JP2722526B2 - シーラー用水性分散型樹脂組成物 - Google Patents

シーラー用水性分散型樹脂組成物

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JP2722526B2 JP63245195A JP24519588A JP2722526B2 JP 2722526 B2 JP2722526 B2 JP 2722526B2 JP 63245195 A JP63245195 A JP 63245195A JP 24519588 A JP24519588 A JP 24519588A JP 2722526 B2 JP2722526 B2 JP 2722526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なるシーラー用水性分散型樹
脂組成物に関する。さらに詳細には、アミノ基という特
定の官能基(反応性基)を有する樹脂と塩素化ポリオレ
フィンとを必須の成分として、特定の割合で含んで成
る、建材や建築構造物(築造物)などの表面塗装のさい
に使用しうる塩素化ポリオレフィン系の水系シーラー用
樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、土木建築分野において、構造物、築造物、そし
て壁材などとして利用されている建材は、その耐久性の
向上や美感の向上などのために、現場や工場ラインで塗
装されるというケースも漸次、増えてきている。
ところで、これらの建築物や建材は、それらの殆んど
が、セメントや珪酸塩系などの無機物質である処から、
塗装にさいしては、上塗り塗料の付着性を向上させた
り、仕上がり外観を向上させたりするなどのために、シ
ーラーが塗装されている。
かかる上塗り塗料としては、水性の吹付けタイル用塗
料、リシン塗料、光沢塗料および弾性塗料をはじめ、溶
剤系のラッカー型塗料などの如く、多岐に亘っている
が、作業性、環境汚染または安全性などの観点からは、
水性の塗料が多用されるようになってきている。
ところが、こうした上塗り塗料のいずれに対しても適
用できるようなシーラーは殆んど見当たらなく、そのた
めに、現実には、上塗り塗料に合わせて、その都度、シ
ーラーを変えて塗装するという具合いで、至極、煩雑で
ある。
そうした中で、塩素化ポリオレフィンを主成分とする
溶剤系のシーラーだけは、前掲された如き殆んどの上塗
り塗料に適応できる。
かくして、作業性の向上化や危険性の低減化などのた
めに、塩素化ポリオレフィンの水性分散化が種々検討さ
れているけれども、塩素化ポリオレフィンそれ自体が、
約1.4〜約1.8なる程度の高比重物でもあるし、疎水性も
強いものでもある処から、保存安定性の良好な水性分散
体を得ることは困難事とされ、よしんば、大量の乳化剤
などを用いることによって比較的安定な水性分散体が得
られても、結局の処、乳化剤などの影響により、シーラ
ーとしての性能の維持が困難であるというのが、実状で
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、本発明者らは上述した如き従来技術におけ
る種々の欠点の存在に鑑み、保存安定性が良好で、しか
も、シーラーとしての性能を低下せしめることもない、
実用的な、塩素化ポリオレフィンの水性分散体、つまり
シーラー用水性分散型樹脂組成物を求めて鋭意検討を重
ねた結果、アミノ基含有共重合樹脂という特定の樹脂と
塩素化ポリオレフィンとの特定の割合になる水性分散体
が、保存安定性はもとよりのこと、シーラーとしての諸
性能にもすぐれるものであることを見い出して、本発明
を完成させるに到った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、基本適には、必須の構成成分と
して、それぞれ、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物
を5〜50重量%なる範囲内で含んだエチレン性不飽和化
合物を重合せしめて得られるアミノ基含有共重合樹脂
(A)と、塩素化ポリオレフィン(B)とを、上記し
た、それぞれ、成分(A):成分(B)なる固形分重量
比が20:80〜60:40となるような割合で含有することから
成る、主として、各種の無機質建材類や各種の駆体類な
どに利用し適用し得るような、極めて実用性の高い、シ
ーラー用水性分散型樹脂組成物を提供しようとするもの
である。
ここにおいて、まず、上記した塩素化ポリオレフィン
(B)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
3−メチル−1−ブテンもしくは3−メチル−1−ペン
テンの如きα−オレフィンの単独重合体ないしは共重合
体、または該オレフィンと他の共重合性単量体との共重
合体、たとえば、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−ブ
タジエンもしくはエチレン−アクリル酸エステルなどを
塩素化せしめたものが挙げられるが、就中、塩素化ポリ
エチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プ
ロピレン共重合体または塩素化エチレン−酢酸ビニルな
どの使用が望ましい。
別に、イソプレンを主成分とする生ゴムを塩素化して
得られる、いわゆる塩化ゴムを用いてもよい。
これらの各種塩素化ポリオレフィンは単独使用でも、
2種以上の併用でもよい。
当該塩素化ポリオレフィン(B)の市販品としては、
「スーパークロン406、507、510、773Hもしくは814H」
〔三陽国策パルプ(株)製品〕、「ハードレン14EV、14
LLB、15LLBもしくは35AL」〔東洋化成工業(株)製品〕
または「アデカプレンCE−305]〔旭電化工業(株)製
品〕の如き塩素化ポリオレフィンをはじめ、「アデカ塩
化ゴムCR−5、CR−10もしくはCR−20」(同上社製品)
または「スーパクロンCR−5もしくはCR−10」〔前出社
製品〕の如き塩化ゴムなどが、それぞれ、代表的なもの
として挙げられる。
次いで、前記した共重合樹脂(A)を調製するに当た
って用いられるアミノ基含有エチレン性不飽和化合物な
る必須の単量体成分として特に代表的なもののみを挙げ
るに止めれば、アミノエチル(メタ)アクリレートに代
表される1級アミノ基含有ビニル単量体;N−メチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートに代表される2級アミノ
基含有ビニル単量体;またはN,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートに代表される3級アミノ基含有
ビニル単量体などであるが、これらは単独使用でも、2
種以上の併用でもよい。
ここにおいて、これらの各種アミノ基含有ビニル単量
体中のアミノ基に結合しているアルキル基としては、そ
れぞれ、好ましくは1〜12なる炭素数、さらに好ましく
は1〜4なる炭素数のものが適切である。かかるアルキ
ル基が余りに長くなると、得られる共重合樹脂(A)に
十分な親水性が付与され得なくなるので、好ましくな
い。
かかるアミノ基含有ビニル単量体と共重合可能な他の
エチレン性不飽和化合物として代表的なものには、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレートもしくはベンジル(メタ)アクリレートの如
き、(メタ)アクリル酸の(シクロ)アルキルないしは
アラルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−ハロスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソ
ール、ビニルナフタレンもしくはジビニルベンゼンの如
き芳香族系単量体;酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニル、
ビニルブチラートもしくはバーサティック酸ビニルの如
きビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエー
テルもしくはラウリルビニルエーテルの如きビニルエー
テル類;(メタ)アクリロニトリル、マレイックジニト
リルもしくはビニリデンシアナイドの如きビニルシアニ
ド類;グリシジル(メタ)アクリレートもしくはアリル
グリシジルエーテルの如きグリシジル系化合物;ビニル
トリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シランもしくはγ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの如き
シラン系化合物;あるいは(メタ)アクリルアミド、エ
チレン、プロピレン、イソプロピレン、クロロピレン、
ブタジンまたはビニルピロリドンなどがある。
そのほかにも、上掲された如きアミノ基含有ビニル単
量体と共重合させることによって、得られる共重合樹脂
(A)に親水性を付与できるようなエチレン性不飽和化
合物として代表的なものには、N−メチロール(メタ)
アクリルアミドもしくはβ−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの如き水酸基含有ビニル単量体;ポリエチ
レングリコールもしくはポリピレングリコールまたはそ
れらのブロック共重合体のモノ(メタ)アクリレートや
ポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコ
ールまたはそれらのブロック共重合体のモノアルキルエ
ーテルの(メタ)アクリレートの如きポリアルキリレン
オキシド基含有ビニル単量体;あるいは(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸もしくはその半エステル、フマル酸も
しくはその半エステル、またはイタコン酸もしくはその
半エステルの如き不飽和カルボン酸などがある。
以上に掲げられた、アミノ含有ビニル単量体と共重合
可能な他のエチレン性不飽和化合物は単独使用でも、2
種以上の併用でもよい。
当該アミノ基含有共重合樹脂(A)は、前掲された如
き塩素化ポリオレフィン(B)を水性媒体中に分散せし
めるさいの分散剤となるべきものであり、したがって、
当該共重合樹脂(A)それ自体は、親水性を有すること
が必要であるが、こうした親水性を当該樹脂(A)に付
与せしめるには、当該樹脂(B)を調製するにさいして
必須の原料成分として用いられる前掲の如き各種アミノ
基含有ビニル単量体のほかに、前掲した如き水酸基やア
ルキレンオキシド基を含有するビニル単量体とか、不飽
和カルボン酸の如きカルボキシル基を含有するビニル単
量体などをも併用することが一つの有効な手段である。
しかしながら、そのさいに最も重要なことは、かかる
アミノ基含有ビニル単量体それ自体の存在率であって、
このアミノ基含有ビニル単量体の使用量が、全エチレン
性不飽和化合物中、5重量%未満である場合には、どう
しても、得られる水性分散体の保存安定性が劣るように
なったり、得られる水性分散体の皮膜と無機質建材や無
機質躯体の如き基材との付着性も悪くなるようになった
りするので好ましくないし、一方、50重量%を超える場
合には、どうしても、得られる水性分散体の皮膜の耐水
性などが劣るようになるので好ましくない。
したがって、本発明においては、かかるアミノ基含有
ビニル単量体の使用量としては、是非とも、全エチレン
性不飽和化合物中、5〜50重量%なる範囲内、好ましく
は10〜40重量%なる範囲内が適切である。
当該アミノ基含有共重合樹脂(A)を調製するには、
前掲された如き各種エチレン性不飽和化合物の混合物、
つまり、上述したような、アミノ基含有ビニル単量体を
5〜50重量%なる範囲内で含んだエチレン性不飽和化合
物を、有機溶剤中で常法により重合させればよい。
かかる有機溶剤としては公知慣用のものが、いずれも
使用できるが、そのうちでも特に代表的なものを挙げれ
ば、トルエンもしくはキシレンの如き芳香族炭化水素;
ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンの如き脂肪族炭化
水素;シクロヘキサン、シクロペンタンもしくはメチル
シクロヘキサンの如き脂環式炭化水素;酢酸エチル、酢
酸−n−ブチルもしくは酢酸−n−アミルの如きエステ
ル系;イソプロピルエーテルもしくはn−ブチルエーテ
ルの如きエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンもしくはシクロヘキサノンの如きケトン
類;エタノール、n−ブタノール、2−ブタノール、プ
ロピレングリコールもしくはイソプロピレングリコール
の如きアルコールもしくはグリコール類;またはエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノ
エチルエーテルの如きセロソルブ類などであり、これら
は単独使用でも、2種以上の併用でもよい。ただし、上
記アルコールもしくはグリコール類の使用の場合には、
前記塩素化ポリオレフィン(B)との相溶性を低下させ
ることがあるので、特に注意を要する。
また、本発明の樹脂組成物を調製するには、当該アミ
ノ基含有共重合樹脂(A)と塩素化ポリオレフィン
(B)との混合溶液中に、撹拌しながら、水を加えて転
相乳化させるか、あるいは逆に、水の中にこれら上記の
混合溶液を加えて乳化させるという工程が必要となる
が、それぞれの方法のうち、前者の転相乳化法によるの
が一般的であり、推奨されるものであるが、こうした乳
化の工程を有利に行なうためにも、水溶性溶剤を重合時
に使用することも有用な手段である。
当該アミノ基含有共重合樹脂(A)を調製するにさい
して、重合開始剤としては公知慣用のものが、いずれも
使用できるが、そのうちでも特に代表的なものを挙げれ
ば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−tert−
ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーベンゾエート、
tert−ブチルパーオクトエートもしくはアセチルパーオ
キシドの如き有機過酸化物類;または2,2′−アゾビス
イソブチルニトリルもしくは2,2′−アゾビスバレロニ
トリルの如きアゾ系化合物などであり、これらは単独使
用でも、2種以上の併用でもよい。
また、分子量の調整のために、公知慣用のメルカプタ
ン類などの各種連鎖移動剤を使用することもできる。
次いで、かくして得られる当該アミノ基含有共重合樹
脂(A)と、前掲した如き塩素化ポリオレフィン(B)
とを用いて本発明のシーラー用水性分散型樹脂組成物を
調製するには、たとえば、塩素化ポリオレフィン(B)
それ自体を、あるいはこの塩素化ポリオレフィン(B)
を予め有機溶剤に溶解せしめた形の溶液を、別途に調製
されたアミノ基含有共重合樹脂(A)の溶液に均一に溶
解せしめ、次いでこれらの混合溶液に、撹拌しながら水
を加えて転相乳化せしめてもよいし、あるいは塩素化ポ
リオレフィン(B)と有機溶剤との存在下に、アミノ基
含有共重合樹脂(A)を重合せしめ、次いでこれらの混
合溶液を転相乳化せしめてもよい。
こうした転相乳化ののち、有機溶剤を蒸留により除去
することは、作業性の向上や危険性の低減化などの面か
らも、特に望ましいものである。
本発明に係るシーラー用水性分散型樹脂組成物の必須
の成分たる、それぞれ、アミノ基含有共重合樹脂(A)
と、塩素化ポリオレフィン(B)との混合割合として
は、成分(A):成分(B)なる固形分重量比で以て、
20:80〜60:40の範囲内が適切である。
成分(A)の使用量が20重量%未満の場合には、どう
しても、安定なる水性分散型樹脂組成物が得られ難くな
るし、一方、60重量%を超えて余りにも多くなる場合に
は、どうしても、シーラーとしての諸特性ないしは諸物
性が劣るようになるので、いずれの場合も好ましくな
い。
かくして得られる本発明のシーラー用水性分散型樹脂
組成物には、さらに必要に応じて、塩素化ポリオレフィ
ン(B)それ自体の脱塩素化反応を抑制するための安定
化剤成分として、各種のエポキシ樹脂、エポキサイド
類、塩基性鉛塩または有機錫化合物などを配合せしめる
こともできるし、それとは別に、本発明組成物の変性剤
成分として、変性アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂またはウレタン樹脂などの、ア
ミノ基含有共重合樹脂(A)以外の各種樹脂類を配合せ
しめることもできるし、あるいは乳化剤、顔料、可塑剤
または消泡剤などの公知慣用の各種添加剤をも配合せし
めることができる。
〔発明の効果〕
本発明のシーラー用水性分散型樹脂組成物は、とりわ
け、保存安定性にすぐれた、しかも、シーラーとしての
諸物性ないしは諸性能にもすぐれたものである。
そして、保存安定性がすぐれるのは、アミノ基含有共
重合体(A)中のアミノ基含有ビニル単量体に由来する
アミノ基が、水中で、塩素化ポリオレフィン(B)の脱
塩素反応により生ずる塩化水素(塩酸)と結合してカチ
オン化されるということが主たる理由であると推定され
るし、ひいては、こうしてアミノ基がカチオン化される
ことによって、無機質建材や無機質躯体などの各種基材
たる、いわゆるアニオン性基材への付着性ないしは密着
性が向上化し、シーラーとしての諸物性ないしは諸物性
もすぐれたものになると推定される。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および比較例により一層具体的
に説明するが、以下において、部および%は特に断りの
ない限り、すべて重量基準である。
実施例1 撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた
ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下で、メチルエチ
ルケトンの60部を仕込んで内温を85℃まで昇温した。こ
こへ、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの35
部、n−ブチルアクリレートの55部およびメチルメタク
リレートの10部よりなる単量体混合物と、tert−ブチル
パーオクトエートの1.5部をn−ブタノールの5部に溶
解したものとを、それぞれ、3時間に亘って滴下し、さ
らにtert−ブチルパーオクトエートの1部を加えて同温
度に保持してから冷却した処、固形分が60%なる淡赤色
液体の反応混合物が得られた。これを共重合樹脂(A−
1)と略記する。
次いで、この共重合樹脂(A−1)の溶液の100部に
対して、酢酸の2部と「アデカサイザーO−130」〔旭
電化工業(株)製のエポキシ化植物油系可塑剤〕の25部
とを加え、さらに「アデカプレンCE−305」なる塩素化
ポリエチレンの50%メチルエチルケトン溶液の200部を
加え、撹拌しながら60℃に加熱し、400部の水を滴下し
て乳化せしめた。
次いで、系内を減圧に保ってメチルエチルケトンを蒸
留除去して、固形分が31%なる乳白色液状の目的樹脂組
成物を得た。これを水性分散体(AB−1)と略記する。
実施例2 「アデカプレンCE−305」の代わりに、「スーパーク
ロンCR−5」と「スーパークロンCR−10」との1:1(重
量比)なる混合物の50%メチルエチルケトン溶液の200
部を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て固形分が31%なる淡黄色液状の目的樹脂組成物を得
た。これを水性分散体(AB−2)と略記する。
実施例3 実施例1で得られた共重合樹脂(A−1)の溶液の10
0部に、酢酸の2部と「アデカサイザーO−130」の35部
とを加え、さらに「スーパークロン306」なる塩素化ポ
リプロピレンと「アデカプレンCE−305」との1:1(重量
比)なる混合物の50%メチルエチルケトン溶液の300部
をも加え、加熱撹拌しながら60℃に昇温し、水を滴下し
て乳化せしめた。
次いで、メチルエチルケトンを留去して固形分が33%
なる淡黄色液状の目的樹脂組成物を得た。以下、これを
水性分散体(AB−3)と略記する。
実施例4 実施例1と同様の反応容器に、トルエンの400部を仕
込んで窒素雰囲気中で撹拌しながら昇温して内温を80℃
にして、ここへ「スーパークロン510」なる塩素化ポリ
エチレンの400部を加えて均一に溶解せしめた。
次いで、ポリエチレングリコールの平均分子量が4,00
0なるポリエチレングリコールモノメタクリレートの25
部とメタクリル酸の5部とラウリルメルカプタンの0.5
部とを仕込んで、さらにN,N−ジメチルアミノエチルア
クリレートの20部、2−エチルヘキシルアクリレートの
30部およびメチルメタクリレートの20部よりなる単量体
混合物とtert−ブチルパーオクトエートの1部とを、そ
れぞれ、2時間に亘って滴下し、滴下終了後、tert−ブ
チルパーオクトエートの0.5部をさらに仕込んで、同温
度に4時間保持した。
しかるのち、50℃に冷却してからエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテルの250部およびフタル酸ジオ
クチルの40部を加えて均一な溶液となしたのち、水の1,
500部を加えて乳化せしめた。
次いで、トルエンを減圧蒸留により留去せしめて、固
形分が26%なる赤褐色半透明で液状の目的樹脂組成物を
得た。以下、これを水性分散体(AB−4)と略記する。
実施例5 実施例1と同様の反応容器に、メチルエチルケトンの
150部および「スーパークロン510」の80部を、窒素雰囲
気中で85℃に昇温し、撹拌しつつ溶解させ、さらに「エ
ピクロン850」〔大日本インキ化学工業(株)製のビス
フェノールA型エポキシ樹脂〕の5部とラウリルメルカ
プタンの0.5部とを加えてから、N−メチルアミノエチ
ルメタクリレートの8部、β−ヒドロキシエチルアクリ
レートの10部、n−ブチルアクリレートの62部およびメ
チルメタクリレートの20部よりなる単量体混合物と、te
rt−ブチルパーオクトエートの2部とを、それぞれ、3
時間かけて滴下したのち、tert−ブチルパーオクトエー
トの1部を加えて、さらに同温度に4時間保持した。
次いで、50℃に冷却してからフタル酸ジオクチルの20
部を加えて撹拌しながら、350部の水を加えて乳化せし
めた。
しかるのち、減圧下にメチルエチルケトンを留去せし
めて、固形分が37%なる乳白色液状の目的樹脂組成物を
得た。これを水性分散体(AB−5)と略記する。
比較例1 実施例1で得られた共重合樹脂(A−1)の溶液の10
0部に、酢酸の2部と「アデカサイザーO−130」の10部
とを加え、さらに「アデカプレンCE−305」の50%メチ
ルエチルケトン溶液の50部を加えて撹拌下に60℃昇温
し、300部の水を滴下して乳化せしめた。
次いで、減圧下にメチルエチルケトンを留去せしめて
固形分が24%なる淡黄色液状の対照用樹脂組成物を得
た。以下、これを水性分散体(AB−1′)と略記する。
比較例2 滴下すべき単量体混合物の組成を、メタクリル酸の8
部、β−ヒドロキシエチルアクリレートの10部、n−ブ
チルアクリレートの62部およびメチルメタクリレートの
20部よりなる混合物に変更し、かつ、水を加えて乳化せ
しめるに先立って、トリエチルアミンにより、メタクリ
ル酸に由来する、得られるアミノ基不含の対照用共重合
樹脂中の酸基を中和せしめるように変更した以外は、実
施例5と同様にして、固形分が37%なる乳白色液状の対
照用樹脂組成物を得た。以下、これを水性分散体(A′
B−2′)と略記する。
比較例3 「スーパークロン510」の400部の代わりに、この「ス
ーパークロン510」の50%メチルエチルケトン溶液の3,0
00部を用いるように変更した以外は、実施例4と同様に
して、水を加えて乳化させる段になって、どのようにし
てみても乳化せしめることができなかった。かくして得
られた層分離を起こしたままの対照用樹脂混合物を、以
下、樹脂混合物(AB′−3′)と略記する。
比較例4 滴下すべき単量体混合物の組成を、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレートの60部、n−ブチルアクリレ
ートの30部およびメチルメタクリレートの10部よりなる
混合物を用いるように変更した以外は、実施例1と同様
にして、固形分が31%なる褐色液状の対照用樹脂組成物
を得た。以下、これを水性分散体(AB−4′)と略記す
る。
比較例5 「スーパークロン510」の50%トルエン溶液の100部
に、「アデカサイザーO−130」の20部と「アデカノー
ルNK−4」〔旭電化工業(株)製のノニオン乳化剤〕の
10部と水の70部とを加え、ホモミキサーに通して乳化分
散させることにより、固形分が40%なる乳白色液状の、
アミノ基含有共重合樹脂(A)不含の対照用組成物を得
た。以下、これを水性分散体(B′−5′)と略記す
る。
各実施例および比較例で得られたそれぞれの水性分散
体ないしは樹脂混合物についての、室温に3カ月間放置
したさいの“保存安定性”の結果を第1表に、まとめて
示す。
また、各実施例および比較例で得られたそれぞれの水
性分散体ないしは樹脂混合物を、各別に、水で希釈して
固形分を15%となしてから、JISA−6910に規定された7
×7×2cmなるモルタル板に塗布し、各種の上塗り塗料
をかけて試験に供した。それらの各種塗料毎に行なっ
た、シーラーについての試験の結果は、まとめて第2表
に示す。
なお、試験の要領は次の通りである。
常態付着力……7×7×2cmのモルタル板に、固形分15
%に調製された水性分散体ないしは樹脂混合物を0.75g
(150g/m2)塗布して室温に1日間放置して乾燥させて
から、下記する如き各種の塗料を約1mmなる厚さで塗り
付け、7日間乾燥させた。
次いで、かかる塗料の上に4×4cmアタッチメントを
エポキシ接着剤にて貼り付けて1日間硬化させたのち、
このアタッタメントに沿って、塗面に基材モルタル板に
まで達する切り目を入れ、オートグラフ試験機にて付着
強度を測定した。
この操作を、それぞれの水性分散体ないしは樹脂混合
物について、各別に3枚の試片を用意して行なって3回
の平均値を以て表示した。
耐水付着力……上記と同様にして、アタッタメントをエ
ポキシ接着剤にて貼り付け、切り目を入れてから、2日
間、試片を水中に浸漬せしめたのち、上記と同様に付着
強度を測定した。
なお、この場合には3回の平均値を以て表示した。
使用塗料: 高級弾性塗料……「ハイプルーフ」 〔日本特殊塗料(株)製品〕 単層弾性塗料……「DANユニ」 〔日本ペイント(株)製品〕 吹付けタイル……「ラフトンジャンボ」 〔鈴鹿塗料(株)製品〕

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物の5
    〜50重量%を含むエチレン性不飽和化合物を重合せしめ
    て得られるアミノ基含有共重合樹脂(A)と、塩素化ポ
    リオレフィン(B)とを、必須の構成成分として、上記
    した、それぞれ、成分(A):成分(B)なる固形分重
    量比が20:80〜60:40となるような割合で含有することを
    特徴とする、シーラー用水性分散型樹脂組成物。
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