JP5773837B2 - 電解液及び光電変換素子 - Google Patents
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Description
一方逆に、冬場には低温となるため、高融点溶媒を使用した場合には、溶媒が凝固することにより、色素増感太陽電池として機能しなくなる恐れがある。
項1.1−メチル−2−ピロリドン、及び構造式(1):
R1−NH−CO−CHR2R3(1)
(式中、R1〜R3は同じか又は異なり、R1は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基;R2及びR3はそれぞれ水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基である。)
で表されるアミド化合物を含有する電解液。
項2.融点が0℃以下である、項1に記載の電解液。
項3.前記構造式(1)において、R1〜R3は同じか又は異なり、R1がCH3又はCH2CH3;R2がH又はCH3;R3がH、CH3又はCH2CH3である、項1又は2に記載の電解液。
項4.前記アミド化合物が、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルブチルアミド、N−メチルイソブチルアミド、N−エチルアセトアミド、N−エチルプロピオンアミド、N−エチルブチルアミド及びN−エチルイソブチルアミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミド化合物である、項1〜3のいずれかに記載の電解液。
項5.1−メチル−2−ピロリドンと前記アミド化合物との混合比率が、容量比で1:99〜99:1である、項1〜4のいずれかに記載の電解液。
項6.さらに、ヨウ素を含有し、且つ、ヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを含有する、項1〜5のいずれかに記載の電解液。
項7.ヨウ素の含有量が、0.01〜0.5mol/Lである、項6に記載の電解液。
項8.ヨウ化リチウムの含有量が、0.01〜0.5mol/Lである、項6又は7に記載の電解液。
項9.ヨウ化4級アンモニウムの含有量が、0.1〜2.0mol/Lである、項6〜8のいずれかに記載の電解液。
項10.さらに、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、項1〜9のいずれかに記載の電解液。
項11.前記塩基性物質を0.01〜1.0mol/L含有する、項10に記載の電解液。
項12.項1〜11のいずれかに記載の電解液を用いて得られる光電変換素子。
項13.項12に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
<溶媒>
本発明の電解液は、1−メチル−2−ピロリドン及び特定のアミド化合物を含有する。
R1−NH−CO−CHR2R3(1)
(式中、R1〜R3は同じか又は異なり、R1は炭素数1〜6のアルキル基;R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
で表されるアミド化合物である。
本発明の電解液においては、電解質としては、特に制限はない。電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、ヨウ化4級アンモニウム化合物等)の組合せ、臭素と臭化物(LiBr、BaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr2等の金属臭化物、臭化4級アンモニウム化合物等)の組合せ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。これらの電解質は混合して用いてもよい。中でも、酸化還元対を形成しやすい点からヨウ素とヨウ化物を含むことが好ましい。具体的には、ヨウ素、並びにヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウム等を含むことが好ましい。これらの電解質は、ヨウ素とヨウ化リチウムを用いてもよいし、ヨウ素とヨウ化4級アンモニウムを用いてもよい。特に、ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化4級アンモニウムを全て使用することが好ましい。
各々の電解質の濃度としては、より充分な光電変換効率を得る観点から、ヨウ化物イオンI−の供給源としてはヨウ化4級アンモニウムを主成分とするのが好ましい。
本発明の電解液には、上記した成分以外にも、塩基性物質、例えば、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾール等を含有させることもできる。これらの塩基性物質を含有させれば、光電変換素子を作製した際に、チタニア電極のチタニア表面に吸着することで、チタニア電極からの逆電子移動をより防ぐことができ、開放電圧をより向上させるとともに、光電変換効率をより向上させることができる。
本発明の光電変換素子は、本発明の電解液を用いたものであれば特に制限はないが、例えば、チタニア電極の多孔質チタニア膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を本発明の電解液で満たすことにより得ることができる。
チタンイソプロポキシド0.05molに酢酸0.05molを加えて15分撹拌した。蒸留水73mLを加えて1時間撹拌した。さらに濃硝酸1mLを加えて80℃で75分間加熱及び撹拌を行った。蒸留水を加えて全量を93mLとしてチタニアゾル水溶液を得た。このチタニアゾル水溶液40mLを内容積125mLの圧力反応容器に入れて250℃で12時間加熱した。得られた白色沈殿物(チタニア)をエタノールで溶媒置換した後、100mLエタノール分散液とした。これにα−テルピネオール7gとエチルセルロースの10重量%エタノール溶液8.65gを加えて撹拌した。十分に撹拌した後、エバポレータを用いてエタノールを留去してチタニアを含む膜形成用組成物10gを得た。
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(日本板硝子(株)製;4mm厚)にポリエステル製スクリーン印刷版(225メッシュ)を用いて、上記で作製したチタニアを含む膜形成用組成物を、5ミリ角の大きさに膜厚14μmになるまで繰り返しスクリーン印刷を行った。さらに電気炉に入れて500℃にて1時間焼成を行った。
スイス・ソラロニクス社製のZ−907色素をターシャルブチルアルコールとアセトニトリルの容量比1:1の混合溶媒に0.5mmol/Lの濃度で溶解したものに上記500℃で焼成したチタニア負極を25℃で20時間浸漬して色素を固定した。
色素を固定した上記チタニア負極に、スペーサー兼シール剤として厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルム(デュポン社製バイネル)を用いて、白金をスパッタしたフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(ピルキントン社製;2.2mm厚)を貼り合わせた。その後、後述する実施例1〜7及び比較例1〜3の電解液を注入して封止を行い、光電変換素子を作製した。
作製した小型セルに(株)三永電機製作所製のソーラーシミュレータでAM1.5(JISC8912Aランク)の条件下の100mW/cm2の強度の光を照射して上記小型セルの光電変換特性を25℃にて評価した。
調製した電解液10mLを容量20mLのサンプル瓶に入れた。0℃で1時間保持した後、液体であるか、固体であるかの状態観察を目視で行った。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルアセトアミドの混合物(容量比50:50を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルプロピオンアミドの混合物(容量比10:90)を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルプロピオンアミドの混合物(容量比30:70)を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルプロピオンアミドの混合物(容量比50:50)を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルプロピオンアミドの混合物(容量比70:30)を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルプロピオンアミドの混合物(容量比90:10)を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンとN−メチルブチルアミドの混合物(容量比50:50を使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒は1−メチル−2−ピロリドンを単独で使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒はγ−ブチロラクトン単独で使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒はN−メチルホルムアミドを単独で使用した。
電解液の組成を以下のようにして、小型セルおよび電解液の評価を行った。
ヨウ素:0.1mol/L
ヨウ化リチウム:0.1mol/L
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:0.7mol/L
4−ターシャルブチルピリジン:0.5mol/L
溶媒はγ−ブチロラクトンとN−メチルホルムアミドの混合物(容量比50:50)を使用した。
Claims (13)
- 1−メチル−2−ピロリドン、及び構造式(1):
R1−NH−CO−CHR2R3(1)
(式中、R1〜R3は同じか又は異なり、R1は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基;R2及びR3はそれぞれ水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基である。)
で表されるアミド化合物を1−メチル−2−ピロリドンと前記アミド化合物との混合比率(容量比)30:70〜99:1で含有する色素増感太陽電池用電解液。 - 1−メチル−2−ピロリドン、及び構造式(1):
R 1 −NH−CO−CHR 2 R 3 (1)
(式中、R 1 〜R 3 は同じか又は異なり、R 1 は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基;R 2 及びR 3 はそれぞれ水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基である。)
で表されるアミド化合物を含有する色素増感太陽電池用電解液であって、
前記アミド化合物が、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルブチルアミド、N−メチルイソブチルアミド、N−エチルアセトアミド、N−エチルプロピオンアミド、N−エチルブチルアミド及びN−エチルイソブチルアミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミド化合物である、色素増感太陽電池用電解液。 - 1−メチル−2−ピロリドンと前記アミド化合物との混合比率が、容量比で1:99〜99:1である、請求項2に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 融点が0℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 前記構造式(1)において、R1〜R3は同じか又は異なり、R1がCH3又はCH2CH3;R2がH又はCH3;R3がH、CH3又はCH2CH3である、請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- さらに、ヨウ素を含有し、且つ、ヨウ化リチウム及び/又はヨウ化4級アンモニウムを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- ヨウ素の含有量が、0.01〜0.5mol/Lである、請求項6に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- ヨウ化リチウムの含有量が、0.01〜0.5mol/Lである、請求項6又は7に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- ヨウ化4級アンモニウムの含有量が、0.1〜2.0mol/Lである、請求項6〜8のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- さらに、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−n−ブチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 前記塩基性物質を0.01〜1.0mol/L含有する、請求項10に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液を用いて得られる光電変換素子。
- 請求項12に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
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