JP2007299671A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明電極の材質をITOとし、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合であっても、金属酸化物半導体多孔質層が剥離することがなく、長期間に渡って安定した性能を維持することが可能な色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 基板上にITOからなる透明電極及び金属酸化物半導体多孔質層が積層された光電極と、正電極との間に、電解質液を有する色素増感太陽電池であって、前記電解質液は、イオン性液体を含有し、かつ、pHが4以上である色素増感太陽電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明電極の材質をITOとし、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合であっても、金属酸化物半導体多孔質層が剥離することがなく、長期間に渡って安定した性能を維持することが可能な色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は、身近な材料である金属酸化物半導体多孔膜を利用した太陽電池であり、シリコン太陽電池に比べて、高価な材料やプロセスを必要とせず、安価な太陽電池を実現できるデバイスとして実用化が期待されている。
色素増感太陽電池は、通常、透明電極基板に金属酸化物半導体多孔質層を形成し色素を担持させた光電極と、基板に導電層を形成した正電極とを電解質液等からなる電解質層を介して挟み込んだ構成となっている。
このような色素増感太陽電池の基本原理は、特許文献1に開示されているように、以下の通りである。まず、色素増感太陽電池に光が照射されると、金属酸化物半導体多孔質層表面に吸着された増感色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起され、電子が半導体へ渡される。これにより、光電極側で電子が発生し、この電子が電気回路を通じて、正電極に移動する。そして、正電極に移動した電子は、電解質液を通じて光電極に戻る。このような過程が繰り返されることで、電気エネルギーが生じ、高い光電変換効率が実現されている。
従来より、光電極を構成する透明電極の材料としては、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化錫)、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、酸化錫、酸化亜鉛等が用いられている。このうち、FTOからなる膜は、耐薬品性に優れ、電解質液の影響を受けにくいものの、通常、熱CVD法や金属塩溶液の塗布分解法等の高温製膜法によって形成されるため、耐熱性の低い樹脂製の基板を用いる場合は使用することが難しかった。
これに対して、ITO膜は、耐熱性が低い樹脂フィルム基板にも、スパッタリングや真空蒸着等の方法で形成可能なことから、透明電極の材料として広く用いられている。
一方、色素増感太陽電池の電解質液に使用される溶媒としては、アセトニトリル、プロピレンカルボナート等の有機溶剤が従来より用いられているが、有機溶剤は揮発性が高いため、長期間の使用によって電解質液の組成が変化して、色素増感太陽電池の性能が低下したり、引火したりする等の問題があった。
これに対して、近年、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いる試みが行われている。イオン性液体は、蒸気圧が極めて低く、室温では実質的に殆ど蒸発せず、一般的な有機溶媒のように揮発や引火の心配がないことから、揮発によるセル特性の低下を抑制することができる。
しかしながら、透明電極としてITO膜を有する樹脂フィルム基板に、酸化チタン等の金属酸化物半導体多孔質層を形成する場合は、金属酸化物の焼成温度を樹脂フィルム基板の耐熱温度以下にする必要があることから、金属酸化物のネッキングが起こらず、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性が低下するため、特に、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合、金属酸化物半導体多孔質層の剥離が発生して、色素増感太陽電池の性能が大きく低下することがあった。
特許第2664194号公報
本発明は、透明電極の材質をITOとし、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合であっても、金属酸化物半導体多孔質層が剥離することがなく、長期間に渡って安定した性能を維持することが可能な色素増感太陽電池を提供する。
本発明は、基板上にITOからなる透明電極及び金属酸化物半導体多孔質層が積層された光電極と、正電極との間に、電解質液を有する色素増感太陽電池であって、前記電解質液は、イオン性液体を含有し、かつ、pHが4以上である色素増感太陽電池である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは鋭意検討した結果、色素増感太陽電池の透明電極としてITO膜、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いる場合において、イオン性液体の酸性度が、金属酸化物半導体多孔質層と透明電極との密着性に大きく影響することを見出した。そして、本発明者らは更に鋭意検討した結果、イオン性液体を用いた電解質液のpHを所定の数値以上とすることにより、ITOからなる透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性が低下せず、金属酸化物半導体多孔質層の剥離を防止できることから、長期間に渡って安定した性能を維持することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の色素増感太陽電池は、基板上にITOからなる透明電極及び金属酸化物半導体多孔質層が積層された光電極と、正電極との間に、電解質液を有する。
透明電極の材質としてITO、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との界面部分のITOが浸食されることにより、金属酸化物半導体多孔質層の剥離が起こりやすくなるが、本発明では、上記電解質液のpHを4以上とすることで、ITOからなる透明電極の浸食を防止して、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能となる。
本発明の色素増感太陽電池では、上記電解質液は、液体状であってもよく、電解質液をゲル化剤によって半固体化したものであってもよい。上記電解質液としては、電子、ホール、イオン等を輸送できる物質であれば特に限定されない。
本発明の色素増感太陽電池では、上記電解質液の溶媒として、イオン性液体を用いる。
上記イオン性液体とは、常温で液体状態である正負イオンの塩のこという。
上記イオン性液体は、蒸気圧が極めて低く、室温では実質的に殆ど蒸発しないことから、有機溶剤のように、揮発によって電解質液の組成が変化して、セル特性が低下したり、封止材を腐食して電解質液の漏出したりする等の問題がない。また、上記イオン性液体は低粘度であることから、電解質液の溶媒として好適に用いることができる。
上記イオン性液体としては、例えば、カチオンが、1−メチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクタデシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム系;1−メチル−ピリジウム、1−ブチル−ピリジウム、1−ヘキシル−ピリジウム等のピリジウム系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系であるもの、アニオンが、臭素イオン、塩素イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、トリフルオロアセテート等のフッ素系であるもの等が挙げられる。これらのなかでは、カチオンがイミダゾリウム系、アニオンがフッ素系の塩が好ましい。
上記電解質液に用いられる電解質としては、例えば、ヨウ素/ヨウ化物、臭素/臭化物等の酸化還元電解質、CuI、CuSCN、NiO、CuO、KI等のp型半導体固体ホール輸送材料等が挙げられる。これらの中では、嵩高く、金属酸化物半導体多孔質層に吸着させた色素が脱離しにくいことから、ヨウ素とヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム、TPAI(テトラプロピルアンモニウムヨージド)等の金属ヨウ化物との組み合わせや、臭素と臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム等の金属臭化物との組み合わせが好ましく、ヨウ素/ヨウ化リチウムが特に好ましい。
上記電解質液には、イオン伝導性を補完するため、ヨウ素をアニオンとするヨウ化物溶融塩を添加してもよい。上記ヨウ化物溶融塩としては、例えば、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイド、1−メチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオダイド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオダイド等が挙げられる。
上記電解質液には、開放電圧を向上させることを目的としてピリジン系化合物を添加してもよい。上記ピリジン系化合物としては、例えば、ピリジン、ピリタジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、tert−ブチルピリジン等が挙げられる。これらのなかでは、tert−ブチルピリジンが好ましい。
上述した電解質、ヨウ化物溶融塩及びピリジン系化合物の組み合わせとしては特に限定されないが、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイド及びtert−ブチルピリジンの組み合わせが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池では、上記電解質液のpHの下限は4である。
pHが4未満であると、酸性が強すぎ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性が低下して、金属酸化物半導体多孔質層の剥離が発生する。
なお、上記電解質液のpHの好ましい上限は9である。pHが9を超えると、金属酸化物半導体多孔質層中の有機バインダーを溶解する可能性があり、膜の剥離につながることがある。
上記電解質液のpHは、例えば、pHメータ、pH試験紙等を用いて測定することができる。
上記電解質液のpHを4以上に調整する方法としては特に限定されないが、上記電解質液に、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイド及びtert−ブチルピリジンを添加する場合、ヨウ素及び1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイドは、電解質液のpHにあまり影響を及ぼさないことから、ヨウ化リチウム及びtert−ブチルピリジンの添加量を増減することで、電解質液のpHを調整することが可能となる。ヨウ化リチウムは酸性に電離しやすく、tert−ブチルピリジンは塩基性に電離しやすい。従って、ヨウ化リチウム及びtert−ブチルピリジンの組成から、電解質液のpHを下記(1)式によって概算することができ、最終的に得られる電解質液のpHを調整することが可能となる。
Figure 2007299671
式(1)中、Yは電解質液のpH;X1はヨウ化リチウムのモル数;X2はtert−ブチルピリジンのモル数;A、B、C及びDは使用するイオン性液体によって決定される係数を表す。
本発明の色素増感太陽電池は、ITOからなる透明電極上に金属酸化物半導体多孔質層を有する光電極を有する。
上記光電極に用いる基板としては、透明なものであれば特に限定されず、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム基板等を用いることができる。
上記樹脂フィルム基板としては、入射する光を妨げず、適度の強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン等の耐熱性を有する透明性樹脂からものが挙げられる。
上記樹脂フィルム基板の厚みの好ましい下限は100μm、好ましい上限は3mmである。厚みを上記範囲内とすることで、適当なハンドリング性、剛性及び柔軟性をもたせることが可能となる。
上記光電極は、ITOからなる透明電極を有する。上記ITOは抵抗率が小さく安定であり、透明性が高いという性質を有する。また、ITOからなる透明電極は、スパッタリングや真空蒸着等の方法で形成可能なことから、特に、光電極の基板として樹脂フィルムを使用する場合に好適に用いることができる。
上記光電極には、上記ITOからなる透明電極上に金属酸化物半導体多孔質層が積層されている。
上記金属酸化物半導体多孔質層を構成する金属酸化物としては、例えば、n型の半導体性を示すTiO、ZnO、SnO、WO等の金属酸化物半導体等が挙げられる。これらのなかでは、TiO、ZnOが好ましい。
上記金属酸化物半導体多孔質層の膜厚の好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。1μm未満であると、色素担持量が少なくなるとともに、得られる色素増感太陽電池の光電変換特性も低下することがあり、20μmを超えても、金属酸化物半導体多孔質層中の電子の拡散長が限られているために光電変換特性向上に寄与せず、逆に電解質液の金属酸化物半導体多孔質層への浸入が困難になることから光電変換特性が低下することがある。
上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させることにより、光照射によって起電力を発生させる色素増感太陽電池用の光電極として用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池に用いる色素としては、光エネルギーにより生じた電子を金属酸化物半導体多孔質層に送る機能を有するものであれば特に限定されないが、上記金属酸化物半導体多孔質層と強固に吸着させるための官能基を有するものが好ましい。上記官能基としては例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等が挙げられる。
具体的には、ルテニウム金属錯体系色素や各種の有機色素を使用することができ、例えば、エオシンY、フルオレセイン、エリスロシンB、フロキシンB、ローズベンガル、フルオレクソン、マーキュロクロム、ジブロモフルオレセイン、ピロガロールレッド等のキサンテン系色素;クマリン343等のクマリン系色素;ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、フェノールフタレイン等のトリフェニルメタン系色素;シアニン系色素、メロシアニン系色素、インジゴ系色素、オキソノール系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、スクアリリウム系色素、ペリレンテトラカルボン酸誘導体;Ru、Os等のポリピリジン錯体;アントシアニン、クチナシ色素、ウコン色素、ベニバナ色素、カロテノイド色素、コチニール色素、パプリカ色素等の天然色素等が挙げられる。
上記正電極としては特に限定されず、例えば、上記光電極と同様の樹脂フィルム基板に、透明電極と白金触媒層とをこの順に積層したものを用いることができる。
なお、上記正電極の基板及び電極には、光電極に使用する樹脂フィルム基板や透明導電層と異なり、必ずしも透明性は必要とされないので、ニッケル、チタン、タングステン等の耐食性のある金属や、カーボン、グラファイト等の炭素材料を用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池は、例えば、光電極を作製した後、電解質液を光電極の金属酸化物半導体多孔質層上に塗工し、電解質層を形成した後、正電極を積層する方法や、光電極と電解質液注入口を有する正電極とを積層した後、上記電解質溶液注入口から電解質液を注入する方法等により製造することができる。
上記光電極を作製する方法としては特に限定されず、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により、樹脂フィルム基板にITOからなる透明電極を形成した後、上記透明導電層上に金属酸化物半導体多孔質層を形成し、更に、上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させる方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、金属酸化物半導体粒子を水等の溶媒に分散させた溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成する塗布法;所望の金属のアルコキシド化合物や塩化物を含有するアルコール溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成するゾル−ゲル法;金属塩を含む電解質溶液中に透明電極基板を浸漬し、電気化学的に透明電極基板上に金属や金属酸化物の膜を形成する電析法等の方法を用いることができる。
上記塗布法やゾル−ゲル法において、透明電極上に溶液を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法等が挙げられる。
上記電析法は、高温の焼成工程を行うことなく、結晶性の高い金属酸化物半導体多孔質層を得ることが可能であることから、特に樹脂フィルム基板を使用する場合に好適に行うことができる。具体的には例えば、金属塩を含有する電析浴中にテンプレート色素を混合し、作用極に透明電極基板、対向極に亜鉛等の金属を配置し、酸素をバブリングしながら参照電極に対して定電圧を印加する3電極法による方法等を用いることができる。
上記色素を担持させる方法としては、例えば、上記色素を含有する溶液に、上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬した後、乾燥を行う方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬する際の浸漬時間の好ましい下限は5分、好ましい上限は20時間である。5分未満であると、色素溶液が金属酸化物半導体多孔質層の内部まで充分に浸透しないことがあり、20時間を超えると、金属酸化物半導体多孔質層への色素の吸着量が多くなりすぎ、使用後に色素の脱落が発生したり、電解質液の浸透を阻害してセル特性の低下や劣化を招いたりすることがある。
上記色素を含有する溶液に用いる溶媒としては、色素を溶解することができ、基板フィルムを劣化させないものであれば特に限定されず、例えば、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明では、透明電極としてITO、電解質液としてイオン性液体を使用する色素増感太陽電池において、イオン性液体のpHを所定の値以上とすることにより、色素増感太陽電池用光電極の基板として樹脂フィルムを用いる場合であっても、基板と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保し、金属酸化物半導体多孔質層の剥離を抑制できることから、色素増感太陽電池の光電変換特性の低下を防止することが可能となる。
(実施例1)
PETフィルムにITO膜を製膜した透明電極フィルム基板上にマスキングを施し、酸化チタンナノ粒子を水系溶媒に分散させた塗料(昭和電工社製、SP210)をスピンコーター(回転数:1000rpm)を用いて塗布した。次いで、120℃で60分間乾燥、焼成させた後、マスキングを剥離し、10×20mmの矩形パターンからなるチタニア多孔膜を形成した。
このチタニア多孔膜に4.2J/cmの紫外線を10分間照射した後、チタニア多孔膜を形成した基板を、ルテニウム色素N719を3×10−4mol/L、溶媒としてアセトニトリルとt−ブタノールの容積比1:1を含有する色素溶液に浸漬し、一晩保管することにより、チタニア多孔膜の表面に増感色素を担持させ、光電極基板を作製した。
得られた光電極基板と、PETフィルムに透明導電膜であるITO膜と白金膜をスパッタ法で積層した正電極基板と重ねて、チタニア多孔膜の周辺部をアイオノマー樹脂フィルムで熱融着して空セルを作製した。
この空セルに電解質液(ヨウ素0.01mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、tert−ブチルピリジン0.05mol/L、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウムイオダイド(DMP)0.1mol/L、溶媒:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート)を注入し、封止樹脂で注入口を封止して、色素増感太陽電池セルを作製した。なお、電解質液のpHをpHメータ(堀場製作所社製、COMPACT pH METER B−212)で測定したところ、5.9であった。
(実施例2〜5、比較例1〜4)
電解質液の組成を表1の通りとした以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製した。なお、各電解質液のpHを表1に示した。
また、実施例及び比較例に使用した各電解質液のpHをもとに、重回帰分析を行い、上述した(1)式の偏回帰係数A、B及びCを求めたところ、下記(2)式が得られた。
実施例及び比較例で用いた各電解質液のpHの実測値と下記(2)式による計算値との対比を表2に示す。表2に示すように、各電解質における実測値と計算値とは非常に近似しており、下記(2)式を用いることで、ヨウ化リチウム及びtert−ブチルピリジンの濃度から、得られる電解質液のpHを概算することが可能となることが分かる。
Figure 2007299671
(評価)
(1)チタニア多孔膜の剥離
実施例及び比較例で得られた色素増感太陽電池について、24時間保管した後にチタニア多孔膜の剥離状態を目視にて観察した。チタニア多孔膜が剥離しない場合を○、チタニア多孔膜が剥離した場合を×とした。
(2)光電変換特性
実施例1及び比較例1で得られた色素増感太陽電池セルについて、光源強度が1SUN(100mW/cm)であるソーラーシミュレータ(英弘精機社製、ESS−50A、カーブトレーサ MP−160)を用い、光電変換効率を測定した。
Figure 2007299671
Figure 2007299671
表1に示すように、実施例1〜5で得られた色素増感太陽電池セルは、チタニア多孔膜の剥離が起こっておらず、特に、実施例1〜4で得られた色素増感太陽電池セルは、耐久性がよく、安定した性能が得られる。これに対して、比較例1〜4で得られた色素増感太陽電池セルは、チタニア多孔膜の剥離に起因すると見られる光電変換特性の低下が見られた。
本発明によれば、透明電極の材質をITOとし、電解質液の溶媒としてイオン性液体を用いた場合であっても、金属酸化物半導体多孔質層が剥離することがなく、長期間に渡って安定した性能を維持することが可能な色素増感太陽電池を提供できる。

Claims (2)

  1. 基板上にITOからなる透明電極及び金属酸化物半導体多孔質層が積層された光電極と、正電極との間に、電解質液を有する色素増感太陽電池であって、
    前記電解質液は、イオン性液体を含有し、かつ、pHが4以上である
    ことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 基板は、樹脂フィルム基板であることを特徴とする色素増感太陽電池。
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