JP5192175B2 - ヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents

ヘテロ接合電界効果トランジスタ Download PDF

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Description

この発明はヘテロ接合電界効果トランジスタに関し、より詳しくは、ヘテロ構造を有するパワー電界効果トランジスタに関する。
従来、ヘテロ接合電界効果トランジスタとしては、図4に示すようなHFET(Heterostructure Field Effect Transistor;ヘテロ構造電界効果トランジスタ)が知られている(例えば、非特許文献1(アディヴァラハン(Adivarahan)ら著、「サブミクロンゲートSi/AlGaN/GaN−金属−絶縁体−半導体ヘテロ構造電界効果トランジスタ(Submicron Gate Si3N4/AlGaN/GaN-Metal-Insulator-Semiconductor Heterostructure Field-Effect Transistors)」、アイ・イー・イー・イー、エレクトロン・デバイス・レターズ(IEEE Electron Device Letters)、Vol.24, No.9, pp.541-543, 2003参照。)。このHFETでは、SiC基板2001の上に、AlNバッファ層(厚さ500Å)2002、アンドープGaNからなるチャネル層(厚さ1.5μm)2003、Al0.25Ga0.75Nからなる層(厚さ250Å)2004が順次形成され、その上に、Ti/Al/Auソースオーミック電極2005とTi/Al/Auドレインオーミック電極2006とが互いに離間して形成されている。ソースオーミック電極2005とドレインオーミック電極2006との間のAl0.25Ga0.75Nからなる層2004上にSiゲート絶縁膜(厚さ80Å)2008が形成され、このゲート絶縁膜2008上にゲート電極2010が形成されている。このデバイスはn−チャネルの「ノーマリオン」型で閾値電圧が約−6.5Vである。なお、ノーマリオンとは、ゼロバイアスされたゲート(金属電極)の直下のチャネル領域をキャリア(この例では2次元電子ガス)が横切って移動しうる構成を意味する。動作時には、ソース電極2005は接地(グランド)され、ドレイン電極2006は図示しない負荷回路に接続される。そして、ゲート電極2010にゲート駆動信号が入力されて、ドレイン電極2006から負荷回路へ出力が取り出される。
図6は、図4に示したHFETを4個(それぞれ符号2101A、2101B、2101C、2101Dで示す。)用いて構成された「Hブリッジ」スイッチング回路を示している。このスイッチング回路は、4個のHFET2101A、2101B、2101C、2101Dを所定のタイミングでオン、オフ制御するドライバ回路2100と、それらのHFET2101A、2101B、2101C、2101Dに対してそれぞれ逆並列に接続されたフリーホイール用ダイオード2102A、2102B、2102C、2102Dとを含んでいる。これらのフリーホイール用ダイオード2102A、2102B、2102C、2102Dは、対応するHFET2101A、2101B、2101C、2101Dがオン状態で、ドレイン電圧が切り替わって絶対値が大きい負値になった場合(インダクタンス負荷のときに生ずる)に、逆方向のドレイン電流(トランジスタ内から掃き捨てられる電荷)をバイパスするために設けられている。2103はインダクタンス負荷を示している。なお、単にこれらのフリーホイール用ダイオードを省略すると、HFETのゲートに順バイアスがかかって、HFETが破壊される可能性がある。
アディヴァラハン(Adivarahan)ら著、「サブミクロンゲートSi3N4/AlGaN/GaN−金属−絶縁体−半導体ヘテロ構造電界効果トランジスタ(Submicron Gate Si3N4/AlGaN/GaN-Metal-Insulator-Semiconductor Heterostructure Field-Effect Transistors)」、アイ・イー・イー・イー、エレクトロン・デバイス・レターズ(IEEE Electron Device Letters)、Vol.24, No.9, pp.541-543, 2003
しかしながら、図4に示したHFETには、次のような問題がある。
i) このトランジスタ(HFET)がオフ状態で高いドレイン・ソース間電圧が印加されてドレイン・ゲート間電圧が高くなっているとき、インパクトイオン化によって生じたホール(正孔)がアバランシェ(なだれ)増倍されてゲート電極2010直下のゲート絶縁膜2008の下に集まる。このため、望まれないのにトランジスタがオンする、つまりブレイクダウン電圧(耐圧)が低いという問題がある。
ii) そのようなインパクトイオン化によって生じたホールがホットホールとなってゲート電極2010直下のゲート絶縁膜2008に注入されてトラップされる。このため、閾値電圧が安定しないという問題がある。
iii) ゲート電極についての遷移電流が大きいという問題がある。すなわち、通常のパワースイッチング動作時には、HFETのソース・ドレイン間電圧は低電圧から高電圧まで周期的に振動する。このソース・ドレイン間電圧の大部分はゲート・ドレイン間にかかる(電圧降下)ため、スイッチングに伴ってゲート電極に大量の電荷が蓄積または放出される。この遷移的な電荷の流れ、つまり遷移電流は、ドライバ回路(例えば図6中に示したようなドライバ回路2100)によって供給されなければならない。高速スイッチング動作を行う場合、この遷移電流は非常に大きくなり、この結果、そのHFETを駆動するドライバ回路の消費電力が大きくなる。また、ドライバ回路が十分な電流供給ができなければ、HFETの消費電力が大きくなる。
そこで、この発明の課題は、ブレイクダウン電圧が高く、閾値電圧が安定で、かつゲート電極についての遷移電流が小さいヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、
ヘテロ接合を含む半導体層上でこの半導体層の表面に沿って互いに離間した位置に、それぞれ金属電極を有するソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインをこの順に備え、
上記第1ゲートはMIS型でノーマリオフになっており、上記第2ゲートはショットキ型でノーマリオンになっており、
上記第2ゲートはエアブリッジ配線によって上記ソースに電気的に接続されていることを特徴とする。
この発明のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、典型的な動作時には、第1ゲートに高周波信号(スイッチング用の駆動信号や増幅されるべき高周波入力信号を含む。)が印加され、第2ゲートにDCバイアスが印加(または接地)される。
ここで、このトランジスタがオフ状態で高いドレイン・ソース間電圧が印加されてドレイン・第2ゲート間電圧が高くなっているとき、従来例と同様に、インパクトイオン化によってチャネル領域にホール(正孔)(およびそのホールと対をなす電子)が生じることがある。しかしながら、このトランジスタでは、生じたホールはショットキ型の第2ゲートの方へ掃き寄せられて、吸収される。したがって、トランジスタがオンにならず、ブレイクダウン電圧(耐圧)が高くなる。
また、インパクトイオン化によって生じたホール(ホットホール)は、そのようにショットキ型の第2ゲートの方へ掃き寄せられて、吸収されるので、第1ゲートをなすゲート絶縁膜に注入されてトラップされることがない。したがって、このトランジスタの閾値電圧が安定する。
さらに、ソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインはこの順に並んでいるため、ソース・ドレイン間電圧の大部分は第2ゲートとドレインとの間にかかる(電圧降下)。したがって、第1ゲートにかかる電圧の大きさが制限されて、第1ゲートについての遷移電流は比較的小さくなる。この結果、スイッチング動作時にこのヘテロ接合電界効果トランジスタを駆動するドライバ回路の消費電力が小さくなる。第2ゲートについては、DCバイアスが印加(または接地)されるので、ドライバ回路の負担は生じない。
また、「ノーマリオン」とは、ゼロバイアスされたそのゲート(金属電極)の直下のチャネル領域をキャリアが横切って移動しうる構成を意味する。「ノーマリオフ」とは、ゼロバイアスされたそのゲート(金属電極)の直下のチャネル領域をキャリアが横切って移動できない構成を意味する。
このヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記第1ゲートはノーマリオフ、上記第2ゲートはノーマリオンになっているので、このヘテロ接合電界効果トランジスタ全体としてはノーマリオフになる。したがって、このヘテロ接合電界効果トランジスタは、スイッチング回路のスイッチング素子を構成するのに適する。
また、「エアブリッジ配線」とは、中央部が空中に浮き、両端部のみが支持された配線を指す。
このヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記第2ゲートはエアブリッジ配線によって上記ソースに電気的に接続されているので、上記第2ゲートとソースとの間の電気抵抗が低くなる。したがって、高周波特性が改善される。
また、スイッチング動作時に、このトランジスタがオフ状態からオン状態へ遷移するとき、ドレイン電圧が負値になる。ここで、このトランジスタでは、ドレイン電圧が大きい負値になれば第2ゲートには順バイアスがかかるので、電荷は、ドレインのコンタクトから上記第2ゲートを構成する金属電極を通り、さらに上記エアブリッジ配線を通ってソースへ流れる。これによって、上記第1ゲートにかかる順バイアス電圧の大きさが制限されて、上記第1ゲートを流れる電流が大きくはならない。このことは、このトランジスタがスイッチング素子として用いられる場合に、フリーホイール用ダイオードを不要にする利点を生む。
さらに、このヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記エアブリッジ配線のお蔭で上記第2ゲートとソースとの間の電気抵抗が無視できる程度に低くなる。これとともに、ワイヤなどによる配線が設けられた場合に比して、上記第2ゲートに関する静電容量(第1ゲートと第2ゲートとの間の静電容量など)が低くなる。したがって、高周波特性が改善される。この構成は、カスコード回路と等価である。
一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、
上記ソースと第2ゲートとの間に上記第1ゲートを覆うポリイミド絶縁膜が設けられ、
上記第2ゲートは上記ポリイミド絶縁膜に支持された上記エアブリッジ配線によって上記ソースに接続されていることを特徴とする。
この一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは上記エアブリッジ配線が上記ポリイミド絶縁膜によって支持されるので、構造が安定する。
一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、
上記ソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインはそれぞれ上記半導体層上で一方向に細長く延びるパターンを有し、
上記エアブリッジ配線は、上記一方向に対して垂直な方向に細長く延び、かつ上記一方向に関して周期的に複数設けられていることを特徴とする。
この一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記ソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインはそれぞれ上記半導体層上で一方向に細長く延びるパターンを有するので、大電流をスイッチングまたは増幅できる。また、上記エアブリッジ配線は、上記一方向に対して垂直な方向に細長く延び、かつ上記一方向に関して周期的に複数設けられているので、上記第2ゲートに関する静電容量(第1ゲートと第2ゲートとの間の静電容量など)があまり増大することがない。
一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記第2ゲートとドレインとの間で上記半導体層の表面に、少なくとも上記第2ゲートに接するように半導体能動層の誘電率より高い誘電率の誘電膜が設けられていることを特徴とする。
既述のように、このヘテロ接合電界効果トランジスタでは、ソース・ドレイン間電圧の大部分は第2ゲートとドレインとの間にかかる(電圧降下)。このため、特に第2ゲート近傍での絶縁破壊が問題となる。ここで、この一実施形態のヘテロ接合電界効果トランジスタでは、上記第2ゲートとドレインとの間で上記半導体層の表面に、少なくとも上記第2ゲートに接するように誘電膜が設けられているので、第2ゲートとドレインとの間の最大電界が低くなり、特に第2ゲート近傍での絶縁破壊が防止される。また、2次元電子ガスのキャリア濃度が高くても電界の集中が起こらないので、チャネルの抵抗が低いにも係わらず絶縁破壊耐圧を高くすることができる。
上記誘電膜の誘電率は上記半導体層の誘電率よりも高いのが望ましい。この場合、第2ゲートとドレインとの間の最大電界を効果的に低くできる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1Aはこの発明の基礎となる参考例のHFET(Heterostructure Field Effect Transistor;ヘテロ構造電界効果トランジスタ)の断面構造を示し、図1Bは図1Aのものを上方から見たときの平面レイアウトを示している。
図1Aに示すように、このHFETは、サファイア基板101上に、厚さ3μmのアンドープGaN層102と、厚さ25nmのAl0.3Ga0.7N層103とを備えている。これらの半導体層102、103はパターン加工されてメサ112を構成している。GaN層102とAl0.3Ga0.7N層103との境界面に沿って、キャリア濃度n=8×1012cm−2の2次元電子ガス(2DEG)104が生じている。Al0.3Ga0.7N層103上で、この層103の表面に沿って互いに離間した位置にそれぞれ金属電極を設けて、ソース105、第1ゲート106、第2ゲート107、ドレイン108がこの順に形成されている。
ソース105およびドレイン108を構成する金属電極はTi/Al/Auの積層からなり、直下のAl0.3Ga0.7N層103とオーミック接触している。
第1ゲート106は、Al0.3Ga0.7N層103の表面上に厚さ10nmのSiOからなるゲート絶縁膜114を設け、さらにそのゲート絶縁膜114の表面上にNi/Auの積層からなる金属電極106Mを設けて、MIS型として構成されている。一方、第2ゲート107は、Al0.3Ga0.7N層103の表面上にWN/Auの積層からなる金属電極を設けて、ショットキ接合型として構成されている。第1ゲート106のゲート長は0.5μmであり、第2ゲート107のゲート長は1.0μmになっている。また、第2ゲート107とドレイン108との間の間隔は5μmになっている。また、第1ゲート106は「ノーマリオン」型であり、そのピンチオフ電圧(閾値電圧)は−10Vである。第2ゲート107も「ノーマリオン」型であり、そのピンチオフ電圧は−5Vである。
このHFETでは、第2ゲート107は、Ti/Pt/Auの積層からなるエアブリッジ配線109によってソース105に電気的に接続されている。エアブリッジ配線109の直下は空間119になっている。
また、Al0.3Ga0.7N層103の表面のうち金属電極が設けられていない部分、特に第2ゲート107とドレイン108との間の全域を占めて第2ゲート107に接するように、SiNからなるパシベーション膜115が設けられている。
このHFETでは、典型的な動作時には、ソース105とドレイン108との間に高電圧が印加され、第1ゲート106に高周波信号(スイッチング用の駆動信号や増幅されるべき高周波入力信号を含む。)が印加され、ソース105からエアブリッジ配線109を介して第2ゲート107にDCバイアスが印加(または接地)される。
ここで、このトランジスタがオフ状態で高いドレイン・ソース間電圧が印加されてドレイン・第2ゲート間電圧が高くなっているとき、従来例と同様に、インパクトイオン化によってチャネル領域にホール(正孔)(およびそのホールと対をなす電子)が生じることがある。しかしながら、このトランジスタでは、生じたホールはショットキ型の第2ゲート107の方へ掃き寄せられて、吸収される。したがって、トランジスタがオンにならず、ブレイクダウン電圧(耐圧)が高くなる。
また、インパクトイオン化によって生じたホール(ホットホール)は、そのようにショットキ型の第2ゲート107の方へ掃き寄せられて、吸収されるので、第1ゲート106をなすゲート絶縁膜114に注入されてトラップされることがない。したがって、このトランジスタの閾値電圧が安定する。
さらに、ソース105、第1ゲート106、第2ゲート107、ドレイン108はこの順に並んでいるため、ソース・ドレイン間電圧の大部分は第2ゲート107とドレイン108との間にかかる(電圧降下)。したがって、第1ゲート106にかかる電圧の大きさが制限されて、第1ゲート106についての遷移電流は比較的小さくなる。この結果、スイッチング動作時にこのHFETを駆動するドライバ回路の消費電力が小さくなる。第2ゲート107については、DCバイアスが印加(または接地)されるので、ドライバ回路の負担は生じない。
このHFETでは、エアブリッジ配線109のお蔭で第2ゲート107とソース105との間の電気抵抗が無視できる程度に低くなる。これとともに、ワイヤなどによる配線が設けられた場合に比して、第2ゲート107に関する静電容量(第1ゲート106と第2ゲート107との間の静電容量など)が無視できる程度に低くなる。したがって、高周波特性が改善される。この構成は、カスコード回路と等価である。
なお、ソース105と第2ゲート107との間のエアブリッジ配線109直下の空間119に、第1ゲート106を覆うようにポリイミド絶縁膜(図示せず)を設け、このポリイミド絶縁膜で配線109を支持するようにしても良い。これにより、構造が安定する。
図1Bに示すように、ソース105、第1ゲート106、第2ゲート107、ドレイン108は、大電流をスイッチングまたは増幅できるように、それぞれ一方向(図1Bにおける上下方向)に細長く延びるパターンを有している。エアブリッジ配線109は、その一方向に対して垂直な方向(図1Bにおける左右方向)に5μmの幅で細長く延びるパターンを有している。エアブリッジ配線109は、図1Bにおける上下方向に関して周期的に、具体的には図1B中に示す100μmピッチで、複数設けられている。典型的な例では、図1Bにおける上下方向のパターン寸法(ゲート幅)は60mmであり、図1Bに示す構成単位が600個含まれる。このように、エアブリッジ配線109は、細長く延びるパターンで周期的に設けられているので、第2ゲート107に関する静電容量(第1ゲート106と第2ゲート107との間の静電容量など)があまり増大することがない。
また、スイッチング動作時に、このトランジスタがオフ状態からオン状態へ遷移するとき、ドレイン電圧が負値になる。ここで、このトランジスタでは、ドレイン電圧が大きい負値になれば第2ゲート107には順バイアスがかかるので、電荷は、ドレイン108のコンタクトから第2ゲート107を構成する金属電極を通り、さらに上記エアブリッジ配線109を通ってソース105へ流れる。これによって、第1ゲート106にかかる順バイアス電圧の大きさが制限されて、第1ゲート106を流れる電流が大きくはならない。このことは、このトランジスタがスイッチング素子として用いられる場合に、フリーホイール用ダイオードを不要にする利点を生む。
図2Aはこの発明一実施形態のHFETの断面構造を示し、図2Bは図2Aのものを上方から見たときの平面レイアウトを示している。
図2Aに示すように、このHFETは、SiC基板201上に、厚さ3μmのアンドープGaN層202と、厚さ25nmのAl0.3Ga0.7N層203とを備えている。これらの半導体層202、203はパターン加工されてメサ212を構成している。GaN層202とAl0.3Ga0.7N層203との境界面に沿って、キャリア濃度n=8×1012cm−2の2次元電子ガス(2DEG)204が生じている。Al0.3Ga0.7N層203上で、この層203の表面に沿って互いに離間した位置にそれぞれ金属電極を設けて、ソース205、第1ゲート206、第2ゲート207、ドレイン208がこの順に形成されている。
ソース205およびドレイン208を構成する金属電極はTi/Al/Auの積層からなり、直下のAl0.3Ga0.7N層203とオーミック接触している。
第1ゲート206は、Al0.3Ga0.7N層203の表面に深さ18nmのリセス溝213を形成し、そのリセス溝213の内面(底面および側面)を覆うと共にそのリセス溝213の両側のAl0.3Ga0.7N層203の表面にオーバラップするように厚さ20nmのTaからなるゲート絶縁膜214を設け、さらにそのゲート絶縁膜214の表面上にWN/Auの積層からなる金属電極206Mを設けて、MIS型として構成されている。一方、第2ゲート207は、Al0.3Ga0.7N層203の表面上にWN/Auの積層からなる金属電極を設けて、ショットキ接合型として構成されている。第1ゲート206のゲート長は0.5μmであり、第2ゲート207のゲート長は1.0μmになっている。また、第2ゲート207とドレイン208との間の間隔は5μmになっている。また、第1ゲート206は、リセス溝213のお蔭で「ノーマリオフ」型になっており、その閾値電圧は+0.3Vである。第2ゲート207は「ノーマリオン」型であり、そのピンチオフ電圧は−5Vである。
この例では、ゲート絶縁膜214がTaからなる。Taは、一般的なSiOに比して誘電率が高くて、またパシベーション効果がある。したがって、ノーマリオフ型素子のゲート絶縁膜の材料として特に適している。しかし、他の絶縁体、例えばSiO,SiN,HfO,TiO、その他の金属酸化膜も、ゲート絶縁膜の材料として用いても良い。
このHFETでは、第2ゲート207は、Ti/Pt/Auの積層からなるエアブリッジ配線209によってソース205に電気的に接続されている。エアブリッジ配線209の直下は空間219になっている。
また、Al0.3Ga0.7N層203の表面のうち第2ゲート207とドレイン208との間の全域を占めて第2ゲート207にオーバラップして接するように、誘電膜としての厚さ4000ÅのTiO膜215が設けられている。
このHFETでは、典型的な動作時には、ソース205とドレイン208との間に高電圧が印加され、第1ゲート206に高周波信号(スイッチング用の駆動信号や増幅されるべき高周波入力信号を含む。)が印加され、ソース205からエアブリッジ配線209を介して第2ゲート207にDCバイアスが印加(または接地)される。
ここで、図3Bに示すように、このトランジスタがオフ状態で高いドレイン・ソース間電圧が印加されてドレイン・第2ゲート間電圧が高くなっているとき、従来例と同様に、インパクトイオン化によってチャネル領域にホール(正孔)290(およびそのホールと対をなす電子292)が生じることがある。しかしながら、このトランジスタでは、生じたホール290は、矢印294で示すように、ショットキ型の第2ゲート207の方へ掃き寄せられて、吸収される。したがって、トランジスタがオンにならず、ブレイクダウン電圧(耐圧)が高くなる。なお、インパクトイオン化によってチャネル領域に生じた電子292は、矢印293で示すように、ドレイン208の方へ掃き寄せられて、吸収されるだけである。これに対して、図3Aに示す参考例のHFET(図3BのHFETにおいて第2ゲート207とエアブリッジ配線209を省略したもの)では、生じたホール290がアバランシェ(なだれ)増倍されて、矢印291で示すように、ゲート電極206M直下のゲート絶縁膜214の下に集まる。このため、望まれないのにトランジスタがオンし、ブレイクダウン電圧(耐圧)が低い。
また、インパクトイオン化によって生じたホール(ホットホール)290は、そのようにショットキ型の第2ゲート207の方へ掃き寄せられて、吸収されるので、第1ゲート206をなすゲート絶縁膜214に注入されてトラップされることがない。したがって、このトランジスタの閾値電圧が安定する。
さらに、ソース205、第1ゲート206、第2ゲート207、ドレイン208はこの順に並んでいるため、ソース・ドレイン間電圧の大部分は第2ゲート207とドレイン208との間にかかる(電圧降下)。したがって、第1ゲート206にかかる電圧の大きさが制限されて、第1ゲート206についての遷移電流は比較的小さくなる。この結果、スイッチング動作時にこのHFETを駆動するドライバ回路の消費電力が小さくなる。第2ゲート207については、DCバイアスが印加(または接地)されるので、ドライバ回路の負担は生じない。
このHFETでは、エアブリッジ配線209のお蔭で第2ゲート207とソース205との間の電気抵抗が無視できる程度に低くなる。これとともに、ワイヤなどによる配線が設けられた場合に比して、第2ゲート207に関する静電容量(第1ゲート206と第2ゲート207との間の静電容量など)が無視できる程度に低くなる。したがって、高周波特性が改善される。この構成は、カスコード回路と等価である。
なお、ソース205と第2ゲート207との間のエアブリッジ配線209直下の空間219に、第1ゲート206を覆うようにポリイミド絶縁膜(図示せず)を設け、このポリイミド絶縁膜で配線209を支持するようにしても良い。これにより、構造が安定する。
図2Bに示すように、ソース205、第1ゲート206、第2ゲート207、ドレイン208は、大電流をスイッチングまたは増幅できるように、それぞれ一方向(図2Bにおける上下方向)に細長く延びるパターンを有している。エアブリッジ配線209は、その一方向に対して垂直な方向(図2Bにおける左右方向)に5μmの幅で細長く延びるパターンを有している。エアブリッジ配線209は、図2Bにおける上下方向に関して周期的に、具体的には図2B中に示す200μmピッチで、複数設けられている。典型的な例では、図2Bにおける上下方向のパターン寸法(ゲート幅)は60mmであり、図2Bに示す構成単位が600個含まれる。このように、エアブリッジ配線209は、細長く延びるパターンで周期的に設けられているので、第2ゲート207に関する静電容量(第1ゲート206と第2ゲート207との間の静電容量など)があまり増大することがない。
既述のように、この例では、第2ゲート207とドレイン208との間の全域を占めて第2ゲート207にオーバラップして接するように、誘電膜としてのTiO膜215が設けられている。TiOは高い誘電率と高い絶縁破壊強さを有するので好ましい。この誘電膜215のお蔭で第2ゲート207とドレイン208との間の最大電界が低くなり、特に第2ゲート207近傍での絶縁破壊が防止される。また、2次元電子ガス204のキャリア濃度が高くても電界の集中が起こらないので、チャネルの抵抗が低いにも係わらず絶縁破壊耐圧を高くすることができる。
上記誘電膜215の誘電率はGaN層202やAlGaN層203の誘電率よりも高いのが望ましい。上記誘電膜215の厚さは2000Åより厚いのが望ましい。この場合、第2ゲート207とドレイン208との間の最大電界を効果的に低くできる。
誘電膜215の材料としては、具体的には、誘電率と絶縁破壊強さの観点から、TiOの他に、HfO、TaOx、NbOxなどが挙げられる。
ただし、誘電膜215のせいで第2ゲート207に関する静電容量が増加するため、その分だけ、スイッチング動作時に第2ゲート207を通る遷移電流が増加する。しかしながら、ソース・ドレイン間電圧の大部分は第2ゲート207とドレイン208との間にかかる(電圧降下)。したがって、第1ゲート206にかかる電圧の大きさが制限されて、第1ゲート206についての遷移電流は比較的小さくなる。この結果、スイッチング動作時にこのHFETを駆動するドライバ回路の消費電力が小さくなる。
なお、当然ながら、誘電膜215に代えて、図1A中に示したようなSiNからなるパシベーション膜115を設けても良い。
図5は、図2Aに示したHFETを4個(それぞれ符号401A、401B、401C、401Dで示す。)用いて構成された「Hブリッジ」スイッチング回路を示している。このスイッチング回路は、4個のHFET401A、401B、401C、401Dを所定のタイミングでオン、オフ制御するドライバ回路400を含んでいる。403はインダクタンス負荷を示している。ドレイン電圧が切り替わって絶対値が大きい負値になった場合(インダクタンス負荷のときに生ずる)に、逆方向のドレイン電流は、既述のように第2ゲート207を構成する金属電極からエアブリッジ配線209を通ってソース205へバイパスされて流れる。これによって、第1ゲート206にかかる順バイアス電圧の大きさが制限されて、第1ゲート206を流れる電流が大きくはならない。したがって、従来のスイッチング回路(図6参照)では必要とされたフリーホイール用ダイオードが不要になる。
この実施形態では、GaN系のHFETに関して述べたが、これに限られるものではない。この発明は、デュアルゲートを有するヘテロ接合電界効果トランジスタに広く適用される。
この発明の基礎となる参考例のHFETの断面構造を示す図である。 図1Aのものを上方から見たときの平面レイアウトを示す図である。 この発明一実施形態のHFETの断面構造を示す図である。 図2Aのものを上方から見たときの平面レイアウトを示す図である。 図2AのHFETにおいて第2ゲートとエアブリッジ配線を省略したのに相当する参考例の動作を説明する図である。 図2AのHFETの動作を説明する図である。 従来のHFETの断面構造を示す図である。 図2AのHFETを備えたスイッチング回路の構成を示す図である。 図4のHFETを4個用いて構成された従来のHブリッジスイッチング回路の構成を示す図である。
102、202 アンドープGaN層
103、203 Al0.3Ga0.7N層
104、204 2次元電子ガス
105、205 ソース
106、206 第1ゲート
107、207 第2ゲート
108、208 ドレイン
109、209 エアブリッジ配線
213 リセス溝
215 TiO

Claims (4)

  1. ヘテロ接合を含む半導体層上でこの半導体層の表面に沿って互いに離間した位置に、それぞれ金属電極を有するソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインをこの順に備え、
    上記第1ゲートはMIS型でノーマリオフになっており、上記第2ゲートはショットキ型でノーマリオンになっており、
    上記第2ゲートはエアブリッジ配線によって上記ソースに電気的に接続されていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 請求項に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、
    上記ソースと第2ゲートとの間に上記第1ゲートを覆うポリイミド絶縁膜が設けられ、
    上記第2ゲートは上記ポリイミド絶縁膜に支持された上記エアブリッジ配線によって上記ソースに接続されていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  3. 請求項1または2に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、
    上記ソース、第1ゲート、第2ゲート、ドレインはそれぞれ上記半導体層上で一方向に細長く延びるパターンを有し、
    上記エアブリッジ配線は、上記一方向に対して垂直な方向に細長く延び、かつ上記一方向に関して周期的に複数設けられていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  4. 請求項1からまでのいずれか一つに記載のヘテロ接合電界効果トランジスタにおいて、
    上記第2ゲートとドレインとの間で上記半導体層の表面に、少なくとも上記第2ゲートに接するように半導体能動層の誘電率より高い誘電率の誘電膜が設けられていることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
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