JP6442301B2 - 自動車の金属製燃料タンクの給油管取付け構造 - Google Patents
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Description
この発明は、自動車用ガソリンエンジンなどにおける動力源としての燃料を貯蔵する金属製の燃料タンクの給油管取付け構造に関する。
一般に、自動車用ガソリンエンジンなどにおける動力源としての燃料を貯蔵する燃料タンクとしては、プラスチック製のものもあるが、鉄などの金属製のものも広く使用されている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
従来における金属製の燃料タンク1は、例えば、図4に示すように、一方のタンク半体(例えば、アッパータンク)1aと他方のタンク半体(例えば、ロアータンク)1bとを周縁フランジ部同士を互いに接合することによって、燃料を貯蔵できる容器体として構成している。
そして、一方のタンク半体1aに設けた給油開口1cには、一端側が車体10に設けた燃料注入口体2に連結されたゴムなどの可撓性材料で構成する給油管(フィラーチューブ)3の他端側が、金属製の給油管取付け部材4を介して開口連結するように、取付けられている。
また、一方のタンク半体1aに形成された燃料が到達しない上部空間(不図示)には、当該上部空間内に滞留した揮発燃料を燃料注入口体2に導出するブリーザー管5の一端側が開口設置されている。また、燃料タンク1或いは燃料注入口体2内に存する揮発燃料をキャニスター7に送出するエバポレーション管6が、タンク半体1a側に設置されている。
そして、給油管3の他端側を給油開口1cに取付ける金属製の給油管取付け部材4は、図5に明確に示すように、互いに別体構成された筒状の取付け基体部4aと円板状の取付け座部4bとを有して構成しており、取付け基体部4aと取付け座部4bとは、取付け座部4bに設けた中央孔4b−1に取付け基体部4aを嵌合した状態で、取付け座部4bの中央孔4b−1を囲繞するように形成したバーリング部4b−2と取付け基体部4aの外周壁とを互いにロー付けすることにより気密性を施して固着して構成している。
このように構成された給油管取付け部材4は、取付け基体部4aの一端側を給油開口1cに嵌合して取付け座部4bをタンク半体1bの外周壁に添接した状態で取付け座部4bをタンク半体1aにプロジェクション溶接することにより気密性を施して、燃料タンク1に取付けられている。
と共に、取付け基体部4aの他端側には、給油管3の他端側が嵌合され、且つ、締め付けバンド8などを用いて締着されている。
この結果、給油管取付け部材4は、取付け座部4bがタンク半体1a及び取付け基体部4aに気密性をもって取付けられることにより、燃料タンク1内に貯蔵されている燃料が外部に漏出しないように、構成されていることになる。
ところで、上記したように構成する自動車の金属製燃料タンクの給油管取付け構造は、給油管3を給油管取付け体4を介して燃料タンク1に取付けるように構成しているが、このためには、給油管取付け体4は、互いに別体構成の取付け基体部4aと取付け座部4bとで構成しており、しかも、取付け座部4bと燃料タンク1への取付けのためのプロジェクション溶接の他に、取付け基体部4aと取付け座部4bとの取付けのためのロー付けを施す必要があって、製造コスト高の要因となっている。
更に、燃料タンク1は、自動車の衝突事故に遭遇した場合などには、貯蔵された燃料の外部への漏えいを確実に防止しなければならない。この結果、取付け座部4bと燃料タンク1及び取付け基体部4aと取付け座部4bとの結合は、自動車の衝突事故に遭遇した場合などにおいても、剥離しないように構成する必要がある。
そこで、上記した従来の燃料タンク1は、給油管取付け部材4を取付け基体部4aと取付け座部4bとの互いに別体の二部品構成にしていることから、取付け座部4bとタンク半体1aとの間を気密的に保持すると共に、取付け基体部4aと取付け座部4bとの間を気密的に保持する必要がある。この結果、取付け座部4bとタンク半体1aとにおけるプロジェクション溶接ばかりでなく、取付け基体部4aと取付け座部4bとにおけるロー付けが気密性をもって確実に行われる必要があって、この点からも、製造コスト高の要因となっている。
かかる従来の技術的課題に鑑み、この発明は、金属製の燃料タンクに給油管を取付けるための給油管取付け部材を一部品構成にすることにより、従来の技術における取付け基体部4aと取付け座部4bとのロー付けによる取付けを廃止して、燃料タンクの製造コストの低減を図った自動車の金属製燃料タンクの給油管取付け構造を提供することを目的としている。
この発明に係る自動車の金属製燃料タンクの給油管取付け構造は、自動車用ガソリンエンジンなどにおける動力源としての燃料を貯蔵する金属製の燃料タンクに、一端側を車体に設けた燃料注入口に連結されている給油管の他端側を金属製の給油管取付け部材を介して取付けるように構成した自動車の燃料タンクの給油管取付け構造であって、前記給油管取付け部材が、筒状体の一端側で構成して前記燃料タンクに設けた給油開口に嵌合設置されるインナーパイプ部と、前記筒状体の他端部を折り返し重合することにより形成した重合基体部と、該重合基体部の端末部を平板状に拡開折曲することにより形成した取付け座部とを有する一体型に構成されており、該取付け座部を前記燃料タンクの外壁に前記給油開口を閉塞するように溶接により添接固着するとともに、前記重合基体部の折り返し先端部位により構成する給油管嵌着部に前記給油管の他端側を嵌着することにより、前記給油管を前記燃料タンクに取付けるようにしたことを特徴とするものである。
この発明は、給油管取付け部材における取付け座部が、筒状体の他端部を折り返し重合することにより形成した重合基体部42の端末部を平板状に拡開折曲することにより形成されていることにより、給油管取付け部材を一体型として構成することになって、この結果、従来の技術における取付け基体部4aと取付け座部4bとを取付けるためのロー付けなどを施すことは必要とせず、製造コストの大幅軽減を図ることができる。
また、この発明は、給油管取付け部材を構成する取付け座部が重合基体部の端末部を拡開折曲することにより連続的に形成した一部品による一体型構成になっていることから、重合基体部と取付け座部との気密性は自ずと保持されていることになり、自動車が衝突事故等に遭遇した場合に、従来の技術における取付け基体部4aと取付け座部4bとの剥離という現象を考える必要がなく、この点から、燃料タンク内に貯蔵された燃料が外部へ漏出する事故を確実に防止することができることになる。
この発明の実施例に係る自動車金属製燃料タンクの給油管取付け構造は、金属製の燃料タンクに給油管を取付けるための給油管取付け部材を一部品による一体型構成にすることにより、従来における取付け基体部4aと取付け座部4bとのロー付けによる取付けを廃止して、燃料タンクの製造コストの低減を図るべく構成している。
次に、図1乃至図3を用いて、この発明の一実施例に係る自動車金属製燃料タンクの給油管取付け構造について説明する。なお、かかる一実施例において、上記従来の技術に対応する構成について、同一符号を付して説明する。
先ず図1において、自動車の金属製の燃料タンク1の構成について概略的に説明すると、燃料タンク1は、一方のタンク半体(例えば、アッパータンク)1aと他方のタンク半体(例えば、ロアータンク)1bとを周縁フランジ部同士を接合することにより、燃料を貯蔵できる容器体として構成している。
そして、一方のタンク半体1aに設けた給油開口1cには、一端側が車体10に設けた燃料注入口体2に連結されたゴムなどの可撓性材料で構成する給油管(フィラーチューブ)3の他端側が、金属製の給油管取付け部材4を介して開口連結するように、取付けられている。
また、一方のタンク半体1aに形成された燃料が到達しない上部空間(不図示)には、当該上部空間内に滞留した空気を燃料注入時に燃料注入口体2から外部に導出するブリーザー管5の一端側が開口設置されている。また、燃料タンク1或いは燃料注入口体2内に存する揮発燃料をキャニスター7に送出するエバポレーション管6が、タンク半体1a側に設置されている。
そして、給油管3の他端側を給油開口1cに取付ける金属製の給油管取付け部材4は、図2に明確に示すように、筒状体の一端側で構成して燃料タンク1に設けた給油開口1cの嵌合設置するインナーパイプ部41と、前記筒状体の他端部を折り返し重合することにより形成した重合基体部42と、重合基体部42の端末部を平板状に拡開折曲することにより形成した取付け座部43と、で構成した一体型を呈して成るものである。インナーパイプ部41は、先端部位が重合基体部42の内側壁部42bに対して拡径して形成されているも、重合基体部42の外側壁部42cとはほぼ同径に形成されている。
取付け座部43は、そのインナーパイプ部41側の一面には、図3に示すように、全周に渡って溶接突起43aが突出形成されていて、溶接突起43aを一方のタンク半体1aに当接するように、インナーパイプ部41を給油開口1cに嵌合した状態で、プロジェクション溶接を施すことにより、一方のタンク半体1aの外周壁に給油管取付け部材4を添接固着されていることになる。かかる状態においては、溶接突起43aは、図2に示すように、取付け座部43と他方のタンク半体1bとの間において一体化されてしまい、結果的に、取付け座部43と一方のタンク半体1aの外周壁との間に気密性が施され、給油開口1cが閉塞されていることになる。
給油管取付け部材4における重合基体部42の折り返し先端部位は、給油管嵌着部42aを構成しており、給油管嵌着部42aには、給油管3の他端側が嵌合され、且つ、締め付けバンド8などを用いて気密的に締着されている。
このように構成するこの発明の一実施例においては、給油管取付け部材4における取付け座部43が、筒状体の他端部を折り返し重合することにより形成した重合基体部42の端末部を平板状に拡開折曲することにより形成されていることにより、給油管取付け部材を一体型として構成することができ、この結果、従来の技術における取付け基体部4a及び取付け座部4bを取付けるためのロー付けなどを施すことは必要とせず、製造コストの大幅軽減を図ることができる。
また、上記この発明の一実施例においては、給油管取付け部材4を構成する取付け座部43が重合基体部42の端末部を拡開折曲することにより形成した一部品による一体型構成になっていることから、重合基体部42と取付け座部43との気密性は自ずと保持されていることになり、自動車が衝突事故等に遭遇した場合に、従来の技術における取付け基体部4aと取付け座部4bとの剥離という現象を考える必要がなく、この点から、燃料タンク1内に貯蔵された燃料が外部へ漏出する事故を確実に防止することができる。
以上説明したこの発明は、金属製の燃料タンクに給油管を取付けるための給油管取付け部材を一部品による一体型構成にすることにより、従来における取付け基体部4aと取付け座部4bとのロー付けによる取付けを廃止して、燃料タンクの製造コストの低減を図るべく構成していることから、自動車用ガソリンエンジンなどにおける動力源としての燃料を貯蔵する金属製の燃料タンクの給油管取付け構造等に好適であるといえる。
1 燃料タンク
1a タンク半体(例えば、アッパータンク)
1b タンク半体(例えば、ロアータンク)
1c 給油開口
2 燃料注入口体
3 給油管
4 給油管取付け部材
41 インナーパイプ部
42 重合基体部
42a 給油管嵌着部
43 取付け座部
1a タンク半体(例えば、アッパータンク)
1b タンク半体(例えば、ロアータンク)
1c 給油開口
2 燃料注入口体
3 給油管
4 給油管取付け部材
41 インナーパイプ部
42 重合基体部
42a 給油管嵌着部
43 取付け座部
Claims (1)
- 自動車用ガソリンエンジンなどにおける動力源としての燃料を貯蔵する金属製の燃料タンクに、一端側を車体に設けた燃料注入口に連結されている給油管の他端側を金属製の給油管取付け部材を介して取付けるように構成した自動車の燃料タンクの給油管取付け構造であって、前記給油管取付け部材が、筒状体の一端側で構成して前記燃料タンクに設けた給油開口に嵌合設置されるインナーパイプ部と、前記筒状体の他端部を折り返し重合することにより形成した重合基体部と、該重合基体部の端末部を平板状に拡開折曲することにより形成した取付け座部とを有した一体型に構成されており、該取付け座部を前記燃料タンクの外周壁に前記給油開口を閉塞するように溶接によって添接固着するとともに、前記重合基体部の折り返し先端部位により構成する給油管嵌着部に前記給油管の他端側を嵌着することにより、前記給油管を前記燃料タンクに取付けるようにしたことを特徴とする自動車の金属製燃料タンクの給油管取付け構造。
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