JP2003136016A - メタリック塗膜の形成方法 - Google Patents

メタリック塗膜の形成方法

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JP2003136016A
JP2003136016A JP2001337732A JP2001337732A JP2003136016A JP 2003136016 A JP2003136016 A JP 2003136016A JP 2001337732 A JP2001337732 A JP 2001337732A JP 2001337732 A JP2001337732 A JP 2001337732A JP 2003136016 A JP2003136016 A JP 2003136016A
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JP
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coating film
metallic
coated
metallic coating
forming
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Hiroyuki Kai
博之 甲斐
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度感に優れたメタリック塗膜を、比較的簡
単な方法で形成することができる方法を提供する。 【解決手段】 凹部および凸部とによって形成された凹
凸状表面であって、該凹部を挟んで対向する凸部間の距
離が0.001〜10mmで、凹部と凸部の高低差が
0.001〜2mmである凹凸の形成されてなる被塗物
の該凹凸状表面に、フレーク状メタリック顔料を含むメ
タリック塗料を塗布することを特徴とするメタリック塗
膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタリック塗膜の
形成方法に関し、さらに詳しくは、優れた輝度感の得ら
れるメタリック塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フレーク状アルミニウム紛等のいわゆる
メタリック顔料を含むメタリック塗料は、キラキラした
金属状の輝き(以下、輝度感という)を発し、独特の意
匠効果が得られる塗膜を形成することから、自動車、家
電製品、事務用機器、各種情報端末機器等の分野におい
て、これらの製品ないしは部品の装飾仕上げのために広
く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メタリック塗膜の輝度
感は、該塗膜中に含まれるメタリック顔料の粒子表面に
当たった光が反射し、その反射光を人の目が感知するこ
とによって得られるので、輝度感に優れたメタリック塗
膜を得ようとする場合には、できるだけ多くの反射光が
目に届くように塗膜形成することが必要であり、そのた
めには、塗膜中のメタリック顔料の含有量を増やした
り、あるいは、できるだけ多くの反射光が目に届くよう
に、メタリック顔料の反射面が被塗物面に沿って配向し
た状態で塗膜形成するなどの方法が必要となる。
【0004】しかし、メタリック顔料を増量する方法
は、塗料コストの上昇、塗装作業性の低下を招くなどの
問題がある。また、メタリック顔料の反射面を配向せし
めて塗膜を形成する方法は、一般的な塗装方法ではメタ
リック顔料が配向せず不規則状態のままで塗膜形成され
ることのほうが普通であり、メタリック顔料を配向せし
めようとした場合には、被塗物面にプライマー層を形成
し、次いでメタリック顔料配向層、トップコート層の順
で形成して多層コートにする必要があり、このため、一
般的な塗装方法で形成された塗膜の場合は、その表面に
当たった光の大部分が乱反射し、輝度感に寄与する反射
光は該塗膜中のごく一部のメタリック顔料からのものに
過ぎないので、輝度感の乏しいメタリック塗膜しか得ら
れないという問題があり、多層コートの場合では塗装工
程が増加して塗装コストの上昇を招くという問題があ
る。
【0005】本発明は、上記従来のメタリック塗膜は輝
度感に乏しいという問題の解消を目的とするもので、塗
料コストおよび塗装コストを上昇させることなく、比較
的簡単な方法により輝度感に優れたメタリック塗膜を形
成する方法の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のメタリック塗膜
の形成方法は(以下、本発明方法という)は、凹部およ
び凸部とによって形成された凹凸状表面であって、該凹
部を挟んで対向する凸部間の距離が0.001〜10m
mで、凹部と凸部の高低差が0.001〜2mmである
凹凸の形成されてなる被塗物の該凹凸状表面に、フレー
ク状メタリック顔料を含むメタリック塗料を塗布するこ
とを特徴としている。
【0007】上記本発明方法においては、被塗物表面に
形成された凹凸が、凹部を挟んで対向する凸部間の距離
が0.01〜5mmで、凹部と凸部の高低差が0.01
〜1mmであることが好ましく、このような凹凸を被塗
物表面に形成するには、平均粒子径が0.001〜2m
mの骨材を含む塗料の塗布によって形成されるものであ
るのが好ましい。なお、この場合の骨材としては、球状
合成樹脂粒子であるのが特に好ましい。
【0008】また、本発明方法においては、被塗物表面
に上記凹凸を形成せしめる別の方法として、サンドブラ
スト法によって形成されたものであるのが好ましい。さ
らに、本発明においては、フレーク状メタリック顔料と
して、平均粒子径5〜60μmのフレーク状アルミニウ
ム顔料を含有するメタリック塗料を用いるのが好まし
い。
【0009】本発明方法は、上記特定の凹凸面を有する
被塗物の該凹凸状表面に、メタリック塗料を塗布して塗
膜形成することを特徴とするものであるが、本発明方法
によって輝度感に優れたメタリック塗膜が形成できる理
由は、被塗物表面を凹凸状とすることにより表面積が大
きくなり、その増加した表面積分だけ、反射に寄与する
メタリック顔料粒子の数が増加することによるものと推
定される。また、塗膜中に不規則な状態で含まれるメタ
リック顔料の反射面が、被塗物表面の凹凸の傾斜によっ
てその角度が修正され、一定方向の光だけでなく該塗膜
の周囲からの反射光も加わって、輝度感が増すものと推
定される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法において、輝度感に優
れたメタリック塗膜を得るには、該塗膜を形成する被塗
物表面が、上記特定の凹凸状表面であることが特に重要
であり、該凹凸において、凹部を挟んで対向する凸部間
の距離(以下、凸部間距離という)が0.001〜10
mm、好ましくは0.01〜5mmで、かつ凹部と凸部
の高低差が0.001〜2mm、好ましくは0.01〜
1mmの凹凸状表面であることが必要である。
【0011】上記において、凸部間距離が0.001m
mより小さく、高低差が0.001mmより小さいと、
被塗物の表面積の拡大が期待できず、また、場合によっ
てはフレーク状のメタリック顔料粒子が凹部を塞いで塗
膜形成されるようになり、メタリック顔料の反射面の傾
きを被塗物の凹凸に合わせることによって輝度感を向上
せしめようとする本発明の効果が得られなくなる。ま
た、凸部間距離が10mmより大きくなると、平面状の
被塗物と大差のない表面状態となり、メタリック顔料の
傾きが小さくなって輝度感の向上が望めない。
【0012】本発明方法でいう上記凹凸状表面とは、被
塗物表面に凹部および凸部が相対的に形成されてなるも
のであれば良く、その表面状態については特に限定する
ものではない。一例としては、クレーター状の凹部、溝
状の凹部、あるいは突起状ないし半球状の凸部などによ
って形成された凹凸状表面が例示できる。クレーター状
凹部の場合はその周辺部が相対的に盛り上がって凸部を
形成し、溝状の凹部の場合は、該凹部を挟んでその両端
が相対的に高くなって段丘状の凸部を形成し、突起状な
いし半球状の凸部が形成される場合は、その周辺が相対
的に凹部となるので、これら凹凸の形成された表面は、
いずれも本発明の凹凸表面とすることができる。また、
これらの凹凸は、被塗物表面に疎らに存在していても良
く、密集して存在していても良く、さらに規則的ないし
は不規則状態であっても良い。
【0013】本発明方法において、被塗物表面に凹凸を
形成する方法としては、予め凹凸の形成された金型を用
い、成形と同時に被塗物表面を凹凸状にする方法、平滑
な被塗物表面に砂、金属などの粒子を高圧空気と共に吹
き付け、該被塗物表面に凹みを作るいわゆるサンドブラ
スト法、被塗物表面に骨材を含む塗料を塗布し、該塗料
中の骨材による凸部を被塗物表面に形成して凹凸状表面
とする方法などである。
【0014】上記の凹凸状表面形成方法の中でも、平均
粒子径0.001〜2mmの骨材を含む塗料(以下、凹
凸面形成塗料という)の塗布によって、被塗物表面を凹
凸表面とする方法が好ましく、この場合の骨材としては
球状合成樹脂粒子であるのがさらに好ましい。用いるこ
とのできる凹凸面形成塗料としては、上記粒子径の骨材
を含む塗料であれば特に限定するものではなく、塗料業
界で慣用されている各種原料の中から適宜選択し、一般
的には骨材5〜20重量%、溶剤20〜60重量%、バ
インダー樹脂20〜75重量%の組成で含まれるものが
使用可能である。なお、該凹凸面形成塗料において、骨
材粒子の粒子径が上記範囲をはずれると、上記特定の凹
凸状表面が形成されなくなり、輝度感に優れたメタリッ
ク塗膜の形成が難しくなる。
【0015】凹凸面形成塗料に用いることのできる骨材
としては、ガラス、砂等の無機質系粒子、合成樹脂等の
有機質系粒子のいずれでも良いが、取り扱いの容易さ、
塗料化した際の安定性、塗装作業性などの点で有機質系
粒子が好ましく、特にポリスチレン系、ポリウレタン
系、アクリル系、ポリオレフィン系などの合成樹脂粒子
がさらに好ましく、さらにこれらの合成樹脂粒子の形状
が球状であるのが最も好ましい。
【0016】上記凹凸面形成塗料によって被塗物表面に
凹凸を形成するには、該凹凸面形成塗料を、必要ならば
適宜の希釈用溶剤で粘度調整し、公知の塗装方法で被塗
物表面に塗布した後、適宜の硬化条件で硬化せしめるこ
とによって形成できる。その際必要ならば被塗物にアン
ダーコートないしプライマー等による下塗り塗装を施し
ておいても良い。
【0017】本発明方法において用いることのできるメ
タリック塗料としては、基本的には従来のフレーク状メ
タリック顔料、例えば、フレーク状アルミニウム粉もし
くはフレーク状蒸着アルミニウム粉、フレーク状グラフ
ァイト紛、フレーク状雲母紛等、あるいはこれら表面を
表面処理してなるメタリック顔料を含むメタリック塗料
であるが、平均粒子径5〜60μm、好ましくは10〜
40μmのフレーク状アルミニウム顔料を含むメタリッ
ク塗料であるのが好ましい。
【0018】本発明のメタリック塗膜の形成方法は、上
記凹凸の形成された被塗物表面に、上記メタリック塗料
を公知の塗装方法で塗布し、自然乾燥、加熱乾燥。加熱
硬化等の適宜の硬化処理を施すことからなるものであ
り、このようにして形成されたメタリック塗膜は、そこ
に含まれるメタリック顔料が被塗物表面の凹凸にあわせ
てその傾きが変えられているので、輝度感に優れた塗膜
となる。
【0019】本発明方法によってメタリック塗膜の形成
できる基材としては、その表面に上記特定の凹凸が形成
されているものであれば特に限定するものではなく、合
成樹脂、金属、ガラス、陶磁器、木材、紙等を基材とす
る種々の製品、部品、成形品等が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、以下の実施例の配合組成において、各成分の配合
量は特に断りのない限り重量部で示した。
【0021】本発明方法の実施に当たっての被塗物の種
類、凹凸面形成塗料、メタリック塗料は、それぞれ下記
のものを使用した。被塗物の種類 (1)凹凸PP板:凸部間距離0.05〜0.25m
m、高低差0.01〜0.2mm凹凸を成形時に形成し
たポリプロピレン樹脂板。 (2)加工PP板:平滑なポリプロピレン樹脂板の表面
をサンドブラストし、上記(1)と同様の凹凸を形成し
てなるもの。 (3)塗装PP板:平滑なポリプロピレン樹脂板の表面
に、下記組成の凹凸面形成用塗料を塗布し、平均粒子径
7〜15μmのアクリル樹脂ビーズを突出せしめて凹凸
状としたもの。 (4)平滑PP板:表面に凹凸がなく、平滑面であるポ
リプロピレン樹脂板。
【0022】メタリック塗料 下記の各成分を均一になるように混合し、メタリック塗
料を調整した。 アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製、アクリディック A−157、樹脂分50%) 40部 塩素化ポリオレフィン樹脂(日本製紙社製、スーパークロン 832L、樹脂分30%) 20部 フレーク状アルミニウム顔料(旭化成工業社製、アルミペースト HR−850) 10部 トルエン 30部
【0023】凹凸面形成塗料 下記の各成分を均一となるように混合し、凹凸面形成塗
料を調整した。なお、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフ
ィン樹脂は、上記メタリック塗量の調整において用いた
ものと同一とした。 アクリル樹脂 40部 塩素化ポリオレフィン樹脂 20部 アクリル樹脂ビーズ(綜研化学社製、MR−13G、平均粒子径 7〜15μm 10部 トルエン 30部
【0024】実施例1〜3、比較例1 上記それぞれの被塗物表面に、上記メタリック塗料を、
乾燥塗膜厚約20μmとなるように塗布し、70℃で1
0分間加熱乾燥してメタリック塗膜を形成した。得られ
たメタリック塗膜の輝度感を目視により評価した。評価
結果を下記表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係わる
メタリック塗膜の形成方法は、被塗物表面を上記特定の
凹凸状としたことにより、そこに塗布されるメタリック
塗料中のメタリック顔料が、該被塗物表面の凹凸の傾斜
に沿って配向した状態で塗膜形成されるので、従来の平
面状の被塗物に形成されたメタリック塗膜に比べ、格段
に優れた輝度感が得られ、意匠性の向上に寄与すること
ができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 BB04X CB13 CB27 CB33 DA06 DA07 DA23 DB01 DB13 DB14 DB18 DB21 DB31 DC11 DC18 EB13 EB14 EB22 EB38 EC10 EC13 EC23 EC24 EC53 4J038 CB002 CC002 CG002 DG002 EA002 EA011 HA066 HA486 KA08 KA20 MA02 NA01 NA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部および凸部とによって形成された凹
    凸状表面であって、該凹部を挟んで対向する凸部間の距
    離が0.001〜10mmで、凹部と凸部の高低差が
    0.001〜2mmである凹凸の形成されてなる被塗物
    の該凹凸状表面に、フレーク状メタリック顔料を含むメ
    タリック塗料を塗布することを特徴とするメタリック塗
    膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記被塗物表面に形成された凹凸が、凹
    部を挟んで対向する凸部間の距離が0.01〜5mm
    で、凹部と凸部の高低差が0.01〜1mmであること
    を特徴とする請求項1記載のメタリック塗膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記被塗物表面に形成された凹凸が、平
    均粒子系0.001〜2mmの骨材を含む塗料の塗布に
    よって形成されたものであることを特徴とする請求項1
    または2のいずれか1項に記載のメタリック塗膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記骨材が、球状合成樹脂粒子であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のメタリック塗膜の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記被塗物表面に形成された凹凸が、サ
    ンドブラストによって形成されたものであることを特徴
    とする請求項1または2のいずれか1項に記載のメタリ
    ック塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記フレーク状メタリック顔料が、平均
    粒子径5〜60μmのフレーク状アルミニウム紛である
    ことを特徴とする請求項1記載のメタリック塗膜の形成
    方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007289939A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Sk Kaken Co Ltd 積層体の製造方法
JP2012217893A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 F Consultant:Kk 塗膜積層体
JP2014073677A (ja) * 2012-09-13 2014-04-24 F Consultant:Kk 積層体
JP2014073676A (ja) * 2012-06-29 2014-04-24 F Consultant:Kk 積層体
JP2015089652A (ja) * 2013-11-06 2015-05-11 セイコーエプソン株式会社 記録物の製造方法および記録物
US10279603B2 (en) 2013-11-06 2019-05-07 Seiko Epson Corporation Production method of recording material, and recording material

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