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本発明は、製造に必要な時間が短く、かつ粗大なセメンタイトの残留の抑制及び焼戻し軟化抵抗の向上により耐ピッチング性が向上した歯車及びその製造方法に関する。
建設機械車両の減速機やホイールローダのベベルギアなどに用いられる歯車に求められる特性の一つに、耐ピッチング性すなわち面圧強度の向上がある。耐ピッチング性を向上させる方法として、歯車を浸炭処理して表面に硬化層を形成する方法がある(例えば特許文献1参照)。
図9は、歯車に真空浸炭処理を行う従来の方法を説明するためのチャートであり、図10(A)〜(D)は、それぞれ図9のA〜Dのタイミングにおける鋼の組織を示す模式図である。本図に示す方法では、まず歯車を減圧雰囲気下で加熱する。そしてAc点以上の所定の温度(本図に示す例では1000℃)に達した場合、この温度に維持したまま、雰囲気に炭化水素ガスを導入する。これにより、浸炭が行われる。このとき、図10(A)の模式図に示すように、オーステナイト結晶粒界に粗大なセメンタイトが析出する。
そして一定時間ほど浸炭が行われた後、炭化水素ガスの導入を終了し、かつ歯車を所定の温度に所定時間ほど維持する。これにより、図10(B)及び(C)に示すように、粗大なセメンタイトが徐々に溶解し、そして消滅していく。
その後、歯車をAr点以下に空冷する。次いで歯車を再び加熱し、歯車をAc点以上の温度で所定時間保持する。これにより、図10(D)に示すように、微細な粒状のセメンタイトが分散析出する。
特開2006−161141号公報(第4段落)
上記した従来例では、浸炭処理後にセメンタイト分散の為の熱処理を行っても、例えば図10(C)に示すように、粗大なセメンタイトが結晶粒界に残留する場合があった。粗大なセメンタイトは応力集中源となり、歯車の耐ピッチング性を低下させてしまう。なお、A点を跨ぐように歯車の加熱・冷却を複数回繰り返して炭化物を分断する方法も考えられるが、この場合、歯車の製造に必要な時間が長くなってしまう。
また、使用中の歯車には、すべりによる摩擦熱が加わる為、常温雰囲気で歯車が使用されている場合であっても、歯車の表面は高温になりやすい。このため、歯車の耐ピッチング性を向上させるためには歯車の焼戻し軟化抵抗を向上させる必要がある
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、製造に必要な時間が短く、かつ粗大なセメンタイトの残留の抑制及び焼戻し軟化抵抗の向上により耐ピッチング性が向上した歯車及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する為、本発明に係る歯車は、質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.0〜1.5%、Mn:0.20〜1.5%、Cr:0.31%以下、Mo:0.1〜1.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼で形成され、
表層に炭素濃度が1質量%以上の浸炭層が形成され、かつ該浸炭層中のセメンタイトの平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。
Cr≦(1.42×10−3Si+4.15×10−4Ni−3.45×10−4Mn−1.06×10−4Mo−9.12×10−4)T−1.37wSi+0.386wNi+0.221wMn−0.147wMo+1.35…(1)
ただし、wCr、wSi、wNi、wMn、及びwMoはそれぞれCr、Si、Ni、Mn、及びMoの質量%、T=浸炭処理を行う処理温度(K)。
また本発明に係る歯車の製造方法は、質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.0〜1.5%、Mn:0.20〜1.5%、Cr:0.31%以下、Mo:0.1〜1.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼からなる歯車を製造する工程と、
前記歯車をAc点以上に加熱して真空浸炭処理を行うことにより、該歯車の表層に炭素濃度が1質量%以上の浸炭層を形成し、その後前記歯車をAr以下の温度に冷却する工程と、
前記歯車をAc点以上に加熱して所定時間保持することにより、前記浸炭層中に、平均粒径が5μm以下のセメンタイトを形成する工程と、
前記歯車を冷却して焼入れする工程と、
を具備する。
Cr≦(1.42×10−3Si+4.15×10−4Ni−3.45×10−4Mn−1.06×10−4Mo−9.12×10−4)T−1.37wSi+0.386wNi+0.221wMn−0.147wMo+1.35…(1)
ただし、wCr、wSi、wNi、wMn、及びwMoはそれぞれCr、Si、Ni、Mn、及びMoの質量%、T=浸炭処理を行う処理温度(K)。
前記浸炭層を形成する工程において、前記歯車の表層に前記浸炭層を形成した後、セメンタイトを分断化させるための繰り返し熱処理を行わずに前記歯車をAr1以下の温度に冷却することも可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る歯車について説明する。この歯車は、例えば建設機械車両の減速機やホイールローダのベベルギアなどに用いられる。以下、質量%を単に%と表示する。本発明者は、真空浸炭時の熱処理条件において粗大なセメンタイトが生成せず、微細なセメンタイトが分散することにより耐ピッチング性が高く、かつ焼戻し軟化抵抗が高い歯車を開発する為、鋭意検討を行った。
まず、焼戻し軟化抵抗を高くするために、歯車を構成する鋼への添加元素としてSiに着目した。Siを添加することにより、焼戻し軟化抵抗は上昇する。焼戻し軟化抵抗を十分得るためには、Siを1%以上鋼に添加する必要がある。一方、Siを過剰に添加すると被削性が劣化する為、1.5%を上限とした。
またSiは、フェライト生成元素である為、Siを添加することにより鋼のA点は上昇する。これを補うためには、オーステナイト生成元素を鋼に添加する必要がある。オーステナイト生成元素としては、C,N,Cu,Au,Pt,Mn,Niなどがある。これらのうち、Cは硬さを著しく上昇させて機械加工性を劣化させる。また、Nは製鋼工程において特殊な設備が必要になり、コストが高くなる。またCuは赤熱脆性を引き起こす。またAu,Ptは高価である。以上のことから、本発明ではMn,Niを添加することにより、A点の上昇を抑制することにした。
点の上昇を抑制するためには、Mnを0.2%以上添加する必要がある。また、Mnは焼入性を向上させ、歯車に必要な内部強度を与える元素でもある。ただしMnを過剰に添加すると被削性が劣化する為、上限を1.5%とした。A点の上昇を抑制するために不足する分は、Niで補った。Niの添加量は、例えば次式(1)で定められる。
Ae(℃)=910−203C(質量%)0.5+44.7Si(質量%)−15.2Ni(質量%)−30Mn(質量%)+31.5Mo(質量%)+11Cr(質量%)…(1)
なお、上記した添加元素のほかに、本発明では、以下の理由によりCr及びMoを鋼に添加することにした。
Crは、焼入性を向上させるために必要な元素である。しかし、過剰に添加すると、後述するように浸炭処理中にセメンタイトが生成しやすくなるため、上限を0.31%とした。
Moは、焼入性を向上させ、歯車に必要な内部強度を与える元素である。この効果を得るためには、Moを0.1%以上添加する必要がある。一方、Moを過剰に添加すると被削性が劣化する為、上限を1.0%とした。
次に、製造工程数を少なくする方法を検討した。真空浸炭時の熱処理条件においてセメンタイトが生成しない場合、セメンタイト分断化の為の繰り返し熱処理を行う必要が無くなり、歯車の製造工程数が少なくなる。本発明者はこの点に着目し、上記した添加元素を含有する鋼において、真空浸炭時の熱処理条件においてセメンタイトを生成させない方法を検討した。図1〜図4の各図は、真空浸炭時(すなわち炭素活量ac=1)において、セメンタイト析出の有無に及ぼす合金元素の影響を示す図である。具体的には、図1は、Cr濃度を横軸にしてSi濃度を縦軸にした場合の、900℃,950℃,1000℃における鋼の相を示す図である。図2は、Cr濃度を横軸にしてNi濃度を縦軸にした場合の、900℃,950℃,1000℃における鋼の相を示す図である。図3は、Cr濃度を横軸にしてMn濃度を縦軸にした場合の、900℃,950℃,1000℃における鋼の相を示す図である。図4は、Cr濃度を横軸にしてMo濃度を縦軸にした場合の、900℃,950℃,1000℃における鋼の相を示す図である。
真空浸炭処理中にセメンタイト(θ)が生成するか否かは、添加している合金元素が相対的にオーステナイト(γ)を安定にするか、セメンタイトを安定にするかによって定まる。例えば、CrとSiについては図1のようにSi量が増加するほどγ領域が拡大し、Cr量が増加するほどγ+θ領域が拡大する。
添加元素の濃度の範囲が狭い場合、図1に示したγとγ+θの境界線は直線で近似でき、次式(2)のように表すことができる。
Cr=aSiSi+b …(2)
ここで、aSi、bは定数である。
Siは、狭い温度範囲では次式(3)に示すように、温度(K)の1次関数として表すことができる。
Si=pSiT+qSi …(3)
そして図1において、境界線の左側の領域では真空浸炭中にはθが生成せず、この領域が本発明においてねらいとする領域である。
また図2、図3、及び図4に示すように、Ni、Mn、及びMoも、Siの場合と同様に、γ、θそれぞれの安定度を上記式(2)及び(3)と同様の式を用いて、Crとの相対値として表すことができる。Si、Ni、Mn、及びMoそれぞれにおける式(3)の係数p,qは表1のようになる。なお、Crとの比較で表現したのは、Si、Ni、Mn、Mo、Crの中で、Crが最もθを安定にする元素だからである。
そして上記した各元素の相互作用は少ない為、複数の元素を鋼に添加した場合におけるγ、θそれぞれの安定度は、Crとの相対値として、上記式(2)の和として表すことができる。上記式(2)の和において、上記したbの値は、次式(4)においては1.35になった。
また上記したように、図1〜4において境界線の左側の領域では真空浸炭中にはθが生成せず、この領域が本発明においてねらいとする領域である。従って、次式(4)が真空浸炭中にθが生成しない条件になる。
Cr≦(1.42×10−3Si+4.15×10−4Ni−3.45×10−4Mn−1.06×10−4Mo−9.12×10−4)T−1.37wSi+0.386wNi+0.221wMn−0.147wMo+1.35…(4)
次に、本発明における歯車の製造方法について説明する。まず上記した条件を満たす成分を有する鋼を溶製し、この鋼を用いて歯車を形成する。次いで、この歯車を、図5に示す処理チャートに従って処理する。
具体的には、まず歯車を真空浸炭炉内でAc点以上の温度(例えば1000℃)まで加熱する。そして雰囲気に浸炭ガスを導入し、歯車を真空浸炭処理して歯車の表層に浸炭層を形成する。浸炭ガスは、例えばエチレンと水素の混合ガスであるが、これに限定されない。
一定時間(例えば110分)ほど真空浸炭処理を行った後、浸炭ガスの導入を終了して真空浸炭処理を終了する。図6(A)は、真空浸炭処理が終了した直後(図5のA点)における歯車の浸炭層の組織を模式的に示す図である。上記した成分を有しているため、真空浸炭処理後の歯車の浸炭層には、セメンタイトが析出していない。そして、Nガスを導入し、放冷ファンを駆動させることにより、歯車をAr点以下に冷却する。
次いで歯車を再び加熱してAc点以上の温度(例えば850℃)にして、この温度で一定時間(例えば90分)熱処理する。図6(B)は、この熱処理が終了した直後(図5のB点)における歯車の浸炭層の組織を模式的に示す図である。熱処理を行うことにより、歯車の浸炭層には、セメンタイトが析出する。このときのセメンタイトの粒径は微細であり、その平均値は5μm以下になる。その後、歯車をMs点以下に急冷(例えば油冷)する。
このように、本発明に係る歯車を製造する際には、真空浸炭処理を行った後、セメンタイト分断化のための繰り返し熱処理を行っていない。また、真空浸炭処理後の加熱・冷却は1サイクルのみである。このため、従来と比較して製造に必要な時間が短くなる。
表2に示す添加成分を有する実施例1,2に係る鋼を溶製し、これらを図5に示した処理チャートに従って真空浸炭処理した。真空浸炭時の鋼の温度を1000℃として、真空浸炭処理時間を110分とした。またセメンタイト析出の為の熱処理温度を850℃として、熱処理時間を90分とした。浸炭ガスとしては、エチレンと水素の混合ガスを用いた。
また、表2に示す添加成分を有する比較例1,2に係る鋼を、図5に示した処理チャートに従って真空浸炭処理した。真空浸炭時の鋼の温度を1000℃として、真空浸炭処理時間を70分として、拡散のための熱処理を38分とした。またセメンタイト析出の為の熱処理温度を850℃として、熱処理時間を60分とした。浸炭ガスとしては、エチレンと水素の混合ガスを用いた。なお、比較例2に係る鋼は、それぞれSCM420,SNCM220である。
また、比較例3に係る複数の鋼を、図11に示した処理チャートに従ってガス浸炭処理した。なお、比較例3に係る鋼の添加成分は、実施例1,2に係る鋼の添加成分と略同じである。
図7(A)は、実施例1に係る鋼の浸炭層の組織写真であり、図7(B)は、比較例1に係る鋼の浸炭層の組織写真である。なお、図7(B)の写真の倍率は、図7(A)と同じである。図7(B)に示すように、比較例1においては、浸炭処理時に生成した粗大なセメンタイト(炭化物)が残留していた。これに対して、図7(A)に示すように、実施例1においては、粗大なセメンタイトが生成しておらず、セメンタイトは微細粒の状態で分散していた。
次に、実施例1,2に対してローラピッチング試験を行い、さらに比較例3に対してローラピッチング試験を行った。ローラピッチング試験とは、小ローラである試験ローラに対して大ローラである負荷ローラを所定の面圧で押圧し、負荷ローラを所定の回転数で回転させて、ピッチングが発生するまでの回転数を調べる試験である。なお、試験ローラは負荷ローラに対して一定の割合ですべる。
図8は、実施例1,2に対してローラピッチング試験を行った結果を、比較例3に対してローラピッチング試験を行って結果と共に示す図であり、横軸にピッチングが発生するまでの回転数、縦軸に面圧(kg/mm2)を示している。ローラピッチング試験の条件としては、小ローラの回転速度=2000rpm、すべり率=40%、潤滑剤として80℃のエンジンオイルEO30を使用した。また負荷ローラとしては、SCM420に浸炭処理を行ったものを使用した。なお、比較例3における、ピッチングが発生するまでの回転数と面圧の関係は回帰直線で示している。
本図から、実施例1,2に係る鋼は、耐ピッチング性が比較例3に対して高いことが示された。これは、粗大なセメンタイトの残留が抑制され、かつ焼戻し軟化抵抗が向上したためである。
以上より、本発明に係る成分を有する鋼を本発明に係る方法で処理することにより、耐ピッチング性が高くなることが示された。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
Cr濃度を横軸にしてSi濃度を縦軸にした場合の、950℃における鋼の組織を示す図。 Cr濃度を横軸にしてNi濃度を縦軸にした場合の、950℃における鋼の組織を示す図。 Cr濃度を横軸にしてMn濃度を縦軸にした場合の、950℃における鋼の組織を示す図。 Cr濃度を横軸にしてMo濃度を縦軸にした場合の、950℃における鋼の組織を示す図。 歯車に行う処理を示す熱処理チャート。 (A)は図5のA点における歯車の浸炭層の組織を模式的に示す図、(B)は図5のB点における歯車の浸炭層の組織を模式的に示す図。 (A)は実施例1に係る鋼の浸炭層の組織写真、(B)は比較例1に係る鋼の浸炭層の組織写真。 実施例1,2に対してローラピッチング試験を行った結果を示す図。 歯車に真空浸炭処理を行う従来の方法を説明するためのチャート。 (A)〜(D)は図9のA〜Dのタイミングにおける鋼の組織を示す模式図。 比較例3に係る歯車に行う熱処理を示すチャート。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.0〜1.5%、Ni:0.5〜1.1%、Mn:0.20〜1.5%、Cr:0.31%以下、Mo:0.1〜1.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼で形成され、
    表層に炭素濃度が1質量%以上の浸炭層が形成され、かつ該浸炭層中のセメンタイトの平均粒径が5μm以下であることを特徴とする歯車。
    Cr≦(1.42×10−3Si+4.15×10−4Ni−3.45×10−4Mn−1.06×10−4Mo−9.12×10−4)T−1.37wSi+0.386wNi+0.221wMn−0.147wMo+1.35…(1)
    ただし、wCr、wSi、wNi、wMn、及びwMoはそれぞれCr、Si、Ni、Mn、及びMoの質量%、T=浸炭処理を行う処理温度(K)。
  2. 質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.0〜1.5%、Ni:0.5〜1.1%、Mn:0.20〜1.5%、Cr:0.31%以下、Mo:0.1〜1.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼からなる歯車を製造する工程と、
    前記歯車をAc点以上に加熱して真空浸炭処理を行うことにより、該歯車の表層に炭素濃度が1質量%以上の浸炭層を形成し、その後前記歯車をAr以下の温度に冷却する工程と、
    前記歯車をAc点以上に加熱して所定時間保持することにより、前記浸炭層中に、平均粒径が5μm以下のセメンタイトを形成する工程と、
    前記歯車を冷却して焼入れする工程と、
    を具備し、
    前記浸炭層を形成する工程において、前記歯車の表層に前記浸炭層を形成した後、セメンタイトを分散させるための繰り返し熱処理を行わずに前記歯車をAr 以下の温度に冷却する歯車の製造方法。
    Cr≦(1.42×10−3Si+4.15×10−4Ni−3.45×10−4Mn−1.06×10−4Mo−9.12×10−4)T−1.37wSi+0.386wNi+0.221wMn−0.147wMo+1.35…(1)
    ただし、wCr、wSi、wNi、wMn、及びwMoはそれぞれCr、Si、Ni、Mn、及びMoの質量%、T=浸炭処理を行う処理温度(K)。
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