JP5198209B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関する。
近年、色素増感型太陽電池は、クリーンエネルギー源である太陽電池の中でも比較的低コストで製造できることから注目されている。
従来、色素増感型太陽電池としては、例えば、半導体層が酸化亜鉛で形成されたものが知られている。斯かる色素増感型太陽電池は、電気化学的な酸化還元反応を利用して酸化亜鉛でなる酸化亜鉛層を形成できるため、作製時に高温での焼成を必ずしも必要とせず、比較的耐熱性が低いプラスチック等であっても基板として用いることができ、プラスチック等の可とう性を利用した変形可能な色素増感型太陽電池になり得るとして各種のものが提案されている。
斯かる色素増感型太陽電池においては、電解質組成物の電解質として、イミダゾリウム系化合物がごく一般的に用いられており、斯かる色素増感型太陽電池としては、例えば、電解質層における電解質組成物にイミダゾリウム塩が含まれ、酸化亜鉛の微粒子で半導体層が形成されたものが提案されている(特許文献1)。
特開2006−108080号公報
しかしながら、斯かる色素増感型太陽電池では、半導体層に用いられた酸化亜鉛がイミダゾリウム塩に比較的溶解しやすいという問題がある。従って、斯かる色素増感型太陽電池は、半導体としての酸化亜鉛が電解質組成物に溶解することにより、時間が経つにつれて光エネルギーから電気エネルギーへの光電変換効率が低下しやすい。
そこで、本発明は、上記の問題点等に鑑み、酸化亜鉛が電解質組成物に溶解しにくく、光電変換効率が低下しにくい色素増感型太陽電池を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決すべく、電極間に配され電解質組成物を含む電解質層と、前記電極の一方の内側に配された酸化亜鉛層とが備えられた色素増感型太陽電池であって、
前記電解質組成物が、下記式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩を含有していることを特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。
斯かる構成からなる色素増感型太陽電池に於いては、前記電解質組成物が下記式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩を含有しているため、半導体層に用いられた酸化亜鉛が電解質組成物に溶解しにくくなる。
Figure 0005198209
また、本発明では、前記1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩が、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム塩であることがより好ましい。
前記1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩が、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム塩であることにより、さらに、半導体層に用いられた酸化亜鉛が電解質に溶解しにくくなるという利点がある。
本発明の色素増感型太陽電池は、前記電解質組成物が式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩を含有しているため、半導体層に用いられた酸化亜鉛が電解質組成物に溶解しにくくなる。従って、本発明の色素増感型太陽電池は、半導体層に用いられた酸化亜鉛が電解質組成物に溶解しにくく、光電変換効率が低下しにくいという効果を奏する。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について添付図面に基づき説明する。図1は、本実施形態における色素増感型太陽電池の断面図である。
本実施形態に於ける色素増感型太陽電池1は、図1に示すように、電極2間に配され電解質組成物を含む電解質層6と、前記電極2の一方の内側に配された酸化亜鉛層4とが備えられている。詳しくは、基板5に前記電極2が積層された電極板が、電極2を内側として互いに対向するように一対備えられ、電解質組成物を含む電解質層6が前記電極2間に備えられている。
前記電極板は、一方が負の電極板、他方が正の電極板とされてなる。また、少なくとも一方の電極板(通常負の電極板)は、透明基板と透明電極とにより透明に形成されている。
前記電解質層6には、電解質組成物が充填されているとともに、負電極側に酸化亜鉛層4が形成されている。前記酸化亜鉛層4は、酸化亜鉛の微粒子などが層状に配列され、増感色素が担持されることにより形成されてなる。
なお、本実施形態に於ける色素増感型太陽電池1は、互いに対向するように配された基板5と該基板5間に配された電解質組成物を含む電解質層6とでセルが形成され、該電解質組成物及び該セルが封止剤3によって封止されている。詳しくは、該セルが、図1に示すようにセル用封止剤3bによって封止されている。更に、前記電解質層6においては、基板間の電解質周りの隙間に電解質用封止剤3aを充填することにより電解質組成物が封止されている。
また、前記電極2にはそれぞれ導線8が電気的に接続され、該導線8を通じて色素増感型太陽電池1が放電しうるようになっている。
前記基板5としては、樹脂基板、ガラス基板等を挙げることができる。
前記樹脂基板の原料樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。
前記基板5の厚さは、0.025〜10mmであることが好ましく、2〜5mmであることがより好ましい。
前記電極2は、基板5の内側表面の略全面に、導電材を積層することにより形成されている。前記電極2の厚さは、100〜3000nmであることが好ましく、100〜650nmであることがより好ましい。
前記導電材としては、特に限定されるものではないが、例えば、スズドープ酸化インジウム、フッ素ドープ酸化スズ、金、白金等の透明の導電材が挙げられ、その他には、カーボン、導電性ポリマー等が挙げられる。
前記電極2が前記基板5に積層されてなる前記電極板としては、具体的には、95%酸化インジウムと5%酸化スズとの化合物(ITO)を透明ガラス板に蒸着したITOガラス基板や、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)を透明ガラス板に蒸着したFTOガラス基板などが挙げられる。
前記電解質層6に充填されている前記電解質組成物は、ピロリジニウム塩を含有している。詳しくは、ピロリジニウムカチオンを含んでいる。
前記ピロリジニウム塩としては下記の式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩が挙げられ好ましくは、下記の式(2)で表される1−メチル−1−プロピルピロリジニウム塩が挙げられる。より好ましくは、下記の式(3)で表される1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドが挙げられる。
前記ピロリジニウム塩が下記の式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩であることにより、半導体層に用いられた酸化亜鉛がより前記電解質組成物に溶解しにくくなり、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム塩であることにより、さらに酸化亜鉛が前記電解質組成物に溶解しにくくなるという利点があり、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドであることにより、さらにより酸化亜鉛が前記電解質組成物に溶解しにくくなるという利点がある。
Figure 0005198209

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前記電解質組成物としては、前記ピロリジニウム塩を含有しているものであれば、特に限定されるものではないが、電解質組成物に酸化亜鉛がより溶けにくくなるという点で、前記ピロリジニウム塩が80重量%以上含まれているものが好ましく、90重量%以上含まれているものがより好ましい。詳しくは、ピロリジニウムカチオンが30重量%以上含まれているものがより好ましく、35重量%以上含まれているものがさらに好ましい。
前記電解質組成物に含まれ得るアニオンとしては、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられ、好ましくは、ビス(フルオロスルホニル)イミドが挙げられる。
より具体的には、前記電解質組成物としては、前記1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドが80重量%以上含まれているものが好ましく、90重量%以上含まれているものがより好ましい。
前記電解質組成物に含まれ得る他のカチオンとしては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
前記電解質組成物としては、前記アニオンの1種又は2種以上と前記カチオンの1種又は2種以上とが組み合われてなる溶媒に、酸化還元種を加えたもの等の液体電解質組成物、又は、高分子ゲル電解質等の擬固体化電解質組成物などが用いられ得る。前記酸化還元種としては、色素増感型太陽電池において一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、LiI、NaI、KI、CaI2等の金属ヨウ化物とヨウ素との組み合わせ、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2等の金属臭化物と臭素との組み合わせ、ヨウ化物イオンの塩とヨウ素との組み合わせ、臭化物イオンの塩と臭素との組み合わせ等が挙げられ、なかでも、テトラプロピルアンモニウムヨウ素塩などのヨウ化物イオンの塩とヨウ素との組み合わせが好ましい。
なお、前記電解質組成物は、前記ピロリジニウム塩以外の電解質の配合量が、20重量%未満であることが好ましく、10重量%未満であることがより好ましい。
前記酸化亜鉛層4は、酸化亜鉛(ZnO)で形成されてなる。前記酸化亜鉛層は、電析等により調製が可能であり、一般的に、透明性を有する薄層として形成させやすいものである。
前記酸化亜鉛層4の酸化亜鉛の形態としては、例えば、微粒子状、表面および内部に微細な多数の空隙を有する膜状などが挙げられる。
前記酸化亜鉛層4の層厚は、特に限定されるものではないが、透過性を良好にできる、又は光電変換効率を良好にできるなどの点で、0.5〜50μm程度が好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましい。また、前記電解質組成物が前記酸化亜鉛層4の内部に十分浸透できるという点で、空隙率は10〜80%であることが好ましい。なお、該空隙率は、層重量および層厚を測定し、酸化亜鉛の比重で除することにより算出するものである。
前記酸化亜鉛が微粒子状である前記酸化亜鉛層4においては、酸化亜鉛の微粒子としては、適当な平均粒径、例えば1〜100nm程度の平均粒径を有する微粒子が挙げられる。また、前記酸化亜鉛層4においては、粒径の異なる粒子が存在できる。なお、前記平均粒径は、試料表面に大きさのわかった分子やイオンを吸着させて、その量から試料の比表面積を測定するBET法を利用して測定した平均粒径である。
前記酸化亜鉛が膜状である前記酸化亜鉛層4においては、比表面積が、2〜200m2/g程度であることが好ましい。なお、該比表面積は上記BET法により測定するものである。
前記酸化亜鉛層4に担持されている増感色素としては、特に限定されるものではないが、例えば、ルテニウムビピリジウム錯体、キサンテン系色素、メロシアニン色素、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。
前記封止剤3の原料としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、フォスファーゼン系樹脂等が挙げられる。前記封止剤3の原料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また、前記電解質組成物を封止するための電解質用封止剤3aの原料と前記セルを封止するためのセル用封止剤3bとの原料は、同じ原料であっても良く、又、異なる原料であっても良い。
前記硬化セル用封止剤3bの層の厚さは、最も薄い部分で1〜30mmであることが好ましく、3〜10mmであることがより好ましい。
次に、本実施形態の色素増感型太陽電池の製造方法を説明する。
本実施形態の色素増感型太陽電池は、上述した原料、材料等を用いて従来公知の一般的な方法によって製造できる。具体的には、本実施形態の色素増感型太陽電池の製造方法のうち、前記酸化亜鉛層4の作製及び前記セルの封止については、例えば、以下の方法によって実施できる。
前記電極板の電極2上に前記酸化亜鉛層4を形成する方法としては、特に限定されず、種々の公知の方法が挙げられる。具体的には、電気化学的な酸化還元反応を利用して成膜する方法、スクリーン印刷法やインクジェット法などにより酸化亜鉛微粒子を含有するペーストを前記電極板の電極2上に塗布した後焼成する方法、ゾル−ゲル法による方法などが挙げられる。
ここで、前記酸化亜鉛層4の作製において、電気化学的な酸化還元反応を利用して成膜する方法についてさらに詳しく説明する。
電気化学的な酸化還元反応により酸化亜鉛層4を形成する方法としては、前記電極板の存在下、亜鉛塩を含む電解質中で電解析出を実施して酸化亜鉛薄膜を電極板表面に形成させる方法を例示することができる。
より詳しくは、前記酸化亜鉛層4を形成させる電解析出は、前記電極板の存在下、亜鉛塩を含む電解浴中で行われる。亜鉛塩としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硝酸亜鉛、過塩素酸亜鉛などを用いることができる。亜鉛塩を用いる場合の対極としては、亜鉛、金、白金、銀などを用いることができる。この電解析出は、前記酸化亜鉛層4に酸化亜鉛の規則的薄膜構造を形成させ得る。
次に、前記酸化亜鉛層4の作製において、酸化亜鉛の微粒子を含有するペーストを前記電極板の電極2上に塗布した後、焼成する方法についてさらに詳しく説明する。なお、この方法では、通常、焼成温度に耐え得る耐熱性を有する基板が用いられる。
まず、前記酸化亜鉛層4を形成させるためのペーストを調整する。前記ペーストは、酸化亜鉛の微粒子と分散媒とを混合することにより調製できる。前記分散媒としては、水または有機溶媒を用いることができる。
前記ペーストの塗布は、従来から塗布加工に際し慣用されているドクターブレード法、スキージ法、ローラ法、ディッブ法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法などの方法を採用して行うことができる。また、汎用機によるスピン法やスプレー法を採用してもよく、凸版、オフセットおよびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷のような湿式印刷を採用してもよい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択することができる。
前記ペーストを塗設した後は、前記基板がガラスなどの耐熱性を有するものでなる場合、常法による乾燥および焼成を実施して前記酸化亜鉛層4を形成させることができる。なお、乾燥と焼成とは、同時に実施してもよく、別工程で行なってもよい。前記焼成は、100〜500℃で5〜200分間実施するものであることが好ましい。
なお、前記酸化亜鉛層4に前記増感色素を担持させる方法としては、例えば基板上に形成された前記酸化亜鉛層4を、前記増感色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が挙げられる。前記増感色素の溶液の溶媒には、前記増感色素を溶解させるものを用いることができ、例えばエタノール、ターシャリーブタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類、水などが挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることができる。用いる前記増感色素および溶媒の種類は適宜調整することができる。
続いて、前記セルの封止について説明する。前記セル用封止剤3bによるセルの封止は、キャスティング(レジンキャスト)、ディッピング、塗装等によって実施できる。
具体的には、前記セルの封止は、成形型中にセルが沈まない程度の硬さに調整されたセル用封止剤を所定量(満量ではない)注入し、充填されたセル用封止剤上にセルを載置し、更に、その上からセル封止剤を注入して硬化させることによって実施できる。また、成形体へのセル用封止剤3bの注入には、真空注型法、重力注型法等を採用することができる。
尚、斯かるセルの封止は、前記セルが封止された成形体から前記導線8がそれぞれ露出するように、具体的には、前記成形体の表面側の層であるセル用封止剤3bの硬化した硬化セル用封止剤3b層から前記導線8がそれぞれ露出するようにして実施できる。
本発明は、上記例示の色素増感型太陽電池に限定されるものではない。
また、一般の色素増感型太陽電池において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1)
環状ポリオレフィン樹脂の基板(35mm×20mm×2mm)の片面に、インジウム−スズ複合酸化物の電極を厚さ150nmでスパッタ蒸着して電極板を作製した。さらに、電極板に酸化亜鉛を電解析出により積層して酸化亜鉛層を形成させた。
別途、電解質組成物として、0.4Mヨウ素(10.1524%[w/v])と0.5Mテトラプロピルアンモニウムヨウ素塩(15.663%[w/v])とを溶解させた1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液を調製した。この電解質組成物を20mL容積のガラス製サンプル瓶に2mL加えておいた。
作製した電極板を上記ガラス製サンプル瓶に入れて電解質組成物に浸漬し、これを試験用サンプルとした。
(試験例2)
1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの代わりに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用いた点以外は、実施例1と同様にして電解質組成物を作製し、試験用サンプルを調製した。
(試験用サンプルの評価)
試験例1及び試験例2の試験用サンプルについては、次のとおり評価した。高温環境(85℃)の条件下で、試験例1、試験例2のサンプルを暴露させ、168時間後に電解質組成物中の亜鉛の量を測定し、濃度に換算した。
また、上記条件で暴露させなかった電極板については、電極板に積層された酸化亜鉛を酸処理により全て溶解させて全亜鉛量を測定した。
亜鉛量の測定方法の例について、以下にさらに説明する。
<亜鉛量の測定方法の詳細>
原子吸光分光光度計を用いて原子吸光法により、有機溶媒中の溶解Zn量を定量した。原子吸光法による測定条件は以下の通りである。なお、測定時の昇温条件については、表1、即ち、図2の通りとした。
測定機器名 原子吸光分光光度計 商品名「SAS7500A」
(セイコー電子工業社製)
アトマイザ メタル
測定元素 Zn(213.86nm)
スリット幅 1.00nm
昇温条件 STD−Zn
BKG補正 D2
HCL電流 7mA
SR電流 0mA
レスポンス 0.10秒
定量法 検量線
繰り返し測定 3回
Figure 0005198209
1.検量線用指示薬の希釈操作
3ml容サンプル瓶中において、1,000ppmのZn指示薬をアセトニトリルで10倍ずつ段階希釈し、100ppbのZn指示溶液(2ml)を作製する。この際、サンプル瓶に0.1M HClを数滴加え、ZnOの析出を防ぐ。

2.検量線用指示溶液の作製
各種指示溶液は、例えば以下の混合方法で3ml容サンプル瓶中に作製する。
50 ppb Zn指示溶液:アセトニトリル 1.0 ml + 100 ppb Zn指示溶液1.0 ml
20 ppb Zn指示溶液:アセトニトリル 1.6 ml + 100 ppb Zn指示溶液0.4 ml
10 ppb Zn指示溶液:アセトニトリル 1.8 ml + 100 ppb Zn指示溶液0.2 ml
25 ppb Zn指示溶液:アセトニトリル 1.9 ml + 100 ppb Zn指示溶液0.1 ml
0 ppb Zn指示溶液:アセトニトリル 2.0 ml

3.検量線の作成
検量線を作成するための定量結果は、例えば、次の通りとなる。この結果等をもとにして検量線を作成することができる。なお、原子吸光度(ABS)の値は、約0.8以下において信頼性が高い。
Zn濃度(ppb) 原子吸光度(ABS)
0 0.00645
5 0.03238
10 0.08692
20 0.17415
50 0.35330

4.Zn量定量用のサンプルの調製
対象溶媒1.5 mlと35×20×2 mm角セルとが入っている60 mlサンプル瓶に、3 mlのアセトニトリルを加えてセルをよく洗い、セルを取り出す。その後、ZnOの析出を防ぐために0.1 M HClを0.5 ml加えてよく撹拌する。そして、アセトニトリルを40 ml加える(30倍希釈となる)。これを各サンプルの測定原液とする。

5.Zn量定量用のサンプルの希釈
測定の際、段階希釈したサンプル(3段階程度)を用意する(例:30倍、300倍、3,000倍希釈サンプルなど)。希釈率の高いサンプルから測定し、ABS = 0.01000〜0.80000に収まるデータを信頼できる値とする。
試験例1及び試験例2のサンプルにおける、溶解した亜鉛量の評価結果を図3に示す。
図3に示すように、試験例1のサンプルにおいては、試験例2のサンプルにおけるよりも溶解した亜鉛量が少なかった。
(実施例1)
環状ポリオレフィン樹脂の基板(65mm×50mm×2mm)の片面に、インジウム−スズ複合酸化物の電極を厚さ150nmでスパッタ蒸着して電極板(2枚)を作製した。さらに、一方の電極板に酸化亜鉛を電解析出により積層して酸化亜鉛層を形成させた。その後、アセトニトリル・ターシャリーブチルアルコール(1:1)混合液に有機系色素(D102 インドリン系色素)を0.5mM溶解させた溶液を作製し、酸化亜鉛層を25℃、1時間浸漬させて、酸化亜鉛層に有機系色素を担持させた。また、もう一方の電極板に白金を50nmでスパッタ蒸着して白金触媒層を形成した。
別途、電解質組成物として、0.4Mヨウ素(10.1524%[w/v])と0.5Mテトラプロピルアンモニウムヨウ素塩(15.663%[w/v])とを1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(比重1.35)に溶解させた1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液を調製した。
作製した電極板の電極が内側となるように配した一対の電極板を電解質用封止剤であるアクリレート系UV硬化型封止剤を用いて封止した。その後、白金を積層した電極板に直径1.5mmの穴を開け、上述の電解質組成物を注入後、上記と同じ封止剤を用いて封止し、65mm×65mm×4mmの色素増感型太陽電池セルを作製した。
(比較例1)
1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの代わりに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用いた点以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池セルを作製した。
(光電変換効率の経時的変化の評価)
実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の評価については、次のとおり実施した。即ち、高温環境(85℃)の条件下で、ソーラーシミュレータによって実施例1、比較例1の色素増感型太陽電池を擬似太陽光に暴露し、経時的に電池特性を測定し、光電変換効率を導出した。
<光電変換効率の測定機器の詳細>
ソーラーシミュレータ:「ソーラーシミュレータESS-150XIL」(2kw、キセノン)
照射強度測定器 :ソーラーシミュレータ用「回析格子型分光放射計 LS-100」
I-Vカーブトレーサー :太陽電池評価装置 「I-Vカーブトレーサー MP-160」
(全て、英弘精機社製)
<光電変換効率の測定の詳細>
ソーラーシミュレータについては、基準光量100mW/cm2、AM-1.5の条件で光源の照射強度を調整した。そして、各サンプルについて、I-Vカーブトレーサーを用いてJIS C8912及びJIS C8913に基づき、光電変換効率を測定した(有効太陽電池面積:12.25cm2)。
実施例1及び比較例1における、試験開始時を100%とした光電変換効率保持率の経時的変化を図4に示す。
図4から認識できるように、電解質組成物に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用いた場合、光電変換効率保持率が96時間で60%を下回ったのに対して、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用いた場合には、380時間まで光電変換効率保持率60%を維持した。この結果より、本実施形態の色素増感型太陽電池は、光電変換効率の耐久性が優れていることが認識できる。
一実施形態における色素増感型太陽電池の断面図。 原子吸光分光光度計によるZn量測定における昇温条件を表す図。 溶解した亜鉛量を表す図。 光電変換効率保持率の経時的変化を表す図。
符号の説明
1 色素増感型太陽電池
2 電極
3 封止剤
4 酸化亜鉛層
5 基板
6 電解質層

Claims (2)

  1. 電極間に配され電解質組成物を含む電解質層と、前記電極の一方の内側に配された酸化亜鉛層とが備えられた色素増感型太陽電池であって、
    前記電解質組成物が、下記式(1)で表される1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩を含有していることを特徴とする色素増感型太陽電池。
    Figure 0005198209
  2. 前記1−メチル−1−アルキルピロリジニウム塩が、1−メチル−1−プロピルピロリ
    ジニウム塩である請求項記載の色素増感型太陽電池。
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