JP5198686B2 - プローブ形状検出装置及びプローブ形状検出装置の作動方法 - Google Patents
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Description
大腸のように屈曲した体腔内に円滑に挿入し易くするために、可撓性を有する内視鏡挿入部の長手方向に沿って位置検出のための電磁コイルを複数配置し、各電磁コイルの位置を検出することによって、プローブ形状としての内視鏡挿入部形状を検出する内視鏡挿入部形状検出装置が使用される場合がある。
第1の従来例としての日本国特開2008−119260号公報の内視鏡挿入部形状検出装置は、内視鏡挿入部の長手方向に配置された磁界を発生する複数の電磁コイルとしてのソースコイルにおける最も基端側に配置されたソースコイルの移動速度を測定する。
また、第2の従来例としての日本国特開2003−245243号公報の内視鏡挿入部形状検出装置は、内視鏡挿入部に配置された複数のソースコイルの位置を検出するためのセンスコイルによって、これらのソースコイルの駆動を停止した状態において、複数の周波数グループにおいてセンスコイルによるノイズ検出を行う。そして、この第2の従来例は、ノイズ検出結果に基づいて、ノイズが最も小さい周波数グループの駆動信号により複数のソースコイルを駆動することを開示している。
このため、内視鏡により患者の体腔内を検査する検査室において、内視鏡検査に使用した場合、ノイズのためにセンスコイルを用いて検出した内視鏡挿入部形状をモデル化して表示装置に表示した場合、内視鏡挿入部形状が揺らいで表示されてしまう場合がある。
第2の従来例は、複数の周波数グループから実際に使用する周波数グループを選択することにより、ノイズが小さい環境で内視鏡挿入部形状の検出を行うことができる。
また、実際に使用する周波数グループを選択できるように複数の周波数グループを用意することが必要になり、装置が大がかりになってしまう。また、実際に使用する周波数グループ以外の周波数グループでも発振させる必要があるため、その周波数グループで発振させる発振回路の動作が安定するまでに時間がかかってしまう欠点もある。
また、初期設定時におけるノイズ検出により設定したノイズ発生環境から、内視鏡挿入部形状の検出を行っている内視鏡検査の使用中においてノイズ発生環境が変化するような場合には、適切に対応し難い。
このため、内視鏡挿入部形状が揺らいで表示されることに対して、検出した内視鏡挿入部形状の時間平均を行うことにより、揺らぐことを抑制する方法を採用することが考えられる。
しかし、このように時間平均を行う方法は、内視鏡挿入部を移動した場合には内視鏡挿入部形状を取得又は表示する応答速度が低下してしまう欠点がある。
このため、ノイズの影響を低減した(内視鏡挿入部形状のような)プローブ形状を取得でき、かつプローブが移動された場合においてはプローブの移動に対応したプローブ形状を取得する場合の応答速度の低下を改善できるようなプローブ形状検出装置や検出方法が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、ノイズの影響を低減しつつ、プローブの移動速さに対応したプローブ形状を取得するのに適したプローブ形状検出装置及びプローブ形状検出装置の作動方法を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態を備えた内視鏡システム1は、内視鏡検査を行う内視鏡装置2と、内視鏡検査の補助に用いられるプローブ形状検出装置としての内視鏡挿入部形状検出装置3とを備える。この内視鏡挿入部形状検出装置3は、術者が、ベッド4に横たわる患者5の体腔内に電子内視鏡6のプローブとしての内視鏡挿入部7を挿入して内視鏡検査を行う場合に、その内視鏡挿入部7の形状をモデル化して表示することによって、挿入補助に利用される。
電子内視鏡6は、可撓性を有する細長のプローブとしての内視鏡挿入部7を有し、この内視鏡挿入部7の後端に湾曲操作ノブを設けた操作部8が形成され、この操作部8からユニバーサルコード9が延出され、ビデオプロセッサ10に接続されている。
光電変換された信号は、図1に示すビデオプロセッサ10内の図示しない映像信号処理部により信号処理されて標準的な映像信号が生成され、ビデオプロセッサ10に接続された画像観察用モニタ11に表示される。
なお、プローブ15にソースコイル14iを配置することなく、内視鏡挿入部7内に、その長手方向に所定間隔でソースコイル14iを配置する構成にしても良い(図13においてはこのような構成例を示している)。
上記プローブ15の後端から延出されたソースケーブル16は、その後端のコネクタ16aが内視鏡挿入部形状検出装置3の検出装置21に着脱自在に接続される。
また、患者5が横たわるベッド4の付近に配置されるこの検出装置21には、ソースコイル14iによる磁界を検知するための磁界検知手段又は磁界検知部を構成する(センスコイルユニット23が例えば上下方向に移動(昇降)自在に設けられている。このセンスコイルユニット23内には複数の磁界検知素子としてのセンスコイルが配置されている。
より具体的には、図2に示すように例えば中心のZ座標が第1のZ座標である例えばX軸に向いたセンスコイル22a−1、22a−2、22a−3、22a−4と、中心のZ座標が第1のZ座標と異なる第2のZ座標であるY軸に向いたセンスコイル22b−1、22b−2、22b−3、22b−4と、中心のZ座標が第1及び第2のZ座標と異なる第3のZ座標であるZ軸に向いたセンスコイル22c−1、22c−2、22c−3、22c−4の12個のセンスコイル(以下、簡略的に22a、22b、…、22lと記して、それらを符号22jで代表する)が配置されている)。
また、図1に示すように、この検出装置21には検出した内視鏡挿入部7の形状をモデル化したスコープモデルを表示する表示手段としてモニタ25がその上部に配置されている。
内視鏡挿入部形状検出装置3は、図3に示すように、ソースコイル14iに駆動信号を送信して駆動する送信ブロック26と、センスコイルユニット23内のセンスコイル22jにより検知(受信)した信号に対する信号処理を行う受信ブロック27と、受信ブロック27の出力信号に対する信号処理をする制御ブロック28とから構成される。
一方、センスコイルユニット23内の12個のセンスコイル22jは、受信ブロック27を構成するセンスコイル信号増幅回路部34に接続されている。
増幅された信号は、フィルタ回路36kでソースコイル14iが発生する複数の周波数を通すバンドパス帯域をもち、このバンドパス帯域以外の不要周波数成分が除去されてバッファ37kに出力された後、ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)38kで制御ブロック28が読み込み可能なデジタル信号に変換される。
なお、図4の受信ブロック27は、センスコイル信号増幅回路部34及びADC38kより構成され、センスコイル信号増幅回路部34は、増幅回路35k、フィルタ回路36k及び出力バッファ37kより構成される。
なお、2ポートメモリ42は、図5に示すように、機能的には、ローカルコントローラ42a、第1のRAM42b、第2のRAM42c及びバススイッチ42dよりなる。
そして、図6に示すようなタイミングにより、ローカルコントローラ42aからのA/D変換開始信号によりADC38kがA/D変換を開始し、ローカルコントローラ42aからの切り換え信号によりバススイッチ42dがRAM42b、42cを切り換えながら第1RAM42b、42cを交互に読み出しメモリ及び書き込みメモリとして用い、書き込み信号により、電源投入後は、常時データの取り込みを行っている。
図7は、CPU32による処理機能を示す。このCPU32は、図4に示すメインメモリ47を用い、上記デジタルデータに対して周波数抽出処理(具体的には高速フーリエ変換:FFT)を行い、各ソースコイル14iの駆動周波数に対応する周波数成分の磁界検出データに分離(抽出)する分離部32aの機能を有する。
また、CPU32は、座標演算部32bにより少なくとも1つのソースコイル14iに対して、適宜の期間内に算出された複数の3次元座標の単位時間当たりの移動量からそのソースコイル14iの移動速さを算出する移動速さ算出部32cの機能を有する。なお、この場合の期間として、移動平均座標を算出する場合の所定期間と同じ設定でも良い。また、1つのソースコイル14iでなく、複数のソースコイルそれぞれの移動速さを算出し、それらの平均値を移動速さに用いても良い。
また、CPU32は、移動速さ算出部32cにより算出された前記移動速さと、(移動速さに対する)所定の閾値Vth(例えば900mm/sec)とを比較する比較部32dの機能を有する。
また、CPU32は、比較部32dの比較結果に応じて、内視鏡挿入部形状の生成及び表示に使用する各ソースコイル14iの3次元座標(モデル座標という)として、前記移動平均座標と、前記座標演算部32bにより算出された前記3次元座標とのいずれか一方を用いるように設定するコイル座標設定部32fの機能を有する。
そして、CPU32は、コイル座標設定部32fにより設定された内視鏡挿入部形状の生成に使用するモデル座標のデータを用いて内視鏡挿入部7の形状に対応したスコープモデルとして表示するための表示データを生成し、ビデオRAM48に出力する。
モニタ25は、このアナログのビデオ信号の入力により、表示画面上に電子内視鏡6の内視鏡挿入部7のスコープモデルを表示する。
上記CPU32は、各ソースコイル14iに対応した磁界検出情報、すなわち、各センスコイル22jを構成する単心コイル22kに発生する起電力(正弦波信号の振幅値)と位相データを算出する。なお、位相データは、起電力の極性を含み、位相データは、センスコイル22jから、3次元座標の算出対象に該当するソースコイル14iまでの距離に対応する情報となる。
体外マーカ57は内部に1つのソースコイルが収納されており、この体外マーカ57のケーブル59の基端のコネクタ59aは、検出装置21に着脱自在で接続される。
そして、このコネクタ59aを接続することにより、プローブ15内のソースコイル14iの場合と同様に体外マーカ57のソースコイルも駆動され、センスコイルユニット23で検出された体外マーカ57のソースコイルの位置もスコープモデルと同様にモニタ25に表示される。
これらの3個のソースコイルの位置検出により、それらが配置されている面が決定される。そして、その面に垂直な方向から内視鏡挿入部7を見た場合に観察されるスコープモデルとなるようにスコープモデルの描画を行うのに使用される。
また、図4に示すように本実施の形態では、検出装置21にはプローブ15のコネクタ16a、体外マーカ57のコネクタ59a、基準プレート58のコネクタ60aがそれぞれ接続されるコネクタ受け21a、21b、21cが設けてあり、各コネクタ受け21a、21b、21cはソースコイル駆動回路部31に接続される。
このような構成のプローブ形状検出装置としての内視鏡挿入部形状検出装置3は、可撓性を具備するプローブとしての内視鏡挿入部7に設けられた電磁コイルとしてのソースコイル14iに交流信号が印加されることにより発生した磁界を検知する磁界検知手段としての複数のセンスコイル22jからなるセンスコイルユニット23と、前記磁界検知手段で検知した前記磁界に基づいて、前記電磁コイルの位置を示す3次元座標を算出する演算を行う座標演算手段としての座標演算部32bとを有する。
また、内視鏡挿入部形状検出装置3は、前記移動速さ算出部32cにより算出された前記移動速さと所定の閾値とを比較する比較手段としての比較部32dと、前記比較部32dの比較結果に応じて、前記電磁コイルの3次元座標として、前記移動平均座標と前記座標演算部32bにより算出された前記3次元座標とのいずれか一方を用いるように設定するコイル座標設定手段としてのコイル座標設定部32fとを具備することを特徴とする。
図1に示すように、看護師等は、電子内視鏡6をビデオプロセッサ10に接続し、この電子内視鏡6の処置具チャンネル12に設置されたプローブ15の後端のコネクタ16aを検出装置21に接続する。
ビデオプロセッサ10及び検出装置21の電源が投入された後、術者は電子内視鏡6を用いて患者5に対する内視鏡検査を開始する。検出装置21内の制御ブロック28を構成するCPU32は、図3に示すように送信ブロック26と、受信ブロック27の動作を開始させる。
また、ステップS2に示すように各ソースコイル14iにより発生した磁界は、磁界検知手段としてのセンスコイルユニット23を構成する複数のセンスコイル22jにより検知され、センスコイル22jは検知した信号を受信ブロック27に出力する。
受信ブロック27は、入力された信号を増幅し、さらにフィルタにより所定の周波数帯域のみの信号を通過するように濾過した後、A/D変換して、デジタルデータに変換してCPU32に送出する。
また、ステップS4においてCPU32は、座標演算部32bの機能により、分離された各磁界検出データから内視鏡挿入部7内に設けられた各ソースコイル14iの3次元座標を算出する演算を行う。この場合、磁界検出データにおける位相データを参照して、各ソースコイル14iの3次元座標を算出する。
また、ステップS5においてCPU32は、移動速さ算出部32cの機能により、座標演算部32bにより例えば1つのソースコイル14iに対して、一定の時間内に算出された複数の3次元座標からそのソースコイル14iの移動速さを算出する。
このステップS6の比較処理により、実際の算出された移動速さが900mm/sec以上となる場合にはステップS7においてCPU32は、コイル座標設定部32fの機能により座標演算部32bにより算出された各3次元座標をモデル座標に用いるように設定して、ステップS10の処理に移る。
一方、実際の算出された移動速さが900mm/sec未満となる場合にはステップS8においてCPU32は、移動平均座標算出部32eの機能により各ソースコイル14iの各3次元座標に対してそれぞれ移動平均座標を算出する。
また、ステップS10においてCPU32は、コイル座標設定部32fの機能により設定されたモデル座標のデータを用いて内視鏡挿入部7の形状に対応したスコープモデルとして表示するための表示データを生成する。そして、CPU32は、生成したスコープモデルの表示データをビデオRAM48に出力する。
ステップS11においてビデオ信号発生回路49は、ビデオRAM48に書き込まれた表示データを読みだし、アナログのビデオ信号に変換してモニタ25に出力する。そして、モニタ25には、スコープモデルが表示される。ステップS11の処理後、ステップS1の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
なお、ステップS8の処理は、図8に示すようにステップ6の判定結果の後に行う場合に限定されるものでなく、例えばステップS5の移動速さを算出する処理と同時に行うようにしても良い。
また、この内視鏡挿入部形状検出方法は、前記磁界検知ステップで検知した前記磁界に基づいて、前記電磁コイルの位置を示す3次元座標を算出する演算を行う座標演算ステップとしてのステップS4と、前記座標演算ステップにより算出された前記3次元座標(又は後述するセンサの検知信号)に基づいて、前記電磁コイルの移動速さを算出する移動速さ算出ステップとしてのステップS5とを有する。
また、この内視鏡挿入部形状検出方法は、前記比較ステップの比較結果に応じて、前記電磁コイルの3次元座標として、前記移動平均座標と前記座標演算手段により算出された前記3次元座標とのいずれか一方を用いるように設定するコイル座標設定ステップとしてのステップS7及びS9とを具備することを特徴とする。
図9において、位置P1〜P4においては、移動速さが閾値Vth未満となり、この場合には移動平均座標(P1+…+P4)/4がモデル座標Q1-4として採用される。これに対して、時刻t5における位置P5では、算出された移動速さがVth以上となるため、この位置P5の3次元座標が(移動平均を行うことなく)モデル座標Q5として使用される。
一方、移動速さが閾値Vth以上となる場合には、個々の3次元座標をモデル座標として採用する。この場合には、移動平均座標を採用しないので、応答速度が低下することなくスコープモデルを表示することができる。従って、術者が内視鏡挿入部7を体腔内の例えば深部側に挿入する操作を行った場合、その操作に対する時間的な遅れの少ないスコープモデルを表示することができる。
従って、本実施形態によれば、ノイズの影響を低減しつつ、プローブとしての内視鏡挿入部7の移動速さに対応した内視鏡挿入部形状を取得するのに適した内視鏡挿入部形状検出装置3及び内視鏡挿入部形状検出方法を提供することができる。
なお、本実施形態のような移動速さに応じてモデル座標の設定を行うこと無く、移動速さに無関係に移動平均座標のみを用いると、図9におけるモデル座標Q5の代わりに位置P2〜P5の移動平均した移動平均座標が採用される。この場合には、応答速度が低下してしまう。
また、閾値Vthの値を1つでなく、複数の異なる閾値(例えば0<Vth<Vth2)を設定し、移動速さ算出部32cにより算出される移動速さVと、閾値Vth,Vth2との比較による大小関係に応じて、移動平均する場合の所定期間の値を変更しても良い。
例えば、図9の場合には4つの3次元座標に対して順次移動平均するように設定していたが、3つの3次元座標に対して移動平均するように所定期間を設定しても良い。また、5以上の3次元座標に対して移動平均するように所定期間を設定しても良い。
次に本発明の第2の実施形態を説明する。図10A及び図10Bは本発明の第2の実施形態におけるノイズ量測定期間の状態と内視鏡挿入部形状の検出期間の状態における送信ブロック26及び受信ブロック27の構成を示す。
本実施形態は、第1の実施形態における送信ブロック26において、その内部に切替スイッチ53iと、ノイズ量測定手段を形成する固定抵抗器54iとを設けている。なお、ノイズ量測定手段は、切替スイッチ53i及び固定抵抗器54iと、以下に説明する受信ブロック27及び制御ブロック28とにより構成される。
内視鏡挿入部形状を検出する場合、その検出精度を低下させるノイズとしては、送信ブロックを構成する発振回路51iにより発生した駆動信号(交流信号)を、該発振回路51i側と絶縁するために用いるトランス52iからの漏れ磁界が、センスコイル22j又はセンスコイル22jを用いた受信ブロック27側に混入することに起因する場合がある。
第1の実施形態においては、発振回路51iの出力信号としての交流信号は、トランス52iを経てソースコイル14iにそれぞれ印加される構成となるが、本実施形態においてはトランス52iの出力信号を、ソースコイル14iと固定抵抗器54iとに選択的に切り替える切替スイッチ53iを設けている。
ノイズ量測定期間においても受信ブロック27は、ソースコイル14iに交流信号が印加された場合と同様に、センスコイル22jの検知信号に対する信号検出を行い、制御ブロック28に出力する。
図11は制御ブロック28を構成するCPU32の処理機能を示す。CPU32は、第1の実施形態で説明した図7に示す機能の他に、分離部32aによる分離された周波数成分の磁界検出データの値(振幅値)をノイズ量として算出するノイズ量算出部32hを有する。なお、ノイズ量算出部32hは、例えば複数の周波数成分の磁界検出データの平均値等をノイズ量として算出する。後述するように1つの周波数成分の磁界検出データによるノイズ量を算出しても良い。
比較部32iは比較結果により、閾値格納部32gに格納されている移動速さの閾値Vthの値を変更する。つまり、この比較部32iは、移動速さの閾値Vth(の値)を変更する閾値変更部の機能を有する。
比較部32iは、ノイズ量算出部32hにより算出されたノイズ量が、ノイズ量の閾値Nth以上の場合には、第1の実施形態と同じ所定の閾値Vthとし、従ってコイル座標設定部33fは第1の実施形態と同じ所定の閾値Vthを用いて、モデル座標(コイル座標)の設定を行う。
ノイズ量算出部32hにより算出されたノイズ量が、ノイズ量の閾値Nth未満の場合には、(閾値Nth以上となるようなノイズ量が大きい場合よりも)精度良くソースコイル14iの3次元座標を算出できるので、比較部32iはこのようにより小さい閾値Vthaに設定する。
また、上記ノイズ量算出部32hは、算出したノイズ量を座標演算部32bに出力する。座標演算部32bは、実際にソースコイル14iを駆動して、その3次元座標を算出する場合、このノイズ量を考慮して3次元座標を算出する。
上記ノイズ量算出部32hが、このようなノイズ量を検出した場合には、座標演算部32bは、ソースコイル14iの3次元座標を算出する場合、このノイズ量を減算して3次元座標を算出する。これにより、トランス52iからの漏れ磁界に起因するノイズ量の影響を低減する。
一方、ノイズ量算出部32hが、交流信号と相関を有しないノイズ量を検出した場合には、座標演算部32bは、ソースコイル14iの3次元座標を算出する場合、そのノイズ量Nth′により、以下のようにスコープモデルを表示する際の表示色を変更しても良い。
なお、本実施形態における固定抵抗器54iは、発振回路51iによる交流信号の駆動周波数において、ソースコイル14iが持つインピーダンス値を抵抗値とした抵抗器により構成される。つまり、固定抵抗器54iは、インダクタンス成分が十分に小さい抵抗器により構成され、周囲に磁界が存在した場合にもその影響を殆ど受けない。
本実施形態による処理手順は、図12に示すようになる。本実施形態における内視鏡挿入部形状検出装置3の動作が開始すると、最初のステップS21においてCPU32は、切替スイッチ53iを図10Aに示すように固定抵抗器54iを選択するように切り替え、ノイズ量を測定する処理を行う。
算出されたノイズ量が閾値Nth未満でない場合には、ステップS23aに示すように比較部32iは、移動速さの閾値Vthを小さい閾値Vtha(例えば600mm/sec)に変更(設定)する。一方、算出されたノイズ量が閾値Nth未満である場合には、ステップS23bに示すように比較部32iは、移動速さの閾値Vthを変更しない。
ステップS23a、23bの処理の後、それぞれステップS24a、24bにおいてCPU32は切替スイッチ53iを固定抵抗器54iからソースコイル14iを選択するように切り替える。この切替により、内視鏡挿入部形状の検出が開始し、CPU32は、ソースコイル14iの3次元位置を算出する処理を行う。
ステップS26aの判定により算出された移動速さが600mm/sec未満である場合には、ステップS27aに示すようにCPU32は、移動平均座標を算出し、算出した移動平均座標をモデル座標に用いるように設定する処理を行う。一方、算出された移動速さが600mm/sec以上である場合には、ステップS28aに示すようにCPU32は、3次元座標をモデル座標に用いるように設定する処理を行う。
ステップS27a,28a又はステップS27b、S28bの処理後のステップS29a、29bにおいてCPU32は、スコープモデルを生成する処理を行い、生成したスコープモデルを表示する。
さらに次のステップS30a,30bにおいてCPU32は、一定時間が経過したか否かの判定を行い、一定時間が経過していない場合には、それぞれステップS24a、24bの処理に戻り、内視鏡挿入部形状の検出処理を続行する。
このように動作する本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を有する他に、さらにノイズ量を測定して、測定により算出されたノイズ量に対応した内視鏡挿入部形状をモデル化して表示することができる。
具体的には、ノイズ量が小さい場合には、ソースコイル14iの3次元座標を精度良く算出(検出)できるので、(プローブとしての内視鏡挿入部7又はソースコイル14iが移動された場合に対する)応答速度を改善したスコープモデルの表示を行うことができる。
この場合、検出された移動速さが、例えば800mm/secの場合には、揺らぎを抑制するために移動平均座標をモデル座標として用いる。
また、本実施形態においては、ノイズ量を測定し、その測定結果に基づいて内視鏡挿入部7の形状を一定時間継続して行い、一定時間が経過すると再びノイズ量を測定して同様の動作を繰り返すようにしているので、内視鏡検査中においてノイズ量のレベルが変動した場合にも適切に対応できる。
従って、内視鏡検査の使用中においても、内視鏡挿入部形状の検出に実質的に悪影響を与えることなくノイズ量を短時間に算出して、信頼性の高い内視鏡挿入部形状を取得及び表示することが可能になる。
なお、本実施形態においては、1つのノイズ量の閾値Nthを設定した場合で説明したが、複数の閾値を設定して、算出されたノイズ量に応じて、移動速さの閾値を複数段階に設定しても良い。
このようにすると、揺らぎを抑制しつつ、より応答速度を改善したスコープモデルの取得や表示が可能になる。
なお、図10A及び図10Bでは、内視鏡挿入部7内に配置された全てのソースコイル14a〜14pを切り替える構成で示しているが、これら全てを切り替える構成にしなくても良く、1つ又は数個のみを切り替える構成にしても良い。
この場合には、ノイズ量の測定期間において、ノイズ量算出部32hは、発振回路51の周波数成分の磁界検出データの値をノイズ量として算出する。そして、比較部32iは、このノイズ量を閾値Nthと比較することになる。
なお、固定抵抗器54aに切り替えた期間には、ソースコイル14aの3次元座標を検出できなくなるが、他のソースコイル14b〜14pにより検出された3次元座標から補間によりソースコイル14aの3次元座標を算出することができる。
このように本変形例によれば、内視鏡検査を行っている場合においても、ノイズ量の測定と内視鏡挿入部形状の検出の動作を並行して行うことができる。
なお、内視鏡挿入部7に配置されたソースコイル14iの移動速さを算出する場合、上述した実施形態においては、ソースコイル14iの3次元座標の算出に基づいて行っていたが、図13に示すようにセンサを用いて移動速さを算出するようにしても良い。
この場合、移動速さ算出部32cは、加速度センサ61による加速度の検知信号からその時間積分を行い、内視鏡挿入部7の移動速さ、換言すると内視鏡挿入部7に配置されたソースコイル14iにおける内視鏡挿入部7の長手方向の移動速さを算出する。この移動速さ算出部32cは、算出した移動速さの情報を比較部32d(図11参照)に出力する。
本変形例では、移動速さをセンサを用いて算出するため、ソースコイル14iの3次元座標の算出から移動速さを算出する場合よりもノイズの影響を低減し易い効果がある。
ノイズ量が小さい値程、ソーソコイル14iの3次元座標の精度又は信頼性が高くなるため、ノイス量が小さい程、移動速さの閾値Vthを小さくしても良い。この場合、図14に示すように、ノイズ量に基づく3次元位置のばらつき量の大きさ(評価値)に従って、移動速さの閾値Vthを設定しても良い。
図14で説明する変形例においては、ノイズ量に基づく3次元位置のばらつき量を評価する評価手段を設けている(具体的には、図11に示すCPU32におけるノイズ量算出部32h内に、点線で示す評価手段としての評価部32kを備えた構成にすれば良い)。そして、この評価手段による3次元位置のばらつき量の評価値に従って上記閾値Vthが変更設定される。
次のステップS42においてCPU32は、座標演算部32bの機能により、算出したノイズ量No(の大きさ)を用いて、所定のソースコイル14qに対してノイズ量に起因する3次元位置のばらつき量を評価する。
所定のソースコイル14qとしては、例えば体外マーカ57内部のソースコイルを用いる。このソースコイルは、患者5の体表面に固定されるため、その位置は殆ど移動しない。従って、ノイズ量に起因する3次元位置のばらつき量を適切に評価することができる。なお、患者5の体表面付近における患者5の体位が変化しても変化しない位置に固定しても良い。
磁界検出データをDo+No、Do−Noとした場合における、対応する3次元位置(つまりばらつき量の範囲を決定する位置)が、例えばP+、P−の評価値となった場合、次のステップS43においてCPU32は、ばらつき量の評価値に従って閾値Vthを変更設定(決定)する。
CPU32は、閾値変更設定部の機能により、上記評価値の差の絶対値|P+−P−|、換言すると3次元座標のばらつき量の評価値に従って閾値Vthに設定して、この閾値変更設定の処理を終了する。そして、この閾値Vthを用いて図12に類似した処理が行われる。
なお、内視鏡挿入部7内に配置されたソースコイル14i以外のソースコイル14qを用いてノイズ量の測定を行う場合には、1つのソースコイル14qと、1つの固定抵抗器とを1つの切替スイッチにより選択的に切り替える構成にしても良い。
そして、内視鏡挿入部7内に配置されたソースコイル14iに関しては、第1の実施形態のような構成にしても良い。この場合には、図10Cで説明した場合のように内視鏡挿入部形状の検出と、ノイズ量測定を並行して行うことができる。また、この場合には、内視鏡挿入部7内に配置された全てのソースコイル14a〜14pに対する3次元座標の算出を行うことができる。
一方、図14の処理に用いるソースコイル14qとして、内視鏡挿入部7内に配置されたソースコイル14iから適宜に1つ又は複数のソースコイルを設定して、ノイズ量の測定を行うようにしても良い。
Claims (13)
- 可撓性を具備するプローブに設けられた電磁コイルに交流信号が印加されることにより発生した磁界を検知する磁界検知部と、
前記電磁コイルの移動速さを算出する移動速さ算出部と、
前記磁界検知部で検知した前記磁界に基づいて、前記磁界コイルの位置を示す3次元座標を算出する演算を行う座標演算部と、
前記座標演算部により所定期間内に検出される前記電磁コイルの複数の3次元座標に基づいて、前記所定期間内の移動平均座標を算出する移動平均座標算出部と、
前記移動速さ算出部により算出された前記移動速さと所定の閾値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果が、前記移動速さが前記所定の閾値よりも小さいことを示す場合には、前記電磁コイルの3次元座標として前記移動平均座標を設定し、前記移動速さが前記所定の閾値よりも大きいことを示す場合には、前記電磁コイルの3次元座標として前記座標演算部により算出された3次元座標を設定するコイル座標設定部と、
前記コイル座標設定部により設定された前記電磁コイルの3次元座標に基づいて、前記プローブの形状を表示するための映像信号を生成する信号処理部と、
を具備することを特徴とするプローブ形状検出装置。 - 前記電磁コイルに交流信号を印加した場合に発生するノイズ量を測定するノイズ量測定部と、
前記ノイズ量測定部の測定結果に応じて前記所定の閾値を変更する閾値変更部と、
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のプローブ形状検出装置。 - 固定抵抗器と、
前記電磁コイルと前記固定抵抗器との一方に前記交流信号を選択的に供給するように切り替える切り替え部と、
を更に具備し、
前記ノイズ量測定部は、前記切り替え部によって前記交流信号が前記固定抵抗器に供給されているときに前記磁界検知部に基づいて生成される信号をノイズ量として測定することを特徴とする請求項2に記載のプローブ形状検出装置。 - 前記コイル座標設定部は、前記移動速さが前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記移動平均座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定し、前記移動速さが前記所定の閾値以上の場合には、前記座標演算部によって算出された前記3次元座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定することを特徴とする請求項1に記載のプローブ形状検出装置。
- 前記コイル座標設定部は、前記移動速さが前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記移動平均座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定し、前記移動速さが前記所定の閾値以上の場合には、前記座標演算部によって算出された前記3次元座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定することを特徴とする請求項2に記載のプローブ形状検出装置。
- 前記閾値変更部は、前記ノイズ量測定部により測定されたノイズ量と、予め設定されたノイズ量用閾値と比較して、前記ノイズ量がノイズ量用閾値未満の場合には、前記所定の閾値を、該所定の閾値よりも小さい閾値に設定し、前記ノイズ量がノイズ量用閾値以上の場合には、前記所定の閾値に設定することを特徴とする請求項2に記載のプローブ形状検出装置。
- 更に、前記ノイズ量測定部により測定されたノイズ量から、前記電磁コイルに対して前記ノイズ量に起因する3次元位置のばらつき量を評価する評価部を有することを特徴とする請求項2に記載のプローブ形状検出装置。
- 前記閾値変更部は、前記評価部による3次元位置のばらつき量の評価値に応じて前記所定の閾値を変更設定することを特徴とする請求項7に記載のプローブ形状検出装置。
- 前記固定抵抗器は、前記プローブ内に設けられた複数の前記電磁コイルにおける特定の電磁コイルと選択的に切り替え可能であり、前記ノイズ量測定部が前記固定抵抗器を選択して前記ノイズ量を測定する期間中に、前記特定の電磁コイル以外の前記複数の電磁コイルに交流信号を印加して、前記特定の電磁コイル以外の前記複数の電磁コイルの3次元座標を算出可能にすることを特徴とする請求項3に記載のプローブ形状検出装置。
- プローブ形状検出装置の作動方法であって、
可撓性を具備するプローブに設けられた電磁コイルに交流信号が印加されることにより発生した磁界を磁界検知部が検知する磁界検知ステップと、
前記電磁コイルの移動速さを移動速さ算出部が算出する移動速さ算出ステップと、
前記磁界検知ステップで検知した前記磁界に基づいて、前記電磁コイルの位置を示す3次元座標を算出する演算を座標演算部が行う座標演算ステップと、
前記座標演算ステップにより所定期間内に検出される前記電磁コイルの複数の3次元座標に基づいて、前記所定期間内の移動平均座標を平均座標算出部が算出する移動平均座標算出ステップと、
前記移動速さ算出ステップにより算出された前記移動速さと所定の閾値とを比較部が比較する比較ステップと、
コイル座標設定部が、前記比較ステップの比較結果が前記移動速さが前記所定の閾値よりも小さいことを示す場合には、前記電磁コイルの3次元座標として、前記移動平均座標を設定し、前記移動速さが前記所定の閾値よりも大きいことを示す場合には、前記電磁コイルの3次元座標として前記座標演算部により算出された3次元座標を設定するコイル座標設定ステップと、
前記コイル座標設定部により設定された前記電磁コイルの3次元座標に基づいて、前記プローブの形状を表示するための映像信号を信号処理部が生成する信号処理ステップと、
を具備することを特徴とするプローブ形状検出装置の作動方法。 - 前記コイル座標設定ステップは、前記移動速さが前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記移動平均座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定し、前記移動速さが前記所定の閾値以上の場合には、前記座標演算ステップによって算出された前記3次元座標を前記電磁コイルの3次元座標として用いるように設定することを特徴とする請求項10に記載のプローブ形状検出装置の作動方法。
- 更に、前記電磁コイルから、前記電磁コイルのインピーダンスと殆ど等しい抵抗値を有する固定抵抗器を選択するように切り替えて、前記固定抵抗器に前記交流信号を印加した際に、前記磁界検知ステップにより検知される磁界をノイズ量として測定するノイズ量測定ステップを有することを特徴とする請求項11に記載のプローブ形状検出装置の作動方法。
- さらに、前記ノイズ量測定ステップにより測定されたノイズ量と、予め設定されたノイズ量用閾値と比較して、前記ノイズ量がノイズ量用閾値未満の場合には、前記所定の閾値を、該所定の閾値よりも小さい閾値に設定し、前記ノイズ量がノイズ量用閾値以上の場合には、前記所定の閾値を変更しないように設定する閾値設定ステップを有することを特徴とする請求項12に記載のプローブ形状検出装置の作動方法。
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