JP2012059686A - 電解液及び光電変換素子 - Google Patents

電解液及び光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2012059686A
JP2012059686A JP2010275804A JP2010275804A JP2012059686A JP 2012059686 A JP2012059686 A JP 2012059686A JP 2010275804 A JP2010275804 A JP 2010275804A JP 2010275804 A JP2010275804 A JP 2010275804A JP 2012059686 A JP2012059686 A JP 2012059686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
mol
iodide
titania
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010275804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5709502B2 (ja
Inventor
Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
Haruo Tomita
晴雄 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2010275804A priority Critical patent/JP5709502B2/ja
Publication of JP2012059686A publication Critical patent/JP2012059686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5709502B2 publication Critical patent/JP5709502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】色素増感太陽電池セルを組み立てたときに充分な光電変換効率を有する電解液を提供することを本発明の目的とする。
【解決手段】ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを含有する電解液。各成分の添加量は、ヨウ素1モルに対して、ヨウ化リチウムが1〜5モル、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムが5〜15モルであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解液及び光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池の電解液の導電性向上のために、イミダゾリウム塩を用いる検討がなされている。対アニオンがヨウ素の場合は、いずれも液体のヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が使用されている。例えば、特許文献1には、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基等のプロトン解離体を有する四級塩電解質を含有することが記載されている。ここで、液体の電解質のみが使用されているのは、粘度の上昇を抑制するためである。
一方、イミダゾリウム塩のなかでも、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムについては、固体であり、電解液に添加すると粘度が上昇すると考えられるため、ヨウ素イオンの拡散速度を低下させないために、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の固体の電解質塩の使用は敬遠されてきた。
特開2003−17148号公報
しかし、上述の液体のヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等を使用した場合には、光電変換効率の向上効果は充分ではない。
さらに、電解液の粘度を下げるために、対アニオンをジシアナミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフルオロアセテート、トリフルオロメタンスルホネート等としたイミダゾリウム塩を用いることも考えられるが、電解液中でヨウ素アニオンとヨウ素以外のアニオンが共存することになるため、色素増感太陽電池セルの安定性、耐久性等の面で問題がある。
これらの理由から、色素増感太陽電池セルを組み立てたときに充分な光電変換効率を有する電解液はいまだ存在しておらず、このような電解液を提供することを本発明の目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、電解液中にヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを含有させることで、課題を解決した。即ち、ヨウ化リチウムの添加効果で短絡電流密度(Jsc)を高くし、さらに、今まで敬遠されてきたヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの添加効果で電解液の導電性を向上させ、色素増感太陽電池セル中の抵抗成分を低くし、フィルファクター(FF)を高くすることで、高い光電変換効率を発現する色素増感太陽電池用電解液の開発に成功した。特に、ヨウ化リチウムとヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとを組合せることで、予想外にも、従来使用されていた液体のイミダゾリウム塩を使用した場合よりも短絡電流密度を高くすることができ、ヨウ化リチウムの添加による短絡電流密度の向上効果以上の効果が得られ、光電変換効率を大幅に向上させることに成功した。本発明は、このような知見に基づき完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを含有する電解液。
項2.ヨウ素1モルに対して、ヨウ化リチウムを1〜5モル、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを5〜15モル含有する、項1に記載の電解液。
項3.さらに、4−ターシャルブチルピリジン及びN−メチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、項1又は2に記載の電解液。
項4.ヨウ素1モルに対して、前記塩基性物質を5〜15モル含有する、項3に記載の電解液。
項5.存在するカウンターアニオンがヨウ素イオンのみである、項1〜4のいずれかに記載の電解液。
項6.さらに、ニトリル化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、エーテル類、アルコール類及びスルホン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、項1〜5のいずれかに記載の電解液。
項7.項1〜6のいずれかに記載の電解液を用いて得られる光電変換素子。
項8.項7に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
本発明の電解液を光電変換素子に用いれば、従来の液体のイミダゾリウム塩を使用した場合と比較し、格段に光電変換効率を向上させることができる。
1.電解液
<電解質>
本発明の電解液は、電解質として、ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを含有する。
ヨウ素及びヨウ化リチウム
ヨウ素とヨウ化リチウムは、本発明の電解液中で酸化還元対であるI/I を形成する。ヨウ化リチウムの添加により生成するリチウムイオンは、例えば、色素増感太陽電池のチタニア負極等に用いられる多孔質チタニアに吸着する。その結果、チタニア伝導帯を下げて色素からチタニアへの電子注入速度を向上させる効果がある。また、チタニアに注入された電子の輸送を促進する効果もある。これにより、短絡電流密度を向上させ、結果的に光電変換効率を向上させることができる。
なお、従来の電解液においては、ヨウ化リチウムの添加量は、短絡電流密度の向上効果を期待し、ヨウ素1モルに対して10モル程度であったが、本発明では、リチウムイオンにより、色素増感太陽電池の開放電圧が低下するのを防ぐため、ヨウ化リチウムの添加量は、ヨウ素1モルに対して、1〜5モル程度、特に2〜4モル程度が好ましい。
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを添加することで、本発明の電解液中の導電性を向上させ、色素増感太陽電池セルを作製した際には該セルの抵抗成分を低くし、フィルファクターを高くし、光電変換効率を向上させることができる。さらに、前述したように、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムをヨウ化リチウムと組合せて使用することで、特に、ヨウ化リチウムの添加による短絡電流密度の向上効果以上の効果が得られ、光電変換効率を大幅に向上させることができる。
なお、後述の実施例においても示されているように、従来から使用されている液体のヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム等を使用した場合には、フィルファクターの改善効果はあるが、短絡電流密度が低下してしまうため、結果的に充分な光電変換効率は得られない。
また、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの添加量を多くしすぎて、本発明の電解液の粘度を上昇させ、ヨウ素イオンの拡散速度を低下させるのを防ぐため、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの添加量は、ヨウ素1モルに対して、5〜15モル程度、特に8〜12モル程度が好ましい。
その他の成分
本発明の電解液には、上記した成分以外にも、塩基性物質、例えば、4−ターシャルブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール等を含有させることもできる。これらの塩基性物質を含有させれば、光電変換素子を作製した際に、チタニア電極のチタニア表面に吸着し、チタニア電極からの逆電子移動を防ぐことができ、開放電圧をより向上させるとともに、光電変換効率をより向上させることができる。
また、チタニアに吸着した増感色素を脱離させないため、塩基性物質の添加量は、金属錯体色素を使用する場合は、ヨウ素1モルに対して、5〜15モル程度、特に8〜12モル程度が好ましい。また、有機色素を使用する場合はヨウ素1モルに対して、0.5〜1.5モル程度、特に0.8〜1.2モル程度が好ましい。
他にも、本発明の電解液には、上述のヨウ化リチウムと同様に、チタニアの伝導帯を下げて色素からチタニアへの電子注入速度を向上させる効果のあるグアニジンチオシアネート等も添加することができる。この場合、これらの添加量は、ヨウ素1モルに対して1〜5モル程度、特に2〜4モル程度とすればよい。
<溶媒>
本発明の電解液には、溶媒を使用してもよい。この際に使用される溶媒としては、特に制限はなく、ニトリル化合物(アセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、ラクトン化合物(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、カーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、エーテル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、スルホン類(エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソプロピルイソブチルスルホン等)のいずれも使用でき、これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの溶媒のなかでも、ヨウ素イオンの拡散速度を速くできるという点から、ニトリル化合物、特にアセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリルが好ましい。
なお、本発明の電解液においては、上記成分以外にも、粘度調整剤(ポリエチレングリコール等)や脱水剤(ゼオライト、シリカゲル等)等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませることができる。
ただし、本発明の電解液においては、存在するカウンターアニオンがヨウ素イオンのみであることが好ましい。これにより、ヨウ素イオン以外の移動をスムーズにすることができる。
2.光電変換素子及び色素増感太陽電池
本発明の光電変換素子は、チタニア電極の多孔質チタニア膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を本発明の電解液で満たすことにより得られる。
上記チタニア電極は、例えば、樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア膜を形成してなる。
多孔質チタニア膜に使用されるチタニアとしては、例えば、公知又は市販のチタニアナノ粒子;公知又は市販のチタニアナノチューブ;チタニアナノロッド;チタニアナノファイバー;チタニアナノ粒子のチューブ状集合体(特開2010−24132号公報等)等を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、「チタニア」とは、二酸化チタンのみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいても良い。
樹脂基板としては、導電性の樹脂基板であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよく、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用すればよい。
本発明では、多孔質チタニア膜は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)、アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
樹脂基板又はガラス基板上に多孔質チタニア膜を形成する方法としては、特に制限されるわけではないが、例えば、上述したチタニアを含む膜形成用組成物を作製し、樹脂基板又はガラス基板上に当該膜形成用組成物を塗布及び乾燥させればよい。また、乾燥させた後、得られた膜に、必要に応じて加熱処理を施して焼成させてもよい。
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用すればよい。
また、乾燥条件及び焼成条件は特に制限はなく、乾燥温度を60〜250℃程度、焼成温度を250〜800℃程度とすればよい。
多孔質チタニア膜の作製に当たっては、得られる膜の膜厚が0.5〜50μm程度となるように塗布すればよい。
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明では、対極を形成する前に、前記チタニア電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、多孔質チタニア膜に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、チタニアの光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質チタニア膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属ポルフィリン、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、ポリエン系色素、インドリン系色素、カリバゾール系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を多孔質チタニア膜に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質チタニア膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。また、多孔質チタニア膜を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜10mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、多孔質酸化チタン膜に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、多孔質酸化チタン膜の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
[チタニアを含む膜形成用組成物の作製]
チタンイソプロポキシド0.05molに酢酸0.05molを加えて15分撹拌した。蒸留水73mlを加えて1時間撹拌した。さらに濃硝酸1mlを加えて80℃で75分間加熱及び撹拌を行った。これに蒸留水を加えて全量を93mlとしてチタニアゾル水溶液を得た。このチタニアゾル水溶液40mlを内容積125mlの圧力反応容器に入れて250℃で12時間加熱した。得られた白色沈殿物(チタニア)をエタノールで溶媒置換した後、100mlエタノール分散液とした。これにα−テルピネオール7gとエチルセルロースの10重量%エタノール溶液8.65gを加えて撹拌した。十分に撹拌した後、エバポレータを用いてエタノールを留去してチタニアを含む膜形成用組成物10gを得た。
[チタニア負極の作製]
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(日本板硝子(株)製;4mm厚)にポリエステル製スクリーン印刷版(225メッシュ)を用いて、上記で作製したチタニアを含む膜形成用組成物を、5ミリ角の大きさに膜厚14μmになるまで繰り返しスクリーン印刷を行った。さらに電気炉に入れて500℃にて1時間焼成を行った。
[増感色素の固定]
スイス・ソラロニクス社製のN−719色素をターシャルブチルアルコールとアセトニトリルの容量比1:1の混合溶媒に0.5mmol/Lの濃度で溶解したものに上記500℃で焼成したチタニア負極を25℃で20時間浸漬して色素を固定した。
[小型セルの組み立て]
色素を固定した上記チタニア負極に、カプトンテープ(35μm厚さ)をスペーサーとして用いて、白金をスパッタしたフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜付きガラス(ピルキントン社製;2.2mm厚)をエポキシ接着剤にて貼り合わせた。その後、後述する実施例1〜3及び比較例1〜4の電解液を注入して封止を行い、光電変換素子を作製した。
[小型セルの評価]
作製した小型セルに(株)三永電機製作所製のソーラーシミュレータでAM1.5(JISC8912Aランク)の条件下の100mW/cmの強度の光を照射して上記光電変換素子の光電変換特性を評価した。
実施例1
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.05M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.55M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
実施例2
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.5M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
実施例3
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.2M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.4M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
比較例1
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.6M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
比較例2
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム:0.6M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
比較例3
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム:0.5M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
比較例4
アセトニトリルを溶媒として使用し、電解液の組成を以下のようにして、小型セルの評価を行った。
ヨウ素:0.05M
ヨウ化リチウム:0.1M
ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム:0.5M
4−ターシャルブチルピリジン:0.5M
結果を表1に示す。
Figure 2012059686

Claims (8)

  1. ヨウ素、ヨウ化リチウム及びヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを含有する電解液。
  2. ヨウ素1モルに対して、ヨウ化リチウムを1〜5モル、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを5〜15モル含有する、請求項1に記載の電解液。
  3. さらに、4−ターシャルブチルピリジン及びN−メチルベンズイミダゾールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性物質を含有する、請求項1又は2に記載の電解液。
  4. ヨウ素1モルに対して、前記塩基性物質を5〜15モル含有する、請求項3に記載の電解液。
  5. 存在するカウンターアニオンがヨウ素イオンのみである、請求項1〜4のいずれかに記載の電解液。
  6. さらに、ニトリル化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、エーテル類、アルコール類及びスルホン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の電解液。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電解液を用いて得られる光電変換素子。
  8. 請求項7に記載の光電変換素子を用いて得られる色素増感太陽電池。
JP2010275804A 2010-08-13 2010-12-10 電解液及び光電変換素子 Active JP5709502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275804A JP5709502B2 (ja) 2010-08-13 2010-12-10 電解液及び光電変換素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010181318 2010-08-13
JP2010181318 2010-08-13
JP2010275804A JP5709502B2 (ja) 2010-08-13 2010-12-10 電解液及び光電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012059686A true JP2012059686A (ja) 2012-03-22
JP5709502B2 JP5709502B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=46056524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010275804A Active JP5709502B2 (ja) 2010-08-13 2010-12-10 電解液及び光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5709502B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013239312A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Toyota Central R&D Labs Inc 色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール
JP2014044805A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Osaka Gas Co Ltd 電解液及び光電変換素子

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011093253A1 (ja) * 2010-01-28 2011-08-04 日本カーリット株式会社 色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011093253A1 (ja) * 2010-01-28 2011-08-04 日本カーリット株式会社 色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014012903; Ryuji Kawano et al.: 'High performance dye-sensitized solar cells usingionic liquids as their electrolytes' Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry Vol.164, 2004, pp.87-92 *
JPN6014012904; Kohjiro Hara et al.: 'Influence of electrolyte on the photovoltaicperformance of a dye-sensitized TiO2solar cell based on' Solar Energy Materials & Solar Cells Vol.85, 2005, pp.21-30 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013239312A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Toyota Central R&D Labs Inc 色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール
JP2014044805A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Osaka Gas Co Ltd 電解液及び光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5709502B2 (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5089381B2 (ja) 光電変換素子用電解液組成物及びそれを用いた光電変換素子
JP5572029B2 (ja) 金属錯体色素、光電変換素子及び光電気化学電池
JP6061475B2 (ja) 全固体光増感太陽電池
JP6140940B2 (ja) 光電変換素子用光電極及びその製造方法
JP5709502B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5401712B2 (ja) 光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池
JP5709462B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5840040B2 (ja) 光電変換素子用光電極及びその製造方法
JP5591156B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5713853B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5773837B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP6004839B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5591153B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5991885B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP5881431B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP2011192452A (ja) 光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池
JP5826058B2 (ja) 電解液及び光電変換素子
JP2011181361A (ja) 光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池
JP6032915B2 (ja) 光電変換素子用多孔質酸化物半導体層及びその製造方法
JP2013258029A (ja) 電解液及び光電変換素子
JP2013206681A (ja) 高性能且つ高耐久性を有する色素増感太陽電池用電解液
JP2014191869A (ja) 色素増感太陽電池の製造方法及び色素増感太陽電池に電解液を注入及び封止する方法
JP5984451B2 (ja) 金属酸化物ペースト組成物
JP2011258539A (ja) 光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池
JP2013093176A (ja) 電解液及び光電変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5709502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150