以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明のカラー画像処理装置の適用例として、電子写真方式による、中間転写ベルトを採用したタンデム方式の4ドラムフルカラー画像形成装置について説明する。なお、後述するように、本発明のカラー画像処理装置は、ホスト・コンピュータ(ホストPC)に対しても適用可能である。
<プリンタ100の構成>
まず、図2を参照して、カラー画像形成装置100(以下では単にプリンタと称する。)の構成について説明する。プリンタ100は、記録材(記録媒体)に画像を形成するための複数色の色材として、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及びブラック(K)色の4色の記録剤(トナー)を使用する。プリンタ100は、それぞれが異なる色のトナーで単色のトナー像を対応する感光体(感光ドラム)22Y,22M,22C,22K上に形成する4つの画像形成ステーションを備える。4つの画像形成ステーションは、複数の感光体22Y,22M,22C,22Kと、一次帯電器である注入帯電器23Y,23M,23C,23Kと、露光装置24Y,24M,24C,24Kとをそれぞれ備える。4つの画像形成ステーションは、更に、トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kと、現像器26Y,26M,26C,26Kとをそれぞれ備える。プリンタ100は、これら4つの画像形成ステーションにおいて感光体22Y,22M,22C,22K上に形成されたトナー像が転写される中間転写体27を備える。
感光体22Y,22M,22C,22Kは、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布したものであり、駆動モータ(不図示)の駆動力によって回転する。駆動モータは、画像形成動作に応じて、図2において反時計回りの方向に各感光体22を回転させる。この駆動モータの駆動力は、当該駆動モータの軸に取り付けられたギア及びその他のギア列を通じて各感光体22へ伝達される。なお、駆動モータには、単一のモータが使用されてもよいし、感光体ごとに異なるモータが使用されてもよい。
注入帯電器23Y,23M,23C,23Kは、スリーブ23YS,23MS,23CS,23KSをそれぞれ備え、対応する感光体22Y,22M,22C,22Kを帯電させる。露光装置24Y,24M,24C,24Kは、帯電した感光体22Y,22M,22C,22Kの表面を露光光で露光することによって、対応する感光体上に静電潜像を形成する。現像器26Y,26M,26C,26Kは、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSをそれぞれ備える。現像器26Y,26M,26C,26Kは、それぞれ異なる色のトナーで感光体22Y,22M,22C,22K上の静電潜像を現像することによって、対応する感光体上にトナー像を形成する。具体的には、現像器26Y,26M,26C,26Kは、それぞれY色、M色、C色、K色のトナーを用いて各感光体22Y,22M,22C,22K上に単色のトナー像を形成することで、静電潜像を可視化する。なお、各現像器26Y,26M,26C,26Kはプリンタ100に対して着脱可能である。
中間転写体27は、図2に示すように、感光体22Y,22M,22C,22Kに接触する位置に配置されている。中間転写体27は、画像形成の際には、中間転写体駆動ローラ216によって図2において時計回りの方向に回転しながら、その表面に各感光体22Y,22M,22C,22Kから単色(モノクロ)のトナー像が順に転写(1次転写)される。各トナー像が中間転写体27上で重ねて転写されることによって、中間転写体27上に多色(カラー)のトナー像が形成される。
中間転写体27上に形成されたカラーのトナー像は、当該中間転写体の回転に伴って、転写ローラ28が配置された位置へ搬送される。カラーのトナー像が搬送されるタイミングに合わせて、記録材20が給紙部(給紙カセット)21から給紙される。記録材20は、転写ローラ28が配置された位置まで搬送路上を搬送される。転写ローラ28は、位置28aにおいて、搬送された記録材20を介して中間転写体27に当接する。転写ローラ28が中間転写体27に当接している間に、中間転写体27上に形成されたカラーのトナー像が記録材20上に転写(2次転写)される。これにより、記録材20上にカラーのトナー像が形成される。中間転写体27から記録材20への2次転写が終了すると、転写ローラ28は、位置28aから位置28bへ移動して、中間転写体27から離間する。
カラーのトナー像が転写された記録材20は、その後、搬送路上を定着部210へ搬送される。定着部210は、搬送路上を搬送される記録材20上のトナー像を溶融させ、記録材20上に定着させる。定着部210は、記録材20を加熱するための定着ローラ211と、記録材20を定着ローラ211に圧接させるための加圧ローラ212とを備える。定着ローラ211及び加圧ローラ212は、中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ213、214を内蔵している。表面にカラーのトナー像を保持した記録材20は、定着部210において、定着ローラ211及び加圧ローラ212によって搬送ながら、熱及び圧力を加えられる。これにより、記録材20の表面にトナーが定着する。トナーの定着後、記録材20は、排出ローラ(図示せず)によって排紙トレイ(図示せず)に排出される。以上により、記録材20への画像形成動作が終了する。
中間転写体27の近傍に設けられたクリーニング部29は、クリーナ容器を備え、記録材20へのトナー像の転写後に中間転写体27上に残留したトナー(廃トナー)を回収する。クリーニング部29は、回収した廃トナーを当該クリーナ容器に蓄える。このようにして、クリーニング部29は、中間転写体27の表面をクリーニングする。
ここで、少なくとも上述の画像形成ステーション、給紙部21、中間転写体27、転写ローラ28及び定着部210は、入力された画像データに基づいて記録材20に画像を形成するための画像形成部として機能する。以下では、記録材20の搬送方向(即ち、中間転写体27の周面の移動方向)を、単に「搬送方向」又は「副走査方向」と称し、副走査方向に対して垂直方向を「主走査方向」と称する。
<プリンタ100のシステム構成>
次に、図3に示すプリンタ100のシステム構成を参照して、画像形成時において実行される処理について説明する。ホストPC200は、少なくとも、CPU201、RAM202、ネットワークIF203、表示部インタフェース(IF)204、入力IF205、及び不揮発性の記憶装置の一例としてハードディスクドライブ(HDD)206を備える。CPU201は、RAM202をメインメモリ及びワークエリアとして使用するとともに、HDD206に格納された各種の制御プログラムをRAM202に読み出して実行することでホストPC200全体の動作を制御する。HDD206には、各種アプリケーションやプリンタドライバも格納されている。CPU201は、それらをRAM202に読み出して実行可能である。ネットワークIF203は、LAN等のネットワークに接続されており、ホストPC200はそのようなネットワークを介してプリンタ100と接続されている。なお、ホストPC200は、ネットワークを介することなく、USB接続等の接続方式によりプリンタ100と直接接続されていてもよい。
ホストPC200は、そのようなアプリケーション又はプリンタドライバを用い、ネットワークIF203を介してプリンタ100へPDL(Page Description Language)ジョブデータを送信する。PDLジョブデータ(プリントジョブデータ)には、形成すべき画像の画像データである描画データと、当該描画データを用いた画像形成動作を制御するための制御データとが含まれる。また、表示部IF204は、液晶ディスプレイ等の表示部(図示せず)に各種の表示を行うためのインタフェースである。また、入力IF205は、キーボードやマウス等の入力デバイスからの入力を受け付けるためのインタフェースである。
プリンタ100は、大きく分けて、エンジン制御部320とエンジン機構部330とを備える。エンジン機構部330は、エンジン制御部320からの各種指示に応じて動作する。エンジン機構部330は、センサ系309、給紙・搬送系310、作像系311、及び、レーザスキャナ系312を備える。レーザスキャナ系312は、露光装置24Y,24M,24C,24Kで構成され、レーザ発光素子、レーザドライバ回路、スキャナモータ、回転多面鏡、スキャナドライバ等を備える。レーザスキャナ系312は、ASIC308から送信された描画データに従って感光体22Y,22M,22C,22K上をレーザ光で露光走査して、当該感光体上に静電潜像を形成する。
作像系311は、レーザスキャナ系312によって感光体22Y,22M,22C,22K上に形成された静電潜像に基づいてトナー像を記録媒体上に形成する。作像系311は、トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25K、中間転写体27、定着部210等のプロセス要素と、作像(画像形成)の際に各種のバイアス(高電圧)を生成する高圧電源回路とを備える。作像系311は、更に、除電器、注入帯電器23Y,23M,23C,23K、現像器26Y、26M,26C,26K,感光体22Y,22M,22C,22K等を備える。トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kは、不揮発性のメモリタグを備える。CPU303又はASIC308は、当該メモリタグに対して各種情報の読み書きを行う。給紙・搬送系310は、各種の搬送系モータ、給紙部21、排紙トレイ、各種搬送ローラ等を備え、記録媒体の給紙及び搬送を行う。
センサ系309は、複数のセンサを含むセンサ群を備える。当該センサ群に含まれる各センサは、CPU303及びASIC308がレーザスキャナ系312、作像系311、給紙・搬送系310を制御するために必要とする情報を収集する。当該センサ群には、例えば、定着部210の温度センサ、トナー残量検知センサ、画像の濃度を検知する濃度センサ、用紙サイズを検知する用紙サイズセンサ、記録媒体の先端を検知する紙先端検知センサ、紙搬送検知センサ等が含まれる。これらのセンサで検知された情報は、CPU303へ送られてプリントシーケンス制御に用いられる。なお、上述の各センサは、センサ系309ではなく、レーザスキャナ系312、作像系311、給紙・搬送系310の何れかが備えていてもよい。
エンジン制御部320は、上述のエンジン機構部330を制御する。エンジン制御部320において、CPU303は、RAM305をメインメモリ及びワークエリアとして使用する。CPU303は、ROM304に格納された各種制御プログラムをRAM305へ読み出して実行することによってエンジン機構部330を制御する。システムバス314は、アドレスバス及びデータバスを有する。エンジン制御部320内の各構成要素は、システムバス314に接続されているため、システムバス314を介して他の構成要素にアクセス可能である。
ホストインタフェース(IF)部306は、ホストPC200との間で描画データ及び制御データの入出力を行うためのインタフェースである。ホストIF部306において圧縮データとして受信された描画データは、RAM305に格納される。CPU303は、ホストIF部306で受信された圧縮データを描画データに伸張し、当該描画データをRAM305に格納する。DMA制御部307は、CPU303からの指示に応じて、RAM305内の描画データをASIC308に転送する。パネルIF部313は、プリンタ本体に設けられた表示パネル部を用いてユーザによって入力された設定及び指示を、当該表示パネル部から受信するインタフェースである。
CPU303及びASIC308は、ホストIF部306を介して入力された制御データ及び描画データに基づいて、エンジン機構部330内のレーザスキャナ系312を駆動する。CPU303は、作像系311及び給紙・搬送系310を制御して、各種プリントシーケンスを実行する。また、CPU303は、センサ系309を駆動して、作像系311及び給紙・搬送系310を制御するために必要なセンサ情報を得る。
ASIC308は、上述の各種のプリントシーケンスが実行される際に、CPU303からの指示に応じて、各モータの制御バイアスや現像バイアス等についての高圧電源制御を行う。また、ASIC308は、後述する省トナー処理、ガンマ補正処理、ハーフトーン処理、PWM処理等を行う。なお、CPU303の機能の一部又は全てはASIC308において実行されてもよいし、逆にASIC308の機能の一部又は全てがCPU303において実行されてもよい。また、プリンタ100に別の専用ハードウェアを設け、当該専用ハードウェアにCPU303及びASIC308の機能の一部を実行させてもよい。
<プリンタ100及びホストPC200における処理>
次に、図4(a)を参照して、ホストPC200、並びにプリンタ100内のCPU303、ASIC308、及びレーザスキャナ系312において実行される処理について説明する。
文書作成ソフトウェア、図形描画ソフトウェア等の、ホストPC200において実行中のアプリケーション401は、印刷用の描画データ及び制御データを生成すると、それをプリンタドライバ上のPDL変換部402へ送信する。描画データは、例えば、印刷対象の画像の階調値及び属性情報を含むデータである。当該属性情報は、例えば、画像の種類(文字データ、グラフィクスデータ及びイメージデータ)を識別するための情報である。制御データは、例えば、印刷に使用される記録材のサイズ設定、印刷部数、後述する省トナー処理の許可及び不許可に関する設定、並びに省トナーパラメータを含むデータである。PDL変換部402は、描画データを圧縮データに変換し、変換後のデータと制御データとを含むPDLデータを生成するとともに、生成した当該PDLデータをプリンタ100へ送信する。
プリンタ100において、CPU303は、ホストPC200から送信されたPDLデータを、ホストIF部306を介して受信する。CPU303は、受信した当該PDLデータに対して所定の処理を施した後、処理後のデータをRAM305へ一時的に格納する。具体的には、CPU303によって実行されるレンダラ403が、受信されたPDLデータに含まれる圧縮データを描画データへと伸張し、それをRAM305に格納する。本実施形態において、当該描画データ内の階調値は、RGB色空間で表現されたRGBデータである。
RAM305に格納された描画データは、DMA制御部307による制御に応じてASIC308へ送信される。また、CPU303は、PDLデータ内の制御データをASIC308へ送信するとともに、ASIC308で実行される処理で必要となる制御情報をROM304から取り出してASIC308へ送信する。なお、ROM304に格納された制御情報には、例えば、色変換テーブル、階調値‐トナー量テーブル、ガンマ補正テーブル、ハーフトーンテーブル等が含まれる。
ASIC308で受信された制御情報は、省トナー処理部406、ガンマ補正部407、及びハーフトーン処理部408に供給される。また、ASIC308で受信された描画データ(RGB色空間で表現された階調値R,G,B)は、入力信号として省トナー処理部406へ供給される。省トナー処理部406は、入力信号に基づいて印刷を行った場合に使用される色材であるトナーの使用量を低減するための省トナー処理を、当該入力信号に対して実行する。省トナー処理部406は、入力信号である階調値R,G,Bを、CMYK色空間で表現された階調値に変換するとともに、当該変換後の階調値に対して省トナー処理を実行する。さらに、省トナー処理部406は、省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'をガンマ補正部407に出力する。
ガンマ補正部407は、制御情報に含まれる、プリンタの階調−濃度特性を補正するためのガンマ補正テーブルを用いて、階調値C',M',Y',Kの階調−濃度特性を補正した階調値C'',M'',Y'',K''へ生成する。生成された当該階調はハーフトーン処理部408へ出力される。ハーフトーン処理部408は、制御情報に含まれるハーフトーンテーブルを用いて、公知のディザ処理によるハーフトーン処理を行うことによって、階調値C'',M'',Y'',K''を階調値C''',M''',Y''',K'''へ変換する。変換後の階調値はPWM処理部409へ出力される。PWM処理部409は、階調値C''',M''',Y''',K'''を、露光装置24Y,24M,24C,24Kのレーザ発光素子の露光時間Tc,Tm,Ty,Tkへ変換する。PWM処理部409は、露光時間Tc,Tm,Ty,Tkを、露光用の画像データ(PWMデータ)として露光装置24Y,24M,24C,24Kに出力する。露光装置24Y,24M,24C,24Kは、露光時間Tc,Tm,Ty,Tkに従ってレーザ発光素子を発光させる。
RGB色空間及びCMYK色空間の階調値は任意のビット数で表現でき、例えばそれぞれ8ビットで表現される。ただし、プリンタ100の色再現範囲の調整等を行うために、各階調値のビット数は増減され得る。また、図4(a)を参照して上述したASIC308における処理は、図4(b)に示すようにホストPC200側で実現されてもよい。その場合、例えば、上述の図4(a)のASIC308で実行される機能を実現するためのソフトウェアをホストPC200のHDD206に予め格納しておき、CPU201がそれをRAM202に読み出して実行すればよい。また、色変換テーブル等の各種のテーブルを含む制御情報もHDD206に予め格納しておき、CPU201がHDD206から当該制御情報を読み出して使用すればよい。図4(b)において、PDL変換部410は、ハーフトーン処理部408によるハーフトーン処理後の階調値C''',M''',Y''',K'''を、描画データとしてPDLデータに変換する機能を有する。当該PDLデータは、プリンタ100へ送信される。プリンタ100において、レンダラ411は、ホストPC200から受信されたPDLデータを元の階調値C''',M''',Y''',K'''に変換して、それをPWM処理部409に出力する。
<省トナー処理部406の構成>
次に、図1を参照して、省トナー処理部406のブロック構成及び省トナー処理部406において実行される省トナー処理について説明する。省トナー処理部406に入力されたRGB色空間の階調値R,G,Bは、第1の色変換部101及び第2の色変換部102へ入力されるとともに、ページバッファ109へ格納される。ページバッファ109は、順次入力される1ページ分の階調値R,G,Bを保持する。
第1の色変換部101は、入力された階調値R,G,Bを、モノクロ階調値で表された階調値Kmに所定の演算で変換し、当該変換結果を第1のトナー量計算部103へ出力する。第2の色変換部102は、RGB色空間からCMYK色空間へ色空間を変換するための情報を保持した色変換テーブルを用いて、入力された階調値R,G,Bを、CMYK色空間における対応する階調値C,M,Y,Kへ変換する。なお、当該色変換テーブルは、省トナー処理部406へ入力された制御情報から取り出される。第2の色変換部102は、当該変換結果を第2のトナー量計算部104及び階調変換部106へ出力する。
第1のトナー量計算部103は、階調値‐トナー量変換テーブルを参照して、階調値Kmで画像を形成する場合に消費されるトナー量(色材量)Akmを計算し、当該計算結果を第1のトナー量カウンタ107へ出力する。一方、第2のトナー量計算部104は、色ごとの階調値−トナー量テーブルを参照して、階調値C,M,Y,Kで画像を形成する場合に消費される各色のトナー量(色材量)Ac,Am,Ay,Akをそれぞれ計算する。当該計算結果は、第2のトナー量カウンタ108及び階調変換部106へ出力される。なお、これら第1及び第2のトナー量計算部103、104で使用される階調値‐トナー量変換テーブルは、省トナー処理部406へ入力される制御情報から取り出される。ここで、第1及び第2のトナー量計算部103、104は、カラー画像の階調値C,M,Y,Kと、モノクロ画像の階調値Kmとを、各階調値に従って画像を形成する場合に消費されるトナー量にそれぞれ変換する変換手段として機能する。
第1のトナー量カウンタ107は、入力された1画素分のトナー量Akmを、対応するカウンタ値C1に加算する。第2のトナー量カウンタ108は、入力された1画素分の各色のトナー量Ac,Am,Ay,Akの総和(Ac+Am+Ay+Ak)を、対応するカウンタ値C2に加算する。第1及び第2のトナー量カウンタ107、108は、トナー量の加算処理を1ページ全体の画素について繰り返す。その結果、カウンタ値C1、C2によって、入力された画像の1ページ全体を形成する場合に消費されるトナー量が測定される。これらのカウンタ値C1、C2は、トナー量削減率決定部105へ出力される。
トナー量削減率決定部105は、カウンタ値C1、C2が示す1ページ全体のトナー量と、省トナーパラメータSとを用いて、カラー画像のトナー量Ac,Am,Ay,Akを削減するトナー量削減率D(第1削減率)を決定する。具体的には、トナー量削減率決定部105は、モノクロ画像に対応するトナー量Akmを基準として、カラー画像に対応するトナー量Ac,Am,Ay,Akを削減するトナー量削減率Dを決定する。トナー量削減率決定部105は、決定したDを階調変換部106へ出力する。省トナーパラメータSは、省トナー処理部406へ入力された制御情報から取り出される。階調変換部106は、トナー量削減率Dと、トナー量Akm,Ac,Am,Ay,Akと、制御情報から取り出された階調値‐トナー量テーブルとを用いて、省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'を出力する。また、階調変換部106は、カラー画像を記録材に形成するための階調値C',M',Y',K'を得るために、トナー量削減率Dに応じてカラー画像の階調値C,M,Y,Kを変更する。
<省トナー処理の手順>
次に、ASIC308の省トナー処理部406によって実行される上述の省トナー処理の手順について、図7A及び図7Bを参照して説明する。図7A及び図7Bは、本実施形態に係る省トナー処理の手順を示すフローチャートである。省トナー処理部406は、省トナー処理を開始すると、S101で、第1のトナー量カウンタ107におけるカウンタ値C1と、第2のトナー量カウンタ108におけるカウンタ値C2とを0にリセットする。次に、省トナー処理部406は、S102で、第1の色変換部101及び第2の色変換部102によって描画データから1画素分の階調値R,G,Bを読み込むとともに、S103で、ページバッファ109へ当該1画素分の階調値R,G,Bを格納する。
ここで、図5の500は、描画データのラスタイメージの一例である。同図に示すように、当該ラスタイメージにおいて、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ所定の数の画素が配置されている。第1の色変換部101及び第2の色変換部102では、最初に画素501の階調値が読み込まれ、それと同時に当該階調値はページバッファ109へ格納されるその後、省トナー処理部406は、処理をS104へ進める。
S104で、省トナー処理部406は、第2の色変換部102において、色変換テーブルを参照して、1画素分の階調値R,G,BをCMYK色空間の階調値C,M,Y,Kに変換する。この色変換テーブルは、RGB色空間で表される色を表現可能なCMYK色空間の階調値を決定するために使用されるテーブルであり、プリンタ100の色特性に適したテーブルが予め用意されている。
次に、S105で、省トナー処理部406は、制御情報に含まれる省トナー処理の許可及び不許可に関する設定を参照して、省トナー処理が許可されているか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、省トナー処理が許可されていないと判定した場合、S106へ処理を進め、省トナー処理を施していない1画素分の階調値C,M,Y,Kをそのまま階調変換部106から出力する。その後、省トナー処理部406は、処理をS112へ進める。一方で、省トナー処理部406は、S105で、省トナー処理が許可されていると判定した場合、S107及びS108へ処理を進める。
S107で、省トナー処理部406は、第1の色変換部101によって、次式を用いて階調値R,G,Bを階調値Kmに変換する。この階調値Kmはグレースケールにした場合の値に相当する。
Km=255−(0.299R+0.587G+0.114B) (1)
ここで、Kmは、値が0の場合には白を表し、値が255の場合には最大階調の黒を表す。また、Kmは、値が1〜254の場合には、その値に応じた中間階調の黒を表す。この階調値Kmはモノクロの階調値であり、Kmで表現される描画データは、モノクロ画像に相当する。即ち、S107では、入力されたカラー画像についての階調値R,G,Bが、当該カラー画像をモノクロ化して画像形成する場合におけるモノクロの階調値Kmに変換される。尚、モノクロの階調値Kmを求める計算式は式(1)に限定されない。例えば、Km=255−(R+G+B)/3といった計算式で求めてもよい。
次に、S108及びS109では、各階調値に対応する濃度で各画素を形成する場合に消費されるトナー量が求められる。S108で、省トナー処理部406は、第2のトナー量計算部104によって、階調値‐トナー量テーブルを参照して、階調値C,M,Y,Kをそれぞれ対応するトナー量Ac,Am,Ay,Akに変換する。ここで、図6は、各色についての階調値‐トナー量テーブルの一例を示す。各階調値‐トナー量テーブルは、各色の階調値と、各階調値に対応する濃度で1画素分の画像を形成した場合に消費されるトナー量との関係を示す。図6(a)〜(d)は、それぞれC色、M色、Y色、K色に対応する。図6の対応関係によれば、例えば、C色、M色、Y色、K色の階調値C,M,Y,Kは、601、602、603、604に示すように、それぞれ対応するトナー量Ac,Am,Ay,Akに変換される。
また、S109で、省トナー処理部406は、第1のトナー量計算部103によって、K色についての階調値‐トナー量テーブルを参照して、階調値Kmを対応するトナー量Akmに変換する。ここで、階調値Kmは、K色を用いてモノクロ画像を形成する際の階調値に相当する。このため、S109で使用される階調値‐トナー量テーブルは図6(d)に示すテーブルであり、609に示すように、階調値Kmは対応するトナー量Akmに変換される。S109の処理によって、入力されたカラー画像に含まれる複数の画素のうち、S101で読み込まれた画素をモノクロ化して形成する場合に消費されるトナー量Akmが求められる。S108及びS109の後、処理がS110及びS111へ進む。
S110で、省トナー処理部406は、トナー量カウンタ107によって、1画素分の各色のトナー量の総和(Ac+Am+Ay+Ak)を、カウンタ値C1に対して加算する。一方で、S111で、省トナー処理部406は、トナー量カウンタ108によって、モノクロ化した場合の1画素分のトナー量Akmを、カウンタ値C2に対して加算する。これらの処理によって、カウンタ値C1には、入力カラー画像の1画素について消費されるトナー量が加算される。また、カウンタ値C2には、それと同一の画素についてモノクロ化した場合に消費されるトナー量が加算される。S110及びS111の後、処理がS112へ進む。
S112で、省トナー処理部406は、1ページ分の画素について、S102〜S111の処理が終了したか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、1ページの画素について処理が終了していないと判定した場合、S102へ処理を戻す。S102で、省トナー処理部406は、例えば、図5の500において画素501の処理が終了した場合には、主走査方向における次の画素である画素502について、S102以下の処理を実行する。また、画素501及び502を含む1ラインの主走査方向における最後の画素503の階調値についての処理が終了した場合、副走査方向における次のラインに含まれる最初の画素504の階調値についての処理が開始される。一方、S112で、省トナー処理部406は、1ページ分の全画素についての処理が終了したと判定した場合(即ち、図5の500においてページ終端の画素505についての処理が終了したと判定した場合)、処理をS113へ進める。
以上のように、S112で1ページ分の画素についての処理が終了した場合、カウンタ値C1には、1ページ分の入力カラー画像を形成するために消費されるトナー量が保持されている。また、カウンタ値C2には、当該1ページ分の入力カラー画像をモノクロ化して形成する場合に消費されるトナー量が保持されている。S113以下では、これらのカウンタ値C1、C2に基づいてトナー量削減率Dが決定される。S113で、省トナー処理部406は、S105と同様に、省トナー処理が許可されているか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、省トナー処理が許可されていないと判定した場合、省トナー処理は行わず、処理を終了する。一方で、省トナー処理が許可されていると判定した場合、S114へ処理を進め、省トナー処理を実行する。
S114では、図7Bに示すS115〜S112の処理が実行される。省トナー処理部406は、S115で、トナー量削減率決定部105によって、次式を用いてトナー量削減率Dを決定する。
D=C1/(C2×S) (2)
式(2)において、係数Sは、制御情報に含まれる省トナーパラメータであり、省トナー処理後の総トナー量を調整するための調整率として使用されるパラメータである。省トナーパラメータSは、カラー画像をモノクロ画像として形成する場合の消費トナー量に対する比率を定める、予め設定された調整率であり、省トナー処理によって低減される消費トナー量を規定するパラメータである。ここで、式(2)を変形すると、C1/D=(C2×S)となる。これは、1ページ分の入力カラー画像を形成するために消費されるトナー量を(1/D)倍すると、トナー量が(C2×S)になることを示す。(C2×S)は、省トナー処理後の1ページ分の全色の消費トナー量の総和についての目標トナー量(目標値)を表す。
例えば、S=1とした場合、省トナー処理後の階調データを用いて画像形成した場合の1ページ分の消費トナー量は、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成した場合の1ページ分の消費トナー量と等しくなる。また、S=0.8とした場合、省トナー処理後の階調データで画像形成した場合の1ページ分の消費トナー量は、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成した場合の1ページ分の消費トナー量の8割に調整される。このように、省トナーパラメータSを調整することによって、省トナー処理によって低減されるトナー量を調整することができる。
次に、S116で、省トナー処理部406は、1ページ分の画素の階調値を格納したページバッファ109から、1画素分の階調値R,G,Bを読み込む。なお、階調値を読み込む順番は、S102と同様の順番でよい。また、省トナー処理部406は、S117で、S104と同様に、1画素分の階調値R,G,BをCMYK色空間の階調値C,M,Y,Kに変換する。さらに、省トナー処理部406は、S118で、S108と同様に、階調値‐トナー量テーブルを参照して、階調値C,M,Y,Kをそれぞれ対応するトナー量Ac,Am,Ay,Akに変換する。
次に、S119で、省トナー処理部406は、階調変換部106によって、S115で決定したトナー量削減率Dを次式に代入することで、省トナー処理後のAc',Am',Ay',Ak'を計算する。
Ac'=Ac/D, Am'=Am/D
Ay'=Ay/D, Ak'=Ak/D (3)
式(3)を用いることによって、省トナー処理後の全色のトナー量の総和(Ac'+Am'+Ay'+Ak')は、元のトナー量の総和(Ac+Am+Ay+Ak)の(1/D)倍に削減される。
次に、S120で、省トナー処理部406は、階調変換部106によって、階調値‐トナー量テーブルを参照して、省トナー処理後のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'を、対応する階調値C',M',Y',K'に変換する。S120における処理は、各色のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'から、図6の605、606、607、608に示すように対応する階調値C',M',Y',K'を求める処理によって実現される。その後、S121で、省トナー処理部406は、階調変換部106から1画素分の階調値C',M',Y',K'を出力し、処理をS122へ進める。
S122で、省トナー処理部406は、1ページ分の画素について、S116〜S121の処理が終了したか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、1ページの画素について処理が終了していないと判定した場合、S116へ処理を戻し、次の画素についてS116〜S121の処理を実行する。一方、S122で、省トナー処理部406は、1ページ分の全画素についての処理が終了したと判定した場合(即ち、図5の500においてページ終端の画素505についての処理が終了したと判定した場合)、処理を終了する。なお、S105及びS113において、省トナー処理が許可されていないと判定された場合、省トナー処理が施されていない各画素の階調値C,M,Y,Kが階調変換部106から順に出力される。
上述のように、本実施形態に係る省トナー処理では、式(3)を用いることによって、省トナー処理前と比較して各画素について画像形成を行う場合の消費トナー量が(1/D)倍に削減される。さらに、上述の省トナー処理を1ページ分の全ての画素について繰り返すことによって、1ページ分の入力カラー画像を形成するために消費されるトナー量が(1/D)倍に削減される。
省トナー処理の終了後、省トナー処理部406から出力された省トナー処理後の各画素の階調値C',M',Y',K'に基づいて、前述のようにガンマ補正、ハーフトーン処理、PWM処理が実行される。それにより、露光用の画像データ(PWMデータ)が露光装置24Y,24M,24C,24Kに与えられる。露光装置24Y,24M,24C,24Kは、当該画像データに従って、対応する感光体22Y,22M,22C,22Kを露光する。その後の記録媒体への画像形成処理は、前述したとおりである。
以上説明したように、本実施形態では、カラー画像をモノクロ画像として形成する場合に消費されるトナー量を基準としてトナー量の削減率を決定するとともに、決定した削減率に応じて、当該カラー画像を形成するためのトナー量を調整する。即ち、省トナー処理後の1ページ分の消費トナー量が目標トナー量(C2×S)となる削減率で、各画素に対するトナー量を調整するとともに、調整後のトナー量に対応する階調値でカラー画像を形成する。これにより、入力されたカラー画像をモノクロ画像として形成する場合のトナー量を基準として、当該カラー画像を形成する場合のトナー量を調整することができる。その結果、入力されたカラー画像をモノクロ化して形成する場合のトナー量という、ユーザにとってわかりやすく、有用性の高い指標を基準として、消費トナー量を低減することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。フルカラープリントは、複数の色のトナー(色材)を用いていることもあり、多くの量の色材を使用して画像形成が行われる。これに対して、省資源のプリント方式として白黒プリント(モノクロプリント)がユーザに良く知られている。上記説明においては、この白黒プリント時の色材の消費量を基準に、色材消費量を削減しており、省資源モードの利用を促進する副次的効果も期待できる。
なお、入力されたカラー画像をモノクロ化して形成する場合に消費されるトナー量を基準として、トナー量が調整されるため、特に、K色のみを含む画像を形成する場合には、省トナー処理を実行したとしても元の画像と同一の品質が維持され得る。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、1ページ分の画像の形成のために消費されるトナー量を用いてトナー量削減率Dを決定するとともに、それを用いて省トナー処理を実行する。この場合、1ページ分の画素の階調値を保持するためのページバッファ109が必要となる。また、省トナー処理を実行するためには1ページ分の画像データをバッファリングする必要があり、当該画像データに応じて画像形成を開始するまでの時間が長期化する可能性がある。そこで、本実施形態では、省トナー処理の後に画像形成が開始するまでの時間を短くするために、1ページ単位ではなく、n画素単位(nは1以上の整数)に省トナー処理を実行する。なお、以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心として説明することにより、説明を簡略化する。
<省トナー処理部406の構成>
図8を参照して、省トナー処理部406のブロック構成及び省トナー処理部406において実行される省トナー処理について説明する。省トナー処理部406に入力された階調値R,G,Bは、第1の色変換部801及び第2の色変換部802へ入力される。第1の色変換部801は、入力された階調値R,G,Bを、モノクロ階調値で表された階調値Kmに所定の演算で変換し、当該変換結果を第1のトナー量計算部803へ出力する。第2の色変換部802は、RGB色空間からCMYK色空間へ色空間を変換するための情報を保持した色変換テーブルを用いて、入力された階調値R,G,Bを、CMYK色空間における対応する階調値C,M,Y,Kへ変換する。なお、当該色変換テーブルは、省トナー処理部406へ入力された制御情報から取り出される。第2の色変換部802は、当該変換結果を第2のトナー量計算部804及び階調変換部806へ出力する。
第1のトナー量計算部803は、階調値‐トナー量変換テーブルを参照して、階調値Kmで画像を形成する場合に消費されるトナー量Akmを計算し、当該計算結果をトナー量削減率決定部805へ出力する。一方、第2のトナー量計算部804は、色ごとの階調値−トナー量テーブルを参照して、階調値C,M,Y,Kで画像を形成する場合に消費される各色のトナー量Ac,Am,Ay,Akをそれぞれ計算する。当該計算結果は、トナー量削減率決定部805及び階調変換部806へ出力される。なお、これら第1及び第2のトナー量計算部803、804で使用される階調値‐トナー量変換テーブルは、省トナー処理部406へ入力される制御情報から取り出される。
トナー量削減率決定部805は、トナー量Akm,Ac,Am,Ay,Akと、省トナーパラメータSとを用いて、カラー画像のトナー量Ac,Am,Ay,Akを削減するトナー量削減率D(第1削減率)を決定する。また、トナー量削減率決定部805は、決定したDを階調変換部806へ出力する。省トナーパラメータSは、省トナー処理部406へ入力された制御情報から取り出される。階調変換部806は、トナー量削減率Dと、トナー量Akm,Ac,Am,Ay,Akと、制御情報から取り出された階調値‐トナー量テーブルとを用いて、省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'を出力する。階調変換部806は、カラー画像を記録材に形成するための階調値C',M',Y',K'を得るために、トナー量削減率Dに応じてカラー画像の階調値C,M,Y,Kを変更する。
<省トナー処理の手順>
次に、ASIC308の省トナー処理部406によって実行される上述の省トナー処理の手順について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る省トナー処理の手順を示すフローチャートである。省トナー処理部406は、省トナー処理を開始すると、S201で、第1の色変換部801及び第2の色変換部802において、描画データからn画素分の階調値R,G,Bを順次読み込む。即ち、本実施形態では、入力されたカラー画像の画像データから、順次、n画素単位で画素の階調値が抽出される。その後、省トナー処理部406は、処理をS202へ進める。
ここで、図5の510は、描画データのラスタイメージの一例である。第1及び第2の色変換部801、802は、同図に示すように、当該ラスタイメージにおける所定の個数の画素について階調値を読み込む。例えば、n=4の場合、図5の510では、511に含まれる4画素分の階調値が最初に読み込まれる。S202〜S212の処理後、S201では、主走査方向において次の4画素分の階調値として、512に含まれる画素の階調値が読み込まれる。さらに、S201では、主走査方向において1ライン分の階調値(即ち、ライン終端である513までの画素の階調値)の読み込みが終了すると、副走査方向に対して次のラインにおける先頭部分の514に含まれる画素の階調値が読み込まれる。その後、S202〜S211では、S208を除いて、S201で読み込まれたn画素分の階調値を処理単位として、n画素の各々について各処理を実行すればよい。
S202で、省トナー処理部406は、第2の色変換部802において、色変換テーブルを参照して、n画素分の階調値R,G,BをそれぞれCMYK色空間の階調値C,M,Y,Kに変換する。次に、S203で、省トナー処理部406は、制御情報に含まれる省トナー処理の許可及び不許可に関する設定を参照して、省トナー処理が許可されているか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、省トナー処理が許可されていないと判定した場合、S204へ処理を進め、省トナー処理を施していないn画素分の階調値をそのまま階調変換部806から出力する。その後、省トナー処理部406は、処理をS212へ進める。一方で、省トナー処理部406は、S203で、省トナー処理が許可されていると判定した場合、S205及びS206へ処理を進める。
S205で、省トナー処理部406は、第1の色変換部801によって、n画素分の階調値R,G,Bをそれぞれ階調値Kmに変換する。S205では、入力されたカラー画像についてのn画素分の階調値R,G,Bが、当該カラー画像をモノクロ化して画像形成する場合におけるモノクロの階調値Kmにそれぞれ変換される。
次に、S206及びS207では、各階調値に対応する濃度で各画素を形成する場合に消費されるトナー量が求められる。S206で、省トナー処理部406は、第2のトナー量計算部804によって、階調値‐トナー量テーブルを参照して、n画素分の画素について階調値C,M,Y,Kをそれぞれ対応するトナー量Ac,Am,Ay,Akに変換する。また、S207で、省トナー処理部406は、第1のトナー量計算部803によって、K色についての階調値‐トナー量テーブルを参照して、n画素分の階調値Kmを対応するトナー量Akmにそれぞれ変換する。ここで、階調値Kmは、K色を用いてモノクロ画像を形成する際の階調値に相当する。このため、S207で使用される階調値‐トナー量テーブルは図6(d)に示すテーブルであり、609に示すように、階調値Kmは対応するトナー量Akmに変換される。S207の処理によって、入力されたカラー画像に含まれる複数の画素のうち、S201で読み込まれた各画素についてモノクロ化して形成する場合に消費されるトナー量Akmがそれぞれ求められる。S206及びS207の後、処理がS208へ進む。
S208で、省トナー処理部406は、トナー量削減率決定部805によって、次式を用いてトナー量削減率Dを決定する。
D=(Ac+Am+Ay+Ak)/(Akm×S) (4)
ここで、各トナー量Ac,Am,Ay,Akは、n画素の各々についてのトナー量の色ごとの総和とする。例えば、n=4の場合、4つの画素の各々におけるC色についてのトナー量をAc1,Ac2,Ac3,Ac4とすると、Ac=Ac1+Ac2+Ac3+Ac4 とすればよい。Am,Ay,AkについてもAcと同様である。また、Akmについても、n画素の各々についてのトナー量の総和とする。式(4)において、(Ac+Am+Ay+Ak)は、省トナー処理前における、n画素の画像を形成する場合の消費トナー量の総和を表し、(Akm×S)は、省トナー処理後の消費トナー量の総和についての目標トナー量(目標値)を表す。また、係数Sは、制御情報に含まれる省トナーパラメータである。
次に、S209で、省トナー処理部406は、階調変換部806によって、決定したトナー量削減率Dを次式に代入することで、省トナー処理後のn画素の各々についてトナー量Ac',Am',Ay',Ak'を計算する。
Ac'=Ac/D, Am'=Am/D
Ay'=Ay/D, Ak'=Ak/D (5)
これらの式(4)及び(5)を用いることによって、省トナー処理後におけるn画素分の消費トナー量の総和(Ac'+Am'+Ay'+Ak')は、次式のように目標トナー量に等しくなる。
(Ac'+Am'+Ay'+Ak')=(Akm×S) (6)
式(6)からわかるように、例えばS=1とした場合、省トナー処理後のn画素分の階調データを用いて画像形成した場合の消費トナー量は、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成した場合のn画素分の消費トナー量Akmと等しくなる。また、S=0.8とした場合、省トナー処理後のn画素分の階調データで画像形成した場合の消費トナー量は、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成した場合のn画素分の消費トナー量Akmの8割に調整される。
次に、省トナー処理部406は、S210で、階調変換部806によって、階調値‐トナー量テーブルを参照して、省トナー処理後のn画素分のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'を、それぞれ対応するn画素分の階調値C',M',Y',K'に変換する。S210における処理は、各色のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'から、図6の605、606、607、608に示すように対応する階調値C',M',Y',K'を求める処理によって実現される。その後、S211で、省トナー処理部406は、階調変換部806からn画素分の階調値C',M',Y',K'を出力し、処理をS212へ進める。
S212で、省トナー処理部406は、1ページ分の画素について、S201〜S211の処理が終了したか否かを判定する。ここで、省トナー処理部406は、1ページの画素について処理が終了していないと判定した場合、S201へ処理を戻す。一方、S212で、省トナー処理部406は、1ページ分の全画素についての処理が終了したと判定した場合(即ち、図5の510においてページ終端のn個の画素515についての処理が終了した場合)、処理を終了する。その後に実行される、省トナー処理後の階調値に基づく画像形成処理は、第1の実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、入力されたカラー画像の階調値について、第1の実施形態のように1ページ単位で省トナー処理を行うのではなく、n画素単位で階調値を抽出して、省トナー処理を実行する。これにより、第1の実施形態の効果とともに、更に、省トナー処理を1画素単位で実行することによって、1ページ単位で省トナー処理を実行する場合よりも画像形成を開始するまでの時間を短くすることができる。その結果、画像形成のスループットを向上させることが可能である。また、省トナー処理を1ページ単位で実行する場合のように、1ページ分の階調値を記憶装置に保持しておく必要もなくなる。
なお、描画データからn個の画素を読み込む際の画素の選択は、図5の510のように同一ライン上でn個の画素を選択する場合に限定されない。例えば、図5の520に示すように、複数のラインに含まれるn個の画素を選択してもよい。図5の520の場合、主走査方向へ521、522の順に、複数ラインから4個の画素の階調値が読み込まれる。主走査方向における最後の523に含まれる画素の階調値が読み込まれると、次に524が選択される。図5に520に示す読み込み方によれば、2ライン分の階調値を同時に処理可能である。これは、露光装置24C,24M,24Y,24Kのレーザ発光素子が色ごとに2個ずつ設けられた、同時に2ラインの領域を描画可能な2ビーム構成の露光装置に適する。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、省トナー処理前の階調値C,M,Y,Kと省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'とで、異なる色の階調値間の比率が変化する(即ち、C:M:Y:K≠C':M':Y':K'となる)。これにより、省トナー処理の前後で、形成されるカラー画像の色味が変化する。例えば、省トナー処理において使用される階調値‐トナー量テーブルが図6に示す特性を有する場合に、トナー量削減率D=2であるものとする。この場合、省トナー処理後のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'は、元のトナー量Ac,Am,Ay,Akに対して50%に削減される。一方で、省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'は元の階調値C,M,Y,Kに対してそれぞれ63%,65%,56%,67%となり、省トナー処理によって色ごとに異なる変化が階調値に生じる。これは、階調値とトナー量との関係が非線形であり、かつ、色ごとに特性が異なるためである。図6の例では、省トナー処理後の階調値で形成した画像は、元の画像と比較して、Y色が薄く、K色が濃く形成されるため、省トナー処理によって画像の色味が変化してしまう。第3の実施形態では、省トナー処理によって生じるこのような画像の色味の変化を低減することを狙いとする。具体的には、カラー画像をモノクロ化して形成する場合のトナー量を基準としてカラー画像のトナー量を調整する場合において、当該調整前のカラー画像の色味を当該調整後においても維持する。
<省トナー処理部406の構成>
図10を参照して、本実施形態において省トナー処理部406によって実行される省トナー処理について説明する。なお、同図において、第2の実施形態(図8)と同様の動作を実行するブロックについては図8と同一の参照番号を付してその説明を省略する。階調値削減率決定部1001には、トナー量計算部803によって計算されたトナー量Akmと、カラー画像を形成する際の各色のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'とが入力される。階調値削減率決定部1001は、カラー画像の各色の階調値を削減する階調値削減率D'(第2削減率)を決定する。階調値削減率決定部1001は、入力されたこれらの情報と、省トナー処理部406に入力された制御情報から取り出される省トナーパラメータS及び階調値‐トナー量テーブルとを用いて、階調値削減率D'を決定する。
階調変換部1002は、階調値削減率決定部1001によって決定される階調値削減率D'に応じて、第2の色変換部802から入力される階調値C,M,Y,Kを、省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'に変換(変更)して出力する。第2のトナー量計算部1003は、階調値とトナー量とを対応付けた階調値‐トナー量テーブルを用いて、階調値C',M',Y',K'で画像を形成する場合に消費される各色のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'を計算して出力する。当該出力は、階調値削減率決定部1001にフィードバックされて、階調値削減率D'の決定に用いられる。なお、第2のトナー量計算部1003で使用される階調値‐トナー量テーブルは、省トナー処理部406へ入力される制御情報から取り出される。
<省トナー処理の手順>
次に、ASIC308の省トナー処理部406によって実行される本実施形態に係る省トナー処理の手順について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る省トナー処理の手順を示すフローチャートである。なお、図11では、第2の実施形態(図9)と同一の部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。図11において図9と異なる部分はS301〜S308である。
図11に示すように、S207で、省トナー処理部406は、第1のトナー量計算部803によって、カラー画像をモノクロ化して形成した場合のトナー量Akmが求められると、処理をS301へ進める。S301で、省トナー処理部406は、階調値削減率決定部1001によって、階調値削減率D'を1以上のまでの任意の値に仮決定し、処理をS302へ進める。S302で、省トナー処理部406は、階調変換部1002によって省トナー処理後のn画素分の階調値C',M',Y',K'を、それぞれ次式で計算する。
C'=C/D', M'=M/D',
Y'=Y/D', K'=K/D' (7)
なお、式(7)には、当該n個の画素の階調値を順に代入して省トナー処理後の階調値を求めればよい。式(7)に示すように、本実施形態における省トナー処理は、省トナー処理前の階調値C,M,Y,Kに対して、階調値削減率D'に応じた係数(1/D')を乗ずることによって実行される。
これは、第1及び第2の実施形態における、トナー量削減率Dに基づいてトナー量を調整する省トナー処理と異なる点である。第1及び第2の実施形態では、上述のように、省トナー処理前の階調値C,M,Y,Kと省トナー処理後の階調値C',M',Y',K'とで、色ごとに階調値の比率が変化する(即ち、C:M:Y:K≠C':M':Y':K'となる)。これに対して、式(7)を用いた本実施形態の省トナー処理においては、各色の階調値に対して同一の係数(1/D')を乗じて階調値を調整するため、複数の色に対する階調値間の比率が省トナー処理の前後で維持される。即ち、C:M:Y:K=C':M':Y':K'が常に成立する。これにより、省トナー処理によって、入力カラー画像の色味が変化することを回避できる。
S302の後、S303で、省トナー処理部406は、第2のトナー量計算部1003によって、階調値‐トナー量テーブルを参照して、n画素分の階調値C',M',Y',K'を、画素ごとに、対応するトナー量Ac',Am',Ay',Ak'に変換する。ここで、図12は、図6と同様の階調値‐トナー量テーブルを示す。第1及び第2の実施形態では、図6の605〜608のように、各色のトナー量Ac',Am',Ay',Ak'が、対応する階調値C',M',Y',K'へ変換される。これに対して、本実施形態では、図12の1201〜1204のように、各色の階調値C',M',Y',K'が、画素ごとに、対応するトナー量Ac',Am',Ay',Ak'へ変換される。このトナー量Ac',Am',Ay',Ak'が、仮決定された階調値削減率D'により求められた値という意味で仮変換結果に相当する。
次に、S304で、省トナー処理部406は、階調値削減率決定部1001によって、省トナー処理後のn画素分の合計トナー量(Ac'+Am'+Ay'+Ak')が、目標トナー量(Akm×S)に合致するか否かを判定する。当該判定は、次式が成立するか否かによって実行される。
(Ac'+Am'+Ay'+Ak')=(Akm×S) (8)
ここで、係数Sは、制御情報より取り出した省トナーパラメータであり、省トナー処理後のトナー量を調整するために使用される。また、Ac',Am',Ay',Ak',Akmは、それぞれ、n個の画素の各々についてのトナー量の総和であり、n画素分のトナー量を表す。目標トナー量(Akm×S)もn画素分のトナー量である。なお、S304における判定処理では、式(8)における左辺と右辺との差分が厳密に等しくなるか否か判定するのではなく、省トナー処理後のトナー量と目標トナー量とがある程度近い値になった場合には、式(8)が成立したものとみなしてもよい。例えば、それらの量の差分を計算するとともに、閾値判定等により当該差分がある程度の範囲内に収まったと判定された場合に、式(8)が成立したものとみなしてもよい。また、例えば式(8)の左辺(Ac'+Am'+Ay'+Ak')の値が、式(8)の右辺(Akm×S)を基準に所定範囲内の値になっていれば、式(10)が成立したものとみなしてもよい。
例えば、S=1とした場合、式(8)が成立すると、省トナー処理後の階調データを用いて画像形成した場合の消費トナー量が、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成する場合の消費トナー量と等しくなり得る。また、S=0.8とした場合、式(8)が成立すると、省トナー処理後の階調データを用いて画像形成した場合の消費トナー量が、入力されたカラー画像をモノクロ化して画像形成する場合のトナー量の8割に調整され得る。
S304で、式(8)が成立すると判定されると、処理がS308へ進む。一方で、一方で、式(8)が成立しないと判定されると、処理がS305へ進む。S305で、省トナー処理部406は、階調値削減率決定部1001によって、(省トナー処理後の合計トナー量>目標トナー量)が満たされるか否かを判定する。即ち、
(Ac'+Am'+Ay'+Ak')>(Akm×S) (9)
が成立するか否かを判定する。当該判定結果に応じて、省トナー処理部406は、省トナー処理後のn画素分の合計トナー量が目標トナー量に近づくように、S306及びS307で以下の処理を実行する。
ここで、省トナー処理部406は、S305において式(9)が成立する場合、S306で、階調値削減率決定部1001によって、階調値削減率D'を増加させる。一方で、省トナー処理部406は、S305において式(9)が成立しない場合、S307で、階調値削減率決定部1001によって、階調値削減率D'を減少させる。これらの処理によって、省トナー処理後の(合計)トナー量が増加又は減少して、省トナー処理後のn画素分のトナー量が目標トナー量に近づく。S306及びS307の後、処理がS302へ戻る。その後、省トナー処理部406は、S304において式(8)が成立するまでの間、S302〜S307の処理が繰り返す。
S304において、式(8)が成立すると判定されると、階調値削減率決定部1001から階調変換部1002へ、n画素分の階調値の出力を指示するための出力指示信号Pが送信される。これにより、S308で、省トナー処理部406は、n画素分の階調値C',M',Y',K'を省トナー処理後の階調値として階調変換部1002から出力する。
このように、本実施形態では、省トナー処理後のn画素分のトナー量(Ac'+Am'+Ay'+Ak')が目標トナー量(Akm×S)となるように、画像形成の際のトナー量が調整される。さらに、省トナー処理の前後において、異なる色の階調値間の比率が維持されるため、形成される画像において省トナー処理による色味の変化が生じない。
以上説明したように、第3の実施形態では、カラー画像をモノクロ画像として形成する際のトナー量を基準として決定した階調値削減率で、当該カラー画像の階調値を削減すすることによって、カラー画像を形成するためのトナー量を削減する。これにより、第2の実施形態の効果に加えて、更に、省トナー処理によって生じるこのような画像の色味の変化を低減することができる。
[第4の実施形態]
上述の第1〜第3の実施形態において説明した、省トナー処理の許可・不許可に関する設定、及び省トナーパラメータSは、ユーザが任意に設定できると有用である。本実施形態では、これらの設定をユーザが任意に設定可能な画像処理装置について説明する。
図13は、ホストPC200上で実行されるプリンタドライバによってホストPC200の表示パネル部に表示される設定画面の一例である。図13(a)に示す設定画面では、印刷に使用される設定のうち、印刷品質に関する設定を行うことができる。項目1301は、印刷に用いるハーフトーンテーブル及び色変換テーブル等の印刷品質に関する設定用の項目である。ユーザは、項目1301において、予め用意された「きれい」又は「標準」を選択するか、あるいはユーザ設定として詳細な設定を入力できる。項目1302は、印刷物の種類(印刷目的)に関する設定用の項目である。ユーザは、項目1302において、表示された選択肢の何れかを選択することによって、印刷物の種類に適したハーフトーンテーブル及び色変換テーブル等を容易に設定できる。
項目1310は、省トナーモードに関する設定用の項目であり、本発明に関連する省トナー処理の許可・不許可に関する設定、及びトナー制御パラメータSの設定が可能である。項目1311の「ON」が選択されて印刷操作が実行されると、制御データとして、省トナー処理の許可設定がプリンタ100へ送信される。一方、符号1312の「OFF」が選択されて印刷操作が実行されると、制御データとして、省トナー処理の不許可設定がプリンタ100へ送信される。項目1313は、省トナーパラメータS(%)を設定するための項目である。この省トナーパラメータS(%)は、カラー画像データを所定の色変換方法で色変換し、更に所定単位(例えば色材量)に変換した変換結果から、更にどれだけトナー量を減少或いは増加させるかを設定するためのパラメータ(調整値)である。
ユーザは、スライダ1314を操作することによって、項目1313に示された省トナーパラメータSの値を増減させることができる。尚、省トナーパラメータSを100%以上にも設定できる。ユーザ印刷操作を実行すると、項目1313に設定された値が、省トナーパラメータSに関する制御データとしてプリンタ100へ送信される。
本発明の省トナー処理に関連する設定は、上述のようにホストPC200側で行われてもよいし、プリンタ100において行われてもよい。図13(b)は、プリンタ100上のパネルIF部313の表示パネルに表示される設定画面の一例である。本実施形態において、表示パネルは表面にタッチパネルを備えている。ユーザは、表示パネルに表示された各項目について、当該タッチパネルを押下することによって選択又は設定することができる。なお、表示パネルに設定画面として表示されていないボタン(例えば、操作部に設けられたハードキー等)を用いてユーザによる選択又は設定が行われてもよい。
項目1321の「ON」が選択されると、省トナー処理が「許可」に設定される。一方、項目1322の「OFF」が選択されると、省トナー処理が「不許可」に設定される。また、項目1323は、省トナーパラメータS(%)を設定するための項目である。ユーザが項目1324の「↑」を押下すると、項目1323に表示された省トナーパラメータSの値が増加する。一方、ユーザが項目1325の「↓」を押下すると、項目1323に表示された省トナーパラメータSの値が減少する。CPU303は、パネルIF部313において設定された省トナー処理の許可・不許可設定、及び省トナーパラメータSを、制御情報として省トナー処理部406へ送信する。
本実施形態では、ホストPC200におけるプリンタドライバによる表示部への表示、又はプリンタ100における表示パネル部による表示を介して、本発明で必要となる省トナー処理の許可・不許可及び省トナーパラメータ等のパラメータを設定することを可能にする。これにより、ユーザが本発明の省トナー処理に関連するパラメータを容易に設定することが可能になる。
[第5の実施形態]
上述の第1〜第3の実施形態では、色変換テーブル、階調値‐トナー量テーブル(図6)等の、予め用意したテーブル情報を使用して、色変換、階調値からトナー量への変換等を行っている。しかしながら、これらの変換処理は、テーブル情報を用いて実行するのではなく、テーブル情報に対応する計算式を予め用意して、当該計算式を用いて実行することも可能である。また、階調値R,G,Bから階調値Kmへの変換処理は、式(1)に例示した計算式を用いて実行しているものの、当該計算式に対応するテーブル情報を予め用意して、当該テーブル情報を用いて実行することも可能である。このように、図7A、図7B、図9及び図11のフローチャートの各ステップにおける処理に、予め用意したテーブル情報及び計算式の何れを用いるかは、任意に決定することが可能である。
また、図7A、図7B、図9及び図11のフローチャートに従った処理において、複数のステップをまとめて1回の処理で実行するためのテーブル情報又は計算式を用意することも可能である。例えば、図9において、入力カラー画像から抽出された画素のRGB階調値又は対応するCMYK階調値から、予め用意した1つのテーブル情報を使用して、直接的にトナー量削減率Dを決定することも可能である。これは、省トナー処理の対象となるRGB階調値又は対応するCMYK階調値が定まると、S205〜S208の各々における処理結果が、計算式又はテーブル情報によってそれぞれ一意に定まるためである。同様に、S209及びS210の処理も、省トナー処理の対象となるRGB階調値又は対応するCMYK階調値とトナー量削減率Dに応じて一意に定まるため、そのような1つのテーブル情報にまとめることが可能である。その場合、S205〜S210の処理を、予め用意した1つのテーブル情報を使用して実行することが可能である。このため、1つのテーブル情報を使用して、省トナー処理の対象となるRGB階調値又は対応するCMYK階調値から、直接的に、省トナー処理後のCMYK階調値を求めることが可能である。また、図11においても、例えば、S205及びS207の処理を1つのテーブル情報を用いた1回の処理にまとめることが可能である。
また、上述の第4の実施形態に対しては、ユーザが指定可能な省トナーパラメータS(%)をいくつか予め用意しておき、各省トナーパラメータSに対応して、上記した計算式やテーブル情報を用いるようにしてもよい。
なお、上述の第1〜第3の実施形態では、入力カラー画像の階調値を、グレースケールに変換する色変換方法によって、モノクロの階調値に変換している。しかし、これらの実施形態では、そのような色変換方法によらず、任意の色変換方法(例えば、セピア調への色変換)を使用することが可能である。つまり、フルカラー画像データによるカラー画像形成を行う場合に比べて色材消費量が減少する色変換方法であれば適用することが可能である。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、省トナーパラメータSに応じてトナー量削減率Dや目標トナー量を定めているが、省トナーパラメータSを用いずに省トナー処理を実行することも可能である。これは、例えば、式(2)及び式(4)においてS=1とした場合、及び、目標トナー量を、Akmに等しくした場合に相当する。また、第3の実施形態に係る目標トナー量は、このように、入力された画像データを所定の色変換方法で色変換し、更にトナー量に変換したときの変換結果と等しい値としてもよいし、当該変換結果から所定範囲内に含まれる値としてもよい。即ち、当該変換結果に厳密に等しい値を目標トナー量とするのではなく、式(8)を参照して上述したように、ある程度の幅を与えてもよい。このような場合にも、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
[その他の実施形態]
上述の各実施形態において説明した省トナー処理は、ホストPCから描画データを受信する画像形成装置(プリンタ100)に限られず、画像読取装置を備えた複写機においても実行することができよう。その場合、画像形成のための描画データは、画像読取装置において原稿から読み取ることによって得られよう。また、本発明において、階調値−トナー量テーブル等のテーブルデータは、ROM304に予め格納されている場合に限られず、トナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kが備えるメモリタグに予め格納されていてもよい。あるいは、ホストPC200が予め保持した当該テーブルデータを画像形成装置へ送信してもよい。このような場合にも、画像形成装置において、受信したテーブルデータを用いて本発明の省トナー処理を実行することができよう。更に、印刷品質設定の変更等に応じてガンマ補正テーブル、ハーフトーンテーブル等が変更された場合に、それに合わせて、階調値‐トナー量テーブルを自動的に変更する動作が実行されてもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。