JP2010218784A - 糖類を用いた色素増感太陽電池 - Google Patents

糖類を用いた色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】
色素増感半導体太陽電池において、多孔質酸化物半導体を焼結するときにオリゴ糖類を共存させて作製するかあるいは電解質を含む有機媒体中にオリゴ糖類を共存させることによる光電変換特性の向上させることである。
【解決手段】
基板上に形成された酸化物半導体の多孔質膜に色素を吸着して色素増感半導体電極を形成し、これに電解質を溶解した有機媒体を接触させる構成を有する色素増感太陽電池において、多孔質酸化物半導体を焼結して作製する時用いる酸化物半導体微粒子ペースト中にオリゴ糖を共存させるかつ/あるいは当該電解質溶解有機媒体がリン酸オリゴ糖を含有することにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多孔質酸化物半導体を焼結するときにオリゴ糖類を共存させて作製する色素増感太陽電池、また、電解質を含む有機媒体中に糖類やオリゴ糖類を共存させることにより光電変換特性を向上させた色素増感太陽電池に関する。
半導体の多孔質膜に色素を吸着して、これにレドックス系電解質を溶解した有機媒体(電解質液)を接触させて構成される色素増感太陽電池は、基本的に、光電変換効率がアモルファスシリコン系太陽電池並に大きく、しかも使用する材料が安価であり、より簡単なプロセスで安価に製造しうるものであるから、太陽電池普及のネックになっている発電価格の、大幅な低コスト化が期待されるものである。
この色素増感太陽電池は、最初にスイスのグレッツエル(Michael Graetzel)らにより開発されたもので、グレッツエル電池とも呼ばれる(特許文献1)。この電池の光電変換効率は、多孔質半導体膜の特性により左右されるので、その多孔質膜を焼成するときの条件が極めて重要である。すなわち、半導体微粒子からペーストを作るときに、分散剤や界面活性剤を共存させるが、その分散剤や界面活性剤は高価であり、かつその性質が作製した太陽電池の特性を決める。
また、半導体多孔質膜と電解液界面での電荷の移動が光電変換特性を決めるので、電解液中の共存添加剤が重要である。
酸化チタンの分散液あるいは多孔質膜を作成する際に糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類を用いたものがいくつか開示されている。透明性及び安定性に優れた光触媒被膜形成用ペーストを作成することを目的とした酸化チタンに単糖又は二糖類を用いてペルオキソ基を持つアナターゼ型チタン酸化物微細粒子分散液を製造する方法に関するもの(特許文献2)、酸化チタン粒子を水性溶媒中に安定的に分散する目的で、糖アルコールを用いて多価アルコールと酸化チタン粒子と複合化するもの(特許文献3)、さらに、気孔率と膜厚を制御する目的で、オリゴ糖(特にトレハロース)を用いて、ゾル・ゲル法に基づくディップコーティング法によるセラミックス多孔質膜の製造方法に関するもの(特許文献4)である。
一方、リン酸結合オリゴ糖(以下リン酸オリゴ糖と記載する)の製造方法に関しては、既に開示されている(特許文献5)。
米国特許第4927721号明細書 特開2005−8707 特開2006−257311 特開2004−83376 特開平10−84985
しかしながら、上記特許文献2〜4は糖類・オリゴ糖類・糖アルコール類等を用いて、酸化チタンの分散液あるいは多孔質膜を製造する方法に関する記載はあるが、それらの材料を用いて色素増感半導体電極を作成して、その色素増感太陽電池の特性を検討したものは見当たらない。更には、電解質に糖類を添加したものも見当たらない。安価な化合物を添加することで色素増感太陽電池の特性を向上させることは製造コストの低減と発電効率の向上の面からも望まれることである。
本発明の目的は第1に、半導体微粒子ペーストを焼成して多孔質半導体膜を作製する時に、安価でかつ太陽電池の特性を向上させる糖類を提供することにある。
第2に、電解質液中の添加剤を工夫することにより、特性を向上させることにある。
本発明に従えば、以下の発明が提供される。
〔1〕基板上に形成された酸化物半導体の多孔質膜に色素を吸着せしめて、色素増感半導体電極を形成し、これに電解質を溶解した有機媒体を接触させる構成を有する色素増感太陽電池において、多孔質酸化物半導体を焼結して作製する時用いる酸化物半導体微粒子ペースト中にオリゴ糖もしくはデキストリンを共存させることを特徴とする色素増感太陽電池。
[2]基板上に形成された酸化物半導体の多孔質膜に色素を吸着せしめて、色素増感半導体電極を形成し、これに電解質を溶解した有機媒体を接触させる構成を有する色素増感太陽電池において、当該電解質溶解有機媒体がリン酸オリゴ糖を含有する太陽電池。
本発明によれば、色素増感酸化物半導体電極とこれに接する電解質溶解有機媒体との構成を含む光増感半導体太陽電池において、多孔質酸化物半導体を焼結して作製する時用いる酸化物半導体微粒子ペースト中にオリゴ糖もしくはデキストリンを共存させるかあるいは当該電解質有機媒体中にオリゴ糖類を添加することで、その光電特性の向上が認められ、その産業上の利用可能性はきわめて大きい。
実施例2でリン酸オリゴ糖3wt%添加した系でのI−V特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明における色素増感半導体電極は、基板上に形成された酸化物半導体の多孔質膜に色素を吸着せしめて構成される。
(酸化物半導体多孔質膜の形成)
多孔質膜が形成される基板としては、公知のガラス基板、透明プラスチック基板等の透明基板上に、例えばITO(インジウム・スズ酸化物)やFTO(フッ素ドープした酸化スズ)等の透明電極を形成したもの(透明導電性ガラス基板、透明導電性プラスチック基板等)が好適に用いられる。
また酸化物半導体膜を形成する酸化物としては、それ自身公知のものでよく、例えば酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化イットリウム(Y)、酸化アンチモン(Sb)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化タンタル(Ta)、酸化セリウム(CeO)及びチタン酸バリウム(BaTiO、BaTiO)等が使用可能である。
これらは、二種以上を混合して用いることもできるが、なかでも、変換効率、安定性、安全性の点から酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、無定形酸化チタン等が挙げられるがこれらはいずれであってもよい。
酸化チタン等の酸化物は、微細空隙を有する多孔質薄膜を形成するために、その平均粒径(一次粒子径)が1〜1000nm、好ましくは1〜200nm程度の微粒子状のものが好ましい。
酸化物半導体の多孔質膜は、かかる酸化チタン等の微粒子の分散液またはペーストを基板上にコーティングし、乾燥後、焼成することにより形成される。例えば、具体的には、以下のようにして行われる。
まず酸化物半導体微粒子の水分散液に、有機溶剤、オリゴ糖もしくはデキストリン、分散剤、バインダー、界面活性剤等を適宜加えて、撹拌、混合することにより酸化物半導体ペーストまたは塗布液を調整する。
オリゴ糖としては、リン酸オリゴ糖及びそのナトリウム、カリウム、またはカルシウム塩が用いられる。リン酸オリゴ糖の調整は「特許文献5」に記述されており、グルコースが3−5個結合したオリゴ糖に1分子のリン酸基が結合しているものとグルコースが4−8個のオリゴ糖に2分子のリン酸基が結合したものからなる。また、それぞれの塩は、溶出時のリン酸オリゴ糖溶液に必要に応じてアルカリで中和することで得ることが出来る。ナトリウム塩は水酸化ナトリウム、カリウム塩は水酸化カリウム、カルシウム塩は水酸化カルシウムを使用することによって得ることができる。
また、マルトオリゴ糖は直鎖のオリゴ糖でグルコースが2−10個結合したもので、デキストリンはグルコースが11個以上結合したものの澱粉分解物である。デキストリンは塗布液の分散性を考えた場合、グルコースが20個前後結合したものがより好ましい状況が得られる。
上記オリゴ糖もしくはデキストリンの添加量は酸化チタンの重量に対して、1−10%、好ましくは1−5%が望ましい。
当該半導体ペーストの基板へのコーティングは、公知の塗布手段、例えば、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ディップコーター、ドクターブレード、スクリーン印刷、グラビア印刷等により行われる。
酸化物半導体ペーストの膜厚は、3〜20μm、好ましくは5〜15μm程度となるように塗布することが望ましい。なお、このコーティングは、所望の厚さのペースト厚みになるまで、重ね塗りを行ってもよい。重ね塗りの場合は、下記乾燥工程を挟んで行うことが好ましい。
当該塗布ペーストを必要に応じて50〜150℃程度の温度で、10〜60分程度、空気中あるいは窒素や不活性ガス雰囲気中で加熱、焼成して金属酸化物半導体膜(多孔質膜)を形成する。最終焼成温度は300〜700℃、好ましくは400〜600℃である。焼成温度が上記よりあまり低い場合は、金属酸化物半導体の微粒子間の融着や基板への固着力が弱くなり、一方、焼成温度があまり高すぎる場合は、微粒子間の融着が過剰に進行し、多孔質膜の比表面積や空隙が小さくなってしまう。また、焼成時間は、焼成温度によっても変わりうるが通常5〜300分、好ましくは10〜200分程度である。
焼成後の酸化物半導体薄膜の膜厚は、3〜20μm、好ましくは5〜15μmである。あまり薄膜の厚みが薄い場合は、増感剤である色素の吸着量が充分でなく、また、あまり厚みが過大であると、その半導体膜の抵抗が増大し、電池性能が低下する。
(多孔質膜への色素の吸着)
本発明において増感剤として使用する色素とは、少なくとも可視光領域に吸収を有し、吸収光により励起され、正孔を形成し、電子を半導体薄膜に供給しうるものであれば、特に限定するものではなく、例えば、金属錯体や有機色素を好適に用いることができる。
金属錯体としては、例えばルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体が挙げられる。例えば、ビス(イソチオシアナト)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ジピリジン)ルテニウム(II)、シス−ジアクア−ビス(2,2’ジピリジル−4,4’−ジカルボキシ)ルテニウム(II)、テトラ(4−カルボキシフェリル)ポルフィリン亜鉛(II)、鉄−ヘキサシアナイド錯体、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体が挙げられ、また、有機色素としては、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、ナフタロシアニン系色素、キノン系色素、キナクリドン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。
本発明においては、酸化物半導体の多孔質膜に、上記のごとき色素を接触、吸着させ、当該多孔質膜の表面に少なくとも色素の単分子膜を形成するが、通常、色素を溶解した溶液中に、当該酸化物半導体膜被覆電極を浸漬することにより、色素を吸着させる。なお、本発明において、「吸着」とは、物理吸着、化学吸着、化学結合、付着等、またはこれらの複合作用により、色素が多孔質膜に固着または固定される広義の意味で使用する。
色素を溶解する溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、ジオキサン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等の含窒素化合物類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素、及び水等が好ましいものとして挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよい。
溶液中の色素濃度は、高い吸着濃度を得るためには、ある程度高い方が好ましい。通常、1×10−5M(モル/L)以上、好ましくは1×10−4M以上であることが望ましい。
かくして調整した色素溶液に、半導体多孔質膜を浸漬処理する。浸漬温度は、色素や溶媒の種類、色素濃度、対象とする半導体多孔質膜の種類等により、適宜変更可能であるが、通常は、10〜150℃、好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃程度の条件で実施することにより、本発明の目的を達成するのに実質的に充分な量の色素を多孔質膜に吸着させることができる。
浸漬時間は、溶液の濃度や温度によっても変わりうるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜15時間、さらに好ましくは2〜10時間程度である。なお、浸漬に先立ち、半導体多孔質膜を加熱処理及び/又は減圧処理して、多孔質空隙部に充填されている空気等の気体を予め除去しておくことが好ましい。なお、浸漬処理後、室温〜80℃程度で乾燥処理することが望ましい。
かくして、酸化物半導体多孔質薄膜上に色素が吸着された色素増感半導体電極が調製される。
(オリゴ糖等添加電解液の調製)
電解質は、電子又は電荷を電極間で輸送しうるものであればよく、特に限定するものではないが、電子の輸送速度の点からレドックス系電解質が好ましい。レドックス系電解質としては、I/I3−系や、Br/Br3−系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス系電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I/I3−系電解質は、LiI、NaI、KI、CaIなどの金属ヨウ化物、NHI等のヨウ化アンモニウム、〔R、R、R、RN〕I等のヨウ化第四級アンモニウム(ただし、R、R、R、Rは、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、すべて同一でも異なっていてもよい。)と、ヨウ素を混合することにより得られる。また、LiBr、NaBr、KBr、CaBrなどの金属臭化物、NHBr等の臭化アンモニウム、〔R、R、R、RN〕Br等の臭化化第四級アンモニウム(ただし、R、R、R、Rは、上記定義した意味を表す。)と臭素とを混合することにより得ることができる。これらの中で、ヨウ素系電解質が特に好ましい結果を与える。
当該電解質液体の中には、太陽電池の特性を向上させるために、リン酸オリゴ糖等電解質溶液当たり0.01−10%、好ましくは0.1−3%を共存させると良い結果を与える。
かかる電解質を溶解または含有する有機媒体としては、水と相互に溶解するか混和しうるものが好ましく、特に極性有機溶媒が好ましい。
極性有機溶媒としては、特に限定するものではないが、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、アセトニトリル、テトラメチレンスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、テトラメチル尿素(TMU)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシルピロリドン(NCP)、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、3−メチル−2−オキサゾリジノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、テトラメチルスルホラン、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、グライム、ジグライム、エチレンジアミン、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブタノール、アセトン、ピリジン、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、メチルセロソルブ等を例示することができる。
電解質濃度としては、0.01〜3モル/L、好ましくは0.1〜2モル/Lである。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
(1)酸化チタン(日本アエロジル社製、P−25、平均粒径30nm)の微粒子粉末に酸化チタン重量当たり5wt%のリン酸オリゴ糖にアセチルアセトン(酸化チタン3g当たり0.1ml)と水(酸化チタン3g当たり5ml)とトリトンX-100(酸化チタン3g当たり0.1ml)を加えたコロイド水溶液を混練法によりペースト状にした後、フッ素ドープSnO電導性ガラス基板(FTO)の上にスピンコーティング法により塗布し、100℃で30分間加熱乾燥した。この「スピンコーティング、乾燥」のサイクルを、二酸化チタン膜厚が、10μmになるまで繰り返し、このあと450℃で30分間焼成し、FTO上に酸化チタン半導体多孔質薄膜を形成した(以下「FTO/酸化チタン電極」ということがある。)。
(2)錯体色素であるビス(イソチオシアナト)ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ジピリジン)ルテニウム(II)色素の2.6×10−4Mエタノール溶液を用意した。当該錯体色素溶液にFTO/酸化チタン電極を5時間浸漬し、この錯体色素を多孔質半導体薄膜である酸化チタン膜に吸着させた。
(4)レドックス系電解質である0.3Mのテトラプロピルアンモニウムヨウ化物(ヨウ化第四級アンモニウム)及び0.05Mのヨウ素を含む極性溶媒であるアセトニトリルと、同様に極性有機溶媒である3−メチル−2−オキサゾリジノンの混合溶液(容積比1:1)を準備した。
(5)得られたFTO/酸化チタン薄膜/吸着色素/液体(I/I +有機媒体)電極上に白金板対極を載せて電池を構成した。
光源としてソーラーシュミレーターを用いて、エアマス(AM)1.5、1Sunの擬似太陽光(強度100mWcm−2)をFTO電極側から照射し(有効光照射面積は0.25cm)、I−V特性を測定した。その結果、短絡光電流(JSC)7.90mAcm−2、開放光起電力(Voc)0.74V、フィルファクター(FF)0.54、光電変換効率(η)3.13%が得られた。
更に、各種のリン酸オリゴ糖塩を同様の方法で試験した結果を表1に示す。
(比較例1)
酸化チタン(日本アエロジル社製、P−25、平均粒径30nm)の微粒子粉末にリン酸オリゴ糖を無添加以外は実施例1と同様に作成したコロイド水溶液を混練法によりペースト状にした後、実施例1と同様に電池を構成した。実施例1と同様の方法でI−V特性を測定した。
その結果、短絡光電流(JSC)8.16mAcm−2、開放光起電力(Voc)0.73V、フィルファクター(FF)0.48、光電変換効率(η)2.86%が得られた。
本比較例1は、リン酸オリゴ糖類を添加することなく、酸化チタンのみを用いたときの、実施例1に対応する光電池特性を示す。
すなわち、実施例1と本比較例1を対比することにより、本発明によれば、酸化チタンの微粒子粉末にリン酸オリゴ糖を添加して作成したペーストを用いることで、リン酸オリゴ糖のカルシウム塩を除いて光電池特性そのものが向上することを示している。
(比較例2)
実施例1において、酸化チタン(日本アエロジル社製、P−25、平均粒径30nm)の微粒子粉末にリン酸オリゴ糖の代りに5wt%のデキストリン、マルトオリゴ糖、酸水飴、酵素水飴のいずれかを加えて実施例1と同様に作成したコロイド水溶液を混練法によりペースト状にした後、実施例1と同様に電池を構成した。実施例1と同様の方法でI−V特性を測定した結果を表2に示す。
すなわち、比較例1と本比較例2を対比することにより、本発明によれば、酸化チタンの微粒子粉末にデキストリン等の糖類を添加して作成したペーストを用いることで、光電池特性は無添加の系と比較して同等かほとんど向上しないことを示している。
実施例1において、酸化チタン(日本アエロジル社製、P−25、平均粒径30nm)の微粒子粉末に1あるいは3wt%のリン酸オリゴ糖かデキストリンのいずれかを加えて実施例1と同様に作成したコロイド水溶液を混練法によりペースト状にした後、実施例1と同様に電池を構成した。実施例1と同様の方法でI−V特性を測定した結果を表3に示す。
本実施例2は、リン酸オリゴ糖あるいはデキストリンの添加量が光電池特性に及ぼす影響を調べた。リン酸オリゴ糖については本実施例2と実施例1の結果を比較すれば、添加量が1あるいは3wt%の添加した場合が5wt%を添加した場合よりも光電池特性が向上していることを示している。一方、デキストリンについては比較例2と対比すると、やはり光電池特性が向上していることを示している。これは比較例1に対比しても、添加量を調整することで酸化チタン微粒子粉末のみよりも光電池特性の向上を示している。
実施例1において、酸化チタン微粉末から混練法により作成したペーストの代りに、酸化チタンペースト(Solaronix 社製、Ti-Nanoxide T/SPあるいはTi-Nanoxide D)を用いてFTO/酸化チタン電極を作成した。これを実施例1と同様に電池を構成し、I−V特性を測定した。同じ電極を用いて実施例1のレドックス電解質液に各種リン酸オリゴ糖を1wt/v%添加した電解質液をかわりに用いたほかは実施例1と同様に電池を構成し、実施例1と同様の方法でI−V特性を測定した結果を表4に示す(同一の試験組番号は同一の電極を使用)。
(比較例3)
実施例3において、電解質に各種リン酸オリゴ糖を添加するかわりに、デキストリン、マルトオリゴ糖、酸水飴、酵素水飴のいずれかを1%wt/v添加した電解質液をかわりに用いたほかは実施例3と同様に電池を構成し、実施例1と同様の方法でI−V特性を測定した結果を表5に示す(同一の試験組番号は同一の電極を使用)。
本比較例3では、電解質液にデキストリン、マルトオリゴ糖、酸水飴、酵素水飴を添加するとマルトオリゴ糖を除いて無添加の系に比較して光電池特性は同等か向上していることを示している。一方、マルトオリゴ糖を添加した系では光電池特性は劣っていることを示している。さらに、実施例3と本比較例3との対比では、リン酸オリゴ糖あるいはその塩を電解質液に添加した系で光電池特性が向上がすることを示している。

Claims (5)

  1. 基板上に形成された酸化物半導体の多孔質膜に色素を吸着せしめて、色素増感半導体電極を形成し、これに電解質を溶解した有機媒体を接触させる構成を有する色素増感太陽電池において、多孔質酸化物半導体を焼結して作製する時用いる酸化物半導体微粒子ペースト中にオリゴ糖もしくはデキストリンを共存させることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記オリゴ糖がリン酸オリゴ糖である請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記リン酸オリゴ糖がリン酸オリゴ糖カリウム塩、ナトリウム塩、またはカルシウム塩である請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、リン酸オリゴ糖またはその誘導体を、電解質を含む有機媒体中に共存させて構成される太陽電池。
  5. 前記1から4に記載の太陽電池に太陽光または人工光を照射して電力を発生させる方法。
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JP2013069557A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Osaka Gas Co Ltd 電解液及び光電変換素子
WO2013061958A1 (ja) * 2011-10-24 2013-05-02 日本化薬株式会社 色素増感太陽電池
JP2013197056A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Sekisui Chem Co Ltd 色素増感太陽電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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