JP5200079B2 - クランプ部材 - Google Patents
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Description
また、クランプ部材は、カバー部材の外側からそのカバー部材を介在してパイプ状部材に取り付けて両者を連結させる際に、第2係合部が、カバー部材のカバー面を外側からその内側にあるパイプ状部材側に抑え付けた状態で係合されるため、カバー部材のカバー面の撓み等を矯正することができる。
クランプ部材は、カバー部材とは別体に形成されているので、カバー部材だけを薄肉で形成して軽量化すると共に、クランプ部材だけを厚肉に形成することが可能である。
また、クランプ部材は、クランプ外側本体と抱持部との間に肉抜部を有することによって、クランプ外側本体及び抱持部の肉厚を適宜な肉厚に形成することができると共に、クランプ外側本体と抱持部とを弾性変形可能に形成することができる。
図1に示すように、クランプ部材4は、車体1に固定されるパイプ状部材2と、このパイプ状部材2を保護するカバー部材3と、を連結してクランプするための部材である。このように、クランプ部材4は、パイプ状をしたパイプ状部材2と、このパイプ状部材2を覆うカバー部材3とを連結するものであればよく、パイプ状部材2及びカバー部材3の使用目的、設置箇所等は特に限定されない。
本発明の実施形態に係るクランプ部材4を説明するのに先立って、このクランプ部材4を説明する前に、クランプ部材4が取り付けられる車両、車体1、燃料タンク(図示省略)、パイプ状部材2等について説明する。
なお、本発明の実施形態では、前後左右等の方向がクランプ部材4の設置状態によって変化するが、便宜上、「前」は車両のフロント側、「後」は車両のリア側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側とする。
図1に示すクランプ部材4が設けられる車両は、例えば、給油口21aがリヤシート(図示省略)の後側に配置されて、その給油口21aと燃料タンク(図示省略)とを接続するフィラパイプ21及びベーパーリターンチューブ22が給油口21aから車体後部左側のタイヤ(図示省略)を覆うフェンダ1a内を通って燃料タンク(図示省略)に連通するように配置されている。
なお、車両は、クランプ部材4、カバー部材3及びパイプ状部材2を搭載可能なものであれば、作業車等であってもよく、車種等は特に限定されない。以下、車両の一例として乗用車を例に挙げて説明する。
図1に示すように、車体1は、例えば、不図示の客室内に設けた座席や、その座席の床下に設けられた燃料タンクや、キャニスタや、原動機等が搭載されて固定される車両の固定部材である。車体1は、例えば、不図示のサイドフレーム、クロスメンバ等のフレーム部材と、フェンダ1a、フロアパネル(図示省略)等パネル部材と、からなる。
不図示の燃料タンクは、ガソリン等の自動車用燃料を貯留するための容器であり、車体1の床下やシート下等に配置されている。燃料タンクには、この燃料タンクと給油口21aとに連通するフィラパイプ21、ベーパーリターンチューブ22、不図示のフューエルパイプ、蒸発燃料配管、ベントパイプ等の複数の配管類が設けられている。
前記したようにパイプ状部材2は、例えば、燃料を給油口21aから燃料タンク(図示省略)内に送るためのフィラパイプ21からなる。パイプ状部材2は、カバー部材3に覆われる略管形状、あるいは、略円筒形状をしたものであればよい。また、パイプ状部材2は、金属製のものであっても、合成樹脂製のものであっても構わない。
図2に示すように、フィラパイプ21は、給油口21aから給油された燃料を燃料タンク(図示省略)に送るための配管であり、一端が、給油口21aに接続され、他端が、フィラネックチューブ21b等を介して燃料タンク(図示省略)に接続されている。
なお、フィラパイプ21が設置される箇所の一例として、車体後部左側のフェンダ1a部分に設置される場合を例に挙げて本発明の実施形態を説明するが、勿論、それ以外の箇所にフィラパイプ21を設置しても構わない。
給油口21aには、燃料キャップ8が着脱自在に取り付けられて開閉される。
ベーパーリターンチューブ22は、給油時に、燃料タンク(図示省略)内の上部空間の空気(蒸発燃料)の一部をフィラパイプ21の給油口21aの近傍に還流させて蒸発燃料の発生量を低減させたり、燃料タンク(図示省略)内の蒸発燃料を給油口21aに戻して燃料キャップ8に内設された気圧調整弁を介して外部に排出させるためのパイプである。このベーパーリターンチューブ22は、例えば、複数のパイプを連設してなる。このベーパーリターンチューブ22は、一端が、燃料タンク(図示省略)の上部に接続され、他端が、逆止弁(図示省略)等を介してフィラパイプ21の給油口21aの近傍に接続されている。
図2に示すように、ブラケット5,6は、フィラパイプ21及びベーパーリターンチューブ22をフェンダ1aの内壁に、複数の固定具7によって固定するための保持部材である。ブラケット5,6には、フィラパイプ21を抱持する第1湾曲部5a,6aと、ベーパーリターンチューブ22を抱持する第2湾曲部5b,6bと、複数の固定具7がそれぞれ挿入される貫通孔(図示省略)と、がそれぞれ形成されている。ブラケット5,6は、金属製または樹脂製の略帯状部材を、フェンダ1aの内壁の形状、フィラパイプ21及びベーパーリターンチューブ22の外形に合わせて曲げ加工等によって適宜に曲げて形成されてなる。
上側のブラケット5の第1湾曲部5a及び第2湾曲部5bは、フィラパイプ21及びベーパーリターンチューブ22の外径に合わせて、平面視して半円形状(トンネル形状)に形成されている。
下側のブラケット6の第1湾曲部6aは、フィラパイプ21の外径に合わせて、平面視して略半円形状(トンネル形状)に形成されている。第2湾曲部6bは、平面視して略C字状に形成されて、ベーパーリターンチューブ22を略一周して巻き付けるようにして配置されている。
図3に示すように、カバー部材3は、フェンダ1a内で露出した状態になっているフィラパイプ21及びベーパーリターンチューブ22を覆って、タイヤによって跳ね上げられた小石や泥水等から保護するためのパイプ用プロテクタである。カバー部材3には、それぞれ後記する切欠部3aと、周縁部3bと、トンネル部3cと、鍔部3dと、稜線部3eと、フェンダ1aの内壁に複数取り付けられたクリップ9の先端部がそれぞれ挿入される取付孔(図示省略)と、が形成されている。カバー部材3は、正面視してフェンダ1aに沿って略く字状に形成されている。
周縁部3bは、前記切欠部3aの周縁部位であって、クランプ部材4のクランプ外側本体4eが重なった状態に配置される箇所である(図4参照)。周縁部3bは、フィラパイプ21の外周面及び抱持部4cの内周面に沿って、横断面視して略U字状に湾曲形成されている。
鍔部3dは、フェンダ1aに当接した状態で配置されるカバー部材3の当接部位であり、前記トンネル部3cの前後周縁及び上部周縁(カバー部材3の下端部以外の周縁部分)にフランジ状に形成されている。
稜線部3eは、略直角に折曲形成することによってカバー部材3の強度を向上させるための部位であり、トンネル部3cと鍔部3dとの間に形成されている。稜線部3eの外周には、前記鍔部3dが連続形成されている。
図4に示すように、クランプ部材4は、カバー部材3とパイプ状部材2との双方に係合して両者を連結するための部材である。クランプ部材4は、カバー部材3の外側からカバー部材3側へ移動し、第1係合部4aをカバー部材3に形成された切欠部3aの内側においてパイプ状部材2に係合させると共に、第2係合部4bを切欠部3aの外側でカバー部材3に係合させることによって、パイプ状部材2とカバー部材3とを連結する。換言すると、クランプ部材4は、カバー部材3の外方から弾性支持片4dを切欠部3a内に挿入するようにして、クランプ外側本体4eを切欠部3aの周縁部3bに装着することにより、カバー部材3及びパイプ状部材2に取り付けられる。このクランプ部材4は、フィラパイプ21をクランプする機能も果たす。
クランプ部材4は、カバー部材3よりも剛性の高い材料から形成されている。クランプ部材4は、例えば、強度、弾性率、耐衝撃性に優れたポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックによって形成されている。このクランプ部材4は、カバー部材3と比較して、カバー部材3の肉厚よりも厚く形成されて、カバー部材3よりも剛性がある。
第2係合部4bは、カバー部材3に係合する部位であり、クランプ外側本体4eの両側先端部の内壁面からなる。換言すると、この第2係合部4bは、クランプ部材4が切欠部3aの周縁部3bに当接してカバー部材3を支持する部位である。第2係合部4bは、切欠部3aの左右の縁部が入り込んで係合されるように、クランプ部材4の先端部内面と弾性支持片4dの外面とで、平面視して略V字溝状に形成されている。
抱持部4cは、パイプ状部材2を内包して保持する部位であり、平面視して略U字状(略半円形状)に形成されている。
前記横孔4hは、折曲部4gを弾性変形し易くするために形成された長孔であり、折曲部4g付近に、弾性支持片4dの中心線に沿って穿設されている。なお、横孔4hは、クランプ部材4を軽量化するための機能も果たす。
前記突片4iは、弾性支持片4dの基端部の強度を向上させると共に、クランプ部材4内に保持されたフィラパイプ21の外周面に当接して支持する部位である。
連結部4kは、クランプ外側本体4eの内壁中央部と、抱持部4cの外壁中央部とを連結する部位であり、平面視して略平板状に形成されている。
次に、図2〜図6を参照して本発明の実施形態に係るクランプ部材4の作用を組付順に説明する。
図2に示すように、フィラパイプ21は、一端の給油口21aが、車体1の側面外板に設けられたフューエルリッド(図示省略)内に配置され、中間部分が、フェンダ1aの内壁からフロアパネル(図示省略)の床下に亘って配置されて、他端が、燃料タンク(図示省略)に接続される。ベーパーリターンチューブ22は、そのフィラパイプ21に沿って配置される。
この場合、クランプ部材4は、カバー部材3の外方からそのカバー部材3を介在してフィラパイプ21に取り付ける際に、カバー部材3のカバー面を外側から内側のフィラパイプ21側に抑え付けて固定されることによって、カバー部材3のカバー面に撓み等があった場合、その撓み等を矯正することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。以下、前記実施形態の変形例を説明する。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態に係るクランプ部材の変形例を示す拡大断面図である。
この場合、弾性支持片4Adの先端部は、車体側に向けて拡開するように折曲形成された折曲部4Agを形成する。このように第1係合部4Aaを形成しても、円弧状の抱持部4Acがフィラパイプ21の外面を支持すると共に、一対の弾性支持片4Adがフィラパイプ21を抱持するため、前記実施形態と同様に、フィラパイプ21を弾性的に保持することができる。
このようにすれば、第1係合部4Aa(弾性支持片4Ad及び抱持部4Ac)をクランプ外側本体4Aeの内壁にしっかりと連結した状態に形成することができる。
また、クランプ部材4,4A及びカバー部材3内に保持されものは、クランプ部材4,4Aに保持できると共に、カバー部材3によって部分的に覆うことができるものであればよく、フィラパイプ21や、パイプ状部材2を保持するものに限定されるものではない。前記実施形態で説明したフィラパイプ21は、例えば、配管状のもの、筒状のもの、半筒状のもの、柱状のもの、あるいは、半柱状のものであってよい。
2 パイプ状部材
3 カバー部材
3a 切欠部
3b 周縁部
4,4A クランプ部材
4a,4Aa 第1係合部
4b 第2係合部
4c,4ac 抱持部
4d,4Ad 弾性支持片
4e,4Ae クランプ外側本体
4f,4Af 肉抜部
Claims (4)
- 車体に固定されているパイプ状部材に、前記パイプ状部材を保護するカバー部材を連結させるクランプ部材であって、
前記カバー部材は、前記パイプ部材に沿って延び、前記パイプ状部材を覆うトンネル部と前記トンネル部の周縁に鍔部を有し、
前記クランプ部材は、前記パイプ状部材に係合する第1係合部と、前記カバー部材に係合する第2係合部と、を有し、
前記クランプ部材を前記カバー部材の前記トンネル部の外側から前記カバー部材側へ移動し、前記第1係合部を前記カバー部材の前記トンネル部に形成された切欠部の内側に挿入して前記パイプ状部材に係合させることにより、前記第2係合部を前記切欠部の周縁部の外壁面に押し付けて密接させると共に、前記カバー部材に係合させて前記切欠部を覆って閉塞させ、前記カバー部材のカバー面を外側から抑え付けて前記パイプ状部材と前記カバー部材とを連結することを特徴とするクランプ部材。 - 前記クランプ部材は、前記カバー部材よりも剛性の高い材料からなることを特徴とする請求項1に記載のクランプ部材。
- 前記第1係合部は、前記パイプ状部材を内包する断面略U字状の抱持部と、
前記抱持部の両端部から突設されて前記パイプ状部材の外周面を弾性的に支持する弾性支持片と、からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクランプ部材。 - 前記クランプ部材は、前記切欠部を覆って閉塞すると共に、両端部に前記第2係合部が一体形成されたクランプ外側本体と、
前記クランプ外側本体と前記抱持部との間に形成された肉抜部と、を有することを特徴とする請求項3に記載のクランプ部材。
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