モデルとして、係合部の面圧低減を行うことができ、遮断器の開閉動作を的確に遂行できる遮断器の操作機構を得ることができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図5までについて説明する。図1は、この発明による実施の形態における、遮断器が開極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す側面図である。図2は、この発明による実施の形態における、遮断器投入過程でのリンク構成を示す側面図である。図3は、この発明による実施の形態における、遮断器が閉極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す側面図である。図4は、この発明による実施の形態における、U溝リンクを示す拡大側面図である。図5は、この発明による実施の形態における、U溝リンクと係合ピンとの係合部分を示す拡大側面図である。
図1から図3までにおいて、シャフト1にはリンク2の一端が固着して取り付けられている。リンク2の他端としての自由端にはU溝リンク3の一端がピン4によって回動自在に取り付けられている。U溝リンク3の他端としての自由端にはU溝部3aが設けられピン5と係合可能となっている。ピン5は回動中心ピン6によって回動自在に支承されているリンク7の一端に設けられリンク7の一端とリンク9の一端とを互いに回動可能に連結している。リンク7の他端にはピン8が設けられている。
リンク9の他端はピン10によってリンク11の自由端上部に互いに回動可能に連結されている。リンク11は回動中心ピン12により回動自在に支承されている。リンク11の自由端下部はピン13によりリンク14の一端に回動自在に連結され、リンク14の他端はピン15により三相駆動軸としての回動中心軸17に取り付けられた三相駆動リンク16の一端に回動自在に連結されている。
三相駆動リンク16の他端はピン18により主回路遮断器を構成する真空スイッチ管(VST)23の可動接点に回動自在に連結されている。主回路遮断器を構成する真空スイッチ管(VST)23には、真空スイッチ管(VST)23の閉極時に蓄勢され、可動接点を引外し方向に付勢する引外しばね24が設けられている。
そして、リンク2の他端としての自由端に設けられたピン4と投入ばね支点20との間に張架され、投入ばね荷重の向きAの方向にピン4を付勢する投入ばね19が設けられている。引外しばね24は引外し荷重の向きBの方向に付勢力を有しピン18を介して三相駆動リンク16を三相駆動軸としての回動中心軸17を中心として時計式に駆動する方向へ常時付勢している。シャフト1は投入ばね19を蓄勢する蓄勢用駆動軸としての役割を持つ。
ここで、シャフト1に一端を固着して取り付けられたリンク2、および、リンク2に一端をピン4により回動自在に取り付けれ他端にU溝部3aを設けたU溝リンク3はリンク系統L1を構成する。U溝リンク3のU溝部3aの両端にはU溝部3aに連接するテーパ部3bが設けられている。
また、回動中心ピン6を中心に回動し両端にU溝リンク3のU溝部3aと係合するピン5およびピン8を設けたリンク7、リンク7とピン5により一端を回動自在に連結されたリンク9、回動中心ピン12を中心に回動するよう枢着され自由端上部をリンク9にピン10によって回動自在に連結されるリンク11、リンク11の自由端下部に一端をピン13によって回動自在に連結されるリンク14、および、三相駆動軸としての回動中心軸17を中心として回動するよう枢着され一端をリンク14の他端にピン19によって連結され他端をピン18によってに真空スイッチ管(VST)23の可動接点に連結される三相駆動リンク16はリンク系統L2を構成する。
真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器が開極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す図1において、投入ばね19は投入ばね荷重方向Aの向きにピン4を付勢し、投入ラッチ22がリンク2の反時計式方向への回動を阻止し図示状態に保持している。
真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器に閉極指令が印加され投入ラッチ22が解除されると、投入ばね荷重の向きAの方向に作用する投入ばね19の付勢力によりピン4はリンク2の反時計式回動方向へ駆動され、リンク系統L1に設けられた投入用駆動リンクとしてのU溝リンク3はU溝部3aと係合するリンク系統L2に設けられた係合ピンとしてのピン5をリンク7の時計式回動方向へ駆動してリンク系統L2へ投入駆動のためのトルク伝達を行い、リンク9およびピン10を介してリンク11を回動中心ピン12を枢軸として反時計式駆動方向へ駆動する。リンク11はピン13およびリンク14を介して三相駆動軸としての回動中心軸17に取り付けられた三相分の真空スイッチ管(VST)23を開閉駆動するための三相駆動リンク16を回動中心軸17を中心として反時計式回動方向へ回動して三相駆動リンク16へトルク伝達を行い、この駆動トルクは、ピン18を介し真空スイッチ管(VST)23の可動接点を引外しばね荷重の向きBの方向に作用する引外しばね24の付勢力に抗して閉極方向へ駆動し固定接点に接合させるエネルギに変換される。これにより、遮断器投入過程を示す図2の状態となる。
図2の遮断器投入過程を示す状態から、投入ばね19の蓄勢用駆動軸となるシャフト1によるリンク2の反時計式方向への駆動によって投入ばね19は蓄勢されるともに、リンク系統L1に設けられた投入用駆動リンクとしてのU溝リンク3はリンク系統L2に設けられた係合ピンとしてのピン5との係合を解除し、主回路遮断器としての真空スイッチ管(VST)23が閉極状態にあり、投入ばね19が蓄勢状態にある図3に示す状態となる。
この状態において、引外しラッチ21は引外しばね24の付勢力によるリンク系統L2に設けられたリンク7の反時計式回動方向への回動を阻止し図示状態に保持している。
一方、リンク系統L1に設けられた投入用駆動リンクとしてのU溝リンク3はリンク系統L2に設けられた係合ピンとしてのピン5との係合が解除され、リンク2およびU溝リンク3は次回の投入動作に対し待機可能な位置まで移動しており、蓄勢された投入ばね19とともに次回の投入動作に備えた準備状態となっている。
真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器が閉極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す図3において、真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器に開極指令が印加され引外しラッチ21が解除されると、引外しばね24の付勢力によってリンク系統L2に設けられたリンク7は反時計式回動方向へ回動し、また、三相駆動リンク16が引外しばね24の付勢力によって時計式回動方向へ回動し、ピン15およびリンク14ならびにピン13を介してリンク11が回動中心ピン12を中心として時計式回動方向へ回動して、リンク9を介してピン5を駆動し、図1に示す状態となる。この状態では、リンク系統L1に設けられた投入用駆動リンクとしてのU溝リンク3のU溝部3aはリンク系統L2に設けられた係合ピンとしてのピン5に係合する。
このように、投入動作後は遮断器の閉極状態を保持するリンク系統L2とは切離された別のリンク系統L1により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができ遮断器の開閉動作を的確に遂行できる遮断器の操作機構を得ることができる。
すなわち、真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器の閉極動作を行うためのトルク伝達完了後は、真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器は引外しラッチ21により閉極状態を保持され、U溝リンク3に設けられたU溝部3aの係合部とピン5の係合が解除され、リンク2およびU溝リンク3は次回投入動作に対して待機可能な位置まで移動する。
U溝部3aを持つU溝リンク3を設けることにより、トルク伝達およびリンク切離しを同時に行え、切離されたリンク系統L1とリンク系統L2との二つのリンク系統で、一方は閉極保持、もう一方は次回投入動作に対し待機することが可能となる。
また、U溝リンク3にU溝部3aを持つ構造を有することで、U溝リンク3に設けられたU溝部3aとピン5との係合部は円柱と凹円面の内接円モデルとすることで面圧の低減が可能となり、接触面荷重が同一なカム式と比較して、ピン径の縮小を行え熱処理が不要な構成が可能となる。
図4および図5において、U溝リンク3には、図4に示すように、U溝部3aとともにU溝部3aの両端に連接する対をなすテーパ部3bが設けられている。図3に示す閉極状態から図1に示す開極状態に移行する際には、U溝リンク3にテーパ部3bが設けられU溝リンク3がピン4のまわりに回動自在であることで、遮断器の開極状態での係合ピン5の位置にバラツキがあっても、テーパ部3bがガイドとなって、確実にU溝部3aと係合ピン5とが係合し、図5に示す状態となる。開極位置調整によって係合ピン5の位置がバラツクけれども、そのバラツキをU溝リンク3のテーパ部3bによりU溝リンク3自体で補正するものである。
この発明による実施の形態1によれば、投入ばね19によって付勢され前記投入ばね19による付勢力を投入ラッチ22により抑止されるリンク2,3からなる第1のリンク系統L1と、前記投入ラッチの抑止解除により前記投入ばね19による付勢力によって駆動され真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器を閉極し引外しラッチ21により閉極状態に保持されるリンク7,9,11,14,16からなる第2のリンク系統L2とを備え、前記第1のリンク系統L1には、前記第1のリンク系統L1のリンク2に一端を連結されて前記投入ばね19の付勢力によって駆動されU溝部3aを有する自由端としての他端を前記第2のリンク系統L2のリンク7,9を連結するピン5に係合して前記第2のリンク系統L2を介して真空スイッチ管(VST)23で構成される主回路遮断器を閉極するとともに、前記第1のリンク系統L1による前記投入ばね19の蓄勢動作に応じて前記第2のリンク系統L2に設けられた係合ピンとしてのピン5との係合を解除する投入駆動用リンクとしてのU溝リンク3を設けたので、投入動作後は遮断器の閉極状態を保持するリンク系統L2とは切離された別のリンク系統L1により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができ、遮断器の開閉動作を的確に遂行できる遮断器の操作機構を得ることができる。
すなわち、投入ばね19の荷重による付勢力より回転トルクを与えられるシャフト1と回転を同一とするリンク2にピン連結によりピン4の周りに回転自由なU溝部3aを有するU溝リンク3を取付けた構造で、リンク系統L1のU溝リンク3に設けられたU溝部3aの係合部と別のリンク系統L2に設けられたピン5との係合によりトルク伝達を行い、トルク伝達完了後は、U溝部3aの係合部とピン5との係合が解除されることによってリンク系統がリンク系統L1とリンク系統L2の2系統に切離され、一系統のリンク系統L2は遮断器閉極保持、もう一系統のリンク系統L1は次回投入動作に対して待機可能な位置まで移動可能な特徴を有する遮断器の操作機構が構成されている。
また、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記第2のリンク系統L2に設けられた係合ピン5に内接するU溝部3aからなる係合部を前記第1のリンク系統L1を構成し前記第1のリンク系統L1の蓄勢用駆動軸としてのシャフト1に一端を固着されたリンク2の他端にピン4で一端を回動自在に連結された投入駆動用リンク3の自由端としての他端に設けたので、投入動作後は遮断器の閉極状態を保持するリンク機構L2とは切離された別のリンク機構L1により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができ遮断器の開閉動作を的確に遂行できるとともに、第1のリンク機構L1と第2のリンク機構L2との係合部を円柱と凹円面の内接円モデルとして係合部の面圧低減を行える遮断器の操作機構を得ることができる。
すなわち、第1のリンク機構L1を構成する前記U溝部3aを有するU溝リンク3と第2のリンク機構L2を構成するピン5の接触面は円柱と凹円面の内接円モデルとなり、面圧低減が可能な特徴を有する遮断器の操作機構が構成されている。
さらに、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記係合ピン5に内接するU溝部3aからなる係合部と連接して前記係合ピン5と前記U溝部3aからなる係合部との係合を案内するテーパ部5bを前記第1のリンク系統L1を構成し前記第1のリンク系統L1の蓄勢用駆動軸としてのシャフト1に一端を固着されたリンク2の他端にピン4で一端を回動自在に連結された投入駆動用リンク3の自由端としての他端に設けたので、投入動作後は遮断器の閉極状態を保持するリンク機構L2とは切離された別のリンク機構L1により次回投入動作の待機状態を準備できるようにして、閉極状態の保持と次回投入動作の準備とをそれぞれ確実に行うことができ遮断器の開閉動作を的確に遂行できるとともに、第1のリンク機構L1と第2のリンク機構L2との係合部を円柱と凹円面の内接円モデルとして係合部の面圧低減を行え、しかも、前記係合ピンと前記係合部との係合を確実に行える遮断器の操作機構を得ることができる。
この発明による実施の形態における遮断器が開極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す側面図である。 この発明による実施の形態における遮断器投入過程のリンク構成を示す側面図である。 この発明による実施の形態における遮断器が閉極状態にあり、投入ばねが蓄勢状態にある場合のリンク構成を示す側面図である。 この発明による実施の形態における、U溝リンクを示す拡大側面図である。 この発明による実施の形態における、U溝リンクと係合ピンとの係合部分を示す拡大側面図である。
符号の説明
1 シャフト、2 リンク、3 U溝リンク、4,5 ピン、6 回動中心ピン、7 リンク、8 ピン、9 リンク、10 ピン、11 リンク、12 回動中心ピン、13 ピン、14 リンク、15 ピン、16 三相駆動リンク、17 回動中心軸、18 ピン、19 投入ばね、20 投入ばね支点、21 引外しラッチ、22 投入ラッチ、23 主回路遮断器を構成する真空スイッチ管(VST)、24 引外しばね。

Claims (2)

  1. 投入ばねによって付勢され前記投入ばねによる付勢力を投入ラッチにより抑止される第1のリンク系統と、前記投入ラッチの抑止解除により前記投入ばねによる付勢力によって駆動され遮断器を閉極して引外しラッチにより閉極状態に保持される第2のリンク系統とを備え、前記第1のリンク系統に一端を連結されて前記投入ばねの付勢力によって駆動され他端を前記第2のリンク系統に係合して前記第2のリンク系統を介して遮断器を閉極するとともに、前記第1のリンク系統による前記投入ばねの蓄勢動作に応じて前記第2のリンク系統との係合を解除する投入駆動用リンクを設けたものであって、前記第2のリンク系統に設けられた係合ピンに内接する係合部を前記投入駆動用リンクの他端に設けたことを特徴とする遮断器の操作機構。
  2. 前記係合ピンに内接する係合部と連接して前記係合ピンと前記係合部との係合を案内するテーパ部を設けたことを特徴とする請求項に記載の遮断器の操作機構。
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