JP5190978B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光干渉性を有する積層体の製造方法に関するものである。
光干渉性、高輝度感を有する材料は、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材として広範囲に用いられている。
このような材料を、製品の一部、または、全部に用いることによって、彩度が高く、インパクトのある意匠性を表出することができる。
このような光干渉性、高輝度感を有する材料としては、例えば、特許文献1等に記載の材料が挙げられる。特許文献1では、光干渉性、高輝度感を表出するために、微小燐片状顔料として、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマー等を使用している(請求項2)。
特開2005−137952号公報
最近では、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材など幅広い分野において、輝度感を有する材料が要望されるようになっているが、ギラギラした輝度感ではなく、落ち着きのある輝度感が要望されることが多い。
例えば、壁、床、天井などの建材などにおいては、深みのある、落ち着きのある輝度感を有する材料が望まれるようになっている。
しかし、特許文献1のような材料では、輝度感が強すぎる傾向があり、場合によっては、敬遠されてしまうことがあった。
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、凹凸を有する基材の上に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が規則的に配列された光干渉性チップ、合成樹脂を含有するカラークリヤー塗料を塗付することによって、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、美観性に優れる積層体が得られることを見いだし、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.凹凸を有する基材の上に、
平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が規則的に配列された光干渉性チップ、合成樹脂を含有するカラークリヤー塗料を塗付す積層体の製造方法であり
光干渉性チップが、チップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が分散してなる固形状物を圧延してなるものであることを特徴とする積層体の製造方法
2.基材が、底部と頂部の差が0.1mm以上50mm以下である凹凸を有する基材であり、光干渉性チップの大きさが0.1mm以上50mm以下、厚さが1μm以上500μm未満であることを特徴とする1.に記載の積層体の製造方法。
3.光干渉性チップが、熱塑性を有するチップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延してなるものであることを特徴とする1.または2.に記載の積層体の製造方法。
4.光干渉性チップが、平均粒子径600nm以下、アスペクト比が1.2以上600以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い非球状粒子を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の積層体の製造方法。

本発明の積層体は、凹凸を有する基材の上に、光干渉性を有する特定の光干渉性チップを積層することにより、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、美観性に優れた積層体を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の積層体は、凹凸を有する基材の上に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が規則的に配列された光干渉性チップ、合成樹脂を含有するカラークリヤー塗料を塗付することを特徴とする。
本発明の積層体は、光干渉性チップを用いて輝度感を表出していることを特徴とするものであり、このような光干渉性チップは、金属顔料などの光輝性顔料が表出する金属色に比べて、やわらかい、深みのある、落ち着いた輝度感を表出することが可能である。
本発明では、このような光干渉性チップを凹凸を有する基材の上に、塗付することにより、光干渉性チップが、基材の凹凸によりある程度の傾きをもって不規則に配列された状態で固定化されるため、得られる積層体は、見る角度、光量等によって、様々な色彩を発するとともに、やわらかい、深みのある、落ち着いた輝度感を表出することができる。
凹凸を有する基材としては、特に限定されず、家電・家具や車輌、シート、タイル、壁、床、天井などの建材などに用いられる材料を使用することができる。
このような材料としては、アルミ鋼板、亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅鋼板等の金属鋼板、プラスチックシート・ボード、押出成形板、陶磁器、ガラス、焼成タイル、磁器タイル、木材、コンクリート、モルタル、石膏ボード、繊維混入セメント板、珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板等が挙げられる。
これらの材料は、必要に応じエンボス加工等によって材料自体に凹凸を施してもよい。
また、凹凸のある型枠を使用し、型枠内にシート形成成分を流しこみ、硬化後に脱型することにより得られるシート材料を基材として使用することもできるし、上述した材料の上に、顔料や骨材入りのコーティング材をコーティングすることにより、凹凸を施してもよい。
このような基材の表面の凹凸の程度は、底部と頂部の差が0.1mm以上50mm以下、さらには0.3mm以上30mm以下であることが好ましい。このような凹凸を有することにより、様々な色彩を発する、やわらかい、深みのある、落ち着いた色彩を表出することができる。
また、このような基材の表面は、着色されていてもよい。基材の表面が着色されていることにより、基材の色相と光干渉性チップの色彩等があいまって、やわらかい、深みのある、落ち着いた、立体感のある色彩を表出することができる。
このような基材は、基材自体の色相でもよいが、コーティング等のなんらかの方法で着色していてもよい。
色相としては、黒、茶、紫、青、緑、黄、橙、赤、白等特に限定されない。本発明では、各色相に対して、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、優れた美観性を有することができる。本発明では、光干渉性チップの効果を高めるために濃色系の色相に着色されたものが好ましい。具体的には、L値が50以下、さらには40以下であることが好ましい。
本発明のカラークリヤー塗料は、光干渉性チップを含有するものであり、光干渉性チップにより色彩を付するものである。
本発明で用いる光干渉性チップは、構造発色、つまり、可視領域の光の波長あるいは、それ以下の微細構造を持つことで生じる光学現象(光の干渉、回折、散乱)によって発色するものであり、粒子を規則的に配列させて発する構造発色を利用するものである。
具体的には、光干渉性チップとして、平均粒子径5nm〜800nm(好ましくは10nm〜790nm、さらに好ましくは30nm〜780nm)、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下(好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下)である球状粒子が、規則的に配列されたものを使用する。
このような光干渉性チップを用いることにより、深みのある、落ち着きのある輝度感を有し、かつ、立体感のある美観性を表出することができる。
平均粒子径がこの範囲から外れるか、または、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%より高くなると、可視光領域での光干渉性が損なわれ、目的とする美観性が得られにくい。
なお、本発明における平均粒子径は電子顕微鏡での観察による数平均値である。粒子径分布は遠心沈降法等による測定から得られるものである。
本発明で用いる光干渉性チップは、球状粒子が、規則的に配列されたものである。光干渉性チップを製造する方法としては、公知の製造法を採用すればよい。本発明では、特に、光干渉性チップを形成するチップ形成樹脂中に、球状粒子を分散させた固形状物を、圧延して製造することが好ましい。このような方法では、簡便に球状粒子を規則的に配列させることができ、優れた光干渉性を有する光干渉性チップを簡便に製造することができる。
特に、チップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延して製造することが好ましい。
このような方法は、圧延時に、固形状物を出発物質とし、該固形状物を該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延して得ることを特徴とするものである。よって、圧延時には、チップ形成樹脂が軟化状態(液体状態に近い状態)となり、該球状粒子の自由度がある程度緩和された状態となる。このような状態で圧延することにより、球状粒子が最密充填されやすくなり、それに伴い規則正しく配列され、光干渉性チップを得ることができる。
該チップ形成樹脂の軟化点よりも低い温度で圧延する場合は、球状粒子の自由度が拘束され、規則正しく配列されない場合がある。また球状粒子の軟化点よりも高い温度で圧延する場合、球状粒子が軟化してしまい、形状が崩れ発色されない場合がある。
また、このような方法では、固形状物を出発物質とするため、取扱いが簡便であり、かつ圧延により簡便に製造することができる。特に、圧延時には、揮発する物質がほとんどなく、圧延前後における体積変化がほとんど生じないため、体積変化による球状粒子の乱れを抑えることができる。
したがって、球状粒子が均一に配列された構造体、つまり優れた光干渉性を有する構造色を呈するチップを簡便に得ることができる。
また、このような方法で用いるチップ形成樹脂は、熱塑性を有するものであり、圧延時に軟化するものであれば特に限定されず各種樹脂を用いることができる。
チップ形成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、このような樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を使用することができる。
また、チップ形成樹脂としては、熱塑性を有し、圧延時に軟化するものであれば、架橋ネットワークを形成するものが含まれていることが好ましい。架橋ネットワークが形成されることにより、球状粒子の配列のみだれを防ぎ、構造発色をより長期に亘って維持するとともに、耐久性、耐水性等の物性も向上させることができる。
このような架橋ネットワークを形成する樹脂としては、次に示す反応性官能基の反応性を有するもの等が挙げられる。反応性官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、加水分解性シリル基どうしの組み合わせ等が挙げられる。
このような反応性官能基の架橋は、上述した樹脂中に存在する反応性官能基同士の反応でもよいし、新たに、反応性官能基を有する架橋剤を添加してもよい。
このような反応性官能基を有する単量体の量としては、光干渉性チップを形成する樹脂全量に対し、50重量%以下、さらには0.5重量%以上40重量%以下、さらには1重量%以上30重量%以下含まれることが好ましい。50重量%より多い場合は、圧延時に軟化し難く、球状粒子が均一に配列されたチップが得られ難い。
本発明におけるチップ形成樹脂の軟化点は、50℃〜300℃(好ましくは80℃〜200℃)程度であることが好ましい。チップ形成樹脂の軟化点が50℃より低い場合、圧延により、構造発色を呈することはできるが、常温において軟化してしまい、球状粒子の配列が乱れ、構造発色を呈さなくなる可能性がある。
なお、チップ形成樹脂の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
本発明で用いる球状粒子は、最終的に構造色を呈するものであれば特に限定されないが、構造色を呈するためには、球状粒子の平均粒子径が5nm〜800nm(好ましくは、10nm〜500nm)であることが好ましい。
本発明では、さらに球状粒子の大きさが揃っていることにより構造色を呈することができ、具体的には、球状粒子の粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下(さらには10%以下、さらには5%以下)であることにより、球状粒子が規則正しく配列し、優れた構造色を呈することができる。
なお、本発明における平均粒子径は電子顕微鏡での観察による数平均値である。粒子径分布は遠心沈降法等による測定から得られるものである。
また、球状粒子のアスペクト比は、1.0以上1.2未満(さらには1.0以上1.15以下、さらには1.0以上1.1以下)であることが好ましい。このような範囲であれば、球状粒子が規則正しく配列し、より優れた構造色を呈することができる。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。
球状粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸水酸化亜鉛、チタン酸カリウム、水酸化酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸バリウム、カーボンブラック等の無機粒子、ポリスチレンビーズ、アクリルビーズ、ポリオレフィンビーズ等の有機粒子等が挙げられ、これらのうち単独および2種以上を複合して用いることができる。本発明では、特に、無機粒子が好ましく、無機粒子のなかでも、特にシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム等が好ましい。
また上述のような製造法で、光干渉性チップを得る場合、球状粒子の軟化点は、チップ形成樹脂の軟化点よりも高いもの使用する。例えば、球状粒子の軟化点は、前記チップ形成樹脂の軟化点よりも20℃以上、さらには50℃以上高いことが好ましい。
具体的に球状粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。なお球状粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、1500℃以下(さらには、1000℃以下)であることが好ましい。
なお、無機粒子の軟化点は、示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
また、有機粒子の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
本発明では、球状粒子として、特に無機粒子を用いることが好ましい。無機粒子は、耐久性等に優れるため、得られた発色構造体の耐久性を向上させるとともに、優れた色彩を長期にわたり維持することができる。また無機粒子は、チップ形成樹脂に比べて軟化点が非常に高い。よって、圧延時の加熱温度の制限が緩和され、また使用できるチップ形成樹脂の制限が緩和され、好ましい。
チップ形成樹脂と球状粒子の混合比率は、重量比で1:0.01〜1:10(さらには1:0.05〜1:8、さらには1:0.1〜1:5)であることが好ましい。このような比率であることにより、可視光領域の光の回折が効率よく行われ、人間の視覚には色として認識することができ、簡便に構造色を呈することができる。
球状粒子が少なすぎる場合は、配列された球状粒子の粒子間距離が長くなりすぎ、可視光の波長以上となってしまい、人間の視覚には色が認識されなくなってしまうため、構造発色が得られにくい。また球状粒子が多すぎる場合は、球状粒子同士の凝集が生じやすく、また、球状粒子の固定化が困難となってしまう。
本発明の光干渉性チップにおけるチップ形成樹脂、球状粒子の屈折率は、特に限定されないが、チップ形成樹脂の屈折率は通常0.8〜1.8程度、球状粒子の屈折率は0.8〜4.5程度であればよい。また、チップ形成樹脂と球状粒子の屈折率の差が、0.01〜2.7、さらには0.02〜1.8程度であることが好ましく、このような範囲であれば、優れた色彩を発現することができる。
本発明の光干渉性チップの色彩は、球状粒子の粒子径、球状粒子の形態、球状粒子の粒子間距離、規則配列、球状粒子とチップ形成樹脂との屈折率の差などを適宜設定することにより、自由に設定することができる。
例えば、球状粒子の配列が160nm〜170nm程度の間隔であれば紫系、180nm〜190nm程度の間隔であれば青系、200nm〜230nm程度の間隔であれば緑系、240nm〜260nm程度の間隔であれば黄系、270nm〜290nm程度の間隔であれば赤系、などに設定することができる。
また、光干渉性チップを構成する成分として、上記球状粒子、チップ形成樹脂以外に、平均粒子径600nm以下、アスペクト比が1.2以上600以下で、軟化点がチップ形成樹脂よりも高い非球状粒子を添加することが好ましい。このような非球状粒子を添加することで、最終的に得られる光干渉性チップの発色がより鮮明となる。ここでの発色性向上効果は、目視にて確認することができるが、紫外−可視吸収スペクトルまたは絶対反射率の測定により確認することもできる。
このような発色性向上効果が得られる作用機構は明確ではないが、非球状粒子が球状粒子の間隙に一定間隔で入りこむことによって、圧延時における球状粒子の配列の乱れが抑制されることが寄与しているものと考えられる。
このような非球状粒子としては、その平均粒子径が600nm以下であるものを使用するが、平均粒子径50〜600nmであるものがより好適である。平均粒子径が600nmより大である場合は、光干渉性チップの透明性や光沢性等が損われるおそれがある。
さらに、非球状粒子としては、アスペクト比が1.2以上600以下(1.5以上500以下)の針状あるいは鱗片状の粒子が好適である。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。なお、上述の球状粒子のアスペクト比は、通常1.0〜1.2未満(好ましくは1.0〜1.15、より好ましくは1.0〜1.1)程度である。
非球状粒子としては、その軟化点が前記チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、特に前記チップ形成樹脂の軟化点よりも20℃以上、さらには50℃以上高いものが好ましい。具体的に非球状粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。球状粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、通常は1500℃以下(好ましくは1000℃以下)である。
本発明における非球状粒子としては、無機粒子が好適である。非球状粒子が無機粒子であれば、発色構造体の耐久性等が高まり、初期の発色性能を長期にわたり維持することができる。さらに、無機粒子はチップ形成樹脂に比べて軟化点が非常に高いため、圧延時の加熱温度の制限が緩和され、また適用可能なチップ形成樹脂の範囲が広がる。
このような非球状粒子としては、例えば、鱗片状シリカ、針状酸化チタン、針状酸化亜鉛、針状酸化鉄、水酸化酸化鉄、炭酸水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、酸化ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化バリウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、クレー、カオリン、陶土、チャイナクレー、タルク、カーボンブラック、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、ハイドロタルサイト等の無機粒子等が挙げられ、これらのうち単独および2種以上を複合して用いることができる。
チップ形成樹脂と非球状粒子の混合比率は、重量比で通常1:0.0001〜1:0.01、好ましくは1:0.0001〜1:0.005である。非球状粒子の添加量がこのような範囲内であれば、十分な発色性向上効果を得ることができる。
本発明では、上述した球状粒子、非球状粒子以外に、本発明の効果を阻害しない程度に、その他の粒子(例えば、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%超の粒子や、平均粒子径が600nm超、50nm未満の粒子等)が含まれていてもよい。
その他の粒子としても、その軟化点が前記チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、特に前記チップ形成樹脂の軟化点よりも20℃以上、さらには50℃以上高いものが好ましい。具体的にその他の粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。その他の粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、通常は1500℃以下(好ましくは1000℃以下)である。
本発明では、特に、拡散反射率が60%以下(好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下)である粒子(球状粒子、非球状粒子、その他の粒子)を含むことが好ましい。このような粒子を含むことによって、発色構造体の透過光が抑制され、発色構造体の反射光がより鮮明に認められるため、好ましい。
本発明では特に、拡散反射率が60%以下である粒子は、全粒子のうち、0.01重量%以上80重量%以下(好ましくは0.01重量%以上50重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以上10重量%以下)であることが好ましい。
さらに、本発明では、非球状粒子が、拡散反射率が60%以下である粒子であることが好ましい。非球状粒子として、拡散反射率が60%以下である粒子を使用することにより、発色構造体の反射光がより鮮明になるとともに、球状粒子による優れた構造発色を呈することができる。
なお、拡散反射率は、自己分光光度計を用いて、各粉体の可視光領域(本発明では、波長:550nm)の拡散反射スペクトルを計測することによって得られる値である。
本発明では、また、蓄光性を有する粒子(球状粒子、非球状粒子、その他の粒子)を含むことが好ましい。蓄光性を有する粒子を含むことによって、該粒子から発光される光が、光干渉性チップを通過し、構造発色の色相とあいまって、優れた美観性を得ることができる。また、蓄光性を有する粒子の含有量を調節することで、昼間は構造発色の呈する色が明確に確認することができるとともに、夜間は蓄光性を有する粒子に由来する色彩を呈することができる。
蓄光性を有する粒子としては、例えば、CaS:Bi、CaSr:Bi、ZnS:Cu、ZnCdS:Cu等の硫化物や、MAl(M=Ca、Sr、Ba)で表示される化合物で、賦活剤としてEuを添加し、共賦活剤として、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを添加してなる物等が挙げられる。
蓄光性を有する粒子の平均粒子径は、5μm〜100μm、さらには10μm〜80μmであることが好ましい。このような範囲であることにより、上記効果をより明確に得ることができる。平均粒子径が大きすぎる場合は、構造発色性を阻害するおそれがある。平均粒子径が小さすぎる場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
蓄光性を有する粒子は、全粒子のうち、0.5重量%以上50重量%以下(好ましくは0.5重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以上20重量%以下)であることが好ましい。50重量%より多い場合は、球状粒子の配列を乱し、構造発色による色彩が損なわれるおそれがある。0.5重量%より少ない場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
また、蛍光性を有する粒子を含むことによって、蛍光性を有する粒子から発光される光が、光干渉性チップを通過し、構造発色の色相とあいまって、優れた美観性を得ることもできる。
上述のような光干渉性チップを製造する方法では、チップ形成樹脂、球状粒子等を含む固形状物を出発物質とし、該固形状物を圧延することに、球状粒子を規則正しく配列するものであり、固形状物製造時に、必ずしも球状粒子を規則正しく配列する必要がない。そのため、簡便に光干渉性チップを製造することができる。
例えば、固形状物を得る方法としては、球状粒子を、チップ形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液に混合し、球状粒子が分散した混合溶液を作製し、該混合溶液から、溶媒を除去することにより、固形状物を得ることができる。溶媒の除去は、通常、30〜200℃で、5分〜24時間程度で行えばよい。球状粒子に加え非球状粒子を併せて使用する場合は、上記混合溶液にさらに非球状粒子を添加したものを作製した後、溶媒を除去すればよい。
このような方法では、球状粒子が均一、かつ高分散した固形状物を得やすく、このような固形状物を圧延することで、球状粒子が均一に配列しやすく、構造色を呈する構造体を簡便に得ることができる。
また、このような固形状物を得る方法では、チップ形成樹脂として、溶媒に可溶な溶媒可溶型の熱塑性を有する樹脂、特に水可溶型の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂を用いた場合、チップ形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液中に球状粒子が均一に高分散しやすく、かつ得られる固形状物においてチップ形成樹脂や球状粒子の偏りが抑えられるため好ましい。さらに、透明性に優れる固形状物が得られやすく、良好な構造発色性を示すことができる。特に、チップ形成樹脂と溶媒の相溶性に優れるものを選択することによって、よりいっそう優れた構造発色性を示すことができる。
ここで用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールエタン、グリセリン等の多価アルコール類、セロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、n−ブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等のエステル類等が挙げられる。
本発明では、溶媒として特に水を含むものが好ましく、よって、チップ形成樹脂として、水に可溶な水可溶型の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
このような方法では、溶媒に可溶な溶媒可溶型のチップ形成樹脂自体が、球状粒子の分散剤としての効果を発揮するものが好ましい。
例えば、球状粒子表面が負の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂、また、球状粒子表面が正の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはカチオン性の熱塑性を有する樹脂を選択することが好ましい。また、立体障害効果を有するものや、相互作用(疎水親水相互作用を含む)を有するもの、球状粒子と溶媒との界面を活性させる効果を有するものでもよい。
例えば、球状粒子として、無機粒子を用いる場合、無機粒子の表面は負の電荷を帯びるものが多く、熱塑性を有する樹脂としてはノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
本発明における固形状物を形成する成分としては、上述の成分の他に、本発明の効果を阻害しない程度に、分散剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、顔料等の添加剤が混合されていてもよい。
本発明では、このようにして得られた固形状物を、チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延する。
このような温度領域で圧延することにより、チップ形成樹脂が液体に近い状態になり、球状粒子が動きやすくなり、その結果、球状粒子を最密に充填させることができ、規則正しく配列させることが可能となり、簡便に光干渉性を有するチップを得ることができる。
圧延温度がチップ形成樹脂の軟化点よりも低い場合、圧延できず、構造発色性が得られ難くなってしまう。また、球状粒子の軟化点よりも高い温度の場合、球状粒子が溶融してしまい、発色構造体が得られなくなってしまう。
固形状物において球状粒子と非球状粒子及び/またはその他の粒子を併用する場合は、チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点及び非球状粒子、その他の粒子の軟化点よりも低い温度領域で圧延を行えばよい。
また、本発明では、特に、固形状物を出発物質とするため、揮発成分がほとんどなく、圧延前後における体積変化がほとんどない。したがって、体積変化にともなう、球状粒子の乱れを抑えることができ、球状粒子が均一に配列された光干渉性を有する発色構造体を簡便に得ることができる。
液状物やゲル状物を出発物質とする場合、揮発成分が蒸発してしまい、製造前後で体積変化が起こってしまう場合がある。よって、体積変化に伴う、球状粒子の乱れが生じ、優れた光干渉性を有する発色構造体を得ることが難しい場合がある。また、揮発成分の蒸発を抑制するために液状物やゲル状物を封止して製造する場合もあるが、製造過程が複雑になり、簡便な方法とはいえない。
また、加熱圧延時の圧力は、特に限定されないが、固形状物の面積が約2倍以上に引き伸ばされることが好ましく、1MPa〜100MPa(さらには10MPa〜50MPa)の加圧であることが好ましい。それ以下である場合、樹脂が引き伸ばされ難く、球状粒子が規則正しく配列しにくく、構造発色性が生じ難くなるため好ましくない。また、逆に、加圧が高い場合は、得られる発色構造体が薄くなり、光の回折よりも光の透過率の方が高くなり、構造発色性が認められにくくなるため好ましくない。
本発明の固形状物は、圧延により、面方向に対し、垂直および平行方向に圧力を加えることで、球状粒子の配列が規則正しくなり、構造発色性が生じるものである。ここで、面方向に対し、垂直および平行方向に圧力を加える具体的な方法としては、2本のロールを用いて、固形状物を湾曲させ、ロール側ともう一つのロール側の移動距離に差を生じさせることにより、面方向に対し、平行方向に圧力が加えられる。また、この時に、2本のロールで固形状物を挟み込むことで、面方向に対し垂直方向に圧力を加えることで発色構造体を得ることができる。また、1本のロールを用いて行うことも可能であり、固形状物に圧力を加え、ロールを軸に180°方向転換させて、せん断応力を加えることにより、発色構造体を得ることもできる。その際、固形状物を、チップ形成樹脂の軟化点よりも、軟化点が高い柔軟なフィルムで挟み込むことで球状粒子が配列し易くなる。
このようにして得られる光干渉性チップの大きさは、0.1mm以上50mm以下(さらには0.5mm以上30mm以下)であることが好ましい。また光干渉性チップの厚さは1μm以上500μm未満(好ましくは5μm以上200μm未満)であることが好ましい。
また必要であれば、光干渉性チップを所定の大きさに砕くこともできる。また光干渉性チップの形状は、特に限定されない。光干渉性チップの大きさ、形状が揃っているものでもよいし、不揃いのものでもよい。
なお、光干渉性チップの大きさは、JIS Z8801−1:2000に規定される金属製網ふるいを用いてふるい分けを行うことによって得られる値である。
本発明のカラークリヤー塗料は、上述の光干渉性チップ、結合材を含むもので、凹凸を有する基材の上に塗付して積層体を製造する。
ここで用いる結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、このような樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を使用することができる。
また、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料を混合することもできる。着色材料を混合することにより、カラークリヤー層の色彩の幅を広げることができる。
着色材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、酸化第二鉄、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、クロムグリーン、オーカー、群青、紺青、コバルトグリーン、コバルトブルー等の無機系着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の有機系着色顔料、アルミニウム顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、着色マイカ、マイカ、着色珪砂、寒水石などの骨材、染料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
またこの他に、本発明の効果を損なわない程度に、骨材、染料、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等を混合することもできる。
光干渉性チップの含有量は、結合材の固形分100重量部に対し、0.001重量部〜20重量部、さらには0.01重量部〜10重量部であることが好ましい。
このようなカラークリヤー塗料を凹凸を有する基材の上に塗付して、カラークリヤー層を形成させる。
塗付する方法としては、凹凸を有する基材の上に、カラークリヤー塗料を直接塗付することもできる。
塗付する方法では、凹凸を有する基材の上に、刷毛、ローラー、スプレー等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
塗付量としては、特に限定されないが、30g/m〜5000g/m、さらには100g/m〜4000g/mあることが好ましい。
このようなカラークリヤー塗料から得られるカラークリヤー層は、光干渉性チップの色相及び基材の色相が認識できる程度の透明性を有しているものである。
このような透明性を有していることにより、光干渉性チップの色相、基材の色相及び
基材の凹凸による色彩効果により、様々な色彩を発することができる。
カラークリヤー層の透明性としては、特に限定されないが、光透過率が、20%〜95%(好ましくは40%〜90%、さらに好ましくは50%〜88%)程度であることが好ましい。
光透過率がこのような範囲であることにより、光干渉性チップの色彩、輝度感を失わずに積層体を得ることができる。また、基材が着色されている場合は、基材の色相を表現することができ、多色、多彩な、積層体が得ることができる。
なお、光透過率は、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(例えば、株式会社島津製作所社製)を用いて測定した全光線透過率の値である(膜厚0.4mm)。
カラークリヤー層の厚み(乾燥膜厚)は、0.1mm〜5mm(さらには0.2mm〜2mm)程度であることが好ましい。さらに、カラークリヤー層の厚みが、0.5mm以上である場合、奥ゆき感、深みのある美観性に優れた積層体を得ることができる。
本発明では、カラークリヤー層の上に、クリヤー層を積層することができる。クリヤー層を積層することによって、奥行き感、立体感を与え、より深みのある輝度感、美観性を付与するとともに、カラークリヤー層を保護する効果もある。
クリヤー層としては、カラークリヤー層、着色基材層の色相が認識できる程度の透明性を有しているものである。
クリヤー層の透明性としては、光透過率が、60%〜100%(好ましくは70%〜99%)程度であることが好ましい。
光透過率がこのような範囲であることにより、着色基材の色相及び、カラークリヤー層の色相、輝度感、多彩を失わずに積層構造体が得ることができる。また、立体感と深みのある、美観性に優れた構造体が得ることができる。
なお、光透過率は、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(例えば、株式会社島津製作所社製)を用いて測定した全光線透過率の値である。
このようなクリヤー層としては、ガラス板、アクリル樹脂板等のクリヤー板、あるいは、結合剤を含有するクリヤー塗料から形成されてなるクリヤー塗膜等が挙げられる。
例えば、クリヤー塗料で用いる結合材としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、このような樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を使用することができる。
本発明では、結合材として、特に、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上含むアクリル樹脂を用いることが好ましい。このようなアクリル樹脂を用いることにより、耐擦り傷性、耐摩耗性にも優れるクリヤー層を形成することができる。
このようなアクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルモノマー及び/またはメタクリル酸メチルオリゴマーを50重量%以上(好ましくは50重量%以上99重量%以下、さらに好ましくは70重量%以上99重量%以下)含むものであれば特に限定されず、そのほかに、公知のモノマー、オリゴマー等のその他の化合物が含まれていてもよい。
その他の化合物としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート;メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート等のアルカンジオール化合物;ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等のポリオキシアルキレングリコール化合物;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物;メタクリルアミド、アクリルアミド等のアミド基含有化合物;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物等が挙げられる。
またこの他に、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料、骨材、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、沈降防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、黄変防止剤、有機過酸化物、有機色素、無機フィラー、触媒、架橋性化合物、溶剤等を混合することもできる。
着色材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、酸化第二鉄、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、クロムグリーン、オーカー、群青、紺青、コバルトグリーン、コバルトブルー等の無機系着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の有機系着色顔料、アルミニウム顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、着色マイカ、マイカ、着色珪砂、寒水石などの骨材、染料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
触媒としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、パラフィン及び/またはワックスとしては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスや、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
架橋性化合物としては、例えば、分子内に2個以上の反応性官能基を有する化合物等が挙げられる。反応性官能基としては、使用するモノマーやオリゴマーによって適宜設定することができる。
例えば、架橋反応に適用できる反応性官能基の組合せとしては、例えば、ビニル基どうしの他に、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、反応性シリル基どうし、カルボキシル基と金属イオン等が挙げられる。
本発明では、分子内に2個以上の反応性官能基を含有する化合物として、特に、分子内に2個以上のビニル基を含有する化合物を用いることが好ましい。このような化合物としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンメトキシ化トリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシ化トリアクリレート等が挙げられる。
本発明では特に、架橋性化合物を含有することによって、より耐擦り傷性、耐磨耗性に優れるクリヤー層を得ることができ好ましい。架橋性化合物の配合量は、特に限定されないが、クリヤー塗料で用いる結合材100重量部に対し、0.1重量部以上20重量部以下であることが好ましい。
このようなクリヤー層を、カラークリヤー層の上に積層する方法としては、特に限定されない。
積層する方法としては、クリヤー板や、予めクリヤー塗料をフィルム化(シート化)しておいたクリヤーフィルム(シート)を、カラークリヤー層の上に、接着剤等を介して貼着すればよい。
また、カラークリヤー層の上に、クリヤー塗料を直接塗付することもできる。直接塗付する方法では、カラークリヤー層の上に、刷毛、ローラー、スプレー等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
この様なクリヤー層の膜厚(乾燥膜厚)は、特に限定されないが、0.5μm〜5mm(10μm〜2mm)程度であることが好ましい。
また、クリヤー層の厚みは、0.5mm以上であることが好ましく、奥ゆき感、深みのある美観性に優れた積層体を得ることができる。
本発明で用いる積層体は、必要に応じ、クリヤー層の上に、さらに、トップコート層を積層することもできる。
トップコート層としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等を結合剤とするものを使用することができる。
またこの他に、本発明の効果を損なわない程度に、着色材料、骨材、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等を混合することもできる。
トップコート層の透明性としては、光透過率が、60%以上(好ましくは70%〜99%)程度であることが好ましい。
積層する方法としては、予め各成分を含むトップコート塗料をフィルム化(シート化)しておいたトップコートフィルム(シート)を、クリヤー層の上に、接着剤等を介して貼着すればよい。
また、クリヤー層の上に、トップコート塗料を直接塗付することもできる。直接塗付する方法では、クリヤー層の上に、刷毛、ローラー、スプレー、コーター、コテ等の塗装器具を用いて塗付すればよく、1回塗り、複数回塗り等特に限定されない。
このようにして得られた積層体は、家電・家具や車輌、壁、床、天井などの建材など幅広い分野で適用することができる。
(実施例1)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、温度23℃、相対湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)で、樹脂Aを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
該混合溶液を、アルミニウム製の容器(φ1000mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後のPETフィルムから剥がした物体は、光による干渉を示し、紫色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜30mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、凹凸の程度:底部と頂部の差が0.5mm〜2mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、実施例1で得られた光干渉性チップ5重量部を混合したカラークリヤー塗料を、厚み(乾燥膜厚)が0.4mmとなるように刷毛で塗付し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)からなるクリヤー塗料を、厚み(乾燥膜厚)が0.4mmとなるように、刷毛で塗付し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー塗料から形成されるクリヤー層の光透過率は85%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
Figure 0005190978
Figure 0005190978
(実施例2)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Bに、溶媒Aを溶媒Bに、粒子Aを粒子Bに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PENフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、170℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例2で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は70%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例3)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Cに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例3で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある黄色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例4)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、80℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例4で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある赤色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例5)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Cに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例5で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は70%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例6)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例6で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は69%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例7)
<光干渉性チップの作製>
実施例1で得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱プレス器を用いて、130℃、30MPaでプレス後すぐに、非加熱の圧延ローラーを用いて、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例7で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は70%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例8)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例8で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は72%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある赤色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例9)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例9で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は68%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例10)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青緑色系の優れた構造発色を示した。また、圧延前後の紫外可視吸収スペクトルから算出した差スペクトル(以下単に「差スペクトル」という)を図1に示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例10で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は64%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある青緑色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例11)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Gを加えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、赤色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色系の強い構造発色を示した。また、圧延前後の紫外可視吸収スペクトルから算出した差スペクトル(以下単に「差スペクトル」という)が実施例10に比べ鋭くなることが確認できた(図2)。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例11で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は67%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある黄色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例12)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Hを加えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色系の強い構造発色を示した。また、実施例10に比べ差スペクトルが鋭くなることが確認できた(図3)。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例12で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は66%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある黄色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例13)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例13で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は75%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例14)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、標準状態で、樹脂Dを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
次に、該混合溶液と架橋剤Aを混合し、アルミニウム製の容器(φ1000mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例14得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は74%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例15)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Iを加え、樹脂Aを樹脂Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な紫色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例15で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例16)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Jを加え、樹脂Aを樹脂Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な紫色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例16で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な紫色の輝度感を有し、やわらかい、深み、高級感のある美観性をかもしだしていた。
(実施例17)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子G、粒子Iを加え、樹脂Aを樹脂Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、赤色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青緑色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例17で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な青緑色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
(実施例18)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子G、粒子Iを加え、樹脂Aを樹脂Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、赤色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青緑色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例18で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な青緑色の輝度感を有し、やわらかい、深み、高級感のある美観性をかもしだしていた。
(実施例19)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子G、粒子Jを加え、樹脂Aを樹脂Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、赤色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青緑色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例19で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な青緑色の輝度感を有し、やわらかい、深み、高級感のある美観性をかもしだしていた。
(実施例20)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子H、粒子I、粒子Jを加え、粒子Aを粒子Cに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な黄色系を示す優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、光干渉性チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
実施例20で得られた光干渉性チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は62%であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きがあってかつ鮮明な黄色の輝度感を有し、やわらかい、深み、高級感のある美観性をかもしだしていた。
(実施例21)
<積層体の作製>
表面を黒色に着色した磁器タイル板(100mm×100mm×6mm、凹凸の程度:底部と頂部の差が0.5mm〜2mm、L=10)の上に、エポキシ樹脂(固形分:100重量%)100重量部、実施例1で得られた光干渉性チップ5重量部を混合したカラークリヤー塗料を、厚み(乾燥膜厚)が0.4mmとなるように刷毛で塗付し、温度80℃、相対湿度50%で、24時間乾燥硬化させ、カラークリヤー層を得た。なお該カラークリヤー塗料から形成されるカラークリヤー層の光透過率は71%であった。
次に、カラークリヤー層の上に、メタクリル酸メチル75重量部、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部、石英粉末(平均粒子径:30μm、屈折率:1.45)3重量部、過酸化ベンゾイル2重量部からなるクリヤー塗料Aを、厚み(乾燥膜厚)が1.0mmとなるように塗付し、温度25℃、相対湿度50%で、2時間乾燥硬化させ、クリヤー層を得、積層体を得た。なおクリヤー塗料から形成されるクリヤー層の光透過率は85%、屈折率は1.49であった。
得られた積層体の表面は、見る角度によって様々な色彩を発するとともに、黒地の中に落ち着きのある紫色の輝度感を有し、やわらかい、深みのある美観性をかもしだしていた。
さらに実施例21で得られた積層体について、JIS K 5400 8.9耐摩耗性試験を行った。テーパー形摩耗輪は、CS17を用いた。その結果、摩耗減量は、18g/100cmであった。
なお、実施例1で得られた積層体の摩耗減量は、28g/100cmであった。
(比較例1)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示さなかった。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
比較例1で得られたチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、単なるグレー色であった。
(比較例2)
<光干渉性チップの作製>
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Fに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示さなかった。
該物体を、大きさが1〜50mm程度の大きさに砕き、チップ(厚み100μm)を得た。
<積層体の作製>
比較例2で得られたチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
得られた積層体の表面は、単なるグレー色であった。
(比較例3)
<積層体の作製>
光干渉性チップの替わりに、金属粒子(アルミニウム粉:平均粒子径0.5mm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層体を得た。
得られた積層体の表面は、金属調の輝度感を有していた。
実施例10で得られた光干渉性チップの差スペクトルを示す図である。 実施例11で得られた光干渉性チップの差スペクトルを示す図である。 実施例12で得られた光干渉性チップの差スペクトルを示す図である。

Claims (4)

  1. 凹凸を有する基材の上に、
    平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が規則的に配列された光干渉性チップ、合成樹脂を含有するカラークリヤー塗料を塗付す積層体の製造方法であり
    光干渉性チップが、チップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下である球状粒子が分散してなる固形状物を圧延してなるものであることを特徴とする積層体の製造方法
  2. 基材が、底部と頂部の差が0.1mm以上50mm以下である凹凸を有する基材であり、光干渉性チップの大きさが0.1mm以上50mm以下、厚さが1μm以上500μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 光干渉性チップが、熱塑性を有するチップ形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が平均粒子径の20%以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該チップ形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延してなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 光干渉性チップが、平均粒子径600nm以下、アスペクト比が1.2以上600以下で、軟化点が該チップ形成樹脂よりも高い非球状粒子を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層体の製造方法。


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