JP5192133B2 - カチオン性高分子分散剤を用いた熱可塑性樹脂水性分散液 - Google Patents
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(A)成分:下記式(1)で示される単量体。
(B)成分:
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル。
この発明にかかる熱可塑性樹脂水性分散液は、熱可塑性樹脂[1](下記[2]成分に相当する熱可塑性樹脂を除く。)、アニオン系熱可塑性樹脂[2]、及びカチオン性高分子分散剤[3]を含有する水性分散液であり、具体的には、アニオン系熱可塑性樹脂[2]と、カチオン性高分子分散剤[3]とによって、熱可塑性樹脂[1](上記[2]成分に相当する熱可塑性樹脂を除く。)を水に分散させてなる水性分散液である。
まず、上記カチオン性高分子分散剤[3]を構成する共重合体を構成する(A)成分及び(B)成分を含む各単量体を上記の条件の混合比で混合し、単量体混合液を得る。次いで、親水性溶媒の存在下、重合開始剤を加え、所定温度で所定時間、重合反応させることにより、目的の共重合体を製造することができる。
[粘性変化試験]
250mlのポリ瓶に、測定対象の水性分散液100g、及びイソプロピルアルコール20gを添加して、2.5cmのマグネチックスターラーで10分間攪拌した。その後、25℃の恒温室に放置して、1日毎にポリ瓶を傾けて粘性の変化を観察した。その結果を、下記の基準で評価した。
○…7日経過したが、変化は見られなかった
×1…1日目で増粘した
×2…2日目で増粘した
250mlのポリ瓶に、測定対象の水性分散液100g、及びイソプロピルアルコール20gを添加して、2.5cmのマグネチックスターラーで10分間攪拌した。その後、25℃の恒温槽に3時間放置して、サンプル温度を25℃に設定し、ホモジナイザー((株)日音医理科器械製作所製)のジェネレーターをサンプル液内に漬し、2000rpmの回転数で10分間処理を実施した。処理後のサンプルの外観を観察した。その結果を、下記の基準で評価した。
○…変化は見られなかった
×…クリーム状になった
[(A)成分]
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート…三洋化成工業(株)社製、以下、「DMMA」と略する。
・ブチルメタクリレート…三菱レーヨン(株)社製、以下、「BMA」と略する。
・ラウリルメタクリレート…三菱レーヨン(株)社製、以下、「LMA」と略する。
・エチルアクリレート…三菱化学(株)社製、以下、「EA」と略する。
・プロピレングリコールメタクリレート…日本油脂(株)社製:ブレンマーPP−1000、プロピレングリコール単位の繰り返し単位数=5〜6、以下、「PP」と略する。
・エチレン・酢酸ビニル共重合体…三井・デュポンポリケミカル(株)製:EV220、酢酸ビニル含有量28重量%、融点74℃、190℃におけるメルトフローインデックス(MFI)が150g/10分、以下、「EVA」と略する。
(アニオン性基を有する樹脂)
・エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体…アルケマ社製:ボンダインHX8210、以下、「HX8210」と略する。
・塩素化ポリプロピレン…東洋化成工業(株)製:ハードレン13LP、塩素含量:26重量%、以下、「ClPP」と略する。
・イソプロパノール…(株)トクヤマ製:トクソーIPA(登録商標)、以下、「IPA」と略する。
[分散剤の製造]
DMMA62.9g(0.40モル)、BMA71.0g(0.50モル)、LMA25.4g(0.10モル)、及びIPA200gを攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを装着した500mlの4ツ口フラスコ内に仕込み、窒素ガス置換後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.6gを開始剤とし、80℃にて4時間重合した。
次いで、酢酸19.2g(0.32モル)で中和した後、IPAを留去しながら水を添加して置換し、最終的に固形分35%の粘稠なアクリル系共重合体の部分中和物である分散剤の水溶液を得た(収率97%)。
EVAを80重量部/時間、及び塩素化ポリプロピレンを20重量部/時間の割合で、同方向回転噛合型二軸スクリュー押出機((株)池貝社製:PCM45φ、三条ネジ浅溝型、L/D=30)のホッパーより連続的に供給した。
また、同押出機のベント部に設けた供給口より、上記分散剤の水溶液を26.8重量部/時間(固形分としては8重量部/時間)の割合で、ギヤーポンプ(吐出圧力3Kg/cm2G)で加圧して連続的に供給しながら、加熱温度(シリンダー温度、以下同じ)110℃で連続的に押出し(スクリューの回転数200rpm)、乳白色の水性分散液を得た。
この水性分散液の平均粒径を顕微鏡から求めたところ、約0.9μmであった。
また、この水性分散液100部にIPA20重量部を添加して、攪拌後、粘性変化試験及び機械安定性試験を実施した。結果を表1に示す。
表1に示す条件に従い、それ以外は実施例1と同様にして、分散剤を製造し、水性分散液を製造した。その結果を表1に示す。
Claims (10)
- 下記の[1]〜[3]の各成分を含む水性分散液であり、
上記の[3]の使用量が、上記の[1]及び[2]の合計量100重量部に対して、固形分換算で2重量部以上15重量部以下である熱可塑性樹脂水性分散液。
[1]下記[2]成分に相当する熱可塑性樹脂を除く熱可塑性樹脂。
[2]アニオン系熱可塑性樹脂。
[3]カチオン性高分子分散剤。
上記[3]成分は、下記の(A)成分及び(B)成分を含み、この(A)成分及び(B)成分を、(A)成分/(B)成分=10〜80/90〜20のモル比で混合した単量体を、共重合することにより得られる共重合体からなり、この共重合体の中和度が50〜85モル%である。
(A)成分:下記式(1)で示される単量体。
(上記式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基又はヒドロキシ置換アルキレン基を示し、R3及びR4は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示すと共に、R3とR4は、同一であっても異なってもよく、Aは酸素原子又は、NH基を示す。)
(B)成分:
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル。 - 上記[2]成分の軟化点又は融点が200℃以下、20℃以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
- 荷重2.16kg、温度190℃の条件下で、JIS K−6760に従って測定した上記[2]成分のメルトフローインデックスが3g/10分以上、600g/10分以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
- 上記[2]成分が、α、β−不飽和カルボン酸を含む単量体を共重合させた共重合体、カルボキシル基を残存させたポリエステル樹脂、又はポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂のいずれかを無水マレイン酸で変性した変性熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン性基含有熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
- 上記[2]成分が、塩素化ポリエチレン、臭素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、臭素化ポリプロピレン及びアミンオキサイド基含有樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のマイナス分極性基含有熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
- 上記[1]成分が、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル樹脂及びエラストマー樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液に親水性有機溶媒を混合してなる混合分散液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液を製造する方法であって、
前記の[2]成分及び[3]成分を用いて、前記の[1]成分を水に分散させる熱可塑性樹脂水性分散液の製造方法。 - ロールミル、ニーダー、押出機、インクロール、及びバンバリーミキサーから選ばれる混練機を用いる請求項8に記載の熱可塑性樹脂水性分散液の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の製造方法で製造される熱可塑性樹脂水性分散液に親水性有機溶媒を混合する混合分散液の製造方法。
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