JP5713853B2 - 電解液及び光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電解液及び光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池の高温における耐久性向上のために、電解液に高沸点溶媒を用いる検討がなされている。特に、色素増感太陽電池モジュールを屋外に設置する場合には、夏場の晴天時に表面の温度が80℃以上の高温になる可能性がある点から、高温における耐久性が要求されている。沸点が200℃以上の溶媒を電解液に使用すれば、色素増感太陽電池の80℃以上の高温での耐久性向上が期待できる。
色素増感太陽電池の電解液としての高沸点溶媒の応用例としては、例えば、γ−ブチロラクトン(特許文献1)が知られている。
特開2010−67086号公報
上述のγ−ブチロラクトンの沸点は204℃と高いが、耐酸化還元性が低く、容易に加水分解して、γ−ヒドロキシ酪酸になるため、色素増感太陽電池の電解液の溶媒として使用した場合、耐久性が十分とはいえない。
一方逆に、冬場には低温となるため、高融点溶媒を使用した場合には、溶媒が凝固して色素増感太陽電池として機能しなくなる恐れがある。
これらの理由から、低温においても凝固しないため作動でき、且つ、高温耐久性を有する(つまり長時間経過後の光電変換効率に優れる)光電変換素子が得られる電解液を提供することを本発明の目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、高沸点溶媒として1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒を用いれば、低温において凝固しないとともに、高温耐久性に優れることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.1−メチル−2−ピロリドン及び3−メチル−2-オキサゾリドンを含む溶媒を含有する電解液。
項2.融点が0℃以下である、項1に記載の電解液。
項3.1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2-オキサゾリドンとの混合比率が、容量比で1:99〜99:1である、項1又は2に記載の電解液。
項4.3−メチル−2-オキサゾリドンの含有量が、0.11〜11.60モル/リットルである、項1〜3のいずれかに記載の電解液。
項5.さらに、電解質として、ヨウ素、並びにヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを含有する、項1〜4のいずれかに記載の電解液。
項6.ヨウ素の含有量が、0.01〜0.5モル/リットルである、項5に記載の電解液。
項7.ヨウ化リチウムの含有量が、0.01〜0.5モル/リットルである、項5又は6に記載の電解液。
項8.ヨウ化4級アンモニウムの含有量が、0.1〜2.0モル/リットルである、項5〜7のいずれかに記載の電解液。
項9.さらに、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、項1〜8のいずれかに記載の電解液。
項10.前記塩基性物質を0.01〜1.0モル/リットル含有する、項9に記載の電解液。
項11.項1〜10のいずれかに記載の電解液を用いて得られる光電変換素子。
項12.項11に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
本発明の電解液を光電変換素子に用いれば、低温においても凝固しないため作動でき、且つ、高温における耐久性を向上させることができる。
1.電解液
<溶媒>
本発明の電解液は、1−メチル−2−ピロリドン及び3−メチル−2−オキサゾリドンを含む溶媒を含有する。このように、特定の2種の溶媒を混合することで、沸点を200℃以上とするとともに誘電率を向上させることができるため、高温耐久性を向上させることができる。また、融点(凝固点)を0℃以下とし、冬場の低温でも作動できるようにできる。さらに、粘度を3.0mPa・s以下として小さくしてヨウ化物イオン(I)及び三ヨウ化物イオン(I )の拡散速度を向上させて、短絡電流密度(Jsc)を高くして、高い光電変換効率を発現させることもできる。
1−メチル−2-ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合比率は、容量比で1:99〜99:1が好ましく、3:97〜97:3がより好ましく、5:95〜95:5がさらに好ましく、7:93〜93:7が特に好ましい。この範囲とすることで、特に、低温動作性及び高温耐久性をよりバランスよく向上させることができる。
なお、本発明の電解液において、1−メチル−2−ピロリドンの含有量は、0.10〜10.30モル/リットル、特に0.72〜9.67モル/リットルが好ましい。この範囲とすることで、特に、低温動作性及び高温耐久性をよりバランスよく向上させることができる。
また、3−メチル−2−オキサゾリドンの含有量は、0.11〜11.60モル/リットル、特に0.81〜10.86モル/リットルが好ましい。この範囲とすることで、特に、低温動作性及び高温耐久性をよりバランスよく向上させることができる。
なお、溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドン及び3−メチル−2−オキサゾリドンに加えて第三成分の有機溶媒を混合することも可能である。第三成分の有機溶媒を混合する場合は、沸点が200℃以上、融点が0℃以下、25℃における粘度が3.0mPa・s以下となるように調整することが好ましい。第三成分の有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。また、第三成分の有機溶媒の使用量は、混合溶媒全体の10容量%以下とすることが好ましい。
<電解質>
本発明の電解液においては、電解質としては、特に制限はない。具体的には、ヨウ素、並びにヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを含むことが好ましい。特に、ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化4級アンモニウムを全て使用することが好ましい。
ヨウ素、並びにヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを使用する場合、ヨウ素と、ヨウ化リチウム及びヨウ化4級アンモニウムは、本発明の電解液中で酸化還元対であるI/I を形成する(I存在下にIを添加することでI が生成する)。なお、ヨウ化リチウムの添加により生成するリチウムイオンは、色素増感太陽電池のチタニア負極等に用いられる多孔質チタニアに吸着する。そのため、チタニア伝導帯をより下げて色素からチタニアへの電子注入速度をより向上させることも可能である。また、チタニアに注入された電子の輸送をより促進させ、短絡電流密度をより向上させ、光電変換効率をより向上させることも可能である。
ヨウ化4級アンモニウムとしては、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化1,3−ジアルキルイミダゾリウム、ヨウ化1−アルキルピリジニウム、ヨウ化1,1−ジアルキルピロリジニウム等(これらの化合物において、アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基等が挙げられる)が使用できる。
濃度
各々の電解質の濃度としては、より充分な光電変換効率を得る観点から、ヨウ化物イオンIの供給源としてはヨウ化4級アンモニウムを主成分とするのが好ましい。
各成分の具体的な濃度としては、ヨウ化物イオン(I)と三ヨウ化物イオン(I )の拡散速度をより向上させ、より色素が光励起しやすくすることで、短絡電流密度をより向上させ、光電変換効率をより向上させる観点から、ヨウ素は0.01〜0.5モル/リットル程度が好ましい。また、ヨウ化リチウムは0.01〜0.5モル/リットル程度が好ましい。さらに、ヨウ化4級アンモニウムは0.1〜2.0モル/リットル程度が好ましい。
その他の成分
本発明の電解液には、上記した成分以外にも、塩基性物質、例えば、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾール等を含有させることもできる。これらの塩基性物質を含有させれば、光電変換素子を作製した際に、チタニア電極のチタニア表面に吸着することで、チタニア電極からの逆電子移動をより防ぐことができ、開放電圧をより向上させるとともに、光電変換効率をより向上させることができる。
このように光電変換効率をより向上させるとともに、チタニアに吸着した色素がより脱離しにくくする観点から、塩基性物質の添加量は、0.1〜1.0モル/リットル程度、特に0.3〜0.8モル/リットル程度が好ましい。
他にも、本発明の電解液には、上述のヨウ化リチウムと同様に、チタニアの伝導帯をより下げて色素からチタニアへの電子注入速度をより向上させることができるグアニジンチオシアネート等も添加することができる。この場合、これらの添加量は、0.01〜1.0モル/リットル程度、特に0.05〜0.5モル/リットル程度とすればよい。
なお、本発明の電解液においては、上記成分以外にも、粘度調整剤(ポリエチレングリコール等)、脱水剤(ゼオライト、シリカゲル等)等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませることも可能である。
2.光電変換素子及び色素増感太陽電池
本発明の光電変換素子は、本発明の電解液を用いたものであれば特に制限はないが、例えば、チタニア電極の多孔質チタニア膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を本発明の電解液で満たすことにより得ることができる。
上記チタニア電極は、例えば、樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア膜が形成されている。
多孔質チタニア膜に使用されるチタニアとしては、例えば、公知又は市販のチタニアナノ粒子;公知又は市販のチタニアナノチューブ;チタニアナノロッド;チタニアナノファイバー;チタニアナノ粒子のチューブ状集合体(特開2010−24132号公報等)等を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、「チタニア」とは、二酸化チタンのみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。
樹脂基板としては、導電性の樹脂基板であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよく、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用すればよい。
本発明では、多孔質チタニア膜は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア被膜を形成する方法としては、特に制限されるわけではないが、例えば、上述したチタニアを含む被膜形成用組成物を作製し、樹脂基板又はガラス基板上に当該被膜形成用組成物を塗布及び乾燥させればよい。また、乾燥させた後、得られた被膜に、必要に応じて加熱処理を施して焼成させてもよい。
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用すればよい。
また、乾燥条件及び焼成条件は特に制限はなく、乾燥温度を60〜250℃程度、焼成温度を250〜800℃程度とすればよい。
多孔質チタニア膜の作製に当たっては、得られる膜の膜厚が0.5〜50μm程度となるように塗布すればよい。
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明では、対極を形成する前に、前記チタニア電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、多孔質チタニア膜に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、チタニアの光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質チタニア被膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属ポルフィリン、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、ポリエン系色素、インドリン系色素、カルバゾール系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を多孔質チタニア膜に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質チタニア膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。また、多孔質チタニア膜を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜10mmol/L程度である。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、会合防止剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、多孔質酸化チタン膜に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、リトコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
[チタニアを含む膜形成用組成物の作製]
チタンイソプロポキシド0.05molに酢酸0.05molを加えて15分撹拌した。蒸留水73mlを加えて1時間撹拌した。さらに濃硝酸1mlを加えて80℃で75分間加熱及び撹拌を行った。蒸留水を加えて全量を93mlとしてチタニアゾル水溶液を得た。このチタニアゾル水溶液40mLを内容積125mlの圧力反応容器に入れて250℃で12時間加熱した。得られた白色沈殿物(チタニア)をエタノールで溶媒置換した後、100mlエタノール分散液とした。これにα−テルピネオール7gとエチルセルロースの10重量%エタノール溶液8.65gを加えて撹拌した。十分に撹拌した後、エバポレータを用いてエタノールを留去してチタニアを含む膜形成用組成物10gを得た。
[チタニア負極の作製]
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(日本板硝子(株)製;4mm厚)にポリエステル製スクリーン印刷版(225メッシュ)を用いて、上記で作製したチタニアを含む膜形成用組成物を、5ミリ角の大きさに膜厚14μmになるまで繰り返しスクリーン印刷を行った。さらに電気炉に入れて500℃にて1時間焼成を行った。
[増感色素の固定]
スイス・ソラロニクス社製のZ−907色素をターシャルブチルアルコールとアセトニトリルの容量比1:1の混合溶媒に0.5ミリモル/リットルの濃度で溶解したものに上記500℃で焼成したチタニア負極を25℃で20時間浸漬して色素を固定した。
[小型セルの組み立て]
色素を固定した上記チタニア負極に、スペーサー兼シール剤として厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルム(デュポン社製バイネル)を用いて、白金をスパッタしたフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(ピルキントン社製;2.2mm厚)を貼り合わせた。その後、後述する実施例1〜5及び比較例1〜3の電解液を注入して封止を行い、光電変換素子を作製した。
[試験例1:小型セルの80℃耐久評価]
作製した小型セルに(株)三永電機製作所製のソーラーシミュレータでAM1.5(JISC8912Aランク)の条件下の100mW/cmの強度の光を照射して上記小型セルの光電変換特性を25℃にて評価した。
これとは別途、作製した小型セルを80℃の乾燥炉に入れて、1000時間保持した。1000時間保持した後、上記の性能評価と同様に、小型セルの光電変換特性を評価した。
[試験例2:0℃における電解液の状態観察]
調製した電解液10mlを容量20mlのサンプル瓶に入れた。0℃で1時間保持した後、液体であるか、固体であるかの状態観察を目視で行った。
なお、後述の実施例1〜5については、使用している溶媒が、沸点204℃、粘度(25℃)1.7mPa・sの1−メチル−2−ピロリドンと沸点270℃、粘度(25℃)2.5mPa・sの3−メチル−2−オキサゾリドンなので、いずれの電解液についても、沸点は200℃以上、粘度(25℃)は3mPa・s以下である。
実施例1
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒(容量比10:90;1−メチル−2−ピロリドンが1.0390モル/リットル、3−メチル−2−オキサゾリドンが10.5045モル/リットル)を使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが15.7mA/cm、開放電圧Vocが0.67V、フィルファクターFFが0.67、光電変換効率が7.0%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が6.3%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
実施例2
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒(容量比30:70;1−メチル−2−ピロリドンが3.1171モル/リットル、3−メチル−2−オキサゾリドンが8.1701モル/リットル)を使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが14.8mA/cm、開放電圧Vocが0.67V、フィルファクターFFが0.66、光電変換効率が6.5%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が5.85%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
実施例3
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒(容量比50:50;1−メチル−2−ピロリドンが5.1952モル/リットル、3−メチル−2−オキサゾリドンが5.8358モル/リットル)を使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが14.1mA/cm、開放電圧Vocが0.68V、フィルファクターFFが0.66、光電変換効率が6.3%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が5.67%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
実施例4
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒(容量比70:30;1−メチル−2−ピロリドンが7.2733モル/リットル、3−メチル−2−オキサゾリドンが3.5015モル/リットル)を使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが13.8mA/cm、開放電圧Vocが0.67V、フィルファクターFFが0.67、光電変換効率が6.2%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が5.58%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
実施例5
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2−オキサゾリドンの混合溶媒(容量比90:10;1−メチル−2−ピロリドンが9.3514モル/リットル、3−メチル−2−オキサゾリドンが1.1672モル/リットル)を使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが13.5mA/cm、開放電圧Vocが0.66V、フィルファクターFFが0.67、光電変換効率が6.0%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が5.4%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
比較例1
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンを単独で使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが12.7mA/cm、開放電圧Vocが0.65V、フィルファクターFFが0.60、光電変換効率が5.0%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が4.5%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
比較例2
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:0.7M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒は3−メチル−2−オキサゾリドンを単独で使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが15.9mA/cm、開放電圧Vocが0.67V、フィルファクターFFが0.66、光電変換効率が7.0%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が6.3%(維持率90%)であった。さらに、試験例2の結果、固体であり、冬場での使用に耐えないものであった。
比較例3
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.15M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:1.8M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
溶媒はγ−ブチロラクトンを単独で使用した。
試験例1の結果、短絡電流密度Jscが17.0mA/cm、開放電圧Vocが0.69V、フィルファクターFFが0.65、光電変換効率が7.6%であった。また、耐久試験後の光電変換効率が3.8%(維持率50%)であった。さらに、試験例2の結果、液体であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005713853

Claims (12)

  1. 1−メチル−2−ピロリドン及び3−メチル−2-オキサゾリドンを含む溶媒を含有する光電変換素子用電解液。
  2. 融点が0℃以下である、請求項1に記載の光電変換素子用電解液。
  3. 1−メチル−2−ピロリドンと3−メチル−2-オキサゾリドンとの混合比率が、容量比で1:99〜99:1である、請求項1又は2に記載の光電変換素子用電解液。
  4. 3−メチル−2-オキサゾリドンの含有量が、0.11〜11.60モル/リットルである、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
  5. さらに、電解質として、ヨウ素、並びにヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
  6. ヨウ素の含有量が、0.01〜0.5モル/リットルである、請求項5に記載の光電変換素子用電解液。
  7. ヨウ化リチウムの含有量が、0.01〜0.5モル/リットルである、請求項5又は6に記載の光電変換素子用電解液。
  8. ヨウ化4級アンモニウムの含有量が、0.1〜2.0モル/リットルである、請求項5〜7のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
  9. さらに、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子用電解液。
  10. 前記塩基性物質を0.01〜1.0モル/リットル含有する、請求項9に記載の光電変換素子用電解液。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子用電解液を用いて得られる光電変換素子。
  12. 請求項11に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
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